アイマスのアイドルが童貞をもらってくれるシリーズ 作:ふりーじ屋/家庭内禁書
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pixivリクエストも通常に戻しました。
※転載 pixiv、ハーメルンとくるっぷに転載しています。
「プロデューサーさんがチラチラ見てたの、バレバレですよ~♥」
「えっ」
「例えば、私が仕事のあいまに、こうやって、ん~! って腕を伸ばして伸びしてたら……まぁ3回に1回は見てますよね、こっそり……のつもりだったんですよね」
“プロデューサーさん”と呼びかけられた若い男は、呼びかけてきた若い女から目をそらそうとした。ブラウスごしにも見て取れる胸のふくらみや腋に視線を向けてしまいそうだった。
さりとてそらすこともできなかった。
「ちひろさん」
「はい?」
「転職先が見つかるまで見逃してください」
「諦めが早いんだか図々しいんだか」
2人が会話している場所は、勤務先にある芸能プロダクションの執務スペースではなく、若い女――といっても“プロデューサーさん”よりは年齢も社歴も3年ほど長い――の知人が経営しているという居酒屋のカウンター席であった。
目をそらすには、距離感が近すぎた。
「……ちひろさんにセクハラじみた視線を向けてた、なんて広まったら僕もう事務所に出社できません」
「へぇ、それはけっこうさみしいですね……いや本当に」
しかも、目をそらしてもあまり意味がなかった。
彼女のスタイルは、オフィスコーディネートごしでもアイドルに引けを取らないとわかっている。それを彼は帰宅後に思い出してよく自慰に使っていた。
「まぁ、何か言われたら……ハラスメントのご相談も広い意味では私の業務ですから♪」
「いやいやいや、ちょっと」
「それはそれとして、本当にバレてないと思ってたんですか?」
いまの時刻は、シンデレラの魔法が解けるまでもう少し、といったところだった。ふだんなら彼が帰宅して夕食や入浴を終えて自慰にふけっていてもおかしくないころだった。
2時間ほど時計を戻せば、2人はとある芸能プロダクションの1フロアで残業中となる。プロダクションに入社して間もない一番新米のプロデューサーと、バックオフィスを担う“ちひろさん”――千川ちひろ――だけが居残り、という状況はその日が初めてだった。
企画書のブラッシュアップ、という不慣れな仕事に苦戦するプロデューサーを、ちひろが――「そろそろ上がれませんか? 労務もやってる私の前でこんな時間まで残業なんていい度胸で……なぁんだメド立ってそうじゃないですか」「そうなんです、もう少しで……あっ」「じゃあ画竜点睛はあしたとしましょう。お持ち帰り、ダメですよ?」――強引に退勤させた。
オフィスを出てから――「きょうはもうお仕事ができないように、プロデューサーさんを酔い潰します……というのは冗談ですけど、知り合いがやってる居酒屋が近くにありましてね、ちょっとどうです?」――彼が連れて行かれた店は、彼にとって居酒屋と呼ぶには雰囲気が静かでしっとり落ち着きすぎていて、バーのような印象だった。
そのカウンター席の端で、2人のそばにほかの客がおらず、まるで個室のような状況の中でグラスを傾けていた。アルコールで滑らかになった舌がセクハラ疑惑から退職の危機まで転がっていた。
「お昼とかおやつとか、ときどきプロデューサーさんとご一緒しますよね。そのときも……」
「そのときも?」
「例えば、休憩室の自販機で私が買った飲み物を取り出すとき、こうやって」
「あーあーっ!? いまして見せなくていいですって」
「いつも見てるくせに~♥ あんなお尻のラインが浮き出ちゃうしゃがみかた、ふつうしません~っ」
プロデューサーが入社したその日から、ちひろは昼食や休憩に彼を誘って、話し相手になりつつ悩みなどを聞いてやっていた。彼はそうしたちひろの気遣いに“も”に惹かれつつ――「相談しやすい先輩ポジションやってくれ、と誰かに言われているんだろうな」――自分からはアプローチできないでいた。
「まったく、プロデューサーさんったらチョロいなぁ、心配になっちゃいます」
「だって、ちひろさんみたいにきれいな人が……」
「相手がきれいだからしょうがない、ってアイドルのプロデューサーが言うんですか?」
「うっ」
「それはそれでスれた先輩方がやりにくい仕事をできますけど」
彼は芸能プロダクションに入社し、アイドルのプロデューサーとして働いている。といっても現状、先輩プロデューサーの補佐として仕事を一つひとつ覚えている新米である。本格的な企画書を白紙から練るのも初めての経験だった。
「それは……わかっているんですけれど」
「あ、そうですか、いい警官悪い警官ならぬ、責任者らしく手綱を引き締めるプロデューサーと責任者らしからぬ気軽にしゃべれるプロデューサーって」
まだ担当アイドルを持たない彼は、別のプロデューサーつきアイドル――の、一部――から話しかけられることがあった。
それが先輩プロデューサーから――「しょうじき、お前みたいに、年ごろの女の子からもなめ……話しかけやすいのがいると」「いまなめられてるって言いかけませんでした?」「こいつの一存で何か決まるのかも……とかなんとかアイドルに構えさせにくいのが一人サポートにいると、こっちとしては助かるんだが」「本当になめられてるって言いかけませんでした?」「かわいがられるのもいいが、いずれは締めるところを締められるようにならないとな。プロデューサーは現場の責任者だから」――ある程度の評価を受けていた。
しかし彼のような若い男の場合、親しみやすさと侮られやすさは紙一重である。
「じゃあ、その女性への免疫なさそうな仔イヌちゃんみたいな素振り、わざとやってたりして?」
「そんなこと……つい、動揺して、そういう反応しちゃうんです、それでよくからかわれて」
「つまりプロデューサーさんは、童貞なのが……こほんっ」
「いま童貞って」
「うぶで経験が浅いって見られがちでお仕事にやりにくいところがある、とお悩みで」
「あの、ちひろさん」
「お悩みで?」
