・顔にかける
・バック
の二点のみ究極にシンプルなリクエストに肉付けしました。「えっちよわよわアスナ」概念を出してみたんですが、どうでしょうか?ともかく読んでもらえたら幸いです。
C106にサークル参加します。リーチを広げたいのでリポストなどたくさん下さい!!
(マジで全然拡散できていないので助力願いたいです)
https://x.com/46no_kidou1004/status/1949032406843064454
<1>
あまりに暑すぎると、蝉も鳴かなくなるらしい。
午後出勤の通勤路で私はそんな雑学を思い出した。
蝉時雨が降り注ぐはずの道には異様な沈黙が横たわっていた。失われた音が熱に変換されたかのような、肌を炙る空気だ。地下鉄駅からシャーレオフィスビルへの百数十メートルですら、炎熱の太陽光で黒焦げになりそうだった。
空調の効いた建物へ飛び込めばこの灼熱地獄から解放される──軽はずみな駆け足がさらなる後悔を呼んだ。
この暑さで建物全体の空調が悲鳴を上げているらしく、エントランスフロアは広大なサウナのよう。エレベーターの中はまるで
それでも、シャーレの執務室があるオフィスフロアはかろうじてエアコンが生きていた。エレベーターから出た瞬間、幾分かひんやりした空気が頬に触れる。たったそれだけで、私は夏を許してあげられる気がした。
執務室の鍵を開ける手の甲に、浮き上がった玉が点々と並んでいる。もどかしさ混じりに開けたドアの向こうには、天国が広がっていた。
「っあ゛~~~、暑いっ……」
鞄からタオルを取り出して、額やこめかみ、顎の裏を拭う。拭った先から汗が噴き出してくる気がして、農家のおじさんよろしくタオルは首にかけたままにしておいた。パソコンが立ち上がるのを待つ間に団扇を引っ掴み、パタパタ自分を扇ぐ。
メンテナンス業者にエアコンの不調を連絡しようと思ったら、「緊急のお知らせ」と題したショートメッセージがスマートフォンに届いていた。その内容を確認しているうちに、モモトークの通知もポップアップする。
〝もう開いてる? ちょっと早いけど、シャーレに避難したくて!〟
ミレニアムサイエンススクールの三年生、一之瀬アスナからだった。
〝いいよ。ビルの空調がおかしいけど、執務室は無事だから〟
そう返信するやいなや、スタンプが乱れ飛んだ。間もなくアスナの入館が端末に知らされる。どうやらすぐ近くまで来ていたようだ。飲み物でも準備しようか、と思って腰を上げた瞬間、執務室の扉が勢いよく開いた。
「やっほー、ご主人様っ!」
アスナは手でパタパタと顔を扇ぎながら、快活な笑顔を浮かべてやってきた。
「お疲れ様、アスナ。凄い汗だね」
「そうなの! もう暑くって!」
数歩近づいてくると、彼女のこめかみを汗が滑り落ちる。
いつものように白い歯を見せて笑うが、スマイルの合間に眉を顰めている。さすがにこの暑さはこたえるようだが、太陽の熱を溜め込みそうなメイド服の黒を思えば、今はまだ涼しそうだった。
「今日は制服なんだね」
「うん。メイド服はクリーニングに出しちゃったし、バニースーツって胴体のところが通気性悪いの。すっごい蒸れるんだよ!」
身振り手振りを交えながら、アスナが話す。その涼しげな制服姿が夏を実感させる。あぁ、これだ。夏はこうでないと。屋外のあの惨状は夏の顔をした別の何かだ。あれでは蝉が沈黙するのも当然というものだ。
アスナを眺めて涼を取る。
緩めに崩された首元の蝶ネクタイや左手首のシュシュ、左側頭部のリボンはミレニアムのスクールカラー。見ているだけで熱気和らぐ爽やかなスカイブルーだ。
真夏の入道雲のように真っ白なシャツは汗に濡れて一部が肌に張り付いているが、暑さに苦しんだ跡すらも不思議と美しく、むしろくすんだ白の布地にうっすら透ける肌がセクシーだ。
首筋にぺったりついたスモーキーなライトブラウンの長髪が、手の動きでそっと除けられる。シルクの艶を帯びた長い髪がエアコンの冷気にそよぎ、こびりついた熱気を蒸発させる。ほんのり湿り気を含んだシャンプーの匂いがふわりと漂い、指先をさらりと滑る毛の滑らかさに「美」の文字が脳裏に浮かんだ。
そう。一之瀬アスナは美しい。
美しさが距離を置かせ、それでいて同時に距離を詰めたくなる──そんな矛盾を孕んだ美。
泥汚れもその美を曇らせることはない。むしろ、光沢を帯びた翳りとしていっそう彼女は輝きを帯びるだろう。
この顔を自らの手で汚したら、そこに宿る色は──
(いやいや、何を考えてるの)
背徳的な欲求がぞくりと込み上げ、私は頭を振った。
人懐っこい犬みたいに寄ってくるアスナに団扇で風を送ってあげる。すると彼女は私の期待どおりにうっとり目を閉じ、お手製の風にきゅっと唇を吊り上げて笑ってくれる。椅子に座る私の前に屈みこんで、もっともっととねだってくるのだ。
ふと、いつもの彼女と明確に違う点に気付いた。
「今日はおでこを出してるんだね」
「うん、さすがに暑くて」
顔の半分を隠す前髪が、ヘアクリップで持ち上げられていた。剥きたてのゆで卵のようなおでこがつるんと剥き出しだ。
珍しく見えている両目は、真夏に飲む冷たいラムネを思わせる。淡く透け、光を受けてきらめく青には、見つめ返した瞬間に体温が吸い取られそうな冷たさと、胸の奥を甘く疼かせる柔らかさが同居している。
「汗、凄いね。ちょっと拭いておこうか」
「あっ。……♪」
デスクに置いてあった未使用のハンドタオルに、顎を伝う雫を吸わせる。拭いても拭いても、こめかみから汗が垂れてくる。深部体温が落ち着くまでは、冷房の涼しさなんて皮膚の表面を掠めるだけなのだ。
「えへへ、ありがと、ご主人様っ」
アスナは顎を預け、無防備に顔をこちらへ向けてくる。顎の裏から首筋、頬のラインへとタオルを滑らせるたびに、彼女の呼吸が僅かに揺れる。
C&C──エージェント集団でありながら表向きはメイド部の一員であるアスナはお世話とご奉仕にかけてもプロフェッショナルだが、その割に甘え上手でもある。
顔を傾けたり顎を持ち上げたりして私が汗を拭うのに身を任せ、心地よさそうに歯を覗かせる。こう無邪気にニコニコされると、こちらとしても彼女をお世話したくなってしまう。どさくさに紛れてさらさらの髪に手櫛を通すと、頭を擦りつけてじゃれついてきた。
「冷感シートもちょっと当てておこうか」
「は~い。……あっ、ひんやりするっ♪」
メントール香るシートを首筋に当てると、アスナは華奢な肩をぴくっと震わせた。額に浮いた雫を拭い、大福みたいにふかふかの頬をむにゅっと甘く潰す。
顎の下を撫でれば彼女は嬉しそうにはにかみ、耳裏の窪みに薬剤を塗り込めばくすぐったそうに瞼を閉じる。
