さぁ〜、皆さんお待ちかね
直江大和、脳破壊がやってまいりました
「百代様ですか……今日は見ていませんが?」
「そうですか。すみませんでした」
川神院の修行僧に軽く頭を下げると、俺は青空を見上げた。
「くそッ……どこに行ったんだよ姉さん」
ため息混じりに、そんなセリフが口を突いて出た。下北沢くんとのダブルデート当日、姉さんに呼び出しの電話をしたのに全く反応がない。仕方なく、直接川神院に迎えに行っても姉さんは留守だと言われた。
姉さんには今日、ダブルデートだからとんでもなくすけべな格好で来てくれと伝えてあった。露出度が高く、胸と尻を強調した服装で俺の隣を歩き、イチャイチャっぷりを見せつけてやるのだとわくわくしていたのに。
姉さんは来るどころか居場所すら掴めない。
ありえない……こんなこと絶対に。
洗脳アプリによって、彼女は俺の命令には絶対に逆らえないようになっているはずなのに。よりにもよって今日、姉さんは俺の前から姿を消した。
……今までの経験からすると、何かがあったのは間違いないだろう。
あの武神だ。よほどのことがあっても拳一つであっさり解決してしまう。俺以外の男に肌を触らせるなと命令もしてある。
そう、姉さんに何かあるなんてありえない……けど、正直……俺は不安で気が気じゃなかった。
この感じ、前にも感じたことがある。
俺が知らないところで何か大きなことが起きているという、過去からの経験。考えうる限りで、その原因となっていたのが……水城ユウだ。
「まさか……そんなはず」
俺が姉さんを手に入れてからのあいつのリアクションは特になかった。川神百代を奪われて怒るでも悲しむでもなく、あっさり事実を受け止めていつも通りの日常を送っているようにも見えた。
まさか奴が、俺と別れて一人になった姉さんにナニかをやらかしたら……いや、そんなことはない。だって姉さんは最強の武神だ。あんな奴に襲われても、軽く返り討ちにできるはずだ。
だというのに、なんだこの不安は?
考えれば考えるほど、いても立ってもいられない気持ちになる。もしも俺が想像している最悪の予想が当たりで、こうしている間にも姉さんはあいつと一緒に……。
「違う!そんなはずない!姉さんは俺のことが好きなんだ!何度も俺に愛を囁いてくれた!あんなやつと一緒にいるなんてこと、絶対に……」
あってたまるか!その言葉が吐き出される前に、喉の奥で止まる。
握りしめているスマホを睨みつける。そうだ、俺が姉さんを手に入れられることができたのは、所詮は洗脳。男の風上にも置けない、薄汚いチートを使ったおかげだ。
姉さんは元々、水城のことが好きだった。洗脳が解けて、その想いが元に戻ったりしたら?
……俺は、終わる……。
「くそッ!早く姉さんを探さないと!」
……その時、
「あら大和じゃない?どうしたのこんなところで」
「……え?」
聞き覚えのある声に俺は振り返った。そこには、体操着を着て腰に縄を巻きタイヤをひこずっているワン子の姿があった。
習慣のランニングを終えて、川神院に帰ってきたというところか。汗をかき、息も多少荒くなっている。
「ちょうどよかった。ワン子、姉さんを知らないか?今探してるんだけど」
「お姉様なら見たわよ?確か、ユウ先輩と一緒に」
「ッ……どこだ?どこに行った⁉︎」
「なによぉ、そんな大声出さなくても……う〜んと……確か親不孝通りの方だったかしら?」
それを聞いて俺はたまらず駆け出した。
どうしてこうも、最悪の予想が当たってしまうのか。俺は運命とやらを呪う。
川神百代を手に入れて、やっと念願が叶ったと思ったらまたしてもお前は俺の前に立ち塞がるというのか。
ふざけるな、ふざけるな。姉さんは俺のものだ。お前は言った、川神百代を好きではないと。ならなぜお前は姉さんの隣に立っている?どうして俺を安心させてくれない⁉︎
もはや怒りと殺意しか湧かない俺は、靴底が擦り切れるほどの勢いで走る。
目指すは親不孝通り。川神のゴロツキなどが多く住み、誰も近づこうとしない場所にはラブホやキャラバクラ、風俗店などが多い。おそらく、そこで二人はやるつもりだ。そうはさせるか!絶対に見つけ出してやる!
