※この作品はR-18です。

アイマスのアイドルが童貞をもらってくれるシリーズ   作:ふりーじ屋/家庭内禁書

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森久保乃々さん(経験あり)、ムラムラして勢いでPを筆おろししてあげる

(もりくぼは……私は、徹夜というものをしたことがないのです。やってしまうと、テンションがおかしくなるのでしょうか)

 

 某月某日の早朝、とある芸能プロダクションのデスク下に座り込みながら、14歳の少女・森久保乃々は心の中でぼやいた。

 

 

 

 

 乃々はその芸能プロダクションにアイドルとして所属している。

 彼女は小さい頃から引っ込み思案で、ほのぼのとした絵本や少女漫画や詩歌を愛し、学校で一番好きな活動は小動物の世話で、つまり自分からアイドルを志望する人間ではなかったが、いくつかの偶然とひとつの願望が重なって、彼女はアイドル活動に身を投じた。

 乃々は、彼女の担当プロデューサーが――実際はプロデューサーに加えてマネージャーやディレクター職にも足を突っ込んでいたが――誕生日を迎えるとの情報を得ていて、なにかお祝いでもしようと考えていたが、その日の前後は非常に多忙な時期でゆっくりとした時間は取れそうもない……と、事務所の(数少ない)親しい同僚に密かに愚痴をこぼした。

 赤いリボンがトレードマークの同僚は「アプローチするなら、ちゃんとしたお祝いは後日に回すとしても、当日にお祝いを言って伏線を張ったほうがよいでしょう。当日、まゆなら朝駆けします。物事でいちばん印象に残るのは最初と最後です。まゆたちは門限があって夜に動けないので、狙うとすれば朝一番が……」と、乃々が期待した数倍以上の助言をくれた。

 

(もりくぼは……まゆさんほど、自分のプロデューサーにぐいぐい迫ろうとは思ってませんけど……私のガラじゃないですし)

 

 乃々は神奈川の実家から、人影もまばらな早朝電車に乗って、東京の事務所までやってきた。セキュリティ関係は『同僚』のありがたい助言を元に話を通しておいたので、定時外でもゲートをくぐることができ、そのまま担当プロデューサーのデスク天板下のスペースにもぐり込んだ。

 デスク天板下は狭苦しく、身長150センチ程度と小柄な乃々でも座ったまま背筋を伸ばすと頭が天板裏にこすれてしまうほどの空間ではあるが、彼女は最初からそこでプロデューサーを待つつもりだった。彼女にとってプロデューサーを待つための場所は基本的にデスク下だった。そこなら数時間は苦もなくじっとしていられた。

 

(プロデューサーさん、こんな朝から出社しているのか、それとも徹夜でしょうか……?)

 

 乃々は、プロデューサーのデスクに入り込む直前、デスク横に彼のかばんが置いてあるのを見つめて、安堵と心配が同時に浮かんだ。これが忘れ物でもない限り、プロデューサーがいまそばにいると期待できて、二人きりですぐに会えそうだったことが嬉しかった。こんな早朝まで仕事をしなければならないほど仕事が詰まっているらしいことが気遣わしかった。

 乃々がデスク下にもぐり込んで間もなく、プロデューサーの足音が聞こえた。足をふり出すストロークのリズムと、革靴のかかとをフロアへこすり気味にする響きを、乃々はなんなく判断できた。レジ袋がかさかさ鳴る響きも混じっていて、コンビニかどこかで買い物をしてきたらしかった。

 

「ハッピーバースデー・トゥーミー、はははっ……はぁ。誕生日だけど、仕事ばかりでいいのかね、俺」

 

 プロデューサーはそのままデスクチェアにどっかりと腰を下ろした。乃々はちょっと驚いた。ふだんのプロデューサーは、乃々がデスク下に潜り込んでいないか確認してから座るので、もう少しゆったりと座る。

 なにかビニールを破く音とともに、プロデューサーのぼやきが乃々に聞こえる。

 

「童貞のまま、またひとつ齢をとってしまった……」

 

 

 

「いま、プロデューサーさん、童貞って言いましたか……?」

 

 

 

 

 プロデューサーが、はからずも乃々に向かって童貞を告白した30分後、二人は事務所の仮眠室にこっそりと入り込んだ。

 

「よ、よろしくお願いいたします」

「そんなに神妙にならなくてもいいんですけど……」

 

 プロデューサーは、狭いベッドの上で正座して乃々に頭を下げたので、乃々は一瞬だけ土下座されている錯覚に陥った。

 

「早起きは三文の徳、でしょうか……朝早いおかげで、ゆっくりプロデューサーさんの面倒を見られそうです」

 

 乃々の目には、徹夜明けのプロデューサーにこびりついていた疲労の色が、シャワーを浴びて少し洗い落とされたように見えた。

 

 

 

 30分前。プロデューサーが童貞を暴露した直後。

 彼はひたすら狼狽し、乃々はそれを生暖かい目で見守っていた。

 

『ど、ど、童貞ちゃうわ!?』

『いいえ、どうてい、って聞こえました。文脈からして、ちぇりーぼーいの童貞以外ありえないんですけど……お誕生日を朝一番にお祝いしにきて、まさか童貞を告白されるとは、夢にも思いませんでした……』

『だ、だから童貞じゃ――』

『もりくぼ、プロデューサーさんにわがままは何度も言いましたが、嘘は一度もついたことがないはずです……』

 

 乃々にとってプロデューサーは、アイドル活動の道を描いて、そこに乃々を脅しつけたりなだめすかしたりして引きずり込む強引な大人の象徴だった。それでいて何くれとなく世話を焼いてくれたり、友達を作るきっかけを与えてくれたりする甲斐性に甘えて、乃々はつい引きずられにいってしまう……という自覚もあった。

 

『……童貞、なんですね?』

『はい』

『女の子のおっぱい、触ったことが?』

『……ありません』

 

 誕生日の早朝に乃々の前でうちしおれるプロデューサーには、強引さも甲斐性もなかった。

 

『プロデューサーさん。童貞のまま齢をとってしまった、ってお嘆きのようですけど……』

『忘れなさい、忘れてくれ、乃々』

『……このやり取り、そのまま事務所に報告しましょうか……?』

『そ、それだけはやめてくれ……俺のクビが危ない』

 

 乃々は、憔悴と焦燥で威厳をガタガタと自壊させていくプロデューサーに、妙な親近感を覚えた。

 

(おどおどしてるところ、ふだんのもりくぼに……私に近いから、でしょうかね……?)

 

『……どうして、童貞のままだといけないんでしょうか?』

『わ、悪いことじゃないんだぞ、ちゃんと自分の信念で童貞を守ってる人もいて――』

『――じゃあ、プロデューサーさんは、童貞を捨てたいけど捨てられていないから、お嘆きなんですね?』

 

 ふだんは乃々をアイドル活動へリードするプロデューサーが、ちょっとした言葉で慌てふためくようすは、乃々が心に描いてきたこれまでのプロデューサーの肖像と大きなギャップを感じさせた。それは、人によっては失望となるものだったが、乃々は自分でもそれと気づかぬうちに興奮していた。憎からず思っている年上の男性が、友人や家族にさえ見せたがらないであろう素顔を見せてくれた、という偶然のせいか。

 

(……そういえば私、プロデューサーさんの誕生日を祝うために、ここに来たんですよね……?)

