※この作品はR-18です。

聖騎士イズヴァルトの伝説 第六部 『戦旗編』   作:CHACOとJAGUAR

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08 漂着してきた聖伝

 金目というその中年男は気になってしまった。読書会というのはその教団の何という本を読んでいるのだ?

 

「あのサキュバスとやるのは明日にするから読ませろ」

「教団に入信したいのか?」

「単なる暇つぶしだ。きんたまがすっからかんになっちまったからな。貸せ」

 

 金目の親友が本棚から3冊の分厚い本を持ってきた。400ページぐらいある。そのうち1冊を開いて「うげっ!」と叫んでしまった。小さい字で二段構え。まるで聖書みたいだ。

 

「お前ら、こんなのがよく読めるな……なになに? 預言者は言いました。ゲルマニアの民よ、仮性包茎だからとしょげることはありません。ちゃんとめくって洗えば女達は口に入れてくれます……なんだこりゃ?」

「それ、預言者のゲルマニア巡礼のあたりだな?」

 

 エロ小説かよ。そう思いながら表紙を見た。『復活者の巡礼記』という題名だ。とある人物が刑死後に神に認められた不死の超越者となり、生き返ってから弟子の1人と妻とした人物とともに旅に出た折の日記だという。

 

 その旅とは、預言者が神に命じられ、生まれ育った土地以外で信じられている神に仕える者、信じる者達に、彼等が信じる神への信奉を深めることを説き、彼等の困りごとの相談にのって解決していくというものだったそうだ。

 

 預言者が連れて行った1人の弟子というのが、当の人物を裏切った不忠者とされた人物だ。金目もたまに使う裏切りの者の代名詞として有名だ。

 

 預言者の妻は娼婦をしていた従者であった。預言者は彼女に数名の子を産ませたとという。2人とも神に近い存在となった預言者の力で不老不死に近い存在になった、とその書物には書いてあった。

 

 しかしその預言者というのがいわくつきだ。他のページではその人物の名があからさまに記されていた。

 

「……おい、これはなんだ。教会に喧嘩売っているのか?」

 

 喧嘩というより冒涜だと金目は思った。預言者は妻とした女だけでなく、旅先で子を欲した女達と番い、子を為したと書いてあったのだ。神の子として認められた人物だから、たった一度の契りで子を為した。

 

 その行為の話も生々しく描かれていた。乳児の頃に割礼されて成長を阻むもの無く育ったそれを女達は陽根神のごとく大切に扱った。しかし預言者も女達1人1人が持つ秘神への拝礼を忘れていなかった。たっぷりと『清め』を為した後に交わったという。

 

「むしろ間違っているのは教会だと俺達は信じているよ」

 

 既存の宗教の教えこそを疑うべきだ、と金目の親友は言った。

 

「だいたいおかしいじゃないか。世界中にいろいろな神々がいるとされているのに、シナイ山の神だけを信じて他を否定しろ、だなんて道理にあわないだろ?」

 

 預言者は海を越えて世界中を回り、各地に住む人々に神との語り合い方を説きながら故郷に戻ったという。おおよそ700年近くの歳月をかけてだ。

 

 しかし彼は自分が最初に広めた教えというものが弟子たちによって曲解され、政治の道具として扱われてしまったことに深く傷ついてしまい、新たな預言者の出現を見届けてから魂を違う世界に旅立たせたという。

 

「その後の話というのが、お前が右ひじに敷いている『救世者の廻生記』という書に書かれている」

 

 その預言者がとある世界に転生し、史上最大の魔道の使い手として、そして自分が為し得なかった真の愛を説く宗教を立ち上げるまでの話となる。

 

「それがパラッツォ教……救世主が築く神がおわす宮殿の教え、という意味合いだ」

「わけがわからんが読んでみよう……ほとんどエロ話ばかりだな?」

「それこそがパラッツォ教とやらの説くものだ。男よ、女よ悦びあえ。その果てに汝らの父である神と語り合えるだろう。励め。そして殖やせ、だ」

 

 わけがわからない。金目は『救世者の廻生記』も読んでみたが書いていることが信じられない事ばかりであったので閉じてしまった。くどいぐらいに性的な箇所もあったからだ。最高の女体を貪る毎日を過ごしているから楽しめない。

 

 眼が冴えていたが寝る事にした。リビングの床に敷いたマットに横たわった。淫魔の矯声がうるさかったが眠ってしまう。1カ月も続いているので慣れっこだ。

 

 目が覚めるとラプンツェルが彼の股間に顔をつけ、口で起き上がっているものを美味しそうにしゃぶっていた。カーテンの隙間から光がこぼれている。もう朝か?