ちひろがカウンターにもったいぶってカウンターに身を乗り出しヒジを乗せる。アゴ下で両手を組む。そこから横に座るプロデューサーに流し目を浴びせる。
からかうような素振りの隙間から――(うわ、おっぱいもカウンターに乗って……ヒジでむにゅってさせて、ぜったいわざとだ……!)――媚態を投げつけてくる。
「スケベ~っ♥ わかりやすいですね~」
「うぅ……僕のことからかって、楽しいんですか……?」
「楽しいに決まってるじゃないですかぁ、反応があるとはかどるのはアイドルのパフォーマンスだけじゃないんですよ~」
あわててちひろの顔へ目線を向けると、にっこり笑いかけられ別の意味でドキリとさせられる。オレンジがかった抑えめの間接照明でも、頬が赤らんでいるように見える。
「そんなに……心を許してるみたいな雰囲気出さないでください、ちひろさんにやられたらいい気になって釣られちゃいます」
「隙だらけのプロデューサーさんがよく言いますね」
「……これから担当アイドル持ってもこんなんだったらどうしよう、いっそ男性アイドル部門に異動願でも」
「やだ~、それもさみしいからダメです~っ」
行かないで~、とくちびるを緩めてへらへらさせながら、ちひろが彼の腕をつかむ。
表情に反して、ぐいぐい力強く引っぱる。彼女のほうからも体を寄せてくる。
甘い匂いが伝わってくるほど近くなる。
「私に対してデレデレしてるから、チョロいって思われるんですよ」
ちひろのささやきで、プロデューサーは思考を奪われる。一瞬、息を呑むだけでいっぱいいっぱいになる。
「……ということで、私も責任の一端を感じて……対策、手伝ってあげなきゃ、なんて思っていたり」
「……それも」
「それも?」
「……わざと、ですか? 僕を――」
「――わざとじゃあイケません?」
ちひろが自分とこれからセックスしてもいい“素振り”なのは、童貞である――“いま童貞って”は図星であった――プロデューサーにも理解できる。
できてしまえる。
「あと、プロデューサーさんは……からかわれているなりに先輩方をアシストしてくれて……アシスタント役の先輩が言うことです、信用してくださいね? そのごほうびに……ごほうび、ってあなたが思ってくれるって思うの、自意識過剰でしょうか?」
プロデューサーは店を出てすぐ、ちひろにぐいぐい腕を引かれたままホテル街へ連れて行かれる。ちひろの肩や背中で、彼女のフィッシュボーンアレンジがぴょこぴょこ揺れる。
ちひろだって“子犬ちゃんみたい”だろう、と口に出すのを控えるまでの冷静さは残していた。
※
「始める前に約束があります」
「他言無用、ですよね」
「そんなこと当たり前ですよ」
シャワー上がりのほかほかした肌や髪のまま、ちひろがくちびるをとがらせる。けれど目尻がにやにや下がっている。器用だな、とプロデューサーは感心する。
「私はこれから、プロデューサーさんにえっちな目で見られたり、えっちなことしてもらったら、ぜんぶ……」
「ぜんぶ……?」
「いやっ♥ とか、ダメっ♥ って言いますからね、言葉の上では」
「えっ」
「本音は声音で察して下さい」
「……すでにわからないのですが」
「こうすれば、女の人が口先でからかっていても本当はかわいがっているのか、そうじゃないのか、わかるようになりますっ」
「ああ、そういう……だいじょうぶかな」
「うふふ、だまされたと思って~」
バスタオルだけ身にまとって並んで座る。
プロデューサーの意識の9割は、アイドルや女優にも匹敵するちひろの容姿に向いている。残り1割は「演技力も女優並みなんだろうか」といったところ。
「……じろじろ見すぎです、も~っ、いつもみたいにこっそり見ればいいのにっ」
「だって……これで見納めかもしれませんから」
ちひろが“いつも”と違ってスッピンで薄布1枚で、ますます視線を引きつけられてしまう、と思う。
顔立ちは大きな目と丸っこい輪郭が親しみやすく、いま頬をふくらませるさまが少女のように――少し年下のプロデューサーですらそう思う――かわいらしい。彼に吹かせる先輩風をどこか背伸びして見せる。先ほど居酒屋で知り合いの店を選んだのも、それ以外のお店では童顔ぎみなせいで年齢確認が入ってしまいそうなのを気にしたのかもしれない、などと妄想が広がる。
ホテル街ですれ違う人々が、男も女もちひろをうっかり二度見していた。シンデレラの時間が終わりそうな街中ではかわいらしすぎた。それが堂々と男を引き連れて――むしろ引きずるように――パンプスの靴音高くつかつか歩いていて、二度見した人々が呆気にとられてた。そのあいだをプロデューサーも歩いてついていった。
「念のため聞いておきますけど、まだセクハラとか転職先がどうとか考えてませんよね」
「え、ええ、もちろん」
首より下は少女ではなく女性である。それもふっくら盛り上がったバストとヒップも、きゅっと引き締まったウエストも、ほっそりしたデコルテや足首もそれぞれが視線を絡め取ろうとして、プロデューサーは綱引きされている気分になる。
彼の頭に、ちひろから「私がタレントじゃなくて裏方だって知って自信を失くす子がいるんだそうです……冗談だと思うんですけど、プロデューサーさん聞いたことあります?」だとか、「先輩プロデューサーさんがスカウトした子の親御さんを口説き落とすの難そうなとき私に頼るんです。私が一緒にいると、アイドルとして芽が出なかった子も面倒見てくれる事務所って勝手に思い込んでくれるって……ちょっと複雑です~っ」などと、グチだか自慢だか疑わしい言葉をこぼされた記憶が湧き出てくる。
話そのものを疑わせないのがちひろの容姿レベルである。
「よかったぁ、えっちまでするのにお別れなんて、さびしいですからね、本当に」
「ちひろさんがこうしてくれるのは、僕がプロデューサーやってるからですものね」
そんな千川ちひろが、自分にも熱っぽい視線と声を向けている。これまで優しく気遣いしてくれていたときの表情とのギャップが深く、触れあう前からめまいに襲われる。
「えいっ」
「あぇっ!? あにふぅんぇふはぁ(なにするんですかぁ)」
「辛気臭いのはダメ、ここでおしまいですっ」
口角にちひろの人差し指を突っこまれながらたしなめられる。それを甘酸っぱく感じながら、これは本当の「ダメ」と理解する。