自慢の逃げ足を使って全速力で走り、親不孝通りに到着した。ここまで走ったのはかなり久しぶりだ。心臓と肺に痛みが走り、息も過呼吸になっているがそんなことを気にする余裕は俺にはない。
親不孝通りにあるラブホを片っ端から確認していくと、ついに見つけた。今まさにホテルへ入ろうとしている二人組……川神百代と水城ユウだ。
そいつらが視界に入った瞬間、俺は腹の中に溜まりに溜まった怒りを込めて叫んだ。
「水城ッ!」
それは一帯に響き渡るほどの咆哮だった。周囲にいた人間もその声にビクリと反応するほどに。
当然、姉さんと水城も俺の存在に気づく。
振り返った水城に向かって、俺は拳を振り下ろした。
「このクソ野郎‼︎」
その拳は綺麗に水城の頬に炸裂した。たかが素人の拳、武道家のこいつにとって容易に避けるか防ぐかできたはずだ。なのに棒立ちで受け止め、その身体は全くブレることはなかった。逆に殴った方の俺の拳が激痛に襲われ、まるでコンクリートを殴ったかのようにビリビリと痺れている。
だが、そんな痛みを無視して俺は水城の胸ぐらを掴んだ。
「水城てめぇ!なんなんだよお前!姉さんは俺のものだ!俺の恋人なんだ!お前なんかに渡すかよ‼︎」
目の前で叫び、力の限り水城の身体を揺らす。
しかし、俺なんかの怒りなんて痛くも痒くもないとでもいうのか、水城は黙って俺のことをじっと見つめているだけだった。
「悪いな直江。百代は俺のものだ」
「ッ〜〜〜〜‼︎この!」
とうとう本性を現しやがった。
やっぱりこいつは姉さんを狙ってやがったんだと確信した俺は、そのスカした顔面にもう一発喰らわせてやることにした。いや、一発だけじゃ足りない。骨格が変わるまで、何十も何百も喰らわせてやる。
泣くまで、くたばるまで、俺の怒りが収まるまで。殴るのを絶対にやめないと再び拳を振り上げると、横から手を掴まれてしまった。
「よせ、大和」
俺の拳を止めたのは、姉さんだった。
「ッ……離せよ姉さん!俺とのデート忘れたのかよ!さっさとこいつから離れて、俺と一緒に———」
そこから先の言葉は出なかった。
次の瞬間、腹に凄まじい衝撃が放たれて俺は一瞬だけ宙に浮いた。腹部に小さな花火が爆発したかのような激痛と、浮遊感を同時に感じた俺は膝をついてその場にうずくまった。
「ぁ゛……ッ⁉︎……ぁぁ‼︎」
呼吸が止まり、脳が思考を停止した。
視界が激しく揺れて、上下左右どちらかわからなくなるほどの混乱に陥った。
この拳は知っている。昔からよく喰らった、川神百代のお仕置きの拳だ。姉さんを手に入れて、もうこの先の人生で喰らうとは思っていなかった攻撃に、俺は困惑を隠し切れずにいた。
腹を抑えながらも、なんとか顔を上げて姉さんの顔を見上げると、今まで見たことのない冷徹な表情で俺を見下していた。
「私を好き勝手した件はこれでチャラにしてやる」
「え?」
聞き間違いか?と、目を見開らく。しかし、何度瞬きしても姉さんの俺を見る目は変わることはない。
この一ヶ月、姉さんが俺を見る時は発情してトロンとした目だった。瞳の奥はハートになっており、熱った顔で犬のように舌を出し欲しがるあの愛らしい顔。それが嘘のように、恐ろしい鬼が俺の目の前に立っていた。
頭の中に最悪の予想が現実味を帯びる。
「まさか、洗脳が……」
「クソ野郎はお前だ大和。まさか、洗脳なんて使うとは見下げ果てたな。まぁ、あんなものでいいようにされた私も私だが、な」
洗脳が解けていた。
ため息混じりの姉さんの言葉にそれを確信した俺は、さぁ…っと血の気が引いていくのを実感した。
俺を愛し、俺のいうことだけを聞く恋人の川神百代はもういない。ここにいるのは洗脳が解け、元の水城ユウを愛する川神百代だった。
頭の中に、今まで俺がやってきた姉さんへの扱いが過る。どれほどの変態的なプレイをしたことか、調子に乗ってどれだけ姉さんの身体を抱いたことか。
それがどれだけ川神百代のプライドを傷つけたことだろうか。それは人生で最も屈辱的だったに違いない。
昔から姉さんと一緒だった俺はよくわかる。
このままだとチリにされる、確実に!
