※この作品はR-18です。

聖騎士イズヴァルトの伝説 第六部 『戦旗編』   作:CHACOとJAGUAR

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以下、イズヴァルトの伝説関連のリンクです。

ハーメルンにて掲載


聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・前半まとめ
https://h.syosetu.org/novel/427506/

聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・忠烈編
https://h.syosetu.org/novel/363415/

読み飽きた人向けの最終回
https://h.syosetu.org/novel/428929/

豚小屋
https://h.syosetu.org/novel/429382/

ひよこ芸術
https://h.syosetu.org/novel/429966/


アルファポリス版です。バックアップ兼保管用
(本編と外伝を分けての掲載です。)

☆本編
聖騎士イズヴァルトの伝説 〜無双の武と凶悪無比なデカチンを持つ英雄の一大叙事詩〜
https://www.alphapolis.co.jp/novel/872528745/934913837


☆外伝
前世の記憶を持つ神業尺八使いの狸系美少女の妹と、女帝サキュバスの祖先の才を受け継ぐ清楚ビッチな姉の2人で、搾精の王国を建てちゃいます☆
https://www.alphapolis.co.jp/novel/872528745/779914728

転生したらあたし、セックス教団の教主の養女でいつでもどこでもエッチがしたくなっちゃう、レベル999のビキニアーマーの美少女魔法戦士でした!
https://www.alphapolis.co.jp/novel/872528745/959004604


旧版のイズヴァルトの伝説です。ノクターンにて掲載
ストーリーの細かいところがかなり違っておりますが、大まかな筋はおんなじです。

エリクサーみたいに栄養満点の精液を放つ絶倫聖騎士は、転生美幼女淫魔にまとわりつかれておちんちんをチューチュー吸われる。(旧題・聖騎士イズヴァルトの伝説)
https://novel18.syosetu.com/n3094lt/


31 9年前の出来事について

 令和二年3月某日。イズヴァルトは北千住にある区の図書館に来ていた。髭切に言われていろいろと調べ物をする為にだ。

 

「かんじばかりでわからぬでござる……せめてひらがなで書いて欲しいものでござるよ……」

 

 半ば神の『特別な力』によって、英語や日本語は会話ぐらいはすらすらとやれるのだが、本を読むとなると少々手間取る。特に漢字というのが厄介だ。覚える字が多すぎる。

 

------不満を垂れるな。お前は頁を開いて文字を見るだけでいいのだ。

 

 イズヴァルトの目を通して文章を読み込む。その意味も理解してやると髭切は言った。今、彼が開いている本は、9年前の同じ頃に発生した、東日本大震災に関わるルポルタージュだった。

 

「なんて書いているのでござるか?」

 

------福島第一原発についての記事だ。あれだ。お前がエーゾエルフの『聖域』にあった遺跡の中で見かけたものを、大きくしたものだ。

 

 イズヴァルトは彼らから聞いたことを思い出す。あの巨大な遺跡の隅々に配された『からくり』を動かす源についてだ。東京の町並みを縮小したようなその地下に、原子炉はあった。

 

 イズヴァルトの目を通して、髭切が読み上げて解説した。

 

「その四基の原子炉で東京の半分近くの電気を賄えた、でござるか?」

 

------その記事は大げさに書いているようだな。だいたいもっと多くのエネルギーを東京は必要としているからな。それよりも過酷事故の記事があるだろう。それに目を向けてみてくれ。

 

 わかったでござる。イズヴァルトは写真付きのその過去記事に目を通した。4基のうち1基が、メルトダウンを起こして水蒸気爆発を……。

 

------いや、待て。そのことが書かれていない。どういうことだ!

 

「なにをおっしゃっているでござる、髭切?」

 

------待て待て! この国はこの先数百年数千年、この厄介な原子力発電所の残骸と取っ組み合うことになっていたはずだ!

 

 なのになぜ9年前の今頃、過酷事故は起こらなかったのだ? 