「よし、よし、では参りましょうっ」
プロデューサーは気を取り直し、ちひろの手の甲に手のひらを重ねながら距離を縮める。内心は態度より乗り気である。対してちひろが彼の肩に頭を預けてもたれかかる。
「ふふ、意外と男らしい体してるじゃないですかぁ」
「ちひろさん目がすわってません?」
ちひろからわざとらしい――それこそセクハラじみた――手つきでぺたぺた触れられる。どうやらプロデューサーの緊張をほぐそうとしているらしい、と彼にも気づく。
「ああ、キスですか?」
「さっきくちびる触られちゃいましたから」
「よーし、お姉さんの好みを教えちゃうぞーっ」
プロデューサーがキスまでは経験済みかどうか、ちひろはあえて問わない。そんなの関係ない、と言わんばかりに頬を寄せる。
「位置取り大事ですよ、こんなに近いと少し位置取りずれるだけで鼻息とかくすぐったいですもん」
「せっかくいい雰囲気になったのに、それは勘弁してほしいですね」
「真正面どうしは最初だけですよ、ちゅ、ちゅってバードキスならともかく、そのままディープにやると鼻先がぶつかったりなんだりしがちで」
「……諸注意はともかく、ちひろさんのお好みは?」
「ふふふ、そうですね、おしゃべりしすぎるとくちびるが乾いちゃう」
キスは、ちひろのほうが顔を寄せていく。彼女が不慣れそうな自分に合わせてくれているのか、主導権を取るのが彼女の好みなのか、わからないままプロデューサーは目を閉じる。やわらかなくちびるを受け止める。彼女が肩をつかんでくる。もっと体重を預けてほしくなって、彼はちひろの腕をさすって促す。
「ん、んちゅっ、ちゅぱっ……んんっ……!」
互いのくちびるとその周りが唾液でしっとりする。ちひろに軽く吸われてさえずるようにちゅ、ちゅっと音を鳴らされ、なんとかまねしてついていく。ちひろから肩をするする撫でられる。まるで、いい子いい子、と頭を撫でられたように照れくさくなる。
「んぷ、へう、んぷ、ちゅう……っんふ、ふふふっ」
「……僕、何かおかしなことやっちゃいましたか」
「同じ歯磨きの味ですね、あの備え付けのでしょう……あんまり私の好みじゃないですが」
「お酒の匂いよりいくらかマシにしてもらってますが」
「じゃあもっとプロデューサーの味を出してもらいましょう」
やたらにセクハラじみているのがちひろの素なのか、と思うも、にへら~っと相好を崩した彼女を見て毒気を抜かれる。舌先を出して絡める。唾液腺がじんわりしびれて、果物に似て、けれどもっと淡い甘酸っぱさを感じる。それでいてこれまで口にしたどんな食べ物とも違うぴりぴりした熱さとしびれがついてくる。
もっと味わいたくなる。
「ちゅ、ぢゅ……んんっ……! ぢゅるぢゅっ、んんぢゅ、は、んっ……!」
バードキスからフレンチキスに流れていく。ちひろがさらに積極的に動く。くちびるの隙間から舌をねじこもうとしてくる。彼はなすがままに侵入を許し、どうにか自分の舌で応酬する。口内で舌を絡ませると、ちゅるり、ずるり、という粘液質の音が頭蓋のほうまで響く。ちひろがさらに体重をかけてくる。バスローブ越しにバストの柔らかさを感じる。頭から上半身までちひろに染められて、このまま進んで下半身まですべて占領されてしまう気がする。
「んぢゅ、んぷ、ちゅう、んぷ、ぱぁ……っ……ふふふっ」
「うぅ、ちひろさんに食べられちゃってる気がします……」
「お気に召されませんでしたか?」
「まさか」
「あんまり続けすぎないで……名残惜しいぐらいにしておくのがコツですよ」
「ええ、ちひろさんの……キスが」
「またしたいんなら、あとで奪ってみなさい?」
そう言いつつ、ちひろからバストをむにゅむにゅ押し付けて来られて、プロデューサーの意識もそちらに持って行かれる。やわらかくて重くて、むぎゅむぎゅと反発してくるのを感じる。
「うわわ、おっきくて、やわいですっ」
「触りたかったんでしょう? 物欲しそうな目つきでしたよ」
「……でも、女の人のおっぱい触ったの、これが初めてで……手が溶けそう……」
「そういうあざといこと言っちゃダメです~っ♥」
ちひろのバスタオルがほどけて素肌がまろびでる。アンダーバスト側をプロデューサーの手と指が支えるように包む。あたたかい。胸の付け根がほかよりもしっとりしている。しかもちひろの心拍が伝わってきて思わず息を呑む。
「ひゃっ……あ、ん……くすぐったいの、やです、プロデューサーさぁん……っ」
ちひろが肩や腕をくねくねと軽く振る。プロデューサーは自分が愛撫している側でありながら、触れられているように背筋がぞくぞくしている。少し手をずらすと、ほのかにぷっくりしたふくらみを感じ取れる。
「ん、ぅ、あっ……は、あっ……♥ そこ、敏感、ですから、ぁ……」
図らずも乳輪をなぞっていたらしい。ちひろが内ももをすり合わせながらあえぐように息を吸って吐いてしている。もっと刺激してちひろを乱れさせてみたくなる。
「あっ、ゃ、やあ、んんっ……ひぁ……!」
「どんな具合にしたらいいか、聞いてもいいですか?」
ふにゅり、と指の腹で軽く押す。指を曲げてこりこりと転がす。拒絶のような嬌声を漏らしながら、ちひろがじれったげに肩やヒザをもぞつかせる。白い肌にやや濃いピンクの乳輪がふっくら盛り上がっているのを目視する。
「……だぁめ、そんなの、恥ずかしいじゃないですかぁ♥」
ちひろの挑発に乗って、プロデューサーは愛撫をエスカレートさせる。乳輪を円を描くようになぞる。乳房全体を手のひらでぽよぽよ揺さぶりながら、指の股で乳首を挟んでくにくにしごく。ちひろが彼のバスローブをぎゅっと握りしめてくる。
「んっ、ふぁぁっ……そ、そこっ……んっ、んくっ……だ、め……♥」
「続けますよ……?」
「やぁんっ、もっとえっちな声、出しちゃ……ぁ、きゃんっ……!? だ、めぇっ」
ちひろが艶っぽく不平を鳴らして、プロデューサーはますます調子に乗る。人差し指だけで、すりすりと乳首の先端を撫でさする。手のひらに感じる乳肉が、さっきよりもますます温かくしっとりしているふうに感じる。ちひろの腰がすりすりと前後してベッドをこすっているのが彼の下肢にも伝わる。彼女が息を荒らげている。もっと乱してしまいたい。いつしか彼の息も上がっている。それでも手を止めない。
