ダンまち 静寂IF 作:ショタ、コン?
二十七階層の英雄譚。そんな名称で呼ばれるような闇派閥の討伐劇はすぐさまオラリオ中に流布された。ヘラがベルを鍛えようと思ってオラリオに来たのだから、これ以上の邪魔をされるのは面倒だと思いギルドへ宣伝させたのだ。
もはや闇派閥にまともな戦力はいない。『穢れた精霊』という無視できない存在がダンジョンの下層にいるが、それはアルフィアたちが遠征をした時に倒せばいいと考えていた。地上に出てくることもないだろうからと、そしてそこまで行けるファミリアが現状ヘラを除けばフレイヤ・ファミリアしか存在しなかったため急ぎもしなかった。
片割れのフレイヤ・ファミリアにはレベル七のオッタルがいる。オッタル以外にもレベル六が多いためにその面々が当たれば倒せると踏んで注意喚起はしなかった。
もう片方の都市最強派閥と呼ばれていたロキ・ファミリアはレベル六になったばかりの幹部が三人、他にはレベル五になりたてが四人いるだけ。ファミリア総出で五十階層に行くのがやっとの集団に注意喚起なんてするだけ無駄だと話もしなかった。
そもそもダンジョンの情報なんてファミリアの財産だ。特に下層の情報ともなればゼウスとヘラくらいしか知り得ない。その情報を追放扱いしてきた敵に教えるつもりはない。
理性では協力しなければならないとわかっている。それだけ黒竜は危険だ。だがヘラは生理的にフレイヤとロキを好んでいない。だから彼女はあくまでファミリアの底上げ、そして他に手を取り合えるようなファミリアを見繕うことにしていた。
リヴァイアサンもベヒーモスも、ゼウスとヘラのファミリアだけで討伐したわけではない。リヴァイアサンの時はポセイドンが、ベヒーモスの時はトールが手伝ってくれた。それでもその二つのファミリアは黒竜討伐までファミリアを維持できずに解散している。
風の噂ではまたファミリアを結成して力を蓄えているらしい。ただヘラも頻繁に手紙のやり取りをしているわけでもないのでその辺りの情報の正確性には欠けている。
ヘラも
結局、レベル不足というのが足を引っ張る。
「私はそんなに難しい要求をしているか?世界を救う気概とその意思を貫く強さを両立しろと言っているだけだぞ?フレイヤとロキはこんな小さな箱庭で満足している。ガネーシャやアストレアは悪くないが実力不足だ。……いっそお前たちと一緒に潜らせるか?」
「鍛えろと言うのなら鍛えるさ。フレイヤのクソガキどもとロキの年増どもが気に食わないのは私もわかる。五年前にエレボスと一緒にケツを蹴っていれば実力という意味ではマシだったかもしれん。……だが私には歩みを止めた大人よりもあの子の方が大事だった」
「それが人間というものだ。……まあ、その後あの子たちを見て私は久しぶりに驚いたがな」
ヘラはアルフィアと話しながら溜息をつく。それはベルとリリルカの魂を見たからだ。
三つ子の魂百まで、とは良く言ったもので魂は流転する。記憶や経験などを天界で浄化して魂だけをまた地上に戻すということはこの世界では当たり前の循環だった。
その循環を起こしても鮮烈に残った魂の在り方というのは変わらない。
要するにベルもリリルカも、前世と呼ぶべき存在は一般人などではなく名を残した英雄だったのだ。
「『始まりの英雄アルゴノォト』、そしてそのあまりに規格外な戦績から神聖化された『槍の聖女フィアナ』か。私も憧れていた英傑があの二人とはな……。だが、それだけではないのだろう?」
「ロキのところに揃っている幹部たちのほとんどはあの時代の英傑だ。あそこの団長は二代目フィアナ騎士団の団長、ドワーフと狼人にアマゾネス、そして【剣姫】。『英雄時代』のオールスターを集めているようなことも気に食わん。かつての英傑が燻っているなど、怒りしか湧いてこない」