 

「んぐっ……昼前よ」

「ほかのやつらは?」

「みんな夜明けまで楽しませてくれた後に寝てしまったわ。精液をたっぷりくれそうなのはアナタしかいないの」

 

 それから舐り込みに来た。いつの間にか限界が来ていたらしい。口の中で放った。ラプンツェルは飲み込むとまだ硬いままのペニスにまたがって来て預けて来る。

 

 ひどくたわわな肢体のくせにやけに軽い身体だ。それから非力である。二房ある魅惑の脂肪の塊を押し付けて来たラプンツェルをがっちりと抱え込むと、彼女は動くことができなかった。

 

 魔法も使えないし外に出る事もできない。理由はこの家に仕掛けがあるからだ。結界という言葉を親友は言っていたがどこにつけているのかはわからない。大体、調べて見つけたのがこの女にばれたら、逃げ出してしまうだろう。楽しい毎日を捨てたくはなかった。

 

 拘束した格好で下から突き上げた。淫魔はみっともなくなった。半開きにして喘ぐ口からよだれを垂らしてしまう。栄養と魔力の供給源であり原始的な娯楽であるセックスが出来れば生きていける生き物。それがサキュバスだ。

 

 ただただ、金目は肉を貪った。長い髪から放たれる芳香に欲情をかきたたされながら、彼女の腹の中へ続けて3発ぶちまけて引きはがした。大股開きになって寝転がり、股から精液を垂らす女に呼びかけた。

 

「知ってたらでいいんだが……あいつらが読んでいる本に、パラッツォ教だのコージュ=ストーンマウントとかいう名前があったが、お前、知っているか?」

 

 ラプンツェルは知らない、と答えた。知っているがそう答えざるを得なかった。この世界の魔族の監督官として禁じられている事だからだ。

 

 金目のペニスはまだいきり立っていた。もう1回できるだろう。荒く息をするラプンツェルにのしかかった。夢中にさせてくれる肉と穴だ。

 

 

□ □ □ □ □

 

 

 北区の王子駅近くにある飛鳥山公園の歩道橋に差し掛かった時、助手席に座っていたポコリーヌが後部座席に呼びかけた。魔族の反応。この辺を歩いているよ。

 

「お知り合いでござらぬか?」

 

 膝の上にタブレットPCを置いてタップしていた彼女は登録外の魔族だと答えた。装置は魔力検知器でありデータベースを持つ魔界独自のものだ。

 

「渡航者としては登録外。密航組ですよ」

「で、ござるか?」

「歩道橋を渡って街中に入ろうとしているみたいです。その前に食い止めます」

 

 イズヴァルトの両隣にいた魔族の男達が懐から銃を取り出した。リボルバー式の短銃だ。街中で魔法は使えない。もし使えば、下級魔族のそれでも容易に火の海にするからである。

 

 ポコリーヌもバッグからナイフやピストルを出して上着のポケットに入れていた。彼女はスーツを着た日本人の女性に化けている。やや踵が高い靴が動き辛そうだとイズヴァルトは思った。

 

「イズヴァルトさん、掩護してください。身隠しの魔法をかけてから飛翔魔法を。歩道橋であいつを取り囲みます」

 

 車のドアが開いた。3人が印を切る。一瞬にして姿が消えた。視覚はあてにならなくなったが魔力の気配で彼等がどこにいるか把握できた。イズヴァルトも印を切った。

 

 姿消しの術を自身らにかけたポコリーヌらが外に出た。飛翔魔法で歩道橋に一息で上がった。紙袋を右手に下げた、薄汚い桃色のブレザーを羽織った貧相な顔立ちの日本人がいた。これが標的だ。標的以外誰も歩いていない。

 

「……?」

 

 相手は気配で察した。まずいのに取り囲まれたとつぶやいた。彼の背後を取っていたポコリーヌが拳銃を放つ。音消しの魔法で炸裂音は無かった。

 

「畜生! やっぱり監視官かッ!」

 

 そう叫びながら男は崩れ落ちた。ブレザーの背中に穴が空いていた。血が出ていないのはポコリーヌの拳銃の弾に殺傷力が無いからではなく、魔族の肉と皮膚が頑丈だからである。

 

 しかし彼は動けなくなった。弾には魔封じの力が込められていたからだ。変化の魔法が解けて本当の姿を表していた。シバイヌの獣人だ。毛並みはやけにぼさぼさとしていた。

 

 彼は姿消しの魔法を解除したポコリーヌ達に取り押さえられた。イズヴァルトがやって来て彼女の尋ねた。この獣人どのはどこのどなたでござろうか?