 

『あの、相談なんですけど』

『……乃々?』

『今度、いっしょにお休みをもらえるなら……筆下ろし、してさしあげてもいいんですけど……』

 

 森久保乃々は、プロデューサーに欲情していた。

 30分の後半は、備え付けのシャワーで慌ただしく支度を整えたり、仮眠室が使えるか確認したりに費やされた。

 

 

 

「しわになるとたいへんですから、脱ぎますよ……」

 

 乃々は、白のブラウスとアウター用のパステルブルーなキャミソールをするすると脱いで畳んだ。誕生日にいちばん可愛らしく見てもらえるはずと思って選んだコーデを傷ませたくなかった。白レースの下着も、プロデューサーが動揺するほどあっさり脱いだ。セックスを想定した下着ではないのでじろじろ見られたくなかった。

 

(どうせなら、肌を見て……なんて)

 

「不思議だって、お思いですか」

「え、不思議って、なにが」

「もりくぼは、あなたやファンと目を合わせることもままならないのに、ハダカを見られて、平気そうだなぁって」

「あぁ……平気じゃ、ない?」

「プロデューサーさんも、早く脱いでください。素肌が触れ合ってないと、実感も湧かないでしょう……?」

 

 乃々が、休みと引き換えという体で筆下ろしを持ちかけた直後、プロデューサーは「自分の身体を大事にしなさい」と説教を口走り、それが彼自身の本心ではないと乃々はすぐ察した。童貞を捨てたがってた人間の言葉とは思えないんですけど、それってもし私が処女じゃなかったらえっちしたい、って気持ちの裏返しですよね……乃々がみなまで言う前にプロデューサーはぺしゃんこになった。

 

「……おっきくなりはじめてますね。朝立ち、ってやつですか」

「これは……どっちかというと、疲れマラだと思う」

「もう、私に興奮してます……?」

「正直、言うと……してる」

 

 乃々は、セックスを前にして緊張を隠せていないプロデューサーの感覚に、可愛げのような感情を催した。セックスに対する認識の差が楽しかった。

 

(……アイドル活動って、見方によってはセックスよりハードルが高いんですけど……しかもプロデューサーさんは、それをもりくぼに『させて』お金儲けしてるじゃないですか……私の肌のほとんども、プロデューサーさんに水着を着せられて、全国いや全世界に……)

 

「仕事中は、もりくぼに肌の出る衣装を着せても、そんな素振り見せてませんでしたけど……?」

「そ、そりゃあ、仕事だし」

「じゃあ、いまみたいに仕事に一段落ついたら」

「さ、さっきから乃々、言葉尻をとって……」

 

 プロデューサーの思い込みに反して、乃々はセックスの経験があったし性欲もあった。

 

(叔父さんとあなたのせいで、アイドルやりはじめて以来、えっちできなくなって、たまってるんですけどっ)

 

「じゃあ、プロデューサーさん……私を抱いて、触ってもいいです……けど、黙っちゃだめです」

「な、何をしゃべったらいいのか……」

「何でもいいです……とにかく、黙ったまま触られるのって、怖いんですって」

 

 乃々は、生理的な意味での性欲をオナニーで慰めていたが、相手の体温や反応などセックスでしか味わえないものへの飢えは深まるばかりだった。

 そこに童貞のプロデューサーが現れて、つい食指が動いてしまう。

 

「じゃあ……」

「おっぱい、ですか」

「……」

「プロデューサーさんの手が、そう言ってました」

「……はい」

 

 乃々はプロデューサーの胸板にもたれかかる。彼が手を伸ばせば思うがままに触れられる位置だが、ふくらみは強調させず自然体で「触れ」という押し付けがましさを避けた姿勢――プロデューサーのノドが鳴る音も、興奮して強く立つようになった体臭も、乃々が至近距離で感じ取れる姿勢。

 

(思うがまま、です。あの衣装なしで、どやくぼすいっち入ってしまいそうです)

 

「ん、ふっ」

「や、柔らかいなぁ……それに、あたたかい……」

 

 平凡な感想から万感の思いを聞き取って、乃々は自然と頬が緩んでしまう。

 

「体温はともかく……だいたいの女の人は、私よりは柔らかいと思いますけど」

 

 乃々の胸のふくらみは控えめで、プロデューサーの成人男性の両手を使えばすっぽり覆ってあまりあるほど。ただ、彼女は小柄な身長に相応の小作りな骨格で余計な肉もついておらず、細いウエストからアンダーバストにかけて描かれる稜線は、すでに女性らしさを醸し出している。

 

「ん、きゅっ……!?」

「乃々?」

「さ、さきっぽは……その……敏感、ですから……」

「す、すまん」

 

 プロデューサーの胸愛撫は、乃々にとって焦れったかったり鋭すぎたり、なかなか要領を掴んでくれないものだったが、それゆえ彼女は昂揚していた。

 

(いつも、もりくぼにアイドルとして指示する――指示っていうか半強制ですけど――プロデューサーが、今は私の言うまま)

 

「もっと、もみくちゃにしてみたいですか?」

「あ……あの、いや」

「私、もみくちゃしがいのあるおっぱいじゃありませんが……それに、されても、痛いですし」

 

(不慣れで、へたっぴ……ですけど、やっぱり……してもらうと、こみあげるものがあります……)

 

「乃々、いい匂いが、する……」

 

 プロデューサーは感興をそそられたのか、乃々の胸を愛撫しながら、彼女のうなじや後ろ髪に顔を埋めた。

 

「く、くすぐったいです、それは……っ」

 

 乃々は『こみあげるもの』が、久しぶりに『してもら』っているおかげか、プロデューサーに『してもら』っているおかげなのか、一瞬だけ思案して、すぐに考えを捨てた。

 プロデューサーの不慣れな手付きや、彼が漏らす嘆息や、肌から伝わってくる熱さが、それを捨てさせた。

 

 

 

 

「私のおっぱいいじってるだけで、興奮、したんですか……?」

「……おかげさまで」

 

 二人で肌を重ね合わせているうちに、プロデューサーのペニスが大きくなって、身動ぎするたびに乃々の肌に触れて、うるさいぐらいになっていた。それで乃々が「……そろそろ、私がしても……?」と促し、彼女はプロデューサーのペニスにあらためて正対する。

 

(これだけおっきいと、くわえるのは少しきついですね……手も、使いましょうか)

 

 プロデューサーのペニスは、童貞を見透かされ小さくなっていた持ち主と裏腹に、乃々を身構えさせるほどの大きさと太さで、切っ先をピンと天井に向けていた。

 

「手と口で、少しずつ、しますから……出そうになったら、言ってください」

「あ、あの乃々が、俺のを……睡眠不足の幻覚じゃないか……? あ、あだっ!」

 

 呆けたつぶやきを聞き取った乃々は、茎と裏筋の境あたりをきりきりとつねって、プロデューサーを現実へ引き戻す。まるでふだんのプロデューサーの気概を、ペニスが横取りしてしまったようだと乃々は妄想してしまう。

 

「言ってくれたら止めますから、勝手に出さないでくださいね……?」

「お、おう」

「特に、私の髪に出したら、中止です……」

「えっ」

「当たり前じゃないですか……直すの、どれだけ時間がかかると……」

「そ、そんな……」

 

 乃々はプロデューサーの顔を直視できないので、彼の声音だけでどれだけ情けない表情かを想像した。

 

(アイドルの仕事の時、もりくぼがヘトヘトになるほど、プロデューサーさんは嬉しそうにしていますが……もしかして、もりくぼをいぢめて、情けないところを見るのを楽しんで……? じゃあ、今の私は、プロデューサーさんを……そんな、こと)

 

「あ、ぅう……の、乃々っ……」

 

 乃々は思考を振り切るために、プロデューサーのペニスの根本を両手でホールドしながら、亀頭にうやうやしくくちづける。

 

(徹夜明けで軽いシャワーしか浴びていないから、匂いが落としきれてなくて、くさいです……おしごとで余裕がないって、もりくぼみたい……)

 

「プロデューサーさんは……さっき、私のおっぱいをぎゅうぎゅうシてくれましたね……?」

「あ、え……そ、そんなに、してた、か……」

「ぎゅうぎゅうシなくったって気持ちいいって、カラダに教えて差し上げます」

 

 乃々はくちびると舌でプロデューサーの塩気を味わい、一気によだれが出てくるのを口中の痺れとして感じた。まるで乃々の体がこのオスを求めているようだった。

 

(おちんちんはゴツゴツしててエグいにおいもしますけど、見た目に反してデリケートだから……)

 

「ぁ! く、ぅ……っ」

 

 乃々はプロデューサーのペニスを舌でねぶりながら、彼の下っ腹や腰や太腿が筋肉でびくりと動くのを観察した。デスク下で乃々がくつろいでいるとき、すぐ前に見える着席中のプロデューサーのスラックスと革靴履きの下半身は、外界の喧騒から乃々を守ってくれているようで頼もしいと――ときにプロデューサーが仕事で乃々をその喧騒に引きずり込むにもかかわらず――思っていたのだが、布を一枚二枚剥くとこの有様。

 

