スクランブル・アントネスト。
奪い合うアリの巣という名の地下空間だが、その実態は『超巨大なショッピングモール』といったところか。
圧倒的な量の電球が用意されているためかかなり明るく、ごちゃっとした部分も数多い。
スタジアムのような巨大なドーム状の空間もあるが、テナントが並ぶブースも数多く用意されている。
そして……ホテルの『地下』が『オーナーズエリア』であったように、アリの巣は全ての空間がオーナーズエリア。要するに、『スレイブヒロイン』の実体化が可能な場所のようだ。
そんな場所を、械遊は歩いていた。
後ろからは愛智が付き従うように歩いている。
「驚きました。まさか械遊様が手に入れたコアカードがスレイブヒロインになっているとは」
「……そんなに珍しいのか?」
「ええ、オーナーとなるデュエリストの方々は、下からノーマル、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナ、ブラックの六段階で分けられていますが、ゴールド以上……要するに上位3ランクになって、チラホラ持っている者がいる。ということがほとんどです」
一番上がブラックということもあって、一般的なクレカのランクにブロンズとシルバーを足したような形になっている。
というより、ゴールドランクがピンキリになりすぎて分けられたという方が正しいだろう。
「ほー……」
「加えて、スレイブヒロインを所持していると、かなり狙われます。よって、持っている方々も、負けたときのアンティ用にいくつか奴隷を抱えておき、普段は出さないことも多いのです」
「……俺みたいに、持ってるやつをただ出す奴はいないってわけか」
「まあそもそも真似できないというのが現状ですけどね」
そんなことを話しながらショッピングモールの中を歩く二人。
周囲を見ると、男性がスーツ女性を連れているというパターンばかりであり、どうやら『そういう組ませ方』が主流のようだ。
「それにしても……いろんなものがあるな」
普通のショッピングモールのように、飲食店やアパレル。ゲームセンターや本屋など、テナントによって様々だ。
「裏道に入ると、それ相応の商品も売られていますよ」
「そうか……ていうか、さっきからチラホラ値札見てるけど、単位の『アウェア』ってなんだ?」
「アリの巣で使われる独自通貨です」
「手に入れる方法は?」
「クリエイトディスクは、身に着けているオーナーからあるものを『回収』しています。その対価として支払われています」
「あるもの?」
「まあ、地下でアレコレしたり、コアカードを使ってデュエルしているときに生み出されるものですよ」
「欲望……いや、そこから『漏れ出た』エネルギーか」
「その通り」
この界隈におけるルールブックのようなものは存在する。
控室やハイヤーの中にもあったのである程度確認したところ、械遊が見た限り、『実力』と『欲望』と『想像力』があるデュエリストが我を通すことに対し、アリの巣はかなり前向きな姿勢を見せている。
山中のケースのように、上のランクになれば、下のランクのものからコアカードを奪いやすいシステムが存在するように。
相手が持つコアカードが欲しいという『欲望』を肯定する。
相手の欲望から自分のコアカードを守るためには、『返り討ちにする』しかない。
そのような形だ。
ありとあらゆるものは、『想像力』によって頭で思い描かれ、『欲望』によってそれを現実にしたいと願い、『実力』によってそれが現実になる。
この中で一番重要なのが『欲望』である。
そのため、実力があればコアカードが奪われることはないが、その代わり『上』にはなれず、常にコアカードを欲する欲深い者から追われることになる。
「『想像力』と『欲望』と『実力』によって、この世界に『新しい物』がうまれる。『欲望』を優先して、エネルギーを回収までしようってことは……この争奪ゲームの主催者は、『欲望』が足りないが、必要な立場ってことか?」
「あまり踏み込まないほうがよろしいかと」
「踏み込もうとするのも欲望だろ?」
「確かに」
いい笑みになる愛智。
「とはいえ、械遊様が活躍すれば、補佐をする私の立場が社内で上がるので、私からしっかりしたサービスを受けたいと思う場合は、いろいろな視点で『自覚』したほうがいいかと」
弁える。ではなく、『自覚』という言葉を使う愛智。
それに対して械遊の頬がピクリと動いたが……。
「自覚……なるほど、通貨の意味はそういう……んっ?」
突如、械遊の前に、『クリエイトドームの壁』ができた。
「これは……!」
反対側を見ると、ニヤニヤした表情をした白衣の男が械遊に近づいていた。
