※この作品はR-18です。

ブルアカえっち短編集   作:夜の機動戦士

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ツアーガイド朝比奈フィーナに〝百鬼夜行の夜の風習〟までしっぽりガイドしてもらっちゃった話

 

 旅行に行こう、百鬼夜行――

 

 キヴォトス全土に流れるCMの、定番のフレーズである。

 

 ゲヘナ学園が修学旅行で同自治区を訪れたのがきっかけで、小規模なパッケージツアーが組まれるようになった――とお祭り運営委員会の河和シズコから連絡があったのが、つい数日前。

 

 新たなツアー順路を組んだはいいものの、実際にパッケージを販売する前にテストランが必要とかで、無料でガイドをするので(とどのつまりは練習台だ)百鬼夜行へ遊びに来るよう誘われたのが、三日前。

 

 そして、奇跡的に直近の業務がひと段落して、羽を伸ばせるタイミングができての、今日。「行ければ行くね」という返答が実現されたのは、何か月ぶりだろうか。

 

 百鬼夜行連合学院の雰囲気は、山海経高級中学校と並んで独自性が強い。町の中心を貫く通りには木造の家屋が横並びに連なり、硬そうな瓦がその屋根を覆っている。家屋の間には狭い路地が入り組んでいて、町の奥深くへと誘うように道が続く。

 

「こっちデスよ、先生!」

 

 ガイドを務めてくれる朝比奈フィーナがいなければ、私は道に迷ってしまい、この広大な観光地から出られなくなっていたかもしれない。

 

「今日も混んでマス……」

「以前よりも観光に来る人が増えたんでしょ?」

「そうなんデス! 活気が出るのはいいことなんデスが、ガイドの仕事も忙しくなって……」

「でも、フィーナは嬉しそうだね」

 

 ハイ!と景気の良い返事をして、彼女は目を細めた。百鬼夜行の生徒特有の「目弾き」の化粧が、上の目蓋を赤く彩っている。目を開くと、透き通る青空のような瞳。情熱の赤と純粋さの青を、風になびく金髪が彩を添えて調和させる。普段は高めのポニーテールで結んでいる髪が下ろされているのも、彼女の開放的な魅力を引き立てていた。

 

 そんなキラキラの美しさとは別に――今日のフィーナは目の毒でもあった。

 

 普段着ている彼女の制服――テングとかいう伝説上の存在をモチーフにしたらしい――は、首・デコルテ・胸元がざっくり開いた、それはそれで非常に大胆なデザインだが、幅広の袖や数々の飾り、長い脚を覆うストッキングも根元が幅広で、体のラインを巧妙に隠している。

 

 巧妙に隠している――と感じたのは、ウミカがデザインしたらしいツアーガイドの衣装と対比した結果だ。

 

 秘められていたグラマーな曲線美が、布地で隠したせいで却って露骨になっており、タイトスカートにぴっちり浮き上がった丸くて大きなお尻のシルエットと、黒タイツが艶めかしさを強調する美脚が、後ろ姿でとにかく目立つ。

 

 かといって前を振り向けば、キュートで大きな赤いリボンとは裏腹の〝ドン〟と突き出た豊満なバストが目に飛び込んでくる。はちきれないよう懸命に踏ん張るドレスシャツとジャケットのボタンがスリリングだ。

 

 肌の大半は覆われているが、活発な彼女が動き回るたびに布地に覆われたフィギュアが派手に揺れて、思わず視線を引っ張られてしまう。

 

(……いかんいかん)

 

 私は首を振り、あらぬ方向にいきかけた思考を吹き飛ばした。定期的に不埒な欲を発散していたが、ここ最近の激務が片付くまではすっかりご無沙汰だった。

 

 右を見ても左を見ても、キヴォトスは誘惑だらけだ。「もしも生徒でなかったならば」下世話な興味を抱きたくなる女性は山ほどいる。訳あって17歳の――他の生徒より一回り成熟した――一年生として学校に通うフィーナも、その一人だった。

 

「センセイ! 次のスポットに行きマショウ!」

「……あ、ごめんごめん。って、手は繋がなくても大丈夫なんじゃないかな?」

「人混みではぐれたら大変デス! 確かにツアーの時にお客様と手は繋ぎマセンが……今日ご案内するのは、センセイ一人デスから!」

 

 ぐいぐい来るフィーナが、私の手を取ってそっと引っ張る。ぱっちりした目がからかうように私を見つめて細まり、彼女は八重歯を見せて笑った。

 

 親切心ゆえのはずだ。人助けが好きで義理人情が血に流れる彼女の個性由来なのであって、他に意図はないはず。ただ、指をきゅっと絡めて手を甘く握られると、勝手な勘ぐりが始まってしまう。

 

 結局、百鬼夜行の名所を巡る間も、フィーナは手を放そうとしなかった。

 

 

 * * * * *

 

 

 歩き回った足には軽い痺れのような疲労感が残っていた。でも、畳の香りがする部屋で座布団に尻を受け止めてもらうと、その痺れが薄れていく気がした。

 

 部屋の隅には行灯が置かれ、柔らかな光が畳の上に優しい影を落としている。障子から差し込む光が部屋全体を包み込み、外から聞こえてくる鹿威しの乾いた音が風流だ。

 

「お疲れ様デシタ、センセイ!」

 

 フィーナも、膝を折り畳んで座布団に正座した。賑やかで元気いっぱいな割に、彼女の所作は優雅で、品の良さが漂う。彼女の出身校と目されるトリニティの作法が、まだその身に残っているのだろうか。

 

 観光名所を一通り巡って、旅館で一息。私が希望すれば、今日はこのまま泊まっていくこともできるらしい。その返事を私はまだ保留にしていたが、端末に届いたメッセージの量を計算に入れると、まだ微妙な所だ。

 

「今日のコース、歩く距離がけっこうあったけど、内容も盛りだくさんだったね」

「楽しめマシタか?」

「うん、とっても」

「よかったデス!!」

 

 安堵の息混じりにそう告げると、フィーナの顔にぱあっと大輪の花が咲いた。

 

