アイマスのアイドルが童貞をもらってくれるシリーズ 作:ふりーじ屋/家庭内禁書
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「あんた早く買いなさいよ。人が来ちゃったらぶち壊しよ」
「これ、俺が買ってもいいんだよな」
「……お酒とかタバコとかえっちな本とかと違って、子供が買っちゃダメって話を聞いたことないわね」
彼――少年――と藤居朋は、目線の高さがほぼ同じだった。冷たい冬風に白く浮かんで消える吐息が混じり合いそうだった。目線と吐息の先に、古めかしくすすけた白い自動販売機と、薬局の青いシャッターがあった。自動販売機は、細くて丸いポールで下から本体を支えられ、店先の端に押しやられるようにひっそりとたたずんでいた。SAGAMI、人生が変わる0・02ミリ、と書かれていた。
朋の視線を居心地悪く浴びながら、彼は100円玉を5枚入れた。丸くて黄色いボタンが3つ並んでいるうち、真ん中を押した。
「駅チカだったらもうちょっと安いのにな」
「ドラッグストアと比べるなよ」
「へぇ、知ってるんだあんたも。オトナじゃん」
お釣りなしで、紙パッケージ入りのコンドームが彼の手に収まった。
「よし、はじめてのおつかい完了! えらいぞ~!」
「えらくねぇよ」
「早く帰りましょ、寒いし」
トップからうなじぐらいまで垂れたポニーテールと、クリーム色の冬物コートのすそとをひらめかせながら、朋がきびすを返した。朋が背景に従える住宅街と商店街の境目は、ひっそりしていて、人っ子一人猫の子一匹いなかった。
少年は、先を歩く朋の背中を見ながら、そのコートの下の姿を思い浮かべた。トップスに、淡い藍色のゆったりしたセーター。特に首元がゆったりしていて、細い肩や鎖骨の女性らしいようすを引き立てていた。ほんのりしたボリュームのバストのふもとまで素肌が見えていた。野暮ったい白のブラジャーと、実はやわらかいバストの触り心地と、ちょっと大きくて色が濃いなと思った乳輪や乳首も、思い浮かべることができた。小半時も経たない前に見たり触ったりしたばかりだ。
ボトムスは、濃紫の地へ黒いラインが縦横に走るチェックのスカートだった。丈がヒザより10センチほど上だった。これまた野暮ったい白のショーツと、濃密だが小さく整えられた黒い陰毛と、貝に似た形で貝より鮮やかなピンク色をしている秘所も、少年は思い浮かべることができた。こちらも、小半時も経たない前に見たり触ったりしたばかりだ。
「ほら、早くっ」
「おい、朋、ちょっと……!」
「あ、勃ってる? 走りにくい?」
朋だって下着びちゃびちゃのくせに……と彼は言いかけて、かろうじてこらえた。かつて朋の背中を見ながら歩いた記憶が、緊張と興奮とを押しのけてにじんできた。そのとき朋と彼はランドセルを背負っていた。朋が登校班の班長で、低学年だった少年がすぐ後ろをついて歩いていた。
「早くしてよ~、体が冷えちゃうじゃないっ」
登校班の集合場所を示す小さなプレートの横を、早歩きで過ぎた。冬の太陽がまだ明るかった。
彼の自宅に戻ればセックスを再開する、とお互い承知だった。
※
セックスのきっかけは、数週間前に少年が友人から聞かされた一言だった。『お前、藤居さんに童貞卒業させてもらってないの?』……友人が目を丸くして意外そうに言った。少年にとって、内容も言い方も意外を通り越して衝撃的だった。
藤居朋は明るく社交的な少女――といっても、彼らから見ると5つ年上だが――として知られていた。丸く大きな目、よく笑う頬とくちびるなどが整っていてマスコットのように可愛らしく――本人は『そこはお人形さんみたい、って言ってもらいたいんだけどなぁ』とたまにこぼす――誰からも一目で顔を覚えられた。軽いウエーブのかかった長い黒髪をいつもトップに結んでポニーテールにしていた。好きなものは占いやパワースポットなどスピリチュアルなものごと全般。年末年始には、近所の神社で巫女のアルバイトをするのが数年前からのお決まりとなっていた。
朋が売り子をしているとき、お守りや破魔矢の売れ行きが格段によくなる、と少年は知っていた。その神社こそ、少年の祖父が宮司をしている神社だった。
そこは境内に幼稚園を設けていた。むしろ、少年の祖父は園長が本業だった。少年と両親は、境内と半ば一体化している自宅に住んでおり、年末年始などの繁忙期に手伝いに行っていた。少年が生まれる前、朋がその幼稚園に通っていたとも聞いていた。それらの事情があって、さしたる用事のないときでも朋は少年の家に出入りしていた――『なんかご利益ありそうだもんねっ』『あったらうちはとっくに億万長者だよ』『あんたのご利益ってお金だけ? 俗っぽいわね~』――少年は朋から弟のように扱われていた。
しかし、《童貞卒業》は衝撃的だった。
動揺を必死で抑えながら少年が友人から聞いたところによると――朋に気に入られた年下の少年の何人かが、初めてのセックスの相手をしてもらった、らしい――この近所の少年たちにとって、耳をそばだてずにいられないうわさだった。