「あ、ん……っ……は、ぁ……っ♥ くひっ、ひんっ! はぁぁっ、んぅぅぅっ……!」
「ちひろさん……!」
ちひろがとうとう身をよじって愛撫から逃れようとするのを、プロデューサーは肩をつかんで引き戻す。するとちひろが逆に彼の肩にすがりついて、また胸板に乳房をむにゅむにゅ押しつける。近すぎてうまくもめなくなる。
「……あんまりエスカレートしちゃ、怖いですよぅ」
「あ、す、すみません……!」
「それに……やったら、そのぶん、やり返されちゃうんですからね?」
こんどはちひろがプロデューサーのバスタオルをゆるめ、胸板から下腹部に、そして股間まであちこちいじりはじめる。彼はペニスでも指先でもびくりとつい反応してしまう。彼のバスタオルを剥がして、ちひろが彼の乳首をぺろりとなめる。びっくりしたところにちゅっとキスして、くちびるでぱくっとくわえられる。あっというまに予想を飛び越えられ、プロデューサーはうなり声を漏らすばかりになる。
「あら、プロデューサーさんったら」
「あっ、ゃ、あ、んんっ……ひぁ……!?」
「乳首いじられて、女の子みたいな反応しちゃって……まぁ、おちんちんはカチカチのようですけど」
ちひろにぐいっと寄りかかられる。乳首に息を吹きかけられながら、ペニスを手で包まれる。竿にもう血流が集中しすぎていて、ちひろに触れられたそばびくびく脈打つ。脈打つたびにどんどん下半身が熱くなる。
「はい、もっと声出して♥」
「んっ、うっ、あ、あっ……! な、なんだか、これ、気持ちいいけど……恥ずかし、ぃ……はふぁあっ!?」
「どの口でそんなことを~っ」
ちひろが乳首に吸いついてくるのみならず、彼の胸板や首筋へ噛みつくように強く吸いついて、キスマークまでつけていく。
「わ、ぁっ、そ、こ……!?」
「仕事中に、シャツの首元からチラッて見えちゃったら……プロデューサーさんをからかおうと思ってた子が、逆にドキってしちゃうと思うんですよ、興奮しません?」
「興奮は……ちひろさんのときだけで、いっぱいいっぱいですって……」
「ドキってさせられた子から、誰につけられちゃったんですか~! って問い詰められたら、どうします?」
「それは……あっぇふ、ぇう、あ、うっ……!」
首から胸元までちひろのキスとよだれでべたべたにされる。それで気持ちよくなってしまっていることが、ちひろの手を添えられているペニスの硬さで筒抜けになっている。
「もちろんこっちもやりますからね、では……しこ、しこ、しこ♥」
「あっ、ゃ、あ、んんっ……ひぁ……!」
ちひろはプロデューサーのペニスを上下にさする。プロデューサー自身が自慰でしごくときの刺激の1割にもならない強さだが、興奮は10倍を遥かに超えて感じられる。あんまり快楽が強すぎて直視できず目を閉じる。まぶたの裏でも火花が散る。くちゅ、くちゅっ、にちっ……と、ちひろの手淫のリズムに先走りの水音が絡んでいく。粘り気の強い水っぽい音。彼の鈴口からカウパー腺液が垂れてそれがちひろの手にまぶされてしごかれる様が、目を閉じても想像できてしまう。
「ひ、ぅ、ぁ……ふぇ、ぁ、あふぁ……っ!」
「プロデューサーさん、おつらそうですねぇ」
「あ、あんまり気持ちよくさせられすぎて、もう、出てしまいそうで……」
「出しちゃったらダメなんです?」
「……それは、その……くひっ、ひんっ! はぁぁっ、んぅぅぅっ……!」
「私はいいですよ別に~、この体勢なら顔にも髪にもかからないですし」
プロデューサーが射精を惜しんでいるようすに触れて、ちひろはますますねちっこく愛撫と言葉責めを繰り返す。
「ぜったい本当は気持ちいいくせに、ダメ……っ! って感じの顔とか、声とか、されちゃったら……」
「され、ちゃったら……?」
「……素直にさせたくなるじゃないですかぁ♥」
セックス中と思えないほど朗らかな笑顔で、ちひろがプロデューサーを見上げる。浴びせられた視線だけでもペニスがびくんと脈打つ。
「は、ぉ、ァ、あ……ッ!?」
「がまんしたければがまんしてくださいね~、でも……」
ちひろがささやきながら手コキを続ける。刺激を与えるところが、勃起しきって硬い竿から敏感で柔らかい鈴口周りにだんだん移っていく。そうかと思えば乳首をぺろりと刺激してくる。ちひろのおっぱいもたぷたぷ押しつけてきて視覚的にも触覚的にも興奮させる。
「く、ぐぅ、あ、あっ――も、う、あっ……!」
「気持ちよくなっちゃいそうなんですよね、がまんしきれないぐらい」
プロデューサーがペニスだけでなく肩や首までびくびくと震わせる。ちひろは手コキのペースを落とさず、しかし不意にペニスへの刺激を弱めて、彼をもどかしくさせる。ちひろの手の内でぷるぷると震えている彼の勃起がパンパンに張りつめて、がまん汁を滂沱と垂らして鈴口をぱくぱくわななかせる。いまにも精液を噴き出してしまうかと思う。
「じゃあ……私が出しちゃえ♥ って言ったときに出してくださいねっ」
「な、なんですかそれ……できるのかなぁ……う、ぉっ!? あ、ぅうっ」
「イっちゃえ♥」
「ふぁ、ほ、ぉおっ!?」
「違います~っ……いま、ここ抑えてなかったら出しちゃってましたか」
「う、ぅ……たぶん……」
ちひろが“イッちゃえ♥”とささやく直前、指先でプロデューサーの睾丸裏と肛門のあいだをぐいぐい圧迫していた。プロデューサー自身がもうダメ、と思ったのに反して、ペニスはがくがく震えるだけにとどまっていた。
「ここ、ここです」
「は、ァ……く、ぐう、う……っち、ちひろ、さん……!?」
「ここには射精でぴゅっぴゅって精液に勢いをつけるための筋肉があるんですって。だからここをぐいーって抑えられると、出ません……出させません~っ」
「そ、そんなのありで……う、ぉ、ぅう、くっ!?」
「出しちゃえ♥」
「ぬ、くっ……!? あ、うぁ、く……も、もう、で、る……!」
「ほら、出ないでしょう?」
プロデューサーは苦しいほどの羞恥と快楽にもだえ、されるがままに追いこまれる。ちひろのバスローブがすっかり落ちていて、手コキに合わせて乳房がゆさゆさ揺れているさまが気になるものの、ペニスをもてあそばれるとそれどころでなくなる。絶頂寸前でおもちゃにされて、感覚も認識もめちゃくちゃになる。睾丸がぎゅるぎゅる引きつって精子をぶちまけたがり、ちひろの手コキがそれを煽りながら押しとどめる。両手をぐっと握り締めて耐えるのがせいいっぱいになる。
