★★★(桜井佐和)
今の夫の第二子を身籠った。
嬉しかった。また、愛する人の子供を授かったのだ。
第一子の新之助は、まだ1才になったばかり。
この子が生まれるまでに2才になるのかしら?
少し、頭の中で計算をした。
……ギリギリかもしれない。
2才差のきょうだい……
仲良くできるかしら?
私がそんなことを考えて、洗濯物を干していたら
「お~い佐和」
夫の声が。
ちょっと今は洗濯物が干し切れて無いし。
「すみませんあなた。少し待ってくださいませんか?」
そう夫に断って、私は作業を急いだ。
「すみませんあなた」
洗濯物を干し終えた私は、リビングに出る。
リビングで夫は待っていた。
テーブルの椅子に座りながら。
私は夫に遅れたことを詫び
いつもの通り……
着ていたTシャツを捲り上げ、胸とお腹を露出させた。
★★★(桜井進)
夫として、日々の変化は堪能しなきゃね。
孕ませた女って、おなかの変化はもちろんだけど。
乳房の変化も見逃せないから。
見たところ、乳首の色も乳房自体の大きさも、大した変化はまだ起きてない。
後で触ってみるけど、まあ、問題は無いだろう。
まあ、とりあえず。
まずは、佐和の腹を撫でる。
僕の子が育ってる腹を。
今はまったく膨らんでない。
まったくもって理想的な、無駄な肉もついていない綺麗な腹部。
でも、ここが膨らんでくるわけで……
そして、聞く。
「……ここに入ってるのは?」
「……あなたの子供、です」
佐和にそれを毎日言わせてる。
同じことを。
自分の子宮が今誰に使われているのか、それを自覚させるのがものすごく興奮する。
「僕の子供を育ててるんだ?」
「はい……」
言ってる佐和の方も興奮している。
続いて何を言わされるのか知っているからだ。
「なんでそうなったの?」
「……危険日に避妊無しでたっぷり中出ししていただいたからです……」
ここまで言わせて。
佐和の表情を見た。
佐和は笑っていた。
興奮しすぎて笑っている。
そんな顔。
僕の方もだいぶ興奮しているけどね。
続いて言わせることを考えると。
「僕は何?」
「私の夫……」
ここで一拍置く。
そして
「その前は?」
「む……息子」
ああ……佐和が自分の言葉で興奮している。
この塩梅だよなぁ。
調整かけて正解だった。
やはり開き直り過ぎても良く無いと思うのよ。
だから、この毎日のおなかチェックとおっぱいチェックのときは、従来の近親相姦の異常性について自覚がある程度戻ってくるように調整した。
無論、精神が破壊されない程度に。
なんかあまりにも「良妻として夫に尽くす幸せ」に浸られ過ぎても面白くないというか。
いや、それはそれで可愛いんだけど。
それだけじゃ物足りないというか。
続けた。
「まとめると?」
「わ……私は、む……息子の子供を、の……望んで妊娠しました……ッ!」
声の感じで、佐和が興奮してるのがよく伝わって来た。
うん。イイ感じだ。
「そんなことをしていいと思ってるの?」
「だって……! 私は息子のお嫁さんなんだもの!」
佐和の言葉は泣きそうになっていた。
僕は言った。
「うん、そうだね。……だからこれからも産むんだよ? いいよね佐和?」
「はい……」
そう言ったときの佐和の顔。
美しい獣の笑みと言って差し支え無かったと思う。
★★★(桜井佐和)
おえええええ!!
悪阻。
妊婦につきもの。
私は気持ち悪くなったのでトイレで吐いていた。
辛い。
でも、赤ちゃんを産むためなんだもの。
耐えなきゃ。
私はだいぶ膨らんできたおなかをさする。
無事に生まれて来てね。
そんなときだ。
夫が、私の背中をさすってくれた。
優しく。
あなた……!