愛撫のような時間が静かに過ぎていく。アスナの長い睫毛がふさふさ揺れて、透き通る瞳が艶めいた潤みを帯びていく。
「…………♡」
黒のチョーカーを巻いた首を拭うと、頸動脈が微かに震え、湿った吐息が唇から漏れてきた。
冷感シートで熱を取りながら顔を拭く。それなのに、アスナは薄紅をさしたように頬を染め、眼差しがしだいに熱を帯びていった。
「ん、ご主人様……♡」
うなじに手を回して拭いていると、切なげな溜息が零れ、肩が微かに揺れた。下がった眉尻、ゆるやかに閉じていく目蓋。
吐息の感覚がしだいに短くなり、高鳴る鼓動が指先を伝ってくる。息遣いの変化を感じ取った瞬間、私の視線がデコルテに吸い寄せられる。
首回りがブカブカなオーバーサイズのワイシャツ。男物かもしれない。だがそれでも、はちきれそうなバストのシルエットは隠せていない。乳肉を無理矢理押し込めたのがよく分かる深々した谷間。内側からの圧力を必死に受け止める布地には、煽情的な水色が透けていた──そこからはみ出た素肌も、うっすらと。
男の劣情を引き寄せる、乳房の根元にあるホクロが、真っ白な肌で存在感を放っている。この規格外に大きなバストに、今まで私は抱いてはならない劣情をどれだけ催し、心を奪われてきただろうか。
一之瀬アスナは、シャーレ当番の中でも古株だ。私がキヴォトスにやってきてすぐ、まだ何もかもが手探りだった頃、彼女は不安がる私の心を明るく照らしてくれた。そしていつしか、忙殺に揺らいだ私の道徳心は緩み、彼女と――正確に言えば彼女たちと――関係を結んでしまった。
今も続く関係は、互いの口の堅さに守られている。私の社会生命はアスナも含めた彼女たちの匙加減ひとつ。やってはならないと知りながら、私は罪を抱えた綱渡りを続けている。
幸いというべきか、不幸というべきか──アスナは秘密も関係も、天真爛漫に愉しんでいるようだ。
「はっ……ん、きもちい……♡」
一見すると冷感シートで顔や首を拭いてあげているだけだが、頬を染めて甘い声を漏らすアスナの反応は、もうペッティングに湿る女のそれだった。鼻にかかった声がこぼれ、瞳の潤みを拾い上げた睫毛がきらきら光る。
無邪気なアスナが見せる官能的な表情。まだ日も高いというのに、私のオスがじりじりと疼き出していた。
しゃがみこんだ彼女の顔は、椅子に座る私の腰の高さにある。そこにあるモノの存在に気付いたアスナが、意味ありげに首を傾げて笑った。
「ねぇ、ご主人様。まだ来たばっかりだけど……〝なかよし〟しちゃう?」
前髪を上げ、誰もが振り向く剥き出しの美貌を上気させながら、アスナが語りかけてきた。私への〝提案〟の形だが、じっと私を見詰める表情には、彼女の〝希望〟が浮き出ていた。
心臓の裏側をくすぐられる心地だった。大人である自分からは誘いにくい関係である以上、向こうから誘われるのは私にとってあまりに都合がいい。だが──
「仕事、あるから……まずはそっちからだね」
デスクには山積みの書類があるし、パソコンのモニターには新着のメールがわんさか届いている。言い淀みながらの〝言い訳〟にアスナは「そっかぁ」と口にはしたが、その直後には目を弓なりにして笑った。
「じゃあ、お仕事すぐに終わらせようねっ!」
そう言ってすくっと立ち上がり、アスナは書類の山に手をつけ始めた。
<2>
シャーレ最古参の生徒は、みんなベテランだ。セミナーの早瀬ユウカに至っては、もはやシャーレ職員といっても差し支えないぐらい業務に精通している。
だがアスナだって負けていない。一見適当にやっているようでも夥しい書類の山は正確に分類してくれているし、ミスチェックの精度もかなり高い。
アスナが当番の日で嬉しいことの一つは、執務室を隅々まで綺麗に掃除してもらえることだ。C&Cの後輩・室笠アカネが最も徹底的にやってくれるが、アスナの場合は掃除の間にセットでついてくる楽しいお喋りが魅力だ。
「ゴリゴリくんが三連続当たりだった」とか、
「マインドシーカーで最速クリア記録を更新した」とか、
「リーダーがトルコアイスを勿体ぶられてキレかけてた」とか、
何でもないようなことも愛嬌たっぷりに語るアスナの声に耳を傾けつつ業務を進めていたら、いつの間にか部屋がピカピカになっている、というわけだ。
「はい、これでおしまいかなっ!」
「そ……そうだね。こんなに早く終わるとは」
高層ビルよろしく積み上がっていた書類はなだらかな山脈に均され、処理が明日以降になるものはそれと分かるよう整理されている。アスナが書類を一手に引き受けてくれたおかげで、私はPCでの業務に集中できた。
時刻は夕方六時を回ろうとしている。「素晴らしい」の一言に尽きる。私一人でやっている時は短針がゼロを指すことだって珍しくない。ともかく、緊急出動要請などが入らなければ、今日はもう上がれる。
掃除道具の片付けも済ませると、アスナはスクールバッグを担いでパタパタ駆け寄ってきた。PCの電源を落とす私の隣に腰を下ろし、鞄にボスッと頬を埋める。
業務の合間に顔を整え直してくれたのだろう。頬にはほんのり新しいパウダーのキメが乗り、額の汗の跡はすっかり消えていた。指先で髪を耳にかけ直すしぐさに、鏡に向かっていた気配がまだ残っていた。
「暗くなる前に終わって良かったね!」
「うん、ありがとう」
「……じ~っ」
鞄に顎を乗せ、アスナがこちらに顔を向ける。
主人の関心を引きたい子犬のように、いつもの二倍澄んだ両目が私を見詰める。
私が次に何を言い出すのか、静かに窺っている。
……が、数秒間も黙っていられないのがアスナだった。
「ねぇ、〝なかよし〟する?」
ほんのり頬を染めながら、悪戯っぽく囁いた。二人きりで声を顰める必要なんてないのに。隠語のような言い方は半ば誤魔化しで、そこには素直で能天気な彼女なりの恥じらいがあるのだろう。
私の理性を試すような照れ笑いを浮かべ、アスナが私の答えを待つ。息を呑み込む瞬間、艶やかな唇が僅かに震えてから、そこからゆっくりと持ち上がった。
私の目に飛び込んでくるのは純粋さだが、それなのに、その奥から滲む背徳的な熱が、私の心をざわつかせる。私の目には眩しく、その眩しさが──禁忌の衝動を引き起こす。
「アスナ」
ヘアクリップからヘアピンに着け替え、顔の右半分を隠す前髪が今は横に流されていた。涼しい屋内で数時間過ごし、珠のような肌はさらりと乾いている。
椅子を回してアスナに向き合い、頬に手を伸ばす。彼女は何の抵抗もなく、むしろ私の掌に柔らかい頬を押し付けてじゃれついてきた。視線を絡めとる誘惑を微笑の奥に秘めた仄暗い魅力に、下劣な好奇心がムクムクと膨らんできた。
(本当にいいのかな──)
