アイマスのアイドルが童貞をもらってくれるシリーズ 作:ふりーじ屋/家庭内禁書
ご依頼は http://skeb.jp/@freege_affected か、 http://twpf.jp/freege_affected からどうぞ。
追記、千枝ちゃんメインの後日談→https://syosetu.org/novel/343669/
ご参考→https://skeb.jp/@freege_affected/works/35
(あれ……クリトリス……だよなぁ、やっぱり……)
彼は、手を伸ばせばすぐに届くそれを“クリトリス”と思いつつ断言しかねた。
理由が2つあった。
「私の……へ、へんじゃありませんよ、ね、ねっ」
「デリケートそうだなぁって思って……見るからに」
「見た目だけじゃなくって、実際にデリケートです~!」
1つ目は、彼が若い童貞であることだった。
大学を卒業して芸能事務所に就職し、新米プロデューサーとして勤めている。これまで魅力的な女性と会ったり話したりまでは経験しても、セックスに及ぶ機会がなかった。せいぜいポルノ映像や写真で無修正の女性器を見たことがある程度だった。
指の少し先でむき出しの女性器が、仮に、明らかに成人した女性のものであったとしてどうにかわかる、というレベルだった。
「そ~っと……そ~っと、お願いしますね……♪」
2つ目は、彼にいま愛撫をリクエストしている相手が、彼の半分ぐらいの年齢の少女であることだった。
彼の担当アイドル・古賀小春である。
「……あの~、見てるだけじゃなくて、ちゃんと触ってください~っ」
「そ、そうだね」
顔立ちも髪の毛も話し方も立ち居振る舞いもふわふわとした印象を与える。よく言えばお姫様のようにしとやかで、悪く言えば浮世離れしてつかみどころのない少女である。
恥丘がほんのりふっくらしている。陰毛が細くかすかな産毛がきらきら光っている。陰唇がピンクの内壁が見えるかというほど細くつぼまっている。そのつぼまりの下腹部に近いところに、小さな芽のような突起が彼に見えている。
ポルノであれば完全に違法である。
「プロデューサー、緊張してます?」
「そりゃあ、もう」
「私にこうするの、きょうが初めてではありませんよね~」
「うん、そうだった……じゃあ、いくよ」
彼の指先でそっと撫でられ、小春は悩ましげに吐息をつく――「んっ……あ、ぁ……♪」――陰唇や、ももの付け根、うっすらあばら骨が浮いているウエストがひくひくと揺らめく。
(感じてるんだろうか、こんな女の子が……俺が小春と同じぐらいの年ごろなんて、陰毛が生えてきたとかそんなんで大騒ぎしてたっけ……)
小春の反応が見た目に反して色っぽく、彼はためらいや困惑のなかにかすかな欲情を催す。
「ん、ぁ……ぁ、んっ……その、調子、です……♪」
「本当に俺がやって……素敵なアイドルになれるんだろうか」
小春はアイドルとして(新人アイドルとプロデューサーのコンビにしては)まずまずの実績を上げているものの、芸能界や世間などから見ると「あのいつもイグアナを抱っこしている女の子」ぐらいの知名度である。
小春はアイドルにスカウトされる前からペットのグリーンイグアナをいつも抱いている(名前をヒョウくんという)。小春の両親が、ぼんやりしていてすぐ迷子になる小春を心配して「イグアナを連れた女の子は目立つので、迷子になっても見つけてもらいやすい」とヒョウくんをいつも連れて歩かせるようにした。そうプロデューサーは聞いている。
いま、彼と小春のいる部屋にヒョウくんは不在である。小春の同僚アイドルである橘ありすや櫻井桃華が別室でめんどうを見てくれている。
「だって……ありすちゃんも、桃華ちゃんも、そうでしたもん……♪」
「……俺は聞いていないが」
「当たり前です~っ!」
「うわっ」
小春はプロデューサーにクリトリスを愛撫されることをすっかり受け入れていたが、いきなり足をもぞもぞ動かして彼を軽く蹴ってたしなめた。小春が憧れるお姫様と比べるとお行儀が悪いな、と彼は思った。
そもそも男にクリトリスを愛撫させている時点で……と思いそびれるほど、彼は小春に飲まれていた。
「私、担当プロデューサーのあなた以外の人にこうされるなんて、知られるだけでもイヤです~! だから、ありすちゃんや桃華ちゃんだってあなたに言わないの」
「じゃあ小春が俺に言うのは……うわわっ!? ご、ごめん、デリカシーがなかった」
小春の“こう”を端的に言えば、性的興奮を引き起こすマッサージである。