「れろ、ぉ……んふ、ふーっ……ひもひぃ……んくっ、きもちいい、ですか? このぐらいの、ちまちました加減が……」

「の、乃々、きもち、いい……っ」

 

(デリケートだから、ちまちまってやり方――そう、もりくぼの得意な――そのぐらいで、いっぱい気持ちよくなってくれる)

 

 プロデューサーが筋肉を緊張させて、手が何かを耐えるようにシーツを握り締める。素面の乃々がそれを見たら、もらい泣きならぬもらい緊張してしまう仕草だったが、乃々はそれの本当の原因が、自分の与えた刺激の――くちびるだけで甘噛みしたり、味蕾のざらつきをこすりつけたり、指先で圧迫や摩擦を加えたりする――せいだと知っている。

 そうやってプロデューサーが快楽で悶えると、プロデューサーから乃々へ注がれる視線が和らいで、ますます彼女はなめらかに愛撫を展開できる。

 

「は、ァ……く、ぐう、う……っ!」

「んぷ、へう、んぷ、ちゅう……」

「うぁ、あ……乃々、それ、されたら……っ」

「ん……童貞さんですから、しょうがないですけど……ちょっと、がまんの練習、したほうがいいかもです」

「……えっ、ええ……」

「堪え性のないおちんちんじゃ、幻滅されてしまうかも、なんですけど……」

 

 プロデューサーのペニスは、亀頭はもとより竿の半ば以上まで先走りと唾液にまみれていた。乃々が少し力を入れて指で圧迫すると、にちゅ、ぬちゅと明らかに淫らな音。朝の仮眠室を犯しているように響く。

 

「あ、ぁ……の、乃々、あまり、指で、こすられると……!」

「……出ちゃうんですか?」

「あ、ぁあうう、す、すまん……」

「出ちゃうほど、気持ちいいんですか? ぎゅうぎゅうシなくても……私の、ちまちまってやり方が……」

「あ、あぁ、乃々の、手、ゆび……キスも、舐めてくれるのも、気持ち、いい……っ」

 

 先走りの生臭さが乃々の味蕾と鼻腔をついてくる。そのままではえぐいが、唾液をまぶしてしまえば、いつまでも舐めていられそうだった。張り詰めた亀頭が、独立した生き物のようにぶわりと一回り弱ぐらいふくらんだりしぼんだりする。

 

(……私も、オナニーしてるときより、盛り上がっちゃってます……もし、いま、プロデューサーさんに押し倒されたら……)

 

「ほんとうに、がまんしきれなくって出ちゃいそうになったら……私に、言ってくださいね……」

「ぁ、あ……あの、もう……」

 

 乃々の『ぎゅうぎゅうシな』いやり方は、時間が立つほどにプロデューサーの理性を削り辛抱を吹き払う。痛みを覚えるほどの強い刺激は繰り返されると慣れてしまうが、くすぐったいぐらいの弱い刺激を不規則に与えられると、慣れることができない。

 

「いいですか? 髪にかけたら、ここでおしまいです……」

「なっ……お、おしまい……っ!?」

「仕方がありません……髪、念入りに洗わなきゃ、事務所のみんなにバレてしまいます……もりくぼにはどうしようもないことです……」

 

 乃々は、先端がヘソにくっつきそうなプロデューサー勃起を、ぐいぐいと自分側に引き寄せようとする。プロデューサーが勃起を捻じ曲げられて唸り声を漏らす。カリ首の周りを残りの手で揉むと、鈴口が喘いで先走りがあふれる。

 

「ほんとうに、ここまで、ですか……?」

「んあッ、の、乃々っ……きもちッ……んッ、よくて、も、う……」

「じゃあ、ここを……こうしてあげると……」

 

 乃々は、ペニスに絡めていた指先をプロデューサーにくっつけたまま、そろそろと下げていく。カリ首から根本。陰嚢。さらにその裏。

 

「は、ぁ――ぁああおッ……!?」

「……出せなくなるんですよね、男の人って」

 

 乃々は左手の人差し指、中指、薬指の3本をまとめて、プロデューサーの会陰――睾丸の根本と肛門の間――をぐいぐいと押し込む。精液を放出するために勢いをつける筋肉が会陰にあり、その動きを妨害してしまえば、どれだけ刺激を受けても射精はできない。

 

「んぐ、う、ぅあ、あぁあっ……!」

「あれ、知らなかったんですか……? まぁ、なかなか触る場所じゃないみたいですからね……」

 

 乃々は残りの右手で、腰からグラグラ揺れるペニスを固定し、くちびると舌で追い打ちをかける。

 

「だ、だめ、だ……で、でる、でちゃ、ア、ふァ……ッ!」

「だから、出ませんって……」

 

 本来であればとっくに射精している刺激を与えつつ、物理的に射精を封じ、いつまでも射精寸前――あるいは射精中――の快楽を強制する。本当にいつ終わるか――終わってくれるか――わからない快楽。初めての次元の責め。

 

「アッ、く、ぅンッ、んンう……ッッ!」

「へぷ、んく、れぅ……んふ、プロデューサー、さぁん……」

 

 乃々からは見えない位置だったが、プロデューサーは拷問でも受けているように額も眉も頬も口元もくしゃくしゃに歪めている。これがもし、見知らぬ相手から与えられた愛撫であれば、いくらなんでも振りほどき蹴飛ばしているであろう……ということが、苦悶の声や痙攣や脂汗から、乃々にも想像できる。

 

(なんだか……いけない気分になってしまいます……こんなえっち、はじめてのプロデューサーさんにしたら嫌われちゃうかもしれないのに)

 

「あ、ァ――の、のっ」

 

 乃々の左手でプロデューサーの会陰へ食い込む圧迫が、わずかに緩んで、プロデューサーの苦悶のトーンが跳ねて、途切れる。

 

「……う、ぅう――! うぶ、はぷっ、んっ……」

 

 叫ぶように開いた鈴口を、乃々は迷わずくちびると舌裏で覆ってふさいだ。ペニスは、さんざん痛めつけられた怒りをぶつけるように、痙攣とともに切っ先を右往左往と振り回したが、限界を超えて溢れた射精の奔流は、乃々の舌裏や頬裏を何度かびしゃびしゃと叩いたあと、がくがくと震えて潰(つい)えた。

 

「あ、あぁ……の、乃々……っ」

「んぐ、くぅ、ぷ……ううっくっ……!」

 

 あらかじめ、射精を受け止める準備をしていた乃々は、徹夜明けの雄臭い精液を口中で転がしていた。舌や鼻どころか、粘膜がつながっていないはずの目のあたりまでツンとくる刺激臭と粘つきのせいで、また唾液腺がしびれるほどよだれが溢れてくる。

 乃々は目を閉じていたが、なぜか、いまこのときプロデューサーが自分を見てくれている、食い入るような視線を注いでいると確信した。

 

「ん、ごく、ん、ぐ、っ、ごくっ……」

 

 唾液がたまって溢れそうになるのを、小分けにして飲み込む。白く細いノドを見せつけるように反らすと、男と違ってふだんは隠れている少女のノドボトケがかすかに肌から浮いて、精液を嚥下するごとにくらくらと上下する。

 あとはくちびるを噛み締めて、おくびをやり過ごし一区切り。

 

「んぷ、くふ、けぷ、ふっ……ちょっと、いぢめすぎたおわびです……いまだけ、ですからね……」

 

 飲み干した直後、乃々の視線の反れ具合が、プロデューサーの視界にたまたま流し目のように決まった。

 

 

 

 

「プロデューサーさんが興奮してるから、私も……濡れてきちゃいましたけど……でも、女の子のだいじなところの勉強が、済んでいませんから……」

 

 乃々はベッドに仰向けになると、左右のほっそりした内腿に先走りでべとついたままの両手をあてて、プロデューサーへ秘所を見せつけた。胸のときとは違う、明確な愛撫の要求。

 

「見えます……? クリトリスと、あと……入れる穴、おまんこが……」

「さ、触ってもいいか……?」

 

 プロデューサーは、乃々の声でつむがれた『おまんこ』という響きが琴線に触れたか、むしろガリガリとかき鳴らされてしまったか、一瞬だけ会陰を責められていた頃の表情を蘇らせた。

 