「出しちゃだめですよ~?」
「ひっ……ま、まだぁ……う、ぅ……こ、これ、前立腺とか痛めたりしませんかね……?」
「痛めちゃったら、一緒に泌尿器科に行ってあげますよ。それでお医者さんの前でこう言ってください……僕はこの女の人におちんちんいじめられすぎて……」
「いっ、っっうぅーっ! あ、ァア、あ゙……っ!?」
「あはは、反応いいですね~、いじめられちゃうのお好きですか?」
ちひろがまたプロデューサーの乳首にキスして、さっきよりも強く吸いたててくる。彼のペニスをしごく手つきがさらにねちっこく、しかし優しくなる。射精寸前のペニスが、ちひろの手の中でぴくぴく震える。睾丸の筋肉がきゅんきゅん引きつる。手つきを優しくされたら、射精を力ずくで阻止してもらえない。彼自身の力だけで耐えなければならない。
「出しちゃ……ダメぇ♥」
「ひっ、ぅあ、ぁ……っ!」
「……あーあ……ダメ、って言ったのに……ふふ、んふふっ、もう、プロデューサーさんったら……♥」
けれども射精があっけなく訪れる。びゅるるっ! と勢いよく精液をぶちまける。その瞬間は比喩ではなく鈴口から水音までも飛び散って聞こえる。意識が羞恥と快楽で埋め尽くされる。
「すごい勢いでしたね、びゅびゅって、音が聞こえましたっ」
「う、く……ぅッ……ぁ、ぅ……ッ……」
ちひろが両手でペニスをぬちぬち包みこんで擦っている。手コキより格段に優しい加減だったが、射精直後の神経にチクチクとしみる。
あまりにもあっけなく射精させられてしまった。
「まぁ、いいですよ、出しちゃったのは」
「あ、はぁ……どうも、と言っていいんでしょうか……」
「私も、なんだか調子に乗っちゃって……えへへ……変なこと言っちゃった気がしますんで、おあいこってことにしてください」
ぺろりと舌先を出して見上げてくる表情が、ちひろの童顔によく似合っていて、プロデューサーも釣られて笑った。
「じゃあ、私が上に乗ってもいいんですね?」
「うわぁ、これがちひろさんのあそこ……むぐっ」
「“うわぁ”じゃあありません~っ! もっと、かわいらしい反応してくださいよ、おちんちんいじられてるときみたいに」
プロデューサーがベッドであお向けに寝転がり、その顔をちひろが太ももでまたぐ。いわゆるシックスナインをしているわけは――「ちひろさんの、あそこ、なめたいです」「……おいしいものじゃありませんよ?」「ちひろさんも気持ちよくできれば……満足はさせられないかもしれませんが、ちょっとでも……」「私はプロデューサーさんのおちんちんいじってるほうが面白いんですけどね、反応が」――フェラチオとクンニリングスのどっちかで意見が割れてあいだをとった、という成り行きだった。
「あんまり気持ちよくさせすぎないでくださいね? 私が腰抜かしちゃったら、プロデューサーさんお尻に敷かれちゃうじゃないですか、文字通りに」
「……ちひろさんが気持ちよくなってくれるんなら、むしろ」
「ふーん……? 私は、2人とも横にごろって寝転がるシックスナインでもいいんですけどねぇ」
いまにもフェラチオとクンニリングスができる体勢で、ちひろの表情は死角になっている。それでもプロデューサーには、キョトンとしているちひろの目つきを思い浮かぶ。童貞のくせに生意気なことを言ってしまったか、と心配になる。
「むぐくっ、んぷっ!?」
「本当に敷かれたいんですか? プロデューサーさん、なんだかMっぽい雰囲気を感じますが」
ちひろがヒザ立ちから急に腰を沈めて、秘所や恥丘をプロデューサーの顔に押しつける。彼の鼻息を感じてしまってか、ちひろは腰や太ももをぴくりとさせてしまう。
「ふぇぷっ、ふぁ、あ、んぷっ……れりゅ、んぅうっ……」
「ひゃっ……!? クンニ始めるなら、始めるって言わなきゃダメ……心の準備とか、雰囲気とか、これだってキスみたいなもので……あー、もう……!」
プロデューサーが早くもちひろのクリトリスの包皮に舌先で触れている。ちひろは腰を浮かせて逃げようとすると、彼がちひろのヒップに手を回して逃がさない。
「さっき出して一息ついたから、しばらくだいじょうぶだろう……なんて思っていたりしませんか?」
「だいじょうぶじゃないかもしれませんが、僕もちひろさんを気持ちよく……」
「殊勝なこと言いますね、本当に童貞かしら?」
「……ちひろさんがえっちになってるところが見たいんです」
「やだぁ、照れちゃう」
フェラチオとクンニリングスのあいまにも会話を続ける。言葉ではなく愛撫で意思疎通している感覚が深まっていって、プロデューサーもちひろも自身もどんどん没頭していく。
「じゅる、るじゅ、ぼっ、んく。ぷふぁ、ん、もっ、んむぐ、んんんっ……!」
ちひろは、童貞らしくたどたどしいプロデューサーのオーラルセックスに、自分の下腹部がずるずる絆されていくのも感じる。ちひろのクリトリスをなめるのも膣に舌を挿しこむのも、意図しているんだかたまたまそうなってしまったのか、という具合である。それでもちひろは腰がくねるのを抑えきれない。ペニスへの愛撫がそぞろになって、これではいけないと強めに吸いつく。
「う、うっ……うううっ、ちひろ、さん……はぁぅう!」
「ちゅ、れぅ、むぢゅっ……ふふふっ、えぐくて、苦くて、しょっぱいです~っ♥」
快感に動揺するプロデューサーの腰回りを手でホールドする。捕まえたぁ、とくちびるだけでつぶやきながら、すっかり復活した竿に頬ずりしてやる。髪の毛がこすれて、がまん汁や精液を引っ掛けられちゃったらどうしよう、とうっすら心配する。
「あっ、ゃ、あ、ぷろ、でゅ……んんっ……ひぅ……♥」
ちひろのクリトリスが舌先でめいっぱいなめまわされる。味蕾らしきざらざらを味わえるほど敏感になる。ちひろの膣から愛液が溢れ、プロデューサーの鼻や口まわりが濡れる。濡らしてしまっている、と思って羞恥がますます熱くふくれあがる。
プロデューサーが、ちひろの秘所をもっとよく見たいと思ってか、ちひろの内ももを手で押してさらに開かせる。
