※この作品はR-18です。

雷夏先生とゆく、緑蜜高等学校ダンジョン部!!!   作:山下敬雄

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悪は流れる❻

「これはそちらの予定通りですか…!」

「ルふふ、クロ様は慧眼をお持ちだ」

 

一気に惜しみなく湧き出た多量のオーラ、開ききった今は空っぽの宝貝。

予想をおおきく裏切る事態に、護水内の注目と警戒が集まった。

 

「バンちゃん、バンちゃんはねッ……貯金もお使いも得意だもんねええええ、べえええええ!!!」

「ふふ…さすがバンちゃん、演技派だねぱちぱちぃ」

 

ウエストポーチのポポーチは『ワン』と元気よく吠えた。

日々コツコツ余剰オーラを餌にしいつも身に着けた仲間のポポーチの中に貯蓄していた事を思い出したバンちゃんは、今全てを解放し宝の中身をいただくためのオーラ量を得ることに成功した。

 

そして念願のキラキラを得た青髪の海賊女が舌を出し、昂る。

あまりのオーラプレッシャーに近寄れずにいたダーククリーナーたちはたじろぎながらも、連携し取り囲みその危険なニオイのする女海賊に隙を見て襲い掛かった。

 

 

「愚かに沈むのがお望みですか!」

 

「ウロボロシーのオーラが乱れ封が解ければどちらにせよそれでいいのでコシャル。乱れれば乱れるほどに穢れれば穢れるほどに、海のケイオスは高まるのでコシャルふふ」

 

わからない御託を述べたシャル隊長率いるダーククリーナーはそれでもサンゴたちの行く手をふさぎ攻撃を止めることなく邪魔をしつづける。敵の敵は敵、味方ではない。そんな混沌とした護水内でサンゴとシャルの利害が一致することはなかった。

 

(…! この最悪の状況を覆す方法はもはや……)

 

サンゴは纏わりつく黒の脅威を払いつつ、周りの様子を窺ったが……戦況は芳しくない。

仲間たちは人海戦術を仕掛ける黒いシェルアーマーを相手するのが今は手一杯であり、サンゴ自身も隊長格のシャルを抜くことが難かった。

 

 

そんな乱戦の最中、一瞬煌めいた緑の閃光が真っ直ぐに疾った。

 

「どいて! その剣はあぶない!!!」

 

黒いシェルアーマーの敵対していた貝間に突然声を張り上げ警告し、無理矢理その剛力で弾きどかした。

果てから斬り飛んできた緑の殺気をいち早く感じ取った苺茅は自身の剣で受け止めた。

鋭い緑のオーラは防御する水色のオーラを纏う剣ごと砕き飛ばし、苺茅は吹き飛ばされてしまった。

 

「イチゴさん!!? 大丈夫すか!!? 今回復します!!!」

 

「ッ…お姉ちゃんは…大丈夫……カチューシャがちょっとダメになっただけ…」

 

「ちょっとちょっとお姉ちゃんは大丈夫じゃないでしょ!??(頭から血ぃでてるし!) んぼぼ!?? いったいぜんたい何が起こったっての!!?」

 

「アレは……」

 

タコさんのカチューシャがぶつ切りに切れ、髪が乱れ、血が頭から痛そうな顔にだらり滴りまわりの水に溶けてゆく……。

 

その威力は地を刻み、ギザギザのオーラの残滓が緑に噴きあがる。

遠くからでもキラキラとしているその緑の宝石のような輝きは──砕けて新たに手にした秘刀曲刀。

 

 

「【エメラルドカトラス】!!! バンちゃんのあたらしい宝物(おともだち)ぃぃい!!!」

 

 

【海賊七つ道具:エメラルドカトラス】

名だたる海賊の隠した七つ道具のひとつ、曲刀エメラルドカトラス。

その刃は緑に美しく煌めき、一振りすれば海をもふたつに引き裂くと言われている。

宝珠を得たバンちゃんのオーラがおおきく覚醒(レベルアップ)し隠された伝説のキラキラをまたひとつ見つけた。

 

 

一振りの地と海を割る閃光に、あらたな玩具を得て目と舌を剥きだしにはしゃぐ青髪の海賊女。

もはやとどまることを知らない海賊の欲望とオーラに、荒れつづける護水内は青と緑のあやうく煌めく脅威に支配されつつあった。

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