わざわざ最高の顔に仕上げ直したところなのに。
ガラス細工のように完璧な美を、自分勝手な欲望で台無しにしてしまうなんて。
「……やってみたいことがあるんだけど、いい?」
「うんっ、いいよ。ご主人様のしたいことなら!」
バタバタ揺れる尻尾が背後に見えるようだ。あまりに無邪気な受け答えに、後ろめたさが込み上げる。だが、ジメッとした欲望は余計に疼きを増して、喉元を駆け上がってきた。
「嫌だったら、ちゃんと嫌って言うんだよ」
そう前置きして、私はアスナに説明した。
アスナの綺麗な顔を汚してみたい。
おでこから顎まで劣情をぶちまけてみたい。
正直に、赤裸々に、そう告げた。
「……どう、かな?」
身勝手な衝動だとは百も承知だ。快感を与えるためでなく、ただ自分の卑しい好奇心を満たすためだけの行為。それでも――指先に触れられる距離で、奇跡のバランスが創る美しさが呼吸している。今この瞬間にしか穢せないと思うと、欲求が抗いがたく膨らんだ。
アスナはぱちくりと大きな青い目を瞬かせたが、やがて私の喉仏が上下するのを目敏く捉え、口の端をにんまり吊り上げる。白い歯が覗く笑みが、ゆるやかに了承へと変わっていく。
「いいよ。私も興味ある……♡」
その瞬間、何かが切り替わる音がした。アスナのスイッチが入ったのだ。椅子を下り、私の膝先ににじり寄る瞳は、もう先生を見る生徒のものではない。メスの熱を帯び、オスを品定めする目つきになっていた。
<3>
屈んだままちょこちょこ歩み寄り、アスナが私の顔を見上げてきた。抜ける夏空みたいな両目が期待に潤み、口付けを求めてゆっくり閉じていく。
軽く唇を触れあわせただけで、満面の笑みが浮かんだ。耳の先がほんのり赤らみ、頬が熱を帯びていく。
「ん……ご主人様……♡」
餌をねだる雛鳥のように首を伸ばし、アスナが唇を重ねてくる。
最初は軽く唇が触れるだけのソフトなバードキス。だが積極的な彼女がそれで止まるはずもない。アスナの吐息が私の鼻の下をくすぐり、ぬくもりを纏った舌がそっと唇をなぞる。
──にゅる……♡
ためらいがちなその動きに私が答えると、彼女の舌が大胆に口内へ滑り込み、ねちねちと絡み合った。甘い唾液が混ざり合う。
「は~……♡ ふ~……♡」
──ちゅく、ちゅく……♡
熱っぽい息遣いが耳元に響く。白い頬はほんのりピンクに火照り、私の理性を揺らしていく。鼻で息をすると、冷感シートの残り香に甘ったるい匂いが混ざり、頭がクラッとした。
アスナの両手が私の両手に重なった。体温を確かめるように指の股まで甘く握られ、指の一本一本がハグを交わしてくる。それは胴体を重ね合う大胆なハグよりも、かえって官能的だった。
メイドという
「っ……んぁ……♡」
舌と舌に、銀色の橋が架かる。口付けに浸って恍惚とした目が、もっと深い接触を求めていた。視界を覆っていた顔が離れると、高低差の極端な肉体が目に入る。
美の神の寵愛を受けた極上の体だ。
可哀想になるぐらい張り詰めたシャツは、乳房の巨大さを隠せていない。巻いて丈を詰めたスカートは、くびれたウエストに繋がる。抱き締めたら折れそうなぐらい華奢な胴と、ドンと突き出たバストの落差が、極度に強調されている。
私は彼女の味をよく知っている。
何度も味わい、のめり込み、耽溺した。
誘ってくるのがアスナであっても、その気になるのはいつも私の方だ。大人たる先生としてあるまじきことだと頭では分かっているのに、淫魔のようなフェロモンを孕んだ少女の熱に抗えない。
アスナの快活な声色から余裕がなくなり、甘くほどけていく様が脳裏に浮かぶ。理性の抵抗なんてないも同然に、股間の疼きがムクムク膨らんでいく。
「……あっ♡」
不自然な隆起が股間に生まれていくのを、彼女は興味津々に眺めていた。私がベルトのバックルを緩め、ファスナーが下りていく瞬間を、食い入るように見詰めている。
「すん、すん……♡」
スラックスの合わせ目が解けた瞬間、アスナが形の良い鼻をヒクつかせた。「まだかな、まだかな」とせがむその視線に急かされて、パンツのゴムを掴む指が滑った。ガラス玉みたいに透き通る目と、数秒見詰め合い──
──ぶるんっ♡
下着を下ろす。硬く張り詰めた陰茎がまろび出て、アスナの鼻先で空気を掻き混ぜる。切れ長の目が小さな驚きに見開かれたが、それはほんの刹那。ごちそうを前にしたかのように、彼女は唇を湿らせた。
「ん~♡ 臭いんだけど、このニオイ、ドキドキする……♡」
ふす、ふす、と鼻息が竿の裏側をくすぐってくる。佳麗な顔がゆっくり近づいて、今にも亀頭にキスしてしまいそうだ。
これから、この顔を汚してしまうんだ。劣情をぶちまけてしまうんだ──そう思うとつい、私は衝動的に竿の根元を握っていた。
「……あれ?」
アスナがきょとんと首を傾げる。一瞬ぽかんとしていたが、私の手が一往復したのを見届けると、からかうように口元を吊り上げた。
「ご主人様、アスナが目の前にいるのに、自分でしちゃうんだ?♡」
「──あっ」
慌てて手を止めた。
「ご、ごめん、つい。イくまではアスナにしてもらえばいいよね」
「うんっ、ご奉仕するっ♡ 何にする? 手でしこしこ? お口で舐める? それとも……やっぱり〝コレ〟?」
シャツを張り詰めさせる膨らみを、アスナが両手でゆっくりと持ち上げた。そのまま、〝コレ〟のジェスチャーを見せびらかしてくる。ご奉仕というより捕食と称するのが相応しい、圧倒的な体積でオスを嫐り殺しにする乳コキを。
「ご主人様、好きだもんね、コレ♡」
「あ、うっ……」
膨らみの影に手が隠れている。アスナは双丘をこれみよがしにだぽんだぽんと揺らす。重そうな乳肉を擦り合わせ、汗ばんだ乳房の根元に息づくホクロが、底なしに深い谷間に埋もれていく。
30センチ定規を隠せてしまいそうな奥行きを誇る谷間にペニスを突き入れ、ミチミチに詰まった乳肉で容赦なくしごかれる快感が、私の神経には色濃く焼きつけられている。思い出しただけで脚の付け根がずしっと重くなった。
「……うん、じゃあ、胸で……」
「は~い♡ アスナのおっぱいでズリズリしてあげるねっ♡」
ぷくっと先走りを膨らませながら、私はアスナの提案に頷いていた。手が離れ、支えを失った乳房が、ぽよんぽよんと弾む。
「暑いからちゃんと準備してきたんだ~。はい、これっ」
アスナはスクールバッグを漁ると、水色のキャップがついたボトルを取り出した。ローションだ。「ひんやり冷感」とギラつく文字で刻まれたシールが貼られている。
「ねぇ、着たままでする?」
問いかけの形を取っていたが、明らかに答えが誘導されていた。留められたボタンの端ではなくわざわざ真ん中を開け、隙間を指で広げて「ここに
「うん……お願い」