 

「下っ端魔族ですよ……シバイヌの獣人ってなるとあんた、西大陸の出身ね?」

「……そっちこそ。東大陸の狸かい。それとお二方は中央大陸の。遅れて来たのは魔族じゃねえな?」

「違う世界から来た天下無双の魔法戦士イズヴァルトさんよ。あんたの名前は?」

 

 モルフェット=デリグ=ピョッホヒロッフ。シバイヌの獣人はそう名乗った。

 

「え、えらく覚えにくい名前でござるな?」

「魔族の下っ端はこういう名前が多いのよ。名前や姓が妙に複雑なの。私たちは一応中級の魔族だから、わかりやすい名前をつけられた。中級組の底辺という程度だけどね」

 

 ポコリーヌと手を組んだ他の2人は、ラッドとメサドという名前であった。ニンゲン型の魔族である。動物の耳やしっぽはついていない。

 

「モルフェット、あんたがこの世界に密航してきた理由は何? これからどこへ行こうとしていたの?」

 

 尋問にモルフェットは渋々ながら返答した。密航の理由は単なる物見遊山だ。俺はある人物におつかいを頼まれて、人間どもが住むマンションに向かおうとしていた。

 

「……そうなの? じゃあこの紙袋はなに?」

「知らねえよ。中身は見せるなと依頼者に頼まれたからな」

 

 その依頼者だが、モルフェットもあまりよく存じてはいなかった。密航組魔族のコミュニティを通じ、モルフェットに依頼したのだ。王子の駅のコインロッカーのカギを渡され、その中に入っていたこの紙袋をとある人物の家まで運んで来い。

 

「それだけで3000円をくれるからな。アカバネ在住だからちょっとした小遣い稼ぎにいいかなと思ってな」

「ずいぶんと回りくどいお願いをされたものね。あんたはこの世界で何をやって暮しているの?」

 

 銃を突き付けて問いかけるポコリーヌにモルフェットは白状した。独身女性向けの売春夫さ。相手は中年かババアが多い。魔族は大体が絶倫で巨根だから日本人の好き者女達に人気だった。

 

 それとニンゲンに化けている時はちんぽを三割ぐらい大きくしている。感覚が鈍くなるのだが日本人女にはとても喜ばれるそうだ。

 

「とにかくでかくてかてえのが好きなんだよ、この街の女どもはさ。密航してからかれこれ5年だが、この国の女はかなりのドスケベばかりだぜ」

 

 買う様な女は、あそこがとにかくガバガバ。若い頃はセックス依存症という言い訳で自己弁明して、売春をしてきた様な連中ばかりだった。彼女達の間では『恋愛』は『商品』という価値観がまかり通っているらしい。金の亡者でもある。

 

 大抵の女達は街の一般的な男のペニスよりも大きなディルドで自慰をしてばかりで物足らないそうだ。特にこの街の男達には不満を持っている。誰もが魔界やイズヴァルトの世界のナニよりも、平均的に細くて使い込まれていない。大抵の男はこどもちんぽだと嘆くという。

 

「まあ、不細工ばかりでうんざりするけど、でも心を掴んじまえば首ったけになってくれる」

 

 若い頃は恋愛を高い金で売れた連中も、年老いてしまえばほとんどが売れなくなった。しかし『求められた』快感というやつが恋しくなる。輝いていた頃の楽しい思い出に浸る為にだ。

 

「とても荒んだ世界でござる……」

 

 こんなところにマイヤは住んでいるのかとイズヴァルトは嘆いた。この世界は魔界や各世界の神々の中でも、賛否両論なのよとポコリーヌは告げた。

 

「文化と技術は三ツ星だけど、それ以外は警告モノばかり……モルフェット、小遣いもたんまりいただいたんでしょ?」

 

 ポコリーヌがちくりと。ああそうさ、とモルフェットはほくそ笑んだ。

 

