※この作品はR-18です。

アイマスのアイドルが童貞をもらってくれるシリーズ   作:ふりーじ屋/家庭内禁書

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大崎甘奈さんが叔父さんにお説教しつつ童貞をもらってあげるお話

「甘奈“先生”っ、頼むよ、この通り」

「……あのねぇ」

「これからも甘奈先生の言うことを聞くから、どうか僕を男にすると思って」

「あのね叔父さん……おっぱい見せたりとかとは、わけが違うんだよ?」

 

 もし半年以上前の大崎甘奈が、半年後の自分と“叔父さん”とのこんな会話を聞けたとしたら、想像を絶するあまり言葉を失っていたはずだった。

 

「……えっちは……本番えっちは、だめ、ぜったいっ」

 

 甘奈は女子高生である。きょうだいは双子の姉・甜花がいる。甘奈のほうが活動的で器用で要領がよい。甜花のことをとてもかわいいと思っていてアイドル事務所のオーディションに送りこんだとき、甘奈もオーディションに付き合った。「双子のほうが活動がはかどりそうだ」とまとめて合格しデビューした。

 そんな甘奈が“おっぱい見せたりとかとは、わけが違う”と口にするのが明らかに異常であった。

 

「そんな卑屈な態度じゃ、させてくれるかもしれない女の人にもヒかれちゃうよ、甘奈、仮にも先生と呼ばせてる身として恥ずかしいよ」

「言葉もありません……」

 

 甘奈はベッドの上に腰を下ろしたまま腕を組んでいる。ほっそりしたデコルテで、鎖骨のすぐ後ろがぺこんとへこんでいる。その皮膚が若々しい艶にあふれていて、それを存分に見せつけるオフショルダーのワンピースを着ている。生地はニットで、白のベースカラーに対して、バストの中腹と二の腕あたりにだけノルディック柄がぐるりと一周していてアクセントとなっている。

 

「こらっ、おっぱいって言ったからっておっぱい見るんじゃありませんっ」

「ご、ごめんなさい」

 

 叔父さんと呼ばれた男は、視線をとがめられて小さく縮こまる。けれど男が座っているのは、甘奈が普段机へ向かうときに座っている木製のフォールディングチェアである。物理的に狭そうなようすが心理的にも狭そうになっただけであった。

 

「気をつけなきゃだめだよ、女の人は視線に敏感なんだから」

「甘奈ちゃんはアイドルだから、なおさら」

「いーや、それ以前の問題っ」

「すみません……」

「特におっぱいはね……女の人どうしでも、正直うっかりすると見ちゃうからね、うわおっきい、って」

 

 甘奈はバストへの視線をとがめたあと、かえって男を試すようにアンダーバストで腕を組み直した。アイドル・大崎甘奈のプロフィールでは身長159センチに対してスリーサイズが80-56-80と示しているが、若々しい張りにあふれたバストが実際よりもこんもりと見える。ゆがまされたノルディック柄は、甘奈の同僚アイドル・桑山千雪の影響だろうか、と男は考える。ノルディックのファッションは温かみと野暮ったさが紙一重で、少なくとも甘奈自身の趣味ではないようだった。

 その千雪のバストが確かFカップで90センチ近い、と男は連想する。甘奈も“うわおっきい”と思ったのだろうか、と邪推する。

 

「いま千雪さんのこと考えたでしょ」

「そんなことは……ぅ、ぃや、その、そんな……はい、すみません、考えました」

「こんな誘導尋問に引っかかるんじゃないよ~っ」

 

 甘奈がくちびるを尖らせながら、ニーソックス履きの足でカーペットとフローリングをぱたぱた踏み鳴らす。ワンピースのすそから伸びる太ももが浮き沈みし、男の視線をねじ曲げる。男は東京在勤が長く、駅などで歩く女子高生のプリーツスカートから太ももをつい見てしまって気まずい思いをした経験の数が何度もある。若い女のふっくらした肉付きが上体を支えながらゆっくり、または慌ただしく動いているさまが視界に入ると、彼は太ももフェチでなくても視線を吸い寄せられてしまう。彼女らが自分のそれを魅力的だと判断して見せているであろう、という推測がさらに彼を惹きつける。

 

「……こんどは太ももかぁ」

「短すぎないかな、そのワンピースの丈……」

「外だったらボトムスなにかはいてるよ」

 

 甘奈に限っては、自分のそれを魅力的だと“確信”して見せている“に違いない”のである。

 甘奈の太ももやふくらはぎは、ほっそりとしたラインを描きながら力強くしなやかに動く。スポーツ選手のような機能美さえ感じさせる。叔父は甘奈と揃ってアイドルデビューした甜花が「き、きつ……ぃ……あいどる、体育より、はーど……」と燃え尽きながら甘奈に運んでもらっているさまを見た覚えがある。レッスンで鍛えられた美しさと思うとさらにまぶしく映る。

 

「でも叔父さんは女の子を怖がってるから、このぐらい刺激に慣れといたほうがいいでしょ」

「甘奈先生のおかげで、これでもマシになったつもりなんだけど」

「テストで10点が30点になったようなものだよ、赤点は赤点だよ」

 

 甘奈は自室に叔父を招き入れ、セックスを求められて、すげなく断りつつ、誘惑やお説教を重ねる。

 

「だいたい叔父さん、えっちなんてできるの? 甘奈、そんなにしっかり教えた覚えないよ?」

「もっと甘奈先生に……」

「……ちらっ♥ ぷふっ……あははっ、そんな反応じゃまだまだ~!」

 

 彼は甘奈の“おっぱい”や太ももや、そのほかの素肌にも触れさせてもらったことがある。

 それでも甘奈に言わせれば“まだまだ”らしかった。

 

 そうした甘奈のいくつも重なる奇行のきっかけが、ちょうど半年前にあった。

 

 

 

 

「叔父さんはさ、誰かを本気で好きになってフラれたこと、ないでしょ」

「……ないね」

 

 半年前のある昼。

 彼が見た甘奈は、大崎家のキッチンで座りこんでいた。しどけないパジャマ姿だった。目を泣き腫らし、頬を赤らめ、吐息が酒臭く、声が冷めていた。

 

「自分がいやになるんだ、いやで、いやで、たまらなくなるんだ」

「……」

「いーよ、なんも言わなくて、なんも聞きたくないから」

「いや、お酒だめだよ、甘奈ちゃんまだ」

「叔父さんが飲んじゃったことにしといて」

 

 甘奈のそばには、開栓を手こずらせたらしきボロボロのコルクが転がり、ワインボトルが立っていた。750ミリリットルの中身が半分以下に減っていた。世事に疎い彼にも、甘奈が失恋でやけ酒をあおってしまっていると察せられた。

 

「……ママに頼まれたの? 甘奈のようす見てこいって」

「うん、甘奈ちゃんったらご明察」

「じゃあ叔父さんも一杯どうぞ。頼まれ料ってことで」

「いや、僕は」

「たまにならバチも当たらないでしょ」

 

 彼は甘奈たちの叔父で、詳しく言うと甘奈たちの“ママ”から年の離れた弟である。半年前の時点で、年齢が甘奈たちのほぼ2倍だった。それがほぼ3倍だったころ、つまり甘奈たちが小学生で彼が就職して間もなかったころの数年間、彼と大崎家の住まいが転勤の都合でたまたま近所だった。そのとき彼は、甘奈たちの両親が仕事で多忙だったため、甘奈たちの習い事などの送り迎えをしてやっていたり、そのお礼として大崎家で夕食をごちそうしてもらったりしていた。

 

「それとも間接キスとか気にしちゃう?」

「甘奈ちゃんこれラッパ飲みなんかしたのかい」

「甘奈らしくないことをね、したくて、しょうがなくなっちゃって」

 

 それから10年近く経って、大崎家はまた転勤して都内に引っ越していた。彼の勤務先も都内になっていて、たまに顔を見せる程度の間柄になっていた。

 

「……まぁいいや、ちょっとだけいただくよ」

「やっぱりだめ」

「えっ」

「ちょうだい、もっと」

「まだ飲むつもりなのかい……!?」

 

 彼は昨夜、姉から「あのさ、娘が……甘奈のほうね、仕事から帰ってきてから様子がおかしいけどなにも言わなくて、とりあえず学校休ませたんだけど、昼に誰もついててやれなくて……あんたどうにか時間あけて顔見てやってよ」と一方的に申しつけられた。年ごろの娘と二人きりにしてもいいだろう、というところに彼への信用が、訪問を前日に要求するところに彼への軽侮がありありと表れていた。遅くに生まれた末っ子の弟が親から甘やかされているのを見た姉が「私は弟にムリを言ってもいいだろう」と接していて、それが姉弟とも実家を出てからも続いているらしかった。

