ダンまち 静寂IF 作:ショタ、コン?
春姫はタケミカヅチ・ファミリアに。
他の悪事に関わっていないイシュタル・ファミリアの面々は様々なファミリアに引き取られています。
歓楽街の出来事から、軽く半年が経過した。
オラリオの復興は進み、歓楽街があった場所は徐々に一般の居住区へと生まれ変わっていた。今回の事件でもそうだが、元々ダイダロス通りに住み着く孤児も多い。そういう住居を失った人のために家が多く建てられ、そこに住み着く人間が増えたために商店も出展され、一般的な街並みを整えていった。
男神達が「冒険者達は荒くれ者が多いから性欲を発散するために歓楽街の復興が必要だ!」と力強く訴えていた。それは事実で、三大欲求に数えられる性欲の発散場所があった方が治安が良くなるというケースは多い。
女神の多くは不潔だとほぼ全員が拒否。眷属の男を狙っていたりする女神もいるのでそんな場所が再建されてもし行ってしまったらと気が気ではないのだ。
そこにヘラがナイフを抜き、鶴の一声。
「強い男の冒険者の性欲など、性欲の強い女で発散させろ。それで子供を育め。性欲の捌け口を他人に任せるな。
意訳:てめえらの性欲の発散のために将来の黒竜を倒す可能性の発芽を止めさせるか、バカ。
ナイフを抜いたヘラは本気でやるとわかった男神は玉を縮こませながらガクガクと頷いて歓楽街の復興を諦めた。性欲よりも流石に命が大事だった。
ヘラとしてもゼウスの浮気や、他ファミリアの男が箱入り娘のように大事にしてきた娘を孕ませたと聞いて苦労してきた神だ。どちらもゼウス関連だった。天界に帰ったら一週間ほど監禁しようと考えながら神会での話し合いを終わらせる。
オラリオとしても復興が進み、更に大切な人を亡くしたからか、冒険者の多くが強くなることを求めた。積極的にダンジョンに潜り、レベルを上げることに熱心になったのだ。闇派閥の妨害もないためにダンジョン攻略は嬉々として進む。
歓楽街がなくなったことで冒険者の性欲を発散する方法は彼女を作ることだけになった。そして高位冒険者ともなればモテる。それはもう一般大衆から同業者の冒険者にまで、モテまくる。フィンが良い例だろう。
フレイヤ・ファミリアの面々?強さも顔面偏差値も十分だが、彼らの目には女神しか映っていないので意味がない。
モテたい、というのも立派な動機だ。ランクアップするためにダンジョンによく潜るようになり、レベル二が増えていく。それは下位冒険者だけの話ではなく、レベル三などで燻っていた者達ももっと上の存在がいるからモテないのだと思うようになり、上級冒険者の仲間入りをすべく頑張るような冒険者もいた。
強くなりたい理由なんてそれくらい単純で良いのだ。
強豪ファミリアは自分達の不甲斐なさを自覚し、いざという時に守れる力がなく挫折しないようにと、力を求める。オラリオに指標となるレベル八がいたために、そこに追い付け追い越せと切磋琢磨していった。この半年でオッタルがアルフィアと戦った結果か、彼はレベル八にランクアップした。
それに続くようにフレイヤ・ファミリアはランクアップが立て続けに起こる。女神こそ至上だとする彼らは突如帰ってきた最強が最強のままでいることが許せないのだ。少数精鋭ながらその総力はフレイヤ・ファミリアを圧倒すると知って、彼らは死に物狂いの死闘とダンジョンアタックをこなしてレベル七が増えていく。
これもヘラとエレボスが企んでいた出来事の一つだ。レベルが高い人間が現れると周りも伝播したように強くなっていく。最強の時代にトール・ファミリアやポセイドン・ファミリアにも有望株が多かったこともあり、強さは感染するのだと彼らは知っていた。
英雄時代。ダンジョンから現れる魔物の大群に人類圏を脅かされていた頃、英傑は並び立った。彼らは人間の尊厳を守ろうとダンジョンを塞ぐことに成功したのだ。