 夕飯のすっぽん鍋が運ばれてきて、二人でちゃぶ台を囲む。ふわっと立ち上る湯気の下からは、表面に小さな脂の粒が浮いた透明感ある黄金色のスープが視線を出迎えた。ほのかにピンクを帯びた白身は鶏肉のような食感で、旨味が口の中で弾ける。ぷるぷるのゼラチン質が舌の上で踊り、呑み込んだ喉奥が潤っていくようだった。

 

「……あのさ、高いんじゃないかな、これ」

「大丈夫デス! 費用は出してもらってマス!」

 

 ハキハキとフィーナが答え、すっぽん肉に齧りついた。この夕飯は、今日一日頑張った彼女への報酬でもあるのかもしれない。脂をうっすら帯びた唇は白い肌に目立つ。出汁の効いたスープを口にしてうっとりと目を細めると、目蓋の赤い化粧がさらに赤みを増すように見えた。

 

 鍋の締めには欠かせない雑炊もたっぷり頂き、そろそろ膳を下げてもらおうか、と考えた頃に、ちょうどいいタイミングでスズメの女将が片付けにやってきた。

 

「デザートをお持ちいたしました」

 

 丁寧に頭を下げた女将が、盆に載せた二つのグラスをちゃぶ台にそっと下ろした。白いシャーベットのようなもので満たされ、木のスプーンが添えられている。

 

「これは?」

「甘酒シェイクです。アツアツのお鍋を召し上がった後は、ひんやりしたものが欲しくなりますよね?」

「たしかに……!」

 

 手に取ったグラスは、冷凍庫から出したばかりのように冷たい。そこへ、甘酒の芳醇な香りが嗅覚をくすぐり、満たされた胃袋に空きスペースが作られていく。甘酒といえば熱いものとばかり思っていたが、なるほどこれはアリかもしれない。

 

「アッ、女将サン。お食事のお片付けが終わったら、上がって大丈夫デス!」

「承知いたしました」

「お鍋、すっごく美味しかったデス!」

「ふふ……そんなに嬉しそうな顔をしてもらえると、やり甲斐があります」

 

 言葉のラリーが丸みを帯びている。どうやら二人は顔見知りの間柄のようだ。サービスを提供する者同士のはずなのに、フィーナはニコニコ顔で感謝の意を述べ、座礼までしていた。それを横目に、シェイクを掬い取る。

 

「……ん! これは美味しいね」

 

 よく知った甘酒の香りが、食後の口内に広がっていく。この冷たさが体の火照りを鎮めてくれるようで、確かに食後に欲しい味だ。フィーナも満面の笑みを浮かべてデザートを味わっていた。

 

 

 

 * * * * *

 

 

 

 そうして一日の行程が本格的に終わりに近づき、窓際の広縁で椅子に腰を下ろしながら、今晩の選択に思いを馳せる。甘酒の甘さに隠されたアルコールが体を温めていた。普段なら浮かぶ慎重さが雲のように溶けていく。だがその自覚があるうちは、きっと大丈夫だろう。

 

 襖を開けたら奥に布団が敷かれていたし、フィーナ曰く温泉にも入れるらしい。今からシャーレに帰れないこともないが、温泉宿に来ておきながら温泉も宿も楽しまずに帰るなんて、とんでもない機会損失だ。

 

 テストランの謝礼として泊まらせてくれると言っているのだし、後ろめたい思いをする必要もない。それに……頭がふわふわして心地よく、今から電車に乗ってD.U.に帰るなんて億劫でたまらない。

 

「……センセイ?」

「今日、泊まっていってもいいかな」

「! ……ハイ、もちろんデス……♡」

 

 一瞬だけフィーナは目を大きく見開いたが、数秒もしないうちに笑顔を咲かせた。その笑みはどこか緩く、心なしかさっきまでよりも頬の赤みも増しているように見えた。

 

「ご宿泊ということなら、まだセンセイにご案内するものが、ありマス……ふふっ♡」

 

 甘酒シェイクを綺麗に飲み干したフィーナは、グラスをちゃぶ台に置き、ふうっと小さく息をついた。潤んだ青い瞳が、行灯の光を反射して、キラキラと輝いている。座布団の上で少し体が揺れ、膝に手を置くしぐさも、どこか緩慢だ。

 

「……フィーナ、大丈夫? なんかフラフラしてない?」

「えっ? 大丈夫デスよ、センセイ! 甘酒シェイク、美味しいからつい飲みすぎちゃっただけデス……ふふっ♡」

 

 彼女の声はいつもより少しだけ柔らかく、語尾が伸びていた。私はその様子に軽い違和感を覚えつつ、もしかして甘酒のアルコールで、とぼんやり考える。

 

(いや、それはないだろう、多分……)

 

 そう考えて、私もふわふわした頭になっているのに気付いた。体がゆっくり浮き上がるような感覚に包まれ、ストレスフルな考えごとが空の遠くに消えていく。甘さに誤魔化されていた気がするけれども、さっきの甘酒シェイクは随分〝濃かった〟気がする。

 

「センセイは、知ってマスか?」

 

 よろよろ立ち上がったフィーナは広縁の向かいに座り、外の闇に向かってぽつりと呟いた。

 

「知ってるって、何を?」

「夜這い、デス……♡」

「よ、夜這い……?」

 

 その言葉の意味する所が脳裏に浮かんで、頭に氷を突っ込まれた気分になった。驚きと戸惑い混じりに聞き返す私に、蕩けた顔のフィーナがさらに続ける。

 

「夜にこっそり、好きな人のお部屋に行って、朝まで〝しっぽり〟するんデス……♡」

「ちょ、ちょっと、フィーナ……?」

「フゥ……ちょっと、首がキツくなってしまいマシタ……♡」

 

 

 ――しゅる……

 

 

 震える指先がリボンを解く。

 首筋が露わになった瞬間、熱っぽい吐息が小さく漏れた。

 赤いリボンがタイトスカートの上に落ちた。

 

 白手袋の指がボタンを外し、襟元が開く。

 ほんの数センチ開いただけの襟から、お香のような匂いが霧のように漂ってくる。フィーナの香りだった。脳の深い所にじわりとしみこんでくる。

 

「あの、フィーナ、ちょっと……」

「……フフ♡」

 

