ダンまち 静寂IF 作:ショタ、コン?
今回フィンやロキ・ファミリアに対するアンチがあるので嫌な人はブラウザバックしてください。
※フィンの魔眼についてスキルと魔法で間違えていたので加筆・修正をしてあります。2023/10/17
ヘラ・ファミリアによる遠征は目標階層を五十階層として進軍した。アストレア・ファミリアは武闘派であるのでヘラ・ファミリアの戦闘にもついてこれる人間が多かった。一方ヘルメス・ファミリアはレベルを偽っているものの下層についていけるほどの実力は保っておらず一番足を引っ張っていた。
だが、ヘラ・ファミリアの目的はベルとリリルカを育てること。そういう意味では実力が拮抗しているアストレア・ファミリアやヘルメス・ファミリアと共闘するのはかなり良い経験になった。
闇派閥を一挙に検挙することになっていたためにどこのファミリアも下層まで遠征をしておらず、ゴライアス以外の階層主は残っていた。二十六階層に現れたアンフィス・バエナをヘラ・ファミリアの主力たちは手を出さずにベルたち低レベルの冒険者に任せた。
ファミリア同士の連携、そしてお互いの実力を把握するには一番ためになった戦闘でもあった。ベルとリリルカとしても水の中にいる敵との交戦経験ができたのは上々。そして同レベル帯の冒険者との連携ができたことも良い経験になった。
二人はヘラ・ファミリアの中で現状最弱だ。村に残った元ヘラ・ファミリアを含めればそんなことはないが、オラリオに来た中では一番弱い。だからこそ同じ実力の人間と連携をする機会が少なかった。
今後黒竜戦を見据えるなら同レベルだけではなく自分より弱い人間とも共闘する機会が必ずやってくる。同レベルの武闘派をアストレア・ファミリアが、低レベルの共闘者としての役割をヘルメス・ファミリアがしてくれたために監督者としてアルフィアも大満足な結果となった。
特に目を引いたのがリリルカの成長だ。指揮官としてアストレア・ファミリアのライラが全体を見て、最前線に立ちながらの指揮をヘルメス・ファミリア団長のアスフィがこなしていた。
その二人の戦闘を見て彼女も前線における指揮官の重要性を理解したのだろう。ベルが最前線で全員を鼓舞する英雄ならば、その英雄の道筋を確保することこそリリルカがやるべきことだと悟ったのだろう。
英雄に実力でも劣らず、全体を見渡せる冷静さを保ち、英雄がピンチに陥ったら駆け寄れる勇猛さも必要な戦場の要。そんな人間がベルには必要だとわかり、その役に収まろうとしたリリルカをアルフィアは評価した。
彼女は単騎駆けもできる。実力も申し分ない。そしてスキルで暴走状態になってしまう危険性もあったが、一歩引いた冷静さを得るために自分からスキルを制御したのだ。そしてトドメの時だけスキルの暴力に頼ればいい。
そんなお膳立てをした結果、ベルの一撃でアンフィス・バエナを討伐した。
だが、リリルカの紅い眼と興奮状態を抑えたベルを見て、フィンに詳しいライラが問いかける。
「おい、リリルカ。お前のその眼、フィンの魔法と同じ物だな?」
「え?魔法とスキルが同じなんてあり得るの?確かに【勇者】みたいに眼が紅くなってるみたいだけど、小人族で槍を使ってるからってそれくらいの共通項で全く同じようなスキルなんて発現する?同じ名前の魔法ならまだしも、魔法と同じ効果のスキルを持っている人なんて見たことないわ」
「あたしだって信じらんねーよ、団長。でもな、そうとしか言えねー。狂乱一歩手前まで狂う紅眼になるようなスキルが他のどこにある?しかもそのスキルを使ったら明らかに能力が上がってやがる。それは間違いなく同じ魔眼だ。詠唱をしてなかったんだろうからスキルなんだろうさ」
アリーゼの疑問を否定してライラが断定する。スキルなんて個人の才覚が神によって掬い上げられたもので、同じ神が掬い上げたのなら神の性質もあって同じスキルになってもおかしくないがリリルカとフィンは違うファミリアだ。
だから神の力は関係ない。つまりはリリルカとフィンの間にある何か。それか小人族という共通項のみ。
しかも魔法とスキルという差異もある。しかし効果は同じに見受けられる。