やったことはそれと変わらない。一人の英傑がいればその強さに憧れて周りも騒ぎ立つ。アルフィアを『
迷宮探索が最盛期を迎えている頃、ヘラ・ファミリアはアストレア・ファミリアの面々を連れて遠征をしていた。ここは五十階層。セーフエリアとしてテントを立てて休憩をしていた。
それもそのはず。彼女達はつい先程まで階層主であるバロールとの激戦を繰り広げていたのだ。これで戦うのは三度目とはいえ、二十人ちょっとで戦う相手ではない。
リューを見張りに、あとは寝るだけという状態でアリーゼは同じテントになったライラとリリと話をしようと思った。遠征でよく一緒になるが、改めて聞きたいことがあるのだ。
今はダンジョン最盛期であることと同時に、大恋愛時代と言える。高ランクの冒険者は引く手数多、この半年でどれだけのカップル、夫婦が出来上がったことか。それもこれも歓楽街がなくなり、周りの異性の良さを再認識して、更にはギルドが産めよ増やせよ政策をしたことで出産援助金を出し始めたことで子作りに前向きなカップルが増えたのだ。
平和な時代ともなれば、子供の数が豊かさとも言える。黒竜を退治するには少しでも戦力が必要で、高ランク冒険者の子供ともなればその子も冒険者の才能があることが多い。闇派閥に対処しなくてよくなったために魔石による収入がギルドを潤し、ならばともっと将来的に稼ぐために子供へ投資し始めたのだ。
結婚がしやすくなったと街ではよく聞く。その一方で子供に恵まれないはずの神と人間のカップルも結構増えた。周りの恋愛模様に充てられたのか、神も性欲を発散できなくなったからか、理由は定かではないがとにかく恋愛をする存在がこのオラリオで爆発的に増えたのだ。
アストレア・ファミリアの眷属は全員女子であり、綺麗所ばかりだ。レベルも高いために引く手数多、かと思いきやそんなことはなかった。男の方が釣り合わないとそもそもアタックして来ず、実は高ランクの女性冒険者はこの時代に取り残されていた。
男の冒険者であれば玉の輿だと思うのか、冒険者・一般人問わずモテる。だが女性冒険者を養う気概がない一般人の男性は尻込みして、高ランクの男性冒険者はそもそもモテることに意義を見出していないストイックな人間ばかり。
実のところ高ランク冒険者はこのカップルブームにかなり取り残されていた。
そのためアリーゼは近場の恋愛をしているリリを標的にしたのだ。
「さあ、聞かせてもらうわよリリちゃん!あの感じだとベル君と良い感じでしょ?」
「……そんなに気になることですか?」
「それはもう!リリちゃんって今年十四歳?その頃の私はアストレア様と出会ってオラリオに向かってる頃かしら?恋愛のれの字もなかったからもう興味津々で!私達の青春時代って全部【闇派閥】と戦ってた記憶しかないわ!」
「それがまごうことなき事実だからな。あの時代に恋愛なんてしてる余裕ないだろ」
アストレア・ファミリアがオラリオ入りした頃は【暗黒期】真っ盛り。正義の派閥がそんな状態を許せるわけもなく、青春と呼べるものは真っ黒だ。
だからこそ、平和になったこの時代で真っ当に恋をしているリリが気になって仕方がないという雰囲気だ。
「で、どうなの?」
「ベルとは幼馴染ですから。仲が良く見えるのも当然でしょう」
「幼馴染で高ランク冒険者なんて、それこそ恋愛対象になるんじゃねえの?ベルは顔も悪くないからな〜」
「……恋愛云々の前に、あのアルフィア様が母親ですよ?彼女に認められなければベルの彼女なんてなれないでしょうね」
「「あー……」」
リリの言葉にアリーゼもライラも納得する。
オラリオ最強の母親。そんな存在に認められなければ彼女になれないという理不尽は、アルフィアとの付き合いもそこそこ長くなってきた彼女達だから自然と納得できていた。そういう有無を言わさぬ彼女ルールがありそうな暴君だ。
