※この作品はR-18です。

ブルアカえっち短編集   作:夜の機動戦士

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エージェントの策謀 ~制服姿の室笠アカネと潜入捜査の訓練をしていたはずが疑似パパ活にもつれ込んでいた話~

0.一晩3万円

 

「うふふ……♡」

 

 室笠アカネがコンドームの先を指で摘まみ、膨れた液溜まりを揺らす。彼女の舌が、まるで蜜を味わうようにその先端をくすぐった。

 

 ラブホテルの客室に漂うのは、ミルクティーを思わせる甘く柔らかな体臭。シーツの海にはまばらに色濃いシミが広がり、乱れた波のように広がっている。

 

 

(――やってしまった)

 

 

 艶を帯びて熱く切羽詰まった吐息が、まだ耳の奥で反響している。

 

 眼下には、乱れた制服から覗くアカネの半裸がある。カーディガンの袖は手を半分ほど隠したまま。ライトブルーの蝶ネクタイは曲がり、剥き出しの首にかろうじてぶら下がっている。

 

 3つ目のボタンホール周辺だけが濡れたブラウス。男の見たい所だけを見せるかのように開いた隙間から、汗ばんだ生肌が視線を誘う。

 

 肩紐だけでぶらさがった品の良いブラの下からは、収穫時のスイカを思わせる豊乳がまろび出ている。その谷間には、無我夢中でペニスを突き入れ、劣情を吐き捨てた白い痕跡が、青臭さを立ち昇らせていた。

 

「アカネ、その……」

 

 まだ熱い汗が、こめかみを垂れ落ちる。

 

 現金なものだと我ながら思う。私の中の大人が、この手遅れの状況を棚に上げて、道徳心を取り戻そうとしていた。つい数分前まで、これ以上ないほど学生らしい制服姿の生徒に惑わされ、大人びた彼女の背徳的な色香に酔って鼻息荒く腰を振っていたというのに。

 

 言い逃れようのない既成事実を前に、いったい何を言えるというのだろう。

 

 気怠い頭で考えようと足掻く私の前に、紙幣が差し出された。

 

「先ほどお支払いいただいた、こちらですが」

 

 几帳面に折り目の付いた一万円札が、三枚。〝口止め料に〟と卑怯にも喉から出かかったが、体を起こしたアカネは私を仰向けに押し倒し、馬乗りになってきた。そして私の耳元に三万円を散らし、濡れた唇を開く。

 

「これで、明日の朝まで、先生、を、ぉん……♡」

 

 

 ――ぬぷぷっ……♡

 

 

「あっ♡ 買いま、す……あっ、あ……♡」

「お……ッ」

 

 スカートの向こうで、ペニスが熱に咥え込まれた。ずりゅん、と反り返った肉杭が、生温かい圧迫感に締め付けられる。先端から根元まで、ぬるぬるしたものに舐め回された。

 

 ぬくもりにカリ首を締め付けられて、柔らかくなりかけていた肉竿はあっという間に硬度を取り戻す。ダイレクトに快感神経を焼かれて、下腹部が震えあがった。

 

(ん……?)

 

「ま、待ってアカネ! 着けてない(・・・・・)でしょっ!」

「ふふ……♡ ちゃぁんと着けておりますよ♡ ただ、見えていない(・・・・・・)、だけですっ♡」

 

 アカネが器用に腰をくねらせるたびに、にちゃにちゃと粘っこい音が立つ。制服のスカートが襞をはためかせるが、結合部と思しき股間は隠されている。

 

「そもそも、入れておりませんよ? ただ、擦り付けている、だけ、なので……♡ はぁ、ん……♡」

「うっ、ウソだッ……そんな、あっ、締め付けて……!」

「〝ナマで入れちゃったら大変だ〟って、思ってらっしゃるのですよね?」

「そうだよっ、ナマはまずいって」

「ご安心ください♡ 擦っているだけ(・・・・・・・)、ですからっ♡」

 

 アカネは明らかに嘘をついている。入れていません、擦っているだけ、と上の口では言いながらも、下の口がずっぽりと肉竿を咥え込み、濡れそぼった蜜肉で音を立ててしゃぶっている。ペニスを融かしてしまう熱さは、さっき私が上になっていた時にはなかったものだ。

 

「ん……♡ ふとくて、あつい……♡」

 

 

 ――ぱん♡ ぱん♡ ぱん♡ ぱん♡

 

 

 振りたくられる腰の動きに合わせて、スカートが翻る。

 絶対に入っているはずだ。

 私はそう確信して股間を睨みつける。

 

 むちむちの太腿には白濁した愛液が伝い、妖しい輝きを放っている。ぐちゅっ、ずちゅっと粘膜の擦れ合う音が聞こえてくるのに、肝心の結合部が、見えそうなのに、見えない。

 

「先生、そんなに、じっと見つめて……気になるのですか?」

 

 頬を上気させ、喘ぎ声混じりにアカネが口角を上げた。私が答える前にボリューミーな尻が叩きつけられ、肉竿が根元まで吞み込まれる。うっとりした吐息と共に肉襞が締まり、傘裏を舐め回してきた。

 

 アカネは膝をついて上体を起こし、くねくねと腰を振っている。たわわに実った乳房が、カーディガンとブラウスの内側で波打ち、たぷんたぷんと肉の弾む音が聞こえてきそうだ。

 

 ――たんっ♡ たんっ♡ たんっ♡

 

「あ……アカネ、だめ……」

「先生の素敵なおちんぽは、嬉しそうですよ? びくびくして、ぐ~っ♡と膨らんでおります♡」

「いや、そ、そんなことは……」

「うふふ♡ もう私、分かってしまったんです♡ 先生は、『してはいけない』って思うほどに、興奮されるのですね♡ まだ成人していない生徒に、ナマであつあつのお射精なんて、絶対に、ぜ~ったいに、許されませんよね? でも……♡」

 

 ねっとり語り掛けてくるアカネを否定しようとしたが、体は正直だ。下腹部が持ち上がり、すっかり怒張しきったペニスを突き出している。アカネは官能的な息遣いで私の耳をくすぐりながら、杭打ちピストンで責め立ててきた。

 

 ――ばちゅ♡ ばちゅ♡ ばちゅ♡ ばちゅ♡ ばちゅ♡

 

「拒絶、されないのですね……ふふ、いけない人♡」

「ア…………ッ」

 

 アカネがどすんと尻を打ち付けてきた瞬間、繋がりかけていた我慢の糸が再び千切られた。

 

 

 * * * * *

 

1.今日は「先生」とお呼びします

 

 ある日、C&Cの室笠アカネから相談を受けた。悪徳企業の秘密をすっぱ抜く潜入捜査の訓練をしたいが、互いに気心の知れた部員同士ではどうしても実戦を想定したものにならないとのことだ。

 

 「相談ごとならシャーレへ」とSNSでも広告を出しているし、アカネからの頼みを断る理由なんてどこにもなかった。

 

 実際に戦うわけではなく、標的となる相手は大人であることが望ましい――そういう流れで、私が潜入捜査の練習台として付き合うことになった。合流する所から訓練を始めたいとの希望だったため、私はD.U.の中心から少し外れた路上で待機していた。

 

 

(――ところで、何をするんだろう)

 

 

 この辺りは歓楽街であり、遠目には、女学生というには少し大人びた女性が数人、バラバラに並んでいるのが見える。いわゆる「立ちんぼ」だ。テレビでの報道こそ少ないものの、ネット上ではしばしば(悪い意味で)話題になっているし、暗い社会問題の一つである。

 

 だとすると、あそこに並んでいるのは、身も蓋もない言い方をしてしまえば、「パパ活女子」という俗称で知られる、春を売る女性たちだろうか。自分の体に値段をつけ、金銭の対価として男に(あるいは女に)股を開くのだ。そして、売られた春を味わいたがる男がいる。需要なしに供給は生まれないという嫌な現実が、そこにあった。

 

 こんな場所で生徒を待つのは良くないし、「あの方々は何でしょうか?」とでもアカネに問われたら、知っていたとしても答えには窮してしまう。

 

 任務なのだから仕方ない。生徒のためだから。自分にそう言い聞かせ、遠くのビルを見ながら私は彼女を待った。集合時間の10分前に来たのは、ちょっと早すぎただろうか。ふとそんなことを考えた瞬間――

 

「お兄さんっ♡」

「!?」

 

 いつもより弾んだトーンで、電柱の陰からアカネがひょっこり顔を出した。優しい垂れ目を細めてにっこり笑い、ひらひらとこちらに手を振っている。いつか彼女がミレニアムEXPOのガイドを務めていた時に見た、制服姿だった。

 

 大人びて(少なくとも表面上は)落ち着いた彼女にしては珍しく、16歳相応のあどけなさが見えたが――それはほんの演技だったらしい。すぐに「ご主人様」と小さく私を呼び直し、肩掛けのスクールバッグを揺らしながら近づいてきた。

 

「びっくりさせてしまったでしょうか?」

「ちょっとだけね。っていうか、制服姿なんだ」

「えぇ。メイド服やバニースーツは、この場においては悪目立ちしますから」

 

 室笠アカネの制服姿は、何度見ても不思議な気分にさせられる。彼女は現役の高校生なのだから、制服だって当然着る。というか、これが本来あるべき姿であるはずだ。その学生として当たり前の出で立ちはとても似合っている。茶色の萌え袖カーディガンのあざとさも、溢れ出す若さがすべて許してしまう。