 彼女の手が伸びてきて、手首を引っ張った。昼間にそうしたように、私の手を引いて立ち上がらせる。

 

「さ、お布団に行きマショウ♡」

  

 襖の向こうに敷かれた布団が視界に入る。それが一人用でしかないことに気が付いたが、「あぁ、それはちょうどいいな」なんて、ぼやけた頭が杜撰なOKを出してしまう。間違ったことをしているのではないか、という問いが一瞬浮かんだが、水面で弾ける泡のように消失した。

 

 フィーナは私の腕に軽く凭れかかりながら、耳元で囁いた。

 

「大丈夫デス……ちゃあんと〝おもてなし〟シマスから……♡」

 

 その声は妖艶な甘さと、誘う響きを帯びていた。手から伝わる温もりが心のガードを下げ、腕に感じるふっくらした柔らかさが、理性を脱がせていく。

 

 私は手を引かれるままに布団へ連れていかれ、妖しい眼光をたたえたフィーナに、そっと押し倒された。

 

 

 * * * * *

 

 

 

 よく干された布団の上には、酩酊感を高める香りが混ざり合っていた。

 畳の匂い。木の匂い。

 顔に降りかかる金髪から香る、白檀の匂い。

 ジャスミンの花を思わせる香水。

 歩き回った一日の、微かな汗の匂い。

 そして、唾液に残る甘酒の発酵臭。

 そのどれもが、入れ替わり立ち替わり、嗅覚を愛撫する。

 

「ン……♡ っふ♡ はふ……っちゅ……♡」

 

 フィーナは私に折り重なり、さっきから私の舌を貪っている。

 

 唇が触れあったその瞬間こそ、頭の芯で警鐘が鳴った。だが、二度、三度と唇を食まれた途端、網の目を零れ落ちるように、禁忌への躊躇が溶けていく。

 

 フィーナの舌遣いには慣れが感じられた。

 

 女生徒同士で関係を持つことがキヴォトスでは珍しくないと聞く。ピュアに見えて、意外と「やることはやっていた」のだろうか。あるいは、任侠映画好きな彼女のことだから、映画で濡れ場をたくさん見てきたのかもしれない。

 

 ――ぢゅ♡ ちゅる♡ ちゅぴ……♡

 

 さらりさらりと顔をくすぐる金髪を、時折フィーナが掻き上げる。陽気な彼女が見せる婀娜なしぐさが、思考力を奪っていく。

 

 吐息が唇に絡みつき、重力に従って口内に唾液が落ちてくる。その甘さは、先程の甘酒シェイクの残滓なのか、彼女の情熱の味なのか。

 

「……センセイ、どうデスか?」

 

 気持ちいいですか、と問われている。小さく頷いた後に、NOを告げなければならないはずだと気づいた。

 

「嬉しいデス♡ もっと、〝仲良く〟シマショウ♡」

 

 そしてまた、ねちねちと粘膜の絡み合う音が積もっていく。酔いが深まるにつれて頭が軽くなっていき、腹の底から動物的な欲求が膨らんでくる。胸板にのしかかる分厚い膨らみや、腰を挟む太腿のむっちりした弾力が、私を拘束していた。

 

 身動きの取れない中で、身動きを取ろうとするものがあった。悟られてはならないはずの肉欲が形を取って膨らみ、下腹部に当たる。その先にあるものを下半身で想起して、血液がぎゅうっと海綿体に集まっていく。

 

「……アッ♡」

 

 体を擦りつけてくるフィーナが、それに気付かないはずがなかった。布地越しに子宮を押し付けるように、体重をかけてくる。決して重いわけではないが、性器にかかった圧力に、思わず腰が持ち上がった。その様に、彼女の唇が吊り上がる。

 

「センセイ、ここがお元気デスネ♡」

 

 ぐいっ、ぐいっ。フィーナが腰をくねらせ、ペニスを圧迫する。重そうな尻を持ち上げてはトントン落としてピストンする。そのリズムにオスの本能が揺り動かされる。

 

 ようやく離れていく唇からは、銀糸が長く伸びた。フィーナは唇を濡らす唾液を味わうように舐め取り、嚥下する喉の蠕動を私に見せつける。私の唇をたっぷり味わって、ご満悦だった。

 

「サービスしないと、いけマセン……♡」

 

 フィーナは私の胸元から体を起こし、跨ったままゆっくりと姿勢を正した。金髪に挿しこまれた赤のメッシュが、行灯の光を受けて艶めく。

 

 彼女の指がジャケットのボタンを外し、張り詰めていた生地が弛緩する。それから、ドレスシャツのボタンに指がかかり、一つ、一つ、焦らすように外し始めた。

 

「……特等席で、ご覧くだサイ♡」

 

 歯を見せて笑うフィーナ。よく通る声は甘い誘惑の丸みを帯びていた。

 

 彼女の言葉どおりの絶景が目の前で展開される。デコルテが露になると、鎖骨のすぐ下からもう谷間が始まっていた。情熱的な赤いブラに閉じ込められた乳房は息苦しそうにみっしり詰まり、解放の時を待ち望んでいる。

 

「ブラジャー、似合ってマスか?」

「……うん、凄くセクシーだ」

 

 考える前に舌がそう答えていた。バラの花を思わせる刺繍がカップにあしらわれている。匂い立つ高級な色香に見合うだけの、リッチなデザインだった。

 

 シャツのボタンを最後まで外し終えると、フィーナは両手で襟を掴み、左右に広げた。大きさを誇示するように胸を張ると、指先で私の視線を惹きつけ、フロントホックを外しにかかる。

 

 

 ――かちっ

 

 

 部屋の静寂に、留め具の外れる音がくっきりと浮かんだ。カップがほぐれて、釣り鐘型の乳房が重力に逆らうように弾む。ゆさっ……と空気を掻き混ぜる音まで聞こえてきそうだった。

 

「……ふふ、チューしてたら、ワタシも大きくなってしまいマシタ……♡」

 

 百鬼夜行に咲く桜の花弁のような乳頭が、先端でピンと尖っている。硬く存在感のあるそれは、部屋の薄明りを受けて艶めかしく私を誘っていた。

 