「違う……」
俺は震える声で呟いた。こんなのは現実じゃない。あの幸せな一ヶ月が現実なんだ、そう自分に言い聞かせるように。
……幸せだったんだ。
長年想いを積もらせてきた姉さんと一つになれて、俺は本当に幸せだったんだ。この幸せを奪われるなんて耐えられない、許されない、絶対に。
もうクソ野郎と罵られてもいい、それでも俺は姉さんを手に入れると違ったんだ。どんな手を使ってでも。
蹲るふりをして、腹を抑えるふりをして、ポケットにあるスマホを取り出して起動する。
再び、あの画面を見せればまた元通りだ。
「姉さんは……川神百代は俺のものだ‼︎」
叫び、立ち上がると同時に俺はスマホを姉さんに見せた……はずだった。
通り過ぎる風、そしてこだまする破壊音。
パリンッ、と割れる音が俺の耳に届いた。
目に映ったのは、再び洗脳を施した姉さんではなく、丸い穴がぽっかり空いたスマホだった。
「な……あ……」
目の前の出来事に信じることができず、ただただ虚しく声を漏らすことしかできない。
完全に機能を停止したスマホに、それを破壊した姉さんの冷めた顔が全てを物語っていた。
まさか……読まれていたのか、俺の行動が。
最後の希望である洗脳アプリと、今までこつこつ集めてきた情報と人脈が詰まったスマホを破壊されたことで、ついにあらゆる手段を失ってしまった。
そんな俺に容赦なく、姉さんは断言した。
「お前とは終わりだ。弟でもなんでもない」
「ね、姉さん……そんな……」
悪い夢だと思いたい、時を戻す術があるなら今すぐに使いたい。泥のような後悔が俺の身体にのしかかってくる。
どうして?何がいけなかったんだ?
どこで道を間違えたんだよ、俺は?
俺はただ、姉さんに振り向いてもらいたかっただけなのに。
……それもこれも、全て……
「全部、お前のせいだ……水城……‼︎」
憎き怨敵を睨みつける。
こいつさえ、こいつさえいなければ……!
「ああ、そうだ直江。俺がわる……」
「違う。ユウ、お前は悪くないぞ。こうなったのは私のせいだ。私がお前をレイプしたのが、そもそもの始まりだ」
俺の言葉を認めようとした水城の言葉を、姉さんが遮った。
「お前のことは心底失望したが、こうなったのは私にも原因があるからな……」
そして、俺の方にも視線を下す。
それはさっきまでの怒りと失望を孕んだ冷徹な目ではなく、少々罪悪感を孕んだかのような目だった。
そして俺を立ち上がらせ、ラブホへと引っ張った。
「来い、これで最後にしよう」
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姉さんに引っ張られて、俺と水城はラブホの一室に連れてこられた。店員が、3Pすか?いいねぇ!と茶化していたがまさか姉さん……この三人でヤルつもりなのか?
今頃になって、洗脳なんて卑劣な手を使った自分に対する後悔、それがバレた絶望、そしてこれから何が起こるのかという疑問で頭が上手く回らない。
いつもなら自慢の頭脳を使って有利に立ち回ると言うのに。はぁ、今の俺は俺が思っている以上に参っているようだ……。
ついた先の部屋には、キングサイズのベッドにプレイ用の道具や服が仕舞ってある棚などの簡素なものだった。
俺と水城は、そこで一列に並べられると、その目の前で姉さんは服を脱ぎ始めた。
本当に何が目的なのかわからない。だが俺に質問する権利すらない。水城も一言も喋らず、無表情で目の前で行われる姉さんのストリップを見つめている。
パサリ、パサリと一着ずつ身につけている衣服が姉さんの肌から離れて乱暴に投げさてられていく。ブラジャー、パンツと完全に全裸になった姉さんは俺達にその美貌を見せつけた。
……相変わらず綺麗だ。
完成された美貌というのは、こういうのを言う。
つい数日前まで、俺はあの身体を独り占めしていたんだ。その時の幸せな快感は今でも肌で覚えている。どうしても、俺はそれをずっと味わっていたいという欲望に駆られている。
できることなら今すぐにでも服を脱ぎ捨て、姉さんを抱きたい。気づけば、俺の股間はすでに勃起していた。
姉さんに命令されて直立したままだから、前屈みにもなれず、ズボンはビンビンに引っ張られている。
……それに比べて、水城はどうだ?