少年たちや、彼らから数学年ほど上や下の少年少女たちは、ほとんどが朋と近所で遊んだ思い出を持っていた。朋は、彼女の同年代がとっくに卒業した遊びでも、実に屈託なく楽しげに本気で付き合ってくれる《お姉ちゃん》だった。少年の祖父は『もし(幼稚園教諭の)免許を取ったなら絶対にうちに来てくれ』と半ば本気で声をかけていた。
少年やその友人たちが思春期に差しかかると、朋との付きあいもご近所さん程度となっていた。ただ、少年を除いては――『だって藤居さん、よくお前んちに入り浸ってるらしいし』『まぁ、それは』『そんでさ、俺らのセンパイに、童貞卒業させてもらったって人が』――少年にとって寝耳に水だった。あるともないとも言い切れなかった。藤居朋は実に親しみやすい少女だった。そして少年たちがある種の女性に対して抱く『親しみやすさ』とは『セックスさせてもらえるかもしれない』という淡い期待と重なっていた。
うわさを耳にしてから数週間が過ぎて、少年が朋と2人でコンドームの自動販売機前に立つことになった。立つ数十分前に、もうひと悶着あった。
『あー、あー、千客万来だったわぁー。これなら今年も商売繁盛間違いなしねぇー』
『おい、朋』
『あによあんた、珍しくガチっぽい顔して』
少年がうわさを聞かされたのは、12月の、その年最後の定期テストが終わった直後だった。それから冬休みに入り、朋が神社のアルバイトにやってきた。すっかり慣れている朋は、新しくやってきた年下のアルバイトに仕事を教えていた。彼は朋とすぐそばで年末年始を過ごしていたが、うわさの真偽を確かめる機会がなかった。
その日の夕方までは。
『……聞いたんだけどさ、うわさなんだが』
『うんうん。あー……そっかぁ……』
朋は、その日の神社での手伝いを終えて、巫女服から私服へ着替えて、少年の自宅の居間で休んでいた。こたつに足を突っこんで、天板にどこからか持ってきたミカンを並べて、まるで自宅のようにくつろいでいた。少年の家族は、ちょうど神社の手伝いやほかの用事で出払っていた。
『地元じゃ朋ちゃんのこと、すーぐうわさになっちゃうかー』
『え、まさか……朋、ウソだろ……?』
『あたし、人生の転機ってやつを迎えちゃったと思う……』
朋がミカンを剥く手を止めて、立ち尽くしている少年を見上げた。
『あたくし藤居朋は、スカウトされてアイドルになっちゃいました!』
『……えっ』
『おーいっ! なによあんたその顔、信じてないわねー!?』
『……おい、あれ、学校は……? なんだっけ、あの、専門……』
『辞めちゃった!』
『は?』
『事務所が東京で、そっちいくからさぁ』
朋がこたつからのそのそ立ち上がってミカンの一房を口に押しこんでくるまで、少年は声を失っていた。呼吸すら忘れていたかもしれなかった。
「それにしても……あんたの聞いたうわさだと、あたしって童貞卒業させてくれるお姉ちゃん……ってことになってたわけ~? ショックだなぁ~」
「うわさだよ、気にするなよ」
「あはは、あんたこそ気にしてるじゃんっ」
朋が少年にゴムを買わせたあと、ぱたぱた早足で少年の自宅まで戻った。玄関から居間に行って、投げ捨てるようにコートを脱いだ。トップスのゆったりしたセーターと、ボトムスのややタイトなスカート。セーターはひどく、スカートも幾分くしゃくしゃになってしまっていた。
朋のアイドル宣言を聞いたとき――ゴムを買いに行く少し前――に、少年が朋を押し倒したせいだった。
「いくらなんでもびっくりしたわよー。がばー、ってあんたが押し倒してきてさぁ」
「わ、悪かったって……」
「もう怒っちゃいないわよ。ただ、いつのまにかあんたもオオカミさんになってたんだなぁって」
「……まぁ、その」
「背もあたしよりおっきくなってた? 腕も肩もゴツくなってて、押し倒されたとき、やばいなーって思ったわ」
あとから居間に入ってきた少年の胸元に、朋がずいっと寄ってくる。コートの下にこもっていた匂いが、《さっき》より甘酸っぱく濃く熱くなっている、と気づかされる。
「まぁ、すぐ、そんなにやばくないかな? ってなったけど」
「あ、そう」
「だってあんなこと言うんだもん……『ぼくの初めては朋お姉ちゃんじゃなきゃいやだー!』って」
「んなこと言ってねぇからな!?」
「じゃあ、あんたあんときなんて言ったっけ」
「……それは」
「もっかい! アンコール!」
「……朋ぉー!」
「むふふ、恥ずかしいって思ってたのか、自分でぇ……このこのーっ」
朋が、少年の肩に手を回して抱きついてくる。耳元でささやいてくる。立ったままの2人は、肩の高さがほとんど同じだが、肩の幅が一回り違っている。
「言ってよ。あたし……朋お姉ちゃん、さっき、キュンって来たから」
少年は、部屋に敷いておいたマットレスのうえに、朋を押し倒す。床に直に押し倒した《さっき》より優しげな加減にできる。
「……お、俺に押し倒されてるわけだけど……」