 裸を見てしまった。今後どのような形で彼女と会うとしても、私はきっとこの色、大きさ、質感や、膨らんだ乳頭が小指の先ほどのサイズだということを、思い描いてしまうだろう。

 

「センセイ、サービスする前に、ちょっとだけ……いいデスカ?」

 

 大迫力の巨乳が視界を埋め尽くす。フィーナは私の頭をそっと両手で抱き寄せ、深く厚いクッションへ沈めた。ジャスミンの香水、白檀の香、それから湿り気を帯びた肌の匂い。顔全体を包み込む柔らかな熱が、思考力を奪っていた。頬の中央にコリっとしたものが当たり、その摩擦に鼻を慣らした声が、頭上で甘く響いた。

 

「ココにも、チューしてほしいデス……♡」

 

 双子の特大ミルク風船で私の顔をもみくちゃにしながら、フィーナがねだった。額から顎まで、むちむちの肉感に包み込まれる。

 

 餡子がぎっしり詰まった大福のような、弾けるほどに張ったわらび餅のような、弾力豊かな乳肉が、私の呼吸を奪う。喘ぐ鼻呼吸が荒くなっていく。その柔らかさの中で存在感を放つ硬さが唇に当たり、私の頭を抱く力が強くなった。

 

「お願いしマス……アッ♡」

 

 

 ――ちゅ……♡

 

 

 軽く唇で挟み、そっと吸う。甘い声があがった。

 

 指先大の乳首を口に含み、舌先でゆっくりと転がす。下から上へ舐め上げ、求められるとおりに吸い付くと、甲高い嬌声が部屋を満たしていく。

 

 

 ――むにゅっ♡ ふに♡ ぐにゅうっ……♡

 

 

 顔にかかる重さを押しのけるように私は釣鐘型の豊乳を掴み、手の中でとろける柔肉を楽しんだ。一線を越えている自覚はあったが、どこか他人事のようにそれを見詰める自分がいた。

 

「ンっ♡ アッ♡ センセ、っ♡ もっと……♡」

 

 フィーナの湿った声が耳元が甘く響く。ズボンの中で屹立したペニスが硬さを増していく。

 

 硬く尖った乳頭を唇で挟み、唾液を塗り付けながら、音を立てて吸い上げる。フィーナの手は私を褒めるように後頭部を撫で、髪の毛に指を絡ませてくる。腹の上で彼女が腰をくねらせているのが伝わってきた。

 

「センセイ、ワタシも触りマス……♡」

「……っ」

 

 細い指が、布地越しにペニスをくすぐり始めた。指先がゆっくりと上下に滑り、もどかしい刺激を与えてくる。

 

「もう少しグツグツしたら、おっぱいでサービスしてあげマス……♡」

「ぁ……」

「長くって、太いデス♡ フィーナのIカップでも、はみ出ちゃうかもしれマセン……♡」

 

 はみ出るかもしれない。つまり、「包み込める」自信があるということだ。明らかにされたカップ数の申告は男の好奇心をくすぐり、心拍数が上がっていく。

 

 囁きながら、フィーナは指の動きを速めていく。根元から先端へじわじわ登り、まるで精液の通り道を均しているようだった。

 

 裏筋を探るように爪で引っ掻いてきたかと思えば、睾丸を掌できゅっと握ってきたりと、目に見えない所でペニスが弄ばれる。生徒の手だというのにもかかわらず、飼い主に甘える犬のように、亀頭が持ち上がり、指先の愛撫を乞うていた。

 

 

 ――こすこす……かりかりかり……♡

 

 

(あぁ、ヤバいかも……!)

 

 裏筋の縫い目を暴き、フィーナが執拗に掻いてくる。官能的な吐息で私の耳を犯し、口の中で乳輪ごと硬さを増していく乳首で、自身の昂りも伝えながら。

 

 絶え間なく快感神経を苛むのは弱い電流なのに、私はすっかり追い詰められていた。射精欲が煮え始め、焦燥感が上ってくる。

 

「あっっ……フィーナ、うっ……」

「どうしマシタ、センセイ?」

 

 たまらず顔を離すと、そこにはからかうように唇を吊り上げ、妖艶な笑みを浮かべるフィーナがいた。

 

「もしかして……出したくなってしまいマシタか?」

「そっ、それは」

「服の中に出しちゃったら、大変デス♡ ぜひ、ココにっ♡」

 

 唾液にまみれててらてら光る乳頭が、私を見下ろしていた。

 

 

 

 * * * * *

 

 

 

「それでは、サービスタイムを始めマス♡」

 

 楽しげにそう言うと、フィーナは私の体から下りて、ジャケットごとシャツの襟を大きく開いた。肩から腕は折り目正しくガイドの服装なのに、見えてはいけない裸体だけが大胆に曝け出されている。少し体を動かすだけでたぷんたぷんと乳肉が弾んでいた。

 

「……オォ~♡ 粋なおちんちんデス♡」

(……粋?)

 

 ベルトを抜いて男根が暴かれる。感嘆の声が上がった。フィーナは吐息がかかるほどの至近距離まで顔を近づけ、まじまじと亀頭を見詰めてきた。早くしてくれ、と急かすようにカウパーが雫を作っている。その願いは間もなく成就する。彼女は私の両脚を抱えて太腿に乗せ、処刑を待つ罪人のようにペニスが乳肉の前へ差し出された。

 

 重そうな乳肉を、手袋越しの両手がずっしり持ち上げた。指が埋まるほどに左右から押し潰されて乳脂肪が歪み、亀頭に迫ってくる。その瞬間、部屋の静寂が一層深まった。障子から差し込む微かな月光が、柔肌を艶めかしく照らし出す。

 

「では……不肖フィーナ、参りマス……♡」

 

 

 ――ずるんっ♡

 

 

 亀頭の先端に触れた瞬間、下半身が呑み込まれた。そんな錯覚が走った南半球から捕食されたペニスは乳肉の奥深くに埋まり切り、かろうじて亀頭の先端が見えるかどうか。フィーナが乳肉を左右から寄せ、フィーナがベストポジションを探る。少しの摩擦のたびに微かな熱が生まれ、ペニスを食い締める圧力がじわじわと下腹部浸食する。

