「百代、俺は覚悟を決めた」
川神院、水城ユウの部屋。
百代との人生を賭けた勝負を承諾した一日は、何とか無事に終えることができた。無事……と言えるのかは微妙なところだが。
百代に息子をイジられ、あらぬ誤解を生みかけた。決闘でも、保健室でも空気握力によって何度人生が詰みかけたかわからない。
このままではいかんと決意する。
ただ注意するだけじゃ、この理不尽武神は止まらないだろう。寧ろ、さらに調子に乗ってイジりに来るに決まっている。
早いうちから手を打たねば。
「ほほう、どんな覚悟なんだ?」
目の前には、その元凶たる川神百代が仁王立ちしてニヤニヤ笑っている。保健室とトイレであれだけ情けないアクメを決めたクセに、何なのだろうかこの太々しさは。
あれから、何とかトイレから保健室に戻ることができた。その時には百代は完全に絶頂して、潰れたカエルのような状態で痙攣していた。我慢の限界が来て放置してしまおうかと思った程だ。
しかしそこはなんとかグッと堪え、鉄心にはやつも川神大戦の疲労が溜まっており、今日は休むと説得してことなきを得た。
それなのにこの太々しさである。
顔面をぶん殴りたい。
「俺の息子にかけた技、常にそれを使われたんじゃあ勉強すらままならない。俺はお前の提案に乗った、なら俺の出す条件に乗るのもスジってもんじゃないのか?」
「まあ、それが道理って奴だよな」
「けどお前は言っても聞かないだろ?」
「まあな♪」
ウィンクとともに応える。
マジぶん殴りたい。
そう、この川神百代という女は言っても聞かないのである。愛してやまない男の心を自分の虜にするために、あの手この手と攻めてくるに違いない。
それこそ手段はいくらでもある。反則級のチート技の宝庫、気の暴力によってあらゆることができる。外界から遮断するセックスルーム、遠距離からのアイアンクロー、etc…ぶっちゃけこの女にできないことはない。あらゆる手を使って、俺の心を折にくることだろう。
ならば……
「もし、俺の息子をイジるのをやめないんなら、俺にだって考えがある」
そう言って取り出したのは一本の小刀。
川神院の実践用の武器の一つを借りてきた。
百代の前で座り、膝をついてかまえる。
小刀を抜くと、膝を開き刀の切っ先を自身の息子のある位置へ持っていった。
「これで———斬る」
「何をだ⁉︎」
「ナニをだ」
即答。何をと聞かれれば、ナニに決まってんだろ。俺の覚悟は本物だ。真剣と書いてマジと読む、本気の目をして百代を睨む。絶対にやると言ったらやる、長い付き合いだからあいつもそれをわかっているはずだ。
その覚悟のこもった目を向けられた百代の表情からは、瞬く間に血の気がさぁ…と抜けていく。
「よぉーしよくわかった!流石に悪ふざけが過ぎたな!正々堂々いこう!」
理想的な反応を示してくれた。こいつが切り落とされたのであっては、あいつも本末転倒だろう。
百代は前に言った。ぶっちゃけ、小さかろうが無かろうが構わない、と。
あいつが惚れたのは俺の精神、何度も自分にぶつかってくる強靭な心らしい。早く自分の虜になってほしいと思う反面、反骨精神を持って快感に抗う俺の姿を見てゾクゾクしている自分がいた。
だが、切り落とすには惜しいほどに俺のペニスは国宝級らしい。あの絶倫による快楽を味わったら、もう戻ることはできないぐらいに。