リリがベルとの関係を隠すのは純粋に煩わしいからだ。人様の関係についてとやかく言う暇があったらまずは鍛えろとアルフィアにどやされるだろう。リリも彼女になってからも鍛えることを辞めたりしない。彼女は戦場でもベルの隣に居たいのだ。彼女で満足するつもりはなかった。
「それは残念ねー。ベルのこと割と狙ってたのに〜」
「ぶっ!」
「あらら?リリちゃんどうかした?私が狙うと問題でもあるのかな〜?」
「……年齢差を考えたら犯罪ではないかなと思っただけです、アリーゼ様」
「もう年増ってこと⁉︎」
「いやいや、十二歳に手を出すのはお前の年齢だとアウトだろ……。神様だってアウトだ」
「そんなぁ」
二十一にもなるアリーゼがまだ少年のベルを狙っていたらだいぶマズイだろう。そういう理性はあったライラが彼女を嗜める。
ただライラとしては半分冗談のアリーゼはまだいいとして、最近ちょっと怪しそうなリューはどうしたものかと考える。ファミリアの末っ子はベルの在り方にでも惹かれたのか、結構な頻度でベルに熱い視線を向けている。アルフィアからもたまに注意されているが、本人的には無自覚なようだ。
(ベルはそこまで潔癖でもない。それこそ悪人なら人だって殺す。そういう、割り切りができている奴だ。エルフみたいな潔癖な奴が好き、とは合致しないんだよなあ。となると……ただ単に顔が好みか?それともレベルからは考えられない異常な強さ?わっかんねえなあ恋愛なんて)
ライラは頭を掻きながら末妹のことを考える。リューなら年齢的に大丈夫かと言われたら、彼女だって七歳差。もう少し大人になれば大丈夫かもしれないが、現在だと思いっきりアウトだ。
何回もダンジョンに潜っているためにベルとリリの異常な強さは知っている。スキルによるものとも聞いているが、それにしたって異常だ。レベル五のリューやアリーゼ、輝夜と比較してもなお強いレベル四の十二歳なんて、気にかけるなという方が無理だ。
ヘラ・ファミリアにいるから強くなった。これは半分本当で半分は無関係だろうとライラは推測する。強くなる土台は構築されても、ただヘラ・ファミリアに入ったからといってベルやリリのように強くなるのは無理だ。となると本人の資質もあるのだろう。スキルを生やすような資質が。
彼女たちもいつぞやの遠征の時のアルフィアの言葉で新たなスキルや魔法に目覚めた者もいる。ライラとしてはこんなことがスキルになるのかと唖然としたが、案外使いようによっては強力だったので頻繁に使っている。
「そういえばライラ。【勇者】とはどうなの?」
「急に話を振りやがって。別にフィンとはなんともねーよ。今のアイツはリリルカに迫ろうとして同じファミリアのアマゾネスに止められてるらしい」
「え?初耳なのですが」
「きゃー!リリちゃんってモテモテねー!あの【勇者】よ?玉の輿じゃない?」
「……どこがですか?アリーゼ様。いえ、純粋にどこが玉の輿なのか本当にわからないのですが……。ウチのファミリアに戦力で勝てず、皆様にもダンジョンの到達階層で勝てず。そんなNo.3ファミリアの団長のおじさんなんて、同種族でも嫌ですが……?」
「「ああ〜……」」
現状オラリオのトップファミリアは誰に聞いてもヘラ・ファミリアと答えるだろう。武力でフレイヤ・ファミリアに勝り、ダンジョン攻略階層ではロキ・ファミリアに勝る。
そんなトップファミリアに所属する将来有望な十三歳。今年四十にもなるおじさんに想いを寄せられても困ると本気の表情をしていた。恩恵のおかげと種族的なこともあって全然四十歳には見えないフィンだが、冒険者の中でもかなりのベテランだ。
先人として、歳上として敬意を払うことはあってもそれ以上のことはない。それがリリの本音だった。