 

「ン……ムグ……♡」

 

 もごもごと頬を蠢かせると、唇の隙間から舌が伸びる。その先端から、プールされた唾液のローションが垂れ落ち、亀頭にまぶされていく。とろとろ、とろとろ。唾液のぬめりが谷間に水溜まりを作り、鈴口が溺れるほどの潤滑剤になる。彼女が双丘をしっかりホールドすると、肉竿全体が圧倒的な「安心感」に包まれた。

 

 

 ――たぷっ♡ たぱっ♡ たぱっ♡ たぱっ♡

 

 

 目の前の絶景に息を呑む。波打つ乳肉が上下に揺れ、ずりゅずりゅと陰茎をしごく様は圧巻だった。乳房が持ち上がればペニスは完全に埋没し、どすん♡と乳脂肪が下腹部を叩くたびに、溺れかけの亀頭が谷間から酸素を求めて顔を出す。

 

 唾液ローションが粘っこい水音を響かせ、激しい摩擦が快感を倍増させる。乳肉の柔らかさと重さの織りなすリズムが、腰の奥まで甘い痺れを伝えてきた。

 

「エヘヘ……♡ どうデスカ?」

 

 唾液を補充しながら、フィーナが青い目を潤ませて私の顔を窺う。みっともなく尻を太腿に乗せ、性器を捕まえられている私は、ただ頷くことしかできない。彼女はその反応に満足したのか、釣り鐘型の乳房をさらに寄せて、圧迫を強めてきた。

 

 乳脂肪の塊が持ち上がっては叩きつけられ、リズミカルな動きが下腹部に衝撃を与える。そのリズムに本能が誤作動を起こし、睾丸に精液が充填されていく。この乳穴に種付けしても、無駄撃ちにしかならないのに。

 

 

 ――ずりゅっ♡ ぬちゅ♡ たぽっ♡ ぬちゅる♡ たぷ♡

 

 

「センセイのおちんちん、熱くて、震えてマス……♡」

「うっ、うぅ……乳圧、ヤバい……!」

「気持ちいいデスカ?♡」

 

 快活でハキハキ喋るフィーナが、湿った淫靡な声色で煽る。細めた目蓋の縁を目弾きの赤が彩り、睫毛の長さが強調される。単純なオスは、目の前でおっぱいがぶるんぶるん躍動しているだけで、ペニスを膨らませてしまうのに、声と、表情と、むせ返るような雌の匂いと――そうやって朝比奈フィーナは五感を幾つも同時に責め立ててくる。

 

「ま、待って、フィーナ。そ……そろそろ……」

「出ちゃいそうデスカ? 先っぽがぷく~っと膨らんで、青臭いニオイがしてきマシタ♡」

 

 ズボンの上からくすぐられている時点で追い詰められつつあったのだ。一度遠ざかった射精感は、戻ってきた時にはもう抑えきれないぐらい膨らんでいたし……抑えようという意思も希薄だった。

 

「……い……いい?」

「――もちろんデス♡♡ いっぱい、出していいデスヨ♡」

 

 フィーナがOKをくれた。切迫感が急激に膨れ上がり、腰が浮く。輸精管がぶくっと膨れ上がり、精液の塊がせり上がってくる。

 

「あぁっ、出る、出る……!」

「ハイ♡ [[rb:乳内 > ナカ]]にドウゾ♡♡」

 

 

 ――むぎゅっ♡♡ ぎゅううぅぅぅっ♡♡

 

 

 腕を寄せて、ペニスが拘束された。根元から先端まで、ぎゅうぎゅうに締め上げられる。柔肉の奥深くで、劣情が弾けた。

 

「ア…………!」

 

 

 ――びゅるっ♡ ぶびゅるるっ♡♡ どくっ♡ どくんっ♡ どくん……♡

 

 

 勢いよく白濁液が飛び出し、鮮烈なオーガズムが神経を焼き焦がしていく。私は思い切り腰を突き出して仰け反り、ドクドクと乳内に射精する。生肌を汚す精液を、フィーナのたっぷりした乳肉は余す所なく受け止め――いや、吸い上げていた。乳圧で擦り上げられて尿道の残りまで根こそぎ持っていかれる。

 

 

 ――ぴくっ……♡ ぴゅる……♡ にゅぽっ♡♡

 

 

「くぉ……お……っあ……」

 

 ペニスの痙攣が収まり、長い射精が終わった。フィーナは満足げに舌なめずりして、ペニスをずぽっと引き抜いた。ドロドロの白濁液が真珠のネックレスよろしく広がり、巨大な双丘には白い橋がべったりと伸びている。

 

「~♪ いっぱい出マシタネ~♡♡」

 

 ぐちゅっ、ぐちゅっと粘液の潰れる音が聞こえる。フィーナは自分の乳房を揉みしだき、劣情の残滓を泡立てていた。桜色の乳輪にも練乳のような白濁液が染みこみ、臭い立つ精臭を、深呼吸して吸い込んでいた。

 

 脱力した下半身が、フィーナの太腿から下ろされた。まだべったりと精液がついたままの乳房を揺らしながら、彼女が折り重なってくる。

 

「ん……ちゅ……♡」

 

 唇を重ねるだけのキス。私の射精を労うようだった。

 

「センセイ、気持ちよかったデスカ……?」

「ん、うん……」

 

 もうすっかり理性は抵抗を諦めてしまい、私の手はフィーナの胴体を撫で回していた。

 

 ジャケットが引っかかったままの細い肩、なだらかな背中、くびれた腰、そして……ぷりんと突き出たお尻。そのボリュームに引き伸ばされたタイトスカートの生地はつるつるしているが、内側から指を弾き返す弾力が伝わってくる。

 

「アッ……センセイ♡ さっき、フィーナのお尻……見てマシタよね?」

「ぎくっ……う、み……見てた、けど」

「脚にも、視線を感じてマシタ……♡」

 

 彼女の指摘に、私は思わず視線を逸らしたが、手の動きは止まらなかった。布越しにお尻を撫でるたび、指先が柔らかな肉感に沈み込み、温もりが掌に広がっていく。ぎゅっぎゅっと揉みしだいていると、内股が震えるのが伝わってきた。

