アイマスのアイドルが童貞をもらってくれるシリーズ 作:ふりーじ屋/家庭内禁書
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喜多日菜子お姉さんに童貞を優しく(でもわちゃわちゃしながら)パクパクされたい人向けのえっち話です。
日菜子さんが押しかけ女房ならぬ押しかけお姫様してドレスのまま手コキ→クンニ→正常位→騎乗位です。
「な、なんで俺の家を知って……というか日菜子、その荷物はなんだ、家出か?」
「いいえ。プロデューサーさんが最近、元気なさそうだなぁって思って」
「思って……それで、どうして?」
実家暮らしの日菜子にさえ、一目見れば一人暮らしとわかる玄関先でした。
日菜子を見つめるプロデューサーさんの目がお仕事の日の午前中と違ってなんだかどろーんとしてて、見返すのもなんだかなぁ……と思いつつ、日菜子は玄関や部屋の奥をうかがおうとします。
「おわかりにならないんですか、プロデューサーさん」
「俺、何か日菜子にそう言われることしたかな」
「さぁ……」
「さぁ、って」
プロデューサーさんのご自宅どころか、一人暮らしの人の部屋に入るのが日菜子は初めてです。もちろん前々からプロデューサーさんのお部屋がどんな感じなのか何度か妄想していましたが、その妄想は良いとも悪いとも言えない形でさっそく裏切られました。
玄関。ドアにマグネットか何かで後付けしたらしき小さな傘立てに、長い傘と靴べらが1本ずつ差されています。タイルばりになっているたたきには、革靴が1足きり。プロデューサーさんの革靴は、日菜子が見る限りお仕事の日だと3足ローテーションになっているので、見えるのがこれ1足きりということは、残りは横の収納か何かにしまってあるのでしょう。以前「ブラシとかクリーナーとかキーパーとか、靴って意外と手入れめんどうなんだよな」とぼやいていたのを聞いた覚えがあります。そういうお手入れ道具もまとめてあるのでしょう。そのほかは、軽い外出用のスニーカーすらありません。
玄関横の収納らしき横引き扉は、ぴっちりしまっています。立ち尽くしている日菜子のひじぐらいの高さに収納の天板があって、そのうえにプラスチックトレイが1枚、トレイのなかに鍵束が1つと消臭用らしき――ラベルがなかったので、用途が違うかも――手のひらに少しあまるぐらいのスプレーが1本。
プロデューサーさんの玄関に置かれていた物は、それぐらいでした。家族4人暮らしの日菜子の家に比べると、すごくがらんどうな印象です。まぁ4人暮らしと1人暮らしで玄関の間口や奥行きが4倍違うわけがありませんから、日菜子が1人暮らしの玄関を見たらみんなそんな印象を抱くかもしれませんが。
玄関から続く廊下は、日菜子がたたきからうかがう限り、左右に脱衣所か洗面所かキッチンかといった水回りみたいなスペース……に続きそうな枝分かれがあって、正面奥はパーティションで塞がれてここからだと見えません。パーティションは、ちょっと長い木か竹の定規を横に何十本も連ねた横連子窓みたいな形をしていました。在宅勤務中のプロデューサーさんとウェブ会議でお話したとき、日菜子にも見た覚えがあります。
……そろそろ沈黙が気まずくなってきました。
それに、プロデューサーさんのご自宅観察は本来の目的ではありません。
「プロデューサーさん。きのう、日菜子からお菓子をもらいましたよね」
「ああ、もらった。GOUTER de ROI(王様のおやつ)だっけ。そこは王子様じゃないんだな、なんて」
ちょっとイライラしてしまいました。グーテ・デ・ロワにそんな意味があるなんて知りませんでした。日菜子のお小遣いで贈っても不自然でないお手ごろなお値段で、好みが分かれにくいお菓子で、箱に“仕掛け”られれば、あとはどうでも構わなかったんです。
「お家ですぐにあけて食べて、って言って渡しましたよね」
「変なこと言うもんだな、って思ったよ。ラスクなんだから未開封なら1か月ぐらい持つだろうに、って」
「あれに、着けてたんです。GPSタグ」
「……なんでまた、そんなこと」
「だから、日菜子は、教えてもらっていないプロデューサーさんのお家がわかったんですよ」
「佐久間まゆから変な影響受けてないか?」
むぅ。
アイドルあての差し入れにGPSタグ仕込んで……って問題が起きてから、プロデューサーさんはアイドルに送られる品にそういうチェックさせているのに、自分に送られる品はノーチェックなんですね。
「もし気づいたなら、日菜子が仕掛けたってわかったはずです。それで、そんなたちの悪いいたずらするなんて! って、いま日菜子にお小言の1つでもくれ……たら、ちょっとは安心できたんですが」
プロデューサーさんのお家は、346プロダクション女子寮の最寄り駅から電車をそれなりのあいだ揺られた後、降りた駅から歩いて10分ぐらい。日菜子の目では古くも新しくも見えない――東京に来てからはよく見るけど、秋田にいたころはあまり見なかった――マンションのなかの一部屋でした。オートロックでプロデューサーさんを呼び出してから――実は、座標から部屋番号を当てるテクニックを日菜子はまゆさんから教わったので、さっき言われた『佐久間まゆから変な影響受けてないか?』は図星と言えなくもありません――ほとんどまもなく玄関先まで迎えてもらったせいか、プロデューサーさんはお気楽な格好でした。いきなり担当アイドルに押しかけられて身繕いする暇がなかったのでしょう。シルエットと素材感だけはそれなりの形にしたいけど、それ以外は着用感を優先させた……という雰囲気の、スウェットシャツにアンクルパンツ姿でした。
プロデューサーさんの面持ちは、そういう格好ほどお気楽に見えませんでしたが。
「あれ、日菜子に言われるまで気づきませんでした? 添え状を読んだらぜったい気づくように仕掛けたのに?」
「小言を言いたいのか言われたいのか、どっちかにしてくれないか」
「もしかして、開けてもいないんです? ですよね? もうー! 入りますよっ」
「おい、男の家に上がり込むってどういう意味かわかってるのかよ……」
お行儀が悪いから気が引けますけど、日菜子のカバン――ちょっと都合があって、それなりの大荷物なので――をひとまず広い玄関に置かせてもらって、そそくさ靴を脱いで、お邪魔します。
「あ、やっぱり開けてない! うぅ、日菜子からのプレゼントなんて、あとでいいやって扱いなんですね……」
「日菜子って、そういうネガティブな妄想もするんだな、珍しい……」
パーティションを迂回してその先へ。日菜子の部屋よりは少し広いかな、というリビングで、日菜子のタグつきのお菓子は、小さい丸テーブルの上“ではなく”テーブルすぐ横の床に直置きされていました。持ち帰っていったん丸テーブルの上に置いたけどごはんを食べるときとかにじゃまになってどかされてそれ以来……ですか?
