聖騎士イズヴァルトの伝説 第六部 『戦旗編』 作:CHACOとJAGUAR
ハーメルンにて掲載
聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・前半まとめ
https://h.syosetu.org/novel/427506/
聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・忠烈編
https://h.syosetu.org/novel/363415/
読み飽きた人向けの最終回
https://h.syosetu.org/novel/428929/
豚小屋
https://h.syosetu.org/novel/429382/
ひよこ芸術
https://h.syosetu.org/novel/429966/
アルファポリス版です。バックアップ兼保管用
(本編と外伝を分けての掲載です。)
☆本編
聖騎士イズヴァルトの伝説 〜無双の武と凶悪無比なデカチンを持つ英雄の一大叙事詩〜
https://www.alphapolis.co.jp/novel/872528745/934913837
☆外伝
前世の記憶を持つ神業尺八使いの狸系美少女の妹と、女帝サキュバスの祖先の才を受け継ぐ清楚ビッチな姉の2人で、搾精の王国を建てちゃいます☆
https://www.alphapolis.co.jp/novel/872528745/779914728
転生したらあたし、セックス教団の教主の養女でいつでもどこでもエッチがしたくなっちゃう、レベル999のビキニアーマーの美少女魔法戦士でした!
https://www.alphapolis.co.jp/novel/872528745/959004604
旧版のイズヴァルトの伝説です。ノクターンにて掲載
ストーリーの細かいところがかなり違っておりますが、大まかな筋はおんなじです。
エリクサーみたいに栄養満点の精液を放つ絶倫聖騎士は、転生美幼女淫魔にまとわりつかれておちんちんをチューチュー吸われる。(旧題・聖騎士イズヴァルトの伝説)
https://novel18.syosetu.com/n3094lt/
空を見上げていたイズヴァルトだが、右腕にぶつかるものを感じるとそちらに顔を向けた。髪を金色に染め上げた若い女が彼をにらんでいた。
「なにぼけっと突っ立ってんのよ。邪魔」
イズヴァルトは頭を下げた。すまぬでござる。胸を軽く殴られ、冷たい一瞥をくらった。それから女はイズヴァルトの視線の向こう側にいた同い年ぐらいの女ばかりの集団に加わると、きゃはは、と笑って彼女らとじろじろとこちらを見ていた。
「やるじゃん!」
「だいじょうぶっしょ。あのキモいトレーナーを着たおっさん、やり返さねえって!」
ラッドがチョイスしてくれたトレーナーだ。胸には紫色の髪の毛をツインテールにした、杖を持ったエルフの女の子のイラストがプリントされていた。なぜか女の子はまぶたを落として睨んでおり、このセリフが一緒に書かれていた。
「もしかしてあなた、へんたいふしんしゃさんですか?」
うわあキモっ、とささやく声がなおも若い女たちから。あのガイジン、髭面であんなガタイのくせにキモいもんを着てんな。キモいという日本語がいまいちわからぬイズヴァルトだ。きょとんとしていると髭切が忠告した。
------バカにされているようだぞ?
「なんででござろう?」
------わからん。しかしさっきの小娘の顔が、とかげによく似ていることは確かなことだ。
「ちょっと失礼でござらぬか、髭切?」
その集団の女たちは皆、サキュバスやセクシーな女魔族が着たら似合いそうな、ピンク色の露出の多い服を着ていた。
しかしイズヴァルトの目から見て、全く色っぽく思えない。髭切が言う通り、トカゲやカエルによく似た顔ばかりだったのもあるが、何やら体つきだった。
細くて割と骨が細そうな体つきである。乳房が大きい者がいたが、尻が張っていなかった。貧民の娘だってもう少し骨太だ。しかしこの『ニッポン』の女の身体はどうも頼りない。生命を芽吹かせて世に送り出す身体とは思えなかった。
(まるで、できのわるいお人形さんみたいでござる……。)
女たちのうちの1人が呼びかける。馬を彷彿とさせる顔立ちだった。
「ちょっと声かけてみない? もしかしたらあのおっさん、奢ってくれるかもしれないし」
口元からのぞいた歯並びの悪さが気になった。きれいな服を着ているがどこか貧乏くさいでござる。イズヴァルトの世界では歯並びが悪いのは、生まれたときから病人だったり、着るものが無いぐらいに赤貧な者のどちらかだった。
「やめなよ。どうせあのキモオタ外人、きょどって面白くないだろうし」
「けど、よく見ればかっこいいよ?」
「ガイジンはみんなあんな顔してね?」
------去ろう。
髭切の呼びかけにさようでござるな、イズヴァルトは応じる。くるりと背中を向けて行こうとすると、女たちが指さして怒り始めた。
「ちょっと待てよおっさん!」
「咲樹良が話してえって言ってんだよ! おいこら逃げんな!」
おっさん。おっさん。ガイジン、ガイジン。なんだか侮蔑に満ちた響きが背中から浴びせられていたたまれない。イズヴァルトは無視を決め込むことにした。
(……この国は街もおじょうさん方もやかましいでござる。とほほほ。)
