※この作品はR-18です。

速水奏ちゃんがメスガキ(?)を卒業したようです   作:ふりーじ屋/家庭内禁書

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速水奏ちゃんは先生のなけなしの性欲を根こそぎ刈り取ったようです

 しかし谷崎さんにとっては、年をとるということは理想郷に近づくことですよ。だんだん自分の肉体が無になってくるのですから。自分の肉体が無になり、マイナスになればなるほど、女はますます美しくなり、聖母の化身となるわけです。女を荘厳するためには、自分が無になればなるほどいい、年とれば年とるほど楽しみが増す。あんなしあわせな人、いませんよ(笑)。

 

――『日本の文学 第25巻 谷崎潤一郎(三)』附録45リーフレット、ドナルド・キーンと三島由紀夫の対談より、三島由紀夫。

 

 

 

「夜はすべての猫が灰色になる、なんて今やウソだな」

 

 彼はリビングのソファから首を傾けて、キッチンで洗い物に勤しんでいる教え子・速水奏の姿を見てつぶやいた。

 

「なんです、それ?」

「ベンジャミン・フランクリンが言ったらしい、もとはフランスのことわざだが……暗いところではいいものも悪いものも一緒くたになってしまう、という意味でな」

 

 聞かせるつもりのない独り言だった。フランクリンは、“だから私は夜にベッドで抱くなら、醜女でも老女でもよい”と続けてうそぶいたらしいが、彼はあえて省いた。

 お前は暗くてもわかる美女だ、と付け加えるのが照れくさいし省いたままでも彼女なら察しそうだった。

 

「フランクリンって……凧を上げてそこに雷を落とそうとした人でしたっけ」

「よく知ってるな速水。つまり雷や放電がほとんど未知の自然現象で、電灯が夜を照らしてくれる前の時代であれば成り立っていた真実、ってことだ」

 

 結局省いたぶんまで口に出したようなものだった。

 奏は洗い物の手を止めて、キッチンから見返り美人のようにリビングの彼へ視線を向けている。この数十分前に、彼が遅い朝食を用意しているあいだ、勝手に着替えとして彼の娘の部屋着を拝借していた。バストとヒップのサイズが合わずそこだけ見るからにぱつぱつとしていた。

 

「先生が私ぐらいの年だったころに電灯はありました?」

「冗談きついな」

 

 いつも制服を無難に着こなしているときの奏と比べると、この急ごしらえの格好だったり夜に裸で彼に乗って腰を振っていたりするときの奏は、狂気的に思えてしまう。フィリップ・K・ディックがエッセーで「金は正気を証明する公的なしるし」と書いた。金のもっともわかりやすい現れは格好だろう。

 彼はどうやら賢者の時間になっているらしい、と自覚した。衒学で誤魔化しつつでしか奏とまともに話せないぐらい、奏の美と若さと勢いに圧倒されていた。

 

「先生の娘さんは洗い物してくれます?」

「いつもは俺が洗い物担当だよ」

「こうしてると私も家族みたいですね」

「それを言うためか、お皿洗ってあげます、なんていきなり言い出したのは」

「家族みたいですよね」

「彼氏彼女ぐらいでもあると思うぞ、こういうシチュエーションは」

 

 もし奏が高校生か大学生になって、彼氏を(彼女かもしれないが)作って同棲したら、誰かが朝こんな所帯じみた奏の姿を観るだろう、と思った。

 

「いい気分ですか?」

「速水がご機嫌そうで何より」

「幸せですか?」

「いきなりどうした」

「幸せ、とはこの状態が続いてほしいこと、でしたっけ」

「アランだっけか、このあいだ流行ってたな」

 

 奏がくるり首を戻して洗い物を再開した。彼女の背中から「このあいだ、というにはけっこう時間が経っている気がしますが」と彼は聞きとった。

 

「アランってフランス人だったかな……じゃあ幸福って、bonheurのことを言ったのかな」

「何か違うんですか?」

「この状態が続いてほしいって、続いてほしいけど叶わないかも、って含みがあるだろ」

「……そういうものじゃないんですか」

「フランス語のbonheurとかそのほかヨーロッパ言語のほとんどはそうらしいが、英語のhappinessは違うんだな、そういう含みがない……シャルガフっていう化学者兼言語オタクの受け売りだが」

「日本語の幸せはどうなんでしょう」

「知らん、ただ、漢字の由来は……まぁ、あとで漢和辞典でも引いてみなさい」

 

 彼は“賢者の時間”に流されて先生のふりをしていた。彼は本来なら奏の先生であるべきなのだが、いまやふりしかできなかった。

 先生ぶるためだけの知識しか教えられない。もっと教えなければならないことが、例えば、神頼みしたところでこの関係はおおっぴらにできないとか、この冬が終わって春になるころ速水奏が卒業して彼の教え子でなくなるとか、それらがセックスで疲れ切った彼の意識にどろどろよどむばかりだった。その話を切り出す気力はなかった。

 

「……速水、俺はもう無理だよ、年だから」

「どうだか、先生けっこうウソつきだから」

「カーテンは閉めておきなさい。お前がそんな格好でうろつくの近所に見られ……脱ぐ前に閉めなさい、ああもう」

 

 奏が匂うように華々しい女体を誇示したり、子供っぽくふざけるたび、彼は自分の老いを突きつけられる思いがする。もとより教職という子どものそばで長時間働く職業ゆえに、彼にとってなじみある思いだが、奏のそばで味わうそれは段違いである。