 

 カーディガンもブラウスも、几帳面なアカネの性格を表すように、しっかりボタンが留められている。ミレニアムのイメージカラーたる空色の蝶ネクタイも乱れなく結ばれているのだが――その行儀良い着こなしの隙間から、危険な色香が匂いたっていた。

 

 制服は「生徒」という未成熟な存在を象徴する。「保護の必要な存在」だという記号である。女性の花盛りともいえる魅力たっぷりな季節に、禁忌のボーダーラインをくっきりと引く服装だ。その禁忌に、脳の芯が疼いた。

 

 自分のフェチズムは自分が誰よりもよく知っている。それをアカネに悟られるわけにはいかないが、メイド服やバニースーツの彼女を見慣れていただけに、JKルックのギャップはなかなか強烈で、つい横目でちらちら見てしまう。

 

 クラシカルなメイド服に普段は隠されて――いや、あまり隠せていないが――ベージュブラウンのカーディガンを押し上げる膨らみのボリュームは、ふっくら突き出した崖下の影が物語っている。「爆発物を懐に目いっぱい詰め込んだ」と言われても信じてしまうほどだ。

 

 ニットの内側ではブラウスが窮屈そうに張り詰め、決死の覚悟でボタンが踏みとどまっている。哀れな布地は本来の寿命をどれほど縮めているのだろう。グラマーな肉体を隠そうとしているのに、却ってその肉感をアピールしてしまっている。

 

 さらに目を引くのは、ミニスカートから覗く大胆な生脚だ。白タイツを穿いていることが多いアカネが下半身の肌色を見せるのは珍しい。それだけに、むっちりした太腿や、膝下丈の清楚な白ソックスが、アンバランスな艶めかしさを演出する。

 

 

(……って、何を考えてるの!)

 

 

「うふふ。どうされました?」

「いや、アカネの制服姿って、新鮮だな、って」

「あら、ありがとうございます♪」

 

 自分の卑しさを諌めながらも、私の心臓は唸りを立て始めていた。シュシュでふんわりまとめて肩口から垂らしたアッシュブラウンの髪は、彼女の年齢にそぐわない、熟した人妻のような色気を漂わせている。

 

 そんなアカネは、私のジャケットの袖をちょこんと摘み「行きましょう」と促してきた。骨の髄から従順なメイドたる彼女がそうやって私を引っ張ろうとするのは初めてだった。

 

 黒のローファーがアスファルトを叩く音は軽快で、彼女は並ぶ立ちんぼに目もくれず歩き続ける。半歩前を進み、私と視線が合っただけで、瑞々しい唇をきゅっと上げてはにかんできた。普段よりフレッシュな装いの笑顔に、胸の内側をくすぐられる。

 

 ゲヘナ生ほどではないがカジュアルな雰囲気の生徒が多いミレニアムにあって、アカネの所作は美しい。トリニティのハイソなお嬢様集団に混じっていても、きっと違和感はないだろう。

 

 だが、先ほどから投げかけられる笑顔は年相応の無邪気さに縁どられている。メイドやバニーといった役割から解放された服装が、それをもたらすのだろうか。

 

「そういえばさ。潜入捜査の訓練って、私は何をすればいいのかな」

 

 ふと、尋ねてみた。アカネはゆっくりながら足を止めない。

 

「特別なことをする必要はありません。ターゲットはそうと気づかないうちに私の掌の上で踊り、目的地へ連れ込まれます」

「そ、そうなんだ」

「時に、ごしゅ――いえ、〝先生〟。街中ではそうお呼びした方がいいですね」

 

 並んで歩く私たちから5メートルほどの距離に、立ちんぼが3名。犬頭の獣人がその中の一人と手で合図を交わし、狭い裏路地へ消えていった。アカネはその行方を流し目で追っていたが、姿が見えなくなると、私の顔を覗き込んできた。

 

 彼女の瞳は街灯の光を受けて、宝石のようにきらめいていた。その意図を測りかねていると、唇の開く様を見せつけるように、彼女は話を続けた。

 

「黒い噂のある企業の重役は、ああして『パパ』をやっていることが多いのです。いま裏路地へ歩いていったのは、調査対象の一人です」

 

 潜めた声には、鋭い棘が潜んでいた。冷静で理知的なエージェントの貌が、眼鏡のレンズをキラリと光らせる。

 

「えっ、そ……そうなんだ」

「先生、私から離れないでくださいね」

「うっ、うん」

 

 

 ――ふに……♡

 

 

 アカネはするりと、私の腕に自分の腕を絡ませてきた。伝わる体温とシャンプーの匂いを意識した瞬間、異様な存在感が私の腕に触れ、思わず息を呑んだ。「柔」の字が、脳内でねずみ算のように増殖していく。

 

「〝先生〟とお呼びするのは、なんだかこそばゆい心地がします」

 

 そう囁き、私を試すように見つめてくる。「メイドとご主人様」という関係性をすっかり刷り込まれているが、よくよく考えずとも、彼女とは「先生と生徒」という間柄だ。それが歓楽街の一角で、腕を組んで歩いている。

 

 息を吐く音が微かに聞こえ、禁忌の可能性を思い描いてしまった。どんどん、どんどん、上の空に意識が浮き上がる。私は冷静を装いながら、そっと彼女の腕を解こうとしたのだが……

 

「あっ、先生、ご覧ください。注意喚起の電子掲示板がここにも」

「……ホントだ」

 

 さっきよりもしっかりと、捕まってしまう。

 

「この辺りの道は入り組んでおりますので、ご注意ください」

「うん、ありがとう」

 

 彼女の言葉どおり、角を一つ曲がるたびに道が細くなっていく。あちこちにお城のような建物が並んでいて、いかがわしさがムンムンだ。それにしても、ミレニアム学区外なのに、ずいぶんアカネは道に詳しいようだ。やはりこういったいかがわしいエリアは、C&Cの監視対象なのだろうか。

 

 立ちんぼの姿が見えなくなったころ、アカネが口を開いた。

 

「先生は、いわゆるパパ活のお誘いを受けたことがおありですか?」

「いやいやいや、ないよ。そういうの、怖いからね。まぁ、危ない所には近づかないし、そもそもシャーレに引きこもってることが――」

 

 

(……!?)

 

 

 談笑しながら道を歩いていたはずが、いつの間にかドアの前にいる。214と部屋番号が書かれたプレートの下には、ショッキングピンクのハートが妖しく輝いていた。

 

「あッ、アカネ!? これは一体」

「はい、作戦成功でございます」

「も、もう始まってたの!?」

「合流する前から訓練は始まっておりましたので」

 

 眼鏡をトンと中指で持ち上げると、アカネは得意気に笑った。

 

「ここは……そうですね。カップルが休憩する所(・・・・・・・・・・)とでも言いましょうか」

「それって、ラブホテルってこと!? いつの間に!?」

「しっ……大声を出したら、他の宿泊客に先生の所在が漏れてしまいます」

「うっ」

 

 どうやら私は、歓楽街に面したお城の一つに連れ込まれていたらしい。優れたマジシャンは巧みなミスディレクションでタネに全く気付かせないというが、アカネの技術に私は舌を巻くばかりだ。

 

「ひとまず、中で少し〝ご休憩〟しましょうか」

 

 カードキーを通す手つきに、ぎこちなさは感じられなかった。この扉をくぐることが何を意味するのか知らないようには思えなかったが、柔和な彼女の顔からは読み取れない。

 

 背筋に冷や汗が伝うのを感じながらも、私はアカネに手を引かれ、客室のマットを踏みしめていた。

 

 

 * * * * *

 

 

2.制服姿に魅せられて

 

 部屋に足を踏み入れた瞬間、私は思わず息を呑んだ。正面の壁が巨大な鏡になって光を反射し、部屋を果てしなく広く見せている。天井にも同じ鏡が仕込まれており、まるで自分が無数の視線に監視されているような奇妙な圧迫感を与えた。

 

 ベッドは深紅のサテンカバーで覆われ、部屋を照らす照明はピンクと赤が混じり合った妖しい色合いだ。壁に揺らめく影を投げかけ、まるで生き物のように蠢いているかのようだった。

 

「うわ……!」

 

 シャワールームが全面ガラス張りだ。裸体を清めている所を余さず視姦できてしまう。ガラスの向こう側に、ついさっきまで誰かがそこにいたかのような生々しい気配すら感じられる。

 

 品がない。だが、ここはそもそも品のない行為のための施設なのだから、理に適ってはいる。この部屋全体が利用者の欲望を剥き出しに刺激するよう計算し尽くされていることは明らかだった。

 

「一見すると豪華な内装ですが……クオリティはハリボテのようですね」

 

 アカネはこの異様な空間にも動じず、淡々と部屋を検める。一瞥しただけでもホンモノとの違いが分かるようだ。すっと背筋を伸ばした立ち姿は清廉だった。そんな彼女をけばけばしい照明が照らす。何かを期待するように、頬が赤らんで見えた。

 

「さて、先生は私の誘導に従い、ここへいらしたわけですね」

 

 シュシュで束ねた髪が、ふわっと肩に落ちる。照明の光を受けて淡く輝き、アカネの存在感を際立たせた。

 

