※この作品はR-18です。

聖騎士イズヴァルトの伝説 第六部 『戦旗編』   作:CHACOとJAGUAR

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以下、イズヴァルトの伝説関連のリンクです。

ハーメルンにて掲載


聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・前半まとめ
https://h.syosetu.org/novel/427506/

聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・忠烈編
https://h.syosetu.org/novel/363415/

読み飽きた人向けの最終回
https://h.syosetu.org/novel/428929/

豚小屋
https://h.syosetu.org/novel/429382/

ひよこ芸術
https://h.syosetu.org/novel/429966/


アルファポリス版です。バックアップ兼保管用
(本編と外伝を分けての掲載です。)

☆本編
聖騎士イズヴァルトの伝説 〜無双の武と凶悪無比なデカチンを持つ英雄の一大叙事詩〜
https://www.alphapolis.co.jp/novel/872528745/934913837


☆外伝
前世の記憶を持つ神業尺八使いの狸系美少女の妹と、女帝サキュバスの祖先の才を受け継ぐ清楚ビッチな姉の2人で、搾精の王国を建てちゃいます☆
https://www.alphapolis.co.jp/novel/872528745/779914728

転生したらあたし、セックス教団の教主の養女でいつでもどこでもエッチがしたくなっちゃう、レベル999のビキニアーマーの美少女魔法戦士でした!
https://www.alphapolis.co.jp/novel/872528745/959004604


旧版のイズヴァルトの伝説です。ノクターンにて掲載
ストーリーの細かいところがかなり違っておりますが、大まかな筋はおんなじです。

エリクサーみたいに栄養満点の精液を放つ絶倫聖騎士は、転生美幼女淫魔にまとわりつかれておちんちんをチューチュー吸われる。(旧題・聖騎士イズヴァルトの伝説)
https://novel18.syosetu.com/n3094lt/


36 北千住騒乱⑤

 東口で火事だ。駅ビルの中でその声を聞いてイズヴァルトは何事でござろうとイズヴァルトは思った。

 

「きっとボヤ騒ぎよ。大した事ないでしょう」

 

 クワン=ダッタがそう言ったが、しばらくしてからの大揺れで何かが違うと感じた。それからすぐ、イズヴァルトは魔力の気配を探った。

 

「……微弱でござるが、まさしく神聖術式でござる!」

 

 驚いたイズヴァルトは西口からの轟音をクワンに任せ、急ぎ北千住の駅構内に出た。東側出口から悲鳴をあげながら逃げていく人々を見ると、何事かが起きた、と思ってエスカレーターを駆けおりた。

 

------鉢合わせてしまったようだな!

 

「髭切、拙者はここから、悪鬼となるでござるよ! この騒ぎは人死にが出てのものでござろう!」

 

 幸せというかどんよりというか、どこか間の抜けたところがあった人々の顔は皆、変わりきっていた。災厄や戦乱から逃げようとする農民や市民が見せる表情だった。自分だけ助かろうと思ってでも生き延びようとする必死さがあった。

 

 そこに何か懐かしさがあった。「異界でも人の心は同じ」と思いながらイズヴァルトは東通りの商店街に目を向けた。突き当りの向こう側で、店を、家を、回転しながら人を焼く、炎の柱がいくつもあがっていた。

 

 その炎には見覚えがあった。パラッツォ教団に捕らえられ、司祭騎士団長に祭り上げられてからの日々に学んだ事があるものだった。

 

(あれは、『シディムの炎』でござるか?)

 

------らしいな。カヅノ=セイジか?

 

「いいや。あやつぐらいの実力があれば、この街をまとめて燃やすでござるよ」

 

 とにかく向かおう。走り出した。2番目の路地道を過ぎて真新しいロータリーにさしかかった時だった。逃げる群衆とは違い、炎のほうに呆然と目を向ける2人を見つけたのだ。

 

 片方は中年の日本人だが、もう1人はこの世界の人種とは異なるものだった。

 

(ゴール族でござろうか?)