アリーゼ達アストレア・ファミリアからすれば人数も強さも人気も上のファミリアだ。そこの団長に求婚されたら間違いなく玉の輿なのだが、これは彼女達三人の価値観の違いから発生した認識の齟齬だ。
アストレア・ファミリアの公式ダンジョン踏破階層は六十三階だ。そこにいる階層主をヘラ・ファミリアと一緒に討伐したことで認定されているが、ヘラ・ファミリアの助力なしでは人数的にもレベル的にも不可能だ。ガネーシャ・ファミリアやヘルメス・ファミリアともたまに潜るが、個人だったり少人数だったりするので彼らの踏破階層は更新されていない。
ロキ・ファミリアは彼らだけで遠征を行っているので、ヘラの助力も得られず踏破階層はそこまで伸ばせていない。割とヘラ・ファミリアにおんぶに抱っこの状態なアストレア・ファミリアの方が到達階層は上なために誇ることもできず、まだ彼女達はロキとフレイヤの方が上だと考えていた。
レベル五が三人いたって、レベル八とかレベル六複数に勝てるわけがないのだ。
「規格外に慣れちゃうってこういうことなのね」
「もっと慣れないとダメだぞ、バカ団長。一応トップファミリアに認められてるんだ。ここがゴールじゃないってことはもっと先を求められているんだからな」
「バロール以上の化け物と戦わせておいて、それ以上の化け物って何よ⁉︎」
「黒竜ですが?」
アリーゼの騒ぎに、一番年少のリリがどうしようもない真理を伝える。
世界に残る厄災。それを倒さなければ真の平和は訪れない。【暗黒期】を乗り越えても、世界には多数の悲劇がまだ残っている。このダンジョンアタックはあくまでその悲劇を乗り越えるための準備期間に過ぎないのだ。
アリーゼが一つ溜息を吐いた後、それもそっかと切り替える。
「そうよね。黒竜は私達よりもよっぽど深く潜っていた二大ファミリアでもダメだったんだもの。こんなところで弱気になっている暇はないか」
「そういうことです。それに六十階層以降は
「大人数過ぎたら分け与えられる経験値も少ない、かあ。要するに補助してくれる人達にも経験値が流れてしまうから、質を確保できる最小人数で潜れってことでしょ?レベルが低い人の補助に対する経験値が大分取られてしまって、上質な経験値が前線で戦ってくれる人に入らないと。だからサポーターも最低限か、あくまで戦闘もできるけど階層主なんかと戦う時にはサポートに徹してもらうのが一番効率が良い。でもこれって本当に上位のファミリアしかできないことよね」
「そうですね。レベル一が多い理由はその日の生活費だけなら経験値があまり貰えない上層で十分ですし、弱い人は弱いサポーターをつけることで経験値よりも魔石を優先してしまい、経験値も分散されてしまうという悪循環に囚われているからです。なので過去のゼウスとヘラ・ファミリアでは将来有望な人ならガンガン中層に連れていけ、という方針だったようで」
「スパルタだな。でもそうでもしないと即戦力にならないのか」
「上層で複数人とパーティーを組んでも一年中ダンジョンに潜って、その上で才能がある人がようやくランクアップです。飛び抜けた才能がない人は無理をして上質な経験値を稼ぐしかないんですよ。結果として本人が強くなるのならかかった時間は問題ではありません。強くなって戦力になったという事実が大事ですから」
ただこのスパルタも相当問題があったようで、レベル一でステータスの上がっていない冒険者を中層に連れて行くのは死亡率が跳ね上がるからとギルドから禁止されていたりする。なのでアルフィアなどは実際はそのルールを破ってランクアップをしていたようでランクアップの必要年数は誤魔化していたようだ。
そうでもないと持病でいつ死ぬかわからなかった。一刻も早く強くなるしかなかった。そのためにはギルドのルールなんて守っていられなかった。十七歳でレベル七最上位になったということは一年に一回ペースでランクアップしないと辻褄が合わないのだ。要するにアイズ並みの無茶は彼女もしていたということ。