「は~い♡ じゃあ、ブラだけ外しちゃうねっ♡」
私の解答を聞き届けると、アスナは胸元のリボンを解き、ぷちぷちとシャツのボタンを外していく。
スカートの中へ裾を埋め込んだまま襟元がふわっと開き、肌の匂いがほのかに漂ってきた。メッシュの刺繍が入った水色のブラが、透き通る肌の白さと青の鮮やかさを互いに引き立て合っている。
「んしょ、んしょ……」
背中に回した手でホックを外し、器用に身を捩って肩紐を片方ずつ抜いていく。カップがズレた瞬間、膨らみの頂点に桜がぱっと咲いた。釣鐘型の「長い」乳房がだるんと重力に引かれるが、その先端はツンと上向きだ。
「えへへ、取れたっ♡」
取り去ったブラの内側を私の前にひらひらと翳し、机の上にそっと乗せる。そうして無邪気なストリップを披露すると、アスナはまたシャツを着直した。膨らみの位置が少し下にずれており、その中心部にうっすらピンクが透けている。
リボンは外したまま、デコルテから深々と続く谷間を見せつけながら、ローションの注ぎ口がずぶりと埋め込まれる。
──ぶぢゅ♡ ぶぢゅっ♡ ぶぢゅううっ♡
「わっ♡ 冷た~い♡ スースーするっ♡」
ミントの香りが、冷房の空気に乗って鼻をツンと挿した。ボトルの三分の一ほどは注いだだろうか。アスナはローションをぐちゅぐちゅ谷間で掻き混ぜ、下拵えを整えていく。
その一部始終を見せつけられたペニスには、先走りが玉になって膨らんでいた。今からこの、ふわとろの乳肉に挟んでもらえる──至福の瞬間を待ち侘びて、ビキビキと血管を太く張らせている。
表面張力の限界を超え、こぷ……と溢れた蜜が幹を濡らしていく。あぁ、早くあのすべすべでしっとりした肉に包まれたい。「顔に浴びせる」という大目標ですら脇に押しのけられてしまいそうだった。
「見ててね……こう、たっぷり、馴染ませて……♡」
アスナが妖艶に微笑んだ。驚くべきことに、シャツがローションに全く濡れていない。乳肉の体積に閉じ込められて、一滴も出てこられないのだ。リズミカルに左右の乳房が擦れ合い、谷間には透明な橋が何本も架かっている。
追加のローションを注ぎ入れ、ボタンを一つだけ開けて「ズリ穴」をぬちょっと開くと、ただただ私を気持ちよくするためだけの準備は完了したようだ。
私の期待を煽るように、乾いたシャツの上からアスナが自らの胸をむにゅむにゅ揉みしだく。
「も、もういいの?」
「うんっ♡ じゃあ、するね……いただきま~す……♡」
膝立ちになって高さを合わせ、アスナが覆いかぶさってくる。奉仕の皮を被った捕食が始まる──ひやっとした粘り気が亀頭に触れた瞬間、私は誘われるままに腰を突き出していた。
──ぬりゅっ♡ ずぷぷぷぷっ……♡♡
怒張が一呑みにされた。南半球からではなく、赤道直下から水平に
「お、おぉ……ッ……」
上擦った声が漏れて、思わず口を塞いだ。何という快感だろう。垂直近くにそそり立っていたペニスが埋もれてしまった。乳房を支えるアスナの指も肉に沈んで隠れている。
肉竿を包む弾力はトロトロのミルクプリンのようだが、体積と重みがもたらす乳圧は強烈だ。ローションのヌルヌルが絡みつき、四方八方からペニスを包む乳肉が吸い付いてくる。
「えへへ♡ ご主人様のおちんちん食べちゃった♡ よいしょ、っ……♡」
──ずりゅ♡ ずりゅっ♡ たぷん♡ たぷん♡
指の間から膨らみをはみ出させながら、アスナが乳肉を捏ね回す。柔らかさと弾力とぬめりに、カチカチのペニスがもみくちゃにされる。
「うっ、ヤバ、っ……。ひんやりするのに、あったかい……」
ペニスだけが異空間に導かれ、オナホールでしごかれているかのようだ。触感は涼しいのに、もちもちした生肌から温もりも伝わってくる。傘裏まで隙間なく包み込まれ、一往復ごとにびゅるっびゅるっと我慢汁が漏れていく。
肉厚の柔肌からはミントの匂いが立ち上り、その中には甘いシャンプーの香りも混じって、もう僅かな理性を溶かしていく。
「おちんちん、カッチカチだね♡ 気持ちいい?」
「うん、アスナのおっぱい、すごい……」
──ぐちょっ♡ だぷっ♡ ぱちゅっ♡ ぱちゅ♡
リズミカルに乳肉が叩きつけられる。
両腕で左右から圧迫され、乳圧が高まる。
谷間から逃げ出す亀頭はすぐ沼に引きずり込まれる。
最古参の生徒たちにも胸の大きな子は他にいるけれど、ここまで「素質と熟練」が噛み合っているのはアスナだけかもしれない。本人はじゃれつく笑みを浮かべているが、何をどうしたら男が快感を覚えるかを本能レベルでよく知っている。
ローションで滑りの良くなった乳房が、波打ちながらペニスをしごきあげる。窒息させられっぱなしの亀頭は先走りを絶えず噴き出している。腰を突き出すたびに私は恥ずかしい声を漏らし、気を良くしたアスナはますます責めを強めてくる。
──たぱっ♡ たぱっ♡ ぬちゅ♡ ずりゅっ♡ ずりゅ♡
摩擦で乳穴が熱を持っていく。ズリ穴からは絶えず、口溶け前のメレンゲみたいに空気をはらんだ水音が立ち、アスナの吐息も浅くなっていく。
「……あっ♡ ご主人様、腰が揺れてる♡ えっちだぁ~……♡」
裏筋やカリ首を、柔らかく濡れたトロトロおっぱいで舐り回される。バックで挿入しているときのような肉の重みがリズミカルに押し寄せ、私は半ば無意識に腰をヘコつかせていた。
そろそろ腰を止めないと、出てしまう。
頭で分かっていても、乳内射精の蕩ける快感は脳の底にまで刻み込まれていて、輸精管が弓のように張り詰めていく。
孕め孕めと滑稽なうわ言を呟きながら、たぷつく乳穴を膣と錯覚したまま、甘え切ったオーガズムを迎えたい。そんな欲求がムクムクと膨らんでいく。
「あッ、アスナ。そろそろ出すよ、顔にっ!」
「あっ……♡」
もう爆発する──限界ギリギリまで堪えた所で、どうにか踏み止まった。
「目に入ったら危ないよ。目は閉じて、っ」
ずぽんっ♡と空気と共にペニスを抜き取り、早口でまくし立てる。
頭の中が射精欲求一色になって、他に何も考えられない。
「うん、分かった♡ アスナのお顔にいっぱいかけて~♡」
アスナは言われたとおりに目蓋を閉じ、私に無防備な顔を晒していた。
あぁ、精巧な人形のようだ。
今から私は、こんなに美しいアスナの顔に、汚い汚い精液を吐き捨てるのだ。
健気にも最高のコンディションに仕上げ直してくれたのに。
頭のどこかから不道徳を罵る声が聞こえてくるが、そんなの今さらだ。
それよりも早く。早く射精したい。
尿道がもう広がっている。こんなに激しくしごいているのに、まだ精嚢の中身が出てこない。
何をしているんだ、ノロマめ。私の願望がもうすぐ満たされるんだから……!
あぁぁぁぁぁ来たっ、出る出る出る出る……!