「まず、部屋に入ってきた時点で、既成事実が成立しました。監視カメラこそ掃除(・・)してありますが、この会話は録音を――しているかもしれません」

「ひっ」

 

 アカネの声は穏やかで、風に揺れる鈴の音のようだったが、その裏には鋭い刃物の洞察が潜んでいる気がしてならなかった。私は天井から吊られたかのごとく背筋を伸ばした。

 

 

(そ……そうだ。私は先生なのに、生徒とこんな所に……)

 

 

 一人で来るなら問題ないが、生徒と一緒となれば問題大ありだ。心臓がドクドクと脈打ち、喉の奥がカラカラに乾いていく。大人としての責任が頭をよぎって、爪先が力んだ。

 

 この動悸は、「まずいことをした」という後ろめたさか、それともアカネの言葉に追い詰められるプレッシャーか……。

 

「こうして、ターゲットを精神的に追い込むのです。地位ある人間に立つ悪評は、時に致命的。立ち回り次第では、この時点でヴァルキューレに引き渡すことも可能です」

「あっ、アカネ――」

 

 私は何か言おうとしたが、「既成事実」の四文字が喉を詰まらせる。彼女は私の動揺を見逃さず、目を細めて続ける。

 

「ふふ、半分は冗談です。ご安心ください。大切な先生を怖がらせる無礼はいたしません」

「よかった――ん? 半分は……?」

「さ、こちらへおかけください。歩き回ってお疲れでしょうから」

 

 アカネは恭しく私を促し、ベッドに座らせた。そこより近くに、ソファーがあったのに、だ。私が疑問を口にする前に、隣へ腰を下ろす。

 

「……ふふ」

 

 ミニ丈のプリーツスカートが、そっと摘まれた。その内側を思い描きそうになり、私は咄嗟に頭を振った。だが、視界の端で動く指に視線を捕まえられた。カーディガンの袖から覗くそれは白魚のように美しく、綺麗に切りそろえられた爪がつやっとしている。

 

「――先生」

「な……何かな?」

「今日の先生からは、いつもより熱っぽい眼差しを感じます」

「んえっ!?」

 

 アカネは腰をほんの少しだけくねらせた。スカートの裾がひらりと浮き上がり、むっちりした太腿の白い肌が一瞬だけ露わになる。視線を逸らしたが、それは罠だった。カーディガンを押し上げる豊満な胸は彼女が息を吸うたびにゆっくりと揺れ、柔らかな曲線が私の視界を犯す。アカネが息で笑った。

 

「昂りを覚えていらっしゃいますね? 呼吸のテンポが上がっていますよ」

 

 レンズの向こうから私を窺う瞳には猛禽類のような輝きが宿り、C&Cのエージェントたる容赦のなさを感じさせた。

 

「制服にフェチズムをお持ちですね?」

「う、え、そ、そ、そ、それはっ、いや、違――」

「そんなに分かりやすく動揺されては、『はいそうです』と言っているようなものですよ」

 

 その指摘に、今度は言葉を失った。心の奥底を暴かれた心地に、腋の下を汗が伝う。

 

 心当たりがないとは言えなかった。禁忌に指先を触れるような背徳感が私の胸を締め付け、同時に決して認めたくない奇妙な高揚感をもたらしていた。ふわりと漂ってくるミルクティーに似た香りが、理性の輪郭を溶かしていく。

 

「……ふふっ♪」

 

 アカネは口角を微かに上げた。彼女の瑞々しい唇は薄く濡れ、照明の下で艶めかしく光る。彼女の指先が髪をふわっとかき上げ、花のようなシャンプーが香ってくる。甘さを含んだ彼女の匂いは、制服に不似合いなほどの艶やかな色気を醸し出し、私のオスを燻らせた。

 

 あぁ、可愛い生徒にそんな思いを抱いてしまうなんて。

 私は自分へ呪詛を吐きたくなったが、逸る鼓動が現実を突き付けてくる。

 

「……私は今、安心しています」

「あ、安心……?」

「ごしゅ――先生にはそういう関心(・・・・・・)を抱いてもらえないとばかり、思っていましたから」

 

 戸惑う私を諌めるように、アカネは自分の太腿を指先でなぞった。ほんの数センチ揺れたスカートの布地に、私の視線は縫いつけられていた。それを確かめると、そのまま指を膝へと滑らせ、上目遣いで私を覗き込む。

 

「私はC&Cの諜報・潜入の担当でもあります。知っていますよ。特にアスナ先輩やカリンと先生の〝なかよしエピソード〟も」

「うッ…………」

 

 含みを持たせた言い方に、私は確信してしまった。リボンで首を結ばれて、制服姿のアスナと「お散歩ごっこ」をしたことや、メイド服のカリンに足で踏んでもらったことも、アカネには知られているのだろう。

 

「快活で積極的なアスナ先輩。生真面目でいじらしいカリン。二人ともスタイル抜群で魅力的ですし、私には一歩引いた所がふさわしいと思っても、諦めきれない劣等感は募るばかりで……」

 

 アカネは微かに震える声でそう呟き、長い睫毛を伏せたが、数秒もせずに輝きを帯びた視線が私を射抜く。

 

「ですが、どうやら先生とそこまで〝進展〟はしていないようですね。きっと、先生の秘めた欲望を暴き、確かめることができたのは、私だけ……」

「え、えっと、アカネ……!」

「ここは密室。秘密を知るものは誰もいません。どちらかが口外しなければ、先生の大人としての尊厳は保たれます。この程度で、あなた様への信頼は揺るぎません」

 

 私の手に、アカネの手が重なってきた。彼女の掌はしっとり汗ばんでおり、緊張を帯びた体温が私の心拍数を上げていく。レンズ越しの瞳は美しく透き通っていたが、じわりと滲む情欲の火が私の瞳孔を焼いた。

 

「今の私は、メイドの役割を纏っていません。ご主人様への無礼は承知ですが……」

 

 耳から入り込んだ言葉が、脳内をぐるぐる駆け巡る。

 

「いかがですか?」

 

 

 

 ――3万円(・・・)前払い(・・・)で……♡

 

 

 

 甘い囁きが理性を揺るがし、首元をくすぐる髪の柔らかさが道徳心にヒビを入れる。蠱惑的に微笑むアカネは頬を赤らめ、「準備はできています」と言わんばかりだ。

 

 一歩引いて奥ゆかしいアカネが積極的なのは、メイド服を脱いで若さの象徴たる制服に身を包んでいるからなのだろうか。食べごろの色香が首筋からふわっと漂い、キヴォトスに来て以来すっかりご無沙汰だったオスが目を覚ます。

 

(いやいやいや、ダメでしょ! 相手は生徒なんだから――)

 

 必死にアラートを鳴らし、理性が警告する。だが、ふっくらした質感の唇に視線が吸い寄せられ、ポケットの財布が脳裏をよぎる。

 

 

 ――むにゅっ♡♡

 

 

 理性の綱を握る私に、暴力的な柔らかさが押し付けられた。肩が触れあい、腕を取られている。シャンプーに混じる、ミルクティーのような匂いを吸い込んだ途端、頭がくらっとした。

 

 骨の髄からメイドであるアカネは、いつもかいがいしく私に尽くしてくれる。その忠誠心には微塵も疑いを持たない。だが、あの丁寧な佇まいの裏に秘められた情熱を仄めかされると、そのギャップが私の心に地震を起こす。

 

(諭して、止めさせないと。アカネは大切な生徒なんだ……)

 

 先生としての責任が頭をかすめる。生徒を守り導くべき立場である私が、流されるまま欲望に身を委ねてしまっていいわけがない。アカネの清らかで柔和な笑みが浮かび、胸が締め付けられる痛みを覚えた。

 

 だが――

 

「…………」

 

 私は財布から、ありったけの紙幣を引っ張り上げていた。

 

 一万円札が、三枚。

 

 この状況を予期していたかのような懐具合だった。アカネの目が一瞬見開かれて揺れたが、しばらく私の顔を覗き込み、すぐに満足げな笑みを浮かべる。

 

 渡したら、後戻りできなくなる。一瞬、引き返すことを考えるが、しっとりした唇やスカートから伸びる長い脚への後ろめたい期待感に抗えない。手の震えが止まらず、彼女の掌に、私の躊躇が吸い寄せられていく。

 

「こッ……これで……!」

「!!」

 

 アカネの肩が小さく跳ねた。三枚の一万円札を前に、頬がわずかに硬直する。私をじっと見据えていた瞳も、居所を求めて泳いだ。

 

 しかし――

 

「……はい、いったんお預かりいたします♡」

 

 冷静沈着なエージェントの狼狽はほんの刹那だった。声に一瞬の硬さが混じったが、穏やかな笑みがその痕跡を優しく覆い隠す。

 

 痙攣と見まごうばかりに震える私の指先から、アカネはそっと紙幣を受け取った。私の意思表示の反芻でもしているのか、角を揃えて丁寧に紙幣を折り畳み、パツパツに張り詰めたブラウスの胸ポケットへしまっていった。そのしぐさに、私は、開放感すら覚えていた。

 

 取返しのつかない取引だった。私は欲望に屈したのだ。諦めのような脱力感が四肢へ広がっていく。川を堰き止めていた水門が開いたように、私の股間は急激に熱を帯び始めていた。

 

 

 * * * * *

 

 

3.理性を吸い上げる乳穴

 

 