 

「また先生のベッドで、したいです……聞いてくださいますよね?」

 

 人が他人にわがままを押しつける原因は、自分の中身が貧しく満足できないから。いつかショーペンハウアーか誰かで彼は読んだ気がした。まだ若い奏がそうなっているのは当たり前だが、自分もそうなってしまっているとなかなか恥ずかしかった。

 

 

 

「……先生、黙ってちゃ、いや」

「色気も量がすぎれば毒になる、そんな気がしてきた」

「パラケルススですか? 先生が錬金術で不老不死になってくれればいいのに」

「不老不死は錬金術というより中国の煉丹術だった気が……」

 

 相変わらず奏の知識が偏っているな、とぼやきかけながら、彼は奏の女体を見上げる。

 彼女に促されて裸でベッドに仰向けにされ、彼の腰をこれまた裸の彼女がまたいで見せつけている格好。彼女の大きな乳房によって、細い肩や首が視界から隠れてしまって、直前までの彼女より存在感が強い。それでいてくびれはしっかりと見せつけてくる。グラビアアイドルも裸足で逃げ出しそうなスタイル。とてもそこらの女子中学生が備えていい女体ではない。もしかして彼女もアイドル並みに努力して体を磨き上げているのだろうか。ぞっとしない想像だった。

 自分には縁がないはずの奇跡的な美女、と思ったほうが素直に感動しやすかった。ハニートラップにかけられる男の愚かさがわかってしまった。美に飲まれて感嘆し始めると思慮分別などオモチャがせいぜいだった。

 

「反応が薄いですよ、もう私に飽きちゃいました?」

「んぐっ……!? 勃つかなぁ、これ……我ながら不安だ」

 

 奏は、彼が自分に弱みをさらけだしてくれるというだけで、彼が奏を必要としているのだ、という考えを起こしているらしい。子どもにありがちな妄想だった。もし彼が奏を必要としている以上に奏が彼を必要としているのか、などと考えが反転してしまったら、奏は何かを奪われたように苛立ちと憤りをぶつけてくるだろう。

 卒業までにその時がくるのか、くるべきなのか。

 

「もう、口では真っ白に燃え尽きたようなことを言ってたくせに」

「……むしろ自分が不安になってくるよ」

 

 彼自身信じがたいことにペニスで勃起が復活の兆しを見せる。奏は彼が余裕を隠していた、とうれしそうにかさにかかって責めてくる。三十年も昔、彼のへそくりを見つけて笑っていた女の顔を思い出した。

 ここで彼女のペースに流されるのは間違っている(彼女がそう思っているかどうかはともかく)。間違っていると思いながら流されて甘んじるのは、もう一度やってくれと頼んでいるに等しい。

 

 奏の体は扇情的すぎる。もともと顔立ちや乳房が艶めかしいが、それが女子中学生であり、彼が授業で教えている生徒の女体、という事実にあらためて背徳感を募らせる。彼女の肉体美が前後に揺れる。肌が着いて離れての感触が伝わってくる。彼女の体が汗ばんでいるのもわかる。シャワーを浴びさせたはずなのに。彼女の体が熱くなっているのもわかる。

 

「あぁ……見せてあげてるだけなのに、興奮しちゃいますね」

「……そうか」

「口では上の空なんですね」

 

 奏は彼の反応を受けて面白くなさげにため息をつきつつ、こんどは手を伸ばして彼の体をさすってくる。彼の腹筋、脇腹、へそなどを指先でくるくるとなぞってくる。つい彼が身をよじる。彼女も自分の肩や腰をくねらせて乳房をゆさゆさ見せつける。彼は自分が目を逸らそうとしているものから目を外せないでいる。

 

「しつこくねちっこい女には、なりたくありませんが」

 

 奏のぼやきが白々しい声音である割には本気らしく聞こえる。彼女が好む映画のヒロインならもっとドライなのだろう。彼はゴダールあたりを連想した。例えばパトリシアのように彼の犯罪を密告してくれたら、と連想が飛躍する。

 

 奏が相変わらず重ったるいほどの色気を振りまいてくる。彼のリアクションの鈍さにくちびるを尖らせつつ、言うほどヘソを曲げていないのか、胸や腰つきで挑発し、誘惑するジェスチャーを繰り返す。

 

「……そこまでしてもらうと、いやらしいを通り越して、涙ぐましいな。このおじさんのために」

「そんなに必死じゃあありませんよ」

 

 彼の肉体は奏の裸に興奮している。興奮に引きずられっぱなしにならず彼を抗わせているかのような重石は良心より疲労だった。彼に、この奇跡的な女体へ興奮する資格があるのだろうか。明らかにないにもかかかわらず、奏が彼に興奮を強いる。

 

「先生、私は……っ、んっ」

 

 彼の上で腰を振っていた奏が、不意に声を震わせる。彼女の腰がぶるりと震えたかと思うと、そのままくたりと脱力しかかるのを彼は慌てて支えて抱き寄せる。

 

「……速水?」

「……ふふっ」

 

 瞳がとろんと潤んで、体中から力が抜けている。食べごろの果物のような、彼がいま一番恐れている甘い芳香が、彼の鼻孔をくすぐってくる。

 

「あ……っ」

 