「あ、でも……触るなら、私に絵を描くようにしてください。ちなみに、おどろおどろしい油絵が好きな女の人もいるでしょうが、私は優しい色鉛筆のタッチが好きです」

「……なんか、釈然としないんだが」

「ムリヤリは、辛かったですよね……ちまちまのほうが、心地よかったですよね? そういう、ことです」

 

 プロデューサーは、最初から秘所へ手を伸ばすのがためらわれるのか、乃々のヘソの下や、ウエストと最下部あたりに薄く浮く腰骨や、見た目は細くとも触るとおっぱいよりだいぶもっちりとした弾力で跳ね返してくる内腿から、指先を下ろしていく。

 

「あ、ぅ……の、乃々……くすぐったい?」

「……まぁ、くすぐったいと気持ちいいは、紙一重ですけど……それより、そのぐらいの加減です」

「これが、乃々の好みなのか」

「私の、触られたところの反応を、あなたの手でちゃんと感じ取れる……それが、そのぐらいの加減のはずですから」

 

 プロデューサーの女体に関する知識は、成人向けの映像や写真や文章と、あまり真面目に受けていなかった保健体育だけだったが、乃々の陰唇らしき割れ目が爪先ぐらいしか開いていないせいで、彼女は実は処女ではないかと疑っていた。あれほど男性器を手玉にとられたあとにもかかわらず。

 乃々は相変わらずプロデューサーの顔を直視できなかったが、その疑いを指使いから読み取って、

 

「はじめてとか、経験豊富とか……おまんこに、そういうの関係ありません。おちんちんと違って、感じちゃってもヤワなママですし、ていねいに扱ってください」

「……じゃ、じゃあ、舐めてもいいか?」

「なにが『じゃあ』なんですか……べ、別にいいですけど……」

 

(……フェラさせるくせにクンニしたがらないヒトって、けっこういましたけどね……しちゃうんですか。しかも、プロデューサーさんは童貞なのに。そういえばプロデューサーさん、キスはしたことあるんでしょうか。もしかして、キスしたこともないくちびるで、私の、お、おまんこ、に……?)

 

「……あ、動いた」

「う、動いて悪いですか……!?」

 

 乃々のクリトリスや膣口が、プロデューサーから注がれる意識を勝手に想像して、ゆるい緊張と弛緩を行ったり来たりする。

 

「こっちの匂いは、乃々もすけべなんだな……いやらしい……」

「髪とかうなじとかとは違うんです……甘かったら、たぶん、香水か病気ですけど……」

「香水だなんてもったいない、乃々のあそこのにおい……さっきあんだけ出したのに、俺、もう興奮してる」

 

 プロデューサーの鼻息が、期待でぷっくりと勃起の気配を孕むクリトリスにかかる。陰唇や肛門に力が入ってひくついてしまい、恥ずかしいのに身を任せたくなる感覚がじわじわと広がる。

 

「あ、っ」

 

 乃々は、今度は自分の股間に顔を埋めるプロデューサーのほうを見られた。頭髪と額と耳しか見えなかったが、その動きとクリトリスに添えられる粘膜の気配で、彼の両くちびるが触れてきたと悟る。

 ちゅ、とくちびるがかすかな音を立てる。一瞬、本当にキスされたかのような錯覚が乃々のノドあたりを襲って、不自然に詰まった嬌声。

 

「乃々?」

「続けて、ください……そういう、タッチで……す……っ」

「……俺、乃々から褒めてもらうなんて、珍しいかもしれない」

「そんな……もりくぼ、そんなに泣き言、ばっかり……ん、あっ」

 

 乃々は、プロデューサーの口淫愛撫に応じて、ときおり声を上ずらせながら女性器をよじらせた。

 

「クリトリス……最初は、皮、剥かないで……だいたい、剥かなくったって気持ちいい……加減よりも、気持ちが大事なんです……」

「……気持ち、なんだ」

「お、おまんこの、そんな近くでしゃべらないで……び、敏感に、なってきてますから……」

 

 クリトリスにおずおずと添えられるプロデューサーのくちびると、腿に半ば食い込んで緊張や興奮を伝えてくる彼の指先は、同一人物からの刺激とは思えなかった。

 

「力加減の、ちょうどよさなんて……二の次です……っ、ていねいに、だいじにしてもらってるって、そう伝わるほうが……女の子は、いいんですっ……」

 

(……別に、ほかの女の子の趣味なんか、よく知らないのに……本当は『私は』って、言いそうになって……)

 

「あ、ち、ちがいます、そこ、おしっこの……っ」

「舐めては、いけない?」

「いや、だって、その……」

「さっき、乃々だって」

「さ、察してくださいっ」

 

 小陰唇と、大陰唇と、それから膣口に、プロデューサーのゆるやかで不規則な圧迫と摩擦がやってきて、いよいよ乃々の女性器が期待に潤みはじめる。

 

「あ、んん、ぅ……ふぁ、あっ……!」

 

(こ、この調子で続けられたら……『勉強』なの、忘れちゃうかも……)

 

 プロデューサーのクンニリングスは、童貞らしく稚拙で、しかも緩慢で臆病だったが、乃々にとってそれは言葉通り『二の次』だった。乃々の言いそびれた『私は』が、彼の不慣れさを愛おしんでたまらなかった。早く童貞をもらってあげたいと言わんばかりに、急激に熱や潤みをあらわしていく。

 

「んは、あ、は、ぁ……お、覚えられましたか……プロデューサーさん、ここから、入れられそうですか……?」

 

 音を上げたような乃々の声で、プロデューサーが彼女の太腿の間から顔を上げる。

 二人の視線がまともに絡み合う。プロデューサーの顔を正面から見下ろしたのは初めてだ、という感慨が乃々のうなじあたりをふわふわとくすぐった。

 

 

 

 

「……とうとう、童貞卒業ですね……」

「あ、あの、ゴムは」

「安全日です……本当ですよ。こんな嘘、つきませんから……」

 

(安全日だって、中出しはあそこに負担がかかるから、ふだんはさせないんですけど……でも、せっかく童貞喪失だから、お誕生日だから……プロデューサーさんだから、なんて)

 

 クンニリングスの間に勃起を復活させたプロデューサーは、ベッドへ仰向けに寝かされて、乃々が彼の腰をまたぎながら対面している。彼女が膣口をペニスの切っ先に添えて、ぬるぬると腰を下ろしていけば、騎乗位でプロデューサーは童貞卒業となる。

 乃々主導の体位は彼の希望だった。

 

(本当は、年上のお姉さんに奪ってもらいたかったんでしょうか……いや、私の手コキフェラのせいで、好き放題されるのがくせになっちゃった、と思いましょう)

 

「……見えますか? 私と、プロデューサーさんが、つながるところ」

「なんだか、いまでも夢みたいだ……の、乃々に、してもらえるなんて……」

 

 乃々がプロデューサーの視線を結合部に誘導したおかげで、乃々はプロデューサーの表情を眺めることができた。別に見たくないわけではないのだが、見つめ合ってしまうと落ち着かなくって、一回でスムーズに挿入できないかも……それは是が非でも避けたかった。

 

「夢じゃ、ありません……ぜったい……だから……」

 

 乃々の秘所はしとどに濡れていて、プロデューサーの亀頭をぬるりと包み込む。

 

「う、ぁ……の、乃々っ」

「あ、動かすと、ずれるんですけど……」

 

 プロデューサーが腰を動かしそうになるのを、乃々は声だけで制した。

 

「いい子だから……ちょっと、入り口、慣らさせて……」

「うう、乃々、は、早く、ぅっ」

「一気に入れると、危ないから……中折れしたらいやですよ」

 

 乃々のヴァギナは、小さい入口を目いっぱい開いて、プロデューサーの亀頭を頬張るように埋め込んでいる。そこから軽く腰を上下させ、くちゅくちゅと妖しい快感と音を響かせる。

 

「それに……ん、ふぁ、あっ……さいしょから締めたら、味わえないで、終わっちゃいません……?」

「そんなことないっ! ……と言いたいが、いまの乃々の動きと声だけで、イキそうになった」

「……仕方ありませんね」

 