 真紅のベッドで、3万円を渡した瞬間の震えがまだ手に残っていた。新雪のように真っ白なアカネの頬が、血色良く染まっていく。跨いではならない一線を跨いだ自覚は彼女にもあるようで、熱っぽい視線は静かに揺らいでいた。

 

「では〝先生〟……どうぞ♡」

 

 わざとらしく、危うさを匂わせる呼び方で囁き、アカネが私の手を導いていく。行き先は考えるまでもなかった。だが一方的に引っ張るほど力は強くなく、むしろ私を探っている。添えられた指がきゅっと手の甲をなぞり、慈しむ瞳が本能を誘う。

 

 手を引かないと――そう考えたはずなのに、肘に力が入らない。

 

 

 ――ふにっ♡

 

 

 存在感の強すぎるバストに私の手は覆い被さっていた。思惑どおりになっているとは分かっている。往生際の悪い理性がなおも足掻く。背後から必死に欲望を引っ張っているが、ふっくらしたカーディガンに指が沈んだ瞬間、アカネが切なげな息を吐き、抵抗がまた緩んでいく。

 

「ふふ……♡」

「よ……よかったよね?」

「ええ。先生は私をお買い上げになった(・・・・・・・・・)のです。お好きになさってくださいませ。今は――いえ、こうなった以上、もう先生のアカネ(・・・・・・)ですから♡」

 

 〝先生の〟を強調すると、唇の端をきゅっと吊り上げ、アカネが私を促してくる。欲情の赤に頬は上気し、彼女の声には抑えきれない期待が滲んでいた。

 

 ウールの手触りの下に、ずっしりと重みがある。おそるおそる下から掬い上げてみると、彼女の肩に四六時中かかっているであろう負荷が掌にかかった。

 

 指の腹に感じる硬さは、ブラのカップだろう。だが、指を押し込んだらそのまま帰ってこなくなりそうなぐらいにふかふかで、思わず顔を埋めたくなる。きっと、優しいアカネならそうさせてくれるはずで。

 

 ちらりと視線を上げると、アカネと目が合った。互いに座っている分、顔の高さが近い。湿ってツヤを帯びた唇が、花が咲くように開いていく。首元にかかる吐息のくすぐったさが官能的な声色を連想させ、スラックスの内側が苦しくなった。

 

「……先生♡」

 

 

 ――ちゅ……♡

 

 

 手に伝わる幸せな感触に気を取られていたら、柔らかいものが唇に当たった。嘴でつつくようなキスは一瞬で終わり、すぐに距離を取られる。アカネは照れ臭そうに眉根を下げていた。

 

「あっ、アカネ」

「ふふ、また〝既成事実〟ができてしまいましたね♡」

 

 何を、とは問えなかった。胸を触った次は、唇でのキス。一線を越えた接触を念押しするように、アカネの指先が自身の唇をなぞっている。性愛を想起させるしぐさが、理性のヒビを広げていく。

 

「お嫌でしたら、肩を押してくださいね……♡」

 

 唇を濡らす笑みの裏で、アカネの目が不安げに揺れたように見えたが……すぐに自信の輝きが戻る。拒否権を私にパスすると、また彼女は顔を近づけてきた。ここに入ってきたばかりの私だったら、ここで終わりにすることができたはずだったが、近づいてくる体温に、思考が固まっていた。

 

 

 ――ちゅ♡ ちゅっ♡ ちゅっ……♡

 

 

 額を左右に分ける前髪が鼻先にかかってこそばゆい。清潔なシャンプーの香りが濃厚になり、口元が温かい。唇同士が触れあうだけの、親愛の証とも言い張れるキス。だが、離れてはくっつき、くっついては離れを繰り返すそれは、愛情表現というには貪欲だった。

 

 何も感じずにいられるはずもなかった。私の手は操られるようにカーディガンの内側へ滑り込み、つるっとしたブラウスの生地越しに乳房を揉みしだく。一度指先を沈めると、手が勝手に動いてしまう。

 

「ん……んっ……♡」

 

 アカネは鼻から息を漏らし、唇を離した。舌も入れていないのに、唾液の橋が私を繋いでいた。私の掌に膨らみを押し付けるように、ゆるゆると体を揺らす。親指と人差し指がくっつきそうなぐらい指を沈めると、細い胴がぴくりと震えた。

 

「あっ……♡」

「ごめん、痛かった?」

「いえ……♡ 思っていたよりも、先生が大胆で……♡」

 

 熱い吐息交じりの声と共に、潤んだ目が私を見詰めた。フェロモンを思わせる温かい空気が、首筋を撫でていく。彼女が胸ポケットに入れた紙幣の感触が指先に触れ、禁忌の欲望を肯定していた。もう後戻りはできないのだから、いっそのこと開き直ってしまえ――と。

 

「はぁ……♡ んぅ、ん……♡ う、嬉しいです。先生が興味を持ってくださって……♡」

 

 空調の音を、悩ましい吐息が掻き消していく。指を押し返す弾力が心地よく、薄いブラウスの生地ごしに感じる温もりが、彼女の存在を強調する。胸元のリボンやスカートの襞が私の手つきに合わせて揺れ、触れている相手が大事な生徒であるという事実を突き付けてくる。

 

 アカネの胸を揉む手に力が入る。そのたびに、性欲を全身からかき集めたペニスがガチガチに硬くなり、股間に不自然な隆起を形成する。息が荒くなるのも抑えきれず、教え子の体に溺れていく。

 

 せめて嫌がるそぶりでも見せてくれれば、理性が反撃に出ることができそうなものだ。しかし、身をくねらせる彼女はボディタッチに呼吸を乱し、この背徳の時間を楽しんでいる。

 

「……あっ、先生♡」

 

 アカネが含みのある笑みを浮かべた。胸を揉む手に添えられていた指が私の膝に落ち、腿を登ってくる。

 

 脚の付け根へ辿り着いた指先は、数秒の躊躇の後、そっと丘の頂点に旗を立てた。

 

「こんなに硬く膨らませて……♡」

「…………」

 

 弁解の余地は紙一枚ほどもなかった。アカネは指の腹で、テントの頂点を撫で擦る。どこにソレがあり、どこから生えていて、太さはどれぐらいなのか、探りを入れられている。微弱な刺激が走るたび、海綿体を浅ましく膨らませたペニスがぴくんと跳ねた。

 

「ここ、男の人の〝一番正直な所〟ですよね? 興奮すると大きくなって、硬くて太いのに、気持ちよくされちゃうのには弱くって……ふふ♡ うふふ……♡」

「あっ、アカネ、あっ……」

「……ご指示を下さいませ♡ 私をお買い上げになったのですから♡」

 

 アカネの指が、膨らみを下から上へ撫で上げた。情けない声と共に、腰がガクッと跳ねた。反応しています、と肉体で雄弁に答えてしまう。

 

 彼女の口ぶりは私の主導権を尊重しているようだったが、明らかにペースは向こうの手に握られている。指示を下さい、なんて丁寧な言葉で飾られていても、遠回しにおねだりを求められている。背徳感が晴れないよう、既成事実を突き付けながら。

 

「さぁ、先生……お願いいたします♡」

「うぅ……う……!」

 

 

 ――むぎゅうっ……♡

 

 

 私は張り詰めたブラウスを、ぎゅうっと握り締めていた。薄布一枚越しでも伝わるこの柔らかさ。底なし沼にも思える深さ。巨大なシフォンケーキを思わせるソフトな厚みに、ずっしりした重量。スラックスの中で、磁石に引かれるようにペニスが持ち上がる。

 

(生徒に手を出すなんて……)

 

 その罪深さを、頭では分かっている。だが、その「頭」を、期待に満ちたアカネの目が揺るがしてくる。誘いに乗れば、きっと彼女は喜ぶだろう。

 

 理性と欲望の死闘はまだ続いている。だが鼓動は高鳴り、「相手が生徒だからこそ」なんて、思い浮かべることすら罪深い思考が漏れ出てくる。

 

「先生♡ 私が忠実なメイドでもあることは、ご存じのはず。何なりとお申し付けくださいね……♡ 誠心誠意、尽くしますから……♡」

 

 かりっ♡かりっ♡と先っぽを甘掻きされ、我慢の鎖がギシギシ軋む。アカネの指がテンポを上げていく。呼吸が大きくなり、彼女も肩を揺らしていた。

 

 尿道の中身を満たす先走りがパンツを湿らせていく。それすらもアカネには悟られているのかもしれない。そんな彼女も、吐く息は浅く、肩を小刻みに震わせていた。

 

(ううっ、でかくてフカフカ……アカネなら、頼めば絶対やってくれる……)

 

 言葉どおり、普段は従順なメイドである彼女への信頼が、私のためらいを溶かしていく。アカネの瞳は慈愛と好奇心に満ちていて、私を甘やかそうと手招きしていた。

 

 ……だが、最後の一線を踏み越えるわけにはいかない。私は先生なんだから――

 

 

 ――ぎゅうっ♡

 

 

「おふッ!!」

 

 幹を握られて、こすこすこすっ♡と上下にしごかれる。甘い電流が背中を駆け上がり、ひとりでに腰が浮き上がった。印籠よろしく掲げた最後の抵抗は、彼女に届く前に打ち砕かれてしまった。

 

 

 ――ごしっ♡ ごし♡ ごしっ♡

 

 

「あっ、おぉぉぉ……」

「いかがですか?♡」

 

 残されたのは、どろりとした肉欲と、強烈な疼きを放つ欲求不満だけ。脳が肉欲に乗っ取られる瞬間を、私はどこか他人事のように傍観していた。

 

「あっ、アカネ……お願い。ここ(・・)で……いい?」

「はい……かしこまりました♡」

 

 絞りだす私の声を聞き届けると、アカネは満足げに頷き、ブラウスのボタンに指をかけた。皺のできないほどに張り詰めた布地が軋む音を立て、ぷちっ……とその拘束を緩めていく。

 

「服は、このまま(・・・・)の方がよろしいでしょうか?」

「うっ、うん」

「ふふ♡ そうおっしゃると思っていました♡」

 

(うぉ……!)

