※この作品はR-18です。

遊戯王 奴隷ヒロイン争奪ゲーム   作:レルクス

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第1話 裏路地から始まる異文化遭遇

 つまらない。と思う。

 

 ソリッドビジョンシステムの開発により、あらゆる娯楽を、スポーツを超えてその事業と影響力が拡大したデュエルモンスターズ。

 

 40枚で作ったデッキと15枚のエクストラデッキに『魂』を注ぎ込み、4000ポイントのライフを削りあうゲームは、技術の発展によって圧倒的な『現実』を得た。

 

 二次元にしか存在しない『モンスター』を現実に出現させるというビジュアル。

 そしてそこに、『マナ型』ではなく『権利型』のゲームデザインが組み合わさることで、たった1ターンで、たった1枚から、『芸術』を作り出すことができる。

 

 そんなデュエルモンスターズ……『しか盛り上がっていない』ということが。

 

 とても、つまらない。

 

「……なんだ。これ」

 

 ――はず、だった。

 

 短い黒髪に赤いメッシュが入った少年、六車械遊(むぐるまかいゆう)。

 

 十六歳の高校一年生で、今は学校の帰り道。

 

 食器用洗剤が切れていたことを思い出して、普段通らない裏路地を通った時。

 

 視界の端に映ったのは、一枚の『デュエルモンスターズのカードの裏面』だ。

 

 基本的に、現代においてデュエルモンスターズのカードを拾った場合、近くの交番に届けることになっている。

 

 現代において、デュエルモンスターズの立体映像デバイスである『デュエルディスク』のコア部分は、『クリエイトコーポレーション』という会社によってすべて作られている。

 

 このコアパーツには、装填されたデッキの情報をすべて記録する機能があり、近くの交番に道で拾ったカードを届けると、最後にどのディスクで使われたのかがわかるようになる。

 

 カードを手に入れた後、とりあえずディスクに読み込ませておくことが習慣になるよう教育されていることも多く、基本的にカードを交番に届けるとその所有者がわかるのだ。

 

 デュエルモンスターズの価値があまりにも高くなった結果、カードの盗難被害が多くなっているため、その被害を少なくするため搭載されている。

 

 それゆえに……『カードを拾う』という行動にためらいはない。

 

 そこに映っていたのは、械遊が想像だにしないもので……。

 

「確か、この辺りに反応があったな……おっ」

 

 思考は動いていたが体が動いていなかった械遊の傍に姿を現したのは、サングラスをかけたTシャツジーパンの男。

 

「デュエルディスクの反応……なるほど、カードを持ってるのはお前か」

「何の話だ」

「何の話? ……ああ、お前、『コアカード』を拾ったばかりの新人ってわけか。こりゃカモだぜ!」

 

 男がデュエルディスクを構えると、男と械遊の間を中心として、ドーム状のフィールドが形成される。

 

「こ、これ……『シークレット・ドーム』……バカな。それをするには許可が必要なはず……」

 

 シークレット・ドーム。

 その名の通りで、このドームの中でどんなデュエルが行われていたとしても、外部にはバレない。

 しかも……械遊がドームの壁を叩いても、ビクともしない。

 

「……脱出不可タイプ。おかしい。国家権力が絡んでないと、こんなものは……」

「ゴチャゴチャうるせえなぁ。良いから構えろよ。コアカードは『拾った瞬間』に所有権が発生するから、お前を倒さねえと手に入らねえんだ」

 

 男はデュエルディスクを展開している。

 

「……」

 

 械遊は訝し気な目線になるが……どうやら、この男が狙っているのは『コアカード』だけで、別に械遊に興味があるという訳ではないのだろう。

 

 ある意味、危険があるかないかと言われると、『どちらともいえないが、おそらくない』と言える程度の物。

 

「出られないなら仕方ないか」

 

 械遊はデュエルディスクを腕に着けて展開する。

 

