「あぁっ、あぁぁっ!」
絶頂を迎えて、シンジの精液がヒカリの口の中に放たれる。彼女は、とろんとした目でそれを全て受け止めて飲み下す。
休み時間の度に、ヒカリに〝手伝って〟もらってしまっている。いけないと思うのだが、下半身のたぎりもあって彼女の親切心を拒むことができない。
それでも、なんとかこの状況を断ち切ろうと――射精を終えたばかりで、理性が強くなっている今なら言える――シンジはヒカリに告げた。
「あ、あのさ、委員長……やっぱり、こういうのしてちゃいけないと思うんだ」
頬を上気させて余韻に浸っていたらしいヒカリは、目をぱちくりとさせた。こちらに身を乗り出してくる。
「もしかして、飽きちゃった?」
「ううん、飽きたとかそうゆうんじゃなくて……」
シンジは言い淀んだ。そういう問題ではない。ヒカリの愛撫は熱っぽいし、回数を重ねるごとに巧みになっている。飽きたりなんかしていない――あぁ、だから、そういう問題じゃなくて。
「そうだよね。ずっと口でばかりだったから。だったら――」
ヒカリは立ち上がり、スカートの中に手を入れると無造作にショーツを引き下ろした。
「今度は、こっちでしてあげるね」
言いながら、自分でスカートをめくり上げる。
「な……っ」
シンジは言葉を失ってしまった。見ちゃいけないと思うのに、瞳はヒカリの露わになった下半身から離せない。うっすらと恥毛の生えかけている女性器。
「だ、だめだよっ! そんなの絶対にだめ。僕のために、そんなことまでしてくれる必要なんてないよ。おかしいよ、そんなの」
意識すればするほど注視してしまうので――目を閉じながら、シンジは必死にヒカリを思いとどまらせようと早口で言った。
「いいの。私、処女じゃないし」
目をつぶっているシンジの手に、ヒカリの手が触れる。
「え?」
目を開くと、すぐ目の前にヒカリの顔がある。
「鈴原としたんだ……一度だけ。でも、鈴原ったらがっつくし、痛いだけで全然気持ちよくなんてなかった」
ヒカリとトウジが一線を越えていたことに、シンジは驚いた。
「でね、エッチなこととか嫌いになってたんだけど……その…碇君の見てたら、なんでかな、触りたくなって舐めたくなって……」
ヒカリの様子が、なんだかおかしい。惚けた表情でシンジでなく、シンジのペニスを凝視している。本能的に危険を感じて、シンジは後ずさった。
「入れてみたくなっちゃったの!」
ヒカリがシンジの腕を掴み、押し倒そうとする。堪えようとするが、ヒカリの力は強い。自分でも力のある方だとは思っていないが、女の子に力負けしてしまうなんて。
とうとうシンジは、地面に押し倒された。
「や、やめてよ。お願いだから、こんなのやめてよっ」
「私、おかしいのかな? 碇君のおちんちん舐めただけなのに、もうこんなになってる」
ヒカリはシンジの懇願を無視して、言った。その秘所からは、文字通り愛液が溢れている。性知識の少ないシンジから見ても、それは尋常な量ではないと思えた。
「入れるね。碇君のおちんちん、私のおまんこに入れるね」
熱に浮かされたように繰り返して、手で支える必要もないほど硬く起立したペニスの上に、ヒカリは腰を下ろした。
「やめてっ!」
シンジの上げた悲鳴は、ヒカリは聞こえてさえいなかったかもしれない。
ヒカリの秘所はしとどに濡れていたが、それでも巨大なシンジのペニスは亀頭を飲み込んだところで止まってしまう。
「うぅっ」
ヒカリは呻き声を上げながら、さらに腰を落としていく。
「あぁ、大きいぃ。碇君のおちんちん、すごいよぉ」
シンジのペニスは、ほぼ完全にくわえ込まれた。
「あぁっ、うぅ」
これは夢だろうか。ヒカリと自分のペニスが繋がっている。しかし熱さと、なによりペニスが千切れるのではないかと思えるほど圧迫するきつさが、これが現実であることを告げている。
「ふふっ、碇君のおちんちん食べちゃった。アスカに怒られるかな……? でも、気持ちよくなりたいの。もっと気持ちよくなりたいの!」
ヒカリは、シンジの上で腰を動かし始めた。その表情は、笑顔から泣きそうな顔、そしてまた笑顔へ目まぐるしく変わる。おかしい。なにか絶対におかしい。
しかし、シンジのその疑問はすぐに頭の隅に追いやられてしまう。
「あぁぁっ、はぁ、あぅぅ」
快楽に抗えず、嬌声を上げる。ヒカリが動く度に、頭の中がどんどん白くなっていく。
「碇君も、いっぱい感じてね。それから、私の中にいっぱい精液出してね」
「な、中にって――そんなことしたら、妊娠しちゃうよ!」
ヒカリのとんでもない発言に、シンジは悲鳴を上げて反論したが、
「いいの。そんなの、関係ないの。だって気持ちいいんだもの。碇君の気持ちいい精液、たくさん、たくさん欲しいだもん」
ヒカリは夢見心地の表情で、腰を動かし続ける。
膣内に射精するわけにはいかない。けれど、ヒカリが一挙動するたびに、脳に電流のように快楽が伝わる。
気持ちいい。気持ちよすぎる。いつ出してしまっても、おかしくない。
(だめだよ、このまま出しちゃって、子供ができちゃったりしたら一生後悔する!)