彼と小春が2人きりでそうしている場所は、事務所の部外者立ち入り禁止区域の奥深くにある一室で、見た目は簡易なエステルームである。小春1人であれば余裕があり、彼と2人でとなると少々狭い寝台に白いシーツをかぶせて、その上に小春が横たわっている。室温が一糸まとわぬ小春に合わせていて高めで、アロマディフューザーのせいで蒸し暑いほどになっている。ディフューザーの稼働音が目立つほど静かである。
シャツとスラックス姿の彼に汗がじっとりにじむ。
「……ちょっと冷えちゃってる、温めなおすよ」
「プロデューサー、暑そうですね~? 服、脱いだらどうでしょう~」
「え……そりゃ、暑いけど」
「そうしたら、私ももっとプロデューサーのことを感じられて、もっとはかどるかもしれませんよ~?」
彼に向かって微笑む小春の肌は、胸から脇腹までぬるぬる濡れててらてら光っている。彼が愛撫しながら塗りこんだローションのせいである。ローションは同じ事務所のアイドル(にして自称化学者、パフューマー)一ノ瀬志希謹製の代物である。これを塗られながら“感じ”ると女性ホルモンの分泌が促進され、繊細な快感によって感性も磨かれ、魅力的なアイドルに近づく……というのが小春からの彼への提案であった。
当初、彼は困惑し――(アイドルの女の子の肌を、ボディケアとかド素人の男に触らせるなんて、この事務所だいじょうぶか?)――どうにか思いとどまるよう小春に説いた。すると、ありす、桃華、志希などからそれとなく圧力をかけられ押し切られ、後ろめたく思いながらマッサージを引き受けている。部外者に見られれば淫行条例と児童福祉法の違反で通報される行為をずるずると重ねている。
「本当は、プロデューサーにぎゅ~ってしたいんですけど……でも、シャツとかぬるぬるしちゃいますからねぇ」
ほかに気にするところがあるだろう、と彼は言いそうになったが、くちびるをぱくぱくさせるだけに終わる。小春の体が彼の言語能力を奪っている。
「私も、ヒョウくんを抱っこするようになってから、ヒョウくんと仲良くなれたんですよ~。スキンシップって、すると違うんです、ぜんぜん」
小春がプロフィールに載せている身長は140センチ、スリーサイズは――小春のような年齢の少女のバストやヒップを計測・公開する行為も、以前の彼ならやましいと思っていた――上から72・54・77となっている。彼がプロデューサーとして小春の魅力を引き出すときには、フリルやレース、リボンでどう盛るか考えるほど控えめに感じられた肉体である。
しかし一糸まとわぬ状態で手でマッサージするとなると、控えめとはとても言えない。ほんのりふくらんだ乳房が息遣いで波打つようすやら、手で触れた瞬間に神経に染みるほど鮮やかな肌つややら、かわいらしく悩ましい声や吐息を重ねるごとに高まっていく体温やらが、彼にごく近くで伝わる。
彼は小春に女性としての魅力を感じさせられつつあった。
「……俺はヒョウくんほどいい子じゃないからなぁ」
そんな状態で自分まで裸になってしまったら、と危ぶむ理性は残している。
「プロデューサーがいい子じゃないと、なにか困るんです?」
魅力だけでなく苛立ちも感じさせられる――(この子……いや、この“女”ぜったいに意味わかってるだろ)――小春はマッサージされると、「ふわふわして、きゅんってして」と陶酔した感想を語ってくれる。それが性的興奮であることは、童貞であるプロデューサーにすらはっきりしている。ふくらみかけの乳房の先はぷっくりと充血している。こうなると小春は「も、もっと、こしこしって、触って……あ、ちょ、ちょっとつよ……やっ、やめないでください~!」と何度もせがんで、いつもマッサージの終わりには腫れぼったくなって、ブラジャーを着けなおすのに少し手間取る。この日も彼の指先でつままれるたびに、小春は胸や腹の肌をひくひく浮き沈みさせ、腰を誘うようにかくかく震わせてきている。
「……あったまったよ。続き、する?」
「話をそらしましたね~っ、まぁ、続きはお願いしますけど」
そう言いつつ、小春がぷいっと彼にそっぽを向くように横寝する。上側になった片足だけヒザを曲げて、太もものあいだを開いて秘所は見せる。彼からの見え方が変わって、クリトリスがぽってり恥丘から浮き上がっているのがより目立つ。
「抱っこは、ですね」
「小春?」
「信じてる、ってことなんです」
「……そうか」
「ヒョウくんだって私と出会ったころはあんなに大人しく抱かせてくれませんでした」
「俺ってヒョウくんと同じぐらい信じてもらってるのかな」
「出会ったばかりのあなただったら、頼みません」
彼は、自分のような成人男性をペットと同列に考えてはいけない、訂正すべきだ、とは思っている。小春に対して邪念を起こす可能性がある。それが現実になればグリーンイグアナからのペロペロでは済まない。
「あっ……んっ、んっ……♪ もっと、もっと……っ……」