 乃々の膣内は、プロデューサーにとってありえないきつさで、膣壁がじりじりと締め付けてくるのに対し、ペニス側からはまったく動くことが許されない。

 そのまま根本まで乃々に包み込まれる。ペニスとヴァギナの結合部以外はほとんど体が触れ合っていないのに、まるで全身を包み込まれた錯覚がプロデューサーを襲う。自分の半分ぐらいしか体重がないような少女に、頭のてっぺんから足先まで……。

 

「ん、くぁ、はぁ……あぁあっ……! そ、卒業、おめでとうございます」

「ぁ、ぅ、ん……あ、ありがとう、乃々――あぁあぅっ!?」

 

 プロデューサーが『ありがとう』の瞬間、目線を上げて乃々の顔を見た――まともに視線をぶつけられて、乃々はつい膣内を引き締めてしまう。

 

「うぁ、ぐ……乃々、そ、それ、だめ……っ」

「あ、ぁあぅわ……ちょ、ちょっとまってください……ほら、こうして……」

 

 乃々はゆっくりと体を前傾させ、プロデューサーの胸板や腹にほとんど密着するぐらいになる。ヘソまで反り返りそうなペニス角度と、乃々の膣角度のズレが少なくなって、摩擦が和らいだ。

 

「……えらいです、プロデューサーさん。よく、がまんできてます」

「本当に、乃々が……お姉さんみたいだ……っ」

 

(言っちゃった……私が、プロデューサーさんに『えらいです』なんて……えっちするのはともかく、こんなこと言っちゃうなんて、想像も……)

 

 それから乃々は、プロデューサーに肩から腰までをこすりつけるように、全身で全身へ奉仕するように腰を使う。肌と肌の間に汗が入り込んで、ぬちゃぬちゃ、ぺちゅくちゅと下品な音がこぼれるのが、さらに肉欲を煽った。

 

「プロデューサー、さぁ、ん……もっと、もっと私で、気持ちよくなってください……っ!」

 

 安定感を増した森久保の肢体は、ペニスをひしと抱きしめたまま徐々に腰使いを速めていく。手足でもプロデューサーを捕まえているから、強く激しく動いても刺激がピンぼけせず、プロデューサーも乃々も気持ちよくなれるところを的確に捉えられる。

 

「あっ……ああっ! の、乃々、きっ気持ち、良すぎてもう、俺……っ!」

「へぅ、ぅ、あ……う、嬉しいです、好きなとき……私に、私の中に出して……そうしたら、プロデューサーさんは……」

 

 言葉にした瞬間、乃々は「自分がプロデューサーを一人前の男にした」という状況を、本当に理解した。

 

「あ、ぁ……ぷ、ぷろでゅ……わ、わら、ひ、い、イッちゃ、あ……っ♥」

 

 プロデューサーがこれからどんな性生活を送るか乃々は予測できなかったが、14歳の担当アイドルに身も心も捧げてもらう筆下ろし……これを上回る衝撃的で幸福な経験がありえるだろうか。

 乃々はありえないと確信した。その確信の深さが歓喜の深さになった。

 

「ぁ、く、ほぉ……い、イッちゃ、私が……あ――な、なのに……っ♥」

「は、ァ、く……お、俺も、イク、な、なか、に……ッ」

 

 もはや腰をパンパンぶつけ合ったり、肌をこすりつけ合う必要もなかった。深い絶頂感でつながったいま、動きはノイズでさえあった。対面騎乗位のままめいっぱい肌をくっつけあっているせいで、呼吸や拍動や体温まで重なってしまう心地になって、それに応じるように膣イキとペニスの射精も重なった。重なりは仮眠室の時間に長い尾を引いて、余韻には静けさの中で混じり合う吐息が残った。

 

 

 

 

「……今度は、プロデューサーさんが入れてください……」

「俺、2発出してるのに勃ちっぱなしなんて、中坊のときだってなかったよ」

 

 乃々はふと、プロデューサーが自分と同じ中学生だったら……と妄想した。

 そうだったら、顔ににきびでもこさえた青臭いプロデューサーの性欲を、自分が受け止めていたのか。

 

「いまのプロデューサーのほうが……もりくぼはすきです、たぶん」

「お、おう……? 褒めてくれてありがとう」

 

 乃々が仰向けに寝て控えめな曲線の腿を開く。今度はプロデューサーが上体を起こして彼女を見下ろす。

 膣内射精した精液と乃々の愛液の混ざったらしき白濁液が泡になって、乃々の薄紅の秘所や腿をまだらに染めていた。プロデューサーはクンニリングスのとき味と触覚と乃々の声に集中していたので、その薄紅がいまさら新鮮に思えてじっと見つめすぎて、乃々に不平を鳴らされた。

 

「……そんなに、まじまじ見ること、ないのでは……?」

 

 開かれた乃々の足の間にプロデューサーが膝をついて両足を据えると、彼はいよいよ本番という気がした。『古事記』のセックスでも女神が主導権握った後に男神主導でやり直したっけ、などと妙な連想をして彼は自身を微笑させてしまう。

 

「……なんだか、もう……余裕、というか、貫禄が、でてきたようで……」

「おかげさまでな」

「じゃあ……自分だけじゃなく、もっと女の子を……わた……も、もりくぼを満足させなきゃだめだと思うんですけど……」

 

 プロデューサーの勃起は相変わらず天井を向いて猛っていたが、2発たて続けに抜かれて間もないせいか、彼の思考の半分ぐらいは射精直後の哲学じみた色合いを帯びていた。その色に流され、プロデューサーは体を傾けて乃々にゆっくりと覆いかぶさる。

 

「……見えにくく、ありませんか」

「いや、その……乃々」

 

 乃々の頭を撫でながら、耳元で『キスしたい』とささやく。

 

「……キスは、ふつう最初にするものですよ」

「それは、そうなんだけど」

「でも、したいんですよね。おくちどうしで」

「うん」

「……ちょっとだけですよ」

 

(私、さっきまでフェラしてたんですけど……あと自分がクンニしてたことも忘れてますよね……まぁ、いいですけど……)

 

 上くちびる、下くちびる、口角、それから舌先……ヨーロッパ式のあいさつより少しだけ深くけっこう長いキス。顔を突き合わせて息を殺しながら、粘膜だけで内緒話。二人きりのいけない算段を立て……プロデューサーはここが事務所の仮眠室だと思い出した。名残惜しいが、いつまでもは続けていられない。

 

「ん、ふ……入れられそう、ですか……?」

「乃々のお手本通り、ゆっくりといかせてもらうよ」

 

 プロデューサーは、乃々の目遣いが圧倒的に複雑であることを――同年代の少女やほかのアイドルとも比べ物にならないぐらい――あらためて実感した。目を合わせるのが苦手だから正対はしたくないが、顔ごと反らすのもはばかられる、そんな葛藤の中で乃々の視線は奥深く捉え難く寄せては返す。少女らしく紅潮する頬や、誘惑するように軽く緩められたくちびるも、目に比べれば素朴に見える。

 

「あ、ん……ふぁ、あっ……!」

 

 プロデューサーは、できれば乃々の表情を見ながら挿入したいと思いつつも、あらためて体を起こしてから乃々の秘所にペニスで向き合い、指で微調整しながら切っ先を沈めていった。

 

「の、乃々……きもち、いい、よ……っ」

 

 ついさっきペニスをかいがいしく奉仕していた膣肉が、正常位のいまはペニスを誘い込み挑みかかってくる。プロデューサーは2度童貞を喪失した心持ちになる。女について新しい知見と感動を得るたびにこんな陶酔に浸れるなら、女に狂うのも無理もないか、と納得してしまう。

 

(プロデューサーさんは……さて、どう動いてきますかね……)

 

 乃々は、膣内をペニスで埋められる圧迫感と粘膜の甘ったるい痺れを味わいながら、プロデューサーの一挙手一投足に耳や肌をすませていた。ときどき膣内を催促のようにきゅうと締めた。男らしく強引な律動に貪られてみたいと思った。

 

「……ぁ、んっ、も、もっと、うごい、て……っ!」

 

 プロデューサーは、乃々の細い腰を両手で抑え込みつつ、ペニスで腟内をえぐる。浅いところや深いところや左右まんべんなく膣襞をペニスでこすろうとしているらしく、ときどき交接部に空気が入って、ぷぴゅぷぴゅと下品な音を立ててしまうが、乃々はそんな無作法な粗相も屈託なく笑えてしまう。