 彼は自分のペニスにじわじわ血が集まるのを感じた。この期に及んでまだ性欲がある自分に呆れ半分嫌気半分となる。

 奏が彼のペニスをくわえこんだまま腰を振っていたのを思い出す。いまではなく、昨夜だったり、もっと前の情事の出来事だ。そうやって、いまは挿入していないと言い聞かせても、回想が勝手に頭の中をごろごろ転がる。

 彼女の中は熱く潤んでいて、彼が少し腰を浮かせただけでその肉襞が吸いついてくる。彼女が自分の上でいやらしく体を動かすたび、大きな胸が揺れて彼を挑発する。

 

「……いまじゃない私を見てるんですか」

 

 妙に鋭く彼の内心をえぐったあと、奏が掛け布団ごと彼に覆いかぶさってくる。

 

「ん……っ、ふ……」

 

 彼女の体重と体温に圧倒される。掛け布団がそれらを逃がしてくれなくてすぐむせ返りそうになる。対して彼のペニスは萎えるどころかますます硬くなる。

 彼女の手が布団の中でも奔放に彼の腕や胸元をまさぐって、つねって、引っかいて責めてくる。彼のペニスが、奏の肉壺にしゃぶられる快感を期待しているかのようにびくんと跳ねる。

 

「先生、もう……いいですよね?」

「……どうだか……」

「もう、他人事みたいに」

 

 奏が彼の乳首に舌らしきものを押しつけてきている。ほんの数か月前は処女だったのにどこで覚えてきたのやら、と驚く。彼女から引きずられっぱなしの肉と神経にさざなみが立つ。

 

「あ……ん」

 

 奏が布団の下の暗闇でもぞもぞと動く。きっと彼女も彼と同じで彼の視界が真っ暗のはずだが手足を動かすのに躊躇していない。

 彼は彼女が自分の上に、よりみっちりとのしかかってきていると感じる。胴体か太ももかにペニスの先をこすりつけ、ついに根本も握って手コキをしてくる。

 

「先生、もう、こんなにして……っ」

「……う……」

 

 奏が、見えなくてもはっきりわかるでしょう、とおせっかいにも彼の乳首に歯を立てる。唾液の音と布団の衣擦れが混じって内側でこもってかつてのセックスより騒々しい。

 

「うふ、ん……っ!?」

 

 さすがにやられっぱなしでいられなくて、彼が探り探りで奏の尻あたりへ手を伸ばす。肉のたっぷり詰まった重量感が返ってくる。彼女の吐息が艶めく。彼の体にかかってきている重みがうろうろと揺れる。腰をくねらせているほど反応しているのか。煽られて、彼女の尻たぶや太ももを撫でさする。濡れた秘所も探り当てて、指の腹でくすぐってやる。

 

「っ……!」

 

 奏が喘いで身悶える。彼女の股がぬるぬると濡れている、と感じ取る。彼の指が感触をたどり、奥深くへ沈んでいく。対して彼女の手がいっそう執拗に彼のペニスをしごいてくる。

 

「先生、口で言ってたよりその気ですね」

「ああ……速水……っく、すっかり、思い通りにされてしまうな……」

 

 彼ら二人の肌も粘膜もねっとり湿り、互いに絡まり合う感覚が一層強まる。それぞれが与え合い求め合う布団内の世界から、日常や良識とかけ離れた奈落の入口にお似合いだった。

 彼は時おり奏の臀部や大腿部へくちびるを寄せる。手淫を続ける彼女を刺激しながら柔らかい部分を強く吸う。彼女の肢体が反応して震えるのを感じるごとに彼自身も昂ぶる。おそらく彼女の目論見通り、しだいに大胆になり、夢中になっていく。

 

「先生の悔しがるふりは、あざとい気がします」

「気を引くためにやってるんじゃないよ」

「そういうところも、です」

 

 奏が彼のヒザを開いて、彼のペニスを自分の股間へ押し付けた。疑うべくもなく入ってしまっていた。回想ではなく本当に、彼女の中がしっとりと濡れて温かい。布団にもぐりこんだままの彼女が腰を振ると、布団がばさばさと部屋の空気をはらんでふくらんだり抜けてしぼんだり、そこだけ子どもが遊んでいるようなのどかな雰囲気になる。落差がひどい。後頭部にわだかまる背徳感がよけいにひりつく。

 彼がひりつきと鋭すぎる快楽に眉をしかめているあいだ、奏の腰の動きが激しくなっていった。

 

「あ……っ、ん……っ、んっ、ふっ、ぢゅぷっ、んんっ……」

 

 騎乗位で交わりながらキスを交わす。上の粘膜を擦れあわさせると下の粘膜もますます敏感に感じられる。ついでに彼はいたずらごころを起こして彼女の巨乳を揉んで揺らして弄ぶ。彼女が甘い声をあげてキスを中断する。

 

「れぅ、はむ……んくっ、ちゅ、ちゅっ……んぷ、はぁ……んもうっ」

「お気に召されないかな」

「先生もキス好きになってくれた、と思ったのに。そういう顔してた」

「……手触りで速水に表情を読まれたのかな、俺は」

「あと、おっぱいの吸い着き具合」

「まだ……ここでは吸ってないだろ」

「もう吸いついたようなものですよ」

 

 奏の挑発に乗って、手探りで彼女の肌をまさぐって、くちびるで触れ回る。胸のふくらみを揉みしだきつつ頂点の突起を探り当てる。ぽってりしてしまっている乳輪に沿って舌先を這わせていって中心でちろちろ舐める。乳房の弾力を指で押すたび、奏は腰を上下させて反応する。