「さっきみたいに蹴飛ばされたら、悲しいからなぁ」
「もう~っ!」
どう訂正したら小春を傷つけず済むか思いつかないまま、小春の肌に飲まれていく。クリトリスへの刺激が小春にとってまだ鋭すぎるようで、彼がそっと撫でるだけで小春の肌と粘膜がびくりと緊張する。計算外の刺激を与えないよう、彼は残りの手やヒザを使って、小春のふくらはぎや太もも、腰をそっと押さえる。成人男性と比べて明らかに細くかよわいのに、肌の上にも下にもぴちぴちと弾むエネルギーが伝わる。うっかりすると気圧されてしまう。
「ひっ、あ、あ……そ、そこ……あ、あっ……♪」
「嫌だって思ったり、痛かったりしたら言ってくれよ」
「……プロデューサーは心配性ですねぇ」
「小春お姫様はデリケートだろうし」
「ええ、とっても……は、あぁー……ぁ、あは、あぁ、いぃ……♪」
小春は恥じらうように顔を伏せているが、秘所はすっかりプロデューサーに委ねたままにしている。小さなクリトリスの包皮がほころんでわずかに頭をのぞかせ、細いままの割れ目の向こうでピンク色の粘膜が濡れて一筋か二筋かの愛液を垂らしている。
「んー……ふぅん、んぅ……そ、こぉ……♪」
「これで……素敵なアイドルになれそう?」
「……も、もっとしてもらったら、なれると思いますっ」
「じゃあ、はい」
「んんんっ……♪ ぃ、ぃい、です、っ……!」
※
「……ってというあたりまで進めた、と私たちが聞いてから、けっこう経った気がするんですが」
「ええと、それは……その、はい」
「10回以上そこで足踏みしている気がしますわ。わたくし、そのあいだにヒョウくんと仲良くなれた気がします」
「ヒョウくんは優しい子ですから~」
「小春ちゃんのプロデューサーさんは、童貞さんなんでしょうか?」
「そんなこと聞けるわけないじゃないですか~!」
小春の同僚アイドル・橘ありすの部屋で、4人の美少女アイドルがテーブルとお茶を囲んでうんうんうなっていた。
橘ありすは小春と同事務所、同年代のアイドルである。まさに、マッサージをさせることを小春に勧めたうちの一人であった。両親が多忙で自宅を空けがちにしていることと、その自宅が都内某所の住宅街にあって事務所からの交通の便が良いことから、少女アイドルたちがこっそり集まる場としてときどき使われていた。
ヒョウくんと仲良くなれた、とつぶやいた櫻井桃華も同事務所、同年代のアイドルである。やはり、マッサージをさせることを小春に勧めたうちの一人であった。小春がプロデューサーにマッサージをさせているあいだ、主にヒョウくんのめんどうを見ている。
プロデューサーを童貞だと邪推した佐々木千枝も同事務所、同年代のアイドルである。当然、マッサージをさせることを小春に勧めたうちの一人であった。
ヒョウくんは小春の肩で静かにしていた。
「なんで……プロデューサーは、私を抱いてくれないんですか~!?」
「もう少しのところで、先に進まないんですね?」
「はぃ……う、うぅう……」
小春がプロデューサーにマッサージさせ、あわよくば……という考えに至ったのは、この3人が原因であった。3人はそれぞれ担当プロデューサーにマッサージなどをさせた成り行きで肉体関係を持ち――その成果かどうかはともかくとして――アイドルとして人気を高め自信を深めている。3人も勧めた手前、小春とプロデューサーの成り行きを気にしている。
「小春さんのプロデューサーさんが、しようとして、失敗したわけではないんですよね?」
「しようともしてくれないんです……私に見惚れてくれて……いるとは……思うんですけど」
「あれが大きくならないせいなら、志希さんに相談して」
「それはおせっかいな気がしますね」
「小春さんがマグロなんじゃありませんか」
「マグロってなんです?」
「反応が薄くて、触っていて盛り上がらないって……」
「そんなことありませんっ」
「どんな感じの反応してるんですか?」
「……こ、ここじゃ恥ずかしいです……」
「いまさら気にすることですかね」
「ありすさんがお手本を見せて差し上げたらどうでしょう。わたくしは辞退いたしますわ」
「えっイヤですっ、私だって、あんな……」
そんな4人が集まって話し合っているので、そもそも小春のプロデューサーにとって小春の女体が幼すぎて通常ならセックスの対象外である可能性や、そもそも彼女たちの年ごろでセックスを経験済みとなると例外的に早いという常識などは、忘れられていた。
「小春ちゃん自身は、触ってもらって、どう感じていますか?」
「どう、感じ……と言うのは……」
「うれしいですか?」
「はいっ」
「どきどきしますか?」
「それは、もう……!」
「それだけじゃダメなんでしょうか?」
