最近気になっている事がある。それは『死ぬ』とは何か、というもの。ケイに聞いても「私にも説明が出来ません。ただとても悲しいものだと記憶されています」と答えてくれたもののいまいち理解できない。
「ロードすればまたやり直せますよね?」
そう聞いてもケイは黙ったままこちらを見て、「いずれ貴女にも分かる日が来ますよ、アリス」と頭を撫でられながら優しく言ってくれた。
ーーー
そんな会話をしてから長い月日が流れた。いつものように部室で過ごしていると違和感を覚える。
「モモイが居ません」
大事な仲間の1人である部員が来ない。
『私達5人はずっとずっと一緒だよー!!』
そんな言葉を毎日のように言っていた彼女はこの日を境に部室に来ることはなかった。
ーーー
更に月日が流れて1人、また1人と来なくなり、部室に残ったのは私とケイだけになった。
「おかしいです。どうしてロードをしないのですか?アリスは皆に嫌われてしまったのでしょうか?」
何度もケイに問う。ロードをすればいい、それだけの話なのに難しい顔をしてばかり。
「モモイ、ミドリ、ユズ、もしかしてロードのやり方が分からないのですか?でしたらアリスが教えて……」
「アリス」
ケイは優しく諭すような声で私の名前を呼んだ。
「もう、3人には会えません」
……もう会えない?モモイに?ミドリに?ユズに?そんな事はあり得ない。そう、あり得ない……
「どうしてそんな事を言うのですか?ケイまで意地悪になったので……あっ……」
ケイは涙を流していた。今まで我慢していたものが溢れてしまったように。
「……人生にロードはないんです。アリスはも本当は分かっているのでしょう?」
「………」
震えた声で問いかけてくるケイを見ているうちに嫌でも本当なのだと思い知らされる。
「本当に……会えないのですか?モモイに、ミドリに、ユズにも」
ケイは何も言わず下を向いて床を濡らしている。……この時ようやく理解した。これが死ぬって事なのだろう。
「……視界が霞んできました……こんなデバフは知りません……」
涙 会いたい。もっと楽しく話していたい。一緒にゲームをやりたい。まだまだ笑い合っていたい。
「あ……ああ……あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
全てを理解した時何かが切れたように大声で泣いてしまった。
「大丈夫?随分うなされてたけど……」
「……ミドリ、ミドリですよね?」
「う、うん」
「ミドリ……ミドリぃ!!」
「わっ!?」
さっきまでの光景は夢だった。それでも目の前に大切な人が居る。その事実が嬉しくて抱きついてしまった。
「んー……あれ、アリス泣いてるの?」
「モモイ!!」
「わわっ!!どうしたのさ……」
「皆どうしたの……?」
「ユズ!!ケイ、皆居ますよ!!」
「当然ですよ。今日は皆でお泊まり会をしたいってアリスが言ったのですよ?」
「……そうでした!えへへ……」
「なになにー、どんな夢を見たのさー?」
「……あんまり話したくないです」
「そっか。……とりあえず全員で寝よっか」
モモイがそう言うと全員で同じベッドに入って寝る事になりぎゅうぎゅう詰めになってとても寝られる状況ではないけれど……とても幸せだ。
うーん……あまり美しい作品ではありませんね。もっと残酷な描写にしても良かったのではないでしょうか。お試し、という分には充分ですがね。