「……お前が六車械遊だな?」
「……そういうのは、ドームを使う前に確認するべきじゃないか?」
「はっはっは! ドームは張ったやつがいつでも解除できるから心配ねえよ」
「そっか。自分で使ったことはなかったからわからなかったよ。確かに、俺が六車械遊だ」
「ククッ……デュエルだ!」
男がデュエルディスクを構える。
「……こんな人の多い場所で、よくもまぁ」
「安心しろ。ディスクを持ってるやつらは中を見れるが入ってはこれねえ。邪魔はねえさ」
「それ、ドームを使ったやつ以下のランクの場合だろ」
「俺のランクはシルバーだ。こんなショッピングモールに、ゴールド以上はなかなかこねえよ」
「そうか」
械遊はデュエルディスクを構える。
「愛智。一応聞いておくが、このデュエルで俺が『出さずに負けた』ら、どうなる?」
「2枚とられますね。シルバーランクは、械遊様の『2ランク上』ですから」
「……そうか」
2ランク上なら、2枚とられる。
山中の時は『1枚』と言っていたが、あれは山中のランクが『ブロンズ』だったということだろう。
ノーマルである械遊よりも一つ上がブロンズなので、その山中を相手に『出さずに負けた』ら、1枚とられるということらしい。
「俺は
「始めよう」
お互いにデュエルディスクを展開し、5枚ドロー。
「「デュエル!」」
械遊 LP4000
明彦 LP4000
「先攻は譲ってやる」
「……ルールブックに書かれてなかったんだが、ランクが上の奴が先攻後攻を決めるのか?」
「そういうことだ。さっさと始めろよ」
「そうか」
械遊は手札を見る。
「俺は手札から『シルバー・ガジェット』を召喚して、『ゴールド・ガジェット』と『グリーン・ガジェット』を続けて特殊召喚だ。レッドを手札に加える」
シルバー・ガジェット ATK1500 ☆4
ゴールド・ガジェット ATK1700 ☆4
グリーン・ガジェット ATK1400 ☆4
「流れるような展開。で、アスナを出してさらにってところか。いや、先攻ならギアギガント Xも……」
「どちらもハズレだ。手札からフィールド魔法、『カーストルーム』を発動」
「何? フィールド魔法?」
「そうだ。そして……オーバーレイ!」
三体のガジェットが光の玉になって宙に浮く。
そして……三つの渦にそれぞれ飛び込んだ。
「何!?」
「エクシーズ召喚、現れろ、『SH・堀北鈴音』『SH・櫛田桔梗』『SH・一ノ瀬帆波』!」
SH・堀北鈴音 ATK2000 ★4
SH・櫛田桔梗 ATK2000 ★4
SH・一ノ瀬帆波 ATK2000 ★4
ちなみに装備だが、堀北はスコーピオンを構えて、櫛田はシューターのキューブを出しており、帆波はアイビスを構えている。
全員の攻撃力が同じになっているのがちょっと納得いかないトリガー構成だが、まあ、こういうものなのだろう。深く追求しても意味はない。
「なっ……そ、そいつら、つい三十分前に手に入れたばかりだろ! 一体どうなってやがる!」
「あわてるな。冷静に考えてくれ。俺に勝てば、こいつらが手に入る。いいな?」
半ば諭すように声をかける械遊。
いろいろ思うところはある様子の明彦だが、冷静に考えて『そうだ』と判断し、そしてニヤリと笑みを浮かべた。
「なるほど、確かにそうだ! クククッ……」
「説明をすれば、フィールド魔法『カーストルーム』の効果により、レベル4の2体素材で出せる『よう実』エクシーズモンスターを出す場合、レベル4の1体で出せるようになる」
「なるほど、それで、ガジェット3体でそいつらが出てきたってわけか」
「そうだ。そして……カーストルーム第2の効果により、自分フィールドに『よう実』エクシーズモンスターがエクシーズ召喚された場合、デッキからカード1枚ドローできる。ターン1はないが、どちらの効果も、同じ名称のモンスターには適用できない」
械遊はカードを3枚ドロー。
これで手札は4枚だ。なかなかふざけた効果である。
「俺はカードを2枚セット。ターンエンドだ」
「ハッ! 所詮、並んだのは攻撃力2000のモンスター3体だ。蹴散らしてやる! 俺のターン。ドロー!」
明彦が勢いよくカードをドロー。
「俺は手札から、『デューテリオン』を捨てて効果発動。デッキからボンディング魔法、『ボンディング-D2O』を手札に加える」
「ボンディング……【ウォーター・ドラゴン】か」
「その通り。だが、ここから面白いものを見せてやる。俺は手札の『ボンディング-H2O』を見せることをコストに、手札からこいつを特殊召喚。『培養水槽・エスデス』!」
出現したのは、直径1メートル、長さ3メートルほどの円柱水槽だ。