そして、小人族だからこそライラは思い付くことがあった。
「伝承だと思ったんだがな。『狂乱の魔眼』。小人族に伝わる忌み子が宿す破滅の呪いだ。その歴史はフィアナ騎士団と同時期だとも、それよりも古いともされる。世界に絶望した紅い眼の小人族がとある大国を滅ぼしたから小人族が疎まれるようになったとも言われてるんだ。世界の大穴まで道を切り拓いた英雄。国を滅ぼした悪魔。この相反する伝承があるから小人族の立場はまだ低いままだ」
「ほう?詳しいな、小娘。【勇者】の玉の輿に預かるために調べたのか?」
「【静寂】が認めるってことは事実かよ。ああ、そうだ。未来の旦那様のことを知りたいっていうのはおかしな動機じゃねえだろ?」
「ならば分かったはずだ。【勇者】があの紅い瞳を隠す理由をな」
フィンは小人族の栄光になろうとしている。そのために醜聞は徹底的に排除しなくてはならない。歴史にも語られてしまっている醜悪な紅い瞳など公表するわけがない。
そもそも理性を失って暴走する魔法だ。味方にも被害を及ぼしかねない危ないものを言う必要はない。とはいえ彼と共闘することの多いアストレア・ファミリアなどはその魔法の詳細を知っている。巻き込まないためにと信頼されて教わっているのだ。
オラリオでもフィンには身体強化の魔法があるということは知られている。それを用いればレベル七になる前のオッタルにも匹敵したという話も出回っているくらいだ。だが理性をなくすとまでは知られていない。
共闘した人間くらいしかその魔法の詳細は知らず、
そもそもゼウスとヘラを追放してから二大最強派閥と呼ばれるようになったロキとフレイヤは戦ったことがない。だからオッタルとフィンが戦ったらどうなるかは予想しか立てられないのだ。
実際一対一であればフィンはオッタルに勝てない。レベルの差と純粋な肉体強度が違いすぎるからだ。それでも一時期とはいえ匹敵すると呼ばれていたのは天界でもトリックスターと呼ばれていたロキの工作によるものだ。
ロキは自分のファミリアが最強だと信じている。それでも個の戦力ではどうしてもオッタルには敵わないとわかっていた。闇派閥への牽制や自分たちが二大最強派閥であることを喧伝するためにフィンの魔法【ヘル・フィネガス】を利用したのだ。
団長同士が互角であると。レベル以外にも拮抗する手段はあるのだと知らしめる必要があった。フィンも使命のために魔法で強化できるというカードを使う分には文句はなかったのだ。同じような魔法が使えるようになれば小人族でも最強を名乗れるのだと、そういう広告塔になるのであれば大手を振るって情報を流した。
だがフィンは指揮官であり、ファミリアの団長だ。そして過去の栄光を取り戻そうとしている。そんな立場の人間が理性を失ってしまう忌まわしい魔法を覚えていることが知られたらここまで積み上げたキャリアの全てが吹っ飛びかねない。
フィンは自分を神輿として、小人族の復興の器となるべく自分を殺し続けた。自分の人生を捧げた目標をたった一つの魔法のせいで全部台無しにするわけにはいかないだろう。
だが、その事情を全て知っているからこそアルフィアたちヘラ・ファミリアやフレイヤ・ファミリアで小人族ながら躍進しているとある四兄弟たちはフィンを認めないのだ。道化すぎるだろうと。
ヘラ・ファミリアからすれば何故小人族に拘っているのかが不明なため。一つの種族だけ今の冷遇状態が改善されてどうするというのか。結局黒竜を倒せなければ地上が吹き飛ぶというのに。
小人族の現状は知っている。そして過去にも迫害されたことも。だがそんな過去も現在も未来も、そもそも語られる世界そのものが消えてなくなれば何も意味がない。黒竜討伐を絶対の使命としているヘラ・ファミリアからすれば世界を救った後に勝手にやってくれと思っていた。
四兄弟からすれば、偽物で積み上げた栄達に何の意味があるのかと疑問なのだ。二つ名を融通してもらい、偉業は後追いばかり。魔法も詳細を隠して、やろうとしていることは立ち上がろうともしない同族のために人生を棒に振る行為だ。
