聖騎士イズヴァルトの伝説 第六部 『戦旗編』 作:CHACOとJAGUAR
ハーメルンにて掲載
聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・前半まとめ
https://h.syosetu.org/novel/427506/
聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・忠烈編
https://h.syosetu.org/novel/363415/
読み飽きた人向けの最終回
https://h.syosetu.org/novel/428929/
豚小屋
https://h.syosetu.org/novel/429382/
ひよこ芸術
https://h.syosetu.org/novel/429966/
アルファポリス版です。バックアップ兼保管用
(本編と外伝を分けての掲載です。)
☆本編
聖騎士イズヴァルトの伝説 〜無双の武と凶悪無比なデカチンを持つ英雄の一大叙事詩〜
https://www.alphapolis.co.jp/novel/872528745/934913837
☆外伝
前世の記憶を持つ神業尺八使いの狸系美少女の妹と、女帝サキュバスの祖先の才を受け継ぐ清楚ビッチな姉の2人で、搾精の王国を建てちゃいます☆
https://www.alphapolis.co.jp/novel/872528745/779914728
転生したらあたし、セックス教団の教主の養女でいつでもどこでもエッチがしたくなっちゃう、レベル999のビキニアーマーの美少女魔法戦士でした!
https://www.alphapolis.co.jp/novel/872528745/959004604
旧版のイズヴァルトの伝説です。ノクターンにて掲載
ストーリーの細かいところがかなり違っておりますが、大まかな筋はおんなじです。
エリクサーみたいに栄養満点の精液を放つ絶倫聖騎士は、転生美幼女淫魔にまとわりつかれておちんちんをチューチュー吸われる。(旧題・聖騎士イズヴァルトの伝説)
https://novel18.syosetu.com/n3094lt/
最初の一発で死ぬことができた者は幸せである。運悪く致命傷を与えられなかった者は、こらえきぬ痛みに苛まれるからである。
抉られて砕かれた痛みにうめく、若者たちや家族連れ。傍で父親と母親が流した血だまりの上で、血反吐を吐きながらばたばたもがく小学生ぐらいの男の子の背に、拳銃の先を向ける男がいた。歳は30ぐらいのヒスパニック系だ。
「今、楽にしてやるからな」
もがく少年とその父母を撃ったのは、彼が肩にかけているM27だった。らーらぽーとの北館の隣にある西館の、2階にあるペットショップコーナー前で倒れている者達は全て彼の機銃に射られた者達だ。
そして北館では、今も発砲音と人々の悲鳴があがっていた。北館は1階から3階まで吹き抜けになっている。3階にあがったうち5名が、1階にいる人々を次々と射殺していたのだ。それだけでない。2階にいる彼の仲間達も『生贄』に弾をまき散らしている。通路と店の前は血と汚物と死骸によって、生臭いにおいが充満していた。
この作戦の指揮をとるトレボー=リルガミンは、部下達にこう指示していた。『悪魔』が来るのをおびき出せ。ドローン攻撃は失敗し、ハーバーストリートに待機していた連中が全滅した。普通の作戦だと撤退だが、これは違う。気が狂っている者の戦いだ。今度の作戦は全滅覚悟で生きては戻れない。だからこそ、確実に標的を葬る為に挑発を続けるのだ。
