※この作品はR-18です。

聖騎士イズヴァルトの伝説 第六部 『戦旗編』   作:CHACOとJAGUAR

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41 北に向かう

 イズヴァルトと名乗る男に捕らえられた金目は、全壊した北千住の街に驚き、呆気にとられたものの、今も火の手が広がり燃え盛る駅の東側のロータリーで、友人の芳村と再会した。

 

 が、芳村は既に心が壊れ、泣き続けているだけだった。話しかけようにもまともに答えてくれない。心配そうに傍に寄り添っていたローランと言うゴール族の若い男が、代わりに駅の東側で何が起きていたのかを語ってくれた。

 

「そうか。『ドーテー』の村井が暴走しやがってみんな釣られたのか」

「『ドーテー』とはどういう意味でござるか?」

「女とヤッたことがないという意味合いだ。が、あいつは玄人や『聖餐(せいさん)の饗応者(きょうおうしゃ)』とはやれたけどな」

 

 だが、恋愛をしたことが無いということでまわりから馬鹿にされていた。デブで早漏で陰茎もみじめな大きさだから、それでおちょくられることも多々あった。その事でかなりうっ憤が溜まっていたはずだ。

 

 焼けこげた少女や若い女の死骸を見て金目は、村井がやったことだろうなと悟った。そう考えると何故か微笑んでしまう。あいつはきっちりとこの世への復讐を仕切ったというわけだ。

 

(本当は自分を馬鹿にした女全員を脅して心を満たせるまで犯してやりたいと思ってただろうが……まあ、罵られながらだろうしあいつじゃキレて殺しちまうだろう。)

 

 金目が昏い想像をして顔に深い影を浮かべているのを見ると、イズヴァルトはこの男はこれまで、悪事に手を出すほどすさんだ日々を送っていたのだろうと思った。

 

 

□ □ □ □ □

 

 

 彼は芳村と自分の経歴を語った。片や社会的地位と家庭に恵まれたボンボンで、自分はその逆だ。この歳まで独身。しかしそれなりに人生は楽しんでいた。

 

「女関係はこれでも恵まれている方さ。買春ばっかりだったけどな。付き合っていた女は全員がブスで頭がトロいから、ついつい手が出ちまって去られたけど」

 

 けどなけなしの金で買った女はいろいろいた。しかもタダでやらせてくれる女も。その中でも一番上等だった娘がこんなやつだったと、恥ずかし気も無く言った。

 

「10年ぐらい前だったな。埼玉の三郷のアパートに住んでいた頃、コウサカ=ミユキというお屋敷住まいのお嬢様にまとわりつかれて散々ハメ倒したよ。そいつ、小学6年だと聞いたんだが、もうすでに非処女で腰遣いが仕込まれていた」

 

 発情期の猿みたいにセックスをせがんで来るから、30回近くそいつの腹にしこたま放つようなセックスをやった。それを喜々と話すとイズヴァルトは嫌な顔をした。

 

(ふうん。ズルイル達が言うには10歳にならねえガキンチョともやってたと聞いたが、こんな善人ヅラをするヤツなのか? 気に食わねえな。)

 

 でもそういう嫌悪感は顔に出さない。感情を抑えた。イズヴァルトは彼が捕らえたサキュバスのことについて尋ねた。

 

「それで、ラプンツェルというサキュバスをどう捕らえたでござるか?」

「芳村のお仲間が知っている、魔封じの術というやつで捕縛したのさ。もう1人、こいつは普通の人間らしいが、とっても小柄なかわいい女を捕まえたな」

「サキュバスと同行でござるか。どんな女人でござる?」

「えーと、まあ、『時をかける少女』っていう古い映画の主演をやってた女優に似てるかな……けっこうな美人だがどうもやな気配を感じた。こいつはちょっとお相手したくねーな、ってな。まあその女は芳村の仲間が連れて行ったみたいだけどよ」

 

 そしてその仲間が所属している組織が、『カント教会』の職員だったことは後で聞いた。金目はそんなに興味を示さなかった。上者の別嬪である淫魔のラプンツェルとのセックスに溺れていたからだ。

 

 その後は教会に入り、管区長と呼ばれる人物と出会い、神聖魔法を教えてもらった。鹿角聖史という男だ。

 

 よくはわからないが目をかけてくれた。セックスを愉しみながら自分の身体に隠されていた力を呼び覚ます修行だけの日々だった。

 

「でも、俺が覚えたことはムダだった。何せちっぽけな自分がどう頑張っても、ちっぽけなままだってことが分かったからな」

「……人は実力相応の人生しか送れぬものでござるよ。貴殿はたまたま、夢を見ることができる術を得ただけに過ぎぬでござる」

「そうかい。じゃあ、俺はもうここで芳村とぼんやりすることに決めるよ。世の中に深い恨みがあるから強い力を得て復讐してやる、なんて気にはなれねえしな。そこのローランが良ければ、芳村と3人でつつがなくつまらん人生を過ごすだけさ」

 

 

□ □ □ □ □

 

 

 そして金目から『カント教会』の本当の場所を知った。ここから北にある三郷にあるらしい。駅前からだいぶ離れた北のほうにある。田畑ばかりの場所に場違いな広さの敷地を買って施設をつくったという。

 

 となれば態勢を立て直して攻撃、と行きたいところだが、ポリメコフィアンナに相談しなければならない。大規模な作戦となるだろう。

 

 イズヴァルトは彼女を探しだした。魔力探知で北北東の方にいるとわかった。荒川を臨む河川敷にいた。身体が半分千切れた姿と、頭が転がったクワン=ダッタと共にだ。

 

「ポリメコフィアンナどの! クワン=ダッタどの!」

 