「こら、勝手に家探しするんじゃない」
「だいじょうぶですよ、こんどは何も仕掛けませんもの」
「そういう問題じゃない……」
「じゃあ仕掛けましょうか」
「やめてくれ、頼む」
日菜子が勝手に部屋に上がり込んでも、プロデューサーさんはどろーんとした雰囲気のままでした。いちおう顔を洗ったり髪やひげを整えたりってしたらしい体裁は整っていたので、宅配便の配達員さんなどプロデューサーさんをよく知らない人であればたぶん何も思わない風体ではあります。
が、日菜子からするといまのプロデューサーさんは目の色というか声の色というか、そのあたりが灰色です、鈍色です。不自然です。“やっぱり”何かあったんですよね?
「ここまでご足労いただいたところ恐縮だけど、日菜子が面白がりそうなものは、ないと思うぞ」
「きれいに片付いてらっしゃるお部屋ですね」
「そりゃ、どうも」
「なので、散らかします」
「なんでだよ……」
……けれど何があったかいきなり問い詰めるほどの度胸が、日菜子はありません。それで代わりに、この際お小言でもいいからプロデューサーさんに何か口に出してもらってもうちょっとましな声色になってほしくて、プロデューサーさんの部屋をがさごそ散らかします。
散らかします、と言っても荒らし回るつもりはありません。それに、あちこち引き出しを開けたり閉めたり収納ボックスを覗いたり、それも同じところを2回も3回もパタパタやらないとすぐ終わってしまうぐらいプロデューサーさんのお部屋はさっぱりしています。日菜子が何を動かしても散らかり度が上がって「散らかします」と言うしかないような感じでした。プロデューサーさん以上に部屋から「放って置いてくれ」って言われているようです。
また、ちょっとイライラしてしまいました。
「だから言っただろ、面白いものはないって」
「えいっ、えいっ!」
「いいけど、気が済んだら戻してくれよ」
お部屋は、さすがに玄関ほど寂しげではありませんでしたが……上から、天井や壁にへばり付いているように平べったい照明とエアコン、うっすらホコリがついてしまっている窓のカーテンとレール、クリーム色がなんだかよそよそしいテーブルとスツール、画面が真っ暗なままのモニターとノートパソコン、たぶん半分ぐらい椅子代わりに使われているであろうベッド、日菜子が見慣れたプロデューサーさんのお仕事用のカバン、あとはゴミ箱、電気ケトル、サーキュレーター……ぱっと目につく家具から収納系を除くと、それぐらいでしょうか。日菜子の部屋よりよほどすっきり片付いているんですけれど、生活臭? というものがやたらに薄くてなんだか落ち着きません。落ち着かないと言えば床もです。フローリングが日菜子の靴下ごしの足裏にも固くて冷たくて、特に物も散らかってない床なのにどこに足を置いたらって困る感じです。単に日菜子が自分の部屋のカーペット敷きに慣れているせいかもしれませんが。
「……コーヒーでいいか?」
「紅茶があれば、そちらのほうが」
「コーヒーしかないんだ。しかもインスタント」
「じゃあミルク入れてください」
「お茶請けは?」
「選ぶほどあるんですか」
「……すまん、なかった」
「ああ、じゃあ日菜子が渡したこれ、ちょうどよかったですね」
電気ケトルが動き始めたぶん、ちょっとだけ部屋が動きにくくなりました。
もうちょっとでも散らかってたら日菜子もなんとか乱暴狼藉のしようがあったのですが、そっけないぐらいに片付いていらっしゃるお部屋でしたので、あいかわらず日菜子はむやみやたらに、がしゃがしゃ引き出しを開けては何が何やら。日菜子自身がそんな調子なので、プロデューサーさんにも日菜子が何をしようとしているのか見当がつかないらしく、けれど止めるのもめんどうくさいといった風情で日菜子の家探しを他人事のように眺めています。なんなんでしょうこれ。こんなはずじゃなかったんですけど……。
……そんなプロデューサーさんが、眉と口元をびくんと動揺させたのは、日菜子がグーテ・デ・ロワの紙袋の持ち手をつかんで持ち上げたときでした。
といっても、すぐあとにわかったことですが、紙袋に何があったというわけではなく。
「あっ」
「……封筒? ですかね。どうかしました?」
日菜子の紙袋の下で、明るい茶色の封筒が下敷きにされていました。A4を三つ折りにすれば入るかな、って大きさで、紙が包装紙ぐらいに薄くさらさらしていました。封筒の口から紙のチケットのような細長いものがのぞいて見えました。
「それは、その」
「……プロデューサーさぁん?」
プロデューサーさんの目と声の色が、変わっていました。強いて言うなら、灰色から黄色に。それに触るな、とでも言いたげでした。でもはっきり言葉に出して言えないようでした。
だから、日菜子はそれをつまんで引きずり出しました。
「……あっ」
それから、お湯を沸かしっぱなしにしていた電気ケトルが沸騰しすぎて安全装置をパチンと鳴らして止まるまで、日菜子とプロデューサーさんは凍りついていたようでした。
「こ、これ、“そういう”お店の」
プロデューサーさんは黙ったまま、私に背を向けて熱々のお湯をカップに注ぎ始めました。
※
「それ飲んで食ったら、帰ってもらえないかなぁ、日菜子」
「ええっ、そんなご無体な……!」
「ご無体はお前の家探しだよ……」
「なんのために日菜子が、休みの午前中からここまで来たと思っているんですか?」
「俺の休みでもあったんだがな。珍しくカレンダーどおりの」
苦いコーヒーをお行儀悪くずるずる、甘いラスクもお行儀悪くぱりぱりさせながら、日菜子はプロデューサーさんに封筒の中身について尋問しました。
封筒の中身は、男の人がお姉さんとえっちなことをできるお店の割引券でした。
それについて尋問……といっても日菜子としてはそこまで深入りしたい話題じゃなかったんです。ですが、その券の割引率がなんだかすごく高くて、日菜子のほしい服があるお店に使えたらいいのになぁなんて思いながら、また灰色に陰り始めたプロデューサーさんに向かって「このお店ではずいぶんな上得意様のようで……プロデューサーさんって、こういう……ま、まさか、あんなこともこんなことも……!」なんて妄想する“ふり”をしたら、その、むしろ逆で……プロデューサーさんがこのあいだ初めてえっちなお店に行ったら緊張してぜんぜんうまくできなくて、お店の人が決まりだから満額料金を取るけれどもあんまりプロデューサーさんがかわいそうって同情して券をくれた……なんてことを、そんなに聞きたいわけじゃなかったんですがうっかり聞き出してしまったのです。参りましたね。
プロデューサーさん、どうもえっちそのものも初めてをそこでするつもりだったんだとか。なんだか最近プロデューサーさんが元気なさそうだなぁ、と思ってたんですが、原因はそのお店でしくじったせいだったようです。プロデューサーさんはそうでもないふりをしていましたが。
「つまりプロデューサーさんは、えっちなお店でお姉さんにえっちさせてもらおうとしたら、うまくいかなくて、そのせいで近ごろ落ち込んでいらっしゃったんですね?」
「頼むから、ここの外ではそんなこと言わないでくれよ……」
「行ったんですけど、いけなかったんですね」
「おい」
だめです。日菜子が変なことを言ったのに、プロデューサーさんの色が黄色から再び灰色に沈んでしまっています。
「日菜子とプロデューサーさんの名誉のために言っておきますけれど、日菜子がこれからこのことを忘れたとしても、いまのプロデューサーさんの調子じゃ、“そんなこと”から立ち直るより前に、日菜子以外の人にバレちゃうと思いますよ~」
「……俺、そんなにわかりやすいか?」
「日菜子がいまここにいることが答えです」
「ぐうの音も出ねぇわ」
プロデューサーさんの物腰がひどく投げやりというか捨て鉢になっていて、日菜子は心配させられるやらイライラさせられるやら……しゃべっているだけだと、らちがあかない気がします。
ええい、それなら……!