 

「せ、拙者には到底わからぬことでござる。もう少しわかりやすく話していただきたいでござるよ?」

 

------フクシマにあったその原子力発電所はだな。9年前の大地震と大津波で多くの設備が破壊され、制御できなくなったのだ……俺が知っているこの世界の記憶では、な。

 

 どの『時間軸』においても、西暦2011年3月11日にあたるその日は、日本列島の東側を大いに揺るがす大震災が起こった。

 

------この『時間軸』と一番近いところでは、大地震によりフクシマにある原子力発電所で事故が起こった。

 

 炉心溶融、メルトダウン事故であった。他の時間軸では地震が九州西部で起こったり、そもそも原発自体が無いというものもあったが、この世界では9年前に大地震が起きて大津波が押し寄せ、原子炉を緊急停止させるシステムがうまく機能しなくなった、はずだ。

 

------その原子炉だが、1基でも大爆発を起こしていたら、日本を死滅させる量の放射性物質をまき散らしただろう。性格が悪いドワーフやハーフリングが毒殺に使う『らじうむ』みたいなものだよ。

 

「そ、そんなものがニッポン全国に飛び散ったかもしれぬでござったか……?」

 

 是、と髭切は答えた。しかしこの記事では原子力発電所の事故の記載が無い。設備は確かに損傷したが、どうにか制御に成功し、事なきを得たと書かれていた。

 

------で、その制御をどのように行ったか、それを俺は知りたい。

 

「資料を片っ端から読むしかなさそうでござるな」

 

------頼めるか?

 

 わかっているでござる。イズヴァルトは図書館の棚にある本を集めて目を通した。それだけでなかった。慣れないパソコンとインターネットにも手を出した。閉館時間近くまで図書館で粘り続けた。そして知り得たことは、

 

------イズヴァルト、カワウソ女とクモ女に聞いてくれ。スマートフォンというものを貰っただろう?

 

「『たぶれっとぱっど』のあかちゃんみたいなものでござるな?」

 

------持っているだろう?

 

「部屋に置いてきたでござるよ。帰ったらごはんの時に訊いてみるでござる」

 

 図書館を出て、ホテルに戻ると部屋にアラクネのクワン=ダッタが待っていた。カギを開けてもらったのだ。元々は彼女名義で借りている部屋である。

 

 顔はニンゲン型のものに変えていた。浴室から湿気に混じってヘアトリートメントのにおいが漂っていた。ベッドに腰掛けている彼女はガウンを着ていた。何のために来たのかわかってしまう。

 

「いらっしゃったでござるか?」

「仕事が早く終わったからよ。ご飯はもう済ませたの?」

「まだでござる」

「じゃあ……深夜にやっていておいしい店があるの。おごるからそこに行かない?」

 

 クワンが起き上がりガウンを脱いだ。豊満なバストをつけた白い裸体が顕われた。人間に化けている時は無毛の肌になるのだ。ただ、出会って最初の性交の時とはやや趣が違った。ほんのりと下腹が膨らんでいたからだ。

 

「お腹、ちょっと大きくなっているでござるな……」

「ごめんね、ここのところ便秘気味なのよ……今夜はこの顔と身体のままでいいかしら?」

「なぜでござる?」

「……あの首じゃ、こういうことできないから」

 

 クワンはイズヴァルトにしなだれかかった。それからズボンのチャックを降ろし、その奥に潜んでいた大きなものをしゃぶり始めた。ほぼ毎日抱く彼女からフェラチオをされたことは、これが初めてだ。

 

 イズヴァルトのペニスは、クモの巣に絡めとられた小虫みたいにクワンの口の中でもがいた。至福のため息をついて放ちこむと、クワンはそれをごくりと飲んで微笑むと、膨らんだ下腹に手を添えた。

 

「このおくすりを飲んで、お通じが良くなるかしら?」

「きっとそうなるでござるが、お通じが良すぎる人にはかえって毒でござったよ。特に、マイヤとアーノンレンシ姫は拙者のちんちん汁を飲みすぎて、ひどいげりぴーを起こしていたでござる」

 

 それを聞いてクワンはうふ、と笑った。イズヴァルトのズボンを足首まで降ろすと、床の上に四つん這いになって尻を持ち上げた。すぼんでいるアヌスと潤った陰裂を見せつけて求めた。

 

「こっちにもたくさん注いで? イズヴァルトさんの『おくすり』、とっても栄養と効能がありそうだから」

 