その日4人が事務所で顔を合わせて小春の悩みが続いているのを察した流れでありすの部屋に向かって座談会になってから、初めてはっきりした沈黙がやってきた。「それだけじゃ~」の問いが彼女らにとって根本的なものである、と目だけで通じあった。
彼女らにとって永遠のような沈黙を、小春が破った。
「最初は……プロデューサーに抱いてもらって、ふわふわって、きゅんって……させてもらえるだけで、胸が一杯で……幸せって、思ってたんです……」
「いまは幸せじゃないんですか?」
「いまもっ……だけど……」
「もっと求めてもらいたいんですか?」
「……はい」
「ムリヤリに、でも?」
「……え、と」
「私たちも巻きこんでプレッシャーかけてムリヤリにあのマッサージまでさせて、そこ日和るんですか」
「きっかけがムリヤリだったからこそ、という考えもありますわよ」
「既成事実が欲しいんですか?」
「うわぁ」
「千枝さんさすがに少し急ぎすぎです、落ち着いて」
「あなた私たちより年下でしたよね……?」
「げ、芸歴なら年下じゃありませんっ」
大人はよく子供がささいなことで悩むと思いがちだが、それは子供から見て大人が鈍感すぎることの裏返しである。例えば彼女らは、数か月単位の誕生日の前後からくる数センチ単位の発育の差(大人ならさほど気にしないことだが、4人の中では千枝のみ1歳年下で、小春のみ早生まれである)を敏感に、重く受け止めている。
「処女を奪ってもらいたいのか、もっとみっちりマッサージしてもらいたいのか……どうでしょう?」
「……そ、その……」
性体験のように大人でも深刻に考えることであれば、なおさらである。
「小春さんってプロデューサーさんに触られて気持ちいいんですよね」
「き、きもち、ぃい、です……」
「イッちゃったことはあります?」
「……気持ち良すぎて、頭までじんじんして、思い出すだけでどきどきして……」
「わぁ」
「泣いちゃって、イタズラされてるみたいなのに、でも、うれしくって……」
「イカせてもらったんですね?」
「……それは、その」
「あ、違うんですか」
再び長い沈黙がやってきたが、4人に漂う雰囲気がかなり浮ついていた。
「い、イッちゃうの……まだ、早くありませんか……?」
「早い?」
「……初めてを捧げる前に、イッちゃってたら……自分が、すごくいやらしい女の子になっちゃったみたいで……」
小春を除く3人は、お互いの目つきの中にそれぞれ言いかけて噛み殺した言葉をなんとなく読みとった――「これ小春さんが原因じゃありません?」「イクのをためらって、あるいはイってしまっても認めなくって……いいところで愛撫を拒んでしまうのかしら」「童貞さんが、小春ちゃんの機微をどこまでわかっているのやら」――3人ともすっかり冷めた紅茶でくちびるを湿らせた。けれど、ありすと桃華の舌はいっこうに滑らかにならなかった。
「むしろ、イッちゃうのに合わせて処女を捧げるのを早くしたら」
「いやいやいや千枝さんお待ちになって……本当に待ってくださる!?」
「まだ、私イッちゃうまでは……え、ええと、あのっ……そういう、ことで……」
「小春さんもそこ煮えきらないんですね……」
座談会はけっきょく、積極派・千枝と慎重派・桃華に挟まれた慎重よりの中立派・ありすが「別の誘惑を試してみましょう……プロデューサーさんにしてもらった記録を確認する、だのなんだの言って、スマートフォンかなにかでえっちな写真を送れば……」と絞り出した案が残った。
数日後。
「う、うぅう……みなさぁん……」
「まさか裏目に出ちゃったんですか……?」
「プロデューサーさんから、叱られて……『俺が悪い大人だったら写真で脅されたり写真を流されたりしてるぞ』とか……」
「……えっちなマッサージしている時点で悪い大人ですものね」
「あと……『ふつうの写真でも、仕事相手に軽率に写真を送るな、アイドルなんだぞ』って……プロデューサーさんにとって、私は“仕事相手”なんですって……」
「……これは、むしろいけますっ!」
「えっ」
「“仕事相手”じゃなかったことになるならえっちしたい、って意味に違いありませんっ!」
小春は強硬手段を採ると決断した。
※
さらに数日後。
「ちゅっ、ちゅう……んっ、ちゅぶ……ぷふ、あは……♪」
「う……ん、んぅ……」
昏睡状態の担当プロデューサーと2人きりにしてもらった小春がまずしたことは、寝台に寝かされて隙だらけの彼の全身をちらちらうかがいながら周りをうろうろと歩き回ったあと、彼の利き手の親指と人差し指に頬ずりして、キスして、ペロペロなめしゃぶることだった。そうしているだけで身も心も彼の愛撫を思い出した。
(この指だって……いけないんです……私を、いやらしくさせてしまうから……!)