「あ、拾ったカードはカードホルダーに入れておけよ。最近のデュエルディスクならあるだろ」

 

 デッキでもエクストラデッキでもないカードの格納部分。

 あまり使われない場所だが……械遊はそこに入れた。

 

「さあ、始めようぜ」

 

 お互いにカードをドロー。

 

「「デュエル!」」

 

 械遊 LP4000

 山中 LP4000

 

「先攻は譲ってやるぜ」

 

 先攻を譲ってくる山中だが、大体この手の場合はそちらの方が有利なデッキになっていることが多い。

 しかし、械遊の方もわざわざここで反対して後攻をもぎ取る必要もない。

 

 械遊は手札を見て、プレイを開始する。

 

「なら、俺のターンだ。手札から、『ブリキンギョ』を召喚! 効果で、手札から『グリーン・ガジェット』を特殊召喚だ」

 

 ブリキンギョ     ATK 800 ☆4

 グリーン・ガジェット ATK1400 ☆4

 

「ガジェット……」

「グリーン・ガジェットの効果で『レッド・ガジェット』を手札に加える。2体でオーバーレイ! 『ギアギガント X』をエクシーズ召喚だ!」

 

 ギアギガント X ATK2300 ★4

 

「効果で、エクシーズ素材を一つ使い、二体目のブリキンギョを手札に加える。カードを2枚セット。これでターンエンドだ」

「なるほど……俺のターン。ドロー!」

 

 山中。というらしい男がカードを引いた。

 

「俺は手札から、『エレキングコブラ』を召喚!」

 

 エレキングコブラ ATK1000 ☆4

 

「え、エレキ……」

「手札から魔法カード『二重召喚』を発動し、俺はもう一度通常召喚ができる。手札から『エレキリン』を通常召喚だ!」

 

 エレキリン ATK1300 ☆4

 

「ダイレクトアタックデッキってことか」

 

 エレキは『直接攻撃』と『2回攻撃』の要素があるが、基本的には『直接攻撃』だ。

 

「そうだ。が……クククッ」

「何がおかしい」

「俺は手札から魔法カード、『雷の招待状』を発動。自分フィールドに雷族モンスターが二体いる場合、デッキからレベル4以下のモンスターを特殊召喚できる!」

「なんだそのカード! き、聞いたことがない」

「ほんとにニュービーってわけかよ。クククッ、これで、俺はデッキからレベル4以下ならなんでも出せる」

 

 ディスクを操作し、一枚のカードを抜き取る。

 

「俺が特殊召喚するのはコイツだ。こいよ。『通電標本・薙切えりな』!」

 

 出現したのは、艶のある長い金髪、そして巨乳が特徴的な美少女だ。

 

 だが……その姿は想像を絶する。

 

 その体は下着すら身に着けていない完全な裸で、空中に固定された四つのリングによって、両手首と両足首を体がXの形になるように固定されている。

 

 その真っ白な肌には、いくつもの電流パッドが貼り付けられ、乳首とクリトリスはクリップで挟まれ、膣と尻には金属製の円柱が突き刺さっている。

 

 口はガムテープで止められており、声は響かない。

 

「な……なんだそのカードは!」

「ハハハッ、刺激が強すぎたようだな。みろ、この美貌とプロポーション。このコアカードを拾った俺はマジで勝ち組だぜ。ハハハッ!」

 

 通電標本・薙切えりな DEF2000 ☆3

 

 下級モンスター同士の戦闘なら十分耐えうるステータス。

 だが……それだけで、ここまで緩い条件の中から選ぶことはないだろう。

 

「通電標本の永続効果! 自分フィールドの雷族モンスターは、雷族モンスター1体につき、攻撃力が400ポイントアップする!」

 

 山中が宣言すると、えりなの体を拘束しているリングからコードが伸びて、エレキたちに接触。

 

 ビビビビビビビビビビビビビビッ!