 

「ハァ……センセイ……♡」

 

 うっとり声を漏らし、フィーナは私の手に身を任せていた。小さく体をくねらせ、腰を揺らす。愛撫を促すような反応に、歯止めが効かなくなっていく。タイトスカートをたくし上げ、黒タイツに包まれた太腿に指を這わせる。

 

 顔がすぐ近くにあって見えないが、膝からふくらはぎの曲線の美しさは掌から伝わってきた。そうやって脚をスリスリ撫で回していると、熱っぽく息を吐くフィーナが、同じ唇から甘い喘ぎも漏らした。

 

 やがて、彼女が囁く。

 

「その……ガイドがお客様に頼みごとをするのは、いけないんデスが……♡」

 

 小さな声で遠慮がちに出されたリクエストに、再び股間が熱くなりだした。

 

 

 

 * * * * *

 

 

 

 フィーナのリクエストが、まだ私の脳内をぐるぐる駆け巡っていた。乳首を舐められたのがお気に召したらしく、別の所も舐めてほしいというのだ。スカートの内側で興奮に湿りつつある、そこを。

 

「あ、あのっ……イヤだったら、大丈夫ナノデっ……♡」

「フィーナこそ、いいの? こんな大胆な……」

「ハイっ♡ は、恥ずかしいデスケド、さっきから疼いちゃって……♡」

 

 尻を向けて私の顔に跨り、フィーナは息を乱していた。タイトスカートはもはやスカートとしての役目を果たしておらず、腰に引っかかっているだけだ。

 

 黒タイツに包まれた大ぶりな尻肉が、私の視界を埋め尽くしている。その奥に透けて見える赤のショーツは布面積も少なく、クロッチ部分が色濃くなっている。そのすぐ下には、女の最も大切な穴が隠れている。甘酸っぱい淫水の匂いは二枚の布地で抑えきれなくなっており、息をするたびにメス臭が漂ってくる。

 

「……タイツを破くことになっちゃうけど」

「いいデス♡ どのみち、伝線しちゃってて、捨てることになるノデ……♡」

 

 フィーナの許可を得て、私はゆっくりとタイツに手を伸ばした。黒い生地を指で掴み、力を込めて引き裂く。ビリッという鋭い音とともに、生地が千切れ、彼女の白い肌が露わになった。破れた部分から覗く肌は汗ばみ、湿り気を帯びていて、触れる前からその柔らかさが伝わってくるようだった。

 

「アッ……ア……♡」

 

 私の顔に跨りながら、フィーナが尻を震わせた。顔に向かって排便するような姿勢は、さすがに恥ずかしいのだろう。だが、羞恥以上に刺激を求めており、理性を欲望が上回っているのだと思うと、私のすることは決まっていた。

 

 赤いショーツのクロッチを指でそっとずらすと、にちゃ……♡と生々しい音がした。布地が横に滑ると、フィーナの秘部が目の前に現れる。充血してパールピンクの粘膜が剥き出しになり、穴の縁から愛液が滴っていた。グラマーな体つき同様、陰唇は肉厚で、胎内へ続く蜜道の締め付けの強さをつい思い描いてしまう。

 

 汗混じりの甘酸っぱい香りが一層強く漂い、私の鼻腔を刺激した。私は思わず息を呑み、ゆっくりと顔を近づける。

 

「センセイ……お、お願いシマス……♡」

 

 

 ――ちろっ♡

 

 

「はうっ……♡」

 

 

 ――ちゅ、ちゅ……♡ ちゅる……♡

 

 

「ンン♡ ン~~~っ……♡」

 

 蕩けるような声が頭上で響いた。舌先で粘膜をなぞり、べたべたした愛液を掬い上げる。縦に走る裂け目にキスしてあげると、軽く啄むたびにフィーナは体を震わせた。

 

「ア……♡ はぁ……♡ センセイ、そこ、気持ちいい、デス……♡」

 

 フィーナが性感を素直に口にする。愛撫に悦ぶ女を見て、昂らない男はいない。私は気を良くして、さらに舌を這わせた。膣穴の周りをなぞり、包皮に守られたクリトリスを舌先で転がす。その一つ一つを味わうように、フィーナはうっとりと息を吐く。むちっとした太腿を抱え込むと、とろみの強い蜜が口内に流れ込んできた。

 

 

 ――ちゅぱっ♡ れる……♡ じゅぞぞっ♡

 

 

 啜っても啜っても、とめどなく愛液が流れてくる。嚥下するたびに股間が熱くなっていく。今頃フィーナの視線の先では男根が天を向いているのだろう。

 

 舌先で陰唇を割り開き、膣口を舐めほぐす。フィーナは腰をくねらせ、私の舌に敏感な粘膜を擦りつけてくる。もっと強い刺激が欲しいとねだるように。その反応が嬉しくて、私は舌を膣内に挿し入れた。生温かく柔らかい粘膜は愛液で満たされていて、ザラついた天井が舌を押し返してくる。

 

 その時だった。

 

 

 ――ぬるっ♡

 

 

「おぅ……!」

 

 股間が生温かさに包まれて、思わず間の抜けた声が漏れる。私のよじった体が、布団を微かに軋ませる。行灯の灯りが揺れて、私の股間に股を埋めるフィーナの影が壁に映っていた。

 

「あっ、フィーナ、っ」

「せ、センセイのおちんちん、大きくなってるノデ……♡」

 

 ぬるっと温かい舌が肉茎を這いまわり、粘膜が覆い被さってくる。傘裏の溝やくびれ目まで丁寧に舐め取る動きは掃除を思わせたが、搾精パイズリの残滓を貪欲に貪っているようにも思えた。

 

 

 ――ぴちゃ♡ ぐちゅ♡ にゅる♡

 

 

 シックスナインへ移行しながら、彼女はさらに濡らしていた。硬く勃起したクリトリスは皮越しに震え、ペニスへ吸い付くたびに奥から新たな蜜が滲んでくる。私がそれを啜ると、むっちりした太腿が私の顔を締め付ける。

 

「ン゛♡ ぉふ♡ ん、ん……♡」

 