 彼は打ち合わせをでっち上げて仕事を中抜けして甘奈の顔を見に行った。

 

「……フラれちゃったかも」

「え、フラれちゃった“かも”?」

「宙ぶらりんだから、つらいの」

 

 甘奈は彼にぽつぽつと語りはじめた――「お仕事の相手だと、いろいろあってさ……あ、相手このヒトなんだ」「ごめんちょっと疎くて……モデルさん? 俳優さん?」「違うよ、まぁでも、そう見えるよね」――甘奈が持ってきたスマートフォンの写真で、甘奈と甜花に二十代半ばか後半らしき男性が挟まれはにかんでいた。甘奈にせがまれて強引に撮られたらしかった。男性は、絵に描いたような好青年の色に、やり手の不動産営業のような精悍さがほんのり混じっていた。甘奈・甜花より頭2つほど長身で、背丈相応に広い肩幅に背広がよく似合っていた。

 

「で、このイケメンくんにフラれちゃった“かも”なんだ」

「……まぁ、そうなんだけどさ」

「この人、見た目によらず優柔不断なこと言うんだね」

「叔父さんにそこらへんの機微わからないと思うよ、疎いんでしょいろいろ」

「はぁ」

 

 甘奈がワインボトルをつかんでラッパ飲みして半口も飲まないうちにむせて、彼は止めそびれた。

 

「げほっ、けほっ……あははっ、それでも見てわかるでしょ、このヒト……甘奈たちのプロデューサーさん……モテる、すっごくモテる」

「うん、それは」

「もし付き合えちゃったら、他の女の人に取られちゃわないか気疲れして、たまんないだろうな……」

「……プロデューサーさんとアイドルって、そういう関係になってもいいものなの?」

「だめに決まってるでしょ」

 

 彼は甘奈の一方的な語り口に――彼の姉に少し似て聞こえた――相槌を打っていた。甘奈が“プロデューサーさん”に恋慕していることと、その想われ人の容姿だけが理解できた。それ以外に伝わってくる印象は、グラスに注いだ赤ワインごしに覗いたように、赤く揺れてゆがんで見えた。

 

「甘奈ちゃんみたいなかわいくて面倒見のいい子でも、失恋することってあるんだねぇ。僕だったら」

「プロデューサーさんと自分を比べようってのがおこがましいよ」

 

 赤い中に、甘奈の火種がくすぶっていたらしかった――「もしかして……叔父さん自分があれぐらいモテるかもしれない、って思ってた?」「そ、そこまで自意識過剰じゃない、はず……なんだが」――甘奈の詰問が、通り雨のようにいきなり彼をパラパラ叩いて――「これまで不相応の美人さんしか眼中になくて、ふつうの恋愛してなくって、そのまま童貞なんじゃないの?」「ど、どうして童貞ってそんな断言」「あとお腹がちょっとプニプニしてきたせいもあると思う。昔もうちょっとスマートだったよね?」「30すぎると体が……」「甘奈のパパはそんなこと言ってないけど~?」――彼は「竹屋の火事」を辞書と麻雀でしか知らなかったので、甘奈の刺々しくも軽々しい言いざまから、むしろ出来上がる寸前のポップコーンがパチパチ弾けて鍋フタを叩くさまを連想した。

 

「あっ、うわっ」

 

 シャツ越しに腹部をぐいぐい突かれ、彼が身を引く。酔っ払っていたせいか、甘奈がぐらりと揺れる――「甘奈ちゃん……っ!」――彼が支えてやると、甘奈のパジャマと下着ごしの体が、細いにもかかわらず重く感じる。

 

「……あははっ、ちょろいね叔父さん」

「な、なにが」

「プロデューサーさんもこのぐらいちょろかったら、いまごろ……」

 

 甘奈が思い切り体重をかけてきて彼の体が傾ぐ。がたん、ばたんとキッチンのフローリングに二人分の体重が時間差で転がる。

 

「甘奈らしくないことをね、したくて、しょうがなくなっちゃって、ほんとに」

「やめなさぃ……!」

「本当にやめてほしいと思ってる?」

「当たり前だろっ」

「甘奈のおっぱいぐらいもめたらいいな、って思ってたでしょ」

「大人を、からかうんじゃ……っ……」

 

 甘奈の顔が近すぎて見えなくなる。肌のやわらかさも、羽のようにさらさらしたストレートヘアの軽さも、寝汗でほんのり湿った匂いも、強がりを通り越して傲慢な声音も彼の抗弁をみるみる薄れさせる。やけになってあおった赤ワインの残り香さえ、背伸びした香水のように興を添える。

 失恋で腑抜けて見えた少女が、いきなり彼の欲望をつかむ。理性と立場を脅かす。

 

「仕事、あったんでしょ」

「僕の仕事は……いまはいいだろ、あとでどうにかする」

「あーあ、まじめだけが取り柄だったのに」

「落ち着け、落ち着くんだ甘奈ちゃん……ね、姉さんに、顔向けできないっ」

 

 彼のこめかみのあたりから、甘奈が鼻で笑ったらしき吐息を聞いた。不慣れなアルコールと勢い任せのおしゃべりで甘奈が渇いているのか、にちゃにちゃとしたリップノイズもやけに耳障りに聞こえた。

 

「……ほんと、このぐらいちょろかったらなぁ」

 

 振りほどけないはずがない、振りほどかなければならない甘奈の腕が、振りほどけない。それどころか胴や足まで絡みつかれるまま、動けなくなる。

 

「ねぇ、さっきの、他の人にバレないならしたい……って意味に聞こえたんだけど」

 

 ついに彼は絶句させられる。

 

「そういえば、ママが頼まれ料を払ってないんだっけ……あと、甘奈がワインのんじゃった口止め料も……特別な日に開けるはずのものだったし、高くつくだろうな~」

 

 叔父と姪でこんな淫行に及んではならない、という理性も沈黙させられる。

 

「おっぱいでも、もんでいきなよ」

 

 

 

 

「あのときに比べれば、僕……少しは……進歩、してると思うんだけど」

「あのときは叔父さんの指も手も腕も、息も声も、めっちゃ震えてたね~」

「いまは」

「慣れたっぽいね」

「そうでしょう?」

「うれしくないけど」

「えっ」

「叔父さんが女の人の体に慣れたい、ってだけでしょ。別に甘奈は慣れてほしいわけじゃないもん」

「あ、甘奈先生……!?」

 

 半年前、彼は恋と酒酔いで乱れきった甘奈に誘惑され、大崎家のキッチンで生まれて初めて女性の乳房を愛撫した。それを蒸し返されながら、いまは甘奈の部屋でオフショルダーごしに甘奈の乳房を愛撫させてもらっている。

 

「それよりさ、あのときはほんとおかしくて、笑っちゃって笑っちゃって……楽しかったなぁ~」

「へたっぴ、って何度も言われたっけ」

「しかも必死で、なのにうれしそうなんだもん」

「そりゃあ……!」

「そのうえ、先生と本番えっちもしたい、ですって? ぜいたく……むしろ強欲だね、叔父さん」

 

 あのとき酔いどれだった甘奈は、まずパジャマごしに胸をもませた。彼の手つきがあまりにぎこちなかった。見れば彼の表情が、女子高生アイドル・大崎甘奈のバストを手のひらに受けている興奮と、もう甘奈がどんなおかしなことを言ってもおかしくないという恐れがぐしゃぐしゃに混ざって、悲惨を通り越して滑稽だった。見るに見かねて、甘奈が胸の触り方を挑発混じりに教えてやった。甘奈先生の由来だった。

 

「もういいや」

「……もしかして、怒ってる?」

「呆れてるよ」

 

 いまの素面のはずの甘奈は、ヒジで叔父の手をぐいぐい押して、乳房から遠ざけてしまう。彼が未練たらしくのろのろ手を退けると、対してなんの葛藤も羞恥もうかがわせずオフショルダーのワンピースをぱっぱと脱いでベッドに畳んで置く。

 

「これちょっと気に入ってるんだった、シワとかついちゃいや」

「目の……やり場に困るね、下着姿だと」

「こんなのグラビアのビキニといっしょだよ……ああ、いっしょじゃないか」

 

 甘奈は白い歯を見せて笑った。甜花が好むマスコット・デビ太郎と同じぐらい口角がつり上がっていた。素人の彼でも、ファンに見せられないと即断するほどいやらしかった。

 

「いま……パパかママか、甜花ちゃんがドアを開けたら……叔父さん相当やばいね」

「……死んじゃう、社会的に」

「これで最後だと思ったら、緊張感が湧いてきて覚えやすいんじゃない?」

 

 言って、もったいをつけてブラジャーの肩ヒモをずらす。甘奈の手先や腕、もちろんそれに応じてむにゅりと変形しかける乳房に彼の目が釘付けなのをわざとらしく確認する

 