四兄弟はフィアナ騎士団を尊敬している。オラリオを築くための道を作り上げるために先頭を走り続けたことを誇りに思っている。赤い狼煙が上がった場所にはどこだろうと助けに行ったという義勇心を讃えている。
だからこそ、フィアナの威光を取り戻したいのなら初めての偉業が必要なのだ。三大クエストの一角を討伐したとか、ダンジョンを完全攻略したとか。そしてその偉業が民衆に知れ渡って自然と讃えられることこそが肝要だ。
だというのにフィンがやろうとしていることは自分のファミリアの神にオラリオでの権力を握らせて、他の神々に了承を得た二つ名。そしてオラリオに知れ渡るような偉業を一人でこなすわけでもなく、結局はファミリアで為した偉業を宣伝するだけ。
ファミリアを喧伝するためならそれも良い。だが、なら小人族のためだと主張しないで欲しかった。それのどこが小人族のためなんだと言いたかった。第二のフィアナ騎士団になりたいのなら小人族だけのファミリアを作れば良かった。そうして一から偉業を重ねていけば良かった。
だがロキ・ファミリアは当然ながら様々な種族が入り混じっている。そこで団長として成し遂げた偉業はあくまでロキ・ファミリアの宣伝にしかならない。オッタルのように都市最強になるとか、一人で五十階層まで潜ったとかならフィンそのものが褒め称えられるだろう。
残念ながらフィンが今まで積み重ねたキャリアに個人だけでやった偉業は驚くほど少ない。それが指揮官でありあくまで団長としての立場に縛られたフィンの限界だった。オッタルのように一人で好き勝手できるフレイヤ・ファミリアとは派閥の方向性が違いすぎた。
フィンが目標をフィアナ騎士団のような二番煎じを狙っているならば、それはロキ・ファミリアにいる限り叶うことはない。個人主義のフレイヤ・ファミリアならまだ情緒酌量の余地もあっただろう。だが、団結力の高さで対抗しようとしているロキ・ファミリアでは小人族だけの力を喧伝できない。
この矛盾に気付いていないから四兄弟はフィンをバカにするのだ。たとえ自分たちよりレベルが上であっても現実が見えていないのだから。四兄弟がフレイヤ・ファミリアに入っているのもフレイヤを敬愛していることもあるが、フィアナ騎士団を尊敬しているからということもある。
彼らは今の小人族のことを気にしていない。立ち上がらない同族のことなんて放っている。フィアナ騎士団は実力と勇気があり、伝承に残るほどのことを為すだけの英雄としての資質があった。ただそれだけの話。そこに続こうと思ったらとにかく実力をつけて偉業を為せばいい。
四兄弟はフィンに会ったらこう言うだろう。「偽物、さっさと諦めろ」と。不愉快な道化を続けて欲しくないのだ。
この辺りはヘラ・ファミリアと四兄弟で意見が一致している。会ったこともないのに握手ができるだろう。その上でヘラ・ファミリアはもっと強くなれと四兄弟に発破をかける。
「リリルカのはこうやってベルが抑えられる。それに【勇者】のものとは若干異なるぞ。リリルカは条件が揃ったら強制的に発動する。あっちは魔法であるために発動を任意でできる、制御された代物だ。源流が同じでも純度が違う。リリルカの方が本流であり、【勇者】のは加工された、もしくは薄まった代物だ。若しくは、伝承を知った気になって発現させてしまった偽物になる」
「はぁ?偽物なら何でフィンは発現させちまったんだよ?」
「ヘラ曰く、魔法やスキルはどうしても浮き上がってしまうものらしい。私の病弱然り、リリルカのこのスキル然り、肉体や魂に刻まれたものが一つ。そしてもう一つは子供が強く想った願いの結晶。推測だが【勇者】は小人族という血縁と『強くなるならどんな力でも良い』という願いが魔法として浮上してしまったのだろう。それが伝承の魔眼と類似してしまった。
アルフィアは二人の魔眼についてそう評した。アルフィアはヘラから正解を知っている。リリルカのスキルを知るためにヘラはリリルカの魂の深部まで覗いており、その結果知り得た魔眼の性能はリリルカの方が正しい。
フィンのものはとある大精霊のなけなしの温情か、それとも契約が切れてしまったのか。どちらにせよ魔眼そのものとは言えないものになってしまっている。フィンの魂に刻まれた魔眼は本物の魔眼からすれば微弱なものだった。大精霊によって本物の魔眼を継承するまで魔眼として機能しないものだった。