 イズヴァルトは急ぎ彼女達に治癒魔法を施した。魔族なら身体がやられても思念体さえ無事なら取り返しがつく。

 

 2人の身体は元通りになった。クワン=ダッタが開いていた脚の下を見ると、いくつも卵があった。

 

「……これは?」

「ばれちゃったみたい。アナタの子よ?」

 

 卵が割れた。小さな蜘蛛たちが出て来て、母親の身体にまとわりつく。中には大きな乳房に小さな口をつけて、ちゅうちゅうと吸う者もいた。

 

 その内の1匹が複眼をイズヴァルトに向け、「おとーさん!」と呼びかけた。

 

「おかあさまを治してくれてありがとう!」

 

 子供蜘蛛達が次々に礼を述べる。魔族は産まれた時から意志と言語がはっきりとしているのだ。

 

 イズヴァルトは再び下半身が生えたコツメカワウソの獣人に目を向けた。彼女は恥ずかしそうに股を隠すと、イズヴァルトは自分のトレーナーを裂いて渡した。

 

「……北千住はどうなりました?」

「守れなかったでござるよ。たくさんの人たちが亡くなった」

 

 イズヴァルトは群がって来た子供達を肩にのせてあげながら、経緯を説明した。2人は嘆いた。ニンゲンの街に大きな被害をまた出してしまった。

 

「死んでいったかたがたの魂が、輪廻の理に導かれるのを恨む声をたくさん聞いたでござる……」

「その様な声が聞こえるのですか!」

「拙者は半分神様でござるからな……まったく嫌な力を得てしまったでござるよ。戦場がますます嫌になる」

「それでも、12年前に比べたらかわいいものですが……」

 

 ポリメコフィアンナが『大厄災』について触れた。世界各国の街とともに、1億以上の人々が消えた大災害だ。長く伸びる炎の剣によって焼き払われたそうだ。

 

「その後は中国で共産党政権が崩壊し、代わりの国家が生まれた時に数億もの人々がいなくなりましたよ。それについては未だ実像がつかめておりませんが」

「それもヘラが為したことでござろうか?」

「いえ。その前に大転移術式を使った形跡がございましたから、多分、カヅノ=セイジという男が絡んでいるのでしょう」

 

 カワウソの獣人はラッドが裏切り者であったこともイズヴァルトに教えた。『魔族殺しの短刀』を用いてポコリーヌを殺し、他の魔族2人も殺害したと告げた。

 

「イーガのアドルフが『興味本位』で鍛えたものらしいです。心当たりは?」

「……また、きゃつの影が拙者のすぐ近くにまとわりつくか!」

 

 イズヴァルトは拳を握りしめた。あの男には散々な目に遭った。何よりも愛しいマイヤを惨い姿にしたことだけは許せない。

 

 ある程度理解ができて少しは憎しみも和らいだが、やはり出来る事なら、生まれ変わった姿を討ち果たしてやりたかった。

 

「そのラッドも、見つけ次第討ち果たす所存。その前にいろいろと情報を引き出すつもりでござるが」

「では、本部に戻って態勢を立て直しましょう」

「いや、拙者1人で行く」

 

 討つべき敵は早く撃たねばならない。イズヴァルトは三郷に敵の本拠地があることをやっと告げた。

 

 可愛い我が子1匹ずつにキスを施して撫でてあげた後、クワン=ダッタに子供らを預けた。

 

「カヅノ=セイジが待ち構えているのなら、並みの魔族では到底太刀打ちできぬでござる」

 

 ポリメコフィアンナは仕方なくうなずいた。武闘派の魔族がいればイズヴァルトを助けられるだろうが、この日本にはいなかった。招集するにも2日3日余裕でかかる。その間に逃げられるという可能性もあるのだ。

 

「それでは、失礼いたす」

 

 イズヴァルトは2人と子供達に頭を下げて。北千住から三郷まですぐだろう。飛翔魔法でひとっ飛びで行けるはずだ。駆けだした後大きく跳躍し、強い風を起こしながら空に消えて行った。




次回もございますので、よろしくお願いいたします。

以下、イズヴァルトの伝説関連のリンクです。

ハーメルンにて掲載


聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・前半まとめ
https://h.syosetu.org/novel/427506/

聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・忠烈編
https://h.syosetu.org/novel/363415/

読み飽きた人向けの最終回
https://h.syosetu.org/novel/428929/

豚小屋
https://h.syosetu.org/novel/429382/

ひよこ芸術
https://h.syosetu.org/novel/429966/


アルファポリス版です。バックアップ兼保管用
(本編と外伝を分けての掲載です。)

☆本編
聖騎士イズヴァルトの伝説 〜無双の武と凶悪無比なデカチンを持つ英雄の一大叙事詩〜
https://www.alphapolis.co.jp/novel/872528745/934913837


☆外伝
前世の記憶を持つ神業尺八使いの狸系美少女の妹と、女帝サキュバスの祖先の才を受け継ぐ清楚ビッチな姉の2人で、搾精の王国を建てちゃいます☆
https://www.alphapolis.co.jp/novel/872528745/779914728

転生したらあたし、セックス教団の教主の養女でいつでもどこでもエッチがしたくなっちゃう、レベル999のビキニアーマーの美少女魔法戦士でした!
https://www.alphapolis.co.jp/novel/872528745/959004604


旧版のイズヴァルトの伝説です。ノクターンにて掲載
ストーリーの細かいところがかなり違っておりますが、大まかな筋はおんなじです。

エリクサーみたいに栄養満点の精液を放つ絶倫聖騎士は、転生美幼女淫魔にまとわりつかれておちんちんをチューチュー吸われる。(旧題・聖騎士イズヴァルトの伝説)
https://novel18.syosetu.com/n3094lt/
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