「うん、うん」
「占いだと、今日の運勢どうだった? 最高? それとも……最悪?」
朋が少年の首に手を回し直して、耳たぶにキスしてくる。
「最高になったわねぇ」
少年が朋とセックスしたい欲望が、最初より少しだけ穏やかに、ずっとべっとりと粘っこくなっていたと気づく。
「ね、またキスしよ」
「朋……」
「きょう限りだけってのは変えられないけどさ……するの、1回より2回のほうがいいよね?」
少年に押し倒されながら思いをぶつけられた朋は、きょう限りという条件と……『朋お姉ちゃんっ! って呼びなさいよー』……との条件で、セックスしていいと請けあった。それから少年に愛撫をしたりさせたりしているうちに、『あ、ゴムないじゃん』と言い出して、少年を引きつれて地元の薬局の自販機で買ってきた。
「ん、んちゅっ、ちゅぱっ……んんっ……!」
少年にとって初めてのキスは、ミカンの味と匂いばかりだった。匂いはみかんより甘ったるかった。2度目のキスは、冬風で少し乾いた朋のくちびるがかすかに甘しょっぱかった。すぐに、ジワジワとくる唾液に塗り替えられた。ミカンよりも淡い甘酸っぱさだが、少年がこれまで口にしたどんな食べ物とも違うぴりぴりした熱さとしびれがついてきた。そのくせ髪の生え際からくる匂いが甘ったるかった。初めてのキスのときより甘ったるくなっていた。
「んふっ……ぷふ、ぁは……なによ、さっきは舌なんて入れてこなかったじゃーん……」
「そのさっき、朋に入れられたから。お返しだよ」
「さっきまでのえっちのおさらい、いらない?」
キスを再開する。朋の腕が、力をこめて少年を引き寄せてくる。女性の体がこんなにやわらかくてしなやかだったんだ、と改めて思いだす。
「ん、ぇう、んんっ……んふふ、あんた、もう勃ってるじゃん、すっかり緊張がほぐれてきた?」
「朋と……こんなに、してるから」
朋のほうには、少年の体の引き締まって強ばった感触がしっかり伝わっているらしい。
「ふーん。さっきは緊張して縮こまってたけど」
「蒸しかえしすぎだよ……」
「気をつけなさい? さっきも言ったけど……女の子がね、好きな男の子の初めてもらっちゃったら、死ぬまで蒸しかえしてくるから」
朋の『好きな男の子』という言い方が、どのぐらいリップサービスでどのぐらい本音なのか、一瞬だけ考える。ゴムを買いに行く前のファーストキスでは、ずっと考えてしまって、ペニスがあまり勃起していなかった。いまも同じぐらい頭が熱くなっている。
「初めて、って……えっちだけじゃないよ? キスもだし、おつかいもだし」
「ゴム買ったことぐらい……!」
「じゃあ、それ、忘れなさい。ゴム買ったのも、きょうがあんたの初めて」
押し倒されたままの朋が、少年のズボンのふくらみを指先で撫でている。すり、すり、とかすかな衣擦れが立つ。彼の下肢が興奮でぶるりと動揺する。ペニスにかかる刺激だけなら、勃起したまま早足で歩かされた買い物帰りのほうがよほど強かったのに、朋がすぐ近くから、彼女の意志で手を伸ばして触れて……となって、比較にならないほど濃く感じられる。
「……あたしだってね、誰でもさせてあげるわけ、ないんだからね」
少年がいつから朋を異性として好くようになったか、当人にもわからない。ただ、それが初恋であることは、いまや少年自身にも朋にも明白だった。朋はいつから知っていたのか。知っていて、きょう押し倒されるまで少年の家に無防備に入り浸っていたのだろうか。彼の家で2人きりになるのはきょうはじめてではない。
「う、ぁっ……!?」
「黙っちゃ、やぁよ。余計なこと考えてるでしょ」
朋が、ごろりと体勢をひっくり返してくる。朋と少年の2人が並んで横寝になる。さすがにマットレスでは狭かった。マットレスは、《さっき》を中断してゴムを買いに出るついでに敷いていた。
彼のズボンの中に、朋の手がするりと忍びいる。その日の午前中から昼過ぎまで、紅白の巫女服に袖を通しておみくじや破魔矢や御札を100以上も売っていた手が、いまや半立ちのペニスを楽しげにもてあそんでいる。
「朋お姉ちゃんのおてて、気持ちいい?」
「気持ち、いい、よ……朋、の……」
「朋お姉ちゃんだって言ってるじゃあん」
朋が笑いながら少年のペニスをくいくいつねる。彼の首筋に顔を埋めて笑いながら湿った吐息を漏らす。爪先を跳ねかえすほどペニスが弾力を帯びていく。彼の肌も冬風を忘れて熱くなっていく。
「うは、あは……男の子の匂い、だねぇ……!」
「う、ぐ……臭い、かなぁ……」
「あんたぐらいの男の子ってそういうもんよね」
「……やっぱり、うわさは……あきゅっ!?」
「やってるときに、ほかの男や女の話はしないことっ」
「くっ……朋が先に言ったんじゃないか……!」
「じゃあ、おあいこってことで」
さすったり、握ってしごいたり、つねったり、朋の手がくるくると触り方を替えながら少年のペニスをたかぶらせる。されてばかりでは……と、少年が朋のセーターのすそに右手を突っこむ。指先で、朋のウエストがびくりと震えるのを感じる。