百代は既に、俺のちんぽ中毒になっていた。
「わかってくれたならいいんだよ」
小刀を鞘に収めると、やつは胸に手を置いてホッと息を吐いた。そして部屋に結界を張る。これから行われる行為によって、音と匂いが外へ漏れないように。
百代は挑発的な笑みから、熱った雌の顔へと変わり俺の首に手を回して顔を近づけてきた。
身体を密着させ、胸と太ももを押しつけるてくる。
「まだやるのかよ。今日散々、中出ししただろうが」
「やめられないんだよ。それぐらい、お前のちんぽは凄いんだ。火山だ、火山」
そう言うと、俺の手を掴んで自身の胸に当てがう。俺も抵抗することなく、その豊満な乳房を制服の上から鷲掴む。
百代は性技で、俺は決闘で勝負する。その条件を飲んだからには、従わなければならない。真剣な眼差しを百代に注ぐ。それを受けたやつは、恍惚とした表情をしていた。
既に敷かれた布団。そこで俺は百代に覆い被された。細く美しい指が制服の隙間に入っていき、胸筋を愛撫される。
「ん……ちゅ❤︎ちゅぱッ、あむ」
互いに身体を愛撫する形になり、さらに顔を近づけて相手の唇にしゃぶりつく。
ずっと百代のペースにはしない。俺も攻めることで、さっさとこの性行為を終わらせる。だが、これこそがあいつの目的なのか優越感に浸っている。
布団上で絡み合いながら、互いの制服をはだけさせていく。ボタンが外れて、ジッパーが降ろされ、制服の隙間から下着が見え隠れするようになる。
「んふ♪」
唇を離すと、百代は倒れた俺の胴体に跨ってスカートをたくしあげた。黒い下着の陰唇を隠す箇所をずらして、膣をむき出しにした。
水城ユウ専用の肉棒差し込み口となったそこへ指を突っ込んで、陰裂へと指を掛けた。左右に押し広げると、綺麗なピンク色のまんこが目に入る。既に愛液を垂れ流す膣口は、物欲しそうにヒクヒクと収縮していた。
陰部に目を奪われて、胸の内に溢れる黒い欲情が込み上げてくる。従えていられなくなり、俺の肉棒がグングンと上がっていくのを感じる。
亀頭を突き付けた。ずらされた黒い下着を潜り、陰唇を掻き分けて膣口に触れる。
「この変態女」
「お前もな❤︎」
百代の腰を両手で掴んで、肉棒を上へと突き上げた。今日の学校で散々ヤッたとは思えないほどに綺麗な陰部で、狭い膣は俺の肉棒と触れ合いながら大きく広がっていく。
亀頭の先端が膣口に埋まり、その後ずるりと喰らうように亀頭を呑み込んでいった。百代の肉体は悦んで俺を受け入れ、膣壁を擦りながら肉棒を奥へ奥へと進行させる。
そして、ぷちゅっと子宮口と尿道口が口づけをする。百代の膣内が俺の男根を完全に包み込んだ。どろどろの愛液が広がり、肉棒と膣壁の間を満たしていく。
滑りがよくなったそこを、腰振りによって我が物顔で肉棒で前後に動き始める。隙間などないようこいつの
百代も負けじと夢中になって腰を振る。
「お前は…んん❤︎私のモノだ、はぁ……ユウ❤︎」
「抜かせ、寧ろイカせて気絶させてやる」
「んあぁぁぁ……❤︎」
腰をさらに速く動かす。
上半身を前に倒し、百代の胸に顔を埋めるとピストンを激しくさせる。ぶっとい男根が、膣口の出入りを続ける卑猥な水音がこだまする。
水音が響く部屋。そこ百代の甘い声が混ざり、俺の荒い呼吸が聞こえ始めた。
(あ゛ぁ‼︎き、来たぁ……!)