 

「の、乃々……うぅ、うぅ……!」

「あ、ははっ、いやらしいこと、するじゃないですか……♥」

 

 プロデューサーの動き方は、ゆっくりと、くまなく、執拗だった。ていねいさで独占欲を包んだものだった。

 

(私の教えたこと、覚えてて……ずっと忘れないで、いてくれたら……)

 

 彼の動き方は、乃々の膣内のその向こうまでえぐったりくすぐったりする。いつしか乃々は、胎内から背筋まで波打ったり仰け反ったりして震えるほど悶えていた。

 

「乃々、それ……やばい、えろすぎる……!」

「んっ……はぁん……ぁ、ああっ、プロデューサー、さん……っ♥」

 

(いくらプロデューサーさんとはいえ、童貞さんのおちんちんで、イカされ……っ♥)

 

 乃々の腟内が、みちみちと締め付けを強くしていく。ペニスが引かれる時に陰唇がめくれてしまってるんじゃないかという勢いで、彼女のうなじあたりに羞恥がチクチクしてくるが、ここまで来て止まる道理はない。

 

「はぁっ、んぅっ……気持ち、いい、ですっ……♥」

「あぁ、乃々、もう、俺は……」

 

 プロデューサーが律動を激しくしていく。激しく貫かれるたびに、乃々は泣き笑いで視界が狭くぼやけて、次第にどうしようもなくなった。絶頂の予感がした。イかせることが嬉しかったしイカせてくれることも嬉しかった。

 

「ああ、あぁ、あぁ――……っ!」

 

 力の限り抱きしめあうと、喘ぎ声も曇り、とぎれとぎれとなった。プロデューサーが3発目の乃々の胎に打ち込む頃には、お互いの息遣いと体温と肌骨以外のすべてを忘れ果てた。

 

 

 

 

「あと一回だけ……って約束は、信用しちゃいけないんですよ……もりくぼがアイドルにされたときも、そうでした……ねぇ、プロデューサーさん……」

 

 乃々を愛撫し、乃々に愛撫してもらい、ペニスを入れてもらって膣内射精し、ペニスを自分から入れて乃々をナカイキさせた――プロデューサーは童貞卒業式で帽子を晴天へ高々と放り投げたぐらいの気分だったが、そこに乃々の声音と手付きが、しとしと雨のように濡れて彼へ絡みつく。

 

「あ、の、乃々……すまない、もう勃たないかも……」

「満足させてくれないと……プロデューサーさんのこと、好きじゃなくなっちゃうかも……」

「……あ、いま、好きって言っ――」

「――勃たない、というおちんちんを勃たせるのは、これに限るんですけど……」

「は、ぁ――ぉおッ!?」

 

 乃々の細い指が、プロデューサーの肛門に滑り込み、遠慮なく探りまわる。

 

「私の指じゃ、ぐりぐりはできないでしょうが……勃たせるだけなら、くすぐるぐらいがちょうどよいでしょう」

「ほぁ、あっ、の、乃々、なに、ぉっ」

「前立腺ですよ……ここいじってあげると、射精ぐらいの気持ちよさがずーっと続いちゃって、どうしても勃起しちゃうんですって……プロデューサーさん、女の子の体だけじゃなく、男の子の体も、もっと勉強しましょうね……♥」

「あ、や……ほぉう!? の、乃々っ、ほかのひと、が……」

 

 乃々は沈黙して、プロデューサーの中を繊細な指先でくすぐりながら、ちらと仮眠室の入り口をうかがった。

 

「あの……もう一回だけでいいですから……! 終わったら次の休みまでがまんしなきゃならないんですから……」

「え、『今度、いっしょにお休みを』ってそういう……ッ!?」

 

 

 

 

 

(うーん……プロデューサーさんが泣きそうな顔と声をしていたので、つい『……もう一回だけでいいですから……!』なんて口走っちゃいましたんですけど……)

 

 プロデューサーは、徹夜明けからフェラチオ、騎乗位、正常位と立て続けに乃々に3発も射精していたせいか、彼のペニスは自らの精液・先走りや森久保の愛液まみれでへとへとにうなだれている。乃々はそのペニスの硬さを、指を巻きつけたりこすりつけたりして確かめた。さすがに勢いがかげっていた。

 乃々は、はじめてステージでマイクを握ったときの感触をなぜか思い出した。不可思議な連想だった。カラオケに馴染みがない乃々にとって、SHUREのダイナミック型は、アルミの持ち手がひんやりと冷たく、乃々を試すようにかちかちに固く、どっしりと重かった。プロデューサーのペニスは、童貞喪失の余熱でじわじわ熱く、血の気が引き始めてふらふらと柔らかくなっていて、だらりとした重さしか似ていなかった。

 

(プロデューサーさんに射精されちゃうと、もうそれでラスト一回が終わり。最後も、しっかり出してはもらいたいんですけど……)

 

「……満足できるような一回にしなければ、いけませんね」

「の、乃々に性欲で負けるとは思わなかった……こ、これが若さか……」

「私だって、いつでも誰でもこんなムラムラしてるわけじゃないんですけど……!」

「んぎゅっ……!? そ、それはなによりなんだが、恥ずかしい話、もう勃つかどうかわからんよ、俺……」

 

 さんざん堪能し、また堪能させたペニスへの刺激を、乃々はいったん手控えることにした。

 

「お尻の穴は……いきなりはハードルが高いでしょうか。それなら……こちらは、どうです?」

 

 乃々はプロデューサーに馬乗りのまま裸の背中を向けて、彼の会陰から睾丸を指で抱きかかえるようにして、ゆったりと揉み上げる。

 

「うぁ、ぅううぁ……の、乃々、そこ、は……っ」

 

 フェラチオのとき、会陰を押し込まれてムリヤリ第一射を留められた記憶が生々しいのか、プロデューサーは苦しげなうめきを乃々へ聞かせた。その声色は、もし素面の内気で心優しい乃々が聞いていたのであれば、つい手を引っ込めてしまうであろう弱々しさであった。

 

「もっと声、出してください。じゃないと、具合がわかりにくいので……男の人のアナにうまく突っ込むにも、いい具合のほぐしが必要みたいですから……」

「う、ぐううっ……童貞喪失のときより、緊張する……っ」

 

 いまここでプロデューサーにのしかかっているのは、最後の一回に集中する乃々で、プロデューサーのうめきを愛撫の手がかりとしかとらえていないようだった。

 

 乃々は指を曲げ伸ばししつつ、プロデューサーの睾丸の両根際や股の付け根を前後左右に揉み回し、陰嚢裏にも指先をぐいぐいと食い込ませる。そんな催促するような指とは裏腹に、手のひらは陰嚢を温めるように優しく包み込む。

 

「う、ぐ、ぅう……あっ、ああぁぅぅ……! そ、それ、されると……っ」

「プロデューサーさんは、自分でするとき、『たま』のほうはいじりますか……? おさらいになりますけど、ちょうどいいんで……女の子の体は、おちんちんをしごくようにしちゃだめです。むしろ『たま』をいじるような加減で……なんて」

 

 プロデューサーは、乃々に睾丸をもてあそばれながら、ペニスをしごかれているときとは別の被征服感と快美感を味わっていた。睾丸の快楽と比べると、ペニスの快楽は、自らの根本から勝手に湧き上がってきて脳を突き動かすような強引さだった、ぜんぜん違う……と思い返す。睾丸のそれは、乃々の指先と手のひらによってされるがままで、彼女の温度を少しずつ注がれている味だった。受け身で与えられる心地よさは、疲労してきたプロデューサーに、紙が水に濡れていくようにあっさりと染み込んでいく。

 

 

 

「さて……もう少し、刺激してみましょうか……」

 

 乃々の指先が、もみほぐす動きのみだった動きを変えてきて、ぺしぺしと軽くタップする刺激を交えるようになる。肛門の入り口に乃々の指先が迫ると、プロデューサーは肛門周りの肉を反射的にこわばらせた。

 

「ぁ、ぅうぉ……っ!?」

「いけませんよ、力を抜いて……って、何か突っ込まれるのは、怖いですよね。なら、これはどうでしょう」

 