 

 

□ □ □ □ □

 

 

「そこのゴールの者、待たれよ」

 

 呼びかけると若いゴールの男が振り返った。手には鞘から抜いたばかりの剣。呼びかけられた若者は切っ先を向けて来た。

 

「な、何者だッ!」

「慌ててはならぬでござるよ。向こうで『シディムの炎』があがっているひようでござるが、貴殿のお仲間でござるか?」

「な、なんのことだ!」

 

 素直に答えて欲しいとイズヴァルトは思った。ゴール族ならあの炎がわかるはずだ。魔法による炎。しかも、神聖術式によるものであると。

 

 中年の男がイズヴァルトの方に目を向けた。顔に見覚えがあった。あの部屋の写真の人物だ。ラプンツェルの失踪の関与を疑われている、芳村暁美だった。

 

「む! 貴殿、ホウムラ=アケミどのではござらぬか!?」

「だ、だれ?!」

 

 イズヴァルトは跳躍し、芳村の側に着地した。凄まじいジャンプ力とアスファルトの悲鳴に彼は呆気にとられた。

 

「ホウムラ、下がれ!」

 

 ゴールの若者が必死の形相になって殺到する。芳村の顔の右側面をすり抜け、ゴールの刃が迫って来た。動きには才能を感じさせる。しかしイズヴァルトは一瞬で判別した。あの世界の『手練れ』の戦士とは言えない。実戦と練習が足りていない。

 

 刃ではじき返すまでもなかった。再び飛び上がって芳村の真上で回転し、着地と同時に相手の首筋を手首で叩いた。若いゴールはよろめいた。

 

「背後がおろそかでござる!」

 

 振り向いた拍子に組み付いて腕をねじり、剣をもぎ取った。ちらと見て確かめる。自分の元の世界の剣だ。鋼の剣だが、ドワーフが鍛えたかなり良いもののようだ。

 

「奇襲のやり方、先輩から教わっていなかったでござるか?」

「……ぐっ!」

「教えるでござる。貴公らは『シディムの炎』を扱う、神聖術式の魔道士を連れて来たのでござるか、20年前に?」

「……ま、まだ産まれていない! 俺は今年で18だ!」

 

 もしや。でもありうることだとイズヴァルトは自答した。ゴール族というものは女が普通のニンゲンでも、男の子であれば父の種族になる。

 

「確かに父親はこの世界の人々とは違う! でも、おふくろは正真正銘のオーストラリア人だ!」

「なんと! この世界のニンゲンも、ゴールどのらと子を為せたか!」

「そ、そうだ! ていうかアンタは一体何者だ! 親父にちょっとにおいが似ている! 誰なんだ!」

 

 イズヴァルトは自分の名前を告げた。呆然としていた芳村に、目で「早く逃げろ」と呼びかけながら暴れていたゴールの若者は、途端に身体の力を失った。

 

「……あの、『百万一身』。親父が語ってくれた、伝説の英雄がアンタだと?」

「そこまでではごらぬ! ただのへなちゃこ老いぼれちんちんざむらいでござるよ!」

「くそ。親父が言っていたヘラさまってのは、負けちまったのかよ……」

 

 若者は抗うのをとうとうやめた。それから芳村に「じっとしてろ」と呼びかける。すぐに捕まるだろうからだ。この若いひげの男が、あの人物なら逃げられない。最強の戦士である。父親が生まれた世界の。

 

「さあ、お聞かせくだされ。殺しはせぬ。あの炎は誰が出したものでござる?」

 

 芳村が代わりに答えた。ぼそりと。

 

「最初は『ドーテー』が。それから、みんなが……」

「……この世界では、童貞どのらは魔法が使えるのでござるか?」

 

 いや、童貞だからといって魔法が使えるわけではないのだと芳村は返した。

 

「いや、村上というやつの仇名だよ。俺と同い年ぐらいで素人童貞だったんだ。その……あの……俺が引っかけた髪の長い女の相方によく似た、とってもかわいい女の子と儀式でしたから、もう素人童貞では、ないんだろうがな……」

「髪の長い女? 儀式? よくわからぬでござるよ……」

「あは。あはは……」

 

 芳村は笑った。それから虚ろな目から、涙がこぼれだした。こんなことになるとは思ってみなかった。あのサキュバスを拉致して輪姦したことは確かだが、仲間が人殺しを楽しむ姿を見るなんて。