「ぁはあっ……やぁっ、あぁっ……! ちょ、ちょっと、開かされすぎると、落ちちゃいますって……んん、ぁう、うっ……」
「こっちから積極的にしないと……また射精しちゃって……」
「このあと本番で立たなくなるのが心配、ですか~?」
「……まぁ」
「だいじょうぶでしょう、若いんだから」
「言うほど齢は違わないですよね……」
プロデューサーの手コキ射精の残り香が、ちひろの唾液と新しい先走りでもうすっかり塗り替えられている。ちひろは裏筋をチロチロなめながら、ここでもう一度射精させてしまおうか考える。口内で射精を受け止めてそのまま飲んであげようか、と思案が飛躍する。ペニスがびくびく反応する。何か言いたげだが何を言いたいのだろうか。
「れぅ、んぐっ、こく……はふ、む、んくっ……!」
「あぃっ、ひ、ぁ、おぉぉ……っ!?」
亀頭をぱくりとくわえて舌と口内粘膜でなめしゃぶる。こすれたら切れてしまいやすい亀頭を歯から遠ざけるように深くくわえこむ。プロデューサーのクンニリングスもびくびく揺らぐ。とうとう彼の腰まで跳ねたり浮き沈みしたりする。
「れぅ、はむ……んくっ、おぅ、んんっ……ぷふぁ、あは……プロデューサー、さぁん……? 私に精液飲んでほしいなら、いまのうちですよ~?」
「それは、また、どういう……」
「コンドームを着けたあとのおちんちんって、内側の殺精剤がついて苦くなっちゃうんですよ。あれをなめるのはいやですね」
「……精液だってひどい味では?」
「プロデューサーさんの味だけだったらなめてあげますけど……あ、うれしいですか? いまうれしいって思っちゃったでしょう」
つい得意顔になってしまったちひろは、プロデューサーからの反撃を無防備で見舞われてしまう。彼の口と舌がちひろからあふれた愛液にすっかりまみれていて、それをそれをねっとり味わっている舌使いをイメージできてしまう。
「ん、ダメ、んっ、はぅ、んっ……んぅうっ! ステイ、すていーっ♥」
「この……イヌみたいに言わないでください……! う、ぉあっ……!?」
「はぷっ、んぢゅ、んぷ……ぴちゃ、ぴちゅ、ちゅるっ、ぢゅ~っ!」
「あ、あっあっ……ちひ……んんぅうっ……!」
2人のシックスナインは、取っ組み合いや痴話喧嘩のようにバタバタしながらもうしばらく続いた――「意外と粘りますね……イっちゃえ♥ とか、出しちゃえ♥ じゃないと出せなくなっちゃったんです?」「ぁ、う、はぁ……そ、そうかも、しれませんね……」――ちひろは彼の健気さに歩み寄るかのような体裁で、先へと進んであげることにした。決して腟内がうずうずしてたまらなくなってきたからではない、と彼女自身では思っていた。
「着けられました?」
「こ、こんなもんで……」
プロデューサーは童貞らしくゴムを装着するのに苦戦していた。それどころかゴムの装着じたいを忘れてちひろを押し倒そうとして本気の「ダメです」を食らっていた。
「ゴム着けるのは練習しておいたほうがいいですよ~? スムーズに進めないと本番前になんかグダグダになっちゃって……さっきもなんかグダグダだった気がしますけど」
どうにか装着を済ませて見せて「よくできました♥」とちひろに褒められた。まるで年少アイドルに向けるような屈託のない賞賛で、仕事中に思い出してしまったらどうしよう、とさえ思った。
「じゃあさっきみたいに寝てくださいっ、私が入れちゃいますっ」
「……ノリノリですね、ちひろさん」
「そういう女はお嫌いですか?」
「まさか、そんな……あ、ぅあ、ぉ……!」
あお向けに寝かされたプロデューサーにちひろがまたがり、鎌首をもたげたゴム着き勃起ペニスをつかんで導いていく。まずは鈴口が、次にカリ首、そして茎が、順番にちひろに飲み込まれていく。初めての締めつけが彼をしびれさせて、思わずベッドシーツをつかむ。
「んふ、ふふっ……プロデューサーさん、初めてしちゃうところ、顔、もっと見せて……」
「ううぅう、そう言われると、ますます恥ずかしくなって……」
「ダメですっ顔隠しちゃっ! あと、つながってるところも見て……♥」
長い時間をかけてちひろが腰を落としていく。プロデューサーは手のひらに爪を立てたり歯を食いしばったりして必死に射精衝動を押さえつける。。逸ってしまいそうな彼をなだめるように、ちひろの手のひらが彼のへそのあたりをさする。ペニスが根元まですっかり迎え入れられる。
「んんっ……ふ、ぁ……は、ぁはっ……おっきぃなぁ……奥まで届いちゃう……♥」
「う……ちひろさん……俺、は……」
「うふふ、卒業おめでとうございます~っ」
ちひろが挿入させたままプロデューサーのほうへ上体を傾げる。彼が何か言おうとして言葉になっていなくて、ただくちびるをぱくぱくさせている。それでも童貞卒業の感慨が伝わってくる。女性経験の少ない肉茎をぎっちりとしめつける。ゴムを着けたことを忘れそうになるほど敏感になって、膣全体がすっかり性感帯のようになっている。
「……ぉ、お、っ、しま、ぁ……!」
「あぁ、あんまり動かないほうがいいですか? 私、ちょっと……どうしても、きゅっきゅって締めつけちゃって、童貞さんにはハードかなぁって」
「……あれ、まだ童貞扱いなんですか、さっきおめでとうって」
「ええと……終わるまでが、童貞卒業ですっ! そんなすぐ終わっちゃったらもったいないっ♥」
「……そういうものでしょうか」
「あとですね、動いていないと……しんみりしすぎちゃうから……手が空いてるなら、こっちお願いします~っ」
ちひろがプロデューサーの手をとって、汗だくでてらてら光る乳房を触らせる。敏感そうにふくらんでいた乳輪にかすって、膣内も反射的にしまって、お互い悶絶して、仕切り直す。
「は、ぉ、ァ、あ……っ……♥ ダメですよっ、デリケートになっちゃってますから……プロデューサーさんにあてられちゃったかなぁ……?」
プロデューサーが言葉を失っている。射精をこらえるのとていねいに胸愛撫をしようというのですっかり精一杯らしい。
「んっ、ちゅっちゅっ、ふっ、んぁ……んむ……♥」
ちひろはその愛撫に身を任せつつ、ときに屈みこんで彼のくちびるを奪う。舌を入れ、唾液を流しこむ。妙な味だな、といぶかしんで、それからさっきまでシックスナインしていたと思い出す。