 睾丸や肛門周りに意識が偏っていたプロデューサーは、下腹部を重く柔らかい感触でいきなり押され、びくりと震えてしまう。どうやら、上にのしかかっていた乃々は、プロデューサーにまともに体重がかからないよう重心をずらしていたらしかったが、その重さが柔らかい少女の尻肉や太腿とともに、彼の腰や下腹部に押し付けられた。

 

「は、ぁあぅ、乃々……そんな、お尻まで……」

「え、えへ……プロデューサーさん、体の奥のほうは……ぼ……き、緊張感、戻ってきました……?」

「……なぁ、乃々、いま、勃起って言おうとして……ぉおっほおおっ!?」

 

 乃々の尻肉による圧迫に気を取られていたプロデューサーは、その隙を突かれて、肛門に乃々による細指の侵入を許してしまう。

 

「あ……もし、プロデューサーさんが前立腺オナニーしたくなったら……前立腺って、『たま』の根本裏の近くあたりらしいですから、自分でいじるときは、お尻側からじゃなく、いまの私みたいに、おちんちん側から手を入れたほうが、触りやすいんじゃないかと」

「の、乃々が、お、オナニーなんて、言うなんて……って、ふへ、ぇぅうっ、おっ……ひぅうぁあっ!」

 

 プロデューサーの肛門や直腸は、人生はじめての意思を持った侵入物を拒絶するよう、きつく収縮する。

 しかし乃々の指は細くしなやかで、きつく締め付けても押し出せない。乃々はむしろ刺激をねだられているようで興奮し、よだれをわざと指へ垂らして滑りを良くしたり、自分の尻肉をプロデューサーへずりずりとこすりつけて注意をそらしたりしつつ、そろそろと前立腺へ近づいていく。

 

「……あぁ、入れられてても、わかりますか? 前立腺のあたりって、感触も直腸粘膜と違っていて……」

「ほ、ぉお……俺っ、もしかして、おしり、入れられ、て……っ」

「んんっ……おちんちんにも、反応が出てきましたね……?」

 

 乃々の指先が、そこを優しく、それでいてぴたりと遊びなしに捉えたことを、プロデューサーは理解させられた。勃起していないのに、あの馴染み深い射精中の絶頂感がチラチラとよぎる。

 

「あ、あぁ、ぅうぅ……そんな、ぁ……の、乃々、俺、は……」

「……もう、こうなれば、話は早いです。私、プロデューサーさんを元気にしてあげられますよ」

 

 乃々はプロデューサーに背を向けていて、仮眠室には鏡もなく二人きり。

 プロデューサーの筆下ろし、というある種の義務から解放された乃々は、純粋で露骨な性欲を笑みのかたちで浮かべていた。幸か不幸か、そのかたちを目にしたものは誰もいなかった。

 

 

 

「それでは、背中を向けたまま失礼します。さっき私は、お腹側の奥をぐりぐりしてもらったんで、こんどは背中側を……ね」

 

 乃々は、プロデューサーのペニスが怒張まで復活するのを待たず、下っ腹と亀頭をずるずるとこすりあわせ、膣内射精のおこぼれをペニスへ上塗りした。

 

「乃々、その……俺、はずかしいけど、もう、腰が……ううぅっ」

「だいじょうぶですよ。プロデューサーさんは、もうそんなにがんばって私をぐりぐりしてもらわなくても……ここまで、じゅうぶん頑張ってくれました。ここからは、私がじっくり楽しませてもらいますから……」

 

 プロデューサーは、乃々の指先で亀頭を上に向けさせられ、誘導されながら為すすべもなく挿入。

 

「プロデューサーさん、ぜんぶ、私が……ほっ、ぉ゛ぁ……んんっ……♥ うふ、んふふっ、あは……なんだか、へんなきぶんに……んんぁ……っ♥」

 

 勢いを減じていたペニスも、なんとか乃々の膣圧と渡り合って、粘膜や襞をみちみちとこすった。乃々はその固さに健気さのような感情を抱いた。

 

(……私も、プロデューサーさんの筆下ろしってことで……さっき、緊張していたのかもしれませんね……なんだか、すっごく……からだが、ふわふわする……♥)

 

 くちゅ、ぐちゅ、とみたび交合部が淫らな響きを立て始める。

 乃々も、プロデューサーの前立腺を掘り出しているあたりまでは、自分がリードしながらの濃厚なセックスで疲れていたが、いつの間にかその倦怠をどこかへ忘れ去っていた。

 

「ぁ、うく、ぁあっ……の、のの、はげしっ……!?」

「そうですか……? おつかれのようなら、ここは私に任せて……」

「任せ……任せたら、俺、もしかしてこのままっ」

「いいじゃないですか……一回だけですからっ」

 

 乃々は、強制的に起こした勃起ペニスを腟内で締め上げながら、ぺたぺたと腰を打ち付けていると、さっきよりプロデューサーへのいとおしさが増す気がしていた。刺激はさっきより控えめなのにもかかわらず……。

 

(目線、合わないから……そのぶん、おちんちんに集中できてるんでしょうかね……? 私のいやらしいところは、プロデューサーさんにばっちり見られてるままですけど……)

 

 乃々は――次からはもうちょっとプロデューサーと目を合わせて慣れておこう、と思いつつ――腰を打ち付け膣内でペニスをなめしゃぶり続ける。

 さっきの騎乗位や正常位と違って、肌のふれあいが少なくてさびしかった。ただそのぶんも、ペニスの味わいに集中できている気がした。

 

「プロデューサーさん……ふぁ、ぁ、あぁあっ……いいです、プロデューサーさん、すごく……っ♥」

「く、ぅぁ、ぐぅ……こんなにして、まだセックスしたがるなんて……乃々は、本当に、淫乱だったんだ……はぁあぉおっ!?」

「……そういう言い方、好きじゃないですけど……へんなこと言うと、黙らせちゃいますよ……?」

 

 ぐじゅっ、ぐじゅっ、じゅぐっ――乃々の動きは、速さもストロークも抑えめだったが、膣内がひしとペニスをとらえて、切っ先から根本まで濡らして泡だて、さっきにも負けない水音をまき散らす。

 

(う、ぅう……プロデューサーさんに見られてないと……油断して、私まで、どんどんへんな顔になっちゃってるかも……♥)

 

 乃々は、プロデューサーに尻を向けながらヴァギナに力を込めたり抜いたりを繰り返しているうちに、ひょっとすると、括約筋で尻穴がくぽくぽうごめいているのを彼に見られているんじゃ……という羞恥に襲われた。それでもペニスを堪能する動きはやめられない。プロデューサーがさっきの意趣返しで、乃々の肛門に指でも入れていたずらしてきたら……?

 

(そ、そのときは……お尻のいじめかたを教えてあげれば……♥)

 

「……ぉ、ふふっ……プロデューサーさんも、さっきぐらいの勢いに、なってきました……?」

「あ、はぁーっ、ぅ、ぁあ……乃々、もう、それ、や、め……っ」

「まだ、あと一回なんですから、気張ってくださいぃ……♥」

 

 乃々は、グロッキー気味のプロデューサーを叱咤する気持ちを込めて、快楽と羞恥心をもみくちゃにしながら腰を打ち付け背中を波打たせた。もう見られるのもおかまいなしだった。プロデューサーもそんな乃々の勢いに流され、興奮と同時にペニス刺激まで増幅させられ、過敏になった感覚がとうとう暴れだす。

 

「うぐぁ……ぁ、はげし……くぅ、ぐ、あ、ぁ……ッ!」

「あっ……!? だめ、動かないで、プロデューサーさんっ……!」

 

 暴走はプロデューサーの腰や四肢に、ぐらぐらと不安定ながら波及していって、ついに乃々の上体を揺さぶるまでになる。

 

「だ、だめだ……乃々、なんか、だめな気が……」

「……も、もうっ……いつまでも、終わらないんですけど……」

「そ、そんな……」

「とにかく、勃ってるうちは、なんとかしてくださいっ」

「強引に勃たせておいて、そんな」

「……むーっ、しょうがないですね……」

 

 乃々は未練がましく膣穴や尻をきゅうきゅうとすぼませつつも、プロデューサーの苦悶に応じるように、ゆるゆるとペニスを抜いてやった。

 