その中には、銀髪巨乳美人のエスデスが、裸で、大きく万歳をするように腕を上げられた状態でつられている。
手首を足首にはそれぞれ枷が嵌められ、そこから延びた鎖が水槽の天井と底に繋がっており、腕と足はそれぞれ少し開いた状態だ。
培養水槽・エスデス DEF2500 ☆5
「エスデス」
「そうだ! 見ろよこの美貌とプロポーション。そして強気の表情! まさに拷問でボロボロにされるために生まれたような女さ!」
「……」
少し納得できていない様子の械遊だが、他人のカードと解釈にアレコレ言ってもしかたがない。
「エスデスの効果発動。特殊召喚に成功した場合、デッキ・手札から『オキシゲドン』と『ハイドロゲドン』を3枚ずつ墓地に送り、デッキから『ウォーター・ドラゴン』を1体装備する」
「なにぃ……」
フィールドに『ウォーター・ドラゴン』が出現し、それがただの水になると、円柱の下部に入り込む。
すると、円柱の底が開いて、大型の『浣腸機』が出てきた。
なお、液体の色はピンク色になっており、完全に『ウォーター・ドラゴンの原液』ではない。
「くっ……」
エスデスの尻に浣腸機が突き刺さり、そのまま中身が入り込んでいく。
「かっ、あっ、ぐううっ……」
お腹が膨らまない。
目的がそちらではないのだ。
エスデスの体から急激に汗が流れ、股間からは汁がダラダラと流れ始めた。
「ハハハッ! これでエスデスは、ウォーター・ドラゴンを完全に装備した状態だ。そして魔法カード『ウォーター・ショック』を発動! 『ウォーター・ドラゴン』が装備カードになっている場合、それを破壊するとともに、デッキから『デューテリオン』を任意の枚数墓地に送る!」
「!」
円柱の下部から大量の通電パッドやクリップが出現。
拘束されて動けないエスデスの体の性感帯にあちこち張り付いていく。
そして……
バチバチバチバチバチバチバチバチバチバチッ!
「があああああああああああっ! ぐっ、ぎいいいっ!」
一切の遠慮がない電流が流れ、エスデスの体が痙攣する。
それと同時に、股間からは汁がドバドバ溢れ、汗も急激に流れる。
「ハハハッ! 体内のウォーター・ドラゴンをすべて出し切るまで電流は続くぞ! はっはっは!」
明彦は楽しそうだ。
その間にもエスデスへの電流は続き。その体から液体があふれてくる。
「ぐうううううっ、がっ、ああああああっ! ……かふっ」
電流が収まり、あふれた汁が円柱の底の穴から流れていった。
「ククッ、俺は『デューテリオン』を2枚デッキから墓地に送る。そして破壊されたウォーター・ドラゴンの効果発動。墓地から『ハイドロゲドン』2体と『オキシゲドン』1体を特殊召喚!」
ハイドロゲドン ATK1600 ☆4
ハイドロゲドン ATK1600 ☆4
オキシゲドン ATK1800 ☆4
「そして現れろ。水を司るサーキット!」
上空にサーキットが出現する。
「召喚条件は、『ハイドロゲドン』または『オキシゲドン』または『デューテリオン』で、合計3体! 俺はハイドロゲドン2体とオキシゲドン1体をリンクマーカーにセット!」
サーキットの構築が完了。
「リンク召喚! リンク3『重水王テンタクル』!」
重水王テンタクル ATK0 LINK3
出現したのは、一見すれば、単なる球体。
しかし、そこにはウネウネとした触手がびっしりと生えている。
「リンク3で攻撃力0……」
厄介なことしかしないと言っているようなステータスだ。
「重水王テンタクルの効果発動。自分フィールドの培養水槽モンスターに装備する! 俺はエスデスに装備だ!」
宣言すると、水槽の下部にテンタクルが飛び込んで、水槽の中へ。
その体はどんどん大きくなる。
特に一部は特徴的なものに変貌していく。
二本の長い棒になった部分は、びっしりとイボイボが生えそろっている。
そして、クリ責めように、微細な触手が並んだものもある。
胸を覆いつくすようにカップ状になったものもあり、内側には乳首を責めるための微細な触手部分もある。
もちろん、性感帯を責める以外の部分も、まるで触手が生えそろったマントのようになっている。
おおよそ、『触手』で『全身』を責める際の、フルセットと言ったものだ。
それが、エスデスの体に迫る。
「くっ……」
膣と尻に、長くイボイボがびっしり生えたものが挿入され……。
「ぐっ、あっ……」
胸を覆われ、乳首とクリが微細なキャップに覆われる。
「いいっ、ぐっ」
そして、エスデスの全身に、触手のマントが巻き付いていく。
「ああああっ!」
ぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃっ!