 くぐもった喘ぎ声が、私の昂りを煽る。咥えていられず、フィーナが時折口を離すと、官能的な声があがる。それはまるで、ヴァギナへの出し入れのようで、目の前の穴に己を突き込みたい欲求が火事の煙みたいに膨れ上がっていく。

 

「あ゛っ、は……♡ あぅ、ッヒ……♡」

 

 フィーナの愛撫が緩慢になってきた。私の責めに堪えかねているのかもしれない。声をかけようかと思ったけれど、腰から力が抜けていく彼女を絶頂に押しやりたい欲が出た。尻を浮かせたところを捕まえ、太腿を抱え込んで執拗に責めた。響き渡る嬌声が切羽詰まっていく。

 

 

 ――ちゅっ♡ ちゅうぅ♡ じゅぞぞぞっ♡

 

 

「あっッ、ダメデスっ♡ あっ、イ……イく……♡♡」

 

 肺から空気を搾り出すような「イく」と共に、フィーナが腰をがくんと揺らした。舌を突き入れていた膣口がきつく締まり、一際濃い、ねっとりした淫水が漏れ出してくる。

 

「ハァ……♡ ハァ……♡」

 

 脱力した体の重みがかかる。オーガズムには達したらしいが、今しがたまで舌で責められていた膣口は、もっと太いものを求めて花弁を蠢かせ、オスを誘っている。

 

 先生として積み重ねてきた地殻を引きはがすように、本能が体を突き動かす。目の前で絶頂の余韻に浸り、首筋までピンク色に上気させているメスが、交尾を求めているのだ。私の頭はもう一つのことで塗り潰されていて、言葉すら忘れてしまうのではないかと思った。

 

 

 

 * * * * *

 

 

 

「フィーナ」

 

 そっと呼びかけ、私の頭が置かれていた枕を差し出す。彼女は従順に抱え、肉付き良い尻を媚びるように掲げた。

 

「…………」

 

 言葉はいらなかった。

 互いに納得した視線を交わし、腰を押し出す。

 

 

 ――にゅる……ずるんっ♡

 

 

「オ……オゥ♡ んはぁぁぁ……♡」

 

 フィーナの体がビクッと跳ね上がり、恍惚の呻き声を漏らす。温かく潤んだ蜜壺を、ガチガチに張り詰めた怒張で掘り進む。彼女の膣壁は熱く火照っており、亀頭に吸い付いて歓迎してくれた。根元までずっぽり沈めると、コリッとしたものが先端に当たる。

 

「っは……♡ お、おっきいデス……♡ 奥まで届いてマス……♡」

「フィーナのおまんこ、深いね。肉厚で、狭い……」

 

 互いの感想を漏らし合う。挿入しただけで亀頭をにゅるにゅる舐め上げられ、精液が根元まで上ってきた。腰を引き、また突き入れ、それを何往復も繰り返す――その快感を思い描くと、膣奥でペニスが胴を震わせた。

 

「動くからね」

「ハイ……♡」

 

 

 ――ずるる……♡

 

 

 ゆっくり腰を引くと、亀頭のエラが、絡みつく粘膜をめくりあげていく。フィーナは抱えた枕を握り締め、尻肉を震わせて悦びを露にした。一度達した膣肉は相当敏感になっているようで、少し動かすだけでも襞が吸い付き、竿全体にしゃぶりついてくる。

 

 

 ――ずぷ……♡ ずぷ……♡ ずぷっ、ずぷっ、ずぷっ♡

 

 

「ア♡ アッ♡ んあ♡ ほ♡ オォっ♡ あッ、センセイッ♡♡」

 

 ゆっくり出し入れしてまずはナカの具合を味わおうと思ったが、体の主導権が下半身に移っていた。二、三往復もしないうちにリズムが生まれ、フィーナの尻肉が波打ち始める。膣内にはねっとりした本気汁が分泌されていて、出し入れする竿が少しずつ白濁していく。

 

「ご、ごめんね、フィーナ。こんなにイイと、あんまり持たないかも……」

 

 欲望のままに、剥き出しの粘膜が擦れ合う。蜜道深くの粒々が亀頭を磨く。めくれる襞がカリ首を舐め回す。彼女の尻肉クッションが潰れるほど深く挿入すると、フィーナがよく通る声で喘ぐ。活発な彼女が漏らす悩ましいトーンは、それだけで興奮の炎に薪をくべていく。

 

「……ワタシ、もっ♡ ぉ、イッたばっかりで、アッ、また――ン゛おぉぉぉっ……♡♡」

 

 ジャケットを皺だらけにしてフィーナが仰け反り、二度目のオーガズムを迎えた。真っ白な布団の上で、鮮やかな金髪がのたうち回る。背中を引き攣らせて、メス膣が激しく収縮すると、風船が割れるように射精衝動が迸った。

 

「ごっ……♡ ゴメンナサイ♡ ワタシばっかり……♡」

 

 シーツにしがみつき、フィーナは小刻みに痙攣していた。雌穴はぎっちりとペニスを咥えこんでおり、精液を浴びせるまで離してくれなさそうだ。イッたばかりだから休ませてあげても――なんて思考が、亀頭に吸い付いて続きを催促されて、瞬く間に崩れていく。

 

 

 ――ぱんッ♡ ぱんッ♡ ぱん♡ ばちゅっ♡

 

 

「っっ~~~~♡♡ ア゛っ♡ まだ、イッた、ばっかりっ♡ デスっ♡♡」

「と、止まらないんだ。いいよね……!」

「はっ……ハイ……♡ いっぱい、突いてクダサイ♡♡」

 

 懇願するような声に押されて、ギアが上がった。中イキを経てドロドロになった膣内は火傷しそうなぐらいに熱く、奥に入れたらそのまま溶けてしまいそうだ。

 

 肉と肉がぶつかり合う、情事の湿った音が、静かな和室を塗り潰していく。ふと壁を見ると、メスを組み敷いて腰を振るオスと、快感にのたうつメスが、行灯の影に踊っていた。

 

 時おり肩越しに私を見上げるフィーナは、頬にも紅を引いたように顔全体が赤くなっており、蕩けて潤んだ青い目が、私を求めていた。

 