そういう意味では正しくフィンが元々持っていた程度の魔眼であり、大精霊の制御が通用することから魔法としてオンオフも可能になっているのだろう。ストッパーがかけられている微弱な魔眼よりはリリルカの純正の魔眼の方が凶悪で制御が効かないのも道理だ。
「……ならあたしもあの魔眼を魔法やスキルとして手に入れられるってことか?」
「ああ。仲間も傷付けても良いと思うほどの熱量があればな。二人には血筋にでも魔眼の継承者がいたのだろう。そうでもなければ狂乱に落ちてもいいという強い想いがなければわざわざこんなデメリットのあるスキルなんて形にはならない。あの若作りは運がなかったんだろう」
「チッ。ならいらねえよ、そんな魔法。あたしは前線で切った張ったをするのが仕事でもないからな」
「それが正しい判断だ。聞いていたな、小娘ども。魔法やスキルが欲しいなら神にも認められる強い想いが必要だ。自分に足りないと思ったのなら戦闘中などにこういう力が欲しいと願え。そう思うことが多ければ多いほど類した力が手に入る。恩恵はそういうものだ」
話を聞いていたアストレア・ファミリアとヘルメス・ファミリアの面々はアルフィアとライラの会話を聞いていたために深く考える。階層主も倒したばかりなので少し休憩を兼ねて魔法やスキルについて考察する。
確かに強力なスキルや魔法を手に入れられれば今後楽ができるだろう。だが逆に言えばフィンのような失敗もあるわけだ。自分の種族、劣等感などマイナス要素も取り込まれるかもしれない。
アルフィアの病弱なんて知る人なら全員知っているようなマイナススキルだ。それがランクアップで消えたとも聞いているが、逆に言えば七度目の偉業でようやく消えたマイナススキル。彼女の場合は肉体に付随するスキルだが、似たようなものを発現しないとは限らない。
願うだけではダメだ。自分のことを詳しく知って、その上で具体性を持って願わなければならない。これがなかなか難しい。ヘラほどの格のある神でもアルフィアの病弱スキルを発現させてしまったのだ。アストレアもヘルメスもヘラには神格として一歩劣る。
そうなると下手な願いではむしろ弱くなる可能性まであるのだ。
「こんな大事なことを教えてしまって良かったのですか?魔法やスキルのことは確かに体質や望みで発現するとは聞きます。魔法はスロットがあるために限界はあるでしょうが、スキルならまるでいくらでも増やせるように聞こえるのですが……」
「無限ではないぞ【万能者】。その人間の本質や魂、そしてどうしても欲しいという願いがなければ発現しない。今の自分に満足しているのであればスキルは増えないし、こういうスキルが欲しいと願ってもそれを宿す器や資格がなければ意味がない。【勇者】は魔眼を得る資格が残念ながらあっただけの話だ。それにスキルではなく発展アビリティに出る可能性もある。ヘラ・ファミリアとはいえ恩恵の全てを把握はしていない」
アスフィの疑問にもきちんと答えるアルフィア。ヘルメス・ファミリアは足として、アストレア・ファミリアは戦力として頼りになるとわかったからこそのアドバイスだ。
これでスキルや発展アビリティを得られれば儲け物。得られなくてもこの遠征で立ち回りなどを覚えてもらえばそれで十分なのだ。
「たとえ誰かを守りたいと思っても耐久が増加するスキルが手に入るわけでもない。魔法や発展アビリティに現れることもあれば、守りたいと願った内容を自分がどう解釈したかによって伸びるステータスや効果が異なるスキルが現れるだろう。デメリットや条件なども様々で、スキルがむしろ足枷になる可能性もある。だが強くなりたいのであればどんな想いを秘めたとしても、その意志がなければ成立しない。もしマイナススキルを得たとしても、デメリット付きのスキルを覚えたとしても。──使いこなしてみせろ。それが自分であり、冒険者というものだろう。時には初心に帰ることだ。私が病弱スキルを克服したのもそういった想いだ」