 布団を被って愛撫しあううちに、彼は奏と一緒になって胎児として母体の中でもぞもぞ胎動している気になる。

 

「……先生の舌も指も、私のどこかしら、捕まえてないと気が済まないみたい」

「お前の体が、俺を放してはくれないんじゃないか」

「どうだか」

 

 奏の腰遣いが激しくなる。彼女の中が狭まってうごめいて、彼のペニスを扱き立ててくる。彼女の巨乳も上下左右に揺れ動く。しがみついて乳責めを続けるのもやっと。汗だくでずるりと滑って離れてしまう。追ってとらえなおして、吸いついたり噛みついたりしてやる。

 

「ふっ、ふっ……あっ、あっ、あっ……!」

 

 奏の体を貪って酔い痴れる。この快感を覚えこんでしまえばもう抜け出せなくなる。彼女が許してくれるならば何度も彼女の体を求めることになるだろう。そしていずれ彼女に捨てられ、家族にも捨てられ、今度こそ本当に孤独でどうしようもない老人になる。

 それらを振り切るよう、彼女に快楽を与え彼女から快楽を引き出すことばかり考える。彼がいま唯一能動的に起こせる行動に専念する。

 

「あ……っ…んんっ……んっれぅ、はむ……んくっ……!」

 

 奏にくちびるを捕まえられ、また吸われる。乳房への責めを手に切り替えて乳首を責めたてると奏が彼の舌をしゃぶりながら悶える。腰を動かして快感を追い求める。彼女の膣壁がまたうごめいて彼を締めつける。粘膜同士の摩擦が激しさを増す。強く抱き寄せられると柔らかい身体が密着して彼の肌も歓喜する。彼の理性どころか肉体ごと流され溺れてしまいそうだった。

 

「先生、まだ……っ」

「っく……」

 

 奏が肉壷できつく締め上げてくる。搾り取ってくる。彼の頭から余計なものすべて追い出して、改めて奏による快感だけで埋めてくるつもりらしい。売られたケンカを買うように、興奮に任せて彼女の体を征服しようと腰を突き上げる。ペニスが頼もしくも勃起を保ったまま、むしろ淫裂の中でさらに膨れ上がっている。亀頭のあたりに襞とは違うざらつきの感触を覚えた。奏が軽く絶頂するのが見えた気がした。

 

「っ……ん!」

 

 奏が弾けるように肌を波打たせる。腟内も激しくうねる。奏の体ががくがく震えながら汗ばむ。もはや明らかな絶頂の余波と痙攣が彼と彼女をつなぐ秘裂を介して伝わってくる。

 

「はうぅ、んぷっ……ちゅっ、ちゅう……ひゃんっ、あ、あっ……はぁっ!」

 

 前後不覚になりながら激しく彼女の蜜壺を責める。奏が悶え、彼の首にすがりついて強く引き寄せられる。彼女の肢体から噴き出してくる熱い体液を感じて、タガが外れて射精。

 

「速水……っ」

「んふぅっ……んぷ、へう、んぷ、ちゅう……っんぁ……あっ、だめ……」

 

 精液がドクドクと蜜壺に注がれていく。精汁を吸引される感触に打ち震える。延々と続く射精感が情けないような喜ばしいような、不思議な感傷とともに彼女の裸体を抱きしめて肌を押し付ける。

 

「ちゅう……ふふ……っぱり、好きに、なったんでしょう……」

「……ああ……」

 

 奏が彼を抱き返してきて、ソフトキスからまた腰を揺すって彼のペニスを刺激する。彼はなすすべもなく彼女に搾り取られることに甘んじた。この少女に完全に手玉に取られていた。

 

「先生、もう……いや、まだ大丈夫そうですね」

「……名残惜しいと思うのがちょうどいいんだぞ」

「そのちょうどいいって、別れてから思うことですよね」

 

 布団をぱっとはねのけて、露骨に結合部を見せつけながら引き抜く。白濁した液体が奏の女陰から垂れる。彼の目は暗い布団から明順応しきっていなくて、ちらちらぼやけて映る。

 

「……硬いですね、来て、まだまだですよ、先生」

 

 奏は、こんどは上を譲ってやろう、という内心がありありと表情に出ている。あお向けで股を開いてふつうなら服従を示すであろうポーズでさえ彼にそう見える。

 彼の意思を奏の肉体を貪らせるよう仕向けている。まんまと乗せられ、彼が奏の腰を両側からつかんで引き寄せる。

 

「乾くひまもありゃしないな」

「先生、けだものみたい」

「けだものだったらもっとサクッと済んでる」

 

 彼女の口元の笑みがさらに深くなる。絶頂のときより余裕が復活していて、彼にはそれが口惜しい反面好ましくもある。

 彼自身の手でも彼女の両足を開かせて、ペニスを押し当てる。ぬるぬるした膣口に迎え入れられ刺激されつつ奥へ進めていく。

 

「あ、ああっ……あっ、せんせいのっ……」

 

 奏が鼻にかかった声を漏らす。もう進められないというほどの深みまで食いこませ、彼女に覆い被さって密着する。奏の吐息と体温から、この極上の女体にしがみついて欲望のまま動いてもいい、と受け入れられている。その感慨だけで動く前から頭がしびれて気が遠くなる。

 

「速水……っ」

「あ、ん……っ! せんせいったら……」

 