「はぁ、はぁあ……の、乃々、ま、だ――ああぁ……っ!?」

「プロデューサーさん、片足をちょっと上げて……『あぁ、終わった』って顔しちゃ、いやです……っ♥」

 

 乃々はプロデューサーに向き合うと、彼に促して左足を浮かさせた。乃々はその彼の左足を抱えて、ふくらはぎや膝裏あたりを自分の右肩に載せ、降ろせなくさせる。そうやってプロデューサーの左足を安定させたあと、その左足太腿に股間をこすりつけながら再び挿入……しつつ、仕返しのように、彼の左肩に自分の左足を乗せる。

 乃々の左足先が首やアゴをかすめていって、胸板に押し付けられた乃々のふくらはぎが意外と重くて、プロデューサーには被征服感がいっそう湧き上がった。

 

「女の子が上になるやりかた、いろいろありまして……これは、『宝船』っていうらしいですけど……」

「ぁ、あぁ……そ、そうか……乃々は、物知りだな……ぁううっ……!」

「……これ、私のナカが奥までえぐれるだけじゃなく、プロデューサーさんの太腿がクリに擦れて、外も気持ちいいんですよね……ナカイキとソトイキ……えへ、ぇへへっ……♥」

 

 プロデューサーは、乃々からはっきりと「お前の体を道具にして快楽を貪る」と宣告され、奇妙な充実感を覚えた。脳裏に、かつて何かの漫画で、ヒロインがセックスに絡んで「私のからだが目当てだったのね」と落胆するシチュエーションが浮かび……プロデューサーは同じ立場だと思ったが、まったく落胆を感じなかった。

 もし乃々が、これからプロデューサーの都合を無視して肉バイブ扱いしてきたとしても、つい受け入れてしまいそうだった。

 

 それは単なる予感ではなく現実でもあった。

 

「プロデューサーさぁん……あ、ぁあっ♥ これ、いいですっ……ぎゅーってしたくなります……っ♥」

 

 乃々は、複雑な体位なせいか、性急なピストンを避けているふうだった。

 プロデューサーの片足を抱きしめながら、安定する姿勢を探り探りしていた。ヴァギナでペニスをくわえこんだまま、膝や足腰をくいくいと動かして、どんどん奥に、思い通りにペニスを味わえる場所を、なめるように求める。

 それがプロデューサーの快楽神経をじりじりとあぶり追い詰めていく。

 

「あっ、あっ……がぁっ……も、も……ゆるし、て……っ!」

「あ……!? う、動かないで、じたばたしないでほしいんですけど……これ、へんに動くと脚がもつれて、筋を傷めちゃったら……プロデューサーさんとえっちしてケガした、って言うしかないんですけど……」

「そ、そんな……んぁ、ぉほぉ……っ!?」

 

 乃々は、プロデューサーの動揺をペニスだけでなく、抱え込んでいる太腿でも感じ取れた。机の下で、いつもスラックスに包まれたまま乃々の目の前にあって、彼女を外の喧騒から守ってくれているような……そんなプロデューサーの脚が快楽を訴えている。それも、乃々の騎乗位のせいで。

 そんな状況が、乃々を肉体以上の快楽へ導く。

 

「あぎゃ、ぁ、はっ、あぁっ、あぁあぁ……っ」

 

 プロデューサーは『脚がもつれて』と釘を刺されたが、腰の左側も浮いてしまっていて、釘を刺される前から乃々の動きに抵抗できなくなっていた。

 

「ひぁ、やぁ、ああっ……! お、おく、とどいて、ます……いいですよ、その調子で、最後、まで……♥」

 

 乃々は再び膣奥をペニスで叩かれていたが、その感触は筆下ろしのときに劣らず鮮烈に女の奥底にしみた。プロデューサーのペニスの反りに対して、乃々が横にかまえていて、それで無造作に亀頭を突っ込ませるとポルチオ刺激が指一本ぐらいズレてあたった。ズレはもどかしいいっぽうで、乃々が完全に主導権をとっている現状を腟内すべてに教えてくれた。

 

「あ、んあぁ、あ……ん……うぁっ、ふぅ゛ぅー!? ふぅあ……あ、ほんと、これ、すごぉ……っ♥」

 

 同時にプロデューサーの太腿にクリトリスをこすりつけるのも、乃々の膣悦にいろどりを添えた。単にプロデューサーへメス快楽器官をこすりつけるだけでも本能的に気持ちよかった。そのうえ、太腿を規格外の巨根だと妄想すると、それに素股で奉仕しているような倒錯的な姿勢もたまらなかった。

 

「おほぁっ……ぉぁあっ、あ、あっ……乃々っ……」

 

 乃々の反応は、プロデューサーの奇妙な充実感をさらに大きくふくらませる。

 

「ぁ、はぁ……♥ ぷろでゅーさーさぁん……きもちいい、きもちいいですっ、もっと、して、ぇ……♥」

 

 プロデューサーは、乃々から、何かをしたくない、やめたい……と言われることのほうが多かった。それはアイドルの仕事関係がほとんどなので、プロデューサーはたいてい乃々の要望を無視していた。

 それがいまは『もっと、して』と能動的なわがままをぶつけてもらっている。ヒリつくほどのペニス感覚のなかで、乃々のわがままは頭に温かく響いた。

 

「ぅ、んぐ、くっ……の、乃々、ぉ……き、きもちいいか……?」

「ふぁ……は、はいぃ……きもちいぃ、ですけど……」

「そうか、なら……うん……ぁ、は、あぁ、乃々……っ」

 

 プロデューサーの感覚では、もうこの仮眠室にほかの利用者が入ってきてもおかしくない時刻になっているはずだった。乃々とのセックスが、こんな言い逃れできないシチュエーションでおおっぴらになったら、懲戒解雇は免れないし、都条例には引っかかるだろうし……それでもいいと思ってしまった。

 むしろそうなったときに悔いを残さぬよう、乃々の存在を深く焼き付けることした。そうやって集中すると、敏感になった男性器粘膜を容赦なく磨り上げてくるセックスの痛みが、かえってありがたかった。

 

「乃々……たぶん、もう、出る……う、ぅううっ……!」

 

 びくっ、びくっ、びくっ、とペニスが3度ばかり跳ねた。数秒ほど射精が続く。女の子宮へ孕ませ汁を送るというより、ぎりぎりまで尿意を我慢した後に膀胱が耐えきれなくなって排尿した感覚に近かった。

 

「はぁ、ああ、ああぁうっ……プロデューサーさん、だして……は、ぁ、はぁあぁう……♥」

 

 乃々の膣奥は、精子を内へ内へと飲み下すような蠕動を繰り返して、膣口から、ぷちゅ、びちゅと、奇妙な音を鳴らした。混濁に沈みゆくプロデューサーの意識には、その音がねぎらいにも不平にも聞こえた。

 

 

 

 

 

 乃々とプロデューサーが事後の気だるさと戦いながら、えっちらおっちら身支度を整えて仮眠室を出るまで、奇跡的に他人と出くわさずに済んだ。

 しかしプロデューサーの消耗は顔を洗っても隠しきれなかった。事務員などは、プロデューサーと行きあって開口一番「帰って寝なきゃだめですよ」「顔色が悪すぎて顔認証で弾かれたら、私が通すので言ってください」とぶつけてくるありさま。

 

 それでそそくさと帰り支度をして、事務所エントランスの退出用フラッパーゲートを開かせた瞬間。

 

「こんどのお休みもよろしくおねがいしますね」

「えっ」

 

 プロデューサーを見送っていた乃々が、耳元でささやく。

 

「……気持ちよくありませんでしたか?」

「そんなことは」

「じゃあよろしくおねがいしますね」

「はい」

 

 乃々とのやり取りの間で、ゲートがタイムアウトして閉じてしまった。警備員が二人を怪訝な表情で見ていた。プロデューサーはうっとおしげに認証用カメラを睨んで、ゲートを再び開かせると、ひょろひょろした背中と足取りを乃々に見せながら遠ざかっていった。

 

(あれだけ悶絶してたのに、ちょろいんですけど……まだまだ、教えることがありそうですね……)

 

 乃々の白レース下着の奥で、プロデューサーの精液をたらふく飲んだ子宮が、獲物を反芻するようにきゅうきゅうとうずいた。

 

 

 

(おしまい)

 

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