そう必死に自分に言い聞かせるのだが、
「あぁっ、はぁっ、碇くんのおちんちん最高よっ。鈴原のなんかとは、比べものにならない」
ヒカリが動きを早めると、与えられる快楽も倍加して、だんだんと射精することしか考えられなくなってしまう。彼女の――本当に気持ちよさそうな――喘ぎ声も、それを後押しする。
やがて、シンジの理性に限界が訪れる。
(もう……どうでもいい……)
そう思った瞬間、シンジは射精していた。ヒカリの膣の中で。
「あ、あぁぁぁっ!」
「あぁ、出てる。出てるよ。碇君の精液、私のおまんこの中で、どくどく出てる。あはぁ、すごい。こんなにたくさん」
喜びに震えるヒカリを見上げながら、シンジは絶望的な思いに浸っていた。
(なんてことしちゃったんだろ……僕……)
放課後、落ち込んだ気分のまま歩いていたシンジは、前方にアスカの姿を見つけた。
声を掛けようとは思えない。ヒカリは説明して誤解を解いてくれると言っていたが、
それでアスカが許してくれるとは思えない。どうせ罵られるに決まっている。
今日は、ただでさえ気持ちが沈んでいるし、このまま距離を置いてやり過ごそう――
(だめだよ、そんなんじゃ!)
シンジは、立ち止まってかぶりを振った。
いつも逃げているばかりでは、なにも解決しない。やはり自分でちゃんと説明するべきだ。
(うん、逃げちゃダメだ)
シンジは頬を叩いて気合いを入れると、走ってアスカの後を追った。後ろから声を掛ける。
「あ、アスカ」
「シンジ……」
振り返ったアスカの表情は、すこし驚いていた。不機嫌な様子ではない。良かった。
「あのさ……聞いて欲しいことがあるんだけど」
そう告げると、アスカの顔色は急に険しくなった。
「言わなくてもいいわよ。ヒカリから聞いてる」
ヒカリは約束通り、アスカに話してくれていたみたいだ。疑っていたわけではないが。
「うん、そうなんだけど。やっぱり自分の口から説明したくて。あのね――」
自分できちんと理由を話したい。それで分かって貰えないなら――それはしかたがないことだと思う。
話し始めようとしたシンジの言葉は、アスカの怒鳴り声にかき消されてしまう。
「いいっつってんでしょ! あんたとヒカリがつき合おうが、結婚しようが、私にはなんの関係もないわ」
アスカの眉は、さらにつり上がっていた。
「つき合う……? なに言ってる?」
意味が分からず、シンジは聞き返した。まさか今日も見られていたのだろうか――つまりセックスしているところを。だから、つき合うとか、結婚とか言われているのだろうか。
そんなことを考えていると、
「ふざけんじゃないわよっ!」
激昂した声と共に、シンジはアスカに殴り飛ばされた。平手でなく、握り拳で。
「あんなことまでさせといて、ヒカリのこと捨てるつもり? 馬鹿だとは思ってたけど、ここまで最低のやつだとは思わなかったわよ」
道路に倒れて頬を抑えるシンジに言い捨てると、アスカは背を向けて走っていてしまう。
残されたシンジは、
(あんなことって……どのことだろ……?)
アスカがなにについて、怒ってるのか――心当たりが多すぎて――確信できなかった。