「パパ……ママ……たすけて……」
ごぼっ、と血を吐きながら男の子が親の死体に手を伸ばす。もう長くは無いだろう。引き金を力を込めようとすると右腕を誰かに思い切り掴まれた。
「弾を無駄にするな」
振り返った。トレボーの顔があった。ヒスパニック系の彼とよく似た毛深く濃い顔立ちだが、トレボーはスペイン系アメリカ人だ。あと2年で50歳だが、白髪と深い皺とで70過ぎの老人にも見える顔立ちだった。
「アントニオ。俺らの目的はなんだ?」
「……『悪魔』を倒す為です」
「そうだ。イウヴァルトだかイズヴァルトだか……悪魔の名前をそのものの男を殺す為に、俺達はここに来たんだ」
トレボーは拳銃を下げさせた。M27に替えろ。マガジンも素早く取りかえられるように準備をしておけ。
「確かにやり過ぎだ。ジャップの罪もない家族に危害を加えている。でもそれは奴をおびき出す為だ」
「悪魔と同じ名前の男を倒す為に、俺達が悪魔みたいなことを……」
「どうやら奴はいいやつらしい。ウェンディーズがお気に入りらしいそうだ」
「そりゃあ、あんたの決めつけだろう?」
「かもしれない……が、いいやつっていうのは確かなようだ。悲鳴を聞いて入って来た」
北館1階の中央広場に展開していたメンバーより無線連絡。刃物を持ち、『へんたいふしんしゃさん』という文字と可愛らしい女の子のシルエットが描かれている、煤けたトレーナーを着た変態を発見。銀髪で白い髭を生やしているが、顔は20代後半の若者のようだ。ハリウッドのスター並の美男子らしい。アクション映画向きの体格だが。
「……来たか」
ヘッドギアの耳部分に手を当てていたトレボーが命じる。ありったけぶっ放して殺せ。無線と東側から激しい発砲音が鳴り響く。しかし10秒で止まった。
「ちっ……」
「どうしたんですか?」
「東を回っていたパープルチーム。全員、やられちまったようだ」
「そんなはずないでしょう! あっちにはデイヴさんが……」
「そのデイヴが遺言を寄越しやがったんだよ。地獄でまた会おうってな」
その隊にいたデイヴはトレボーの片腕だった。もし標的を殺せるなら彼だろうと思っていたぐらいに信頼していた。しかしその男は交戦10秒でやられた。敵はやはり、悪魔だった。
「アントニオ。上の階にいる連中への連絡を頼む」
「はい……」
「こう伝えておいてくれ。いざとなったら1階に飛び降りて仲間の掩護をする用意をしておけ、とな」
□ □ □ □ □
入ってすぐだった。向こうは剣を持っていたイズヴァルトを見るや、マシンガンを発砲して来た。それを氷の魔法による防壁で防ぐと、呆気に取られているのを狙って壁を飛び越え、全員を素早く斬り伏せた。
イズヴァルトは彼等を生かす気にはなれなかった。通路や店の中に沢山の射殺死体を見てしまったからだ。だが力は加減した。胴体をばっさりと斬られてもまだ彼等のうち幾人かは息をしている。血の海の中で仲間はおろか、両親や親友、恋人や神の名を叫んでいた彼等にイズヴァルトは呼びかけた。英語でだ。
「なにゆえ、ことのようなことをしたのでござるか?」
彼等は口汚く返した。悪魔め。災厄が。相当恨まれているようだ。外で彼等の仲間らしき者らを殺したからだろうか。
------相当、恨まれているようだな?
「これがアメリカの仕業でござるか。拙者はヘラではないでござる。気弱なただの腑抜け騎士でござるよ……」
------ひどい冗談だな。ものの10秒で、飛び道具を使う相手を叩きのめす奴のどこが腑抜けだ?