 

 真っ白な肌がちらりと覗いたと思えば、みっちり深々としたIの字の谷間が姿を見せた。メイド服姿でもサイズは隠れていないし、バニー姿では柔らかそうな膨らみを惜しげもなく揺らしていた。それでも、学校に通うための制服、その内側から出てきた大ぶりな乳肉の淫靡な迫力に、私は音を鳴らして生唾を飲み込んでしまった。

 

 三つ目のボタンホールが解放されると、白いレースに縁どられた下着が見えた。押し込められた豊乳がフロントホックに食い込み、アカネが胸を張ったら高そうなブラが千切れ飛んでしまいそうだ。私の視線が谷間に釘付けになっているのを確かめると、彼女はゆっくりと、ホックを外していく。

 

 

 ――ぷちっ……ぽろん♡

 

 

 アカネとすれ違うたびに香っていた、ほのかな甘さを帯びたミルクティーの匂い。それが、ブラの内側から立ち上った。高級なシルクを思わせる肌の白さに、春色が広がっていく。

 

 定規で測ったら7センチはありそうな、大きな乳輪。その中心にはピンと立った粒が、授乳の準備は万端とばかりに自己主張している。

 

「うわ、すご……」

「変では、ありませんよね?」

「う、うん。とてもきれ――あうっ!」

 

 ――むぎゅっ♡ むぎゅっ♡

 

 隠すことを忘れていた勃起ペニスを揉まれ、腰砕けになりそうだった。アカネはすっかり受け身になった私のベルトをするする外し、淀みなくズボンが下ろされる。

 

「うふふ……大きいですね♡ 先生の逞しさに、ドキドキしてしまいます♡」

 

 ぶるん♡と露出したカウパーまみれの亀頭に、熱い好奇の目が注がれる。触られてもいないのに肉竿が仰け反ってしまった。「大人げない」という表現がぴったりで、射精を覚えたばかりの中学生のように、ペニスはガチガチに張り詰め、血管を太く浮き上がらせていた。

 

「これから〝おもてなし〟いたしますが……その前に♡」

 

 フロントホックを外したまま、アカネは外したボタンを留め始めた。ブラで押さえていないとブラウスを閉めるのも大変なようだ。腕で乳肉をみちっと寄せ集め、程なくして首元まで留め直した。

 

「着付けがある程度整っていた方が、先生は嬉しい(・・・・・・)ですよね?」

「…………っ」

 

 私よりも先に、ペニスが頭を振った。

 

 上から三番目のボタンホールだけが開放され、乳脂肪の海が覗く。膨らみの頂点には乳首の粒がくっきりと影を作っていた。今しがた見せられたばかりの裸が、薄布一枚の向こうにある。そう思うと、激しい運動をした後みたいに心拍数が上がった。

 

 「見えない」という状況は「見たい」という欲求を呼び起こす。きっとアカネにはそういう思惑があったのだろう。裸のおっぱいを見せびらかすだけ見せびらかし、ズリ穴以外は塞いでしまったのだから。その思惑どおり、瞼の裏にはピンク色の乳首が焼き付き、ペニスははちきれそうになっていた。

 

「私からではよく見えませんので、先生から挿れていただけますか? こちらへどうぞ……♡」

 

 カーペットに膝をつき、アカネが私の脚の間に割り込んできた。

 パツパツに張り詰めたブラウスの穴が、亀頭に近づいてくる。

 

 

(あぁ、アカネのおっぱいに食べられちゃう……!)

 

 

 捕食される。

 突き入れたら戻れなくなる。

 それが分かっているのに、私はふわふわの乳布団を目掛けて、自ら腰を浮かせていた。

 

 

 ――もぢゅっ♡

 

 

「っ、ン゛!」

 

 肉を割り開く感触と、スライムに吞み込まれる感触と、どちらの方が近かっただろう。そんな感想を思い浮かべようとしたら、私の肉竿は根元まで咥えこまれていた。

 

「あら、あんなに長かったおちんぽが、すっぽり埋まってしまいましたね♡」

「お、おぉ、深っ……狭いっ……」 

 

 正面から縦パイズリで挿乳したのに、亀頭に胸骨の当たる感触はない。そこにあるのは、温かく蒸れた肉が四方八方から締め付けてくる乳圧地獄。何という深さだろうか。

 

 ミルクで膨らませた風船のような乳肉は、空気の侵入も許さないほどにみっしりと怒張へ吸い付き、幹を甘く絞り上げてくる。ただ「入れている」だけなのに、腰が歓喜に震えてしまう。

 

「ハニートラップの訓練は十分に積んでおります。初めて実践する相手が先生で、光栄です♡ ご賞味くださいね……♡」

 

 

 ――ずりゅっ♡ ずりゅ♡ ずちゅっ♡ たぷ、たぷ、たぷっ♡

 

 

 互い違いに擦り合わせたり、胴を前後に揺すったり。ブラウスに押さえつけられてぎゅうぎゅうの隙間で、敏感な勃起ペニスが蹂躙される。アカネは左右から乳房を潰してさらに乳圧を高め、くねくねと身を捩って立体的な責めを展開する。

 

「は、っ、あぁっ……ううっ、おっぱいきついっ……くぁ、引っこ抜かれる……」

 

 先走りがドバドバ漏れ出し、極厚の肉布団が滑らかになっていく。互いの境界線が溶かされて、そのままペニスがアカネに奪われてしまいそうだ。

 

「こんなに太くて強そう(・・・・・・)なおちんぽなのに、先生は本当に、ここが弱い(・・・・・)のですね♡ びくびく震えて、気持ちよさそうです♡」

「いっ、言わないで、アカネ……」

「それに……ふふっ、先生が悩ましい声で鳴いてしまうなんて。きっと、私しか知らないお姿……♡ もっと、アカネに見せてください♡」

 

 すべすべもちもちの肌が、ふっくらした皮下脂肪の柔らかさを纏っている。余裕たっぷりに笑みを浮かべるアカネは、重そうな着衣おっぱいを持ち上げて捏ね回す。

 

 

 ――ぬぷっ♡ ぬちゅ♡ たぱん♡ たぱん♡

 

 

 男の武器でありながら弱点でもあるペニスが、一方的に嬲られる。欲に負けた私は成す術なく腰をヘコつかせ、蕩けた息を吐くばかりだ。

 

 ズリ穴で咀嚼される陰茎が、ネバついた粘液に濡れていく。汗で微かに引き伸ばされたそれは、とめどなく溢れ続けるカウパー氏腺液だ。

 

「は~っ……あ、あっ……」

「先生? どんどん硬く、張り詰めていますよ?」

 

 わらび餅のようにぷにぷにの弾力が、圧倒的な体積で亀頭を押し潰し、ぬめりに任せて擦り上げてくる。裏筋や傘裏も柔肌に包まれ、乳穴の奥でもみくちゃにされる。どぷっ♡と濃厚な先走りが漏れ出し、そのままぶちまけてしまいそうだ。

 

 

 ――ぐちゅっ♡ ぐちゅ♡ ずりっ♡ ぞりゅっ♡ にゅぶ♡

 

 

「あっ、ダメ、アカネ、そこばっかりしたら」

「先端が特に敏感なのですね♡ 教えてくださり、ありがとうございます。ここを、ふふっ♡ いっぱいご奉仕いたします♡」

 

 アカネの手に支えられて、乳肉が縦横無尽に踊る。硬く尖った乳頭が、パイズリの挙動に合わせて布地に擦られているのが見える。彼女も甘い鼻息を漏らしていた。

 

 生徒が性感を覚えている――救いがたいことに私は、そんな光景に火照った頭をますます熱くしていた。

 

「……先生?」

 

 肩に手を添えた私を見て、アカネは小首を傾げた。だが、蕩けた頭で何も考えられず、腰の奥からせり上がってくるドロドロを吐き出したい一心で、腰を揺する。

 

「あ……あっ……♡ 先生……♡」

 

 ばちゅ、ばちゅ、とペニスを叩きつける。ズリ穴は深く、壁まで届かない。子宮はそこにないはずなのに、射精欲求一色の哀れなオスは乳肉と膣肉の区別もつかず、ヘコヘコと浅ましくピストンする。

 

「もしかして、お射精がしたいのですか?」

「うッ、うん、イきたいっ、はっ、はっ、アカネのおっぱいっ、ううっ、うっ」

 

 

 ――ずちゅ♡ にゅる♡ たぷん♡ もちゅっ♡

 

 

 躊躇なく答えた自分に気づいたのは、五往復ほど情けないピストンを繰り返した後だった。

 

「……では、ぎゅうっ♡と抱き締めさせていただきます♡」

 