「プロデューサーさん、ちょっと待っててください……言っておきますけど、まだ日菜子は帰りませんからね!」
「あ、そう」
「帰そうとしたら、大声出しますから!」
「……はいはい」
たたきに置いてあったトランクを玄関で横倒しにして、急いで例の物を取り出します。プロデューサーさんを元気づけてくれるはずだった物。
いや、ただ見せるだけでは刺激が足りないかも。と、そこでさっきの横連子窓みたいな木のパーティションが目に入って、それをよく見てみるとキャスターがついていました。
これは好都合。
「これ、ちょっとお借りしますよ」
「日菜子……? まぁ、あとで戻してくれればいいけど」
する、ぱさ、ってわざとらしく衣擦れを立てます。
「……は、ぁ?」
プロデューサーさんがそっけないほど片付けていたフローリングに、日菜子がわざとだらしなく服を投げてあげると、ちょっと溜飲が下がります。ここまで着てきた服もそれなりにお気に入りだったのですが、それもいまではプロデューサーさんの部屋をだらしなくする道具。やっと散らかしてあげられましたね。
「日菜子、これ、いま着てた服じゃ」
「日菜子がいいって言うまで、こっち来ないでくださいっ」
玄関側の日菜子と、部屋の奥のプロデューサーさんを仕切るのが、もし木のパーティションじゃなくて、白くて薄い絹のカーテンだったら、なんて妄想してしまいます。日菜子のあられもないシルエットが、プロデューサーさんに透けて見えてしまうんでしょうか。いけません、本当にえっちなお店みたい。そういうお店に行ったことがないので妄想でしかありませんが。
例の物を広げます。
プロデューサーさんが前にお仕事で着せてくれた……衣装に似せるため、奮発しちゃったドレス。ベースカラーは日菜子が好きなライムイエロー。お姫様みたいに豪奢なフリルも大好きです。でもネックラインは大胆に鎖骨のすぐ下まで見せる大人っぽいオフショルダー。デコルテを見せるのは、私服でも夏には挑戦してみたことありますけど、そのときよりいまはすごくドキドキしてます。
旅立つプリンセスのコンセプトにのっとって、ちょっと活動的な編み上げブーツ……も用意しましたが、惜しいけれどいまは“こと”がお家のなかなので、またこんどに。
数歩だけ足を伸ばした向こうにあるはずの鏡で、最後に確認……する……のも、もどかしい。
ええい。
「……さっき、プロデューサーさんはおっしゃいましたね。『男の家に上がり込む』意味をわかっているのか、と」
日菜子が「いい」とは言わず、こっちからプロデューサーさんのほうへ。勢い任せで、お姫様のドレスのお披露目。まぁ、これはお姫様のドレスだけど……胸のときめきと、熱い想いを道しるべに、白馬を駆って王子様を探しに行くお姫様の……そういう日菜子の妄想に従ってプロデューサーさんが仕立ててくれたドレスですもの、勢い任せにも期せずしてお似合いでしょう。正確には、それをなるべく再現するように日菜子がお店に頼んで作ってもらった品ではありますが。
「日菜子、それ、あれ……お、おう、うん」
「日菜子は……さしづめ、悪い魔法使いさんの毒牙にかけられちゃうお姫様役、でしょうか?」
豪奢なフリルをつまんでカーテシー。けれど、お姫様らしくないとんでもないことを言いながら。
本当は、きょう、プロデューサーさんとお仕事してもらったお金で素敵なドレス特注しちゃいました~って見せびらかしてプロデューサーさんを元気づけられたらいいなあってために持ってきたのに。まぁ仕立て屋さんががんばってくださったおかげで、いつか――見果てぬ夢で――プロデューサーさんに着せてもらった仕事のドレスと本当に似ちゃって、お悩みがお仕事絡みだったとしたらやぶ蛇になるかもだったんですが、もともとこれは日菜子が気に入って再現してもらった品ですからしょうがありません。
「ちょっと、元気出てきましたね?」
「う、うん、さすがだな、日菜子は」
プロデューサーさん。ああ、その顔。
ちょっとしか元気になっていないようですね。
「ふーん、本当に元気出てきました?」
「なっ……そんな、人に聞いておいて」
「プロデューサーさんだと、日菜子が元気づけてあげようって魂胆なのを察して、元気になってなくても元気になったふりしちゃいそうだから」
プロデューサーさんの顔に向けて、視線を食い込むように投げつけます。アイドルとしてはドラマの演技でもなきゃ使えない目遣いです。
でも、いまは使います。目を開いたままにしすぎて、泣いちゃいそう。好都合です。これでもっと日菜子の目ぢから的な何かが強くなって、プロデューサーさんを逃さずに済むはず。
「大人はこんなことできません」
「……だろうな」
「子供がこんなことしても笑われちゃいます」
「日菜子相手じゃ笑えないわな」
日菜子、そんなに察しがいい子じゃありません。だから、いまを逃したら、こんどはプロデューサーさんのそういうふりで逃げられちゃうかもしれません。
だから、もう一歩、プロデューサーさんに近づきます。はしたないぐらいに。
「そう、日菜子は笑わせません。鐘の鳴る時間だって、まだまだ先」
予定はすっかりムチャクチャです。最初は、本当にドレスを見せて元気づけるつもりだったのに。
それでも気落ちしている暇がありません。日菜子がお姫様になれているなら、その行く道に波乱がつきもの。そして日菜子をお姫様にしたのは、このプロデューサーさんです。
「えっちがうまくいかなくて落ち込んでるなら、うまくえっちするしかないんじゃないですか?」
日菜子の目の前にふらふら近づいてきたプロデューサーさんの手を、ぎゅうとつかんで、引き寄せます。それにかこつけて、日菜子がスウェットシャツのプロデューサーさんの胸元に飛び込みます。
「日菜子に任せてみませんか。ねぇ、日菜子の魔法使いさん」
……勢いで大見得を切っちゃいましたけど、まぁ、なんとか、なります……よね。ねっ。
※
「あれ、さっきより控えめになってませんか、プロデューサーさん」
「……念のために聞くが、何が控えめになった、って言いたいんだ」
「え、ええと、男の人の……おっきくなりますよね、するとき」
「日菜子はさっきから俺のそんなとこ見てたのかよ」
「プロデューサーさんがそんなラフな部屋着だから、勝手に目に入ってたんですー。それっ」
「きゃんんっ!? わ、ぁ、日菜子、そんなとこ、さ、触っちゃ、あっ」
はしたない日菜子プリンセスは、プロデューサーさんを強引にベッドに座らせて、お気楽な部屋着のアンクルパンツをぎゅうぎゅう引っ張って、プロデューサーさんのお尻から太腿にかけてを露出させてしまいます。