 

「んんん~~~っ! んんんううううう~~~っ!」

 

 胸に、乳首に、腕に、腹に、背中に、足に、太ももに、クリに、膣に、尻に。

 

 ありとあらゆる性感帯に電流が流れだして、悲鳴を漏らす。

 

 ビクビクと体を痙攣させて悶え始めた。

 

 エレキングコブラ ATK1000→1800

 エレキリン    ATK1300→2100

 

「ハハハッ! いい声で鳴くよなぁ。まったく、『スレイブヒロイン』カードになってくれれば、『地下』でいたぶってやるのによぉ」

 

 楽しそうに笑うと、山中は宣言する。

 

「バトルフェイズだ! まずはエレキリンで、ダイレクトアタック!」

「手札から『工作列車シグナル・レッド』の効果発動! 攻撃宣言時、コイツを手札から特殊召喚して、攻撃先を移し替える! その戦闘では破壊されない!」

「何!?」

 

 工作列車シグナル・レッド DEF1300 ☆3

 

 エレキリンが電撃を放ってきたが、シグナル・レッドに衝突して止まった。

 

「チッ、ならエレキングコブラでダイレクトアタック!」

「それは受ける」

 

 械遊 LP4000→2200

 

「ククッ、こっちをシグナル・レッドで止めるべきだったんじゃねえか? 俺はエレキングコブラの効果発動! 相手に戦闘ダメージを与えたことで、デッキから『エレキ』モンスターを手札に加える。俺は『エレキハダマグロ』を手札に加えるぜ」

 

 手札に加えた後、そのままモンスターゾーンに。

 

「エレキハダマグロの効果! 自分モンスターが相手に戦闘ダメージを与えたダメージステップ終了時に特殊召喚できる!」

 

 エレキハダマグロ ATK800 ☆4

 

「さらに、雷族モンスターが増えたことで、攻撃力も大きくなる!」

 

 えりなを拘束するリングからコードが伸びて、エレキハダマグロに接触。

 

 バリバリバリバリバリバリバリッ!

 

「ごっ! うああっ! ああああああっ!」

 

 電流が強くなって悲鳴が大きくなるえりな。

 だが、拘束がとても強いのか、リングは全く動かない。

 

 エレキングコブラ ATK1800→2200

 エレキリン    ATK2100→2500

 エレキハダマグロ ATK 800→2000

 

「見ろ! この圧倒的な攻撃力! エレキハダマグロでダイレクトアタックだ!」

「デュエルディスクに表示されている『通電標本・薙切えりな』の攻撃力は1300だな」

「それがどうした!」

「直接攻撃宣言時、相手モンスターの攻撃力合計が8000以上だ! 罠カード『獣湧き肉躍り』を発動! 手札・墓地・デッキから、それぞれカード名が異なるモンスターを特殊召喚できる!」

「なんだと!?」

「墓地から『グリーン・ガジェット』を、手札から『レッド・ガジェット』を、デッキからはコイツだ。『Kozmo-ダークシミター』!」

 

 グリーン・ガジェット    ATK1400 ☆4

 レッド・ガジェット     ATK1300 ☆4

 Kozmo-ダークシミター ATK3000 ☆8

 

「だ、ダークシミター……そんなモンスターまで入ってるのか!」

「全モンスターの効果発動だ。グリーンの効果で2枚目のレッドを、レッドの効果でイエローを手札に加える。ダークシミターは特殊召喚に成功した場合、相手モンスター1体を対象にして破壊できる!」

「チッ、だが、『通電標本・薙切えりな』は、他に雷族モンスターがいれば、相手の攻撃と効果の対象にならない!」

「なら、エレキハダマグロを破壊だ!」

 

 ダークシミターから光線が放たれて、エレキハダマグロが爆弾する。

 

 エレキングコブラ ATK2200→1800

 エレキリン    ATK2500→2100

 

「あっ、がっ、ああっ……」

 

 電流が少し小さくなるが、それでも強いようで、えりなは虚ろな目で声を漏らす。

 