チラリと視線を隣に向けると、相変わらずの無表情……ではなく少し呆れたように顔を歪めていた。姿勢も直立ではなく、足を少し曲げて両手を組んでリラックス姿勢だ。姉さんの全裸を前にしても特にリアクションを見せず、次の命令を待っている。
何よりも股間。俺は完全に勃起しているというのに、水城の股間に変化はない。
ありえないだろ?
絶世の美女、あの川神百代の裸だぞ?
俺は前に聞いたガクトのあの言葉を思い出した。
『よくある話だろ?ガタイは良くても、下の方はショボいってやつ。ユウ先輩もアレに違いねぇ!』
もしそうだとしたら、希望はある。
勃起してもズボンに変化がないぐらい小さいのだとしたら、ここで姉さんに男を見せることができれば。
少しだけ、目の前に光が見えてきた気がした。
「はっきりさせるぞ、私は水城ユウが好きだ」
そう思っている間に、姉さんが話を続ける。俺達の前で全裸になっても全く恥ずかしがることなく、むしろ堂々と裸体を見せつけて仁王立ちしていた。
「大和、お前は私のことが好きだと言ったが、私はお前を振ったはずだ」
「そうだよ姉さん……でも、どうしても諦め切れなくて、こんなものを使っちゃったんだ」
無惨に破壊されたスマホを取り出す。
もう使い物にならないこれの中には、今まで集めた人脈と情報がある。それら全てが消え、取り戻すまで何年かかるかわからない。
俺は今、アイデンティティを失っている。
「最低の行為だが、そこまで追い詰めたのは私のせいだな。すまなかったな、大和」
すると姉さん俺の頭に手を添えて、優しく撫でた。慰めるように、まるで天女の迎えのような心地よい手だった。
幸福が俺の心を満たしていくようだ。
失望はしたが、せめてもの情けなのだろうか。
数秒、撫でて姉さんは俺の頭から手を離した。
名残惜しい、ずっとこうしていたいのに。
そして次は、水城の方へ向かい合う。
「そしてユウ、お前は私を振ったんだよな」
「ああ。でもお前に襲われて、セックス三昧の日々にされちまった。そのせいで、俺はお前の身体なしじゃ居られなくなっちまったんだ」
「ってことは、この勝負は私の勝ちになるな」
「全くだ、クソ……」
心底幸せそうな姉さんの顔、そしてバツが悪そうな水城。だが少し前までの拒絶している感じはなく、若干悔しそうに頬を赤らめていた。
なんだよ、目の前でイチャつきやがって…。
「つまりそう言うことだ」
姉さんが水城に寄り添う。腕を絡めて胸を押し付け、できるだけ密着するように身体を寄せる。
その様を見せつけられて、俺の中で怒りが込み上げる。拳を握りしめて、今すぐにこいつと姉さんを引き離したい衝動に駆られた。
わかっていた。わかっていたが納得できない、信じられない、飲み込むことなどできない。
「私達はこうして結ばれている。お前がどう足掻こうと、私がお前に惚れることはないんだ」
「でも……俺は……」
「それでも諦め切れないとは……その意欲をもっとまともなことに使って欲しかったんだがな……上着を脱げ」
「は?何言って……」
「いいから脱げ。ユウ、お前もだ」
「はぁ、今度は何をやらかすつもりだよ……」
姉さんの命令に、俺達は訳が分からないながらも上着を脱いだ。今の季節は夏、薄着だから直ぐに上半身をあらわになった。
半裸で並ぶ俺と水城。その体格の差は嫌というほどわかりやすかった。
幼い頃から川神院で鍛錬を積み、壁を越えた水城ユウの肉体はまさに完成されていた。ガクトのとは異なる無駄のない肉体美、男に飢えた女が見れば生唾ものだろう。
比べて俺はどうだろう。
確かに鍛えているが、逃げ足専門なだけだ。一般より動けるものの、やはり常人の域を出ない。