「それにしても、叔父さんも信頼されてるものだよね~」

「……甘奈ちゃ……先生に?」

「ううん、パパとママだよ」

「……まさかあいつが甘奈に手を出しはしないだろう、って?」

 

 ブラジャーの肩ヒモがたわんで、甘奈の細くすべすべした肩や鎖骨の肌にたわんだアーチをかける。それと同じぐらい甘奈のくちびるも曲がって笑う。

 

「ふふふ、信頼されてるね~? なのに、甘奈のおっぱいとか手を出しちゃうんだ」

 

 その信頼にも軽侮が重なっている。甘奈がわざわざ自室に叔父を招き入れているのも、その状況なら万が一にも自分に強く出れないだろう、という保険である。

 

「触ってみなよ」

 

 ブラを脱いで、腕の支えも離して、素肌の乳房をぷるんと見せてしまう。ふくらみが重力に引かれつつ、甘奈の肺の息遣いでかすかに揺れている。丸みも谷間も、白い肌になだらかなお椀型の輪郭を形作る。うっすらと静脈や青く透ける血の色が照り映えている。

 彼は甘奈に促されるがまま、そっと触れる。それだけでふにゅりと指先が沈みかけるほどやわらかい。

 

「じれったいなぁ、いつものことだけど」

 

 甘奈に手首を捕まれ、むにゅむにゅ押しつけさせられる。張り詰めた空気のようにぱんぱんの弾力が迎え撃ってくる。甘奈は自分でやらせたくせに刺激が強すぎると思ったのか、首筋や腋のあたりをぴくりと引きつらせる。それも艶っぽくてなまめかしい。

 彼は平手打ちでも食らったように頬や耳がじりじりとしびれる。

 

「甘奈……先生は」

「ちゃんと先生って呼びなさい?」

「……甘奈先生は、このぐらいの感じがお好みなのかな?」

「さぁね」

 

 彼の手のひらにちょうど収まるぐらいのサイズを、もにゅもにゅと揉みしだく。甘奈の肩や腰がくねって、手つきをもどかしく邪魔される。甘奈の吐息が熱っぽくなる。くすぐったさと痛みと気持ちよさの混ざったらしき表情を浮かべている。

 プロデューサーさんとやらにもまれたら、もっと違った反応なのだろうか、と彼は妄想する。その手は彼の手より大きく指も長い。そして態度はきっと自分ほど従順ではないだろう。

 

「ふぅ、は、ぁ、あっ……♥ んふふっ、指、ぴくってしたーっ」

「……声が」

「声も商売道具ですから~」

「あまり煽らないでくれよ、どれだけ煽られても、僕は先生の言うこと聞かなきゃならないのに」

「煽らないとちょうどよくならないんだもん」

 

 甘奈が感じてもいないという素振りのまま、甘ったるい声と表情のままで叔父に好きなようにいじくらせ、もてあそばせている。半年前に触らせたとき、叔父が緊張していたり甘奈の反応を必要以上に慎重にうかがっていたりだったのを、甘奈がどうにかしようとして手を染めた秋波である。甘奈“先生”はその余波でもある。

 

「ひゃんっ、あ、あっ……♥ んーっ、へたっぴーっ」

「どれぐらい?」

「そのぐらい察しなさい」

 

 だんだんやわらかさがなじみ深くなってくる。手のひらの真ん中が、ほんのり温かみを帯びてやわやわしてくる。手が遠慮できなくなって、胸のふもとから形が変わるぐらい大胆に揉みしだく。

 

「ん、ぁ、はぁ……そ、そこっ……♥ こらっ、違う、ちが~うっ」

「うぅうぅ……甘奈先生……」

「うなってかわいいのはイヌネコだよ、人間じゃないよ」

 

 甘奈の指導はひねくれていて、艶っぽい声色や身じろぎのときほどだめ出しがチクチクしている――けっきょくほとんどいつもだめ出しが出てくる――それでいて、ときについ甘くなる――らしく聞こえるだけかもしれない――喘ぎ声に、叔父は興奮させられてしまう。

 

「まぁいいんだけどさ、甘奈は……強引よりか、じれったいほうが、ね」

「はぁ……そうなんだ」

 

 甘奈の息が荒くなって、もどかしそうに体をよじったり、彼の手首をつかんだり、腕や肩に爪を立てたりする。彼はそれらの仕草にいよいよどぎまぎさせられる。甘奈の体がだんだん汗ばんでくる気がする。甘ったるい匂いは汗のせいだろうか。本当に演技なのだろうか。

 

「ほら、ぷっくりしてきてるでしょ」

「う、うん」

「もっと乳首すりすり、しこしこってするんだよ~?」

「……本当に?」

「いや、違うけど」

「えっ」

「でも、そのぐらい言わないと、叔父さんはねぇ……」

 

 乳首がすでにつんと上向きにしこってきている。赤く腫れているようにさえ見える。それでも甘奈は叔父の手をむんずとつかんだりきりきりつねったりぴしぴし軽く叩いたり叱咤して、乳房やその周りを愛撫させている。肋骨の下からお腹のあたりも撫であげさせる。乳房の肉が指を覆って、甘奈の胸でしごかれているふうにも思えてしまう。

 

「もーっ、指先がふにゃふにゃになってるよーっ」

「え、ええと……」

「く、んんっ……♥ そう、でも、まだまだ……」

 

 彼の指も汗がじっとりするほど熱くなる。普段触れない女性の胸やお腹に触れていて、すっかり興奮しきっている。甘奈の乳房が、これ以上ぷるぷる弾ませようがむぎゅむぎゅ揉みしだこうがどうともない、と言いたげに叔父の手から反発したりくっついたりしている。その柔肌の真ん中で、しこってきている突起がある。それが叔父の指の根元をくすぐってくると、叔父は脳裏までくすぐられた錯覚に迫られる。

 指先でくすぐりかえすと、甘奈の体がぴくんと跳ねる。

 

「んっ、ふぁぁっ……そ、そこっ……いやっ……♥」

「甘奈ちゃん……んぎゃっ!?」

「先生って言ってるでしょっ」

 

 甘奈は電光石火でヒジ打ちを食らわせ、ほおをふくらませる。ヒマワリの種を頬袋に詰めこんだハムスターのように大げさに見える。けれど目を釣り上げたしかめっ面はハムスターと程遠い。

 その表情を見せながら、甘奈の太ももが叔父の股間に押し当てられている。叔父のそこはもうすっかり硬くなっている。甘奈はそれも気に入らないらしく、固いヒザ頭をぐりぐりさせる。

 

「叔父さんっていくら教えても覚えてくれないんだよね」

「ごめん……」

「甘奈にお小言チクチク言われるのうれしい?」

「しょうじき……おねだりされているみたいで興奮して」

「おねだりじゃなくて教育だよ」

 

 乳輪をもぞもぞと撫でさする。つまむ。指先で軽くしごく。甘奈の声も肌も上気している。甘奈の吐息に吸い込まれるように、叔父は顔を近づける。

 

「んぎゅっ」

「調子に乗るんじゃありませーんっ」

「あ、いや、その、つい……わわわっ」

「“つい”って、そんな言い訳ならしないほうがマシだよっ」

 

 甘奈は叔父にまったくキスを許していない。フェラチオそのほか口唇愛撫も許していないので、くちびるを許していない、とも言える。叔父は以前にすげなく拒まれてから、甘奈にしてもらえなくなることを恐れて要求を控えている。水面下で残った欲望が気を抜くとこうして顔を出して、こうして甘奈にたしなめられる。アイドル・大崎甘奈のくちびるが目の前にあって、胸までもませてもらっているのに、キスは不可能。生殺しのようでつらいが、あくまで甘奈に従って彼女の意思を尊重しているのだ、と言い聞かせている。

 

「これは……ちょっと、おしおきしなきゃいけないねぇ」

「せ、先生、体罰は……あううっ!?」

「なぁに、痛くはしないよ……それに、ね」

 

 甘奈が叔父のスラックスに張ったテントをつんつん突きながら、またにやにや笑う。

 

「甘奈はきょうでおしまいにしたっていいんだよ?」

 

 言葉の上では脅しである。もし甘奈先生からの指導が始まったばかりの叔父であればひどく動揺してしまったであろうが、いまは言葉と裏腹のうきうきした声音にどきりとしてしまう。

 

「……これ、わかるよね?」

「ガーゼ、です……はい、ガーゼです、甘奈先生っ」

「ガーゼは濡れるとぴったりくっつく。質感がちょっとざらつく。それでこすられたら……効くよね、素手より」

 

 薬局売りの白いガーゼを甘奈がひらひらさせると、乳房やぷっくりした乳首がぷるぷる揺れる。

 