 彼女が彼の背中に腕を回して彼を抱き寄せる。腰に彼女の両足が絡んできて、ふたりの結合部ががっちり密着する。

 

「こうされたかったくせに。先生、どうぞ……」

「……至れり尽くせりすぎてめまいがする」

「ぜんぶ私のせい、って言ってくれるんですか」

 

 奏に言われれば事実と認めざるを得ない。奏の魅惑に逆らえず、彼のペニスがそそり立って彼女を貫いている。

 

「……自業自得だろうよ」

「ひゃんっ!」

 

 言葉だけでは強がる。彼が腰を引き、また押し込んで奥を突く。

 奏が高い声で啼く。彼女の膣肉が彼を歓迎してねっとり絡みつく。騎乗位より従順で彼という征服者を舞い上がらせる歓待。ラオコーンを無視して木馬に引っかかったトロイア軍の気分はこうだろうか、と一瞬だけ社会科の教師ぶる。

 何度も腰を引いて突き入れて、膣襞を亀頭でこそぎ落とすように擦る。彼女の蜜壺から愛液があふれて、男根でかき混ぜられるたび淫らな水音が立つ。

 

「先生……っ」

 

 奏が彼へ体をすり寄せて、上体を伸ばしてくちびるを押しつける。薄く開いた彼女の口から熱い息が漏れて、彼の口内に吹きこまれる。唾液を舌ごと絡ませあうキスのさなかも彼は腰を動かしつづける。奏はよがり声をあげて身悶えながらも、くちびるで彼を求めるのをやめない。

 

「せ、せんせいっ……すご、いい……きもちいいのが、おっきく……」

 

 奏の声がうわずって昂ぶっていく。彼の首筋にしがみつき、乳房を胸板にこすりつけてくる。彼女の内奥はいっそう淫らにうごめいて彼をきつく締めつけてくる。血管の中を興奮物質が駆けめぐるとともに彼もまた彼女と官能を共有して陶酔に浸る。彼女の中をかき乱すことだけに没頭できる。

 

「せんせっ……おく、ぐりぐりしてっ……」

「……ぉ、おうっ……かわいらしく、言いやがって」

 

 奏が卑猥な懇願をするたび、彼女が彼だけのものになったと錯覚して、ますます強引なセックスになってしまう。言葉も忘れてより強く腰を打ち付ける。乳房をもみしだく。彼女も言うほど受け身でなく、彼の動きに応えようとさらに激しく腰を動かしてくる。

 

「あ、あっ……はうぁ、あんっ! せんせいっ……」

 

 もう奏のことしか考えられない。彼女の中も外もすべて征服して自分のものにしてしまいたい。その欲望が彼の体を突き動かしている。彼女をよがらせるために腰を引いて突き入れるという単純な運動に没頭する。彼女の尻肉をわしづかみにするとさらに強く締めつけて肉襞がまとわりつく。

 

「あっ、ああっ……せんせっ、ぁん!」

「速水っ……!」

 

 奏の体を強く抱きしめて激情にまかせて突き上げる。彼女の乳房が彼の胸板でむにゅりとひしゃげるのも構わず体重をかけて押しこむ。めいっぱい深々と膣奥を穿ち、亀頭の先端を擦りつける。彼女が絶叫じみた喘ぎ声をあげる。そのくせ彼が突き入れると逃がすまいとして吸いつき絡めとり受け入れている。早くも頂点に達しようとし、彼の顔や腕を汗が伝い落ちる。奏も奏で、汗みずくで髪を振り乱し、乳房を弾ませてよがる。とっくの昔に自制も分別もなくしている。この淫らによがり狂う奏を征服することだけを望んでいる。

 

「んひゅ、かは、ぁ、あッ、は、ぅ、ぁあぅ……っ!」

 

 彼女の足を折りたたむようにしておさえつけ、汗でぬめる男根を膣内へ打ちつける。もう彼女が失神寸前までのぼりつめる。彼女の膣内もぎゅるっ、と音を立てそうなほど締まってきて彼も果てかける。彼は反射的に射精欲求を押さえつけて歯を食いしばる。必死に未練たらしく征服の快楽を引き伸ばす。射精が始まってしまえば彼も真っ白な絶頂に溺れてしまう。征服どころではない。

 膣奥を何度も突き上げては、その快楽を反芻する。奏が彼の背に爪を立てているのにも構わず彼は腰を振る。奏の華奢な体つきのどこから出てくるのかわからない力で男根を絞り上げてくる。膣内が痙攣してペニスを引き抜かれるかとも感じた。

 奏の絶頂に引きずられてついに彼も果てる。

 

「ぁ、ああっ、う、く、ぐぐ、ふぅううっ……!」

 

 奏が絶頂して激しく体をのたうたせ、彼のペニスを食いちぎらんばかりに締めつける。足をぴんと伸ばして背中を弓なりにする。その渦中で彼が射精する。ぜぇぜぇと荒れた息のように精液があふれ出て、奏の膣肉でさらに強く締めつけられる。膣内も勝手にうごめいて搾り取ろうとしている。

 

「ひ、はっ……あっ、あっ、はひっ、はぁっ……!」

 

 彼の射精が終わってもなお、奏は膣内から彼を逃そうとしなかった。その余韻で膣肉がうごめいて男根をなぶっていた。彼のまぶた裏にこびりつくほど揺れていた巨乳が余韻に上下していた。呼吸音が耳障りなほど息が激しく荒れていた。そのまま汗の浮いた体を震わせていて、まだ夢うつつに沈んでいるようだった。