「あああああああああ~~~~~っ!」
重水王テンタクルが高速で蠢き、全ての性感帯を余すことなく責められ、エスデスはついに『悲鳴』を漏らした。
「ははははははっ! やっぱいい声で鳴くじゃねえか。ククク……お前たちも俺のものにしたら、こんなふうに触手責めにしてやるよ!」
堀北たちを見て下衆な笑みを浮かべる明彦。
「重水王テンタクルが装備カードになっている場合、墓地に『オキシゲドン』『ハイドロゲドン』『デューテリオン』が3枚ずつ存在すれば、俺は『ボンディング』魔法、罠を使う際に、コストが不要になる!」
「ボンディングのコストが不要だと……」
「どうだ! これがこのデッキの最強盤面。出せれば強いウォーター・ドラゴンが、ボンディングを使えばコストなしだ! 手札から『ボンディング-D2O』を発動。デッキから出てこい。『ウォーター・ドラゴン・クラスター』!」
ウォーター・ドラゴン・クラスター ATK2800 ☆10
現れるウォーター・ドラゴンデッキで一番の大型モンスター。
「クラスターの効果発動。相手の効果モンスターはターン終了時まで、攻撃力が0になり。効果を発動できない!」
ウォーター・ドラゴン・クラスターの体から高波が発生し、堀北たちに向かう。
SH・堀北鈴音 ATK2000→0
SH・櫛田桔梗 ATK2000→0
SH・一ノ瀬帆波 ATK2000→0
一気に攻撃力が0になったが、械遊の表情は変わらない。
「ほう、全員の攻撃力が0になっても表情一つ変えねえとは。何を仕込んでるのか見せてもらおうか! バトルフェイズ! ウォーター・ドラゴン・クラスターで、堀北鈴音に攻撃!」
「罠カード『重力解除』を発動。全てのモンスターの表示形式を変更する」
培養水槽・エスデス DEF2500→ATK0
ウォーター・ドラゴン・クラスター ATK2800→DEF2600
SH・堀北鈴音 ATK0→DEF2000
SH・櫛田桔梗 ATK0→DEF2000
SH・一ノ瀬帆波 ATK0→DEF2000
「チッ、だが、クラスターの効果発動! リリースすることで、デッキから『ウォーター・ドラゴン』を2体。守備表示で特殊召喚できる!」
ウォーター・ドラゴン DEF2600 ☆8
ウォーター・ドラゴン DEF2600 ☆8
「そしてエスデスの効果により、自分フィールドのウォーター・ドラゴンは、全て攻撃表示になる!」
ウォーター・ドラゴン DEF2600→ATK2800
ウォーター・ドラゴン DEF2600→ATK2800
「やれ! ウォーター・ドラゴン! 堀北鈴音と櫛田桔梗を破壊だ!」
「残念だが、帆波がいる場合、俺の『よう実』エクシーズモンスターは戦闘では破壊されない」
「なっ……」
水のブレスを放ってきたが、それぞれ回避。
クラスターの効果で堀北たちは効果を発動できないが、戦闘で破壊されない効果は永続効果のため適用される。
「……チッ、上手くいかねえ。俺はカードを1枚セット。ターンエンドだ!」
イライラしながらターンを終了する明彦。
なお、このタイミングで、堀北たちの攻撃力は元に戻る。
「……」
械遊はエスデスをチラッと見る。
端的に言って……もう、反応する体力もないらしい。
「俺のターン。ドロー」
械遊はカードをドロー。
「……なあ、愛智」
「なんでしょう」
「オーナーランクと強さは基本的に比例するのか?」
端的な質問だ。
「おい、そりゃどういう意味だ!」
明彦が吼える。
械遊の言葉の意味を明確に理解したからだ。
「すごく……その、プレイングに殺意が足らない。俺から何が何でも奪おうっていう気が感じられない」
「なんだと?」