腹筋はうっすらあるとわかる程度で、腕も小さな力瘤ができるぐらいしかない。明らかに貧弱、貧相な肉体に頬が引き攣ってくる。
すると、姉さんは露わになった水城の身体を、俺の前で見せつけるように撫で回して見せた。発情した熱った身体で、ねっとりと指を滑らせて肉体に頬擦りをする。
「ふふ、見ろ大和。このシックスパックを。腕も細過ぎず太過ぎず、これに抱き締められたらもう昇天してしまうほどに最高の肉体美だ」
つまり姉さんは見せつけている訳だ、俺と水城との差を。どうしても諦めないのならば、こうして実際に俺は水城には敵わないと思い知らせるために。
悔しい……。こればっかりはどうしようもない。今から鍛えても、俺はこいつのような肉体美を手に入れることは不可能だ。
愛撫ではさらに激しさを増していく。
舌を出し、レロレロと腹筋を舐り出した。
まるでマーキングするかのように、これは私のものだと見せつけるように、涎でコーティングしていく。やがてあいつの腹筋は、ローションを塗られたようにぬるぬるになってしまった。
……こんなの、俺が洗脳した時にすらやってないぞ……。
「ちゅ❤︎んちゅ❤︎ん〜❤︎」
それだけで終わらない。次は大胸筋にキスの雨を降らせる。チュバチュバと音を立てて、ひたすらにキスマークをつけていく。
とんでもない激しさに、しかめっつらで耐えていたあいつの顔が快感で歪んでいくのがわかった。
キスの雨はとまることはなく、首筋へ頬へと、上へ上へと上がっていく。そして次にキスする場所は唇、いざキスいうところで俺は見ているのが耐えられず叫んだ。
「姉さん‼︎」
声は部屋全体にこだまする。
俺の静止の声に、水城との唇はあと数ミリというところで姉さんのキスは止まった。
「こんなまどろっこしいことやめてくれよ!そんなことしたって、俺は諦めないぞ!」
どれだけ見せつけられても、俺は姉さんへの想いを諦めるつもりはない。体格がなんだっていうんだ、男として大切なのは……“ここ”だろ‼︎
ズボンを脱いで全裸になる。
姉さんの裸と目の前の淫行を見せつけられたせいで、俺の自慢の肉棒は完全にヤル気になっていた。
見せつけてやる、俺と水城との差を。裸と勃起したちんぽを堂々も見せつけ、水城に指さす。
「男比べで勝負だ水城‼︎どっちが姉さんに相応しいか、決着をつけてやる!俺のこのマイビッグマグナムでな‼︎」
「マグナム……か……」
ぷっ……と吹き出す声が聞こえた。
今この場にいる三人の中で笑ったのは一人、姉さんだ。口元に手を置き、やれやれと呆れ笑いを浮かべていた。その視線は、立派に勃った俺の股間へと注がれている。
「随分と余裕だね姉さん。言っとくけど、姉さんはつい最近までこのちんこでヒィヒィヒィヒィ鳴いていたんだぜ?」
忘れもしない。姉さんとの淫行の日々。
どんなプレイでも喜んで受け入れていた姿は、淫ながらも美しかった。俺が求めれば、パイズリ、フェラ、セックス、アナル、なんでも発情した犬のように舌を伸ばして欲しがっていたんだ。
洗脳は解けたが、本人もあの気持ちよさを覚えているはずだ。
「ほら脱げよ。それとも粗チンを晒すのがそんなに怖いのか?」
「……はぁ」
水城は俺からの挑発に、大きめのため息を吐いてズボンに手をかけた。カチャカチャとベルトの音を立てて、最後に残った衣類を脱いでいく。
今こうしている間にも、水城の股間に変化はない。俺は姉さんの裸を見ただけでこんなに勃起しているというのに、姉さんに舐められキスをされていた水城は前屈みにすらなっていなかった。
確定だ、水城のちんこは小さいッ‼︎
体格に見合ってない粗末なちんこと、立派な俺のちんこ。直接比べれば姉さんの意識は俺の方へ傾くはずだ!