こんな国に『マイヤ』は住んでいるのか。同じく、この日本から転生してきたという知り合いも、前世はこんなやかましく厚かましい娘さんらに嫌がらせを受けていたのでござったか。果たしてこの国でやっていけるのかと不安を覚えてしまった。
「待てやコラ! さっきうちの胸さわっただろうが! 痴漢!」
トカゲみたいな顔をした金髪の女が叫んだ。周囲にいた家族連れや若いカップルらが一斉にイズヴァルトに目を向けた。
ちょうどその時、上空を漂っていたドローン群のうち4機が急降下を始めていた。そのドローンは球状の、4つの何かをぶら下げていた。
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イズヴァルトの災難より数分前のことだ。
「目標をカメラで捉えた」
らーらーぽーとから南東に1キロ、谷津干潟公園のベンチでノートPCを開き、ドローン群を操作していたリック=ウェイキマンは、隣にいたジェイフ=ダウンズに「始めるぞ」と告げた。
「いつでもやっていいぞと隊長から許可は出ている。やってくれ。でも、狙いを外すなよ?」
「百発百中さ。モールに潜んでいるトレボー隊長に伝えてくれ。巻き添えが何名か出るだろうがとどめをちゃんと刺してくれってな」
「外れるのが前提かよ? だったら、俺はジャップの連中の冥福を祈るために後でお祈りをしておくよ」
コラテラル・ダメージは致し方がないことだが、良心がとても痛む。でも作戦の遂行と成功のほうが大事だ。アメリカ本国であれば、の話である。
しかしここは日本だ。ジャップへの同情は不要だ。特にリックは冷血にならんと心がけていた。ジャパニーズ=ガールに恨みを抱いていたからだ。
何名か気になる子がいた。酒に誘うがホテルに向かおうとすると、訳の分からぬ屁理屈やヒステリーを食らって失敗することが多々あった。誰だ、ピカチュウのマネをすれば必ず股を開くと言った奴は?
ただ酒を喰らいやがって、ジャップの糞ビッチどもめ。標的の間近に若い女らしい姿があった。標的はそいつらに絡まれているらしい。たかるつもりだろう、女どもは。
「やれ、の命令が下ったぞ」
リックはキーボードを叩く。まずはドローン4機で爆撃だ。20機ほど持って来たがこれでカタはつくだろう。ぶら下げた爆弾は中に鋲を詰めてある。高殺傷力この上ない。彼はこれまでに数十名の標的を、このドローン爆撃で葬って来た。
□ □ □ □ □
ドローンから爆弾が一斉に投下されたのは、「痴漢! 痴漢!」の連呼がイズヴァルトに浴びせられたちょうどその時だった。
「ちょっと待っていただきたいでござる!」
髭切の説得にも応じずにイズヴァルトは振り向いた。痴漢呼ばわりは心が痛む。しかもいわれのない誹謗中傷だ。日本の法律は知らぬが、誤解されたまま去る事自体、男の沽券に関わる振る舞いだった。
「貴公のおっぱいをさわってはおらぬでござるよ! 誤解でござる!」
娘たちはやかましく笑いたてた。
「ぎゃはは! 顔真っ赤にしてらあ!」
「夢芽子、あのガイジンにあやまりなよー! ぷぷぷっ!」
金髪でトカゲ顔の娘は強気だった。
「だって本当のことじゃんか! 痴漢のガイジンのおっさん、おまわりに突き出すから覚悟しとけよ! けど……」
うちらの頼みを聞いてくれたらそうしない。脅しの条件で彼女が考えていることはこの外人の財布の中身をすっからかんにすることだった。カード破産させるぐらいに豪遊してやろう。イズヴァルトをかっこいいと言った咲樹良という馬面の娘の手を引っ張って、前に進み出た。他の娘たちも後に続く。
------どうする?
「ううむ。いかが致そう?」
------この餓鬼どもを、おまえの自慢の大剣で懲らしめてやれ。こっちの世界の女どもも、あっちの世界と同じように、それでお前になびくだろう?
嫌でござる。人を馬鹿にしまくる女たちと、ちんちんを使った交流をしたくはなかった。けれどもこの場から逃げるのはよくないことだ。
イズヴァルトは口を開いた。どういう条件を出すか聞き出そうとしたからだ。その時に真上から何かが落ちてくるのを彼は見た。丸っこい何かだ。大きな鳥の糞でござろうか?
------イズヴァルト!
髭切の叫び声。警戒心を呼び覚ます。何かだと思いイズヴァルトは大きく飛び下がってそのまま店の中に転がり込む。
彼が居たところの真上で爆発が起こった。かなり強烈なやつだ。窓ガラスが割れ、あちこちで悲鳴があがった。勢いをつけた煙と音とが伏せた彼に襲いかかった。
煙が落ち着くとさっきの娘たちが血を流してうずくまり、うめいている姿を目にした。馬面の娘とトカゲ顔の金髪は頭から血を流して倒れていた。動かない。即死していた。
「……何が!」
------また何かが飛び込んでくるぞ、イズヴァルト!
聞き慣れぬ音が店の中に飛び込んでいた。割れた窓ガラスからドローンが1機入ってきたのだ。
谷津干潟公園にて。操作をするリック=ウェイキマンが画面に向けてこうつぶやいた。
「ドローンはカミカゼ=アタックもできるんだぜ?」
それはイズヴァルトの方に飛び込んで行き、そして爆ぜた。イズヴァルトだけでない。泣き叫び怯える周囲の者たちを巻き添えにしながらだ。
ここまでのクソアマはいないって?
創作です。
だけど往々に、想像を超える現実というものもございますゆえ。