「チッ。俺はカードを2枚セット。ターンエンドだ!」

「俺のターン。ドロー」

 

 カードをドローして、『さて』と思う。

 

 械遊のフィールドのモンスターは5体。

 ここからいくらでも展開すれば、おのずと勝利は見える。

 

 が、ここで山中が動いた。

 

「舐めてんじゃねえ! 永続罠『標本破損の衝撃』を発動!」

「なんだそれは……」

「俺のフィールドに『通電標本』モンスターが存在する場合に発動。フィールドに可能な限り、『電極トークン』を特殊召喚する!」

 

 電極トークン DEF500 ☆2

 電極トークン DEF500 ☆2

 

「さらにその後、自分フィールドの雷族モンスター1体につき、効果が変わる。今回は4体だ。その効果により……相手フィールドのモンスター全ての効果を無効にして破壊する」

「何!?」

 

 フィールドに電極が二つ出現。

 

 それは、バチバチと放電しながら、えりなのこめかみに近づいていく。

 

「んっ!? うううう~~~っ!」

 

 しびれながらも頭を振って逃れようとするが、無駄な行為。

 

 こめかみに電極が接触し、リングからコードが出てきてそれらと接触。

 

 バヅッ―――!

 

 ひときわ強い電流がえりなの全身に流れ、リングから雷が放出されて械遊のフィールドを焼いていく。

 

 すべてのモンスターが破壊され、フィールドが更地になった。

 

「クソっ、こんな効果が……」

「はっはっはっ! ってか、ダークシミターの効果が発動しねえな。本当にあのカード用のびっくり箱ってわけか。無駄な構築しやがって」

 

 山中はゲラゲラ笑いながらそう言った。

 ただ、械遊が気になったのは……。

 

 エレキングコブラ ATK1000

 エレキリン    ATK1300

 

 エレキたちのステータスが元に戻っていることだ。

 

「ん? ああ……永続罠『標本破損の衝撃』の効果で、『通電標本』カードの効果が無効になるんだよ」

 

 そう説明する山中。

 

 今のえりなは……電流は流れていないが、その眼は閉じられ、ピクリとも動かない。

 胸が上下しており、気絶しているわけでもないが、完全に疲弊している。

 

「……そういうことか」

 

 分析しつつ、械遊はドローしたカードを見る。

 

「これは……そうか」

 

 すぐにプレイを始める。

 

「俺は手札から、2体目の『ブリキンギョ』を召喚。効果で、手札から『イエロー・ガジェット』を特殊召喚だ」

 

 ブリキンギョ     ATK 800 ☆4

 イエロー・ガジェット ATK1200 ☆4

 

「イエローの効果でデッキからグリーンを手札に。2体でオーバーレイ。『ギアギガント X』をエクシーズ召喚」

 

 ギアギガント X ATK2300 ★4

 

「効果発動。デッキからレベル4以下の機械族、『起動兵長コマンドリボルバー』を手札に加える。墓地に存在するレッドとイエローを対象として、コマンドリボルバーを特殊召喚。その後装備する」

 

 起動兵長コマンドリボルバー ATK0→2000 ☆4

 

「さらに、手札から『起動指令 ギア・チャージ』を発動。装備状態のレッドとイエローを特殊召喚だ。それぞれの効果で、2枚目のイエローと3枚目のグリーンを手札に加える」

 

 起動兵長コマンドリボルバー ATK2000→0

 レッド・ガジェット  ATK1300 ☆4

 イエロー・ガジェット ATK1200 ☆4

 

「手札がマジで減らねえな。で、そこからどうするんだ?」

 

 ニヤニヤと笑う山中。

 ランク4戦術を使える【ガジェット】が相手で、モンスターがここまで増えていることを考えれば、普通なら相当警戒するはずである。

 

 だが、その様子はない。

 もう一枚のリバースカードに相当の自信があるのだろう。

 