そう、勝利を確信した瞬間、遂に水城のイチモツが露わになった。
「は………………………………………………………?」
「凄いだろ、これ」
………………………………………………………え?
それを目にした瞬間、俺はピシリと固まった。
いったい何が出てくるのかと色々と予想していたが、その想像を遥かに超えたモンスターの存在に、脳が理解を拒んでしまっていた。
視界の端で、俺のリアクションを予想通りだと言わんばかりに、姉さんがニヤニヤと笑っているのが見えた。
だがそれに反応できるほど、今の俺に余裕などなかったのだ。
………………そこには、眠れる龍がいた。
長さも、太さも、硬さも、なにもかもが別次元。もはやそれは肉棒と呼べるものではなく、全く別の生き物と思った方が適切なほどに。
「なんだよ……………これ………………ッ」
でかい、デカすぎる。
巨根といえば、俺の中ではガクトのイメージだった。色黒でバズーカと例えられるほどの、グロテスクなもの。
だがこれは、水城ユウの持つこれはバズーカなんて比じゃない。銃なんてちゃちなもので例えられるものじゃない、これはもう龍だ。
箱根で互いの息子のサイズを銃で例えてはしゃいでいた俺達が、どれだけ小物だったか思い知らされるほどに。
「このサイズでまだ勃起してないんだから、驚きだよなぁ」
そう、最も異常なのはそこだ。
露わになったそれは精々半勃ちといったところか。だというのに、ガクトの以上のサイズなのだ。
ガクトには悪いが、これに比べたらあいつのなんてチープすぎる。ならば俺のと比べたら……粗チンなんてレベルじゃない、つまようじだ。
まず、こんなものがどうやってズボンに入ってたんだよ……。
「お前とのセックスで、私が満足しなかったのはこれのおかげだ。この味を知ったからには、お前程度のものじゃイクことができないんだよ」
姉さんは水城のペニスを見て、ペロリと舌舐めずりをする。まるでメインディッシュが目の前に運ばれてきたかのように、目をギラギラさせて手を添えた。
まだ勃っていないのに、成人男性の何倍もあるそれを愛おしく撫で、膝をついて頬ずりをする。
「洗脳されていた時は、お前のことを本気で愛してしまっていたからな。傷つけないように、感じている演技をしていたという訳だ」
「そんな……‼︎」
姉さんの言葉に、ショックのあまり膝から崩れ落ちる。じゃあ、今までの姉さんの嬉しそうにしていた俺とのセックスは、全て演技だったということか……。
俺は姉さんを、男として満足させられる男ではない、その事実を突きつけられた。
俺の中にあった男のプライドがひび割れ、崩れていく音が聞こえた。最後に残った、俺を奮い立たせる心の柱が……。
そんな俺に構うことなく、姉さんはもう水城との二人きりの世界を楽しんでいた。
目の前に膝から崩れ落ちる舎弟がいるのに、目もくれず水城の極太のイチモツにキスをする。
「ちゅ❤︎チュッ❤︎……レロ、チュル❤︎んは❤︎ユウ、お前は最高の男だ。洗脳とはいえ、あんな粗チンに落ちてしまった事実が屈辱に思えるほどにな」
だが、その洗脳していた男は崩れ去った。
もはや二人を邪魔するものはいないと、思う存分に姉さんは水城への愛を呟く。
「くっ、来た……やべぇ……来やがった!」
「あは❤︎」
愛撫でとキスにピクピクと反応していた水城のちんぽが起き上がる。半勃ちだったそれは、姉さんがもたらす快感で豪快に勃起してみせた。
「うわ……ぁぁ……!」
俺は腰を抜かし、情けない声を上げてそれを見た。覚醒した龍が天目掛けて登っているかのような姿を幻視してしまうほどに、空は恐ろしく見えてしまっていた。
こんなの、女の身体に入ったら裂けるだろ……でも、そうならない女がここに一人いる。
強靭な肉体を持つ、川神百代が!
「さぁ、私達のセックスを見せつけてやろう❤︎」
ここまで長かったな〜
次回、大和と完全決着です
最終回まで、あと少し
※IFルート読みたいですか?
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