「ぷふ、ふぁ、あ……♥ キス、したくなって、しちゃいましたけど……本当は、ダメなんですからね……フェラとかクンニとかしたあとにキスなんて……」
「……ダメだけど、したくなっちゃったんですか……? わ、あっおっ!?」
「そういうこと思っても、言うんじゃ……私じゃなかったらダメですよ~!」
膣とペニスの摩擦が急にきりきりと強くなって、ちひろにも、もちろんプロデューサーにもどうしようもない。まだ抜き差しも始めていないのに限界が迫ってきている。
「ん、ぅ、ふ……まったく、ワンちゃんみたいにお利口さんだと思わせて、不意打ちするんだから!」
「わ、わざとじゃないんです……」
「どうだか」
呆れたような声とともに、ちひろはしずしずと腰を揺らしはじめる。その緩やかなグラインドにもプロデューサーが驚き、痛みにも似た熱く鋭い快楽に歯を食いしばっている。それに気を良くして、膣が彼のペニスをねっとりとなめしゃぶり、射精を促すように締めつける。ゴム越しでもはっきりとわかるほど熱い襞が、ぞりぞりと裏筋や雁首を責め立てる。
「んあっ、あっ……ああ、あっ♥ ふふっ……プロデューサーさんも、もっと強くしてもいいですよ……?」
プロデューサーがちひろの乳房を手で下支えしているままだが、愛撫する余裕が残っているか怪しい。むしろちひろが彼の手首をつかんでいじらせる形勢になる。心拍を伝えるアンダーバストからしこりきった乳首の先まで触らせて触って快楽が混ざって広がる。
「ふぁあ、はぁ、ッ!? そ、こ……ふか、ぁ……♥」
不意にちひろが上体を反らす。膣内のいいところにいい具合でいきなり当たってしまって、予想外の法悦に目を白黒させている。プロデューサーがこらえかねたようにちひろの乳房をつかみ、そのまま腰を突き上げる。
「や、ぁ……! あああっ、だ、め……っ♥ 童貞おちんちんで気持ちよくなって、ナカイキなんて、だめっ……♥」
「ごめんなさい、ちょっと、もう、余裕が本当に……で、出ちゃ、あ」
「こ、こらっ、好き勝手動くなんてっ……あぃっ、ひ、ぁ、おぉぉ……っ♥」
ちひろの腰ががくがくと震えて、プロデューサーに倒れかかる。彼の腰も思わず動いてしまって、快楽で頭が真っ白になる。ゴムで隔てていても明白な射精が始まっている。ちひろの膣肉が届かないそれを搾り取るようにうねる。快楽が長く尾を引いて2人とも言葉らしい言葉を紡げないまま粘膜と皮膚を絡みあわせたり吐息でくすぐりあったりがずるずる続く。
「ぁ、は、あ……ちひろさん……出しちゃい、ました……」
「……えへへ、やっぱりテンション上がりすぎちゃって……われながらヤラしいなぁ……」
プロデューサーの胸板に甘えるように頬ずりすると、応じてか、彼の手が肩に回される――「なんですか、恋人どうしみたいに」「……いけませんか?」「じゃあ……私だけ見ててくださいね、えっちな目でもいいから」――身を任せる。コンドームにはねっとりと精液がたまっていてずるずる漏れ出している。まだ硬いままのペニスが、膣肉の抱擁と脈動をもっと欲しがっているらしい。
「ちひろさんが、好きです」
「いま言うことですか……?」
「キスの前に言えばよかったですね」
「……言ってほしかったのは、認めます」
「ちひろさんは……」
「私は?」
「僕のこと……」
「……ま、まぁ、悪い女に引っ掛けられ押し切られ……ってされちゃいそうだから、しばらく付き合って免疫をつけてあげますっ」
プロデューサーの胸元と首筋だけ見ていても、彼がにっこり笑ったとわかってしまう。男は誰でも、童貞を卒業するとこうなるのか――「ずいぶん調子に乗ってくれるじゃないですか」――と、ちひろは半ば呆れる。
「んぢゅ、んぷ、ちゅう、んぷ……♥」
またプロデューサーにキスする。ちひろを待ち構えていたように、彼のほうから舌を入れてくる。
「ふぇぷっ、ふぁ、あ、んぷっ……れりゅ、んぅうっ……」
次にちひろが言葉を紡ぐころには――「抜かずはダメですよ、ゴムはちゃんと1回ごとに取り替えて……」――まだセックスを続けることで合意に達していた。
「ふぅ……っ♥ んきゅ……っ♥ も、もう、押し倒し方は、教えなくていいみたいですね……?」
ちひろはプロデューサーに押し倒されながら、目尻をゆるゆる下げて、白い歯がまぶしく見えるほど口角を釣り上げて笑っている。媚びというより、獲物を前にしたケダモノのような獰猛さを感じさせる。
男に押し倒されている姿勢と釣りあっていないが、プロデューサーを誘いこむにはてきめんであった。
「僕の好きに動いてもいいですか」
「言わせるつもりですか、もうっ……きゃんっ♥ あそこ、触っちゃ……ま、まぁ、確認、大事ですね、うんうんっ」
「さっきは入れてもらって……入れさせてもらうのは、初めてですから」
プロデューサーがちひろの太ももに手を伸ばす。陰唇どころか内ももまでびしょびしょになっている。垂れた雫のあとを指先でなぞられると、膣口がぱくぱく挑発するように無言で喘ぐ。
「はきゅ……っ♥ あっ♥ ちょ、ちょっと待って、ゆ、ゆび……んんん……っ♥」
「……指入れてるだけでたまんないですね、ちひろさんのおまんこ」
「やぁっ♥ 指じゃあダメっ、ずりゅずりゅされても足りないっ♥」
そう言いつつ、ちひろのぬめぬめでとろとろの膣肉が、プロデューサーの指先をねじこまれると、にゅるにゅる締めつけて抵抗しているのか、粘膜をほじらせて快楽に浸っているのか、と甘酸っぱく反応する。さらに浅く深く指を動かしたり、親指でクリトリスをくすぐる。まるで彼の愛撫に応えるように腰がくねって、彼の指先へぬめるヒダがじゃれつく。
「ね、ねぇ……じれちゃって、切ないです……プロデューサーさんだって、もう準備できてるでしょう……? 来て、ねぇ来て、おちんちん……っ♥」
「……本当に、行きますからね……?」
プロデューサーのペニスは、ゴムごしにちひろの視線を浴びるだけで3回目の射精に及んでしまいそうなほどみなぎっている。彼がちひろの両ひざを両手で抱えるように持って股ぐらへ割り入ると、彼女はもう待ちきれないという風に腰を浮かせる。愛液で濡れた膣口と肉傘が当たる。性器同士でぬりゅぬりゅ擦りあわせる。