「あぁ、アスナ、出るよっ。出る、出すからねっ……あっ、イく……!」
──どくんっ♡
溜め込まれて黄ばんだ精液が迸り、アスナの鼻を横断した。
──どぷっ♡ びゅる♡ どくっ♡ どくん……♡
脈動するペニスから、噴水よろしく精液が飛び出し、美術品のように整った顔をびちゃびちゃ台無しにしていく。
つるっとした額も、ふにふにの頬も、ふさふさの睫毛も、愛の言葉を紡ぐ唇も──薄汚い劣情にまみれていく。
「ぐっ、う……まだ出る……!」
──びゅぐ♡ びゅっ♡ ぶぴゅ♡ ぷぴ……♡
「あはっ♡ なにこれ、すご~い♡ 顔中あったかい♡」
アスナは避けるそぶりを全く見せず、浴びせられる精液の全てを綺麗に整った顔で受け止めてくれた。それどころか顎の下に手を添えて、一滴も零さないようにお椀まで作っている。
「っ、あ……はぁ……!」
びく、びく……とペニスが脈動を続けているが、長い射精がようやく収まった。鈴口から垂れた一滴が、ぽたりとアスナの鼻先へ落ちた。
マーキングは果たされた。顔のどこを見ても濡れていない所はないほど、オスのひり出した無駄撃ちザーメンに汚れている。
眉毛に染み、睫毛を犯し、花の蕾のような唇の中まで白が満ちる。顎の先から首筋を這い、鎖骨のくぼみへ吸い込まれる。首を飾るための黒いチョーカーはその道筋を白くなぞられ、脈打つ喉を静かに締め付ける首輪に変わっていく。
「ん……♡ ご主人様のミルク、いっぱい浴びちゃったぁ……♡」
「アスナ、まだ目を開けちゃダメだよ。危ないよ」
私は彼女の頭を撫でていた。手櫛で梳いた髪の一部にも、白い汚れが付着している。
申し訳なさと、後ろめたさと、かすかな後悔。
その裏で、征服感と、支配欲と、どうしようもない情熱が静かに膨らんでいる。
相反する熱と冷気が胸の奥で渦巻き、吐き出す息が甘く震えた。
気付けば口角が上がっていた。「ごめんね」と「えらいよ」、先に告げるべきなのはどちらだろう。
「…………」
……また一つ、悪い考えが芽を出した。絶頂の余韻が鎮まるのを待ち、台無しにされたアスナの顔をあらためて見下ろす。
「アスナ、ちょっとだけじっとしててね」
こんな姿を写真に収めるなんて、本来なら許されないことだ。
この子の尊厳を貶める行為であり、美への冒涜だ。
でも──その背徳がどうしようもなくゾクゾクした。
指先が勝手にスマートフォンを探っていた。
カシャッ、カシャッ。
無機質なシャッター音が、妙に心臓に突き刺さる。
レンズ越しに覗くたび、欲望が形になって保存されていく。
あまりの悦びに、脳がじんわりと痺れた。
「あ、撮ってるの? イェーイ♡」
シャッター音に気付いたアスナが、目を閉じたままダブルピースを作った。丹念に整え直したその美貌は──今やザーメンでパックされ、その頬は熱を帯びて赤く染まっていた。
こうも汚されているのに、爛漫な笑みだけは崩れない。愛おしさが込み上げる。大量に吐き出したばかりだというのに、散った熱がすぐにぶり返してきた。海綿体が血を吸って、ムクムクと膨れていく。
(汚したままだとさすがに可哀想だな、拭いてあげないと)
乾いたティッシュとウェットティッシュ、両方必要だろう。デスクの端から引き寄せる。当のアスナは口回りの白濁液を意地汚く舌で手繰り寄せていた。
──こくっ♡
小さな嚥下音と共に蠕動する喉を見て、角度を保ったままの肉竿がぶるんと胴を震わせた。
「……アスナ、いい?」
「ん? あっ♡ お掃除?」
まだ目を開けられない彼女の唇に亀頭をあてがうと、アスナは歯を見せて笑い、ぬるりと舌を出してきた。
「お顔をいっぱい汚してごめんね。拭いてあげるから、その間……」
「うん♡ おひんひん、きれいにひゅる♡ んも♡ ぢゅるる……♡」
舌の腹で裏筋を撫で上げられる。尿道に滲んだ先走りも啜られ、思わず身震いした。
アスナのお掃除フェラに身を任せながら、ティッシュで目元を拭う。長い睫毛から滴をしっかり吸い取り、眼球を圧迫しないように目蓋を拭いていく。
ほんの僅かに触れただけなのに、濡れた睫毛の感触が指先に絡みつき、胸の奥がじわりと疼く。綺麗にしてあげるつもりのケアが、自分の欲を宥める儀式のように思えた。
「……ありふぁひょ♡」
ゆっくり目蓋を開くと、青く澄んだ水晶が私を見上げてくる。アスナも顔に浴びせられて興奮していたのだろう。吊り目の勝気な眼差しは心地よさそうにとろんと緩み、美味しそうに亀頭を舌で転がしている。
「うん。アスナはやっぱり美人さんだね。可愛いし、綺麗だ……」
「……ん♡ ん~……♡♡」
しっかり目を見つめながら賞賛の言葉を送ると、アスナは耳まで赤くなり、ほんの少し伏せた瞳が揺れた。
褒められる嬉しさと、背徳の余韻が入り混じった熱を帯びて──それでも、もっと褒めてほしいとおねだりするように、上目遣いで視線を絡めてきた。
「アスナはどうだった? 嫌じゃなかった?」
「ん~ん♡ っぷ……♡ 嬉しかったよ! ティッシュにされちゃうのってこんな感じなのかな~って、ゾクゾクしちゃった♡」
満面の笑みを浮かべながら、舌先で裏筋をちろちろくすぐってくる。そんなアスナの左手が、スカートの内側に潜っているのに気付いた。その手の行き先を思い描き、私は思わず親指を握り込んでいた。
<4>
「アスナ? 左手で何をしてるのかな?」
「あ……バレちゃった♡ あのね、アソコがムズムズしちゃって……♡」
モゾモゾしていた左手が、私の前に翳された。中指と薬指が湿った粘液で濡れており、指の間に淫らな糸が引いていた。顔中を汚されてアスナがどんな気持ちでいたのか──明らかすぎる答え合わせだった。
「一人で勝手にするなんて、いけない子だね」
「あっ♡ ご、ごめんなさぁい……♡」
口では謝りつつも、反省しているようには見えない。まるで私の反応を見越しているかのような口ぶりだった。