 陰茎の根本からすべてを吸い上げられたかのごとき感覚があった。解放されたはずの亀頭が、彼女の膣に吸いつかれて包まれている感じがするほどだった。

 膣襞の入口を八つ当たりのようにつつくと奏が短く達するかのようにあっと声を上げた。その体が再びわななくさまでにやりと笑えて、久しぶりに興奮以外の感覚を催した。

 

 

 

 

「ぁ……だ、めぇ……も……っお、っ……!」

「まだ勃起してるじゃありませんか」

「燃え尽きる寸前のろうそくって、こんな感じなんだろうな……」

 

 カーテンを閉め切ったままのリビングで、奏が彼をソファに座らせてパイズリで責め立てていた。

 正常位の締めくくりに彼に笑われたことにたいそう立腹した奏が、カーテンを開けて近所に痴態を触れ回ろうとして、彼は精神的にも寿命が縮む思いをしながらどうにかなだめた。

 そのままソファで奏の言われるがまま、すでにいくつかの趣向を演じていて、背筋がむず痒くなって仕方がなくなっていた。

 

「……ねえ、お前、馬鹿げたことをするにしても、うんと楽しみになるのでなければ、決してしてはいけませんよ!」

「ニーチェかぁ、昔好きだったよ」

「ドゥ・ランベール夫人ですよ」

「速水が好きそうなのはニーチェのほうだろう」

 

 ソファでキスしながら対面座位で抱いてやることになって、しかもキスのあいだに奏がどこからか持ってきた飴玉を挟まれながら溶かすよう指図された――『いやらしいキス、興奮しちゃう?』『いやらしいというか、いやしんぼというか』――奏がいいと言う前に彼はうっかり飴を噛み砕いてしまった。

 

 

 

 彼としては、自分の主義を曲げてせいいっぱいキャンディキスの趣向に付き合ってやったつもりだった。

 パイズリとは逆の位置関係だった。ソファに深く沈みこみながら、奏の重みを膝の上に感じていた。豊満な乳房が彼の胸に強く押しつけられ息苦しいほどだった。奏の瞳が挑発的な光を帯び、くちびるの端に微かな笑みを浮かべていた。

 

『先生、これ、口で溶かしてみませんか?』

 

 彼女の声は甘く誘惑の糸を紡いでいた。みだらな体液よりずっとしつこく糸を引いた。飴玉を指先でつまみ、ゆっくりと彼のくちびるの前にかざしてきた。彼女の指の動きがわざとらしく緩慢で、彼の視線をその小さな菓子に釘付けにしようとしていたらしかった。ただ、彼女の指先に比べてこっけいなほど安っぽかった。

 彼女の吐息が彼の頬を撫で、飴よりもう甘ったるい香りが鼻腔をくすぐってきた。

 

 彼は言葉を返す代わりに、わずかに口を開いた。奏が飴玉を彼のくちびるに押し当て、指先ごと口内に滑りこませた。飴の味を認識する暇もなくすぐ彼女がくちびるを重ねてきて、柔らかく湿った感触が彼を包みこんだ。

 

『ん……美味しいでしょ、先生?』

 

 彼女の言葉がキスの合間にささやかれる。彼女の舌は巧みに動き、飴玉を彼の舌に押し付け、絡め、時には奪うように吸い上げる。よく飴玉が転げ落ちないものだ、と感心する。唾液が混じり合い、飴が二人の口内で甘く溶けだす。彼女のくちびるが熱く、舌が大胆に彼の口腔を探り、飴玉を焦点に淫らだが子どもっぽい遊戯を繰り広げる。彼の神経が刺激され、下腹部に熱が集まる。

 

『じゅる、るじゅ、ぼっ、んく……ぷふぁ、んっ……』

 

 奏が彼のヒザ上に跨ったまま、ゆっくりと腰を揺らした。彼女の秘裂が彼の硬直した肉棒に擦れた。またやるのか、という食傷と、終わりを先延ばしにしてもらった安堵が過ぎる。彼女の動きがまるで彼を試すかのように緩急をつけて、彼女の太ももが彼の腰に密着し滑らかな肌が彼の皮膚を焦らすように滑る。

 

『んふっ……先生、ちゃんと味わって?』

 

 彼女はキスを中断し、かなり小さくなってしまった飴玉を自分の口に含んだ。彼女の舌が飴を転がす様子が、薄く開いたくちびるの隙間から覗く。

 いいようにもてあそばれ溶かされて飲み干される。先生なんてこの飴玉みたいなもの、なんてメタファーが浮かんで、気のせいと言い聞かせてどうにか打ち捨てた。

 彼女が再び彼のくちびるに吸いついた。

 

『ぢゅちゅ、んっ、ふぁ、あ……ちゅく、ちゅ……ん、ん……』

 

 彼は彼女の腰に手を這わせ、柔らかな臀部を強く握った。彼女の肉は指の間で弾んで、彼女の口から短い喘ぎが漏れる。彼女は報復とばかりに、飴玉を彼の舌に押し付け、激しく吸い上げる。彼女の舌が彼の口腔を蹂躙し、飴の甘さと彼女の唾液が混ざり合った味で彼を溺れさせる。

 彼女の動きに合わせて腰を突き上げ、ついに挿入する。彼女の秘裂に肉棒が深く擦れ、彼女の愛液が彼の太ももをびしょ濡れにする。さらに小さくなった飴がついに砕ける。

 

