……何やらとてもいい香りで目が覚めた。確か彼女を家に連れ帰ってそのまま……
「"……彼女は!?"」
慌てて飛び起きて探そうとしたがキッチンで何かを作っている彼女の姿を見て安堵した。
「おはようございます。勝手にキッチンをお借りして申し訳ありません」
いつもの笑顔を見せて料理をしている彼女に思わず見惚れてしまう。そのまま抱きしめたくなる衝動に駆られるが調理中は危ないので我慢する。
「あっ♡ダメですよ♡危ないです……」
……事は出来ず後ろから胸を揉んだ。こうして朝から彼女に触れられる事に喜びを感じていると「めっ、ですよ?」と優しく諭されて大人しく待つ事にした。
「冷蔵庫に入っていたもので作ったので良い出来ではありませんが……」
そう謙遜するが料理の腕はゲヘナの給食部にいる通い妻と呼ばれている子に匹敵する程だ。なにより愛情が込められている……ように感じる。
彼女の朝食を堪能していると電話が鳴った。……ユウカからだ。
「"もしもし"」
『先生!!もうお仕事の時間ですよ!早く来てください!』
「"あ……もうそんな時間だったんだね。分かった。すぐ準備して……"」
行く、と言いたかったがもし仕事中に彼女が居なくなってしまったらと考えると躊躇ってしまう。それを察したのか「大丈夫です。私はここであなたの帰りを待っていますよ」と微笑んでくれた。
『……先生?近くに誰か居るんですか?』
「"い、いや。誰もいないよ。それじゃあすぐに行くね"」
通話を切り彼女の方を向いて「"行ってきます"」と言うと「いってらっしゃい」と返してくれた。……なんだか照れ臭いけれど嬉しいやり取りだ。
ーーー
「先生、来るのが遅いですよ!」
「"あはは……ごめんね。遅れた分はちゃんとやるからさ"」
「全く……仕事は山のようにあるんですからね?」
シャーレに居ると日常に戻ってきた、という表現は適していないと思うがそう感じる。そびえ立つ書類の束に絶望感があるが何としてでも定時に帰ると気合いを入れて頑張る事にした。……しかし気合いでどうこう出来る問題ではなくあっという間に夜になっていた。
「さ、先生、大丈夫です。私が手伝いますから!」
「"ありがとう……でももう遅いからユウカは先に帰って大丈夫だよ"」
「いいから早く終わらせますよ!」
「"……いつもありがとう"」
ユウカには本当に頭が上がらない。手伝ってくれなかったらきっと朝までかかっていただろう。
「お疲れ様でした。……この後なんですけど、良かったら一緒にご飯でも……」
「"行きたいところだけど……夜も遅いから今夜は帰って休んだ方がいいよ"」
「それもそうですね……埋め合わせは今度してくださいね」
「"うん。気をつけて帰ってね"」
ユウカに手を振りながら別れた後、走って自宅に戻るがギリギリ日付が変わってしまった。彼女も寝ているのではないだろうか……そう思い扉を開けると「お帰りなさい」と笑顔で出迎えてくれた。
「今日も一日お疲れ様でした。お食事とお風呂、どちらを先に……いえ、答えは決まっていますね。お風呂に行きましょう」
彼女の愛おしさに思わず勃ってしまったものを見られたのか、彼女は顔を赤らめながらも風呂へ誘導しようと背中を向ける。……当然我慢出来るはずもなく玄関で彼女を後ろから犯した。
出会い、そして身体を重ね、同棲をする。私はもう彼女なしでは生きられない。