今日は珍しく学校に早く着いてしまった。ここまで早く来たのは誕生日のあの日以来だ。
「来年もまた……なんて♪」
誰もいない部室でそう呟きながら荷物を置いて学校内を探索する。朝焼けに照らされて少し幻想的な雰囲気があるこの場所を歩くのはとても……
『せんせっ♡もう無理♡壊れちゃう///』
……とても淫らな発言が聞こえた。声が聞こえた教室を覗くと黒服先生がホシノ先輩を壁に押し付けて乱暴に犯していた。床の水溜りを見るに長時間あのままヤられていたのだろう。
「あの2人……遂に恋人同士に……おめでたいですね♪」
邪魔をしては悪いと思いそのまま部室に戻ろうと踵を返した。ホシノ先輩は魅力的だ。いくら堅物である黒服先生もその魅力の前では誘惑に耐えられなくなると考えていたのだ。
後でお祝いをしよう。……そんな気分になれなかった。どうしても秘めた感情が溢れてくる。
「……私では駄目……だったのでしょうか……」
静寂の部室内で1人消えるように発した言葉。
あの光景を見てからずっと私の心は冷たくなっている。こうなるって分かってたから恋をしてはいけなかったのに。どうして私は彼に恋心を抱いてしまったのだろう……そうこう考えているうちに足音が聞こえる。きっと後輩だろう。
「おはようございま……ノノミ先輩?泣いてるの?」
「えっ……」
指摘されて頬を触ると湿っている。無意識のうちに涙を流していたようだ。
「先輩……悩みがあるなら相談に乗るわよ?」
「大丈夫ですよ。……ただの失恋ですから」
ただの失恋。そう割り切ろうとした。……でも、もし私が黒服先生と恋人になれたならきっと……
「ちょっと、本当に大丈夫なの?涙が止まってないじゃない」
「……セリカちゃん。しばらく泣いてもいいですか?」
「……この部屋に誰も入れないようにするから好きなだけ泣いていいわよ」
「ありがとうございます……」
また1人になった教室で私は全てを吐き出した。
「先生……私も貴方に選ばれたかった……」
想いを伝えても彼に届く事はなく振られた時。それでもいつかは……と思っていたけれどそのいつかはもう来ない。
「こんなにも貴方が好きだから……割り切る事なんて出来ません……」
その後も色々吐き出して涙が枯れた頃。私は泣き疲れて机に顔を伏せて眠ってしまった。
「……?」
目に映るのは朝焼けに照らされた校舎。ああ、またさっきの想いをするのか……と思いながらも先程黒服先生とホシノ先輩がヤっていた教室を覗く。そこに居たのは先生だけで……こちらと目が合った。
「待っていましたよ、ノノミ」
「先生……?」
「さあ、こちらへどうぞ」
手招きをされたのでそのまま先生の元へ向かう。数十センチのところまで来た時にいきなり引き寄せられて唇を奪われた。突然の出来事で混乱したけれどすぐに受け入れた。
(脳が……溶けそうです)
キスが終わってもそのまま抱き合っていた。
「次にやる事は……分かっていますね?」
先生に応えるように私は壁に手を当ててお尻を先生の方に突き出した。
彼女にとっては白昼夢に見るひとときの夢。
そんなものは些細な問題で……今から始まる行為に胸が高鳴っていた。