 

□ □ □ □ □

 

 

 10発も精液を体内に収めたクワンは、とても艶っぽいと感じられた。紹介された深夜食堂で牛ヒレカツ煮込み定食と野菜炒めを食しながら、イズヴァルトはひどい勃起に悩まされた。

 

 帰ったらまた朝までセックスをしたい。そう思いながら彼女が頼んだ肉ばかりの定食を眺める。大盛どころか特盛だ。3人前はあるだろう。

 

「よく食べるでござるな?」

「うふふ。お通じをよくするためによ。ここ最近、ごはん4杯もおかわりしちゃうの」

 

 大便が出ないのにかなり困っている。そう言いながらクワンは大きく口を開けてせわしなく箸を動かした。セックスのし過ぎで体力を使ったのもあるだろう。イズヴァルトも腹が減って仕方が無かった。しかし、聞きたいことがあった。セックスの最中は2人とも快楽に夢中で、聞き出せなかった。

 

「ところで、東日本大震災という大きな地震の件で、1つ尋ねたいことがござるが」

「知っていることならなんでも。どんな話?」

「フクシマという土地に建っている、原子力発電所の話でござる」

 

 髭切に助言を受けながら尋ねた。地震や津波で制御機能が壊れて暴走したと、と聞いたことがある。それを聞いたクワンは眉をひそめた。

 

「すぐにじゃないけど、制御機能が復帰したと聞いているわ。災害で壊れていないところに最後の時に使う緊急装置が働いたらしいの」

 

 ワタシ、その件で『とうでん』の調査を行ったわ、とクワンは言った。魔界からの調査員として、停止した後の原子力発電所にも入ったという。

 

「緊急装置、でござるか?」

「ええ。なんでも、オーストラリアにある企業から買った技術らしいわ。ただ、『とうでん』の作業員は使い方を知らされていなかったらしいの。あの津波での大混乱の最中、その企業からスタッフがやって来てそれを動かして事なきを得た、と聞いているわ」

 

 しかし装置はクワンが調査に入る前に撤去された。どのような仕組みだったのかも確かめることはできなかったし、その装置の取り付け方を知る者もいなかった。その会社に問い合わせてもみたが、仕組みや運用方法はすべて企業秘密だと言われて調査を断られた。

 

「さようでござるか……では、その原子力発電所はどうなったでござる? 行けるものでござろうか?」

「今は解体工事が進んでいるわ。第二原発が治ったしそっちで十分だとわかったから。それと、かなり古い原子炉だったからそろそろ廃炉にすべきという声があがっていたのよ。ものすごく複雑なつくりで危ないものが、50年近く動いていたんですもの」

 

 そうだったのか。イズヴァルトは煮込みカツを口に入れながら髭切に呼びかけた。これでよいでござろうか?

 

------その装置。ひょっとしたら、魔法を使っているかもしれんな?

 

「そこまでできるでござるか? この世界の術式は大した事ができない、と聞いていたでござるが」

 

------この世界のは、だろう? お前の世界なら、エルフ辺りが本気を出して研究をしていたら作れるだろう。しらばっくれるな、イズヴァルト。

 

 制御棒や冷却装置だけでない。放射性物質を臨界前に戻す魔法だってできるはずだ。ただ、そんなことを思いつく亜人はそうそういない。

 

「……神聖術式でござるな?」

 

------ああそうだ。あれならきっと可能にするだろう。確か、カヅノ=セイジとかいうパラッツォの『枢機卿』は、この世界のとある時間軸の、遠い未来を前世で生きていた、と聞いていたな?

 

 そうだった。パラッツォ教の司祭騎士団長時代に、『彼等』から聞かされた。その中の1人であるタカミ=ジュンと仲良くなったマイヤ本人からも聞かされたことがある。

 

 彼等の前世は『救世主派』という宗派を日本が治めている宗教国家になっていた。彼等が生きていた数百年前にも、フクシマでの過酷事故が起きていたと聞いたことがある。神聖術式による結界が張られ、誰一人生きている者を通さぬ『禁断の地』とされていた。整備ができなくなり、漏れ出る放射能を術式結界で外に出さなくしていたそうである。

 

------イズヴァルト、あいつは相当深いところまでこの国に食い込んでいると見たほうがいい。それと、原発事故を事なきで終わらせたのが奴ならば、とんでもない信頼を得ていると思っておけ。少なくとも日本国の政府は奴の味方だ。かなりでかい喧嘩になるぞ、こいつは……わくわくしないか?