「そういう救われえ『色キチガイ』がごまんといるんだよ、トウキョウにはな!」

 

 その小遣いとやらがとんでもない額となった。赤羽に中古のマンションを買ったという。この街は金だけはある独身中年女がごまんといる。それでいて3000円ぽっちの小銭の為によくわからない人物からのおつかいを受けるのが解せなかった。

 

「へへ。信じられないって顔をしているな。けどあんたらもわかっているだろ。この街じゃどんなはした金でもかき集めたほうがいい。いろいろと金がかかるからな」

「でもその楽しい生活も今日でおしまいね。あんたはちゃんと本部に引き渡してやるから。1000年間は魔界から出られないことを覚悟しなさい?」

「ちぇっ。悲しいなあ。だったら最後に思い出を作ってくれないか?」

 

 とんでもなくドスケベな美人のニンゲンが仲間にいるって聞いている。シオリコ=オオスと言うそうだな。イズヴァルトは目を見開いた。そこまでの有名人だったのかとポコリーヌに尋ねた。

 

「ええ、まあ……『マイヤさん』は密航組には恐れられているけど、憧れられている、とも聞いたことがあります」

 

 『妖怪若作りババア』という仇名の通りである。いや、もはや人ではない何か。怪物だ。スケベに関しての。

 

「『マイヤさん』に会えるといいですね、イズヴァルトさん!」

「さようでござるが……やっぱり枯れきった毎日を送りたいのでござるよ。拙者はマイヤと余生を過ごすために、この世界に来たのでござるからな」

 

 若い姿となりをしているが、心はもう晩年の老人そのものである。マイヤも『妖怪』と言われているが、きっとそうだろう。

 

 しかしこの世界はとかく、魔的な快楽に満ちているようにも見える。チラと聞いた話だが、老人たちは若さを取り戻そうと肉体改造や薬に手を出しているのだとか。その目的なら想像がつく。性愛を楽しみたいからだ。枯れるという概念はどうも無さそうだ。

 

------おい、イズヴァルト。

 

 髭切からの声が。

 

------伏兵だ。来るぞ!

 

 イズヴァルトは防護結界の印を切った。直後、歩道橋は真っ赤な炎に包まれてコンクリートと鉄が幾度も破裂を起こした。

 

 結界の中にいたポコリーヌ達は無事だった。炎は彼等を避けて燃え盛っている。怯えるモルフェットをかばって抱え込む監督官がイズヴァルトに呼びかけた。

 

「イズヴァルトさん、何が?」

「見張られていたようでござるよ。多分でござるが……」

 

 この魔族にお遣いをさせた人物に、だろう。




以下、イズヴァルトの伝説関連のリンクです。

ハーメルンにて掲載


聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・前半まとめ
https://h.syosetu.org/novel/427506/

聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・忠烈編
https://h.syosetu.org/novel/363415/

読み飽きた人向けの最終回
https://h.syosetu.org/novel/428929/

豚小屋
https://h.syosetu.org/novel/429382/

ひよこ芸術
https://h.syosetu.org/novel/429966/


アルファポリス版です。バックアップ兼保管用
(本編と外伝を分けての掲載です。)

☆本編
聖騎士イズヴァルトの伝説 〜無双の武と凶悪無比なデカチンを持つ英雄の一大叙事詩〜
https://www.alphapolis.co.jp/novel/872528745/934913837


☆外伝
前世の記憶を持つ神業尺八使いの狸系美少女の妹と、女帝サキュバスの祖先の才を受け継ぐ清楚ビッチな姉の2人で、搾精の王国を建てちゃいます☆
https://www.alphapolis.co.jp/novel/872528745/779914728

転生したらあたし、セックス教団の教主の養女でいつでもどこでもエッチがしたくなっちゃう、レベル999のビキニアーマーの美少女魔法戦士でした!
https://www.alphapolis.co.jp/novel/872528745/959004604


旧版のイズヴァルトの伝説です。ノクターンにて掲載
ストーリーの細かいところがかなり違っておりますが、大まかな筋はおんなじです。

エリクサーみたいに栄養満点の精液を放つ絶倫聖騎士は、転生美幼女淫魔にまとわりつかれておちんちんをチューチュー吸われる。(旧題・聖騎士イズヴァルトの伝説)
https://novel18.syosetu.com/n3094lt/
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