「じゃあ、脱いで……下だけでいいよ」

「は、はい」

「怖いの?」

「そんな……痛くはしないんでしょ」

「静かにしててよ、声が聞こえちゃったら」

 

 叔父に露出させたペニスに、甘奈が白いガーゼをかぶせる。先走りでてらてらしていた亀頭に、ひとりでにぴったり貼りつく。それだけで叔父の腰が震える。甘奈があどけなく、それでいて艶っぽく笑う。彼に出会うよりもっと幼いころ、こんな笑顔で甜花などとお医者さんごっこなどしていたかもしれない、と連想する。

 

「気合い入れてよ~っ」

「あうっ……んぐ、うっ」

 

 甘奈が叔父の太ももをぴしゃりと叩く。それだけでペニスがじりじりしびれる。甘奈は叔父の横に座って、するすると指先を差し伸べる。竿からゆったりと刺激を始める。壊れものでも扱うかのように優しく絡んでいるが、ガーゼのさらさらした目がこすれて亀頭を刺激する。

 

「ぇふ、ぇう、あ、うっ……!」

「んふふ……♥ もっと声、聞かせて……」

 

 甘奈のくちびるが、叔父の耳のそばに寄せられる。ささやきと吐息が、叔父の耳たぶを撫でる。

 

「声、がまんしてよ……? じゃないと……♥」

 

 甘ったるいじんわりとした快楽で責めてくる。腫れたような叔父の亀頭やカリ首の凹凸を、ガーゼごしに何度もなぞる。彼の声がいやおうなしにくぐもらされる。

 

「こんな声、聞かれちゃったら……終わり、だね」

「ふ、むぅっ、んんっ……」

「……聞いてる~?」

「はぁっぁう!? あっ……! 甘奈、先生……」

 

 わざとらしく甘奈が詰問したあと、ガーゼを亀頭にべったり張り直して、さっきより強くずりずりとしごく。

 叔父は快感の濁流から逃れようと腰をくねらせるが、甘奈に太ももをつねられて止められる。ペニスからぬるぬるの汁がさらにシミを広げると、甘奈がそのぬめりを使ってますます大胆にこすりあげる。粗い平織りが細かい泡で隠れるほどガーゼをぐちゅっぐちゅっと引っぱる。

 

「えぅ、うううーっ……!」

「あははっ♥ すっごい顔して、すっごい反応してるよ? 恥ずかしい?」

「ぅ、あぅっ……! だ、め……!」

「気持ちいいよねぇ? あんっ、あんっ♥ って……」

 

 愛撫しているのが甘奈であるのに、甘奈のほうが甘ったるい嬌声をこぼして、彼の耳たぶに息を吹きかける。叔父は声も出せなくなるほど悶えている。

 甘奈がぐりぐりとガーゼごしに亀頭を撫でる。特に裏筋と亀頭の境目の凹みを執拗にくすぐる。ペニスから腰や胸を飛び越えて、直に脳内に轟くような強引な快感が襲う。叔父が腰をよじらせると、甘奈にそこをはたかれる。いよいよ射精間際まで追い詰められてから放り出される。

 

「ぐちゅぐちゅ、って強くしたほうがいい? それとも、すりすり、って優しく?」

「ん、ぅ……それ、は……あ゙ぅっ!? あ、ぉ……ッ……!」

「精液おもらししちゃってもいいけどね。ガーゼかぶせてると、ぴゅっぴゅってしても部屋汚れにくいし」

 

 叔父はこみ上げる射精感と、それに抵抗しようとする意志とがないまぜになってどろどろになっている。甘奈への応答がおぼつかなくなってしまっている。

 

「言葉じゃムリ? ねぇ、おじさーんっ」

「ちょ、ちょっと、休ませ、て……」

「……ふ~ん?」

 

 甘奈がペニスから手をすっと退けて、安堵と寂寥が一瞬だけ通り過ぎる。すぐあとに、それどころではなくなる。

 

「わ、甘奈、ちゃ……先生……」

「別に初めて見るわけじゃないでしょうに、甘奈のあそこ」

 

 甘奈は叔父と隣で座っていたベッドからぴょんと腰を上げて、するすると下腹部を守っていた下着を脱ぎ捨ててしまう。そこを凝視していた叔父の目に、クロッチが濡れてシミができていたように見えて、あまりのことに目の錯覚かどうか疑う。

 

「言葉がだめならさ、手で教えてよ」

「手で、って……あっ……」

「甘奈のあそこも、いじって……本当のセックスだと、あんまりおしゃべりできないから、こうやったコミュニケーションもできないとね~♥」

「そう……なの?」

「例えばさぁ、あそこにおっきなおちんちんが入ってると、こっちはしゃべりにくいの」

「え」

「えっちなビデオの女優さんは、ちょっとね……あれ、すごい技なんだよね。見てるだけだと気づかないかもしれないけど」

「知らなかった、本当に先生みたい……ぎゃっ!?」

「甘奈、叔父さんの先生なんだよ? ねぇ?」

 

 甘奈が行きとまったく同じふうにつかつかと叔父の隣に戻って座り直し、彼の指先に彼女自身のそれを絡めてから、自らの膣口へと持っていく。

 叔父の指先の前で、甘奈の秘所が舌なめずりするようにピンク色の柔肉を見え隠れさせる。叔父の視界だと首を曲げてようやくちらりと見える程度であるが、ひくひく動くひだが叔父の指先に吸いついて、熱とともに彼の意識を覆い尽くしていく。

 

「まぁ、いいや、再開だよっ♥」

「は、ぃ……ぅ、くっ、ふぅぅう……っ!」

「ぇ、あっ、んくっ……♥ 叔父さん、手がガチガチになっちゃってる~」

「だって、その……うぅっ!? う、うーっ……!」

「ふ、ぁ……は、ぁはっ……♥ そのほうが、気持ちは、いいかもしれないけど……」

 

 指先にある甘奈の割れ目と、甘奈にいじられるペニスと、甘奈にささやかれる耳とのあいだで、意識のすべてが乱高下させられている。甘やかされたり、いじめられたりしながら、叔父の脳が煮詰められる。

 

「ほら、どうなの? ねぇ、叔父さんっ」

「くひぃっ……!! ハッ、はァッ……」

「あっ、ゃ、あ、んんっ……あははっ♥ おもらしがまんできてえらいね~♥」

 

 言いつつ、甘奈の膣口が叔父の指先をぬちゅぬちゅとしゃぶり、叔父の亀頭をいじくっていた指先がガーゼをつまんでずるずる引っぱる。叔父は羞恥と屈辱と快感のあまり、なされるがままになっている。甘奈の割れ目は、叔父の指の腹で感じると、その柔肉をぷにっと押し返してくる。その奥には、すでに男を知っていることが信じられないほどぴっちり詰まった肉ひだがある。叔父はそこに指を突き立ててみたい衝動に駆られるが、それより膣壁がぬちゅぬちゅしゃぶってくるほうが強い。

 甘奈は器用に体をひねって、彼の耳たぶに鼻先をすり寄せる。そして、無邪気さと淫靡さが混ざり合う声でささやく。

 

「本番えっち、したい?」

「しっ、したい……は……ん、ふぁあぅ……!?」

「甘奈がいい、って言うまでがまんできたらしてあげてもいいけど」

「甘奈先生……!」

「そういうことになるなら、こんなものじゃ済ませておかないけど……」

 

 甘奈の態度は、盗み飲みした赤ワインで泥酔していたいつかよりべっとりしている。叔父の指先などただ甘奈の膣内に入っているだけでろくに動いていないのに、膣口がぬちゅぬちゅ気持ちよさそうに濡れてうごめいている。生理的にも社会的にも叔父の生殺与奪を握っているシチュエーションが、甘奈の肉体的快楽を何倍にも高めているらしい。

 叔父は甘奈の温かくぬめった膣壁をこすりあげる感触に、もう射精してしまいそうなのをこらえている。甘奈は叔父の限界がすぐそこまで来ていることを察する。

 

「……ま、こんなものでも叔父さんは限界みたいだねっ♥」

「う、っくっ……ぁあ゙ッ! ふ、あぁっ……!」

「んっ、うっ、あ、あっ……♥ いーよ、別に、甘奈は、こんなんでも……」

「ぁ――ふぁ、ぉ、あ……も、う……だめ、ぐ、ぅう、う――っ!」

 

 甘奈はペニスをいじるのと反対の手のひらを叔父の胸板にあてがう。シャツがくしゃくしゃになるほど爪を立てる。叔父の腰の裏から背骨までがのけぞるのを、ろくに力も入れず抑えつける。

 

「……もしかして、叔父さんさぁ」

「ぁ、ふぁ、は、ぁ……っ……あぅつうっ!? き、聞いてる、聞いてますっ」

「甘奈のあそこ触りながら……あんっ、あんっ♥ って聞かせるだけで、おもらししちゃう?」

「それは……だって、甘奈先生が、すごく……」

「それ聞かされて、甘奈がうれしがるって思う?」

「……だめだろうか」

「はぁ」

 