 もうダメだ。火が点いてしまった。

 

 大人のあるべき姿を投げ捨て、息を荒げてピストンする私を見て、アカネは柔肉のハグを強めた。全方位から襲いくる甘い圧迫感。溢れる歓喜のカウパーに精子が混じり、軽い射精感が断続的に訪れる。文字どおりそれは射精の先走りで、「イきたい」と口にした途端、猛烈な衝動がせり上がってくる。

 

「……もうすぐお射精ですね♡ おちんぽがガチガチに張り詰め、ぐつぐつに煮えたお精子が〝びゅ~っ♡〟と……♡」

「あっ、はっ、あ、出る……出るっ……!」

「それにしても……」

 

 正面から肩を預け、アカネが体重をかけてきた。

 

「生徒の見本になる先生が、制服姿の生徒に、ここまで昂りを露にしてしまうなんて……ふふっ♡」

 

 

 

 

 

 ――いけないんだ♡

 

 

 

 

 

「ア……!!」

 

 耳元で囁かれた揶揄いに、トリガーが引かれた。ベッドから尻が浮き上がる。

 

 

 ――どぷっ♡ びゅぐっびゅるるるるるっ♡♡

 

 

「おぅッ! ぉほァ……」

 

 乳穴に突き刺した肉茎が、弾ける。ドクドクと脈打ち、生徒の乳肉に射精する。ゼリーのような密度の精液が鈴口をこじ開け、熱を放っていく。

 

 大量に放たれる白濁液の全ては乳脂肪の牢獄に閉じ込められ、外に出てこられない。だが、アカネが乳肉を捏ね回して追い撃ちをかけると、ブラウスへ淫靡なシミが広がっていく。制服を汚してしまった背徳感に、濃い塊が尿道を押し広げていった。

 

 

 ――びゅるっ♡ どぷっ♡ ぶぴっ♡ ぴゅくっ♡♡

 

 

「ご遠慮なく、お出しください♡ 先生がお買い上げになった生徒(・・・・・・・・・・・・・・)の谷間に、た~っぷり……♡」

「あ、煽らないで……うぅ、まだ出る……」

 

 

 ――ぶびゅ♡ どく……どく……♡

 

 

 秘めた肉欲を暴く言葉に、吐精の勢いが上がる。アカネが軽く前後に体を揺すると、尿道に残っていた残滓も、ぢゅうぅ♡と搾り出される。

 

 そのまましばらく、ずりゅっずりゅっと乳コキは続いた。乳拷問に嬲られたにもかかわらず、私は下腹部をアカネに押し付け、射精の余韻に仰け反っていた。何も出てこなくなってようやく……私はベッドのスプリングに体重を預けた。

 

「……凄い量♡ 乳内(ナカ)がたぷたぷで、おっぱいも喜んでいます……♡」

 

 

 ――ぬぽぉ……♡

 

 

 搾精パイズリの蜜穴から、さんざんに弄ばれたペニスが抜き取られる。乳穴の入口から白い糸が長く伸び、たわんで切れて、ブラウスの腹を汚す。

 

「う……あ……」

 

 半ば放心状態で見上げると、天井の鏡が、私の蕩けた顔を映し出している。それと、私の肩に顎を乗せたアカネの背中。のぼせた頭で呼吸を整えるにつれて、生徒に欲情し、胸の谷間に劣情を吐き出した現実が頭を冷やす。

 

「お疲れ様でした、先生……ん♡」

 

 

 ――ちゅ♡ ちゅる……♡

 

 

 私の肩から顎を下ろすと、アカネはそのまま唇を重ねてきた。半開きの私の口へ、今度は舌まで入れてくる。舌遣いは優しいが、決して放してくれなさそうな貪欲さが、息遣いの中にうっすらと感じ取れた。

 

 送り込まれてくる唾液はほのかに甘く、その味を確かめると無意識に私の喉はそれを嚥下してしまう。飲ませた分の交換とばかりに、私の口内から唾液を掬い取り、舌を引っ込めて呑み込んでいく。

 

「は、ン……♡ はふ……♡」

 

 貞淑なアカネが、こんなに情熱的なディープキスを仕掛けてくるなんて。せっかく覚めかけてきた頭が、再びふわっと浮かされる。あぁ、アカネはこれが狙いなのに違いない。私の欲情を冷まさないよう、火を入れ続けて……。

 

 

 

 * * * * *

 

 

4.お仕置きさえも、掌の上

 

 

「ぷは……♡ 先生、ご覧ください♡」

 

 ベッドに登り、私の目の前に人差し指を突き付けると、アカネはその指で視線を誘いながら、ブラウスのボタンを外し始めた。清らかな白を汚したシミが、青臭さを放っている。

 

 

 ――むわっ……♡

 

 

 薄布の裂け目が広がり、私を搾り取った乳房が晒される。むせ返るようなメスのフェロモンが、精臭と混じり合って鼻を刺した。

 

 重力に引かれててろっと流れた、真っ白な特大ミルクタンクが二つ。その間に、ネバついたザーメンブリッジが幾筋もかかっていた。あまりの粘度に垂れ落ちていかず、アカネの肌にへばりついている。

 

「触りたそうになさっていますね♡ どうぞ♡ 先生の(・・・)おっぱいですよ♡」

「あ……っ」

 

 イエス・ノーを告げる前に、カーディガンの内側ではだけるブラウスへ私は自ら手を滑り込ませた。ナマの乳肉に指がずぶずぶ沈む。鮮やかなピンクの乳首が、形を変える乳房の頂点で踊った。

 

 

 ――むにゅ♡ ぐにゅ♡ もちっ、たぷ……♡

 

 

 並んだ乳肉を擦り合わせると、私の劣情が谷間で泡立ち、塩素プールのような臭いがぷぅんと立ち上る。指の間からはみ出す大きな乳房を揉みしだいていると、手の中で自由に形が変わる。しっとり吸い付く生肌の質感に、私は思わず溜息を漏らしていた。

 

 アカネはそんな私を見て満足げに余裕の微笑を浮かべていた。だが、乳房の先端へ指を沿わせ、そっと捏ねてみると、眉をぴくりと揺らして甘い息を漏らす。

 

「あ、ん……♡ あっ♡ それを、されますと……♡」

「ど、どうなるの……?」

「ふふっ……私も気持ちよくなってしまいます♡ どうしましょう、そこはちょっと弱くて♡ あまり熱心に責められたら、負けてしまう(・・・・・・)かもしれません……ふふっ♡」

 

 指の間で練り合わされ、葡萄の粒を思わせるサイズの乳首がコリコリ硬くなっていく。関節で挟み込んで上下にしごくと、首元で蝶結びにしたネクタイが、切なげな吐息と共にさらさら揺れた。

 

「はぁ……♡ 先生、お上手です……♡ きもちいい……♡」

 

 熟した色気をまとう女が、睫毛を濡らして喘ぐ。そのシチュエーションに喜ばない男はいないが――相手は教え子なのだ。彼女の身を包む制服が、生徒に興奮する私を直視させる。大量に精を放ったばかりの罪深いペニスが、再びムクムクと鎌首をもたげ始めていた。

 

「先生、こちらも……♡」

 

 乳房を揉み続ける私の手首をそっと掴み、アカネはスカートの奥へ導いていく。手の側面に、紐のようなものが当たった。

 

「えっ、アカネ、これ……?」

「えぇ♡ せっかくなので、冒険してみようと思いまして……♡」

 

 

(学生服の下に、こんなもの(紐パン)を……!)

 

 

 骨盤に引っかかる細く頼りない紐。その結び目を、アカネは私の指に託した。

 

「紐を引っ張られたら、困ったこと(・・・・・)になってしまいます……♡」

 

 カーディガンの裾に半分隠されたスカートが目に入り、眩しい太腿が私に呼びかけていた――「本番はこれからですよ」と。

 

 アカネは自ら下を脱ごうとせず、私のアクションを待っていた。私をじっと覗き込みながら、時々ちらちらと亀頭に落ちている。

 

 私に意思表示をさせたいのだ。紐を引っ張るということは、私がアカネの「そこ」に興味を持っていることを意味する。

 

 

(まだ……今ならまだ、後戻りできるんだから……)

 

 

 砕けた理性が悪あがきを試みるが、もはや無意味な葛藤だった。

 

 制服姿の少女が明らかに私を誘い、「みだらな行為」を求めている。私を男として欲しがっている。求められることを内心で喜ばないほど、私はひねくれていない。

 

 真面目そうな外見の彼女は、ブラウスの隙間から覗く裸体を隠そうともせず、むしろ私に見せつけている。犯されたがっているのだ。

 

 卑怯な自己正当化が、紐を引いた。

 

「あっ……♡」

 

 緩い結び目はあっさり解けた。むちっとした太腿を滑り落ち、じっとり色濃くなった裏地が目に飛び込んでくる。あまりに頼りない布面積しか持たないそれは、水分を吸って重たくなっていた。そっと脇に置いただけで「べちゃっ」という音が聞こえてきそうだ。

 

「うふふっ♡ あぁ、先生に脱がされてしまいました……♡」

「アカネ、その……」

「……いけないことだとは、私も承知しております。先生と生徒が、コトに及ぶなんて、許されることではありません。で……ですが……♡」

 

 ここまでずっと落ち着きを保っていたアカネが、明確に声を震わせた。スカートの裾をつまり、めくりあげる。

 