こみ上げてくる精液を感じてラストスパートをかける。連続正拳突きのように、凄まじい速さで百代の膣内を捲り上げる勢いで肉棒が飛び出し、すぐに全貌を膣内に隠す。
誰がどうみても、愛し合う男女の激しい交わり。
雌として最高の名器からくる百代の締め抜けによって、俺の理性が溶けていくのを感じる。この女から解放されたいと思っているのに、雄としての俺の身体と本能がセックスをさらに加速させていく。
亀頭による子宮の連続突きの末、盛大に精液をぶちまけた。
ドヴォロロロロロロロロ‼︎
ビュルルルルルルルルルル……‼︎
ドピュッッッ‼︎ドププププ……‼︎
「んあ゛ぁぁぁぁあ❤︎あづいぃぃぃい❤︎‼︎」
嬌声を上げると、百代は俺に向かって圧し掛かって抱き着いてきた。性液を一滴たりとも逃がしはしないためだ。背中に回した手で締め上げるように密着し、俺の胸板で胸を押し潰しながら膣口をゴリゴリ押し付ける。
どぷどぷどぷッ!精液が子宮へと殺到し、瞬くほどの短い時間で精液に満たされた子宮袋ができあがった。それでも未だに俺の射精は終わらない。出る、溢れる。ひたすら出し続けて、百代はその全てを受け止めた。
「はぁ、はぁ……❤︎今回は、これまでだな……」
「何だもう終わりか?」
ゆっくりと膣から肉棒を抜いていく。いつものこいつならニ戦目、三戦目と性欲が続く限り繋がり続けるはずなのに。意外と早く切り上げる百代に疑問を感じる。
完全に身体を離れた百代は、ズレた制服を整えながら残念そうに答えた。
「今日は集会なんだよ。メンバー全員集合だってさ」
「ああ、風間のお供の……」
確か、金曜集会とかいう金曜日には必ずメンバーが集う約束の日があるとか。
何故そんなルールができたかは俺なんかが知る由もないが、何年も長く続けているんだからそれだけ大切な約束なのだろう。
……というか、
「そんな大事な集会あるのにセックスしたのか⁉︎」
「まんこに精液を溜めとかないと落ち着かないんだよ、なんか腹の辺りが物足りないな〜って」
呆れてものも言えねぇよ。もう落ちるところまで落ちてしまったライバルに頭を押さえる。
「ユウ」
「あ?なんだよ、さっさと行……んぅ」
名前を呼ばれて顔を上げると、柔らかいものが唇に当てられる。
それはさっきのセックスによる貪るようなものではなく、ソフトな愛を囁く口付けだった。
「んじゃ、言ってくる♪」
まさに美少女、そんな眩しい笑顔で手を振って、百代は部屋から出ていった。
ーーーーーーーーーー
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ーーー
翌日———休日の川神院。
川神院の練習場で俺はある相手とぶつかり合う。互いに素手、得意の武器を持つことで初めて本領を発揮できるんだが、今は己の肉体だけでどれだの力が出せるのか軽い組み手を行っていた。
……の、筈だったんだが、組み手が続いていくにつれて闘気がヒートアップしていく。攻撃を放って、それを捌いての繰り返しが、やがてフェイントや関節技も加わり凄まじい攻防へと変わっていく。
「はあぁ‼︎」
「ふっ!くっ……」
紅髪の女性、エーベルバッハの強烈な回し蹴りを腕をクロスさせることで防御する。すかさず反撃の正拳突きを腹部に当てることで、カウンターを成功させた。
拳は完璧に入った。エーベルバッハは苦悶の表情で腹を抑えて、その場に膝をついた。
組み手の終わりを意味していた。
「いつの間にか試合になっちまったな」
「これぐらいでなければ、訓練になりません」
ふん、と鼻を鳴らして猟犬は立ち上がる。
一見、もう回復したかに見えるが、その顔は微妙に痛みで歪んでいる。プライドの高いこいつらしい、見栄っ張りだ。
そんな彼女に苦笑いを浮かべながら、俺はその場に腰を下ろす。暫し休憩だ、軽い組み手のつもりが俺自身も熱くなっちまったな。
エーベルバッハも同じように腰を下ろす。
「しかし良かった。もう川神大戦の疲労はないようですね」