 甘奈は言葉でも膣口の締付けでも、叔父をたしなめるように責め立てる。叔父のペニスにかぶせられたガーゼが、こすった泡まみれの先走りを吸いきれず竿や睾丸までじっとり白くしている。甘奈がガーゼのはじをひょいとつまんでペニスから無造作に引き剥がすと、何本もの糸がぬらりと引いて途切れる。

 

「あんっ、あんっ♥ なんてなかなか言えたものじゃないんだよね~」

「そう、なの、か……は、ァ――く、うぁああ、あっ!」

「声を落として」

 

 甘奈の素手の手コキが叔父に迫る。ガーゼごしよりも優しく滑らかな手つきに、叔父はまた転がされていく。

 

「もっと、ゆっく、り……う、ぉっ!? あ、ぅお゙っ……!」

「聞かれちゃうよ?」

「うぁ゙っ、あっあっ……!」

「やっぱり直はきついなぁ」

「あぁあぁ……!」

「なぁにその不服そうな反応?」

「ぃ、いえ……ふぁ、ほ、ぉおっ!」

「うるさいよ~っ♥」

「そ、そぇ、だめ、だ、めぇ……も、もう……!」

 

 新しいガーゼをすぐかぶせられ、さっきに輪をかけて叔父を昂ぶらせる。甘奈が彼を叱りながら、手コキのペースを上げる。叔父が甘奈の手にすがりつくとぎりぎりつねられる。

 

「甘奈のあそこもいじってよ~!」

「は、はいっ、あ、あっ、あっ」

 

 甘奈の膣口をいじる叔父の指が、彼女の愛液にまみれてふやけていく。指の腹を割れ目に押し当てこすりつける。対して叔父のペニスが甘奈の手の中で脈打ち、腰の裏と太ももががくがく震える。

 

「ん、ぅっ……♥ はい、はいっ、もっと~!」

「あ、ぅ、あぁああぁっ……!」

「声を落として……でも、情けない感じじゃいやだよ? 男らしくっ♥」

 

 甘奈の膣壁がきゅうっとすぼまり、叔父の指をきつく締めあげる。感覚が交差してぶつかりあって、ペニスとヴァギナで交わっている錯覚に陥る。叔父は息が吸えなくなるくらい甘奈からの快楽に飲まれて喘ぎつづける。ぬちゅぬちゅぐちゅっと音高く響いている水音もいつしか遠くなる。

 

「腰をへこへこしない~っ!」

「あ、あぅっ……ごめん、甘奈、せんせいっ……」

「ほら、続けるよ♥」

 

 こらえきれずに腰を突き上げてしまうと、甘奈はペニスをいじっていた手でそれをたしなめるようにぺちんと叩く。快感の飽和状態から一息つける。しかしそれが収まってきたころ、また甘奈が笑みとともに責めを再開する。叔父が慣れてしまわないように、と加減しているらしい。

 

「あ、あっ、あま……ああぅううぅうっ……!」

「甘奈のあそこも、忘れないでよ~」

「ぇふ、ぇう、あ、あ゙うッ、ゔぅぅぅ……!」

「は、あっ……んぅっ……♥ 叔父さんって、いじめられてるほうが、いい手つきしてる気がするよ~」

「ぁ、ふぁ……そ、そうなの……?」

「もっとしちゃおっか♥ でも声は落としてね、甜花ちゃんいま隣の部屋にいるし」

「ん゙んぅーッ!?」

 

 甘奈が叔父の指をより深く膣穴へ潜り込ませる。ちゅぐっ、ぬちゅっと甘奈が自分で腰を動かして、自分の指で叔父の指を握りしめるようにする。叔父は腰をがくがくさせながらも甘奈のヴァギナに指を突き立てる。いわゆる指マンであるにもかかわらず、甘奈がとろけた表情で嬌声を垂らしているにもかかわらず、甘奈が責めているような光景になっている。

 

「あっ、あははっ、いいよっ♥ やっぱりこれいいっ♥」

 

 甘奈の腰がもじもじとくねり、膣奥から蜜液がどろっと滲みだす。叔父の手首までねっとり濡らす。ガーゼで泡まみれになった先走りにも劣らないほど白く濁っている。甘奈が腰を突き出すと、叔父の指先がぷっくり腫れた陰核をかすめる。

 甘奈はここまでほとんど捨て置かれていた陰核への刺激で、ぶるっと腰を震わせて叔父に体重を預け、彼の胸板に乳房を押しつける。腰をへこへこと前後させる。

 

「ふふ、えへへ……ちょっと、うまくできてきたね、叔父さんっ」

「あ、ぅあ……それ、なら……いいんだ、けど……」

「なんで笑ってんの?」

「うはぁ!? ぁ、あァ、ぉおおお゙っ……!」

「ほんとなら甘奈のリードなしでやるんだよ?」

「ご、ごべ、ごめんなさいっ、調子、乗って……あああ゙あっ……!」

 

 しなだれかかっていた甘奈が、自分の体重を使って叔父を押さえつけつつ亀頭ガーゼ責めを再開する。叔父は苦痛に近いほどの快楽に声を殺すことなど到底できず、頭の中まで響くほどあえがされる。甘奈の体温と重み、指のざらつきとぬめった感触と、ひとりでにもぞもぞ動いてしまう腰の動きを同時に味わわされる。

 

「そーれっ、ずりずりっ♥ ぐちゅぐちゅっ♥」

「ゔあっっ゙……! はうぅぅっ、んぅぅぅっ……!」

「まだまだ、足りないよ~♥ えいっ、えいっ♥」

 

 甘奈が亀頭をこする。竿をぎゅうと握りしめる。ヴァギナが、彼の指先を咥えこんだままひくひく震える。甘奈の下腹部が、彼を誘いこむようにうねり揺れる。叔父の眼前で甘奈の胸が見せつけるようにぷるんっと揺れる。そちらに叔父が気をとられたと見てか、すぐ尿道をぬちぬちとつつく。

 

「は、ァ……も、う……限界……そんな……あ、ぐ、ぐう、ぅううッ……!」

「がまんできるようになったら、させてあげる~」

「え……ぁ、く、ぐぅ、あ、あっ……も、う、あっ!」

「……まだまだみたいだねぇ♥」

 

 甘奈は、叔父が自分に対してどれほど言いなりなのか確かめるように、執拗にペニスを刺激しつつダブルスタンダードの挑発を浴びせつづけた。童貞を卒業したいか、と問いつつ「ぜったいいやっ♥」と否定するのを繰りかえした。叔父がついに射精した。すると、まるで気づいていないようにぐりぐりガーゼでこすりつづけた。さらに彼が情けなく泣き叫びはじめると、べとべとのおしりと秘所で彼の顔にのしかかって声を押しつぶしながら追い打ちをかけた。

 

 

 

 やがてぐったりとした彼が甘奈の部屋から出て、大崎家のリビングで休んでいると、甘奈と顔もスタイルもよく似た少女がゆっくり近寄ってきて、こっそりささやかれた。

 

「……だいじょうぶ、ですか……? いろいろ……その……ああぅ……」

「だい、じょう……ぃ、いや、なんでもないよ、僕はなんでもないんだ、甜花ちゃん……あは、ははは」

「パパか、ママが怪しんできたら……」

「……それは」

「そしたら……まぁ、甜花が言っておくよ……あと、なーちゃんにも……ね……」

 

 もし自分のほうが甘奈に強い快楽を与えて激しく喘がせていたとしたら、甜花がこんな反応をしていただろうか……とつい考えてしまうのは、叔父にとってもさすがに少しみじめであった。

 

 

 

 

 そのように、絶対的な優位に立つ状況を楽しんでいる素振りの甘奈であったが、担当プロデューサーに関係して心がざわついていると、叔父に隙を見せてしまうことがあった。

 

 

 

「甘奈せん……あっ」

「いまは違うでしょ」

「なぁ、甘奈ちゃん」

「なに」

「あの人が、甘奈ちゃんのプロデューサーくんだよね?」

「……そうだけど」

 

 叔父にとっては休日で、甘奈は学校が休みでアイドルの仕事がある日の夕暮れのことだった。事務所から引き上げる甘奈の送迎を彼が申し出て、事務所に迎えに行った。そのとき、甘奈と同席していた担当プロデューサーを見た。

 

 甘奈が叔父の送迎車――叔父が通勤などに使っている自家用車である――の後部座席に乗り込むと、彼女は話をそらした。

 