「はしたなくゾクゾクしている私もおりまして。敬愛するご主人様を弄ぶ罪悪感の一方、この有様(・・・・)も、ご覧いただきたくて……♡」

 

 べとべとに濡れた内股。パールピンクの割れ目は充血してぱっくりと開き、湧き出した淫水が小陰唇の底で滴を作っている。

 

 アカネはそっと指を当て、ヒクつく膣口を晒した。じゅわ……♡と蜜が襞の隙間から滲み出るのが見えた。秘部に注がれる私の視線にも、彼女は濡れた内腿を小さく震わせていた。

 

 

 ――びくっ♡ ぎち、ぎちっ……♡

 

 

 ペニスが角度を上げる。鈴口から先走りが溢れ、とろっと涎のように垂れていく。

 

「先ほど頂いた料金には、本番料金も含んでおりますし……♡」

 

 スカートの襞が下ろされ、カーディガンのポケットをアカネが探る。円形のシルエットが浮かび上がる小袋を差し出すと、彼女はそれを私の手に握らせた。準備されていたということは、ここまで彼女の計画に入っていたということか。

 

「先生さえ、よろしければ♡」

 

 あくまでも、主導権は私に。アカネはそう仕向け、最後の一線を越えさせようとしている。頭ではそれが分かっていたが、私はもう――我慢ならなかった。

 

 

 ――ばりっ

 

 

 小袋をひったくり、乱暴に破く。

 これを着ければ、安全なのだ。

 この関係性には何ら言い訳にならない大義名分を、ペニスに被せていく。

 

「アッ、アカネっ。大人を、こんな風に挑発するなんてっ」

 

 肩を押して、アカネを仰向けにさせた。何の抵抗もされなかった。

 

「い……いけないことなんだよっ。アカネは、生徒なのにっ。あんなに礼儀正しくて丁寧なメイドの君がっ」

「えぇ……先生、誠に申し訳ございません♡」

 

 謝罪の言葉を紡ぎながら、まるで悪びれる様子はない。

 

「こんな悪いことをしちゃうアカネには、お……お仕置きだからねっ」

「まぁ、お仕置き……♡ その硬くて太いおちんぽで、折檻(きもちよく)されてしまうのですね♡」

 

 膝を掴んでも、期待に濡れた目が私を見つめるばかりだ。

 

 彼女の掌で踊らされている。

 それは分かっていても、もう――

 

 アカネの膝を押し開いた瞬間、私の中で何かが弾けた。目の前でスカートがめくれ上がり、乱れたブラウスからはみ出た裸の豊乳が、私を誘うように揺れている。

 

「アカネがいけないんだからね……」

 

 自分にそう言い聞かせて、彼女の腰をしっかり掴んだ。お仕置き――そう、これは彼女が悪いことをしたから仕方のないことなんだ。そう誤魔化す理性を、下腹部にたぎる熱が嘲笑っていた。

 

「…………」

 

 アカネの目が一瞬、罪悪感に泳いだように見えたが、すぐに挑発的な笑みに戻った。

 

 

 ――にゅぶぶ♡ ぐちゅん♡

 

 

「っ~~~~~♡♡♡」

 

 熱く濡れそぼった肉襞が一気に怒張を飲み込み、蜜壺の最奥を突いた。子宮口と亀頭が熱烈なキスを交わす。アカネは声にならない叫びをあげ、体を弓なりに反らした。

 

 

(っあ……肉厚で、すごく締まるっ……!)

 

 

 受け入れた瞬間こそ柔らかかったが、獲物を捕まえたと分かった瞬間、ギチギチに締め付けてきた。

 

 食われてしまう。

 そう錯覚し、反射的に腰を引く。

 

 

 ――ずりゅりゅりゅっ♡

 

 

「お゛……っ♡♡」

「う、っ」

 

 粘膜の摩擦に、二人して熱い息を吐いた。ゾクゾクと背筋を駆け上がる快感に踏ん張りが聞かなくなり、重力に任せて性器が沈み込む。

 

 

 ――ずぶぶぶ……♡

 

 

 膣襞がねっとり絡みつき、肉竿に隙間なく吸い付いてきた。底なしの火照った沼は深々と私を呑み込み、肉厚の襞が亀頭を咀嚼する。ずっぽりペニスを埋没させると、アカネが恍惚とした目で私を見上げた。

 

「あっ、ありがとう、ございます……♡ ここまでしていただけるとは、想定外で……♡」

「……どういうこと?」

「それは、えっと……♡」

 

 アカネは何か、彼女にとってとても重要なことを言いたそうにしていた。だが、半裸を見せるよりも恥ずかしいらしく、首筋までほんのり赤く染め、長い睫毛で瞳を隠してしまう。重ねて尋ねようとしたけれど、ざわめく膣がオスの性欲を急かしていた。

 

 腰を沈めただけで、もう動けなくなりそうだ。

 こんな状態で出し入れを始めてしまったら。

 

 始めてしまったら――

 

 

 ――ずっちゅ……ずっちゅ……♡

 

 

「はっ、あぁ……あ……♡♡」

 

 ざらついた天井が、硬い肉竿を舐め回す。ひとりでに動いてしまう腰が、後ろめたさを削ぎ落していく。膣奥に肉槍を突き立てた瞬間、アカネは眼鏡の奥で目蓋をきゅっと閉じ、うっとりと睫毛を濡らす。

 

 

(とうとう、生徒とこんなことまで――)

 

 

 先生失格の烙印が、一往復ごとに刻まれていく。だが、蜜壺の締め付けが、私を獣に堕としていく。息を荒げ、情けない声を漏らし、ぬるぬるの雌穴に突き込む悦びに、頭が沸騰しそうだった。

 

 眼下に広がるのは、乱れた制服の教え子。着衣の隙間から餅のような巨乳をゆっさゆっさと見せつけ、丁寧な言葉を紡ぐ唇からは、官能的な声が上がり続けている。

 

 「お仕置き」と偉そうに言っておきながら、生徒を犯している。それなのに、燃えるような衝動が突き上げてきて、どんどん怒張が張り詰めていく。アカネは切なげに眉を寄せているが、その口元は悦びの形に吊り上がっていた。

 

「せ……先生? よろしいのですか?」

「何が、っ」

「もっと、きびしくっ……♡ ご指導(・・・)された方が、よろしいのでは……♡」

「あっ、アカネ……!」

「私……先生を誘惑して、してはいけないことをさせてしまいました♡ 太いおちんぽでお仕置きされているのに、悦んでしまっています♡ これでは、反省しない(・・・・・)ですよ……?♡」

 

 吐息混じりの声は微かに震えていた。挑発的な言葉を投げかけながらも、その裏に隠された高揚感が、私の耳にしっかりと響いてくる。お仕置き、反省というワードを呟いた途端、レンズ越しの眼差しが卑猥な悦びに潤んでいた。

 

 息を呑んでいると、腿の裏に何かが絡んできた。アカネの脚だ。声を上擦らせて、なおもアカネが私を挑発する。はぁはぁと息を乱し、口が半開きになっている。

 

「……アカネが、こんなに悪い子だったなんて」

「そうですっ……♡ もっとお叱り(激しくして)いただかないと……♡」

「……アカネッ!」

 

 

 ――どぢゅんっ♡♡

 

 

「くそっ、このっ、反省しなさいっ……!」

「お゛ふ♡ あ゛♡ んあぁぁぁぁっ♡」 

 

 高揚感が、正当化されていく。私は体の底から突き上げてくる支配欲のままに、腰をぶつけた。亀頭が抜け出るほどに腰を引き、一気に奥まで叩きつける。ぱん、ぱん、ぱんと肌の弾ける音が水音に混じり、ベッドのスプリングが軋む悲鳴をあげた。

 

 堕ちていく。

 溺れていく。

 

 

 ――ばちゅっ♡ ばちゅっ♡ ばちゅっ♡ ばちゅっ♡

 

 

「い゛♡ あ゛ぉ♡♡ お゛はッ♡ あぁっ、せんせい、はげしい……♡」

「そうだよっ、お仕置きなんだからっ」

 

 濁りを帯びた嬌声に、頭の奥で最後の理性が砕け散った。乱れた制服のスカートがめくれ上がる。ブラウスの隙間から覗く豊乳がピストンに合わせて上下に弾む。生徒を犯す禁忌が、燃えるような衝動をさらに煽った。

 

「せっ、先生、もっと♡ もっと懲らしめて(・・・・・・・・)、いただかないと……♡」

 

 官能的にねだる声が、なおも私を追い詰める。セルフレームの眼鏡が汗で曇り、普段の丁寧な佇まいが淫らに崩れるギャップも、既に最高潮にある興奮を煮立たせていく。水色の蝶ネクタイが揺れ、カーディガンの萌え袖に半分隠れた手が、この場の関係性を網膜に焼きつけていく。

 

 倫理に反する行いに背徳的な昂りを覚えているのは、きっとお互い様なのだろう。アカネの呼吸はどんどん間隔を狭めていく。腰を持ち上げて喉を晒し、尻肉を痙攣させてもいた。それでも彼女は私を放そうとせず、喘ぎ声の合間に私を煽ってくる。

 

 

 ――ぶちゅっ♡ ばちゅんっ♡ ごりゅ、ごりゅ……♡

 

 

