聖騎士イズヴァルトの伝説 第六部 『戦旗編』 作:CHACOとJAGUAR
ハーメルンにて掲載
聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・前半まとめ
https://h.syosetu.org/novel/427506/
聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・忠烈編
https://h.syosetu.org/novel/363415/
読み飽きた人向けの最終回
https://h.syosetu.org/novel/428929/
豚小屋
https://h.syosetu.org/novel/429382/
ひよこ芸術
https://h.syosetu.org/novel/429966/
アルファポリス版です。バックアップ兼保管用
(本編と外伝を分けての掲載です。)
☆本編
聖騎士イズヴァルトの伝説 〜無双の武と凶悪無比なデカチンを持つ英雄の一大叙事詩〜
https://www.alphapolis.co.jp/novel/872528745/934913837
☆外伝
前世の記憶を持つ神業尺八使いの狸系美少女の妹と、女帝サキュバスの祖先の才を受け継ぐ清楚ビッチな姉の2人で、搾精の王国を建てちゃいます☆
https://www.alphapolis.co.jp/novel/872528745/779914728
転生したらあたし、セックス教団の教主の養女でいつでもどこでもエッチがしたくなっちゃう、レベル999のビキニアーマーの美少女魔法戦士でした!
https://www.alphapolis.co.jp/novel/872528745/959004604
旧版のイズヴァルトの伝説です。ノクターンにて掲載
ストーリーの細かいところがかなり違っておりますが、大まかな筋はおんなじです。
エリクサーみたいに栄養満点の精液を放つ絶倫聖騎士は、転生美幼女淫魔にまとわりつかれておちんちんをチューチュー吸われる。(旧題・聖騎士イズヴァルトの伝説)
https://novel18.syosetu.com/n3094lt/
イズヴァルトとヴィクトリアの親子が、互いの顔を確かめる前である。
観念しましょうよと呼びかける声がして顔を見上げてみれば、リシェナの横にラッドが立っていた。彼は咥えていたハイライトを1本つけ、汚い煙を吸い込むと心地よさげに吐いた。
ポリメコフィアンナはむせ、血を吐いた。彼女の上体を強い力で踏みつけていたリシェナが、1本おくれとラッドに言う。
「……くさいだけの安たばこじゃき。もっとええもんを吸わんか?」
「オレの稼ぎじゃこれしか吸えませんよ。リシェナさん、おごってくれませんか? いい『売春クラブ』があるんで紹介しますよ」
「こん国のおとのさま衆は大抵が『粗チン』か、1発放てば満足しよるふにゃちんばかりじゃ。うちは3回4回挑んでくれる、たくましいおのこしか好かんし、相手にせんき」
股商売でそんなえり好みをしてもタワマンで暮らせる銭が入る。リシェナはそう笑うとポリメコフィアンナに目を向けた。
彼女はラッドをずっと見ていた。お前はこのエルフと通じていたのか。そう言いたそうな目をしていた。
「あんまりじろじろと見ないでくださいよ。察しがいいアンタならもう、言わなくてもわかるでしょ?」
彼は紫煙をゆっくりと吐いた。彼女に告白した。
「それとな、ポコリーヌさんを殺ったのは、この俺だよ」
ポリメコフィアンナがぽかんと口を開けた。コツメカワウソの口元からのぞきだした小さな牙を見て、ラッドは続けた。
「殺すのは簡単だった。何せポコリーヌ姐さんは、おまんこになるとやたらと無防備になるからな」
しかしそうなるまでに少なくとも、6回はイカさなくてはならなかった。魔族の女は感じやすくイキ易いが、魔族の男もそのぐらい敏感なのだ。