「わわ、やぁっ……お腹、いじられるの、弱いんだってば……こらぁっ……!」
「うわ……! 朋の、いまの……すごく興奮する……」
「女の子にいじわるしちゃだめだぞ」
「い、いやだったかな」
「……いきなりは、いや」
「じゃあ……朋のおっぱい、見たい……」
「朋お姉ちゃん、って呼びなさいよー……これさっきも言ったわ」
《さっき》も、少年は朋の素肌のバストを見たいとねだり、不承不承ながら『お姉ちゃん』と言わされていた。
「朋お姉ちゃんのおっぱい、見たい」
「だーかーらー……あらら、ずいぶん素直ね」
「朋お姉ちゃん……」
「おっきくないよ、あたしの……ん、ぁ……」
「朋お姉ちゃんのおっぱい、もみたい」
「……おい、いまさり気なくハードル上げたな」
少年の右手が、朋の素肌とセーターとのあいだでうろうろして、朋がかすかに吐息を波打たせる。何度も繰りかえす。朋がペニスをつねりかえす。少年の吐息も落ち着かなくなる。
「ん、ぁ……くすぐったい、よぉ……」
「俺……朋の、こっちでも興奮しちゃうかも」
「お姉ちゃんって呼べよー」
「朋お姉ちゃん……」
「ずるいー、その言い方ぁ」
「朋が言えって言ったんだろ」
少年が朋のセーターのすそをつまんで、くいくいと軽く引っぱる。朋の手がペニスを離れて、彼の手をセーターごと押さえつける。ゆるかったセーターの生地がぴんと張られる。
朋のほんのりしていたはずのバストのボリュームが、セーターごしに浮き上がって見えるほど大きい。彼の手を抑えながら両肩と腕で胸を寄せてあげて、しかも胸を張っているらしい。
「あんた、ホントにおっぱい好きだねぇ~」
「……す、好きだよ」
「さっきだって、あたしがちらっとおっぱい見せただけで、おちんちんバキバキになってたし」
「そういう朋だって……!」
「ん~?」
少年からだと、朋もすでに《さっき》の胸愛撫と同じぐらい興奮しているように見える。半開きのくちびるから、息がすぅはぁと熱っぽく漏れている。胸を張っているおかげか、肺がふくらんだりしぼんだりするようすも見てとれる。セーターの大胆なカットと素肌の境目がじんわりと汗ばんで、甘ったるい女の体臭がますます彼をあおっている。
「さっきは、いきなりセーターめくって、ブラずらして、ぐいぐい触ってくれちゃったけどねぇ」
「わ、悪かったよ……」
「覚えてる?」
「……ええと」
「じゃあさぁ」
「なにさ」
「あたしの、おっぱいの、先っぽ……乳首、どのあたりだったか、覚えてる?」
「え」
言いながら、朋が少年の左手に視線をちらと向ける。
「覚えてるんなら、服越しでも当てられるよねぇ~」
「……触っていいの?」
「いいけどさ、外れだったらショックだなぁ」
「え、なんでさ」
「せっかく触らせてあげたのに、忘れられちゃったみたいでねぇ」
少年の内心と左手が、びくりと武者震い。藤居朋のおっぱい。セーターとブラ越しであっても、当然触りたい。触らせてもらえるなら願ったり叶ったり。しかし朋は、《さっき》おっぱいを触ったときのことを根に持っているらしい。どうしてか? そんなに大きくない割にやわらかい、とつい思ってしまったせいか。乳首が思ったより大きくて色が濃いめだったのを、ついじっと見てしまったせいか。その乳首をこりこりと指先でいじったら朋が嬌声をかみ殺すように息を乱して、ついしつこくいじってしまったせいか。
葛藤をまとったまま、少年の左手がゆらりと鎌首をもたげる。
「んっ、んふっ……ん~、ちょっと違うかなぁ~? あたりじゃないよー、あたりじゃないもんっ……」
「そ……う、か……当てる、からなっ」
「できるもんなら、ねぇ……んふふ……」
少年の頭と体は、朋のあちこちからいっぺんに秋波を飛ばされてギリギリねじられている。彼女のセーターをふくらませるバストが、まだまだもっと、と彼の左手を待ち受けている。そのセーターのすそで、両手が彼の右手を押さえつけて拒む素振りを見せる。吐息と視線が、触って当てて見せなさいよ、覚えているでしょうね……と言わんばかりにプレッシャーをかけてくる。
右側のバストのふくらみに狙いをつける。そのてっぺんを凝視すると、さっきこりこりとしごいた乳首が透けて見える気がする。けれどそのあたりに触れてみると、朋が悩ましい吐息をつきながら、くいくいと首を横に振る。
「んっ、ふぁぁっ……そ、そこっ……じゃない、って……もー……っ……」
「じゃあ、変な、声、出すなよ……」
「あ、びくってなった……! あは、あんたのおちんちんが興奮してどうするのよぉ」
少年が左手の指先でなぞったところは、朋のバストのてっぺんに見える。《さっき》見せてもらった記憶をたどっても、常識的に考えても、そう外れていないはず。すり、すり、と念押しのように指先を這わせる。朋がはにかみながらくちびるをとがらせる。
「ふぅ、は、ぁ、あっ……なぁに、もー……わざと外しちゃってるなぁ~?」
「……えぇ……? ぜったい、当たってるだろ、朋」
「朋お姉ちゃんでしょーっ」