手はずは単純だった。ありす、桃華経由で一ノ瀬志希に頼んで小春の担当プロデューサーを眠らせた――「完全に眠るんじゃなくて、体がちょっとうまく動かないように」「志希ちゃんのラブ・ポーションにお任せあれ! って言いたいけど……ナニも勃たせるんでしょ」「なにか困るんですか?」「上がスヤスヤ、下はビンビン……は長続きしないよ、すぐ目覚めちゃう」「じゃあ、急ぎます」「わぁお」――あと、一ノ瀬志希の担当プロデューサーにも手伝わせて、例の簡易エステルームに運んだ。小春は、一人寝で余る寝台でもプロデューサーとの共寝だとだいぶ狭いという感じに無性に興奮した。
これからすることで彼の背広やシャツがぐしゃぐしゃになってしまうとわかっていた。代わりを用意することにした。こっそりサイズを調べて、4人でギャラやらおこづかいやらを出しあって、さらに櫻井家御用達の仕立て屋さんに勉強してもらって長く使えるものを――「お身体を直に測ったほうがよろしいのですが」「あちらさまにも、この服に合わせていただきますので」「えっ」――これがプロデューサーへの初めてのプレゼントか、と思うと小春はデザインに迷った。桃華たちを少しげっそりさせた。
「へぷ、んぅ、れぅ……ちょっと、爪が伸びてます……きょうは、私に触れる予定がなかったからですか……?」
彼の指先はぴりぴりと塩辛かったが、すぐ小春の唾液でべたべたになって甘酸っぱくふやけた。爪だけがツンと硬く取り澄ましていた。手のひらにもそっと触れて、運命線かどこかを何度もなぞった。
そのうち袖口から彼の寝汗の匂いが小春に届いて、鼻腔をくすぐられる。
「プロデューサーの、匂い……とても、久しぶりですね……」
マッサージを重ねる以前、彼は小春が抱っこをねだると苦笑しつつ――「子供みたいに見えてしまうかも」「お姫様みたいに抱っこしてください~っ」「ではお手を、お姫様」――応じてくれていたが、このごろ断るばかりになってしまっていた。彼が小春に性的に意識してしまったせいだとしても、小春はさびしかった。
「すぅ……すん、すん……ふ、ぅ、あ……!」
志希の一服で強引に寝かされたプロデューサーは、じっとり寝汗をかいている。小春が初めて経験する、父親以外の男性の体臭である。ざらついた土が風で舞っているようで、それでいて湿っぽくて、指先で味わった塩辛さを思い出して、かつて屈託なく抱っこしてもらったときの愉快さと混ざって、小春の脳裏がめちゃくちゃに煮立ってしまう。
「はぁ、あっ……♪ いつのまに、こんな素敵な王子様になっちゃったんですか……?」
むしろ変わったのは小春である。敏感なところをプロデューサーの指先と志希の薬理とで何度も刺激され、何度も高められ、何度も絶頂に達して――小春自身は認めていなかったが――男を求める女に育ちつつある。
「あっ……ん、だ、めぇっ……」
仰向けのプロデューサーを、小春はヒザ立ちでまたぐ。スラックスが内側から突っぱられたところは匂いが怖いほど濃くてためらわれる。
そうだ、まだキスをしていない……と言い聞かせながら、彼の上半身に顔を近づける。シャツを緩められた首元の匂いも強烈に小春をとらえる。ネクタイピンをそっと外す。どうにかネクタイの結び目を緩めてするりと抜き去る。
「……いけませんね、プロデューサー……仕事中なのに……きっちりした格好しないと、なめられちゃう……って、言ってたのに」
もう“仕事相手”じゃありませんね、と勝手に言い聞かせる。小春の興奮が深くなる。
「……ぅ、あ……どうして……なに……すき……っ……!」
小春は彼の首元に顔を埋めながら、自分の素肌をジャケットやらシャツやら胸板やらにこすりつけてめちゃくちゃにしてしまう。ぱんぱんに張り詰めた乳首が痛いほどこすれてしまうのに、彼のマッサージよりずっともどかしい。
「ん、あっ……ダメ、なのにぃ……♪ ぃ、ぁ、ぁ……ッ……!」
ついによだれを垂らしたように濡れてきた秘所も、彼の胴体のどこかにこすりつける。イってはいけない感触にあっというまに満たされ、快感のあまり小春自身にもどうしようもないほどの痙攣が続く。
「ぁ……ぅ、あ、はっ……お、起きて、ません、よね……?」
小春は汗やよだれや愛液まみれになって、彼の胸や腹をもべとべとに濡らして、マッサージであれば佳境という境地まで突き動かされる。彼に気付かれていたとしたら恥ずかしくて泣き叫んでいた痴態である。
「……お、お姫様は、王子様を差し置いて、一人で幸せになったり、しません……っ!」
小春の独り言は、王子様がお姫様を差し置いて……の裏返しである。小春が千枝に焚きつけられて燃え上がった独占欲の飛び火である。
「……乾いてしまってます、ね……」