すると当然あらわになるのが男物の下着。濃紺のややタイトな生地が腹筋の下から太ももの付け根のすぐ下ぐらいまで覆っている……ボクサーパンツでしたっけ? 名前のほうはあまり気にしたことがありませんでした。その濃紺が、まだ日菜子に直視されていない中身に内側からつっぱられています。くっきり形が出ちゃってます。そういえば寝汗っぽいねっとりした匂いもようやくうかがえるようになってきました。むふふ。
肝心なのは中身なのでテキパキ脱がします。
「プロデューサーさん、ちょっと腰上げて……うわぁっ」
「うわぁ、ってなんだよっ」
「え、あの……これで、まだ本調子じゃないんですか? えいっ」
「きゃうっ!? こ、こら、またいきなり触って……わ、わわっ、あっ」
日菜子の『うわぁ』は、ほとんど反射的に口から飛び出してしまった感嘆でした。プロデューサーさんのあそこを見て、です。股間からだらりと垂れ下がっているんだかゆらりと鎌首をもたげているんだかって調子のそれは、見た感じ日菜子の中指と親指ならどうにか片手でも覆えそうかなといった感じの太さでした。長さとなると、もう日菜子の両手でどうにか? って具合なようです。
そんな物騒なものをお持ちの割に、プロデューサーさん自身の反応は、可愛らしいぐらいわたわたしてますけど。差し色みたいにぴりっと決まってますよ。あざといって思っちゃいそうです。
「あ、本当だ……もうなかなかおっきいですけど、まだけっこう柔らかいですね」
「う、うぅ、日菜子、なんだか手慣れて……あわっ! はぉっ、ふぉおっ……!」
「プロデューサーさんよりは確実に慣れているはずですー、あ、もっと女の子みたいな声出してください、日菜子がはかどりそうなんで」
「わぁっ! それ、ぇあ、あっ、う、あっ……」
あそこの中途半端に向けている先っぽの皮をぐいと引っ張るとあっさりすっかり剥けて、切れ込みの入っている頭の部分がふやけ半分って感じに見えました。なるほど。まだまだこれからここに血が入って大きく固くなるって無言の宣告。
正直ぞくっとします。
「ふふ。まだ本調子じゃないなら、すりすりーって、優しい感じにしてあげたほうがいいでしょうか?」
「へぅっ、あううっ、うぅぅ……ほ、本当に日菜子が、俺の、を……」
「いいんでしょうか?」
「い、いいっ、それ、日菜子、ぉ、あぉおおっ……!」
「聞いてます?」
「きゃんっ!? き、聞いてる、から……日菜子のが、その、とめ……えうっぅううっ」
「止めたら先に進まないじゃないですか~」
これを、日菜子の体に迎え入れるべきサイズにとどめてもらえるでしょうか。とどめてもらわなきゃ困ります。制御できるものなのか知りませんが。
「本当に、これで、まだおっきくなるんですよね」
「……ま、まぁ」
「あ、もしかして……」
「ちょっと待て、いまの日菜子の妄想、なんだかとんでもないことになってる予感がする」
とんでもないってなんですか、失礼な口ですね。ということでもう1回プロデューサーさんのあそこをいじって「きゃんっ!?」と言わせてから、日菜子の妄想を口にします。
「お店のお姉さんがおっきいの嫌がって、プロデューサーさんが緊張してたたないのをいいことに、体よく断ったんじゃ……」
「それは、どうかな……どうだろう」
「だってプロデューサーさんのことですから、お店のお姉さんに先に言ったんでしょう? ぼくは童貞です、はじめての女になってください、って」
「日菜子、お前なんか俺が童貞だって聞いてから調子が……ぴやぅっ!?」
「プロデューサーさんだって、ぜんぜんふだんの調子じゃないんだから、ちょうどいいでしょう」
「ふだんからこんなんだったら、俺はとっくのとうにクビだよ……」
「それは困ります~!」
しこしこ、にちゃにちゃ、ちゅくちゅく……というぐらいプロデューサーさんのさきっぽをいじって景気をつけたかったのですが、まだ先走りがそこまであふれていません。じゃあ代わりに日菜子のつばで濡らそう……にも、けっこうおしゃべりしてるんで急にそんなたらー……ってこぼせなさそうです。お口で直にシてあげたらあそこの例のしょっぱくてえぐい味のおかげでつばが勝手ににじみ出てくる……と思いますが、まだキスもしてないのに……って思いとどまります。
うん、このままで行きましょう。日菜子とちょっとぐらい妙なことしゃべっていたほうが、初めてのプロデューサーさんも緊張しすぎないでしょうし。
「うわ、あ、あっ、ひゃっ」
「プロデューサーさんは魔法使いさんらしく、日菜子と同じぐらい妄想が豊かですけど……前に、モーソーは頭のイヤシ、ってぴよぴよしたお姉さんから聞いたこともありますけど……」
「それは日菜子が見習わなくていいお姉さんじゃ……んきゅっ、か、カリ首は、びんかあっ!」
「もしかしてそれが悪いほうに働いてしまったのでは……? 日菜子も緊張すると、妄想が妙な方向に流れて……」
もっとも日菜子だっていまみたいなシチュエーションを妄想したことありませんけれどね。単にプロデューサーさんと……こういうことする、というのならともかく。
プロデューサーさんのあそこをにちゃにちゃさせながら、いまの自分の状況をあらためて思い返すと、顔から火が出そうです。付き合っているわけでもない男の人の家に朝からいきなり押しかけて、お姫様みたいなドレス姿でにちゃにちゃしこしこ。だいだい日菜子のこのドレス、ほんのりした生活臭だけのプロデューサーさんの1Kで明らかに浮いています。いまさら恥ずかしくなってきたんです。
「むぐ、ぁ、う、ぁっ」
「声、噛み殺しちゃ、や、です」
「だって、ここ、壁が薄ぃ……んぐぅ、うぁっ!」
「むぅ……っ!」
だからいっそうプロデューサーさんをきゃんきゃん言わせます。最低でも、日菜子と同じぐらい恥ずかしくなってください。
「気持ちいいですかー。むふふ、あそこはー、気持ちいいって言ってるように思えますが……?」
「だ、だったらいいじゃ……ぎゃうっ! あ、そ、ぇ……あうっ!」
「でも、日菜子はプロデューサーさんの口から聞きたいなぁ……」
2人だけでいっしょに恥ずかしくなるといっそう気持ちいいですよ、そう思えるように慣れれば、プロデューサーさんが緊張しても最後までできるようになるでしょう。最初の一回を引き受ける日菜子がそうしてあげちゃいます。
「あ、うっ、あ、くぁ、あっ!」
「ほらー、どうなんですか~? 言ってくれないと、日菜子、わからないです~」
……そうやってプロデューサーさんを煽っていないと、日菜子も間が持たない感じしてましたし。
そうこうするうちに別の意味で日菜子はハラハラさせられるようになりました。
手のひらや指や爪先でしこしこしているうちに、プロデューサーさんのあそこが、だんだん張り詰めてきます。ああ、これでだいじょうぶ、しっかりできそうですね、と安心できる……のもつかの間。