拒まれているような、受け入れられているような気分でフラフラする。乳首を当てなければ、生のおっぱいは触らせてくれないらしい。けれど当てなければ、好きにまさぐっていいという意味かもしれない。
「んきゃぅ……!? は、ぅ、あぅ……!」
少年は、親指から薬指までの4本で、朋の右乳首か乳輪かと思しきあたりをきゅうとつまむ。バストのふもとあたりでセーターにシワが寄ってしまう。朋の両手がぎゅうと強ばって、すそ近くにはもっと深いシワが刻まれているだろう。右手の甲に、ちくりと痛みが走る。朋からつねりかえされている。
「朋……声とか、めっちゃエロい……」
「ん、ふっ……だめ……だよ、ちゃんと、あてなきゃ……ふ、ぁ……は、ぁはっ……!」
いったん指を開いて、朋の乳房のふもとからてっぺんまで、絞りだすようにもむ。乳首当ての趣向と無関係だが、朋はニヤニヤしながら少年を見つめるまま。
「ふ、むぅっ、んんっ……あによ……早く、ナマのおっぱい、見て、触りたいんじゃないの……?」
「……これは、これで」
「童貞のくせに、余裕ぶっちゃってぇ」
「おかげさまで……2回目みたいなもんだし」
「……うふ、そっかぁ、あたしのおかげぇ……ふふんっ……」
実際、朋の――そして、母親を除く女性すべての――バストを見たり触ったりした経験がまったくない数十分前の《さっき》であれば、少年はじれったくてこんな状況に耐えきれなかった、と思う。ふにっ、とやわらかい感触。セーターとブラごしにもわかるぐらいバストがやわらかく指先を押しかえしてくる。というより、ブラでも寄せて上げられているせいか、ナマおっぱいよりふっくらと感じる気もする。
「へぅっ、あううっ……違う、もっと、強く、しても……」
「あ、場所はあってた?」
「うぅ、うーっ……揚げ足取るんじゃないぃ……あっ、んんっぅんっ……!?」
朋が寝転がったまま腰と太ももをもじもじとさせる。セーターのすそと、その下のスカートと、マットレスがずりずり衣擦れを聞かせる。ウエストをひくひくさせる。少年の耳と手に伝わってくる。少年の意識にも肉体にも伝わって、さらに頭が熱くペニスが硬くなっていく。
「ぁ、きゃんっ……!? ねぇ……いい加減、直に触りたくなってきたでしょ……?」
「最初っから触りたいって言ってるんだけど」
「でも、あたしがいいって言うまで待ってくれてるの……?」
「……朋……」
「ふぁぁっ……そ、そこっ……んっ、んくっ……! 紳士ぶっちゃってぇ……あたしのこと、押し倒したくせに……や、ぁふぁっ……!」
「くそ……!」
少年はついに無理やり朋のセーターをたくし上げる。《さっき》は、『あんたのうちの人、いつ帰ってくるかわからないから……』とセーターを脱ぐのを渋っていたくせに……朋が少年の手首をつかんだが、少年からぐいと力をこめられ、観念するように脱力する。ブラも乱暴にずらす。
「えひゅっ! ひ、ぁ……だぇ、つよ、すぎ、ぃ……んくぅっ、んんんっ……!」
「やっぱ、さっき当たってただろ、一回ぐらい……」
「ぶーっ、違うわよぉ……ズルした! イケないんだぁ、当てなきゃ触らせないって……」
「……朋、言ってないよなぁ? そこまでは」
耳や鼻の軟骨ぐらいにしこりたってきている朋の乳首を、少年が遠慮なしにつねる。ねじる。ひねる。朋が肩から腰までをくねらせる。反応が弱々しいくせに、乳首そのものはぷりぷりと指先を強く押しかえしてくる。
「あっ、ゃ、あ、んんっ……ひぅ……! ぁは、好きなのねぇ、あんたも」
朋がくちびるをとがらせながら少年の手を抑えている。胸を突きだすように背筋を伸ばしたままにしている。両手の指を使ってで乳首をしごいても抵抗しないし、それどころか彼女のほうから少年の手に乳房を押しつけてくる。朋の肌と吐息がさらに熱っぽくなって、見つめてくる瞳も潤んでいる気がする。乳輪もふくらみを増してきている。少年の頭と体とで、朋の乳房をもっと揉んで舐めてもっともてあそびたい欲望と、触らせてもらって満たされる充足感が混ざってぐるぐる回っている。彼に乳首をいじくり回されているのに、朋があまりに余裕綽々なせいで、うわさが本当だったのか、と思う。本当にだったにしては、ゴムを忘れていたのがうっかりしすぎとも思う。
「やぁうっ、う、んんっ……あれ、もうおっぱいいいの?」
「逆……ちょっと、もう、がまんできなくなってきた……!」
少年は朋のセーターを脱がせきらないまま矛先を替えて、朋のスカートのベルトに向かう。外そうとする。朋がマットレスに寝転がったまま、いやんいやんと笑いながら腰や太ももをよじって手こずる。そのたびにウエストの起伏とバストの谷間が波打って誘惑してくる。
「あ……!?」
業を煮やした少年は、スカートを脱がさずすそをまくりあげる。朋のほっそりしていた脚が、ぎゅうと緊張して、縮こまっているはずなのにかえって豊かでしなやかに見える。
白くて野暮ったい下着が、しわくちゃで、濡れて半ば透けてしまっているようすが見える。