ペニスを舐め回す舌からいったん腰を引き、私はフェラチオを中断させた。屈みこんで、アスナのスカートに手を突っ込む。
──ぬちゅ……♡
そこは発情したメスの湿気で蒸れ蒸れだった。ショーツの内側は愛液ですっかり湿っており、忍ばせた手があっという間に濡れてしまった。
「んっ♡ ぁ……♡」
「ほら、アスナ。脚を開いて。手は頭の上だよ」
「うん……♡」
蹲踞の姿勢になって、言われたとおりにアスナが股を開き、両手を後頭部に重ねた。これから何をされるか想像しているのだろう。肩を小刻みに揺らして呼吸を浅く詰まらせ、内股がふるふる震えている。
「ぐしょ濡れだね。乳首もこんなに硬くして」
──ぎゅうっ♡
「んひぃっ♡ だ、だってぇ……♡」
シャツの表面に輪郭がくっきり浮き出るほどに、乳頭はピンと張り詰めていた。親指と人差し指で甘く潰すと、アスナの表情から余裕の笑みが薄れていく。ショーツの中へ突っ込んだ右手で股間をまさぐると、粘膜の外側をなぞっただけでも彼女は身を震わせた。
「顔にかけられて、興奮しちゃったの?」
「うん、でも、それだけじゃなくて……っ♡」
「ん?」
「汗、拭いてもらった時から、コーフンしてたの……♡ 顔とか首を触られるのが気持ち良くて、これから〝なかよし〟できるんだ、って思ったら、ずっと、ウズウズしちゃって……♡」
アスナが頬を紅潮させ、もどかしそうに腰をくねらせる。半開きの唇からは湿った吐息が漏れ出していた。欲しがる彼女の婀娜なしぐさに、頭の芯がカッと熱くなっていく。
──ぐちゅ♡ にゅぷ♡ ずぷ……♡
膣穴は既にトロトロだった。中指と薬指がするっと呑み込まれる。熱く火照った膣ヒダはねっとりと絡みつき、もうこれ以上指が入らないのに、奥へ奥へ引き込もうとしてくる。
「お仕事を頑張ってる間も、エッチなことを考えてたの?」
「う……うん♡ あっ、そう、なのぉっ♡」
指の抽挿に合わせてアスナの太腿がぴくぴく反応する。喘ぎ声と共に体が揺れ、大きな乳房が布地を引っ張ってゆさゆさ弾む。尖った乳首を布地越しに甘掻きしてやると、面白いぐらいに膣壁が締まった。
「んんっ♡♡ あぁ、ご主人様の指、気持ちいいっ♡ もっと、もっと……♡」
アスナはもう口を閉じていられないようだ。指の腹でGスポットを圧迫しながら膣天井を往復してやると、蹲踞の姿勢から腰がへこへこと浅ましく揺れる。
──ぐちゅ♡ ぐちゅ♡ じゅぷ♡ ぐりっ♡ ぬちゅ♡
後頭部に当てた手は小刻みに震えながらも角度を保っている。健気なことだ。浮かせた踵をかくかく揺らしながら、充血して感度の上がった膣を掻き回される快感に、アスナは甘い声をあげている。切なげに眉尻を下げた表情が、股間にじんじん響いた。
「いけないことなんだよ。仕事中は、ちゃんと仕事に集中しないと」
「はうっ♡ ご、ごめんなさいっ♡ あっ、あっ、あっ、あっ♡」
自分のだらしなさを棚に上げて、わざとアスナを咎める。ごめんなさい、と口で言いながらも、アスナの膣はきゅうきゅう締まって悦んでいる。
自分で責めているときはサディスティックな一面を覗かせることもあるが、愛撫を受ける側になると、同居するマゾヒズムも呼び起こされるようだ。
──ぐちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅっ♡♡
「あっっ!?♡ あ~~~~~っ……♡♡」
クリトリスを裏から圧迫するように、ゴリゴリ擦る。余裕たっぷりな微笑みはそこにはなく、半泣きになりながら唇の端から涎を垂らしている。
二人きりの執務室に、アスナのよく通る嬌声が響く。快楽に翻弄されて崩れた顔すら美しい。いや、性感に縁どられた淫靡な表情は、かえってアスナの美貌を高めている。
「イッ、イく♡♡ ごしゅじんさま、イッちゃうっ♡♡」
切羽詰まった声をあげ、アスナはガクガクと腰を揺らした。このままイかせてやりたいが──まだだ。沸騰する昂りに斧を振り下ろし、手首のピストンを止めた。
「──はい、ここまでにしようか」
「っっっっ!!♡♡」
ぬぽっ♡と重たい水音を立てながら、指を引き抜く。絶頂寸前で刺激を取り上げられたアスナはひゅうと息を吸い込み、背筋を大きく反らした。執務室の床には愛液の水溜まりが広がり、ぱたぱた垂れてくる滴が小さな波紋を作っていた。
「あ……な、なんで、ぇ……?」
物欲しさの極致とばかりの涙目で、アスナが切なく息を吐く。
「もう少しで、イきそうだったのにぃ……♡」
「ごめんね、アスナが感じてる顔を見てたら、私の方が我慢できなくなっちゃって」
「っ……♡」
血管をビキビキに浮き上がらせたペニスを、アスナの鼻先に突き付ける。眉間から唇まで落ちる影の向こうで、ごくりと生唾を飲み込む音がした。
「アスナも、イくならこれでイきたいよね?」
「う、うんっ♡ なかよししたい♡ ご主人様のおちんちんでイきたいっ♡♡」
「よし……じゃあ、手をついて。そこの壁に」
執務室の扉にロックがかかっているのを今一度確認して、アスナを立ち上がらせた。端末を操作して、入館受付もクローズした。これで思う存分、アスナとのセックスに耽っていられる。
「ご主人様……これでいい?」
アスナがおずおずと両肘を壁につけ、ミニスカートの尻をふりふり揺らした。スカートの襞から覗く内腿は、愛液でベタベタに濡れていた。ショーツを引き下ろして足首に引っかけ、むっちりした太腿を撫で回して期待を煽る。
「後ろからって、ドキドキするね……♡ 交尾みたい……♡」
「そうだね。今からアスナは私と交尾するんだよ。楽しみ?」
「うん……♡ ねぇ、早くぅ……♡ ご主人様の、熱くて太い、ガッチガチのおちんちん、欲しいよ~♡ アスナのおまんこ、奥までずぽずぽ掻き回してほしいのぉ……♡♡」
甘いトーンでおねだりされて、睾丸がずしっと重たくなった。裏筋の縫い目が痛いぐらいに張り詰めて、先走りが幹を垂れ落ちていく。