『ああっ……終わっちゃった、先生のせい』

『こんなの同時にする、なんて器用なマネはできんよ』

 

 彼女の秘裂が肉棒を締めつけ、愛液とともにぬちゃぬちゃ淫らな音を立てる。

 

『んんっ……先生、私、もう、イっちゃう……』

 

 声が震え、腟内が痙攣する。けっきょくこうなるのか、という皮肉は気分だけで言葉にならなかった。

 

 

 

「だいたい、食べ物で遊ぶのは感心しないぞ……年寄りくさいと言われても、これは言わせてもらう」

「お行儀ですか? なら先生だけにしておきます」

「どんな子に育ってしまうのやら」

「あしたのことなんか知らないわ。きのうのことも忘れたし」

 

 奏から冗談のようなことを――確かに自分はいい年こいて若い女に入れあげた……ボギーと同じなのはそこだけだろう……――彼は鼻で笑ってしまいかけるが、彼女の機嫌を損ねないよう、うつむいてごまかした。おそらくその努力と別次元のおかげで、笑わずに済んだ。

 ずっしり、どっしりした速水奏の乳房によるパイズリが急に強くなってうめくしかなくなった。

 

「うぅっ!? う、うーっ……」

 

 奏がじゅぶ、じゅるる、と口の中にはたっぷりの唾液をためていて、彼の亀頭へどろりと垂らす。それだけで彼は腰が抜けたかと思う。このソファに腰を下ろしていたらもう上げられなくなってしまうのでは、と危ぶむ。

 

「できるだけがまんして、がまんしきれなくなって、いっぱいだしてくださいね」

 

 奏の柔らかく温かい乳房が、彼女の手によって巧みに動かされる。さらに亀頭へくちびるを寄せて、ふぅとからかうように細い吐息で撫でたあと、鈴口を口に含む。舌先で尿道もくすぐる。

 

「あっ、あっ……!」

「気持ちいいでしょう? 先生」

 

 まだ本気ではないパイズリフェラでも、彼が堪らず弱々しい声を漏らす。対して、奏の目遣いがますます自信を帯びる。ペニスがピクピク震えて我慢汁に口元を汚されると、そのくちびるをにやりと緩める。同時に乳房を揉みしだくように動かして、彼の下半身に熱を持たせる。

 

「やめろなんて言わないでくださいね」

 

 これだけ彼と接触しているのに、奏の乳房はこともなげに甘ったるく匂う。自分がなすりつけてしまったであろう加齢臭がどこへやら、と彼は疑問を禁じ得ない。

 

「んむっ、んむっ」

「う……っ! 速水……っ」

 

 奏のくちびるが彼の亀頭にじゅるじゅる吸い付く。口腔が亀頭全体を温かく包みこみ、舌の裏面がカリ首へ密着しながらずりずり刺激してくる。手コキや騎乗位より力加減が手ぬるく、それでいて敏感なところをよりピンポイントで狙ってきくる。つまりまた興奮させられる。

 

「んふふ……」

 

 フェラチオでもふさがれない目で妖艶な笑みを浮かべる。ペニスがびくんと大きく震えて先走りの量が増える。根本も奏の乳房の谷間に包まれるたびに温かくとろけて蕩けていってしまう。

 彼女が乳圧を強めたり弱めたりすることで絶妙に彼を翻弄してきて、彼は頭の中が白く濁る感覚に陥る。頭の中で泡のような何かがどんどん弾けていく気分になる。

 このまま彼女にされるがままになってもいい。何度離れようとしてもそこに意識が向いてしまう。

 

「んふ……っ!」

「む、ぐ……ふぁ、あぅ……!」

 

 彼女のくちびるが強く亀頭に吸いつき、わざとらしくじゅるっと音を立てる。彼の口角からも唾液が零れてしまう。

 

「ぢゅちゅ、んっ、ふふ……先生の、飴よりくせになっちゃいますよ」

「あっ……くっ……く…」

 

 奏のくちびると彼の亀頭とのあいだで唾液の糸が引く。さらに幹と乳房の方に汁を垂らしてべちゃべちゃと音を立て、遊びのように無造作にこねる。乳房が上下左右に揺れて刺激を与えてくる。

 

「やっ……と、止めてくれっ! 速水っ……!!」

「それは……いやです、手加減すると、先生なんだか上の空になっちゃうんですもの」

 

 確かに朝食のあとからずっと、快楽に流され惰性でセックスを進めていて、心中では半ば上の空だった。そう認めざるを得ない。しかしここまで奏はそれを――しぶしぶだったかもしれないが――容赦してくれていたはずだった。

 それもここで優位を完全にするためのお膳立てだったのか。

 

「それ、ぇあ、あっ、う、あっ」

「ん、じゅっ……ちゅっ、んむっ、れろ、れお……まだですよ、もっと」

 

 奏の乳房ですっぽりみちみちまんべんなく圧迫されながら、亀頭や尿道口をじゅるじゅる責められる。彼の背筋に甘くしびれる快感が走る。騎乗位などの押し流してくる全く別タイプの、彼をずるずる滑り落ちさせようと誘う快楽。

 

「あっ……あっ! あっ!」

「んむっ、んっ!」

「ぁ……!」

 

 射精していないと言っても、耐えようという気概はすでに消え失せている。どうにか速水奏の慈悲に訴えて射精を許してもらえないか、という情けない境地である。奏はどこまでそれを察しているのか、相変わらず笑った目を崩さない。