だんだんもっとおっきくなってきて、えっちの進行がピンチかも、です。これ日菜子のあそこに入るんでしょうか。
「こんなにおっきくして……プロデューサーさん、ちょっと手加減してくださいよー」
「て、手加減ってどういうことだよ!?」
もう、あの、日菜子の両手で相手してて、けっこうな手応えになってきたんですよ。
「もうちょっと緊張してくれると……ちょうどよくなるかしら?」
「ムチャ言うな、こうしてるだけで気分がおかしくなりそうだ……」
どうしましょう。日菜子もちょっと不安になってきました。
しかし『任せてみませんか』とまで言った手前、すごすご引き下がるのは……もしそうなったら、これからプロデューサーにどうやって顔向けできるというんでしょうか。
……いきなり押しかけて手でしこしこシてる時点でどうか、という気もしますが。日菜子もこんな強引に主導権とってシてるのは初めてです。
「じゃあ……やめます? 日菜子とえっちするの」
「そんな……はっ!?」
「むふふ」
プロデューサーさんの泣きそうな顔を見て、溜飲を下げてから一思案。
「……とりあえず」
「とりあえず?」
「日菜子のあそこも、いじってくださいっ」
……時間稼ぎぐらいにはなりますよね、ええ。それにプロデューサーさんに女の子の扱いを覚えてもらいたいですし。うん。我ながら名案でしょう。
「……日菜子が着てるみたいな、こういうふわっとしたドレスってさ」
「はい」
「女の子の匂いがこもるようにできてるんだな」
ベッドからプロデューサーさんを蹴り飛ばしたくなったのを、かろうじてこらえました。
「ち……違います~! 実際こもるかもしれませんけど、それとこれとは別ですっ」
「あ、すまん」
日菜子はプロデューサーさんのベッドに横たわって、ドレスのスカートをたくしあげて……まさか、このドレスのスカートを初めてたくし上げるのがこんなシチュエーションとは……ついでに“こういう”展開を想定していなかった下着をするする脱いでしまって、大事なところをどうにでもしてくださいって体勢でした。まぁプロデューサーさんが初めてなので日菜子の側からもサポートが必要でしょうが。
……それにしたって『女の子の匂いがこもる』は、ないでしょう~。日菜子がそんなこと考えてしまってドレスを着られなくなったらどうしてくれるんですか、まったく。確かにスカートってパンツスタイルに比べると蒸れますけどね、特に夏とか。
「だいたいプロデューサーさん、女の子の匂いを嗅いだことがあるんですか? 確かに、お仕事がああだから、ふつうの男の人より女の子に近いでしょうが」
「こう……控え室とか、レッスンルームとか、女の子の人口密度が濃いところって……あるんだよ」
「志希さんみたいなこと言いますね。ヘンタイみたいです~」
「めふっ!?」
反射的に膝を閉じたら、プロデューサーさんの首か頬あたりにどーんと当たってしまったようです。脚がプロデューサーさんに触れると、手とはぜんぜん違った感じにぞくぞくします。手でプロデューサーさんと触れ合ったことはあっても、脚でなんてないですからね。急にそのあたりの肌が心細くなります。下着は脱いじゃってあそこすっかり見せてしまっていますが、お姫様らしくガーターベルトとストッキングぐらいあったほうがよかったかしら。
「で、見えます……か。日菜子の、その、あそこ……」
うう、日菜子、なんだかいきなりしおらしくなってしまっています。さっきまでプロデューサーさんのあそこをねちねち手で良いように弄んでおきながら。
「お、おう。薄いんだな、毛」
「誰と比べてるんですか」
「ぶあっ!?」
……あまり、しおらしくなってませんでした。あーもー。何はともあれ。
「そ、そっと、優しく、触ってくださいね……? ひゃわっ」
「ど、どうしたっ」
「あ、あそこ以外を触るときも、いきなりはやめてください、見えないんですからーっ」
「うぅ、すまない……たいへんなんだな、セックスって」
「プロデューサーさんがムダに緊張してるからですよ」
「なんだか、当たりがキツくなってないか?」
「そのほうがプロデューサーさんの緊張がほぐれる気がして。日菜子だって不本意なんですー」
「あ、はい」
日菜子の内腿をすうっと撫でてきたのは、プロデューサーさんの手だったようです。うう、ドレスのおかげで日菜子からもプロデューサーさんのようすがうかがいづらくて、なかなか心構えができません。でもこのドレスを脱ぐと本当にえっちするだけにここにいるってことになっちゃうんで恥ずかしくて脱げません。
「いいですか、もう一度いいますけど、そーっと、優しくしてください。プロデューサーさんに触れてもらうだけで、日菜子は……と、溶けちゃいそうですっ」
「あ、ああ、そうだな、日菜子だもんな、繊細だよな」
プロデューサーさんの手付きは、優しく……を通り越して煮え切らないぐらいの加減で日菜子のスカートの下を行ったり来たりします。でもプロデューサーさんの吐息か何かも日菜子の肌をそよそよしてくるので、ちゃんと近くなってはいるようです。くすぐったくてじれったくて、それだけで肌の外も内も変になりそう。
「あ、ぅ……プロデューサーさんの……んんっ、あ……あ、何かしゃべってください」
「何か、って」
「黙って触られてると、こんどは日菜子が緊張しちゃうから」
「しゃべってって、そう、だな……日菜子の……その、あそこ、かわいいけど」
「かわいいですかねぇ?」
プロデューサーさんはいままで日菜子に――日菜子以外の担当アイドルさんにも、ですけど――たくさん『かわいい』って言ってくださっていますが、この『かわいい』はなんだかウソっぽく聞こえました。冷静に考えてみると、女の人のあそこって、なんだか……。
「小さくて、狭そうで、なんだか俺のが入るか不安になってきた」
「だから言ったでしょう、あそこ手加減してくださいって」
「そりゃ、そうかもしれんが」
「あと、触る手。止めないでください、日菜子、寂しいです」
「えぇ……あっちこっち、い、忙しい……っ」
「あ、急ぐのはだめです。時間はたっぷりあるんですから。お店のお姉さんと違って」
「日菜子……お前、人の傷を蒸し返して……っ」
「その傷に薬を塗ってあげるって話ですからぁ」
「そりゃそうだけど」
「……んんっ、ふ……うふふ、そう、そんな感じです……」
プロデューサーさんの両手の指――たぶん親指と人差し指――が、日菜子のあそこに両側から迫って、鼻息もはっきりふぅふぅ当たっちゃったりして。日菜子の匂いがばっちり嗅がれてますか? シャワー浴びてませんでしたね。プロデューサーさんここで引いたらぜったいだめですよ。
「んっ、ふぁぁっ……そ、そこっ……んっ、んくっ……」