「そういう髭切も、魔法を見せればビビって武器を捨てるはずだと言っていたではござらぬか?」
襲って来た彼等は大きく跳躍して斬りかかるイズヴァルトに攻撃を緩めなかった。普通のニンゲンならばハチの巣にしたはずだ。けれど、イズヴァルトは身体にも防護壁を張っていた。弾丸は魔法の鎧にことごとくはじかれた。なのに、彼等は銃で撃ち続けた。
襲撃者達は皆、動かなくなった。出血多量で気を失ったからだ。じきに死ぬ、イズヴァルトは彼等から人々を殺した目的を聞き出せなかった。
「……仕損じたでござる」
------この建物内にはまだいるはずだ。そいつらのやる気を削いで洗いざらい白状させるようにすればいい。ざっと、30名はいるだろう。
「27名でござろう。気配でわかるでござる」
殺意。それも自分の命をなげうつのも辞さぬぐらい強烈な念というものを、イズヴァルトは感じていた。なぜこうまでして戦おうとするのか。一緒にヘラのとどめを刺したい、という話を持ち掛けてくれれば是非とも仲間に加えただろうに。この世界の優れた戦士だと見れたから残念だった。
------とりあえず1人でも生かすようにしなければな。お前の歓迎会にしては少々やり過ぎだ。こいつらは。
「そのつもりでござる……来たか」
西側に黒い戦闘服を着た戦士達の姿が見えた。彼等は壁を背にすると弾を撃って来た。音速に近い速さの弾を避け続けながら、イズヴァルトは魔法の印を切った。叫び声。壁を背にした者らは重圧の魔法で無理やり床に突っ伏されたのだ。
「まずは2人」
今度は吹き抜けの2階から乱射して来る者が。それを掩護に3階から、ロープをつかって降りる者が4名。イズヴァルトは前に出た。ゆっくりと歩く。魔法防壁は彼の身体に張られたままだ。それにぶつかった弾は貫通することなく零れ落ちる。それを見れば脅威と映るはずなのに、まだ撃って来る。
「きかないぞ! どういう技術を使っているんだ!」
「それでもかまわない! 撃て!」
「死ね! 死ね! 悪魔め! パープルチームの連中の仇!」
殺す必要はない。力を見せつけて脅せばいい。自分と彼等以外に生きている者はいない。イズヴァルトは印を切って剣の先を突き立てた。彼が立つ床から焔があがった。
「とんでもないことをしやがったぞ!」
「あんなもんは手品だ! 撃ち続ければなんとかなる!」
「バリヤーにも限度ってのがあるだろうからな!」
いささかしつこいと感じたでござる。イズヴァルトは剣を持ち上げて一喝しながら宙を切った。コンクリートの天井に大きな切り込みが生じた。魔法ではない。剣から闘気を飛ばしたのだ。
「これ以上のいくさは不要! 拙者と話せ、アメリカの衆!」
銃声が止んだ。彼等は『悪魔』が英語で話しかけてきたのに戸惑ったからだ。話し合えとは、どういうことだろう?
「拙者は貴殿らの祖国に危害を加えぬでござる! 取りのがした生涯の仇を追い、知り合いの行方を探しに来ているだけでござる!」
自分はこの世界を征服しに来たのではない。そう伝えた。だが、1階にいた1人の男が、大きく声を張り上げてイズヴァルトに喰いついた。
「信じられるか! 俺達は知っている! 12年前に仲間を、祖国をめちゃめちゃにした女と同じ世界の住人がお前だってことをな!」
「ヘラでござるか! 拙者はその女の敵でござる!」
「信じられるか! ソニアやデイヴさんたちを殺したんだぞ、お前は!」
「なら、貴殿らはこのらーらぽーとに来ていた人たちを殺した悪人でござるな!」
「そうだ! お前を殺す為にやったんだ!」
男は肩と腰にかけていた手りゅう弾のピンを抜き、銃を撃ちながらイズヴァルトに突っ込んだ。イズヴァルトは立ったまま動かない。隙あり、とマシンガンを投げ捨てて飛び込んだ。
「俺とともに死ね、悪魔め!」
そう叫ぶと彼は右の奥歯をぐっ、と噛んだ。手りゅう弾の遠隔スイッチだった。一斉に爆発を起こしてあたりに閃光と轟音が起こった。2階と3階のガラスがいくつか割れて下の階に落ちた。
「やったか?」
誰かがつぶやくと別の誰かがうめいた。カミカゼをやったのにびくともしねえ。
「……自爆とはなんてことを」
イズヴァルトは一歩も退かずにその場に立っていた。身体に張った防壁は爆風を凌いでいた。あの世界の『爆炎弓箭』ほどでなくてもある程度、守りをすり抜けたのに。この世界の炸裂兵器は思った程では無かった。魔法にかなわない。あまりにも弱かった。
らーらぽーと、の構造は記憶でやっているけど、これでよかったかな。