「まあな。あれから総代から気の回復を受けたから。もうすっかり全開だ」
「次は本調子のあなたと戦えるというもの」
ギラリと、飢えた獣の眼光とともに猛々しい闘気がのしかかってくる。俺もそれに受けて立つ、と笑い返した。
あの決闘から、俺達は交流するようになった。エーベルバッハは更なる高みを目指すために、俺も武道家として軍人である彼女の戦い方はスリルがあると気に入っている。気が合うのはそう時間がかからず、休日暇かと誘って組み手をしていた。
「しかし流石は軍人、素手でも強えなエーベルバッハは」
「いついかなる時も戦闘ができるよう備えるのは当然だと知りなさい。それに……」
鋭い獣の眼から、どこか不満気な眼へと変わる。さっきまで重くのしかかっていた闘気も嘘のように消えていた。
何事かとキョトンとしていると、
「そのエーベルバッハ……というのは少し……」
「嫌か?俺は基本、苗字で呼ぶんだけど」
「呼びにくいでしょう。マルギッテで構いません、というかそう呼びなさい」
「そうか。じゃ、マルギッテ———これでいいか?」
「ふふ……ええ、構いませんよ」
名前で呼ばれた彼女はとても嬉しそうに……それこそ軍人と呼ばれたマルギッテではなく、一人の女性としてのマルギッテが笑っているように見えた。その頬は若干、赤く染まっている。
すると、そんな俺達の空間に第三者の声が乱入してきた。
「ヒューヒュー!お熱いねぇお二人さん!」
聞き慣れた活発な声が練習場に響く。振り向くと、出入り口から見覚えのあるバンダナの後輩とその仲間達がゾロゾロと入ってきた。
後に続いてきた島津は、休日に俺が女と過ごしていることに嫉妬の涙を流し、それを師岡が呆れている。最後に入ってきた直江が、
「ホントだな、キャップ。もう付き合っちゃえば?結構、優良物件でしょ?」
そんな茶々を入れてくる。
俺とマルギッテの会話は、側から見れば甘いやり取りに見えていたようだ……いやこれ冗談か?なんか声のトーンや目の色から本気のように感じられる。
しかし、真面目なマルギッテはバカにされていると受け取ってしまったみたいだな。水を刺されたことで彼女は不機嫌に眉間に皺を寄せ、俺も大きくため息を吐いた。
「そういうのじゃねーよ。マルギッテに失礼だろ」
「下らない冗談は、人を苛立たせるだけだと知りなさい」
「いやいや。休日に女と二人っきりってのは、男冥利に尽きる状態なのによぉ。寧ろ自慢するところだぜ?」
「組み手だぞ、組み手。そんな花のある雰囲気じゃないだろ」
「女と二人っきりってのが重要なんスよ、先輩!」
涙を流して食いついてくる島津の大声は、場所が練習場なこともあって酷く反響した。俺は耐えきれず耳を塞ぐ。女子と一緒に行動する時、この後輩はいつもこうして荒ぶってくる。
俺は俺なりにただ普通に接しているだけなのだがな……。
「で?何のようだよ。俺なら今、マルギッテと…」
「いえ、私はこれで。午後から任務があるので」
「そうなのか?飯くらい食ってけよ、奢るぞ?」
「それには及びません。組み手に誘ったのは私なのですから……それでは」
そう言って、一礼をして去っていくマルギッテ。一人練習場に残された俺に肩に、これでもかと嬉しそうな島津が手を置いた。
「ようこそ先輩、モテない男の世界へ」
「で?要件なんだよ風間」
「完全に無視られてるよガクト……」
やかましいやつはいないものとして扱うに限る。リアクションというのは取られるより、無反応の方がダメージが強いっていうからな。効果は的面のようで、島津は膝をつきそんなこいつの横で話は続く。
「それはっすね先輩、改めて風間ファミリーの勧誘に……」
「断る」
「まだ最後まで行ってないのにー!」
大体のことは予想していたが、まさかのドンピシャだった。俺に会いに来る時は大体が勧誘だからな、もう慣れたが……
「しつこいを通り越して、執念だな。そんなに俺をメンバーに入れたいか?」
「男らしいところが気に入ってんだよ〜」