「ちなみに、ね……プロデューサーさんの隣りにいて、叔父さんが見惚れてた人は……右サイド流して、タイトなローシニョンだったほうの人って、ね」

「……あの人もアイドルなの?」

「七草はづきさんっていうの」

「ごめん、聞いたことない」

「そりゃ事務員さんだもん。よく『領収書をためこまないでください~!』ってプロデューサーさんを叱ってる」

「なぜだろう、すごく鮮やかに想像できる」

「はづきさん、すごいんだよ」

「なにが」

「書類とかパソコンの仕事はもちろん、お料理とか、占いとか、メイクとかボイトレとかダンスのレッスンもできるの」

「な……んで、アイドルじゃないの?」

「性に合わないんじゃない?」

 

 叔父は好奇心に負けて、バックミラーからちらりと甘奈の表情をうかがおうとした。気のなさそうに薄く開けられた口元しか視認できなかった。

 

「さすがに、一つぐらい抜けてるところがあるけど」

「そうなんだ」

「よくイスで寝てる」

「寝るのはともかく、イスでってのはよくないな。肩や腰がやられちゃいそう」

「見つかると、仮眠室まで運ばれてる」

「運ばれてる?」

「プロデューサーさんに、いっつも」

「……イケメンってすごいな」

「言い方ひがみっぽいよ」

 

 それは甘奈ちゃんもだろう、と言いかけた。ハンドルを必要以上に握りしめてこらえた。

 

「……まだ、プロデューサーさんのこと、好きなんだ」

「知ったかぶりするようになったね、いつのまにか」

「もしそうだったら、ちょっと悪い気がするし」

「なにが? 誰に?」

「……僕が、プロデューサーくんに」

「変なこと言うんだね」

「変かな?」

「プロデューサーさんからしたら、甘奈の気持ちがどうだろうと、叔父さんは甘奈にひっついてるおじゃま虫だよ」

 

 車内という狭い空間に2人きりで、それでいて運転席と後部座席で離れて座っている、というのが危うかった。お互いいつもより遠慮なく物が言えてしまう気がした。

 

「……彼、知ってるの?」

「まさか」

「そっか」

「知られてたとしたら、もうおしまいにする?」

 

 叔父はどう答えたらいいかわからなかった。

 

「おしまいにできるか、わからない」

「どういう意味?」

「甘奈ちゃんを先生と呼べなくなって……えっちなことができなくなったあと、自分がそれに耐えられるかどうか」

「甘奈がワイン飲んじゃってたときと大違いだね」

 

 確かに叔父は、甘奈と一度もセックスをしたことがない。しかし自分より一回り年下のアイドルの肌や粘膜を許してもらっている。自分がこんな美少女に受け入れられているんだ、という肯定感を味わっている。それが単なる射精よりずっとクセになる、と叔父は甘奈に教えられてしまった。

 

「きょうもさ」

「きょうも?」

「こうやってちょっとぐらい親切にしておけば、いつかはえっちできるかも、って思ってるでしょ」

「……そうかもね」

「かも、って」

「宙ぶらりんだから」

「当てつけがましいよ」

「それも含めて、甘奈先生の教えだと思ってたんだけど」

 

 酔っ払いだった甘奈がこぼしたように、“宙ぶらりん”は確かに叔父にとってつらかった。しかし叔父は甘奈より齢をとっていて、そのつらさが相手というより自分の期待のせいだとわかっていた。叔父が甘奈に対して下手に出るのは、そうすることで自分の期待を、そしてつらさを押し下げる意味があった。

 

「おしまいになっちゃって、それで僕がしんどくなってもね」

「ても……なに?」

「僕自身のせいだから、全部」

「そうやって言ってみせるの、かえって……甘奈のせい、って聞こえるよ」

「別に……僕は大人だから、いやでもそうなるのさ」

 

 そうして彼は、知らないうちに甘奈の勘気に触れた。

 

「大人だから、なに?」

「甘奈ちゃん?」

 

 それは偶然にも、甘奈がプロデューサーから宙ぶらりんにされたとき拾った言葉の切れっ端だった。甘奈も心がざわついていなければ、軽く流したであろう枝葉末節であった。

 

「したいんでしょ……ねぇ、はっきり言ってみなさいよ」

「甘奈ちゃ……せ、先生……」

「ホテル代は出してよ」

 

 叔父が甘奈から誘惑されたのは、酔っ払いだった彼女に迫られたとき以来だった。

 

 

 

「おじゃまするよ~」

「わ、わっ、甘奈……先生」

「ラブホテルってすごいね~、お風呂広いじゃん。お代けっこうするんじゃないの?」

「……気にしないでよ、僕が払うんだし」

 

 車をラブホテルにつけるのも、受付するのも、部屋を見るのも、童貞の叔父にとっては初めてだった。甘奈に先にシャワーを勧めると「時間ないし、いっしょに入っちゃおうよ」と言われた。甘奈から上着を奪われハンガーにかけてもらって、脱衣を促され、押しこまれるように浴室に入っていた。

 

「叔父さんってさ、シニョン好きなの?」

「なんだか……色っぽく見えてさ」

「はづきさんみたいに?」

「……なにをおっしゃる」

「他意はないよ、こうしないと髪が傷んじゃうの」

 

 甘奈が遅れてきた理由は、腰近くまで伸ばしたストレートヘアをゴムでまとめて後頭部にピンで固定するまでに手間取ったためらしかった。巻いたバスタオルは丈が短く、叔父は浴室ミラーごしにも甘奈の太もものむっちりした具合にどきりとさせられる。

 

「あれ? なんでこんなところにフロートマットがあるの?」

「……さぁ」

「あーっ、いま叔父さんウソついたでしょ」

 

 甘奈が指さす先に、浴室の壁に立てかけられたマットがある。半透明ビニールのチューブを長方形型に並べたような形の、人が寝転がれる大きさだった。“フロートマット”と呼んだとおり、甘奈はそれをプールの水面に浮かべて寝転がるための品物と思ったらしい。

 

「ウソついちゃだめ~、ここまでしてる付きあいでしょ~?」

「僕のなにがウソをついたって」

「“さぁ”」

「えっ」

「知ってるでしょ、これの用途」

 

 にやにや笑う甘奈を見て「甘奈ちゃんこそ知ってるでしょ」と言い返したくなるのを必死でこらえる。こうなるともうごまかす余裕など失せて、彼はラブホテルにおいて推測しうるこのマットの用途を説明する。

 

「ソープ、って言ってさ」

「うん」

「女の人がえっちなサービスをしてくれるお店で、男の人の体を洗ってくれる」

「それで?」

「男の人がこれに寝る。寝ないと洗いにくいし、これを下に敷いて寝ないと背中が固い。溝があるのは、上から泡とかローションとか垂らしたとき、余計なぶんが落ちていくように」

「ふぅ~ん……」

「そんなに面白い話じゃないでしょ」

「もし甘奈が教えてあげてなかったら、叔父さんはいまごろそういうお店で童貞を卒業させてもらってたのかな~って」

「……たぶん、行ってないかな」

「そりゃまたどうして」

「お金、貯めておきたいし」

 

 甘奈がきょとんと表情を空白にしたあと、すぐ目尻を下げてにっこり笑う。この答えで叔父は反射的に甘奈に媚びていた――甘奈の趣味はショッピングで、とりわけファッションやコスメに目がないいっぽう、その出費をカバーするための倹約精神もある――もし、ふつうに女性と恋愛して卒業したいから、と言ったらどう反応したか、と考えてしまう。

 

「じゃあ、きょうは甘奈がサービスしてあげるよ」

「そりゃ、また……ありがたい申し出を」

「ほらほら、マットに寝るんでしょ……あははっ、おちんちんだけムクムクって立ってると、なんだかおかしいっ」

 

 言いながら、甘奈はローションのボトルをつかんで手のひらに垂らして両手のすべてをぬるぬるにする。左手で竿をホールドすると、右手の親指、中指、人差し指で舐め回すように亀頭をぬちゃぬちゃと刺激する。

 

「う、ぉっ!? あ、ぅ……甘奈、先生……」

「かゆいところはございませんか~♥」

「それは別のお店……んんっ、はぁ、あ、ぅ、あっ、あ……!」

 

 ぐちゅぐちゅとした粘液と2人の声が重なって浴室に響く。甘奈が手首を立てたり寝かしたりして、竿をこねるように刺激する。ローションのぬめりで手が滑るたびに、甘奈の手コキはどんどん加速し、快感も増していく。

 叔父は思わず腰を浮かせ、甘奈の手に自分から押しつけてしまう。

 

「なぁ~にやってるの~?」

「うぎゃっ!? つ、つよいってそれはっ……あああっ!」

「叔父さんは、甘奈にいいようにやられてればいいんだよ~っ♥」

 