そしてそんなスパルタに耐えられなければオラリオトップファミリアでは通用しないだけのこと。
ベルもリリも似たような無茶はしている。そしてここからは経験値が美味しいこともあってランクアップは加速するという。
実際ベルは公表ではレベル四だが、既にレベル五でステータスもかなり伸びている。穢れた精霊が偉業扱いになったようでステータスのこともありランクアップ。ただその時点で発表してしまうと異例のランク二段階アップになってしまうところだったので、その時はレベル四とだけギルドに伝えている。
ヘルメス・ファミリアもやっているレベル過少申告だ。税金逃れの意味もあるが、細かい情報を馬鹿正直にギルドや他のファミリアに伝えてどうするのだとギリシャの神々は考える。過少申告をして相手が舐めてくれるなら情報戦で出し抜いたことになる。ヘルメス・ファミリアは諜報も受け持っているので、こういうところから戦いは始まっているのだ。
オッタルのように派閥を代表する冒険者が強くなったら覇を見せつけるために公表するのは正しい。ライバルへの威圧という意味なら正しい公表も必要だ。オッタルの場合はアルフィアに個人の戦力では追い付いたと宣伝するためには必要なことだった。他の幹部の発表もヘラ・ファミリアに負けていないぞと示す意味では正しい情報の使い方だ。
特に彼らはファミリアとしてのギルドへ納める税金は既に最上級。これ以上増えようがないので、最強に返り咲くためには情報を隠す意味もない。
三人による女子会もそこまで。次の日には更に降っていき、六十三階にて階層主のヒュドラを討伐すべく彼女達は挑んだ。
多頭の蛇という通説もあるヒュドラだが、この階層主のヒュドラの頭の数はなんと個体によって変わる。その頭の数が強さの指標となっており、この時は四つ頭だった。前回は二つだったために、その強さはレベル一つ分高いとされる。
つまりはレベル九クラスの化け物だった。
取り巻きもおらず、口からは猛毒を吐いたり、簡単に冒険者を燃やし尽くす炎を吹いたりする。更に三十メドルはある巨体に似合う攻撃力でその突進は生半可な冒険者ではタンクの役目であったとしても一撃で轢き殺される。
速度だけは特筆する速さではないので、ヒット&アウェイを繰り返しつつ大火力の魔法やスキルで攻撃し、頭の数を減らすことが求められる。頭の数が減れば減るだけ対処すべきことが減るので、首を丁寧に削っていくことが正攻法だった。
火力と妨害特化型の階層主と言える。その階層主とは半日ほどかけて彼女達は討伐。万能薬なども消費したが、四つ頭を討伐したのなら経験値的に十分御釣りが来るものだった。
次のセーフティーエリアである六十四階層で一日休息を挟み、この遠征では六十六階層まで進んだ。高級なマナポーションの素材になる光苔がこの階層で採れるため、医療系ファミリアに頼まれているのだ。それ以外にも鉱石や薬草、モンスターのドロップアイテムなどヒュドラを討伐した褒美と言わんばかりの豪華な素材が多いのでこれらを回収して地上に帰る。
アストレア・ファミリアは前回ヒュドラを倒した後は三日ほど誰も動けなかったので素材集めの探索もできなかったが、今回は一日の休憩で復活したので彼女達も学びながら探索をした。探索の後はできるだけ超特急で帰っていき、一ヶ月に渡る遠征は大成功で終わる。そして帰ってきた眷属達をステータス更新したところ、ランクアップする者や脅威的なステータスの伸びを見せたので深層の経験値の高さというものを実感していた。
また準備をして遠征に行きたいところだが、次はファミリア連合による遠征が控えている。ヘラもアストレアも最上位連合に組み込まれているのでそこで今回の遠征の成果を見せることになる。