強引に寝かされたせいか、彼は口呼吸ぎみになっている。くちびるが小春の目から見て明らかに乾いてしまっている。ファーストキスを捧げようと思うと、どうにも気になってしまう。彼といっしょに運びこんだかばんにリップクリームがあったはず、と思い出す。
けれどプロデューサーの上から下りられない。
「ぇ、う、ぅ……ぅう……!」
彼の指先で開発された股間がはっきり疼く。キスへのこだわりさえ押しのけるほど強くたぎる。よだれを抑えようとくちびるを引き締めても愛液がじわじわ下着にしみるのが止められない。
「ダメ、だぇ、ですぅ……! や、やらぁっ、わた、し……!」
彼のスラックスのファスナーを下ろしてしまう。じりじりという音が小春自身の背筋に響いて開いてはいけないものを開く。下着の合わせ目も開いて、がちがちに勃起したペニスを自分の秘所にあてる――「ついでに志希ちゃんのラブ・レッスンも受けていきなよー、自分で入れちゃうんでしょ?」――準備の甲斐あって、処女にあるまじきスムーズさでことを進める。
「ぁ、ああっ、う、く、ぐぐ、ふぅううっ……!」
志希から薬品だけでなくコンドームも持たされていたが、小春はプロデューサーの指先や匂いにあてられて、避妊の準備はすっかり忘れている。
「はぁ、はぁ、はぁ……う、うう……もう、私は……」
彼のペニスは、成人男性の最高潮にふさわしい長さ、太さ、硬さになっている。いくら絶頂でほぐれていたとはいえ、小春の処女膣に対して非常に大きい。恐る恐る亀頭まで収める。勃起しきってもそれなりに柔らかい亀頭で案外うまくいってほっとする。しかしカリ首から段違いに硬く熱くなっている。もっと奥まで受け入れようとして、痛みがじくじく強くなる。止まってしまう。
「これ以上は……ぜったい、ダメな……う、ぅう……で、も……!」
「う、うぅううっ」
「ひゃううっ!?」
プロデューサーのうめき声で動揺させられる。腟内が緊張して、痛みと焦りでじわじわしびれる。それは恍惚を邪魔する感覚のはずなのに、彼によるマッサージでうっかり迎えてしまった絶頂に似ている。
「わ、私、一人で、できたら……イッちゃっても、いいですか……? 私……実は、もう、あの……」
「……ん、っう……え、こはる……小春が……小春っ!?」
「あっ……ええと、その……えっ、ええいっ……!」
小春は息が止まりそうなほど強く口元を手で覆う。王子様とお姫様が結ばれるときに苦痛などない、感じてもないものと扱うのが小春の意地である。それでも彼と視線がぶつかり合うと、処女喪失の痛みや驚きが目と目で通じ合ってしまう。
「あっ、んっ、ぅ……は、入って、ます、よね……?」
起き抜けの勃起ペニスに処女膣の締め付けがきつく、彼の思考はそれでしばらく目いっぱいになっていた。それから確かめるように、彼の手が小春のヒザや太ももに触れてきた。
小春は噛みしめるように膣内をぎゅうぎゅう震わせてこすりつけてしまう。
「ぉあ、っあっ!? 小春っ、まさかっ」
「私の、初めて……もらっていただけましたね……ふふ、ふふっ、あはは~……」
そんな状況で、童貞の彼が射精をこらえられるはずがなかった。
「あ、うぁ、く……あ、あ、で、る……!」
小春からにじみ出た処女の赤い血が、愛液や精液と混ざってぐしゃぐしゃに白い泡になっていった。
「あの、なんか、ごめん……いてっ!?」
「ぃ、いたっ……そこで謝るの、かえって失礼です~!」
騎乗位で馬乗りになったまま、小春は彼の胸板や腹にぎりぎり爪を立てて抗議する。膣内よりずっと浅いとはいえ、痛みと痛みでもつながれた気がして少し溜飲を下げる。
「でも、小春、血が……」
「初めてですから……」
「……あの、俺も、その……」
「童貞さんだったんですか、やっぱり」
彼はさきほどの童貞喪失直後の射精と同じぐらいの驚きと興奮に襲われる。自分の半分と少ししか生きていない美少女から「童貞さんだったんですか、やっぱり」と言われる時点で想像を絶しているうえ、それを担当アイドル・古賀小春の口から聞かされる。
「あの、俺……もしかして……もう、初めて、終わっちゃった?」
「……でしょうね~、女の子のあそこに入れて、出しちゃってますものね~」
「そんな……ぅぎゃっ!?」
小春は、快感よりむしろ痛みを求めるように腟内をわざと締めつける。精液で滑りがよくなったのか、腟内が早くもなじんできたのか、痛みが期待よりじんわり生やさしい。小春の下で、彼がペニスをぱんぱんに勃起させつつも、声や表情をひぃひぃ情けなく震わせている。グロテスクな見た目の割にデリケートなのか、と笑うほどの余裕が出てくる。
「あなたがっ……あなたが私を焦らすから、こうなったんです~っ!」