「それにしたっておかしいよ、キャップは。普通、恋敵を勧誘する?」
「ああ、そういやお前も百代に惚れてたんだっけ?」
「それはそれ!これはこれ!恋敵ではあるが、気に入ってるからメンバーに入れたい!俺は難しいことは考えない!」
「それでモモ先輩がユウ先輩とくっついたらどーすんだよ?」
「それはそれ!これはこれ!キッパリ諦めて風になるさ……んま!負けるつもりねーけど!」
(もうくっついてんだよなぁ……物理的に……)
罪悪感が込み上げてくる。こいつらが知らないうちに、裏では何度も百代と身体を重ねている事実。それを知ったら風間ファミリーはどう思うんだろうな。確実に、よからぬことになるはずだ。特に直江のリアクションが一番怖いわ。
「お前のそういうとこは買ってんだよ俺。ある意味、心の強さは壁を越えてるよ。でも、お前らはどうなんだよ?今更メンバー増えるの嫌じゃないのか?」
「昨日の金曜集会で多数決したんだけど……
●賛成派
川神百代、風間翔一、川神一子、黛由紀江
●拒否派
直江大和、島津岳人、椎名京
●中立派
師岡卓也 クリスティアーネ・フリードリヒ
……こんな感じになったんです」
「ここにいるのほぼ拒否派じゃねーかッ‼︎」
賛成派の風間はまだしも、直江と島津は拒否派。
残る師岡は中立派だが、おそらく拒否派寄りだろう。こいつも椎名ほどじゃないが、風間ファミリーに並々ならないこだわりを持っている。
ちょっと前に、フリードリヒともアジトのことで衝突したそうだ。こんなメンバーで勧誘って、どうなんだよ……。
「まぁ、これが最後らしいしよ」
「僕達も最後まで付き合おうってなんだんだよね」
「最後ぉ?」
島津と師岡の言葉に、ピクリと反応する。
「そ、多数決で決めた時に軍師がな。ユウ先輩も、何度も誘われて迷惑だろうし。今回を最後で断られたらもうキッパリ諦めよう、ってなったんすよ」
「成る程ねぇ……」
チラリと直江の方を見ると、無言でコクリと頷いた。長年勧誘され続けて、いい加減飽き飽きしていたところだ。ここいらでそろそろ決着をつけるべきだろう。
そうと決まれば、風間と向かい合う。
「これが最後……男に二言はないな?」
「勿論!ぜってー先輩が風間ファミリーに入りたくなる秘策がある!その名も、秘密基地ご招待大作戦!」
「そのまんまだな……けど、秘密基地か。そういやお前ら、金曜集会だっけか?そこでそれやってるんだったな?」
幼少の頃は空き地をアジトにしていたらしいが、やがてビルが建てられてしまった。
そのビルも廃ビルとなったと聞いていたが…
「ビルの管理を条件に、好きに使わせてもらってるんです」
「……秘密基地の為にそこまでやるか?」
たかが子供の頃の秘密基地。普通なら時が経つにつれて、拘りはなくなってくるもんだろ。それよりも、風間ファミリーのメンバーが住んでいる島津寮を拠点にする方が自然だと思うが。
「あそこは僕達にとっても、大切な場所なんです」
疑問に思う俺に、師岡が真剣な表情で答える。オドオドしているいつもとは打って変わって、何やら力強い意志を感じる。それぐらい、思い入れがあるんだろう。
メンバーじゃない俺が口を挟むことじゃなかったな。
「わかったよ。で、基地にはいつ行くんだ?」
「今メンバーはそれぞれ所用でバラバラだから、全員が揃う夕方で」
「助かるぜ。昼からは矢場と買い物に行く約束してたから」
「ぐはぁーーーッッッ‼︎‼︎」
島津の身体が飛ぶ。殴られたからでも、投げられたからでもない。嫉妬と悲しみによる条件反射で、身体に衝撃が走ったのだ。
涙を流しながら、島津岳人は思う。
朝は年上の女性と組み手。
昼は同級生とデート。
本人は何食わぬ顔。
モテの神様、あんたは理不尽だ。
そんな想いを天に向けながら、悲しいモテない男は頭から床に激突するのであった。
「じゃ先輩、夕方来てくれよな!」
「おい待て、島津持って帰れ」
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