 

「ううっ。あんまりだ……あんまりだ……」

「何か、悲しいことがござったか?」

「……ホウムラは奥さんとお子さんを津波で亡くしたんだ。火がついた瓦礫が街に流れ込んで、たくさんの人の命を、水と炎で奪った黒い津波でだよ」

 

 それを思い出したんではなかろうか、とゴールの若者は言う。彼とて幼い頃にテレビで、その光景を見たのだ。今も動画サイトで見てしまう。

 

「貴殿、あんまり戦士には向いておらぬでござるよ?」

「……そうかもしれない」

「戦場はそのようなおぞましい津波のようなものでござる。さて……」

 

 あの炎の元に案内してもらおうか、とイズヴァルトは呼びかけた。が、シディムの炎は瞬く間に消えた。

 

(何が起こったでござるか?)

 

 いや、すぐにわかった。新しい炎があがったあたりに途方もなく強い魔力の気配を感じ、それが広がった。魔封術式の類だった。

 

------どうやら、ゴール以外にも入り込んでいたようだな?

 

 髭切の声にイズヴァルトが反応する。

 

「……精霊魔法でござるか!」

 

 ゴールの若者から離れた。駆けだして跳躍し、焼け跡が凄まじい建物の屋上に乗って、次々と別の建物に飛び移った。

 

 魔封じの術式がもたらす、ねっとりとしたもやもや感を感じて眉をひそめながら、最後の火元の近くに立った。

 

 それは確かに自分の世界の住人だった。しかもエルフ。シマナミスタンの。顔も見覚えがあった。カヅノ=セイジの側に常にいた、ソゴプール=エルフの戦士だ。

 

 そこにもう1人。背の高い銀髪の女だ。歳は50ぐらいだ。血にまみれた、幅広のシミターを手にしていた。エルフの戦士とそのもう1人を、イズヴァルトはじっと見ていた。

 

 彼等の周りは、焼死体がいくつも転がっていた。それだけでなく、何かによって道のあちこちが濡れていた。その血は、首の無いいくつもの死体からあふれ出ていた。

 

「……貴殿ら、何をなさったでござるか!」

 

 イズヴァルトが叫ぶと女のほうが見上げ、

 

「問題児どもを処断しただけだ!」

 

 耳を疑った。その声は若い頃に、身近にいた人物のものによく似ていた。トーンがやや低くなっているが、よく聞いていたその声とそっくりだった。

 

「もしや、ヴィクトリア……でござるか?」

 

 女の顔がはっきりと見えた。だいぶ老けたとはいえわかる。あの女は自分の娘だ。エレクトラとの間の、2番目の。

 

 死んだ母親と姉に比べ、ヴィクトリアは大柄で胸と尻が目立っていた。彼女は剣を構えると大きな身体を丸め、すっと消えた。

 

 その直後、イズヴァルトは自分の娘と刃を鳴り合わせていた。しかも猛スピードで空を飛んでいる。飛翔術式を用いて飛び込んできたのだ。剣の真ん中を手で抑えながら、強い殺意を向ける娘に呼びかけた。

 

「ヴィクトリア、カヅノ=セイジはどこでござる!」

「答えるわけがないッ! ここで死ね!」

 

 イズヴァルトとヴィクトリアと共に、北千住の駅舎の壁に突っ込んだ。コンクリートの壁は容易に割れ、駅舎のあらゆるものをなぎ倒していった。




※ヴィクトリアは『忠烈編』で出てきます。

戦旗編での家族構成ですが

父:イズヴァルト
母:エレクトラ=ガモーコヴィッツ(故人)
姉:エレナ=ガモーコヴィッツ(故人)
妹:ヴィクトリア=ガモーコヴィッツ(本人)

です。
ヴィクトリアにはほかに少なくとも兄が2人おります(全員異父兄)。

マルティン=トードヴェル=キョウゴクマイヤー
(エレクトラとイーガの前王子アドルフとの子。戦旗編ではイーガ国王)

ウーゴ=イサーク
(エレクトラとシマーヅ王国の王子ピピンとの子。)
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