スカートを捲り上げて真っ白な尻に竿を擦りつける。膣口に亀頭の先端でキスすると、アスナの太腿に緊張が走った。
彼女の膣の狭さや温もりはペニスがよく覚えている。彼女のことを勿体ぶっておきながら、挿入して早々に爆発してしまいそうだ。
──ぐぷっ♡ ずぶっ、ずぬうっ……♡♡
「~~~~~~っ♡♡ あぁっ、おちんちんきたぁ……♡」
恍惚とした声を聴きながら、怒張を突き入れる。狭い入口を通り抜けると、柔らかくて温かな膣壁が続く。
ヒダの締め付けやザラつきの感触を楽しみながら、根元まで埋没させる。膣奥に軽く触れると膣圧が上がって、肉鞘が吸い付いてきた。
「奥までヌルヌルになってるね。……あれ、もしかしてイッてる?」
アスナが肩を大きく上下させている。
彼女の返答は荒い息に埋もれていた。
「う゛……うん゛、ッ♡♡ い、イっ、い゛……あ゛……♡♡」
結合部の足元で、爪先立ちになった脚がぷるぷる震えている。膣口から溢れ出した愛液がぱたぱた床に染みを作る。乱れる吐息とうねって締まる膣壁が、挿入されただけで絶頂した事実を如実に語っていた。
自分主導で騎乗位になっているときは余裕たっぷりに腰を振るのに、受けに回ってしまうとどうにもアスナは快感に弱い。力では全く敵わなくても、こうなると私が優勢だ。顔にぶっかけたときの背徳的な征服欲が再び顔をのぞかせる。
「動くね」
「あ゛……や、待っ、まだ──ア゛!♡♡」
最奥部にねじ込んだペニスをずるっと引き抜く。膣内に入り込んでいた空気が引きずり出され、ぐぽっと間の抜けた音が鳴った。
ねとねとの愛液にまみれたペニスが、粘膜を捲れ上がらせる。外気に触れた膣ヒダが蠢き、甘えるように絡みついてきた。
──ぬろっ……♡ ずぶぶっ♡
「ん゛っ♡♡ あ゛ぁぁ……♡」
再び奥まで挿入すると、アスナの背中が反り返った。長い髪が宙を舞い、壁についた肘が硬直する。
カリ首が露出するまで引き抜き、私の興奮を味わわせるように最奥部まで押し入る。膣ヒダをめくりながら、狭い膣壁をゴリゴリ擦りながら往復する。
「お……♡ ごしゅじんさまっ♡♡ あっ、あうぅぅ……♡♡」
一往復ごとにアスナは深く感じ入っており、甘く蕩けた嬌声が睾丸を煮立たせる。
──ずちゅ♡ ぬるっ、ずぶっ、ぐぷぷっ♡♡
──ぱちゅ♡ ぱちゅっ♡ ぱちゅっ♡
「あ、あっ……♡ きもちいっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡」
抽挿に合わせてナカから愛液が掻き出され、床に水溜まりを作っていく。打てば響くように可愛らしい喘ぎ声があがる。めくれたスカートから出てきた大きなお尻が、ピストンのたびにたぷんたぷんと波打っていた。
ぱんぱんと肉のぶつかり合う乾いた音が徐々に高まっていく。粘膜の摩擦が大きくなり、快感神経を炙るような刺激が背筋を犯す。
(……いい眺めだ)
いつもニコニコと余裕を絶やさないアスナが息を乱して喘ぐ。
趣味は襲撃、C&Cの実力ナンバー2という紛れもない「強い女」が、男を受け入れるとこうも簡単に鳴いてしまう。その防御力の低さが愛しい。
「あ゛♡ だっ、だめ……また……♡♡ あぐっ、あ゛ぁぁぁ……♡♡♡」
膣奥をトントン突いていたら、アスナの脚がガクガク震え、踵が持ち上がった。トロトロの蜜壺が複雑にうねって締まり、背中が海老のように反り上がる。ピストンを止めると、ぴちゃっ、ぴちゃっと愛液が水溜まりに落ちていった。
「またイッちゃった?」
「うっ……うん……♡ はぁっ、はぁっ……♡」
「される側になっちゃうとアスナは弱いね、ふふっ」
「うん……♡ おまんこ弱いの……ご主人様に責められちゃうと、すぐ負けちゃうの……♡♡」
弱い、と耳にした瞬間、アスナの肩がびくりと跳ねた。激しい戦闘の直後でも乱れない呼吸が大きく揺らいでいる。壁についた肘にも力が入っておらず、上体がずるずると落ちてきていた。
「膝が笑ってるね。立ってるのは辛い?」
「だ……大丈夫、だけど……んんッ♡」
「横になれる所に行こうか」
言葉とは裏腹に、足で自分の体重を支えるのにもアスナは難儀していた。ベッドで横になった方が、彼女も夢中になれるだろう。
──ぬ゛ぽ……♡
「イ゛、っ……♡♡」
ねっとり絡みつく膣肉を振り切って、怒張を引き抜く。白濁した本気汁でぬらぬら光り、湯気が立ちそうなほどに熱を持っている。この肉竿が収まっていた穴はひくひく蠢き、穴から泡立った愛液を零していた。
* * * * *
仮眠に使うベッドにアスナを横たえ、蛇の交尾みたいに絡み合う。シャツのボタンが外れて裸体がはだけ、拘束を解かれた乳房がゆるゆると仰向けの胴体を這いまわる。
「あっ♡ んぁ……♡」
男の手でも掴み切れない乳房をやわやわ揉みしだき、谷間に溜まっていたローションを塗り広げる。テカりを帯びていく乳肉が、手の中でスライムみたいに変形する。たぷんたぷんと揺らしてやると、その振動にもアスナは鼻を鳴らした。
──こりっ♡ くにゅ……♡♡
「ぁふ♡ あっ、そこぉ……はぅん♡♡」
硬くなった乳首をくすぐると、アスナはぎゅっと目を閉じて、甘い声を漏らした。グミのような弾力をコリコリ指で弄び、白い喉を晒して喘ぐ彼女のヌルヌルおっぱいを堪能する。
「気持ちいい?」
乳肉を捏ねながら囁くと、アスナはこくこくと頷いた。薄ピンクの乳首を指でしごいてあげると、背中がぐぐっと反り返る。そうして胸を愛撫していると、長い脚が絡みつき、私の足を引き寄せてきた。
「ねぇ、ご主人様……なかよしの続き……♡」
「挿れちゃっていいの? もう少し休憩してからでもいいんだよ」
「ううん、すぐ欲しい♡ お腹の奥が寂しくて、太い栓が、うぅ、欲しいよぉ……ご主人様ぁ……♡♡」
ちょうだいちょうだい、と足首がふくらはぎに縋りついてくる。私としても、射精欲がぐつぐつ煮立ってきていたから、アスナから催促されたのは渡りに船だった。
(おや……?)