 甘奈の両手のひらから肩をどしどし押され、横寝の体勢になる。そこにローションを垂らすとほんのりひやっとして腕をぴくりと動かしてしまう――「あ、ごめん、確かにもうちょっと……どうやって温めるのこれ」「……お湯にちょっと混ぜるんだ」――ちゃぽちゃぽと洗面器の中でローションをかき混ぜる甘奈のようすが、きょうソーププレイを知ったとは思えないほど堂に入っている。

 

「少し熱いかも……ま、続けてるうちに冷めちゃうだろうから、熱めで行くよ~」

 

 背中から腰にかけて熱くぬるぬるしたものが塗りひろげられる。手コキされているときと、叱責などで押されたりつねられたりするとき以外に甘奈の手を叔父が感じたのはこれが初めてだった。

 

「叔父さん、背中は男らしい体つきだね」

「背中は、って」

「お腹はあいかわらずプニプニしてるじゃん」

「……そこは触れないでほしい」

「でも甘奈のプニプニしてるところは好きなんでしょ」

「プニプニ、って……あっ」

 

 背中に、乳房としか思えない“プニプニ”を押しつけられる。叔父は予測も期待もしていたのに、まるで思わぬ幸運に恵まれたように絶句し、体を震わせる。

 

「う、ぉ……これ、甘奈、先生の……!」

「んっ、あっ……♥ これ、甘奈も、こすれて……」

 

 甘奈は自分の体にローションを塗っていなかったらしく、摩擦からずるずるとした刺激を感じているらしい。それでも塗りなおすほどではないのか、横寝させられたままの叔父に後ろから抱きつき、彼の下腹や胸板をさすりながら乳房をこすりつける。

 

「ねぇ、気持ちいい?」

「すごく……気持ちいい……」

「ちょろいなぁ」

 

 甘奈の体も火照って汗をかいているのか、叔父の背中にじんわり温かくべったり吸いつく。そのままぴちゃり、ちゅぷりと音を立ててうなじから腰までずるずるこすりつけられる。背中に押し付けられてむにゅりとひしゃげつつ、こりこりとした乳首も主張していて、叔父の興奮を煽っていく。

 

「ん~でも、甘奈はちょっと退屈だな」

「……あんまりやられてると、のぼせそうな気もする」

「じゃあこんどは叔父さんがサービスしてみてよ……でも甘奈は、こっちのマットを使おっかな」

「こっちのマットって……ああっ」

 

 甘奈は叔父にあぐらをかかせると、彼の両ヒザのあいだにどーんと遠慮なく体重をかけて腰掛ける。骨と勃起したペニス以外の体がぐんにゃりとたわまされる。甘奈のお尻が追い打ちをかけるようにペニスをこすって彼をもだえさせる。

 

「はい、お願いねっ♥」

「ローションが多いと……滑るなぁ」

「いつもより強くしてくれないと、感じられないかもね~」

 

 甘奈が首をそらして挑発の声を放ってくると同時に、大ぶりのシニョンが彼の目鼻を覆う。甘い匂いがあまりに強く、また濡れつつもまだふわふわした髪がくすぐったく、彼は息を乱してしまう。

 

「ねぇ、叔父さん、しょうじきなところ聞きたいんだけど」

「この状況じゃ、ウソはつけないよ……」

「この髪型してみせたとき、はづきさん連想したでしょ」

「……ま、まぁ、そうだね」

「あとさ、仮眠室の話を聞かせたとき、えっちなこと考えたでしょ」

「えっ……どんな仮眠室があるのさ、あの事務所」

「……叔父さんが本当にえっちしたいのは、はづきさんみたいな人じゃないの?」

「あの……僕は、甘奈ちゃん以外に、こういうことは……」

「それは疑ってない、でも答えになってない」

 

 叔父は、ローションでつるつるして滑り落ちそうな肌の甘奈のヒジを支えつつ、押し黙ってしまう。シチュエーションに興奮しきって脳が過熱している。

 

「どんな答えを返せば、さ」

「叔父さん?」

「甘奈ちゃんがいま、こうしてくれるなら、もうなんでもいいんだ、僕は……」

「悪い女に引っかかっちゃった、みたいに言わないで」

「あ……先生、って言い忘れた」

 

 甘奈がこらえきれないように、くっくっとノドから音を立てて笑う。ヒジを背後の彼にぐりぐりと立ててから、へへ、と脱力しきった息を吐く。

 

「してみなよ」

「甘奈……先生……?」

「好きにしていいよ。叔父さんなら、痛くなんて頼まれてもできないだろうし」

「くすぐったくさせちゃうだけ、かも」

「いいよ、もう、好きにしたって」

 

 甘奈は叔父にそう投げかけると、無防備そのものの体勢で体を彼に預ける。

 叔父がさっそく手のひらでアンダーバストに触れる。重みと肌触りをもっと味わいたくて、指に力を入れる。呼応するように、甘奈の背中がぴくんっと震える。

 

「甘奈ちゃんの、おっぱい……」

「あらら、もう甘奈からは卒業しちゃう宣言?」

「そんなことは言えない……先生、って呼んだほうがいい?」

「……知ーらないっ」

 

 ぷっくりふくらんだ乳首が叔父の手のひらにこすられ、ローションですべる。指が引っかかるたびに甘奈は短く声をあげて背を丸めている。叔父のペニスが甘奈の腰やお尻に押し当てられたままで、快感が肌と肌のあいだにぬらぬら広がる。

 

「ふぅ、は、ぁ、あっ……♥」

 

 乳首がこね回され、叔父の指のあいだで転がすよう揉みしだかれる。指の隙間からもにゅっと胸がはみ出てきてしまう。びりびりとしびれるような快感があっというまに胸全体に広がる。

 

「は、ぁ……うっ……♥ ちくび、だ、め……」

「甘奈、先生……」

「そう言えば、いいって、ものじゃ……んっ、んんぅううッ……♥」

 

 甘奈が抗議するように叔父のペニスを尻でぐいぐい押し倒す。それをものともせず、叔父は乳首をしごき、こね回し、爪でひっかくようにつまむ。

 

「へぅっ、あううっ、うぅぅんっ……♥」

「もっと強くしていいかな……?」

「もうっ……好きにしたら、って言ったでしょ」

「それは、そうなんだが」

「……察してご覧よ」

 

 乳首をつまむ力を強くすると、甘奈が上半身を弓なりにのけぞらせる。太ももがなにかをこらえるようにぎゅうと強く閉じられる。

 

「こっちも、かな」

「いつになく察しいいじゃん……この髪型のせい?」

「勉強の成果だと思ってほしい……」

「それともホテルのおかげ?」

「……落ちこみそう」

「だめだね、きょうは、いじわる言っちゃう」

 

 甘奈の閉じられた太もものあいだで、汗とローションの混じった長細い三角の水たまりが揺れる。お尻側が叔父のペニスにくっついたままで、むずかゆくも甘い感覚が海綿体をうずかせる。そうして拒んで見せているが、割れ目の奥でびくん、びくんっとなにかが痙攣している気配まで気づく。

 

「そ、そぇ、叔父さん、だめ、だ、めぇ……♥」

 

 甘奈の抵抗が弱々しい。胸の奥がきゅっと締めつけられ、お腹の奥がじんとしびれて……というのを薄っすら吐露して、むしろ叔父を煽っているかのようである。叔父は水たまりに指をつっこみ、陰毛の向こうに指先を押し入らせて強く撫でる。

 

「ひあっ! あっ! んぅあっ!」

 

 甘奈がたまらず声を出してのけぞる。鋭い快感が走り、両ももを固く閉じたままヒザ下がマットをぐにぐにへこませる。

 

「ひゃ、あ……っ!」

 

 叔父が陰核をとらえ、乳首にしてやったようにしこしことしごく。明らかにオーバーな刺激であったが、甘奈は強烈な快感で両足をびくりと跳ね上げさせる。水たまりがだらりとマットに落ちるが、甘奈の肌も粘膜もぬるぬるしたままで、快感の波によって震えている。

 

「甘奈先生、すごくえっちで、きれい……」

「どこに、目をつけて、きれいって……鏡も曇っちゃってるし~」

「まぁまぁ」

 

 甘奈が息を荒くし、上半身をだらりと前に曲げて倒れこむ。白く細い背中や肩甲骨が浮き沈みしている。初めて凝視する甘奈のうなじと生え際が色っぽい。

 

「んひあっ!?」

「ごめん、ちょっと、もう止められない……」

「止められない? 叔父さんが? ふ、うふふっ、あははっ」

 

 甘奈をマットに寝かせて両ももを開かせようとする。甘奈がなおも力を入れているが、その隙間から陰核を刺激されつづけると、やがてあきらめたように拳ひとつぶんだけ開けてやる。

 

「んひあっ!? な、そ、それ……!」

 

 その好機を逃さず、叔父は素早く顔を突っこんでクンニリングスに挑む。これまで甘奈から許され教えられた前戯はお互いすべて手によるものだった。

 