「おかげで姐さんのまんこに、4発も出しちまいましたよ。いやあ、気持ちがよかった。やっぱりポコリーヌ姐さんは最高だ、と思いましたよ……でも、殺さなくちゃならなかったんです」
理由はかく乱の為だ。車の中でポコリーヌを思念体ごと滅ぼし、車に火をつけた後にメサドとモルフェットも葬った。
ポリメコフィアンナは耳を疑った。ラッドにそんな力があるはずは無い。日本支部のメンバーの中で一番強いポコリーヌはおろか、かなり下っ端のメサドらを殺るのにも一苦労するはずだ。
「あんたには信じられないでしょうね。でも、できたんですよ。理由はこれです」
ラッドはコートの中から、鞘に収まった1本の短剣を取り出した。引き抜くと、表面に金色に塗られた十字架が描かれていた。
美しい刃紋が特徴の光り輝く刀身だが、ポリメコフィアンナの目には禍々しく映った。どこか冷ややかな輝きで、血と魂を吸おうとたくらむ、嫌な気配に満ちていた。
「それは……?」
「強力な魔族殺しの力を封じた剣です。イーガっていう国のアドルフという男が、興味本位でしたためた短剣です」
イーガのアドルフ。ポリメコフィアンナは名前だけなら聞いたことがある。確かイズヴァルトが生まれた世界の人物だ。
病弱でなければ、あちらの世界の凄腕のエルフと肩を並べるぐらいの魔法の使い手となっただろうと言われている。かなりの殺傷力がある『魔族殺しの術式』も会得していたらしい。
「これをですね、ある人が俺に貸してくれたんですよ」
その人物の名前をラッドは言わなかった。これの元々の持ち主のことは秘密となる。隠さねばならない。
元々の出どころだが、その人物の母親の故国にいた異父兄だ。その人物だが異母兄と一緒に暮らしていた。
短剣は最初、母の故郷の国の異父兄からその異母兄に渡されたものだった。だが、その異母兄は死に、形見の品として手にする事になった。
美術品にしていいぐらいの美しい短刀だったが、その威力は凄まじく、飾るだけでは勿体無いぐらいだった。ゆえにこの短刀は血を吸う事となった。
これまで何十人もの魔族を屠ったが、一向に魔力が衰えぬ、素晴らしい逸品だった。
ラッドはしゃがみ、短剣の切っ先をコツメカワウソの獣人の首すじに押し当てた。
「ポリメコフィアンナ。今ここで死ぬか、あるいは引き返すか決めてくれませんか?」
「引き返す……?」
「わからないのですか。退けと言っているんですよ。このままあの野郎に手を貸していたら、いずれ東京は火の海になりますよ」
アメリカはあの男を本気で亡き者にしようと動いている。南船橋のらーらーぽーと襲撃がそれだ。今度は横田と厚木だけでなく、横須賀や岩国からも来るだろう。
「けほっ……そうはさせませんよ。既に国連を通じてアメリカには圧力をかけてますから」
「『オーバーロード』が命じれば思いとどまる、ですか。確かにそうかもしれませんね。でも、あんたらはこの世界の人間たちに『はい』と言わせるだけで従わせられないじゃないか? 結局アメリカは動くよ。日本はそれを許して静観するだろうな。市民がたくさん死んでもだよ」
ラッドの剣の先が食い込んだ。ポリメコフィアンナは悲鳴をあげる。思念体までも傷つける激しい痛みだったからだ。
「うあっ!!」
「強情張ってないで、はい、と答えたらどうなんですか?」
もがくポリメコフィアンナの首に刃をもっと押し込もうとすると、リシェナが彼の腕をつかんだ。
「それ以上はやめんか。しかしさっきからお前さん、あの男とか言うちょるやつの名前を言っておらんが、1つも教えてくれんのう?」
「名前? そういや言ってなかったな。相当強いが多分アンタの敵じゃないだろう。名前は……」
名前を告げようとした時だった。彼らの真上、駅ビルの壁が文字通り破け、そこから何かが飛び出て行った。
2つの気。リシェナはその一方を良く知るヴィクトリアのものだと瞬時に把握したが、もう1人はわからなかった。いや、
(ヴィクトリアよりも遥かに強そうじゃ。まさか……。)