アスナはうつ伏せになり、お尻を掲げていた。ドギースタイルの続きがしたい、ということらしい。
「後ろからがいいんだ」
「だって……♡」
だって……何だろう。その続きを隠すように、アスナは枕に顎を預けてしまった。
ぷりんとしたお尻の谷を割り、ぐちょ濡れの膣穴を広げる。
亀頭を押し当てると、膣口が吸い付いて挿入を促してきた。
──ぐぷっ♡ にゅぶぶ……♡♡
「ん゛っ……!♡ あ゛っ、あ゛ぁ……♡♡♡」
滑りの良さに任せて一気に沈める。アスナの喉から呻き声のような喘ぎが絞りだされた。
挿入の深まる後背位だと、奥の奥までよく届く。
細いウエストに手を当てて引き寄せ、子宮口に亀頭を押し付けた。
深く挿入したまま、じっくり腰を動かす。
──ぐちゅっ……ぐり……ごちゅ……♡
「お゛おぉ……♡♡ お゛うッ、うぅ~~~~っっ♡♡♡」
子宮口を捏ね回し、赤ちゃんの部屋をゆさゆさ揺らす。アスナの両手がシーツを引っ掻く。亀頭やカリのくびれ目にザラついた肉が吸い付いてきて、私も声をあげずにいられない。ゆっくり体重をかけ、アスナのポルチオを擂り潰していく。
──こちゅっ……♡ とちゅ……♡
「っ゛~~~~~~♡♡♡ お゛、あ゛♡ あ゛、い゛ひ……♡♡」
過呼吸みたいに息を乱し、アスナが頭を振り乱して悶える。
「う゛んっ♡ あっ、あっ♡♡ 奥ぐりぐり、だめっ、だめぇ♡♡」
子宮口とディープキスを交わす。小刻みで緩いピストンなのに、アスナは尻肉を震わせて身を捩る。その反応で、快感の深さがよく分かった。
「ここは辛い? 止めた方がいいかな?」
「や゛っ♡ やめないで♡♡ ダメじゃないのっ♡ もっとして……っ♡」
甘えんぼのアスナは、おねだりにも躊躇がない。濁った声をあげてしまうほどの弱点なのに、彼女は尻を逃がすどころか押し付けてくる。子宮の奥までペニスをねじ込んでもらいたがっているようだった。
もっと深い挿入を──尻を掲げた後背位から、徐々に寝バックへ移っていく。折り重なってアスナの首筋に鼻を埋め、汗混じりの甘酸っぱい体臭で肺を満たす。
「アスナ」
左耳から囁きかけると、顔がすぐ近くだ。涙が零れそうなほどに潤んだ瞳が私を覗き込み、彼女が唇を求めてくる。
「ン゛♡♡ んふ♡ む゛♡♡♡ ふ~っ♡ ふ~っ♡」
──ばちゅ♡ ばちゅ♡ ばちゅ♡ ばちゅ♡
上から下へ、体重をかけてペニスを突き入れる。一突きごとに絶頂しているのが、膣内の捻じれから伝わってくる。あまりに膣圧が高まり、手でしごかれているようだった。
「はふ♡♡ あ゛、い゛ぐっ♡♡ お゛おぉ、イ゛ぐぅぅぅ♡♡♡」
絡み合う舌がもつれ、絶頂の宣言と共に硬直する。ぎちぎちぎちっ……♡と膣が狭くなり、ペニスが圧搾される。熱く蕩けた肉が吸い付き、射精を誘ってくる。ふと気を抜いたらそのまま弾けてしまいそうだった。
「んぁ……♡ ひゅき♡ ごひゅじんひゃま、ひゅき……♡♡」
呂律の回らないアスナが、吐息に混じって愛を囁く。私を見詰めるラムネ色の目は淫欲にうっとり濡れ、ハートマークが透けて見えた気がした。
「っ……私も好きだよ、アスナ」
「あ゛っ♡♡ っぐぅぅ~~~~っっ♡♡ ぁひ、うれしっ♡ あっ、すき、すき、すきぃっ♡♡」
彼女の好意に答えながら、子宮口を捏ね回す。好きだと一言口にするだけで、胸の奥が燃え上がる。腰が勝手に速度を上げ、パン、パン……と肌を叩く音が響きだした。
私のペニスはとっくに限界で、睾丸から精液がせり上がってきているのがよく分かる。導火線が焼けていても、この甘美なひと時を手放せなくて、ひたすら腰を振り続けた。
「ン゛♡♡ ン゛ッ♡ ん゛~~~~~~♡♡♡」
──ばちゅ♡ ばちゅ♡ ばちゅ♡ ばちゅ♡
ベッドのスプリングが軋み、情事の振動に悲鳴をあげる。反動で尻が持ち上がるほどの強烈なピストンなのに、アスナの雌壺は媚びるように吸い付いて離してくれない。
引き抜くときには襞の一つひとつが絡みつき、ずっぽり突き入れるとぬめった粘膜が抱き締め歓迎してくれる。
みっちり詰まった肉厚な膣奥に息づく子宮口が、鈴口から先走りを吸い上げる。裏筋を舐られた瞬間、張り詰めていた糸がぷちんと切れた。
「……アスナ、出るッ」
駆け上がってくる切迫感に、そう口にするのがやっとだった。
──どぷっ♡♡ ぶびゅるるるるる♡♡ びゅぐぐっ♡♡♡ どくっ♡ どくっ♡ どく♡
腰の奥が痺れて、背中がゾクゾク震えた。尿道をザーメンが満たしていく快感は筆舌に尽くしがたく、私は歯を食い縛って苦しいぐらいのオーガズムに耐える。一度に噴き上がる精液の量が多すぎて、吐精する瞬間に心臓が大きく跳ねた。
「あ゛ぁぁっ♡♡ お゛、お゛、お゛……♡♡♡ う゛っ♡ あつっ、あつい……♡ い゛ぎゅうぅぅぅぅぅ♡♡♡」
膣肉をぎゅうぎゅう締め上げながら、アスナも深イキしていた。ペニスが脈打つたびに濁った嬌声をあげ、さらなる種付けをねだるように尻を揺らす。
──どく……どく……♡♡
「……っ♡♡ はーっ、はーっ……♡ あぁっ、中出しすごいよぉ……♡♡♡」
下腹部と尻を擦りつけ合い、絶頂の余韻に浸る。長い射精が終わった後もトロトロの膣肉は名残惜しそうに残り汁を啜ってきた。
オーガズムの大波に揺られる間、アスナは酸素以上に口付けを求めてきた。息苦しさをも分け合うように、情事の熱を溶かし合う。
やがて何も出なくなり、怒張の脈動も止まったころ。青臭い精臭が立ち上る仮眠室で、私たちはぐったりと折り重なった。心地よい倦怠感が全身を包む。
汗ばんだ脚を絡め合って事後の多幸感を味わっていると、アスナのスマートフォンがアラームを鳴らしだした。
「あっ、門限……」
「もうそんな時間か……」
早めに仕事を終えていたはずが、飛ぶように時間が過ぎていた。今日の私たちは互いが思っているよりずっと長く「なかよし」だったようだった。
<5>
D.U.を離れて車でしばらく。ミレニアム自治区に入るころになると、情事の余韻でぽやぽやしていたアスナに、いつもの快活さが戻りだした。
「気分はどう?」
「あっ、大丈夫だよ! 元気!」
「うん、それならよかった」
アスナが静かに黙るとき。
それは彼女の落ち着きではなく、未だ原因も分からない不審な機能不全であることがあった。意識や記憶が途切れ途切れになって、直前の出来事も思い出せなくなる様はひどく不穏なものだった。
医師に見てもらったこともあるそうだが、結局の所、あれが何に起因しているのかは分からないままなのだとか。
モモトークで助けを求められたあの日は、私の胸に棘のようなトラウマとして残っている。彼女の無邪気な笑顔を見ると安心できる理由の一つでもあった。
「あのフラフラね、全然来なくなったんだ」
「えっ、ホントに!?」
「? あはっ、どうしたの? 声が裏返ってるよ!」
にこやかに語るアスナに、思わずブレーキを踏みそうになってしまった。
「ごめん、ちょっとビックリしちゃって。でも、それはいいニュースだよ」
「うんっ。ご主人様と一緒にいる時間が取れてるからだと思うけど、一番は……」
「一番は?」
オウム返しする私に、アスナがニマニマ笑う。溜めた言葉を吐き出す機会を用意するかのように、信号が赤になった。
「ご主人様と〝なかよし〟だからかなっ♡」
(……なるほど)
薄々そんな気はしていたけれど、単に情熱をぶつけ合うばかりでなく、彼女にとってアレは意味のある行為のようだ。
少なくとも、にこやかに笑うアスナは、単なる人懐っこさ以上の感情で私を求めてくれている──そう考えてしまうのは、あまりに都合が良すぎるだろうか。
それはともかく、アスナの調子がいいなら何よりだ。
美しい彼女には、天真爛漫に笑っている姿が、一番似合っている。
これからもアスナの幸福は守ってあげたい。
車を降り、寮に戻る前、大きく私に両手を振る彼女を見ていて、そう静かに誓った。
終わり
感想などいただけたら幸いです。「ここすき」とかたまに見返してます。
【再掲】
C106にサークル参加します。リーチを広げたいのでリポストなどたくさん下さい!!
(マジで全然拡散できていないので助力願いたいです)
https://x.com/46no_kidou1004/status/1949032406843064454