くりとりすに、たぶんプロデューサーさんの上くちびる。あ、うっかりして、くちびるでのキスもまだなのに、下のほうのキスが先になってしまいました。なんだか日菜子もヘンタイさんみたいです。
「やんっ、はうっ、あうぅ……ぷろでゅーさー、さぁんっ」
思ったよりずっと強引に、くちびると舌で、あそこの割れ目をずりずりされたり、上の……く、くりとりすって言うか……露骨な言葉で考えるとなんだかいっそう敏感に……ああ、日菜子ったら、プロデューサーさんにこんなところまで許しちゃった。
「うぅ、日菜子がこんなにえっちだったなんて……!」
「だって……どきどきして、敏感に、なってます、から……っ」
あそことか、ほかにも脚とかお尻とかお腹とか、下半身どこかびくってさせたらプロデューサーさんにすべて伝わってしまうのに。そう思うとかえって、びくん、ぴくんって反応しちゃう。えっちな気配がじわあって広がってしまう。プロデューサーさんからあそこにキスされて……なんだかいやらしい女の子みたいですー。
「っん、ふ、あっ、あぅ、んんっ……そう、その調子、です……ちょっと、女の子のこと、わかってきました……?」
「ふんぐっ、ふ、ぁ……そ、そうかな……」
プロデューサーさんの唾液なのか、鼻息なのか、肌いきれなのか、たぶんそれも混じって、日菜子のドレスの内側がどんどん蒸れていきます。ワンピースドレスなので日菜子のお腹とか胸のあたりまで蒸れがにじり寄ってきます。プロデューサーさんに触られちゃうどころか見られてもいないところの肌まで、わくわくしてるんだかはらはらしてるんだかって感じです。
「んくぅっ、んんんっ……んあっ、あっ、うあぁっ、ん、あっ……」
そういうドレスの中身が、切ないような、もどかしいような胸騒ぎでいっぱいになってきて、ついに日菜子は持ちかけます。
「い、いまのうちに入れればいいのではないでしょうか、早く、ゴムつけてくださいっ」
「あ、そ、そう、そうか……」
いまさらえっちをおねだりするのが恥ずかしくて、こんな言い方になってしまいました。
ああ良かった、初めてを面倒を見てあげるって名目があって……なんて。
※
「ところで、日菜子」
「できそうな具合じゃないですか、プロデューサーさんの」
「……いま入れたとしたら、なかで大きくなるんだが。抜けなくなったらどうする」
「射精したら、小さくなってくれるでしょう」
「えぇえ、だいじょうぶかよ、それで」
日菜子のあそこがぴちゃぴちゃされて濡れてきて、いっぽうプロデューサーさんのあそこが……あいかわらずおっきいけど、なんとか入れられる――かもしれない――ぐらいの具合に収まってきているような、きていないような、やっぱりちょっときついかも……まぁ、でも、いまを逃すべきではないでしょう、と思い切ってプロデューサーさんを催促します。
日菜子があそこをぴちゃぴちゃされて盛り上がってきちゃったってのも、否定はしませんけど……。
プロデューサーさんは日菜子が思ったよりスムーズにゴムを取り出して着けていました。お店のお姉さんの前でまごつかないよう練習したのかな、なんて勝手に妄想してしまいます。そんな努力が役に立ったのはお店のお姉さんじゃなく日菜子のときなんですけどね、むふふ。
日菜子だったら、そんな練習してもらわなくてもよかったのに。最初から手慣れた感じにしてもらわなくてよかったのに。どんな初体験を期待していたか知りませんが、そんな理想的なセックスにしてもらわなくてもよかったのに。おとぎ話でも現実でも、ハッピーエンドにたどり着くまでは紆余曲折の2つや3つあるものですから。
ただ、理想的でなかったとしても、代わりに……最初から日菜子にしておけばよかったのに……それが現実とならなくても、そうだったらよかったのに、とは思わせますよ。むしろお店のお姉さんで失敗してそれノーカウントなら名実ともに日菜子が最初です。
「ぜったいだいじょうぶ……って言ったら、信じてくれます?」
お姫様らしからぬ、挑戦的な表情と言い方になってしまいました。でもここまできてるんです、ぜったいあとには引きたくありません。姿勢がクンニだったんでそのまま正常位で……と思って、プロデューサーさんもそのおつもりだったようですが、あそこの近くで行ったり来たり、ずるずる、ぬるぬる、入り口近くでなかなかしっくり行かないようす。顔や手付きにも困惑がきざしています。
「そういえば提案しておいてなんですけど、おっきくなりきっていない状態で入れるって、できるんでしょうか」
「いまさら冷静っぽいこと言うなよ……」
「男の人の体はそこまで知りませんけど……日菜子だって体を張ってるんですー!」
もう、なんですか! 日菜子が、手こずっているプロデューサーさんに気を遣ってあげたのに。あまり手こずっているとプロデューサーさんに緊張がぶり返してあそこがしぼんでしまうかと心配しているのに。世話が焼けますね。
「ちょっと、日菜子が待ちきれなくなってきたんで……手、添えますねっ」
日菜子がつながるところまで手を伸ばしてアシストします。日菜子の視界だとドレスで見えにくいですけど、手探りであそこを誘導します。なんだか新鮮です。いつもは日菜子がプロデューサーさんにお世話になってるから。いつもを思い出すと、いま日菜子たちがいけないことをこっそりシちゃっている感じが強くなって背筋がじりじりします。
「日菜子からは見えないですけど……見えますか、これから、プロデューサーさんがつながるところ」
「もうちょっと、ドレスまくってもいいか? というかこれ、日菜子の……勝負服っていうか、着たままでいいのかなぁ」
「着たままだと、お仕事、思い出しちゃいます?」
「……正直、それはある」
「でもそれで興奮してますよね」
「はは、バレたか」
ドレスをまくって、日菜子とつながろうってところをしっかり見るって言葉を口にしておきながら、プロデューサーさんの視線は日菜子の顔に向いていました。
「よそ見してると滑っちゃいますよ。入れる、ってけっこう難しいらしいんですからね。日常生活とかスポーツとかでやらない動作だから……」
「へぇ、難しい“らしい”と」
「だって日菜子は入れる側になったことありませんもの。たぶんこれからもないでしょうけど」
にちゃ、って。渇いちゃったくちびるみたいなノイズ。
ああ、入れちゃわないと。
「う、ぁ、日菜子、ぉ……っ」
「あわてないで、じれったいぐらいに……ただでさえ、プロデューサーさんの、おっきいんですから、日菜子もじっくり慣らして……んんっ、あっ、ゃ、あ、んんっ……ひぁ……!」
入っちゃってます。なかに。また届いてもいない日菜子の奥がきゅうってシちゃいます。そんなにシちゃったらプロデューサーさんのあそこがぎゅうぎゅうになってキツくなっちゃうんですけど止められません。