「『重力解除』一枚でほとんどどうにかできたっていうのがな。確かにウォーター・ドラゴン系統は出すのに苦労するモンスターたちで、それらの召喚コストを打ち消すのは画期的だが……アリの巣って、ウォーター・ドラゴンたちで特攻を仕掛けたからって、リソースがしっかり残ってる相手から勝ちをもぎ取れるような場所じゃないだろ」
「要するに?」
「探せば、ハイドロゲドンやオキシゲドンを強化するカードもあるはず。それらを絡ませながらプレイを進めて、敵のリソースがなくなってきたらウォーター・ドラゴン連打で倒すっていう……そっちの方が良いと思うんだが?」
「ふむ」
「ウォーター・ドラゴンに特化するにしても、『ボンディング』を連打できる方が強いだろ」
「フフッ。それに関してはいずれわかるかと。ただ、アリの巣の歴史は長く、部分的には『原則に合わないこと』もあります」
「そうか……」
確かに、ウォーター・ドラゴンが弱いモンスターだとは械遊も思わない。
だが、アリの巣というのは、それだけでどうにかできるものではない。
先ほどスタジアムで戦った『バーバリアン』がそうだが、攻撃力3000オーバーがいくらでも出てくる。
それに対して、攻撃力2800を連打するというのは、足りない。
クラスターが持つ相手モンスター攻撃力0の効果を加味しても、まだ足りない。
サポートカードは本人の欲望によって新しく作られ、場合によってはデュエル中のデッキに直接入り込んでくる。この仕様を考慮すれば、本当の意味で、『サポートカードの強さ』は『デュエリスト本人の欲望』に左右される。
そんな仕様があるデュエルの中で『攻めきれない』というのは、『欲望がその程度』ということだ。
械遊は溜息をつく。
「何ため息ついてんだクソガキ! 言っておくが、エスデスは攻撃力0で攻撃表示だが、ウォーター・ドラゴンかクラスターがいれば、攻撃と効果の対象にならねえ!」
「『サイクロン』と『スキルドレイン』。エスデスを対象に『ミスト・ボディ』だ。堀北と櫛田を攻撃表示にして攻撃」
「なっ、はっ……えっ? うおおおおおっ!」
明彦 LP4000→2000→0
明彦のライフが一瞬で消し飛び、衝撃で後ろに吹き飛んでいく。
エスデスのコアカードが械遊のところに来たので、手に取って格納スペースに入れる。
「ま、貰っていくよ。それじゃ」
明彦に背を向けて、械遊は去っていった。
★
アリの巣を後にして、ハイヤーで『666番ホテル』の地下に戻ってきた械遊。
その十数分後。
革張りのベッドに革のベルトで縫い付けられた裸のアスナの膣に、エスデスの指が入り込んで、ぐじゅぐじゅにかき回されていた。
「い、いっく! いぐっ、あああ!」
「……はぁ、本当に聞きたいのはこういう声ではないんだが、仕方がない」
革のベルトは細く、アスナの裸体の大部分は露出している。
スタイルがよく、胸は大きすぎることも小さすぎることもない万人受けするものだ。
だが、『大』の形になるように拘束され、大きく足を開き、閉じることはできない状態で一方的に攻められれば、アスナも『ただの女』である。
「さてと、次はこれだ」
指を抜いて、近くにあったイボイボだらけのバイブを手に取ると、ジュブブブッ! と遠慮なく膣に沈めていく。
「んんっ!」
「カメラで録画して、あとでオカズにでもするつもりか。現状、スレイブヒロインは六人。そして私が確定で『責め役』と……ふむ、なかなかわかっている」
口ではいろいろ言いながらも、奥まで挿入したバイブをねじって、アスナの体に快楽を刻んでいく。
「い、いく、ダメ、あっ!」
少し抜いて、ずんっ! とポルチオを叩く。
ビクっと震えるアスナだが、当然、逃げることは叶わない。
「……まあ、オーナーの思惑はいいか。私はとりあえず、責め役に徹するとしよう。ほら、もっと暴れろ」
媚薬と精力剤が混ざった液体を強引に飲ませ、反応をよくさせる。
……しばらく、バイブ責めで暴れるアスナの悲鳴が響いていた。