 

 この世界もやはり、お前という英雄を求めているのではないかと髭切はそそのかす。よすでござるよ。イズヴァルトはたしなめた。

 

「だったら、カヅノ=セイジたちをおしりぺんぺんで改心させて、神聖魔法を良いことに使わせればもっと幸せになるでござるよ、この世界の方々は」

 

 

□ □ □ □ □

 

 

 同じ頃。事務所で資料や報告文書を眺めていたポリメコフィアンナは、苦悶の表情を浮かべていた。

 

(手がかりがなかなかつかめない。南船橋の件といい、気づかれて手を打たれている様に思える……。)

 

 『救世の寺院・カント教会』の支部のあちこちをまわったが、どこももぬけの殻だった。大阪にもあるということなので、関西にいるメンバーにも協力してもらったが、信徒たちがつかまらない。教室や事務室にあったのは、せいぜいがホコリぐらいだった。

 

 とはいえ、鑑識術式が得意な面々からは良い情報を得た。魔族のものと思しき体毛が落ちていたという。だが、密航組の連中のものでなかなか本人を特定できない。魔界人の親を持ってこの世界で育ち、魔族となった者もいるだろう。

 

(あとは、日本政府に問い合わせるしかないわ。でも……。)

 

 その日本政府が非協力的なのだ。宗教法人、それも、少数の信者しかいない教団に関して手を貸す必要など無いと突っぱねてくる。しかし、日本は仕方が無い。25年前に宗教絡みの大規模なテロ事件を喰らったのに、悪徳商法をつづける宗教団体になかなか捜査の手が入らなかったり、宗教団体の息がかかった政治組織が幅を利かせたりしている。

 

(やはり信用できないわ、日本は。といっても、この世界の国々はいろいろと難ありだから、仕方が無いかもしれないわね。)

 

 とにかく疲れた。ポリメコフィアンナは牙がのぞく口をくわっ、と開け、眠気を息とともに吐いた。そこに外回りから帰って来たばかりのラッドが近づいた。

 

「おかえりなさい。足立区内の調査は終わったの?

「はい。それで、あのう……」

 

 偶然にも見てしまった、とラッドは言った。

 

「見つけたって、何を?」

「誰、になるんですけどね。この世界のニンゲンじゃありませんし……」

 

 ポリメコフィアンナが、上あごの牙をのぞかせながらにらみつけた。もったいぶらずにさっさと言え。

 

「魔族でもありません。エルフです。多分、イズヴァルトさんの世界の精霊人だと思いますが……」

 

 肌の黒い黒髪エルフという人種のようだった、とラッドは言った。北千住駅前の喫煙所でだ。真っ黒な肌で、アラブ人やインド人とアフリカ人の血が混ざったような顔立ちの男女連れだった。その喫煙所には、異質な感じのする美男美女を、ちらちらと見る者がたくさんいた。

 

「……黒髪エルフ?」

「確か、シマナミスタンという大陸のエルフです。ソゴプールだったかナハリジャーヤだったか、あるいは、クルシマーヴァラの海エルフなんでしょうけど」

 

 ラッドはイズヴァルトにこう教えてもらった。もしゴール族と一緒にいるとするならば黒髪エルフだ。ヘラとカヅノ=セイジはゴールだけでなく、他の亜人も何人か味方につけていた。

 

「その話、本当なんでしょうね?」

「出て行ったあとにその辺の人に訊いたら、ここのところよく見かけるそうです……」

 

 午後5時頃に必ずペアでふらりとやって来て、わけのわからぬ言語で会話をして一服する。タバコが短くなると出て行くという。

 

「わかったわ。とにかく、明日にでもイズヴァルトさんたちと一緒に確かめに行きましょう。『カント教会』に手を貸しているのならいろいろと聞き出せるはずですから」




本作の日本は、原発のメルトダウンは怒らなかった、という設定です。
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