「……ぉ、お、っ、日菜子、なか、き、つ……!」
さらにもう指2~3本の太さぐらいなかに入れられて、それからプロデューサーさんの顔と肩がゆっくりと日菜子に近づいてきます。日菜子がシてもらってたとき濡らしたあとがくちびるとあごに少し残っちゃってる。恥ずかしいけどちょっとだけ誇らしい気もします。それがもっと近づいて、目線と吐息だけで会話できそうなほど。このままキスまでされたらどうしよう。日菜子のなかがぐいぐい広げられて苦しくなってきたのに、いまなにをされても受け入れちゃいそうです。
「……ん、ぐ、ふ、はっ……ここまで、ですか……?」
「あ、ああ、そんな感じ、かな……あぁ、入った、日菜子に……」
「むふふ、それはウソですね~……もっと、深くまで入れてもいいんですよ~?」
日菜子の感じではもうぎりぎりです。体の内側を押し上げられて、めりめりしてこれ以上ないぐらい……もう変な表情や声があふれちゃいそう。プロデューサーさんが見てるのに。おっきくなりきっていないプロデューサーさんのあそこを日菜子のなかに入れてきゅうきゅうシちゃったら、プロデューサーさんのがおっきくなってキツくなる……わかってたつもりなんですけどね。想像以上に響いて頭もくらくらします。
「いや、もう、動いたら出そう」
「日菜子のためって、言っておけばいいのに……ウソの、つけないお人、ですっ」
日菜子がなかを少し緩めようと思ったら、ふうぅ、はぁあって息を吐き出して力を抜いていたほうがいいんでしょう……けど、苦しげな素振りを見せちゃうのはなんだかなぁって。でもちょっとは見せちゃうんでしょうね。
じゃあプロデューサーさんに見られないように、日菜子がプロデューサーさんに仕掛けます。
「ぴゃっ!?」
「む、ふふ、かわいいお声、です……っ」
「ひ、日菜子、どこ触って……ほふぁっ、あ、あっ」
「ちょっと、こちょこちょしてるだけです……なのに、顔も、あそこも、びくって……ふふっ……」
プロデューサーさんの胸板とか、首筋とか、耳とか、なんだかいろいろ。日菜子は体の中心をぱんぱんにされて、“こちょこちょ”があまり狙いを定められませんが、とにかく仕掛けます。えい、えいっ。
「あ、ぅううっ!? ひ、日菜子、どこ触って……!」
「あうっ、んぐっ……急に、動かないでください、日菜子、びっくりしちゃうっ」
「じゃ、あ、いったん、これ、止め……うぅっ!? はう、うーっ……!」
「止めません~……だってプロデューサーさん、反応が……むふふっ……」
人にいじわるしてよろこぶなんて、なんだかイケない魔女みたいです。でもプロデューサーさんをあちこちいじっててびくびく反応するのを見ていると、昂ぶって止まらないです。いいですよね。日菜子だってさっきあそこ舐められていっぱい反応しちゃったんですから。
「う、ぉ、く、ぁ……っ! も、もう、本当に、げんか、ぃ、が……あ、あっ……」
「あぁ、言い忘れてました」
体を起こして、キスしたくて仕方なくなるぐらいまで、プロデューサーさんに近づいて。
なんだ、プロデューサーさんだってけっこう男の人の匂いするじゃないですか。お仕事がら皆さんの前では抑えてるのかもしれませんけど。むふふ。
「日菜子で、しっかりご卒業できましたね。おめでとうございますっ」
何も言葉をつむいでもらわなくても、ゴムごしでも、わかります。あそこのご立派な杖で返事したつもりですか? もう、しょうがない魔法使いさん。
「……ぜったいだいじょうぶって、妄想じゃないんですよ。わかってくださいましたか?」
「あ、ああ……そうだ、な、うん……ありがとう、日菜子……」
……で、『鐘の鳴る時間だって、まだまだ先』だから、1回で終わらせるはずもなく。
「ふうう……なんだか、ちょっとした大仕事って感じでしたよ」
「なんだか、俺、もう日菜子に頭が上がらないかも……」
プロデューサーさんに少し引いてもらって、抜いて、1回使ったゴムを片付けて。
「むふふ、そうですか。なら、さっそく」
「……さっそく、って」
もう1枚ぐらい、ありますよね。ゴム。
「日菜子にごほうび、くださいっ」
「ごほうび、って……わっ、な、日菜子っ」
有無は言わせませんよ。次は日菜子の番です。女の子をこんなにどきどきさせて……プロデューサーさんこそ、その意味がわかってたんですか~。
「プロデューサー、さんは、いまは……日菜子に、ぜんぶ、任せてください……!」
自分でスカートをたくし上げて、はしたなくプロデューサーさんにまたがって……ああ、日菜子から入れるときはおっきいと狙いがつけやすいですね、助かります。
「んぁ、は、あー……ん、あっ……ぷろ、でゅ……っ♥」
「ぅ、おっ!? 日菜子、ま、また……ぁ、そ、そこっ……しめられ、あ、あっ」
「プロデューサーさんの敏感なところだけ……さきっぽだけでも、いいものでしょう?」
男の人のあそこはさきっぽが敏感だから、そこだけでもプロデューサーさんはあんなにもだえて、またきゃんきゃん言わせてしまいそう。加減だって指でしこしこしたときにだいたい覚えましたから。おっきいあそこでも、根本までじゃなくて半ばぐらいまでなら日菜子のあそこでもぬちゅぬちゅいけます。さっきのずきずきするぐらいのが恋しい気もしますが、それはそれで。
「あは、ふふふっ、どうです……? しっかりおっきくして、奥まで……なんて王道ばかりが、えっちじゃ、ありませんよっ」
「はうぅっくぅっ!? あ、あっ……日菜子、の、さっき、より……く、うぁああ……!」
アイドルと担当プロデューサーでえっちしてる、って邪道も良いところな自分たちの関係を、あらためて感じます。日菜子が主役のお姫様だとしたら、悪い魔法使いにたぶらかされて、おとぎ話では禁じ手のバッドエンドに真っ逆さま。いや、赤ずきんちゃんとかもともとはオオカミさんにムシャムシャ食べられて終わりだったらしいですね。
「やぁっ、あぁっ……! ほ、ほんとぅはっ……だめ、なんですからねっ♥ でも、プロデューサーさんが、あんなこと日菜子に言うから……!」
「ぁ――ふぁ、ぉ、あ、め、ぐ、ぅう、う――っ!」
「わかってて、ここまで来たに、決まってるでしょう……! プロデューサーさんこそ油断しすぎ……日菜子も、ここまで一足飛びとは、思いもしませんでしたけど……♥」
そうやってぬちゃぬちゃ、きゅうきゅう、気持ちいいばかりの罪悪感に焦がれて、好き放題ゆさゆさ腰を動かしていると、なんだかさっき苦しかった奥まで行っちゃいたくなってきます。さっきよりゆとりが出てきた気もします……日菜子、もうプロデューサーさんのものにされちゃいました?