私は夫の心遣いに感激してしまう。
★★★(桜井進)
悪阻っていいよね。
孕ませたって感じがする。
僕は佐和がトイレで吐いているたびに勃起していた。
まったく、毎度毎度何のご褒美なんだろうか。
そんなもん、労うしかないじゃないか。
悪阻で苦しむ佐和を介抱するのは、ある意味当然の成り行きと言えなくもない。
★★★(桜井佐和)
「双子の女の子ですね」
妊婦健診で、おなかの赤ちゃんの性別が分かった。
……女の子……。
進さんは男だったし、新之助も男の子。
私は男の子しか生んだことがなかったから、これは初めての経験だった。
……私、女の子の母親になるのね……
男の子と女の子。
子供は両方持った経験がある方が、親としてバランスが取れているのじゃないかという気がする。
……だから、嬉しかった。
で、双子か。
これは大変だ。
ひとりでもてんてこ舞いなところがあったのに、一度に二人もなんて。
これは絶対に夫に報告しなきゃ。
★★★(桜井進)
僕は高校を卒業し、大学生になっていた。
ちなみにかなりレベルの高い学校。
無論、催眠は使ってない。
……僕は元々頭良いんだよ。周りが馬鹿だからその事実に気づかなかっただけで。
まあ、いい学校を別に出て無くても、僕は生きていけるんだけど。
通帳に記載された振込金額が、合計で億を超えていることを確認し、僕はニンマリする。
沢山作った桜井家の奴隷人の振り込み、順調に進んでるなぁ。
そんなときだった。
「あなた、ちょっと良いですか?」
佐和だ。
何だろう?
「何? 佐和?」
佐和はマタニティウェア姿。ワンピースタイプだ。色は桃色。
良く似合ってる。
おなかの調子は上々。順調に育って、かなり大きい。
佐和は本当に嬉しそうに言ったんだ。
「おなかの赤ちゃんの性別と、あともうひとつが分かりました」
……ん?
ちょっと引っかかりを覚える僕。
「双子の女の子ですって! これで一気に三児の父ですよ! 進さん!」
「頑固な桜の木」
……途端に、佐和の目が虚ろになる。
笑顔のままで。
……いやね。
女の子って聞いた瞬間、ちょっと来るものがあったから。
女の子が生まれるのか……
多分、佐和に似た美人の子なんだろうけど……
んーと。
男の子ならまあ、愛の結晶、後継者。
うん。すんなり受け止められるね。
でも、女の子ならどうだろう?
成長したら多分佐和似の美女になるぞ?
それって後継者だろうか……?
どっちかって言うと、佐和のスペアじゃね?
だよね? 僕、間違ってないよね?
変なこと言ってないよね?
だったら……
「佐和、赤ちゃんというものは、男児は父親の後継者、女児は母親の後継者、つまり母親のスペア。これ一般常識ね?」
そう、インプット。
佐和はコクンと頷いた。
僕は手を叩く。催眠状態を解くために。
そして言った。
「分かった。頑張ってお前のスペアを2人育てような! 佐和!」
佐和は笑顔で頷き、こう答えた。
「はい! 頑張って育てましょうね! 私のスペアを!」
とてもいい笑顔だった。
★★★(桜井佐和)
とうとう、双子の赤ちゃんを産む日がやってきた。
陣痛がはじまり、私は全裸で分娩室に連れてこられた。
夫以外の人に裸を見られるのは恥ずかしいけど、仕方ない。
これが当たり前のことなんだもの。
前に新之助を産んだときは夫は学校で立ち会ってくれなかったけど。
今回は大学生になってくれたから、だいぶ余裕が出来て。
立ち会ってくれている。
ビデオカメラで撮影しながら。
痛い、苦しい。
出産回数を重ねる度、楽になる場合もあると聞いてるけど、それは本当なんだろうか?
でも、これは乗り越えないといけない壁。
「んああああああ!!」
声が出ちゃう。あまりにも苦しくて。
ああ、夫が私の股間を重点的に撮影してる。
赤ちゃんが出てくるところを撮影するつもりなのね。
記録してくれるんですね……
ありがとうございます……
「桜井さん! 赤ちゃんの頭が見えてきましたよ! 頑張って!」
助産師さんが励ましてくれる。
私は頷き、必死でいきんだ。
そして……
おぎゃああああああああ!!!
おぎゃあああああ!!
ふたつの産声。
私は双子を産み落とした。
「……佐和。よく頑張ったな」
ビデオ撮影を止めた夫が、進さんがそう、私を労ってくれた。
私は頷く。
あなたのためですもの。
「あなた……私のスペア2人、大事に育てましょうね」
そんな私の言葉に、進さんは「ああ」と言ってくれた。
嬉しい……!
我ながら最低過ぎる発想だと思った。<スペア
次回で最終回です。