各々、自分のことを見つめ直す。そして今の戦闘を振り返る。どうすれば良かったか。どんな力が足りなかったのか。どうして冒険者になろうと思ったのか。
それを考えた上で休憩の後に遠征を再開する。
アルフィアの教訓が生きたのか、それからの動きは全員が何かしらを考えながら、自分の意志を強く持って行動したことによって進軍速度は上がった。
三十七階層のウダイオス戦では取り巻きと本体が大量に発生するためにここでも連携を高めるための訓練になった。流石に下層は適正レベルが四であるとされているためにヘラ・ファミリアも援護に入る。
アルフィア以外の戦力が投入されてウダイオスも討伐した。メインは二つのファミリアとベルにリリルカに任せたとはいえ、レベル四相応が五人しかいない中よく戦ったと褒められる戦果だ。
全員が死にかけ、確かに強くなったという自覚が芽生える。ヘラ・ファミリアの戦力があるとはいえウダイオスは本当に危険なモンスターだ。アルフィアなら一人で全滅させられるが、他の人間は全員が初見。
そんな中情報収集もしつつ格上を討伐したのは偉業と呼べるだろう。
だが、遠征はここで終わりではない。今回の目標階層は五十。つまりもう一体の階層主を倒さなければならないのだ。
この三十七階層からは深層と呼ばれる場所だ。出てくるモンスターの数は少ないが、一体一体がとてつもなく強い。そのため進むだけで大変だったが、ヘラ・ファミリアとアストレア・ファミリアが戦力としては適正に達していたのでどうにか進むことができた。
そして深層第二の階層主であるバロールがいる四十九階層に到達する。
バロール自体は単騎でいるのだが、階層自体が広いために他のモンスターもバロールと同じ場に現れるというめんどくささがある。ここではバロールに勝つためにヘラ・ファミリアが矢面に立ってバロールと戦い、アルフィアと他二つのファミリアで周りのモンスターを駆除することとなった。
アルフィアが加わると一人でバロールを倒せてしまうのだ。それでは遠征の意味がない。
そのためアルフィアは周りのモンスターを魔法で灰にしていく。他の二つのファミリアにもバロールを経験して欲しかったからだ。アルフィアの殲滅力は凄まじく、フォモールの群れがいくら追加で来ようと粉砕し続けた。
バロールはその単眼から強力な閃光を放ち、竜と巨人の合いの子のような見た目通りの強固な体と攻撃力を持っているために攻撃が中々通らなかった。
だがバロールに集中できたために小さな攻撃でも確実にダメージを蓄積させていき、要所で高火力の魔法やスキルによる一撃を加えていったために弱らせることに成功する。
最後は魔眼のスキルを使ったりリルカが攻めまくって撹乱し、リューが風の魔法で足止めをして、ベルが『
「『
戦斧か槍を雷で作り上げる魔法を発動し、斬り付けるか投擲することができる魔法で今回は斧を作り上げて斬り裂いた。その斧はスキルで増幅されていたこともあってバロールに迫るほどの巨大なもので、動きを止めたバロールは雷に飲み込まれるように斬り裂かれた。
断面図が融解するように崩れ落ち、それが蓄積ダメージを与えたようでトドメとなった。巨大な魔石と山羊のような角を落として灰に変わる。
討伐功績者であるベルはマインドダウンで倒れ、リリルカも体力を絞り切ったのか気絶していた。階層主を討伐したことで勝鬨が上がったが、この場に留まっていたらまたモンスターが増えるため次の安全階層である五十階層に向かう。
そこで一日完全なる休養を言い渡された。ヘラ・ファミリアだけ半日の休憩でその後は五十一階層に行ってカドモスの泉の水の回収とカドモス狩りを行なった。ベルとリリルカは目を覚まさなかったためお留守番だったが、これはヘラ・ファミリアとしての予定通りだった。
むしろバロールにトドメを刺したことに驚いていた。そしてそれがヘラの与えた試練でもあったので好都合と思っていた。
こうして様々な試練を乗り越えてベルたちは帰還する。帰った後には深層攻略と様々な想いからランクアップした者や新しいスキルに芽生えた者が多くなる大戦果だった。
そして地上に戻ってきたことで地上の厄介ごとも耳に入る。
次は歓楽街の掃除をしなくてはならないようだ。