「俺は……コマンドリボルバーと、レッドとイエローの3体で、オーバーレイ!」

「何? ガジェットで3体要求とは珍しいじゃねえか」

 

 3体のモンスターが渦に飛び込んでいく。

 

「エクシーズ召喚、現れろ! ランク4『SH(スレイブヒロイン)・閃光アスナ』!」

 

 SH・閃光アスナ ATK2500 ★4

 

 出現したのは、血盟騎士団の制服を身に包み、レイピアを構える美少女。

 

「な……スレイブヒロインだと!」

 

 驚愕している山中。

 ただ、そこに悲壮感はなく、どこか『歓喜』の表情だ。

 そう、カモがネギまで背負っていた。といったもの。

 

「これは好都合だぜ! ニュービーがそれを出してくるなんて想像もしてなかった」

「喜んでいる場合か? アスナの特殊召喚に成功した場合、効果が発動。エクシーズ素材を1つ使い、相手フィールドの魔法、罠を1枚破壊する。これに対してチェーンはできない!」

「なっ……」

 

 セットカードが割られた。

 セットカードは罠カード『通電標本の事故』。

 

 自分フィールドの表側の『標本破損の衝撃』と自分フィールドの『通電標本』モンスター1体を破壊し、相手に2000ポイントのダメージを与えて、そのターンを強制終了させるカード。

 

「……なんてパワーカードだ……いや、そんなカードがゴロゴロあるから、このアスナにもチェーン不可のカード破壊効果が備わってるのか」

 

 疑問は尽きないが、考えても仕方がない。

 

「まあいい。バトルフェイズだ。俺はギアギガント Xで、エレキリンを攻撃!」

 

 パンチがさく裂して、エレキリンが吹き飛んだ。

 

 山中 LP4000→3000

 

「ぐっ……だが、アスナでエレキングコブラを攻撃しても、ダメージはたった1500だ! その倍は必要だぜ!」

「速攻魔法『フラッシング・ペネトレイター』を発動。自分フィールドの『SH』『SAO』エクシーズモンスターを対象にして発動できるカードだ。アスナは『SAO』カテゴリを効果外テキストで持っている。その効果で、アスナが相手に与える戦闘ダメージは倍になる」

「なんだと!?」

 

 アスナがレイピアを構えて突撃する。

 一瞬でエレキングコブラに肉薄し、レイピアで突く。

 

 その衝撃で、山中は吹き飛んでいった。

 

「ぐっ……うおおおおおっ!」

 

 山中 LP3000→0

 

 山中のライフがゼロになり。ディスクからブザーが鳴り響いた。

 

「……ふう。ん?」

 

 勝ったと思って安堵していると、山中のデュエルディスクからカードが一枚出てきて、械遊のところに飛んでくる。

 

「はっ?」

 

 カードが勝手に動いて飛んでくる、ということが理解できない。一体どういうエネルギー構造で飛んでいるのか……。

 

 手に取って確認すると、描かれているのは『通電標本・薙切えりな』のカードだ。

 

 だが次の瞬間、それらの情報はすべて失われる。

 

「え?」

 

 攻撃力と守備力が無記名になり、テキストとレベルは消えて、名前は『薙切えりなのコア』に変貌。

 

 そのイラストは、端的に言えば、『遠月学園の制服姿で、十字架に鎖で拘束された薙切えりな』といったもの。

 

 目は静かに閉じられている。

 

「アスナのカードも、拾ったときはこんな感じだったけど、そういうものなのか……」

 

 空を見上げると、シークレット・ドームは解除されている。

 山中を見ると、どうやら気絶しているようだ。

 

「……今のうちに帰るか」

 

 まだ立場が分からない。裏の関係がわからない。

 何がどうなっているのかわからない。

 

 ならばここは、相手の意識がないうちに、この場を離れるだけだ。

 

 

 ……ちなみに、食器用洗剤は買い忘れました。裏路地を通って店に近道しようとした結果がこれである。

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