※この作品はR-18です。

雷夏先生とゆく、緑蜜高等学校ダンジョン部!!!   作:山下敬雄

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開幕貝柱カップ②

蛸足が昆布色のソードにぶつ切りに料理され護水内を浮かぶ、そんな知り合いの彼が活躍した光景をサンゴとエベザリスは旧海中闘技場のVIP洞から見ていた。

 

「動きが良くなった。体が温まり緊張がとけたといったところでしょうか」

「ふふふそれはどやろ。なんかお客様の身、えらい大事にしてたみたいやなぁ。キラーラの容赦ない戦いぶり見て気付いたみたいやで」

「護水のことを知らなかったのですか。……」

「泳ぎ方よりはよ教えとくべきやったな。それよりえらい暇してんなぁ──そっち」

「棄権で早く終わった、それだけだ」

「あらそうやの? そない滲みでてる気迫(オーラ)にお相手さんも尻尾と貝殻まきたくもなるわな。でもおめでたいと言いたいところやけど複雑やなぁ。あ。ほな隊長さんが貝柱になったときにそなえて、もっと仲良ぅしとこか。はいこれ──海老むいたけど?」

「私は勝ち進んでも貝柱にはならない。不在ならば今は別の海で療養をし、そのうち泳ぎ帰ってくる。その可能性は捨てきれない」

「ふふふえらいやさしいひと──あむっ」

 

勝利貝を握りしめる、そんなみどりの少年を遠目にしばし見つめて────サンゴはエベザリスのVIP洞を後にした。

 

 

 

▼

▽

 

 

 

⬜︎

グループ雲丹 戦績一覧(獲得勝利貝枚数順)

4枚 キラーラ

3枚 ヒョウちゃん ンボー・マラスカット

2枚 キラーラジュニア ラックテン・カイト

1枚 ココタコ

⬜︎

 

 

 

 

足を幾本か食いちぎられたココタコが海都の方に狂暴なアザラシを倒しもぎとった勝利貝を見せつけた。

海都はそれをくすりとすれちがい様に笑いながら、

若葉色の頭巾をきゅっと気合を入れ結んだそんな背をココタコはクールな眼差しで見送った。

 

本日トリとなる最終試合。

ラックテン・カイトはかわって東洞を泳ぎ進み、既に盛り上がりつつある歓声と野次の重なり待つ護水内へと入場した。

 

『先ず東洞から入場したのは────やーーい無様な2敗瞬殺ワカメマ~~ン。ハッ、こっから連勝すればいいだけなんすけど? 大丈夫、クレープ食う? 他海から現れたなぞのみどり、人呼んでグリーンモンスター。この海藻に葉緑体はありません、だけどあるぞ逆転劇。クレープそれってなんじゃらほい、巻いて巻かれて巻き起こす!今宵さばくはあなたです!カオスに甘く渦巻きつづける海中都市伝説はつづくのかーーー!!! 今一番ノリにのって波にのって脂がのってツイている漢、ラックテン・カイトおおおおおお!!!』

 

どこまでが人呼んでで、どこまでが誇張じゃないのかわからない滑舌とノリのいい実況をききながらも、海都はながされた苦笑いをやめ、先の暗がりにぐっと目を凝らした。

 

『つづきましてぇー西洞からご入場したのは────こいつに挑む? そんな無謀なアシカどもは波打ち際で手を上げろ。全部喰らってアシカショー。そうじゃなくてアゲハ蝶。蝶じゃなくてちょーー強いっ!!! ひらりひらり豪快に今舞い降り…ウワッ!?? っと実況席にもご挨拶、かちこいかちこいシャチショーも。今宵はたくさん魅れるかなぁ? がんばれがんばれ応援するのはシャチさんではなく、チャチな方。4戦4勝つまりは全勝、ジュニアにさえ手加減なし。おっとここで抜き打ち算数小テストのじかんです。2+1=4。……このタコ! 義務教育はめだかの学校、川の中。そっとのぞいてみてごらん。殺戮ショーがはじまるよ~♪ シャチショーチキショーエンタメショー、意味はネェけど勝手にたたかえ! グリーンモンスターvsキラーホエール ウォッチング!!! ラックテン・カイトvsキラーラの笑いあり涙あり秒殺はなしにしてぇ…グループ雲丹本日さいこうの最終決戦の始まりダーーーーーー!!!』

 

びゅんと西洞を抜けて舞い上がったその黒き魚影は彼の目に見えたか。

うるさい実況席に鋭く尾で打った水を浴びせ、ひらりひらりとは程遠いキレキレの動きでジグザクに海底の舞台へと舞い降りた。

 

ただただ速く力強くド派手に現れた鯱の貝間、巻きあがった砂埃さえぐるりと水平に回した尾で撥ね退け、一瞬で澱んだ水をクリアにした。

 

鋭い目尻から白く伸びたアイパッチ。

黒基調のシェルアーマーにところどころ映える白は可愛いというよりは超イカつい、超危険生物の模様。

口角三日月にし剥きだしギラリ嗤うのは歯というよりは牙、ダサイ臼歯はなくすべてが牙のように尖る、まるでかのウツボ姫のように獰猛な武器をみせて…。

そしてしなやかに伸びるながい尻尾が、くいくいと動き目先のみどりの挑戦者を挑発する。

 

「シャシャシャシャあくびと御託はでそろったかい? じゃァ、──来なッッ!!! ビビって来なけりゃコッチからイただくよ!!!」

 

「じゃぁ……イキマス!!! 【熱熱クレープグレープ弾】!!!」

 

そんなに熱く勇ましく誰かのように来いと言われればイクしかない。

そんなに理不尽にイただくと言われれば必死にご提供するしかない、いつものように。

銃口をしかりと定め……熱く熱く発射し届ける弾丸は途中でひらひらと花開き────ご挨拶の一品目の技を正面から食い破った全勝鯱女のキラーラは、二丁の銃を構えた二連勝漢、楽天海都へと超豪速で泳ぎ襲い掛かった。

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