「焦らす、って……!?」
「マッサージで……私を気持ちよくさせるだけで、手ぇ、出してくれないから……」
「いや、出したら犯罪じゃ」
「もう遅いんです~!」
笑いながら、担当プロデューサーにぴしりと人差し指を突きつける。いつもふんわり穏やかな物腰の小春としては異例の仕草で――男の腰にまたがって膣内でペニスをくわえこんだままなせいもあって――プロデューサーは言葉を失う。その代わりか、彼の手がゆらりともたげられ、吸い寄せられるように小春の手に触れる。
「もう遅い、か」
「ええ、そうです……私みたいな、ほわほわした女の子にまんまとやられて、悔しいですね~?」
小春は自覚しないうちに思いついた“いやらし”くない挑発を、思いついたそばからプロデューサーにぶつける。
「あっ……プロデューサーのあそこ、びくって……ふふ、こういう小春も、お好きなんですか? うれしい……♪」
※
「と言ってあげましたら……もうそれからプロデューサーが私をぎゅってして、ぱんぱんって……お腹の奥も、頭も、ぐしゃぐしゃになっちゃって……♪」
「う、ぅ……千枝、聞いてるだけで……あぁうぅっ……!」
「責任、取ってくれますよね……とか、プロデューサーが王子様、私がお姫様っ……とか、聞かせてあげますと、何度も、何度も……♪」
さらに数日後、ありす、桃華、千枝の3人(と、小春に抱かれたままのヒョウくん)は初体験で何度も失神するほど絶頂させられたという小春の報告(小春にしてはふんすふんすと得意げな調子で、最初3人はびっくりさせられた)を延々と聞かされていた。当初は3人とも興味津々で反応していたが、この甘ったるい話があまりにもループしているせいで、ありすと桃華が途中でフェードアウトし、いまは千枝だけが熱心に合いの手を入れていた。
「ああ、つながったままキスして、頭も撫でてもらって……ふふ、キスしながらおしゃべりできないって、不便ですね~♪」
「そんなの同時にしちゃったら、頭がおかしくなっちゃいそうです……!」
「プロデューサーも、マッサージが相当きいてたらしくって……ダメ、ダメってフリしながら、本当は気持ちよくなってたんだろ? って、怒られながら、おっぱいでもあそこでも、いっぱいイカされちゃいました~」
顔を紅潮させてじっとり汗までかいて熱弁する小春の報告で、ありすも桃華も興奮させられていた。させられすぎて胸焼けしていた。その小春の腕と肩に乗って、いつもと同じ緑色でじっとしているヒョウくんが妙にシュールに見えた。
「でも、新しいマッサージもされちゃいました……初めてで、精液どぷどぷって何度も入れられたあとのあそこの奥まで、ぐい、ぐいってされて……」
「うわぁ、痛かったんじゃありませんか……?」
「不思議なんですけど……痛くされるほど、きゅんきゅんって響いて、しびれちゃいまして……くせになっちゃったら、どうしましょう~」
「痛いのに……痛いので、イッちゃったんですか?」
「……う、ぅう、そんな……ヘンタイさんみたいなこと、言わないで……」
ありすと桃華は目だけで会話した――「なんだか一足飛びに追い抜かされた気がします」「初めてであんなに何度も何度も達することが、できるのでしょうか?」「……まぁ、マッサージで長いこと不完全燃焼にしたままだったタガが、外れて……?」「わたくしも、こんどからしばらく不完全燃焼にしていただきましょうか」「忙しくなっちゃってるせいで、いまでもイヤでも焦れてませんか?」――2人は、もう小春と千枝についていけないという気分だったが、考えていることは小春・千枝と大同小異であった。
「でも……やっぱり、中に……出してもらうのが、いちばん、良かったです……」
「えっ、赤ちゃんができちゃうんじゃ……!」
「……責任、取ってくれますよね、とか……誓って、って言いながら……すると、プロデューサーったら、必死でがまんしてるようすでも、出しちゃうんですよね……♪」
「すごい、手玉に取ってるみたいですっ」
「そんな、お姫様じゃなくて悪い魔女さんみたいな……でも、それでプロデューサーが、私だけを見てくれるなら……♪」
小春がプロデューサーを言葉と体でがんじがらめにしながら何度も膣内射精させたのは、うそのような本当の体験談であった。小春は処女であったが、彼から絶頂させられそうになったり絶頂させられたりは慣れていて、処女喪失直後でも彼を煽ったり転がしたりできた。
「で……終わったあとも、楽しかったですね……♪ プロデューサーがしょんぼりしてるの、慰めて」
「あらら、冷静になってしまったんでしょうか」
「小春をキズモノにしてしまった、と。そう聞かされましたら」
「聞かされたら?」