「おぁ、すごい濡れてる……エロすぎるだろ……!」
「あんたが、あたしので興奮するから……合わせてあげてるのよぉ」
はぁはぁ、と吐息がどうしても漏れ出して、混ざり合うままになる。さっきまでの勢いを失って、おずおずと指先で触れる。朋の腰がびくんっと跳ねて、あわてて指を引っこめる。朋が口元を押さえながらニヤニヤ笑っている。
「さっきより、女の子のあそこの扱い、わかってきたみたいね~」
「そ、そうかな」
「よしよし、いい子だぁ」
「……いい子じゃ、ない、でしょ」
ゴムを買いに行く寸前の《さっき》では、少年はもっと乱暴に秘所に触れて、朋からたしなめられていた。初めて肉眼で見る女性器が、無修正で見ていたそれよりぴらぴらと扇情的で、色も鮮やかで、しっとりと濡れていて、ついアダルトビデオのようにがしがしと指を入れて怒られてしまっていた。それで朋が冷めかけて、ゴムがないことを思い出したかもしれない。最初からうまく手マンしてナマでやらせてもらうか、2回触らせてもらってゴムありでやるか、どちらがよかったかわからない。
「えいっ」
「うぉあっ!?」
「急におとなしくなっちゃって……こっちはおとなしくなってないから、続けちゃうけどー」
朋にむんずとペニスをつかまれ、少年は悶絶させられる。朋がゴムの紙箱をがさがさ開けてビニールをぴりぴり破く。ビニールの表記で、コンドームに表裏があると初めて気づく。
「これ買いに行くとき、ゾクゾクしたねぇ」
「……誰かに見られたら最悪だもんな」
「朋お姉ちゃんのよからぬうわさにでっかい尾ひれがついちゃうよー」
「うわさ、って……やっぱ……うっ!?」
「ほら、おちんちん貸しなさい。きょうはあたしがやってあげるけど、次からは自分で着けるんだぞ~」
朋の手に根本を握られ、亀頭もホールドされ、するするとゴムをかぶせられる。手並みがスムーズすぎて、彼が着け方を飲みこむ前に0・02ミリで覆われてしまう。朋にあお向けになるよう促されて、素直に従う。またがられて、彼女の腰がゆっくりと下りてくる。たっぷり濡れた穴が、少年のペニスをくわえ、吸いこんでいく。
「んは、ぁうぅぅっ……ぅふ、かたくて、おっき……あ、ごめんっ」
「あぅっ、うぐっ、んぃううぅ……っ!」
「童貞卒業おめでと、って言うの忘れてたわ。あはは。おめでとー!」
少年は、腰の奥から脳天まで貫かれるような衝撃に震える。手足がのたうちまわり声が叫んでいる……つもりだが、実際は朋にペニスを飲まれ、上からのしかかられ、されるがまま。
「あっ、ゃ、あ、んんっ……んふふっ、これであんたも、一人前の男かなぁ~?」
「あ、ぅ、あぁあ! と、朋……!」
「おーおー、もう朋お姉ちゃんって呼んでくれないのか~?」
「あうっ、くっ! んぐ、うううううう……!」
朋が馬乗りになって上から笑いかけてくる。その姿は、肩まではほとんどふだんどおりに見える。額や頬が真っ赤で、髪が汗にまみれて耳や頬や首筋に絡みついていて、目がじっとり潤んでいても、トップのポニーテールと淡い藍色のセーターがあってまだふだんどおりに見える。
そのすぐ下はまったく違っている。セーターがたくし上げられ、ブラがずらされ、乳房があらわになっている。朋が腰を動かすのに合わせて、バストがぷるぷると揺れ、ぷっくりふくらんだ乳首と乳輪が宙を引っかいている。ウエストや下腹がぴくぴくと痙攣して、それに合わせてペニスが締めつけられると、いよいよ膣内にペニスを持っていかれている、と実感する。結合部が脱ぎかけのスカートに覆われていて、かえって膣内の感触が色濃く思える。
「あ、うぁ、く……と、止めて、朋……で、でちゃう……!」
「んんぅ~? いいよー。別にー。ゴムつけてるし」
「あぅあっ、な、ナカ、シまっ……う、ぅううっ……!」
「んもー……おちんちん長持ちさせて、女の子ひぃひぃ言わせたい? エロ本の読みすぎー」
「く、ぅう、と、朋ぉ……!」
「ま、それも大事かもしれないけどね……」
朋が膣内にペニスを深くくわえこんだまま、前後に腰をゆらゆら揺らす。亀頭も竿もひだでしごかれているのがはっきりと神経に焼きつく。スカートで隠れた結合部からぬちぬちと水音が鳴って耳からもセックスを理解させられる。
「入れる前のが……んんんっ! ずっと、だいじなんだぞー!」
「ぁぅうっ、きゃ、ああっ、でるぅ……!」
「ゴム買うときのあんたの顔、けっさくだったわよ、あはは……! それから、それから……!」
朋の腰使いがどんどん大胆になっていく。少年の視界の中で、腰が縦横に跳ねて、胸が弾む。彼女の背中が弓なりに反ったり、息をつくように丸まったりする。少年が歯を食いしばり、手や尻や太ももが痛くなるほど力をこめても、あっというまに追い詰められ、射精する。
「あぁぁぁああぁっ……! はぁううっ……! んっ、んんんくぅっ……!」
「ふふ、ぁははっ……出た? 出たぁ?」