「甘奈ちゃんのあそこの味……初めてだ……」

「ほとんどローションの味でしょ……んああっ! ……あ、やっ、ああああっ♥」

 

 これまでこらえてきた切望をぶつけるように、叔父は甘奈の秘所に舌を這わせ、くちづけし、鼻先をずりずりとこすらせる。くちびるを丸めて歯が直に触れないようにするのが唯一の気遣いで、あとは舌先やくちびるを使って甘奈をむさぼる。

 甘奈が初めての叔父の舌に、これまでとはっきり異なる反応を見せる。陰核をつつくたびに、太ももがびくびくと張り詰め、脚線美をぺこんとへこませる。膣口に舌を押し込んでかき回すと、お尻がずりずりとマットをこすってさまよう。

 ぎゅうう、と太ももが閉じられ、叔父は息苦しくなって顔を上げさせられる。

 

「ん、んふっ……んんぅ……♥」

「はっ……はっ……はあっ……」

 

 甘奈が両手で顔を隠して荒い呼吸を繰りかえしている。甘奈がこれまで見せたことのない反応に驚きつつ、それが自分によって引き出された事実を味わい興奮している。

 

「は……ふふっ、べちゃべちゃになってるね、叔父さん」

「キスより先にクンニしちゃったよ」

「気にしちゃうんだ~」

「……まぁ」

「それ言うのちょっとあざといよね」

 

 甘奈がくすくす笑う。クンニリングスで性感をあらわにしていたのがウソのように、まるで他愛のないおしゃべりがなにか面白かったというふうで笑っている。

 

「もっと……なめてもいい?」

「……優しくね?」

 

 初めて“優しく”とリクエストされて、これまでより一歩深く甘奈とつながった気分に叔父は酔わされる。甘奈の割れ目を下から上にぺろぺろと舐める。陰核のみならず陰唇がぷっくりふくらんでぬらぬら濡れている。舌を尖らせて膣口をつつくと、甘奈が腰を浮かせて逃げようとする。太ももを抱え込んで固定すると、頭をべちべち平手で叩かれる。

 

「ふ、ひゃんっ……ぁ、は……いやに、積極的、だね……?」

 

 秘裂を割るように鼻先や舌先をぐりぐり押し当てる。陰唇全体がひくっひくっとうごめく具合を感じる。

 

「あ、はっ……んぐ……うっ、あお゙……♥ ちょ、ちょっと、敏感、だか、ら……っ!」

 

 きゅうきゅうと膣が強くすぼまる。割れ目に舌が吸いつかれる。鼻か頬のどこかで陰核をずりずり押し倒してしまう。ますます太ももで顔をぎっちりとはさまれる。息苦しいのに、甘奈の曇った吐息がいやに近い。叔父の頭の中がふわふわした期待でいっぱいになってきて、もぐるように舌をくねらせながら顔をすりつける。ぴちゃっ、ぴちゃっとすする。また後頭部をべちべち叩かれる。反撃が心地よい。

 

「んぐぅうっ、ううゔ……っ♥ なに、叔父さん……クンニ、好きになっちゃった……? そんなに……んむゔっ♥ う、んん゙……っ!」

 

 甘奈が頭を叩いてくれなくなる。手が嬌声を抑えるほうに回されたらしい。甘奈から下腹部を押しつけられ息苦しく、秘裂からとめどなくあふれてくる愛液が甘しょっぱい。叔父の頭の裏側に、もう叩かれてもいないのに余韻がじわじわっと浮かぶ。

 

「はぁゔ……ッ♥ こ、こら、ぁ……いつもの、じれったいのはどうしたの~っ」

「……もっと、したいんだ……」

「ぁ……まって、その……あぅっ、うぐっ……ん゙ぁ、あっ♥」

 

 目を閉じていてもまぶしいほど甘奈の熱と匂いを感じる。大崎甘奈という女に受け入れられ求められているらしき感覚が叔父の全身に満ちていく。甘奈の足腰がわなないてクンニリングスを逃がそうとするのを、両手でがっしりホールドする。舌先といわず舌全体でべろりべろりと舐め上げる。また甘奈の腰ががくがくと震えだす。

 

「ぃ……あ、あ……っ! あぅっ、うぐっ、ぅ……はぅ、ほぁっ、はぁっ……あ゙っ……♥」

 

 甘奈の反応が叔父の意識をパチパチと弾けさせる。甘奈の秘所や下腹部、胸や脚までも波打つように震える。媚薬にも等しく濃厚なエクスタシーがあふれている。

 

「は、ひっ、ぁう、んっ……♥ そろそろ、のぼせちゃいそう、だねぇ……?」

「ねぇ、甘奈ちゃん……もう、僕、入れたい……!」

「ゴム持ってるの……? やっぱり甘奈とやりたかったんじゃん……お説教してくれてたのにさぁ、はははっ……お部屋、ローションで汚しちゃだめだよ」

「わかりましたよ、甘奈先生」

「自分で着けられるの?」

「予習は……してきましたとも」

「空気抜けてなかったり、裏表逆にしてたりしたら、めっちゃバカにしてあげる」

「……わざとそうしてこようかな」

「バカって言われたからってバカみたいなこと言わないの」

 

 避妊具を装着して勃起ペニスをあてがってくる叔父を、甘奈はけらけら笑いながらヒザを曲げてどしどし邪魔する――「こうしておけば、入れ損なっても甘奈のせいにできるよ♥」「よ、余計なお世話を……」「そうかな~? 童貞さんのくせに~」――叔父も甘奈のローションまみれのマットでつるつる滑ってよろけて、一瞬だけ夏場の水遊びのような気分になる。

 

「ゃ、あ……はぅぅぅっ、んぅぅぅっ、ん゙……♥」

 

 ひとしきりばたばたしてから、ようやく挿入する。甘奈からじっとり汗ばんだ太ももできゅううっと腰を挟みこまれ、ねぎらいのように思えて涙腺までうるむ。勃起ペニスや足腰、視界から甘奈を感じて、叔父の心身が幸福感でふくらんでいく――本当にこの、普段は心優しく面倒見が良く、自分には少しチクチクした態度の姪と交わっている――叔父が腰を打ち付けるたびに、甘奈は顔をのけぞらせて、汗のしずくを飛び散らせる。シニョンがぐずぐずほどけかけるほど悶える。

 

「あああ゙っ……ぁわ、あぁっ……♥ なにさ……っ……一人前の、男みたいな、ふり、して……っ……っふ、うゔうっ……♥」

「……ぜんぶ、甘奈先生のおかげだよ……」

「そうかなぁ……っく、く……♥ こ、ら……お、おく、は……ぉ゙……♥」

 

 開かれた太ももがぶるぶると震え、下腹部はぎりぎりと引き締められる。クンニリングスのときより鮮明な反応を前に、叔父の胸までぎゅううとしめつけられる。甘奈のことが愛しくてたまらない。

 

「ぅあっ……あっ……あああっ……も、もう、もたない……!」

「あ……ッ♥ ふかいっ、ふかいって、ば……はぁゔ、んひぃっ、お゙っ、おッぐ、んんっ、ぅ……っ♥」

 

 ただ突き入れているだけだというのに、甘奈がなにも考えられなくなるほどの媚態を返してくれる。叔父がおぼつかない腰つきで出し入れするたびに甘奈が喘ぎ、胸も腹も震わせる。もう一度奥に突き入れると、きつい膣内の締めつけに遭って、しかも太ももで甘奈からホールドし返される。

 童貞卒業したての叔父にはもうたまらず、射精する。

 

「ぁ……だ、めぇ……も……っお、っ……!」

 

 終わる直前まで永遠のようで、終わった瞬間には幻だったような射精感に浸った。ペニスをずるりと抜いて、愛液まみれのままゴムを処理した。

 まだペニスが勃起していて避妊具も残っていたが、甘奈に止められ――「前戯が長ったらしかったから、これぐらいでちょうどいいんだよ、それにもう時間が」――やむなく後片付けした。

 

 

 

「叔父さんなんて誰ともできない人になっちゃえばいいんだ」

 

 帰路の後部座席で、甘奈がぼやいた。聞えよがしなのかどうか、叔父が判断に迷う声音と声量だった。

 

「甘奈先生……甘奈ちゃんは?」

「……さぁ」

「甘奈ちゃんじゃないとできない人になっちゃったら、どうしよう」

「できなくても生きていけるでしょ」

 

 後日、叔父は甘奈から服を買ってくれとねだられた――「安いね、授業料としては」「高いと足がつくでしょ、内緒にしなきゃならないってわかってる?」――実際の甘奈より少し大きなサイズを口走り、「あんだけ甘奈の体べたべた触ってるのに」と呆れられた。

 

(おしまい)

 

 

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