そう思った時にだった。崩れかけのペストリアンデッキから粘っこい糸のようなものが飛び出てきて、リシェナとラッドの首や腕に絡まった。
強靭でなかなかはがせない。しびれるような感覚が起こったので麻痺毒かとリシェナは思った。足を魔族の上半身からつい離してしまった。
すると似たような糸が飛んできて、それを奪い取ってしまった。2人は真上を見た。隙間から糸を出す女の生々しい股があった。スカートを腰までめくりあげ、美しい腿と脛を剥き出しにしていた。真っ白な糸でくるんだポリメコフィアンナの上半身を抱えていた。
だが、首についていたのは、蜘蛛の頭。それを見てラッドは怒鳴った。
「クワン=ダッタ!」
叫ぶがクワンは応じない。彼女は上司を抱えてあおむけに倒れ込むと、背を大きく反って陰裂から新たな糸を吐き出した。それは駅ビルの屋上からかかる垂れ幕の枠にからむと、彼女を引っ張りあげて屋上に投げ込んだ。
うまく着地したクワンは念話でポリメコフィアンナに尋ねた。
「ラッドは敵に内通しているようでした」
「なんですって!」
「詳しくはまたあとで、とりあえずは……」
ポリメコフィアンナは火が燃え広がる駅前東口をちらと見てつぶやく。
「ほかの方たちはどうなりました?」
「見つかりません。思念も……」
「でしたら、ひどいようですができるだけ遠くまで退きましょう。イズヴァルトさんに任せるのです」
そのほうがいいだろう。クワンは女陰からまた糸を吐いた。とりあえずは北東にある団地に逃げ、それから葛飾のほうに向かおう。そこにも何人か仲間がいたはずだ。
腰を突き出して糸を吐いたクワンの身体が、しばらくして大きく跳躍した。
クワンとポリメコフィアンナは団地の一番高い建物の屋上まで飛んだ。しかしまだ休めない。股から糸を吐き、跳躍を続けて荒川の土手までたどり着いた。
伊勢崎線と常磐線の鉄道協が重ねて見えるそこで一休みをすることにした。クワンはポリメコフィアンナの身体に治癒魔法を施し、断面はたちまちふさがった。
あとはゆっくりと静養して魔力を貯め、下半身を再びつくればいい。思念体が無事な限り、魔族の身体はいくらでも再生できる。
「おおよそ1か月といったところでしょうか」
「買いかぶらないでくださいね。3か月はかかりますよ……それよりも、貴方の身体のほうが心配です」
ポリメコフィアンナはクワンの腹に目を向けた。クワンは恥ずかしそうにうつむいた。
「ぎりぎりまで任務は続けられます。今はまだ大丈夫です」
「身体をいたわってあげなさいね。今の貴方の身体は自分ひとりのものでは無いのですから……」
ポリメコフィアンナの顔が凍り付いた。自分を介抱するクワンの真後ろに、黒い肌の女が立っていた。リシェナだ。
彼女は太い右腕を振り下ろし、タンクトップからのぞく豊満な乳房を揺らしながらクワンの首に手刀を叩き込んだ。首はばっさりと千切られ、蜘蛛の頭が叢に転がった。
「あ……あ……」
「そやつも魔族じゃろ。首をもがれただけでは死なん。それと、うちはむごい殺しは好かんのじゃ」
リシェナは血を噴き出して倒れるクワンの身体を一瞥し、それからコツメカワウソの獣人に呼びかけた。
「お前さんはここで大人しく待っておれ。しばらくしたらラッドを連れてくるき」
その時、北千住の駅の向こうで爆発が起こり、それから重々しい鉄のきしみと悲鳴を聞いた。
そして、凄絶な魔力のぶつかり合いの気配が。
「……そうじゃったか。うちが戦わなきゃならんのは、あの男じゃったか」
向こうを振り向いたリシェナに、ポリメコフィアンナは血がついた口から牙を覗かせた。
「ふふ。イズヴァルトさんに勝てるとでも?」
「わからんき。じゃが、ここがうちとズルイルの死に場所になるかもしれん。」
リシェナは薄っすらと笑みを浮かべた。それから彼女は駆けだし、空高く跳躍した。彼女の目は黒煙をあげる北千住の駅を向いていた。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。