「あッ♡ アァッ♡ センセイ♡ センセイッ♡♡」

 

 切なげにフィーナが喘ぐ。腰を掴んで彼女を見下ろす征服感に物足りなさのようなものを覚え、私は彼女に折り重なった。白檀の香りが濃くなり、布地越しの体温が伝わってくる。

 

 動物の交尾よろしく、体重をかけて逃げられないようにして、腰だけをぶつける。私の子種をねだるように膣壁が蠢き、射精を急かしてくる。

 

 もう少しその瞬間を先延ばしにしたいけれど、腰が止まらない。もう我慢できる限界点を超えてしまい、男根が大きく膨れ上がる。

 

「フィーナ……私も、イく、からね……」

「はっ、ハイ♡ おっおねがいシマス♡ 奥にクダサイ♡♡♡」

 

 息を乱しながらフィーナが懇願した。

 吐息で答え、ラストスパートをかける。

 

 

 ――ごちゅ♡ ごちゅ♡ どちゅ♡ どちゅ♡

 

 

「あ゛♡ オ゛ぅ♡ アッ、ま、またっ、またイキますッ♡♡」

 

 蜜壺をほじくり返し、亀頭を子宮口へ思い切り押し付ける。フィーナの嬌声が裏返る瞬間と、私が最後の一押しをするのは、ほぼ同時だった。

 

 

 ――どくん♡♡

 

 

 睾丸の中で煮えたぎった精液が、細い管を押し広げながら殺到する。小川の流れが濁流になって、鈴口から噴水のように迸った。

 

 

 ――びゅぅぅぅぅぅっ♡♡ ぶびゅるっ♡ どぽっ♡ ごぽぽっ♡♡

 

 

「オ゛♡♡ お゛おぉぉぉ……っっ♡♡ イ゛ぐうぅぅぅ……♡♡♡」

 

 伸びをする猫みたいに、フィーナが尻を突き上げた。布団に幾筋もの皺がより、太腿がぶるぶる痙攣する。何度目かの深いオーガズムを迎えた雌穴が、手で握るような力でペニスを締め上げ、そのうねりが精液を搾り取ってきた。

 

 

 ――どく……♡ どく……♡ どく……♡

 

 

 睾丸の中身が軽くなっていく。すべて吐き出させられる。二回の射精でも、その量が段違いだった。

 

 脳がずんと沈み込む強烈な倦怠感が襲ってきて、体から力が抜けていく。痙攣しながらペニスの脈動が終わる頃になると、体を支えていた肘が崩れて、フィーナにのしかかる形になってしまった。

 

「ごめんフィーナ、すぐどくから」

「……いえ、センセイ」

 

 布団についていた手の甲に、フィーナの手が重なってくる。

 

「もう少し、このままでいてクダサイ……♡」

 

 そう言うと彼女は首を起こして振り向き、下から唇を求めてきた。

 

 

 * * * * *

 

 

 

 障子から差し込む柔らかな月光が、畳の上に静かな影を落としていた。点々と何かに濡れて色濃くなった布団の乱れが、つい先ほどまで繰り広げられていた情熱の熾火となっている。

 

 酔いが覚めていたことに気付いたのは、耳に鹿威しの音が入り込んできた瞬間だった。生徒と肉体関係に及んでしまった事実は、同じ布団に横たわるフィーナの広く流れた金髪と、はだけたガイド服が物語っている。

 

「あの甘酒シャーベットかな……。ごめんと言うには、手遅れだね」

「アハハ……な、何と言いマスカ……」

 

 フィーナも苦笑していた。彼女の声は震えていたが、その笑みにはどこか安堵の色も浮かんでいた。布団の上で体を起こし、乱れた髪をそっと整えるしぐさに、照れが混じっている。

 

「これは責任を取らなきゃいけないね」

 

 責任、という二文字を耳にした瞬間、フィーナが大きく目を見開いた。

 

「いっ、イケマセン!! 堅気のセンセイがエンコ詰めなんて!」

「……へ?」

「ケジメの付け方はいくらでもアリマス! 大事な指を落としちまったら、お頭がスジモンになっちまいやす!」

「あ、あの、フィーナ、口調が」

「……ハッ」

 

 任侠映画好きのスイッチが入り、眼光まで鋭くなっていたが、彼女はすぐ我に返った。それでも、乱れた衣服の間から肝心なところが丸出しになっているのにはなかなか気付いていない。了承を得たとはいえタイツを破いた事実を棚に上げてそっと指摘したが、フィーナは裸を隠そうとしなかった。

 

「……エヘヘ♡」

「フィーナ?」

「センセイとは、盃を交わしマシタし、こうなるのは大歓迎デス♡」

「盃って、義兄弟や親子関係を結ぶ儀式だったような……?」

「いいんデス、センセイは♡」

 

 私のツッコミを他所に、フィーナが抱き着いてきた。ガイド服の下で彼女は汗ばんでおり、熱い湿り気が伝わってくる。情欲から覚めて澄んだ青が、私をじっと覗き込む。まだ残る躊躇よりも先に、私は彼女の肩を抱き寄せていた。

 

 静けさを取り戻した和室に、口付けの音が鳴った。

 

「ところでセンセイ。この旅館、温泉があるんデス。行きマセンカ?」

「……そうだね。お互い汗もかいちゃったし、着替えたいし」

「では行きマショウ! もうスタッフも退勤してるので、貸し切りデス!」

「えっと……もしかして?」

「ハイ! 混浴デス! もう裸も見られちゃいマシタし、ワタシはいいデス! さぁさぁ」

 

 ぐいっと私の手を引き、フィーナが立ち上がった。確かに彼女の言うとおり、一線は越えてしまったわけだし、今後どうしていくのかも、考えなければならない。破れたタイツを脱ぎ、乱れた着衣を互いに整えると、彼女が二人分の浴衣を手に取った。片方を私に差し出しながら、そっと囁かれる。

 

「……お風呂から戻ってきたら、また〝しっぽり〟しマショウね♡」

 

 それだけ告げて、フィーナは襖の向こうへ逃げていった。

 

 

 終わり




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