ファミリアの方針でどうするか決まる。ロキ・ファミリアの取っている方針は完全に停滞だ。都市最強となったことでダンジョンの攻略こそやっているものの、成長というのはあまり見られない。
ベルがこの五年でレベル四相応になっているのに、五年前に既に冒険者として大成していた人間たちはあまり強くなっていない。レベルが高ければ高いほど次のレベルにランクアップする時間がかかるものだが、それが言い訳にはならないだろう。
アルフィアは病気のせいでこの十三年でレベルは一つしか上がっていないが、もうレベル九は見えている。それにアルフィアは冒険よりもベルとリリルカの育成をメインにしていたためにステータスの上がり方は緩やかだった。
冒険者を育てるという意味では最高の環境であるはずのオラリオで弱いままだというのは罪だ。三大クエストというものが地上において遵守しなければならない至上命令。それを忘れたのかと声を大にして叫びたいほどだ。
「足を引っ張る者が多すぎるな。アルフィア、アストレアを引き込め。ガネーシャにはこのまま都市の警備をさせる。ダンジョンの中の調査とでも言って下層を経験させれば勝手に強くなるだろう」
「それはいいが、ベルとリリルカの情報はどこまで伝えていい?ベルの成長率とリリルカの紅い目は隠しきれん。特にリリルカのスキルは似たような物をロキの所の小人族が持っている。同じフィアナ騎士団の団長だったというのが関係しているのか?」
「過去にその眼を分かち合っている。本来ならリリルカにそのスキルは発現しないはずだった。とある大精霊がそうしたんだが、それも前世の話だ。今世ではその契約が切れた。魂にこびり付いたものを、ベルを一人にしないために発現させたんだ」
「……ベルは愛されているな」
ヘラの眼で見たことを告げられてアルフィアは愛というものの偉大さを思い知る。愛によって生まれるスキルのなんと多いことか。
神からの寵愛、そして愛する人への想いの発露。下界での奇跡にこの愛は切っても切り離せない。
「ベルのこともリリルカのことも隠せ。リリルカをお前とベルなら止められるだろう?」
「ああ、可能だ。怪しまれるだろうが、他人のステータスを聞くのはご法度だ。特に他派閥ともなればな」
「そういうことだ。適当な口八丁で誤魔化せばいい」
協力する派閥だとしても隠すべきものがある。特にステータスやスキルなんてものは秘中の秘だ。魔法は使っていたらある程度バレてしまうので仕方がない部分があるが、有名な冒険者のスキルやステータスを正確に知っているのは主神と同派閥の人間だけだろう。
様々な折衝をこなしながら遠征の準備が始まる。まずはアストレア・ファミリアとヘルメス・ファミリアと合同で行うこととなる。この二つを選んだ理由は将来的なことを考えての上という理由と合わせてもう一つ。
撒き餌だった。
アストレア・ファミリアはオラリオ全体を警邏している正義のファミリア。そしてヘルメス・ファミリアは主に外の情報を集めているオラリオの調停を成しているファミリアだ。
その二つがいなくなれば好き勝手動こうとする連中も出るだろうとヘラは予測していた。
予測は当たる。歓楽街で動きがあることを地上に残っていたヘラとヘルメスが見付ける。物証を探すために動き始めた。
・
アルフィアから遠征の話を聞いてベルとリリルカは一緒の部屋に来ていた。ダンジョンに長く潜ることになれば
外で宿を取ることもなく、ベルの部屋でその行為はなされていた。ファミリアの中でもほぼ公認となっていて母親代わりのアルフィアも主神のヘラも注意をしない。避妊だけはしっかりとするようにと言われ、それだけは守っている。
その証拠に今ではそういう行為をする際にはしっかりとゴムをつけているのだ。