「アイドルとしての私がキズついてしまった、というなら……埋め合わせ、くださいって、その手で」
「……つまり?」
「マッサージで……気持ちよくしてもらって、素敵なアイドルに……」
「終わりどころか再開してません?」
「そうとも言いますね~」
プロデューサーは勃起が収まったあと“埋め合わせ”で小春にマッサージをさせられ、処女血も精液もなにもわからなくなるほど愛液を漏らさせたらしかった。
処女を失った小春は、かつて「……も、もっとしてもらったら、なれると思いますっ」と口にしたとき本当にしてもらいたかったことを心置きなくねだって、彼を悶えさせるたびに女としての充実感に浸っていた。水に浸っていたら溺れて死んでいるところで、水と違って死なないのがある意味でたちの悪いところ、とは理解できなかった。それを理解するには、小春はまだ幼かった。
「しょんぼりしていたプロデューサーが、いつのまにか元気になって……それを感じながら気持ちよくなって……いつまた押し倒されちゃうんじゃないかってどきどきしたの、クセになっちゃいそうです……♪」
「やっぱり男の人からして欲しいですよねぇ」
「ん~ふふふ……難しいです……最初に、眠っているプロデューサーにこっそり……というのも、それはそれで」
「私も、こんど志希さんにお願いしてみようかなぁ」
「たぬき寝入りを頼むぐらいにしておいたほうが無難ですよ」
「そうですわ、いくら志希さん謹製といっても、薬物の濫用は控えたほうが」
それからまた、ありすと桃華は目だけで――「これって“恋は化学式”に入るんでしょうか?」「……わたくしには、なんとも」――彼女らの胸焼けがそろそろ限界に近づいていた。
「あと……プロデューサーの初めて、ちゃんともらいましたっ」
「……ちゃんと、というのは?」
「私が、プロデューサーの寝ているあいだに童貞さんを奪っちゃったから……ちゃんと起きているときにやりなおしましょう、って、それもすごかったです~」
「……なんだか、私もプロデューサーさんの童貞が欲しくなってきちゃいます」
「プロデューサーに寝てもらって、私があそこにまたがって、入れるところ見せつけて……くちゅ、くちゅ、って、焦らしてっ」
「わ、わわわっ……!」
小春と千枝の脳裏には、小春が小さい膣口を目いっぱい開いて、プロデューサーの亀頭を頬張るように飲みこんでいく光景が浮かび上がっているらしかった。
「入れたら、卒業おめでとうございます、って言って……ふふふ~っ」
「小春さん、とってもお姉さんみたいですっ」
「言って聞かせたら、気分よくなりすぎてイッちゃいましたね~」
「たまらないでしょうね、男の人からしたら」
「実を言うと、私のほうも……」
「……小春さんも好きそうな趣向ですものね」
ありすと桃華は冷めきった紅茶をすすった。かすかに揺れる紅茶の水面で、2人の顔が――「ほんのちょっと前に……『イッちゃってたら……自分が、すごくいやらしい女の子になっちゃったみたいで』と、小春さんから聞いたのですが、まるで遠い昔のよう……」――鏡写しのようにそっくりになっていた。
「じっとしてても、どうしようもなくってイッちゃうことって……あるんですね~」
「その調子なら……まぁ、長続き、するでしょうね」
「むしろ動かないでいたほうが……肌と肌ぴったりくっつけて、あったかくて、ぎゅってして、されて……♪」
絶頂の体験談がそれからさらに何度もループしたあと、不意にヒョウくんが小春の真っ赤な頬をぺろぺろとなめはじめた――「ヒョウくんも胸焼けが限界になったんでしょうか?」「あるいは、小春さんの体温が熱くなりすぎて抱かれていて辛くなったとか」――ようやく話が一段落ついた。
「あ、そうそう、ありすさんっ」
「はい」
「これが記念写真で――」
「――わわ、それは見せちゃダメです~!」
最後の最後に、小春はプロデューサーとセックスし終えた直後の、“仕事相手”を卒業して男女として付き合うことになった記念写真をスマートフォンからありすに見せようとした。ほかならぬありすに止められ――「写真って言ったのが裏目に出たんじゃないか……って気にしてたら、と思ったのですが~」「小春さんのお話が濃厚すぎて、いままで忘れていましたよ」――不思議そうな顔をしつつ引っこめた。
ありすは桃華にだけこそこそささやいた。
「あのプロデューサーさんのお叱り、一理あったのでは」
「ありすさんがそれを言うんですか……」
後日、ありすと桃華が事務所に向かうと、小春と真新しい背広姿の小春担当プロデューサーが並んで歩いているところに行きあった。
瞬間、小春の話を聞いていたときの胸焼けが2人にじわりとぶり返して、あいさつの声が不自然にくぐもってしまった。
(おしまい)