「ん゛おぉぉ……♡♡ お゛おっ、奥、っ……♡」

 

 肉槍を最奥まで押し込み、ポルチオを捏ね回す。背を仰け反らせたアカネが一際大きな声をあげた。びゅっ……♡と噴き出した潮が、結合部の陰毛を濡らした。

 

「どう、アカネっ。反省した?」

「いっ、いえ……まだ、たりません……♡」

「反省しないと、こうだよっ……!」

 

 

 ――ごちゅっ♡ ごちゅっ♡ ごちゅっ♡ ぐり、ぐり、ぐりっ♡♡

 

 

「ン゛、お゛、お゛おぉ♡♡ ア゛♡ イ゛♡ い゛きます、っ♡♡」

「っ……! あ、吸い付き、やばっ……」

 

 子宮口と鈴口が濃厚な口付けを交わし、アカネが下腹部を痙攣させた。膣襞が万力のように締まり上がり、ひくひく蠢く膣奥が裏筋を舐め上げる。亀頭を揉みしだかれて、私にも限界が近づいてきた。

 

「はひ……♡ せ……せんせい……♡」

 

 じっとりと肌に汗を浮かべ、とろんと緩んだ眼差しで、アカネが私を見上げた。

 

「おっ、お口を、ふさがなくてッ♡ よろしいのですか……? また、挑発、してしまいます、よっ……♡」

 

 わずかに身を乗り出し、唾液に濡れた唇から、ちろりと舌が覗く。熱っぽく見詰めるその視線はキスを求めているように見えたが、その真意を考える間もなく、私は唇を奪っていた。……いや、奪わされていたのだろう。

 

 ヌメッた舌を絡ませる間も、アカネの狭くなった肉壺は断続的に収縮し、彼女の吐息が私の耳元で熱く弾けた。私に組み敷かれながら彼女も下腹部を持ち上げ、恥骨を擦りつけてくる。

 

「ン゛♡ ぉ♡ ん~~~♡♡ んっ♡ ン♡ ン゛♡♡♡」

 

 アカネのくぐもった嬌声が、互いの体温を上げていく。密着した衣服が擦れ合う音に、粘膜の摩擦音が重なっていく。シーツの上に投げ出されていた腕が、私の首に巻き付いてきた。

 

 

 ――どちゅ♡ ずぷ♡ どちゅ♡ どすっ♡

 

 

(もう、出る……!)

 

 

 導火線は焼ききれ、爆発の瞬間はもう目の前だ。流れる汗もそのままに、私は夢中で腰を振りたくる。パンパンに腫れた勃起ペニスを、無我夢中で生徒に突き込む。一往復ごとにボルテージが上がっていき――絶頂の瞬間は間もなく訪れた。

 

「っ……ン!」

 

 

 ――ごぽっ♡ ぶびゅうぅぅっ♡♡♡ どぷ、どぷっ……♡♡

 

 

 熱い迸りが尿道を駆け上がり、体外に放たれる。

 

「ぉ゛♡♡ ン゛♡♡♡ んッ♡♡」

 

 首に回された腕も強くしがみつき、絡みついた脚に腰をホールドされる。非力な私が逃げられる道理はなかった。

 

 

 ――どく……どく……どく……♡

 

 

 薄膜一枚の存在をかろうじて思い出し、その事実にかえって安心してしまう。PC筋が弛緩して、睾丸の中身が汲み上げられ、締まりの良い膣肉に搾り上げられる。

 

「ん……♡ ふ~っ……♡ ふ~……♡」

 

 射精が終わり、肉竿の痙攣が収まっていく。灼熱の頂点を通り過ぎた意識が冷めていく所だが――アカネの貪欲な舌遣いが、その火に薪を放り込み続けていた。もぞもぞと私の背中をまさぐり、オーガズムの余韻を私に擦りつけてくる。

 

 アカネの豊満な体は、まだ小さく震えており、彼女がこの背徳の瞬間を深く楽しんでいるような気配が漂っていた。

 

 密着したままだったからか、アカネの肌はしっとり汗ばんでいる。雌臭の色濃くなった体臭が、甘くまろやかに立ち上った。

 

 

 ――ちゅく♡ ちゅく、ちゅる……♡

 

 

 荒い呼吸が落ち着いても、アカネとのキスはなかなか終わらなかった。

 

 

 

*****

 

 

 

5.目標達成(ミッション・コンプリート)

 

 

 天井の鏡には、くたびれ果てた私が映っている。

 

 火が燃え尽きるように興奮が収まった頭で、ここまでを振り返る。

 

 私がつい支払ってしまった3万円は、そっくりそのまま私の財布に帰ってきた。結果的には「ごっこ」でしかなかったわけだが、アカネは「このお金で先生を買います♡」などといって、熱の冷めないうちに二回戦を始めてしまった。スカートの襞で巧みに結合部を隠しながら、乱れた制服で腰を振る彼女にフェチズムを煽られて、そのまま……。

 

 三回戦の火蓋は私が自ら落としてしまった。アカネがだぷだぷの巨乳をシャワールームのガラス面に押し付け、しきりにこちらへ視線を送ってくるものだから、まんまと挑発に乗ってしまった。「一度剥き出しでしてしまったのですから」と、事実を盾にナマハメをちらつかせる彼女に誘われるまま、何もかもを脱ぎ捨てた立ちバックで。ねちょねちょの結合音。濡れた肌のぶつかり合う打擲音。トーンの高い嬌声。それらが混じり合った交尾のアンサンブルがガラス張りの空間に響き、まだ耳にこびりついている。

 

 そこから後はもうよく覚えていなかった。ただ確かなのは、私がアカネと(疑似的な)金銭のやり取りを下地に肉体関係を持ってしまった事実と、ご休憩がご宿泊になって、私に添い寝をする、満ち足りた彼女の笑顔。

 

「ご主人様、やはりお疲れでしょうか?」

「まぁ……そ、そうだね」

 

 バスローブに着替えて、ロールプレイは終わったらしい。耳馴染みの、街中では少々誤解を招く呼び方に変わっていた。

 

「ふふ……熱い時間でした♡ あんなに優しいご主人様も、激しい一面をお持ちなのですね♡」

「……アカネこそ、意外と奔放というか」

「制服姿で少しばかり開放的になりすぎたかもしれませんが……エージェントには慎重さと同じぐらい、大胆さも求められるものですから」

 

 そういうものだろうか、という疑問は呑み込んだ。思えばアカネには(口にしたら機嫌を損ねそうだが)爆弾魔としての一面もあるのだった。何しろ、C&Cへ届く請求書の修繕費の多くは、ネルよりも彼女が原因なのだから。

 

「そういえばさ、潜入訓練って言ってたけど……ここまでするの?」

「いえ、部屋にターゲットを誘い込んだ時点で、訓練としては終了しています。あとは実力行使で拘束できますので♪」

「……え」

「会計は後払い。入って5分以内の退出ならば、キャンセル料を取られることもありません。ですから、そのまま解散していればよかったのですが」

 

 裸眼のアカネが柔らかく笑い、私の胸に顔を寄せてきた。就寝前の髪の束ね方は、制服姿とよく似ている。同じシャンプーを使ったはずなのに、彼女の髪から漂う匂いは芳醇だった。

 

「ダメ元の企てには、どこかでストップがかかると思っていました。信頼できるご主人様にお説教の一つでも頂けば、一時の気の迷いで済ませることもできたかもしれません。ですが……ご主人様が本当にお金を出してしまわれた瞬間、『その先』を求めたい欲が弾けてしまい……♡」

 

 アカネの声が微かに震え、情事の残り火を思わせる赤が頬を染める。私はその言葉に息を呑み、彼女の顔を覗き込む。眼鏡を外した彼女は、普段の冷静さとは裏腹の、どこか無防備な表情を浮かべていた。

 

「ご主人様のフェチズムを知ることができたのは、大きな収穫でした」

「うッ」

「ご安心ください。この秘密は大切に独占し、取引材料の一つにさせていただきます♪」

 

 そう言ってアカネはさらに身を寄せ、抱き着いてきた。柔らかな髪が首元をくすぐり、胸板にふかふかのクッションが押し付けられる。

 

 肩越しに見える壁掛け時計はもう天辺を指しそうになっている。針を刻む音が聞こえるような静けさの中、思い出したことがあった。

 

 とある朝、シャーレで使っている寝室で目を覚ましたら、メイド服のアカネがベッドにいたことがあった。何でも私が寝ぼけて彼女を引きずり込み、抱き枕にしていたらしいが……。

 

 

(意趣返し、なのかなぁ……)

 

 

 ちらり、と片目で私を見上げると、アカネはそのまま目を閉じてしまった。バスローブの裾から伸びた脚が、私の脚に絡みついてくる。

 

 だが、私を試すようなスキンシップはそこまでで、静かな呼吸は規則的になっていき――彼女は寝息を立て始めてしまった。そうなるともう、私も意識を手放す以外することがなくなってしまうわけで。

 

 

 ――今後とも、よろしくお願いします……♡

 

 

 そっと肩を抱き寄せると、アカネが小さく呟いた気がした。

 

 

 

 その後、アカネから「潜入訓練」への協力をたびたび求められるようになり、私は彼女と繁華街で会う関係になるのだが――それはまた、別の話である。

 

 

 

 終わり




感想・高評価など頂けたら嬉しいです。アカネ単体の作品もっと増えて
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