「月が綺麗ですね」
これはとある偉人が残した愛の告白
でも貴方には届かないと知っている
貴方は愛に興味がないから
そう思っていたのに芸術家は
「お前の瞳の方が美しい」
そう返して私の予測を超えるセリフを
愛の告白に劣らない言葉をくれた
もっと見せてくれと言わんばかりに
近づいてくる最愛の人の顔
芸術にしか興味を示さない彼が
瞳とはいえこんなにも関心を示してくれる
もう死んだっていい、そう思えるほどに
心は昂って抑えられなくなりそうだ
そうなる前に私は一枚の予告状を取り出し
彼に手渡してその場を去る事にした
まだ心の準備が出来ていないから
いつか貴方という何よりも価値のある
秘宝を頂きに馳せ参じます
そう想いを込めて
しかし彼は私を逃す事なく押し倒し
内に秘めた欲望を曝け出した
「こんなにも美しいお前を離すなどと
そんな愚策な真似はしたくない」
「……嗚呼、困ってしまいました。
抑えようとしていたこの高揚が……
私を受け入れ理解してくれた貴方への愛が
もう抑えられそうにないです。
……今、貴方の全てを頂きます」
例え人外であろうとも愛している彼に対し
欲を発散するように交わろうとした
彼は抵抗こそはしないものの
あまり乗り気ではない事が分かった
「教師が生徒とこういう行為をするのは
受け入れられるものではないだろう」
この土壇場でも彼は自分の意志を貫き通す
今このキヴォトスには四人の教師が居る
けれど『私の先生』である彼ほどの存在は
間違いなく居ないだろう
だからこそ私はその壁を壊して
彼が夢中になってくれるように
私だけを芸術として見てくれるように
身体に焼き付けると、そう決めた
「……ですが……その……流石に
そこまで大きいものは予想外でして……」
「芸術品を見たら興奮するのは当然だろう。
あまり見られたいものではないので早く
服を返してもらえないだろうか」
「それは出来ません。今夜は私という芸術を
貴方に伝えなくてはなりませんから」
受け入れ難く、そして魅力を感じる
不思議な匂いを発するその肉棒に
本能が求めるままに口に咥えた
喉奥にまで突き刺さるそれは
息苦しさを感じつつも離したくなくて
舌を這いずらせて口内で堪能してしまう
歯を立てないようにゆっくりと舐めて
肉棒に唾液を染み込ませていく
「今……どのような気分ですか?少しずつ
貴方という芸術が私に染まっています……
まだ理性は残っているのでしょうか……?」
「……正直限界ではある。
油断したら理性が飛んでしまいそうだ」
限界。その言葉を聞いた私は口に含んでいる
肉棒から不思議が放出されている事に気づく
喉に絡みつくような……苦味のあるそれは
彼が私を受け入れようとしている合図だ
嬉しい。もっと感じてほしい
そのまま私の事しか考えられないように
もっと染まってほしい
だから私は搾り取るように肉棒を吸う
小さな悲鳴をあげた彼が私の口から肉棒を
引き抜こうとするがそれを離すことはない
やがて彼が足を震わせたかと思えば
口内に温かみのある液体を流し込まれた
……彼は快楽に身を委ねて果てたのだ
「……どうしましょう。このままでは……
私が貴方という芸術に染まってしまいます」
「……もう遅い。一度一線を超えたのだ。
ならばもう躊躇う必要もないだろう」
一度果てた彼の肉棒は衰える事なく
私の濡れている秘所に狙いを定めている
心の準備が出来ていない私の腰を掴み
肉棒は子宮と口付けを交わした
「!?!?」
私を襲ったのは破瓜による痛みではなく
痛みすら上回る絶頂による快楽
たった一度奥まで突かれただけ
それだけなのに身体は痙攣してしまう
脱ぎ捨てられた服に愛液が付着して
透明な染みが出来ている
彼はそれを見てもお構いなしに
激しく責め立てて私を芸術に染めていく
乱暴に抽送が行われる度に
止まらない喘ぎ声と彼への愛が溢れ出し
私という存在は溶けていく
やがて思考というものは意味をなさなくなり
雄と雌が本能のままに交わるだけとなる
お互いに余裕のなくなった男女は
恋人のように手を繋ぎ愛を確かめ合う
そんな夢のような時間にも終わりはくる
どちらかが言い出した訳でもなく
それが当然かのように二人同時に果てた
数分は息が整わないほどに熱中した行為は
朝日と共には終わりを迎えた
当初の予定とは相当変わってしまったが
彼は私に染まり私は彼に染まった
左手の薬指に付いた小さな輝きを放つ指輪
それが全てを証明してくれる