少年は、自分がゴムの中に精液を吐き出していると感じ取る。朋の膣内とゴムとの感触に、精液だまりで受けきれないほど多量でどろどろした粘液が混じって、水を差されたようで泣きたくなる。あんなに熱くて、心地よくて、激しくて、あっけなく終わってしまったのか。
「ぅう、ぅあ、ぁ……」
「すっごい気持ちよさそうな顔するのね、あんた」
ずるり、とペニスを抜かれる。ゴムを外される。朋がニヤニヤ笑いながら、童貞卒業の精液をたらふく注がれたゴムをしばって指先でつついて、少年は自分のペニスがつつかれたようにくすぐったくてもだえる。
「ゴムは、一回射精したら替えなきゃだめだぞー。どうだった?」
「その……夢中で……とにかく、気持ちよかったけど……」
「けど?」
「……その」
朋がセーターもスカートも直さないまま、まるで入れたままのように腰をゆさゆささせて笑う。
「ところで、さっきの自販機のゴムって2枚組だよね~。もう1回できるけどね~」
「もう1回……!」
「その前に言うことがあるよね?」
「ええと……」
「あたし、最初にしてあげるって言ったとき、あんたになんて言ったっけ?」
少年がしばし黙った後、つっかえつっかえ《朋お姉ちゃん》としぼりだす。すると朋がお腹をかかえてくつくつ笑って、ごろりと寝転がって両脚を開いて見せる。秘所が泣いているように濡れていて、笑っているように引きつっている。少年の背筋がまた武者震いする。
「こんどはあんたが入れて……あ、着けるの自分でできる?」
「で、できる……はず……! やってみるけど……」
「どうせなら10回でも20回でも、一生ぶんでも失敗しときなさいな。1回できればいいのよ」
「……朋って、10回占っていちばんいい結果だけ信じるもんな」
「占いといっしょにするなー!」
少年が、朋の両足のあいだに陣取る。秘所のいちばん外側を指で抑えて開くと、ピンクの粘膜が細い糸を一瞬だけ引いてあらわになる。騎乗位の余韻にひくひく震えている。少年のノドが勝手に鳴る。ペニスが硬いままだったか、硬さを取り戻したのか、とにかくゴムを着けなおすにはじゅうぶん。自分のペニスがこんなにも朋に許され喜ばせている、と思うと、それだけで精液がこみ上げてくる。ますますペニスが硬くなる。
「準備ができたら、言いなさいよ」
「朋……」
「なぁに?」
「……ありがとう」
「どーいたしましてー」
正常位をうながされて従う。挿入の狙いを定めるとき、膣口やクリトリスをずりずりこすってしまう。朋が声をあげて身をよじる。もっと聞きたくて、もう一度わざと触ってしまう。朋がくちびるをとがらせながら、少年の腰をかかとでごつごつ叩く。
「うぉ、ふ、ぁ……朋、の……!」
「ん、ぁぅ……! ぁはっ、あっさりー……あんた、エッチの才能あるかもねぇ……?」
ペニスが膣口に吸いこまれる。膣壁がうねっている。応じて奥まで進もうとすると、亀頭が押しかえされる。膣奥まで入れきったことを想像するだけで腰まで脈打つ。膣肉をかきわける。膣内の水気と空気が潰れてか、ずじゅ、ぶぴゅ、とだらしない音がする。こんなにきつく締めつけられているのに、気が抜けて、そのまま精液まで引き抜かれそうになる。
「く、ぐぅ、あ、あぅっ……!」
「動けない?」
「……ぅうぅぅ……気持ち、よすぎて……!」
「ゆっくりしていきなよー」
朋が両手をもたげて、少年の頬を指先でつつく。ペニスを動いていないつもりでも、膣内がみちみちとペニスを絶えずこすっていて、射精しようと思えばできてしまう……ゆっくりどころではない状態で、かろうじてがまんしている。射精したい、射精してしまいたい、射精したくない、まだ……。
「いつのまにか、たくましくなっちゃって」
朋の手が少し下がって、少年の首や肩や胸板を撫でる。少年はされるがままになっている。
「ねぇ、ホントにあたしでよかったの?」
「……いま、言う、ことかよ……!?」
「あっははっ、おちんちんびくってシてやんのー」
「く、くそっ……!」
「動いてもいいけど、あんま激しくしないでよ。べろ噛んじゃうからぁ」
少年は言われたとおり、ゆっくりと腰を動かし始め……朋の膣内でペニスを擦ると、膣のつぶつぶかざらつきのような表情をはっきりと感じて……止まってしまう。朋がくすくす笑っている。あお向けでもふんわり丸い胸がぷるぷる揺れている。
手をもたげて、乳首をきゅうとつねる。
「うやぁ!? こ、こら、いきなりはダメー!」
「動くのは、まだ、無理そうだから……」
「はぁっ、ぁう! あっ! お、おっぱい、つよ……きゃうっ!?」
膣内の中程までペニスを進ませたまま、バストをもみしだく。ぷっくり張りつめたままの乳輪と乳首をしごく。さっきよりも指先に力と意識を注ぐ。朋の声がひらひら乱高下する。
「へぅっ、あううっ、ち、ちくびぃ、そんな、つよくしちゃだめぇ!」
朋の腰が浮く。膣の締まりがきつくなる。少年がようやく手を止める。朋が上気した顔で下からにらんでくる。腟内だけでなく、胸もウエストも腰もこわばったり緩んだりを不規則にぴくぴく繰りかえしている。
「もうっ! 調子に乗るなぁー」
「ごめん、朋……朋お姉ちゃん……」