今もしっかりとゴムをつけて剛直なベルの肉棒はリリルカの蜜壺を貫いていた。後背位と呼ばれる体位で後ろからリリルカの体を抱き留めながら腰を動かしていた。
初めての時とは異なり何回か体を重ねたからか、最近ではリリルカも苦しそうにはしていない。むしろベルのことをすんなり受け入れられるように拡張されたと言っていい。フィットするようにベルのアソコをキツく締め付ける。
ベルの一アクションごとに艶声を上げつつ花園から蜜を零すリリルカ。すっかり快楽に落ちてしまったのか、ベルにされることだったら何にでも反応してしまう体になってしまっていた。
体を触られるのはもちろん、耳を甘噛みされたり、ベルの切なそうな声を聞くだけで達しかけるのだから相当反応の良い体になっていた。
「あ、あっ!ベル、そこばっかり擦らないで……!」
「嫌だった……?」
「ちが、気持ち良すぎて……!もうずっとイッてるから……!ヒャア⁉︎」
「僕は何度だってリリを気持ち良くしたいよ」
気持ちいいと聞いたベルは腰の動きを激しくした。何度も何度も愚息がストロークを繰り返し、愛液を掻き出すように出し入れを続けた。ベルの股間の周りとベッドのシーツがいくら汚れようと気にしない。
ベルは左手でリリルカの豊かな胸を弄りつつ、右手では陰核を触って更なる刺激を与え始めた。リリルカは色々な場所を同時にかなり弄られるのが好きだとわかったのだ。だからベルは最愛の人を快楽に沈めようと頑張る。
「ダメ、ダメェ……!イッちゃう……!」
「僕も、もう……!」
「あああああああああああああああああああああああああ〜〜〜〜〜〜〜っ‼︎」
リリルカは潮を吹き出し、ベルもゴム越しとはいえビュルルルル!と音が鳴るほど大量の白濁液を吐き出した。ゴムが受け止めたために膣内に出されることはなかったが、それでもリリルカはお腹の奥が暖かく脈打つのを感じていた。
何度されてもリリルカはこの感覚に慣れなかった。出された後は体の中の酸素が全部抜けていくように「はふぅ」と息を吐きながらベルに寄りかかることになる。
体力という意味では絶対にベルには勝てないリリルカ。何度も負かしてやろうと頑張ってみたものの全敗だ。ベルは体力も性欲もかなりある。他の人と比べたことがないために男性の性欲としては如何なものかと思ったが、何時間も続けてできることは異常なのだとリリルカは知っている。
ヘラに相談したことがあり、旦那も子供もいるヘラからしてもベルの性欲はゼウスに匹敵するらしい。そんなところで似なくてもとヘラとアルフィアは頭を抱えたものだ。
全部を中で受け止めるのはキツイだろうから手や口で処理するといいとアドバイスを受けていた。実際それで頑張ったものの、そうしている内にリリルカの方が中に欲しくなってしまい、受け入れた瞬間に負けたのだ。
ベッドでは絶対に勝てないのだと、もう諦めていた。
リリルカは息を整えつつベルの紅い瞳を見る。普段の自分の茶色い瞳ではなく狂気に取り憑かれた自分と同じ色の瞳。
ベルの瞳に憧れたのか、自分の奥底に眠る赫があったからこそ惹かれたのか。どちらにせよリリルカという少女を受け入れてくれた目の前の人を離すつもりはなかった。
「リリ……?どうかした?」
「アルフィア様はベルの紅い瞳があまり好きじゃないと言っていましたが……。リリは好きですよ」
「う、うん?ありがと?」
いまいちわかっていないように返事をするベル。
ベルの在り方に、その瞳に。リリルカは救われたのだ。こういう行為もそれを伝える手段だが、ベルの隣にいるにはそれだけでは足りない。ベルは世界を救う英雄になる。ならそのすぐそばに居られるだけの実力をつけなくちゃならない。
神にも認められた英雄に近付くのに狂気の紅が必要ならそれも利用してやるつもりだった。
力を振るう相手がいる。最後の暴走を止めてくれる人がいる。
リリルカが