あるいは、プロデューサーさんの人生で初めて、って大役で日菜子も緊張していたり、単にさっき準備が足りなかったりってだけかもしれませんが。
つまり……やり方次第では?
「あ、んあ、ふっあ、あ……っ♥ プロデューサー、さぁん、ふふっ、もっと、ぎゅーって、シてもいいですか? いいですよねっ♥」
「へぅっ、あぐううっ、ほ、ほんとに、日菜子の、しま……あああ……っ!」
ずぶ、ずぶって、おっきいプロデューサーさんのあそこを、まともに迎え入れます。半ばじゃなくて。根本まですっかり。入る、入る……入りまし、たぁ……あ、でも、抜こうとすると、かえしが、日菜子にききすぎ……♥
「むふ、ふ、あは……もう、むぃ、むぃです……でも、はいっちゃい、ました、ねぇ……♥」
「すごい、な……日菜子、って……」
「これじゃ見えないですね、見てみます……? ドレスが、あー、もうちょっと汚れちゃって……クリーニング代は出してくださいね」
「……これ、クリーニング屋で済むのかなぁ……へぅううっ!?」
「あ、そうですっ、プロデューサーさんがお店に持っていってくださいよ。それでこう言ってあげるんです。悪い魔法使いがお姫様を誘惑して、このドレス着せたままあんなことやこんなことをしちゃいましたーって……♥」
プロデューサーさんのあそこすっかりはめられたまま、腰をずしずし、あそこどうしでぐちゅぐちゅずりゅずりゅ。奥へ手前へ抜き差しして日菜子のあそこをおかしくされるのもいいですけど、抜くときは1回でもおかしくなれそうですから、奥まで入れたままゆらゆら揺らして、プロデューサーさんのあそこもおかしくなってもらいます♥
「ああぅ! んくっ、あああっ! 日菜子、ひな、あっ」
「ふぉぉっ、くふぅっ……はぅっ……♥ プロデューサーさぁん、女の子みたいな声……あそこは、こんなにたくましいのに……♥」
体の、自分でも触れられないような奥から、ドレスとくっついてる皮一枚手前まで、白い火花がバチバチってスパークして、すごくまぶしいんですけど、切なくて、息が詰まって、涙がこぼれちゃう。たまらないんです。まぁプロデューサーさんなら、日菜子が辛がってるとか悲しんでるとか……なんて勘違いはしないでくれるはずです。
……いや、もうちょっと、限界まで行きましょう。念には念を入れて。そう、あくまでプロデューサーさんの、ため……ですっ。断じて日菜子が満足したいってだけじゃないんですー。
「あっ、くる、きちゃ……っ♥ ぷろでゅーさーさんの、すご、ぃ……!」
「は、ぉ、ァ、あ……ッ!」
ごぼっ、ぐぼっ、とか、いやらしすぎる響きがいつの間にか……もう、奥までみっちり広げられて、めちゃくちゃにゆらしてるだけで、日菜子はどこもかしこも、きちゃいます。ここまではプロデューサーさんのためにえっちシてあげてるって気持ちが日菜子のどこかに残ってた気がします。その気持ちが、あそこずっぽりぐじゅぐじゅになって、はぁはぁって喘いで、ゆれるたびに日菜子からこぼれ落ちてしまいます。もう女の子として気持ちよくなることしか考えられない。
「は、んっ、ひぅ……♥ ぁん、ふぁ、あ、う……っ♥」
「う、ぉ――ぐ、ぁっ! す、すまん、また、げんか……ぃ、あ、うぁ……!」
ああ、プロデューサーさん“も”イッちゃいそうなんですか? なんていやらしく都合がいいんでしょう。ここまで上へ下へあたふたしてきて最後になってこれはできすぎですって。
妄想でもありませんよ。
「ぁ、ぁんっ……ん、っ♥ すき、ぃ……ぷろでゅ……あは、ははっ♥ あッ……!」
「あ、うぅっ!? もう、で……ぁ……っ!」
だからか……日菜子はイッちゃう寸前、プロデューサーさんの顔がやっぱり近くて、照れちゃって、『好き』って一度だけしか言えませんでした。
あとはプロデューサーさんがびくびくしてイっちゃってるのがわかって、つられてか、熱くてぬちゃぬちゃ奥までじんじん気持ちよくって、合わせるように……もう甘くてすっかりとろけちゃってます。
「きゃんっ! あ、ぷろでゅ……むふふ、ちょっと、腕、お借りしますよ……♥」
だから、プロデューサーさんの腕とか肩とか胸とかに寄りかかって甘えてしまったけどしょうがないのです。
おちんちん抜くのはあとでいいから、いま日菜子をねぎらってください。いや、しばらく日菜子をねぎらっててください。頭をなでるとか。さあ、さあ。
※
「何から何までお世話になりっぱなしだったなぁ」
「ご不満ですか?」
人心地ついて、例の封筒と券をハサミでばらばらにしたあと、シャワーを浴びて、着替えて、それからお腹が空いてしまったので2人で近くのコンビニへ。
「まさか、不満なんて」
「むふふ、理想どおりに卒業できなかったとプロデューサーさんがおっしゃるなら、やり直しにおつきあいしますよ」
「そんなこと言うと、何度つきあわせるかわかったもんじゃないぞ」
お昼を過ぎて中途半端な時間になってしまって、ごはんになるようなものが売り切れてしまっていました。なのでスイーツと紅茶を買ってもらいました。悪い魔法使いさんのお菓子。一瞬だけ、お菓子につられちゃったヘンゼルとグレーテルを連想しましたが、事後にお菓子だから逆ですね。
「そんなにうれしかったんですか、日菜子と……むふふ」
「う、うううっ……うれしかったよ!」
「ですよね! 理想どおりでもないし……王子様とお姫様らしくないかもしれませんが、これはこれで……むふふ……♥」
プロデューサーさんから手をつねられます。なんです? ……って、なんと店員さんからけげんそうな視線。あわわ。それから逃げるように会計して外へ。
プロデューサーさんの部屋に戻るまでは、なんとなく何も言葉が出てこなかったんです。
けれど、玄関で日菜子とプロデューサーさんの靴(と、日菜子がドレスを入れていたカバン)が並んでるのが見えると、なんだかくちびると舌がうずうずしてしまって。
「……次はもっと格好良く、王子様みたいにしてくださるんですか?」
「えっ」
まだまだ続けちゃいます日菜子とプロデューサーさんの夢と運命。付き合ってくださいますよね。
「してくださるんでしょう? この、欲張りさんっ」
王子様じゃなくっても、次にプロデューサーさんとえっちするときは、勢いでキスしてしまうかも。
(おしまい)