「あたし以外にこんなのシてたら、一発で嫌われちゃうわよ」
「……朋は?」
「それか、ちょろい男だと思われて、なめられるか」
腟内をぎゅうとしめられ、悶絶させられ、少年は返事をぐんにゃり曲げられる。
「あははっ」
「おいっ……! 自分が、しゃべりながらするな、とか言っておいて……」
「あ、そうだったわね。ま、いいわ」
手のひらまで、むにゅり、とやわらかい乳房の感触が広がる。下から朋が押しつけている。
「これで最後だし。シたいこと、やりきっちゃいなさい」
少年が朋の胸に手を添えて、ずらしただけのブラカップがひしゃげるほど思いきり揉んでみる。肌と肉の奥まで意識を伸ばそうとする。細くてつるつるした肋骨か、どきどき拍っている心臓か、やわらかい以外の感触にようやく気づく。朋から、ふふっと笑われる。乳首をひねる。くすくす笑いがきゅっと跳ねる。膣壁がうねってペニスをこすりつける。さっき行きかねた膣奥に、亀頭をぐりりと押しこむようにする。朋がぱっと口元を両手で覆って、悲鳴らしき声が漏れている。乳首を指先だけでかりかりと引っかく。肩からウエストまでがぐうっと弓なりに反って、腟内がペニスを痛いほど締めつけてくる。
「んっ……ふあ、はッ、アッ……そう、ね……そんな感じ、かなぁ」
「朋……」
「……ちょうどよくって、おかしくなっちゃう、かも、ね」
ペニスで膣奥をとらえるよう構えながら、乳首を引っ張る。腰が引けていたのを、ずりずりと前に突きだす。朋が目を見開いて、手で隠れていてもわかるほど口をぱくぱく開閉させる。膣壁全体がびくびく痙攣する。少年の腰に両脚が絡みついて、腰と腰とがくっつく。腟内がいちばんきつくきりきりしているところが、少年のカリ首よりやや根本側にずれて、ギリギリで射精をこらえられる。
「あっ、だっ……お、お、く……ちく、び、もぉ……く、んんっ、あ……おおぉおおォっ……!」
朋の声が息苦しそうに低くこもっていく。もう彼女にも余裕がないとわかって、少年はそれだけで射精しそうに――射精したかもしれない、射精と同じぐらい完全に気持ちいい――けれど射精にしては長く続く。膣奥をペニスでゆっくりとこね、乳首にくにくにと追い打ちしてやることすらできる。
「すご……すご、ひいぃ……ぁは、あ、こん、な……! っく……い、……ォ……ッ!」
朋のポニーテールから太ももまでが、電流を浴びたようにか細く震えつづけている。あまりにも汗だくになってぬるぬるして、少年の手から胸がつるりとのがれてしまう。つかみなおす。少年のペニスに貫かれたまま、朋の腰がぎゅううと浮き上がっては、マットレスにどたんと落ちる。汗よりもべたべたする体液の感触を、少年は彼自身の下腹部や太もものあたりで感じる。
「ぅ……ほぁ、ぉ……っ、あぁ……ッ、くう……! ぃ、く……っ……!」
少年はペニスを膣奥に押しつけながら、とりつかれたように乳首を責める。そのたびに朋の腰が何回も、何十回も浮き沈みして、スカートまですっかり濡らしていく。顔が赤らみ、目が充血している。よだれが手でも隠しきれないほどあふれている。想像すらしたことのない《朋お姉ちゃん》の変化を記憶に焼き付ける。朋がごほごほむせた気がしたので、両脇に手を入れて上体を起こしてやる。ぐり、とペニスの角度がずれる。
背中に思い切り爪を立てられる。痛いのに心地いい。
「ん、ぃっ……ぉっ、おっぐ、あ……あ、い、って……ぁ……っ……!」
腰を突き上げて、膣奥に押し当てたまま、少年も果てる。ペニスが脈打つ。根本から精液が噴きあがって鈴口をこじあける感覚まではっきり意識できる。
「す、ご……っ! くふ、うぅ、ふはっ……あぁ……っ……!」
呼吸の何回かぶん、2人は絡みあったまま沈黙した。あまりに近くて、心臓の鼓動が肌から伝わって耳まで聞こえる心地がした。
「……シたいだけシてくれちゃって、もぅ……」
朋が大きく息を吸って吐いてから、少年の肩にぐいと手をかけて、腰を浮かせてペニスを抜いた。半立ちぐらいまでおさまったペニスの先で、コンドームの精液だまりがだらりと名残惜しげに揺れた。
「あ、やば、時間が……あんた、窓開けとくのよ!」
「え、寒い……」
「匂いでバレちゃうから!」
朋があわてて窓を開けようとするのを、少年はかろうじて止めた――『朋、セーターがっ』『ぉあっ!?』――窓の外は、群青色が上から降りてくる夕方の終わりだった。
※
その日からしばらくたって、少年の神社にアイドル・藤居朋の等身大写真パネルが設置された。少年の祖父が『地元として応援しなければ』と称して、事務所にかけあって制作し、神社の社務所入り口――かつて朋がおみくじや破魔矢を売っていたすぐとなり――に置いている品物だった。どのぐらい売上に貢献しているか不明だった。
写真の朋は紅白の巫女服をまとっていた。首から下はほとんど肌を見せていなかった。
けれど少年は、その服の下にある素肌がどうしても浮かんでしまう。いまも写真の朋を直視できないでいる。
(おしまい)