そして話は変わるが、一ヶ月半も遠征に行っていた恋人の男女がダンジョン内では危険だからと禁欲していたらどうなるか。
地上に帰ってきて換金や装備を点検に出した後は、一つしかやることがない。
簡単な話が、ヤるだけ。
「あ、んっ!ベル、激し……!」
「だって僕、リリがフィンさんに求婚されていたなんて知らなくて……!」
「わ、わたしだって、遠征の中で、又聞きした、だけだから……!」
ベルがどうやらフィンがリリを狙っていると聞いて我慢できなくなったようだ。妬いてくれるのは良いが、そんな尻軽と思われるのも心外だったリリはベルの対面にいることをいいことに腰をグラインドしながら乳首を強めに抓る。
さっきまではベルのペースで動いていたが、これはお返しだ。
「それを言ったらリュー様はどうなるんですか……!そういえば昔、好みは金髪エルフって言ってましたよね……⁉︎」
「こ、子供の頃の話でしょ……!んっ、リリ、急に激しい……!」
「誰が、そう、させたんですかっ!ベルは新進気鋭の有望株としてモテてるのを、知らないんですね……!街のあちこちでベルは噂になってるのに……!」
お互いに嫉妬心からか肉棒は硬くなり、膣は抑えつけるために狭くなり。
そんなことを言いつつもお互いの愛情が感じ取れたために二人の熱も高まっていく。誰にもやるものかと。目の前の人は自分だけのものだと刻み込むために舌で、唇で、指で、お互いがお互いの体にマーキングをしていく。
だが、やはり途中から負けて攻められているのはリリだ。レベル差もあってどれだけ頑張ってもベルの精力には敵わない。もう四回も射精させたのに、まだベルのペニスは太く硬いままリリの花園を突き上げていた。
後ろからリリの両手首を掴みつつ、腰の動きだけで奥を目指す。リリは歳下のベルがこうも強引に求めてくれることが快感になっており、腕を引っ張られる強さも、お腹で感じる熱も、男に責め立てられているということが脳を刺激し続けた。
トドメに一番奥で射精されたことでお腹にポッコリと熱溜まりができた。この独特の快楽は他では感じられず、リリもかなり虜になっていた。
願わくばゴム越しではなく、直に受け止めてあげたかったが、幼い身で子供を宿したら母体にどういう影響があるかと、アルフィアとヘラに懇切丁寧に講座を受けさせられたのでそんな愚行は犯さない。
子供ができれば周りの雑音も消せるだろうが、ベルには負担をかけさせたくない。そう思うとどうにもできなかった。
そしてリリは無意識だが、目が赫くなっていった。まだ子供と呼ばれる彼らの年齢でこんなことをしているとバレないためにも付き合っていないと言っているが、これはこれでストレスが溜まる。神に聞かれたとしても、好きだけど今は黒竜が優先だからと嘘にならない程度に誤魔化しているのでなんとかなっているが、この誤魔化しもどこまで通用するか。
そんな諸々が溜まりに溜まって、彼女は無意識にスキルを発動させてしまう。日常生活や戦闘中であれば発動のONOFFはだいぶ制御できるようになったのだが、こと夜の運動になると抑えられたことはない。
「あ、リリ。もしかしてまた……」
「歳上のお姉さんを誑かす悪い子はここですか?ここから変なフェロモンでも出ているんですか?」
赤目になったリリは徹底的にベルを攻める。ベルが泣き出すようなアブノーマルなこともして、どれだけ射精させられてもリリのスキルが止まるまで行為が終わることはない。
今日はずっと竿を擦られて、耳元でベルの可愛いところとダメなところをずっと囁かれて、朝になるまでベルの喘ぎ声は止まることはなかった。
そしてスキルを使った時のことをリリは覚えていないのだから困ったものだ。いつかこの状態のリリにも勝ってみせると意気込むものの、一ヶ月半禁欲してそれでもやられてしまうのだ。
勝てる日が来るのだろうかと戦慄しつつ、朝になってようやくベルは眠りにつくことができた。