「やぁんっ……♥ ちょっとこすれるだけで感じちゃって……押さえつけてくれないと、ずれちゃいますよ~♥」
「……望むところですよ」
じれちゃって、と言った口でじらすように腰をくねらせるちひろに、プロデューサーは興奮と安堵の混じった不思議な心持ちになる。ただの女なら支離滅裂な振る舞いでも、ちひろがそうすると緊張をほぐそうとしてくれている気がしてくる。
互いの粘膜同士が触れ合う面積が広がっていく。
「はぁ、あ、ぅ、あっ、あ……ちひろさん……!」
「は、あ、んあ、はっ……ぷろ、でゅーさーさんに、入れられ、ちゃったぁ……♥」
やがて亀頭が膣口へ埋まり、ゆっくり押し入る。腰骨までとろけそうな快楽に耐えつつ、どうにか腰を押し進めていく。正常位、と言えるほど深くつながる。
「あ、ん……っ……は、ぁ……っ♥」
「ちひろ……さんっ……あうっ」
「呼び捨てにされちゃったかと思いましたよ……ふふっ」
ちひろはプロデューサーに押しこまれつつしがみついている。プロデューサーが腰を引くと、膣肉が名残惜しげに追いすがる。
「呼び捨てなんて、軽々しくしちゃダメなんですからねっ」
「ぜんぶ“ダメ”って言うの、いつまで続けるんですか……言われると、まだ、ドキってしちゃうんですけど」
「じゃあ……ず~っと!」
「えぇえぇ……」
抜き差しで粘膜とともに快楽と緊張感まで波打つ。ちひろの目尻がとろんとゆるんで、心底から恍惚がこぼれ出そうな顔をしている。
さらに深くときに浅く突き入れてやる。
「ん、んんっ……! こ、れ……ひっ、あっひ……♥ ふぁぁっ、あぁっ♥ だ、めぇ……♥」
膣内で粘膜を捏ねられるたび子宮に蕩けそうなほど甘く響く。膣全体が彼のペニスを抱きしめるように吸いついているのがわかる。射精感が高まって、プロデューサーは歯を食いしばる。
「って、ちょっとこうして感じた素振りみせちゃったら……あははっ♥」
「うわぁ、女の人ってこわっ……っくぅ……!」
「プロデューサーさんは……しんどいですかぁ? もっとでろでろになっちゃえばいいのにっ」
「こう見えて、もうでろでろですよ実は……」
「ふふふ、あまのじゃくな彼氏さんだなぁ」
セックスの真っ最中にしては少し呑気なほど、じんわりした幸福感が広がる。ちひろが彼の頬を手のひらでなでる。
「あ、さっきの告白オーケーだったんですね……んぎゅっ!?」
「プロデューサーさぁん……私は、彼氏でもない男の人に、えっちさせる女では……告白前にさせてあげちゃいましたけど、それはそれでっ」
そのまま頬をつねられる。膣肉もきゅっとしめられる。ペニスばかりか体全体が震えて、ちひろに内心を伝えてしまう。お互い快楽に浸っているのは隠せないが、つい煽りあってしまう。
「っん、ふ、あっ……あぅ……♥ キ、キちゃい、ますね……」
プロデューサーがちひろの乳房を揉みしだきつつ、腰を突き入れて膣奥をこねまわす。ちひろが応じて、彼のうなじに両手を回してしがみつく。より深く突き入れるようねだってしまう。
「ひゃんっ、あ、あっ……はぁっ! そ、ぇ……だ、ぇ……♥」
ちひろの腰ががくがくと震える。子宮がペニスに吸いついているように膣奥がきつくしまる。もっと深く抉られたがって、泣きじゃくるように愛液をこぼす。応じてプロデューサーも腰を突きだす。
「は、ひっ、あう、んっ……♥ えう、んんっ……ぷろでゅ……す、ご……♥」
プロデューサーも限界に追い込まれつつエスカレートする。ちひろの乳房をむにゅむにゅ揉みしだき、乳首を指先で転がしながら、ペニスを何度も突き上げる。膣内が悶え狂ってペニスを揉みくちゃにして、ぶじゅ、ぶじゅ、とおびただしい愛液が結合部からあふれて姦しく鳴る。
「ふぁ、ぉ、だ、め……ぐ、ぅう、う――っ!」
もう何度か抜き差しして、プロデューサーが限界を踏み越える。ゴムのなかに精液をびゅぐびゅぐ放つ。合わせるようにちひろは膣肉がきゅうきゅう締める。子宮いっぱいに熱が広がるような感覚に襲われ、嬌声を何度も乱高下させる。
「ちひろさん……その、いま、イッて……?」
「……どう思います?」
「聞いちゃダメでしたか」
「プロデューサーさんが盛り上がってるから、つい……ってことに、しておいてください……」
事後のようにささやきあってみても、息が整うと不思議と性欲が蘇ってしまう――「これは朝まで付きあってもらわないと……」「あした、仕事にならなかったらどうしよう」「スタドリはまとめ買いがお得ですよ~」「……これからスタドリ買うとき、いまこの男はセックスしたいんだ~、って思われたらどうしよう」「公私混同も甚だしいですね」――そのまま朝までセックスに耽ってしまうことになる。
※
「それでプロデューサーさんは……アイドルの皆さんから、ちょっとは男らしく見てもらえるようになったんですか?」
「……からかわれても、前よりは動揺しなくなったはずなんですが……ふぇ、ぁ、あふぁ……っ!」
「あんまりプロデューサーさんがモテモテになられても、それはそれでヤキモキさせられちゃって困るんですけど~」
別の日の退勤後。
プロデューサーはちひろからホテルに誘われ、手コキされながら尋問を受けていた。
「あと……童貞卒業してすぐの男の人にありがちですけど……妙に自信ありげな態度にならないでください。察しのいい人にバレちゃってますよ」
「え、そんな……僕、そんなにわかりやすいんですか……? あ、あぅっ!? そ、こ、されたら、ダメ、ぇ……!」
「プロデューサーさんってブラフとか寝技とか苦手そうですもんね……だいじょうぶかなぁ、プロデューサー業やっていけるかなぁ」
ちひろが口走った“免疫をつけてあげますっ”はその場の思いつきのように聞こえて本気だったらしく、折に触れてプロデューサーに助言を与えてくれていた。しかし彼が助言に従おうと努力しても、男らしく見てもらえるどころか、前よりからかわれる頻度が増えた気がしていた。
「はぅ、ほぁっ、はぁっ……ち、ちひろさっ……あ、あっ、も、ぉ……!」
「まぁ、そんなプロデューサーさんでも、好きになってくれる人はいますよ、一人ぐらい♥」
もちろん察しのいいアイドルは関係を勘づいている。
(おしまい)