 

「やっ……うぁ……あぁ……」

「女の子みたいな反応してますね、ふふっ」

 

 奏のパイズリがどんどん濃厚になって、酷使されているペニスを追い詰める。乳房が柔らかく張りのある肌触りで包み込んでくる一方で、彼女の手に力がこもると暴力的な弾力でぐりぐりと打ちのめしてくる。

 さらにフェラチオもヒットアンドアウェイの攻撃のように繰り広げられる。柔らかい舌先が敏感な先端を丹念に舐め上げる。くちびるが亀頭を締めつけながら唾液塗れの口腔内で何度も往復してくる。彼の腰が跳ね上がりそうになるほどの快感が走る。

 

「はうぅっくぅっ!? あ、あっ……は、ァ……く、うぁああ、はぁー、はぁあ……っ」

 

 彼の息も上がって勝手に声が出る。もう何を喋っているのか彼自身よくわからなかった。

 一般的にはグロテスクでさえある中年男性の痴態、むしろ狂態を、奏は楽しげに見上げてさらなる刺激を与えてくる。

 

「うーっくぅうっ!? はぁーっ……はぁーっ……!」

「ふふっ……」

 

 お見通し、とばかりに彼の限界寸前で奏が乳房での刺激を不意にゆるめる。彼の亀頭を口から離す。手淫も止めて彼を見上げながら顔全体でにっこり微笑む。仕草と視線だけで、彼の全身が総毛立つ。

 

「はっ……はぁっ……!?」

「気持ちいいでしょう? すごく良さそうじゃないですか、先生。もっと長く楽しませてあげますよ」

 

 奏はさらにゆっくりと乳房を動かしていきながら問いかける。彼は銃口でも突きつけられているように無心で何度も頷く。

 

「ふふっ……」

 

 わざとらしい舌なめずりを見せつけてからパイズリフェラを再開する。彼が小休止でわずかに息を整えたが、乳房で人こすりされただけでわずかな余裕が吹き流される。彼女の乳房が揺れるとともに彼の腰も小刻みに震える。

 

「ふっ、く……っううっ!」

「気持ちいいでしょう? まだ、してあげます」

「あっ……はっ……速水ぃ……!」

 

 奏がじっくりゆっくりと乳房で扱き上げるとともに、くちびるを亀頭に引っ掛けながらねっとりと舐めあげる。ペニスの幹も乳房と手で交互に緩やかに刺激を与えてくる。彼女の口元から覗く舌先がねろねろと妖しく蠢く。見せつけられているだけで、それがカリ首や裏筋をなぞったり鈴口を穿るさまが彼の脳裏に浮かぶ。

 

「うっ……あっ……!」

「ふふっ……先生ったら」

 

 彼が情けない声を聞かせれば聞かせるほど、奏が楽しそうに乳房で扱き上げてくる。先走りをすすり飲んで味わうように飲み込んでくる。ときおり唾液を滴らせると乳房の滑りを戻す。

 

「ふっ……ふぅっ……うう……っ…!」

「まだですよ」

「おぉっ……うぅっ……!」

 

 射精しそうになると焦らされて乳房も手も離されてしまう。また一息入れさせられてからパイズリフェラが再開される。唾液や先走りの泡に包まれた向こうで、亀頭粘膜が痛々しいほど真っ赤に充血して震えている。

 それでも彼は絶頂に達することができない。

 

「ふふ……こんなに大きいのに、さっき好き放題出入りされて、気持ちよくなっちゃって……でも、いまはこの通り」

「ふっ……あっ……ううっ……!」

 

 乳房がねっとりと押し当てられる。亀頭を舐められながら尿道をほじるように舌先でなぞられる。亀頭を咥えて口内で舐めしゃぶられる。射精寸前まで追いこんで、断固として止める。彼を苛む快感がどんどん強くなり彼の思考力を奪っていく。想像の射精だけでペニスがさらに怒張し奏の口の中で跳ね上がる。

 

「速水ぃ……っ!」

 

 彼の懇願がむなしく退けられる。奏が口元をゆるめて乳房をさらに押しつける。柔らかく温かいそれに埋もれさせられ、包み込んでくる弾力にすべて委ねたい。依存的な気持ちばかりが彼の中に湧き起こる。

 

「先生……っ」

 

 奏が乳房を左右から押しつけながら亀頭に吸いつく。ちゅぱちゅぱ音を立てて何度もねぶられる。快感が強烈で甘美で、疲れとソファの反発でこれ以上は引けもしない腰を必死で彼は引こうとする。ペニスが乳房の谷間にみっちり埋まり、その左右を強くこすられる。

 

「ああっ……あァっ……」

 

 陰茎がびくんびくんっと何度も震える。脈打つペニスを奏は乳房で締めつける。あごの下、首、デコルテに精液がびしゃりと飛んでぶつかる。度重なる水っぽくなってきていたそれが、なだらかな乳房にたらたらと伝って谷間に落ちる。

 

 

 

「ん……ふ、ふふふっ、まだこんなに」

 

 奏が乳房をぐにゅっと歪ませたりたぷたぷ揺らして愉しむ。頬にかかった一部の精液を指先でぬぐってなめた。

 

「味もちょっと薄くなるんですねぇ」

「……そんなこと教えたくなかったな」

 

 彼は喋る以外には指先すら動かせなくなっていた。

 

(おしまい)

 

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