役を〝演じる〟ことは簡単である。
しかし、〝役から戻る〟ことは、時に演じること以上に難しい──
いつか見た心理士のブログの記事にそんなことが書いてあったのを、ふと思い出した。
「現実の街を歩いているのに、まだ現場にいるようだった」と、演じた感情が消えず本人の感覚と同一化した経験を、とあるハリウッド映画で主演を務めたセレブリティが語っていたという。
役の感情は神経の深層に刻み込まれ、撮影が終わっても消えないことだってある。
聡明な文学少女に舞い込んだ配役は、それほどまでに大きな衝撃をもたらしたのだろう。
演じたはずの人格が、いつしか彼女の内側に滲みだすほどに。
いや、彼女の内に眠る本質が、目覚めたのかもしれない。
開いた花は、悪の色
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<1>
円堂シミコの雰囲気が、最近少し変わった。
元々私が抱いていた、文学少女に対するある種の偏見を加味しても。
黒い三つ編みではなく、リボンの緑と引き立て合う明るいオレンジの髪。
膝下丈ではなく、すらっと伸びた太腿が眩しいミニスカート。
ミステリアスな内気ではなく、明るく社交的な性格。
虚弱な肉体どころか、むしろフィジカル強者で。
制服の白と、頭髪の橙と、眼鏡の奥に澄み渡る瞳の青。
円堂シミコは紙の香りが似合う、色鮮やかな文学少女だった。
本を愛するどころか、骨の髄から文字の世界に浸るのが好きなのだろう。当番でやってくるとシミコは喜んで文書の誤字チェックをやりたがった。それがたとえ誰に見せても問題のない無味乾燥な報告書であっても一行一行丁寧に目を通し、私の拙い文章の綻びを優しく拾い上げてくれた。行間にある意図にまで、時には思いを巡らせて。
シャーレオフィスビルは、上下関係や学園の違いが希薄になる独特の空間だ。犬猿の仲で有名なトリニティ生とゲヘナ生が、そこではケーキを囲んで談笑していることも珍しくない。
シミコにしてもそうだった。
トリニティにおける絶対恐怖の剣先ツルギに甘々な恋愛小説を勧めることもあれば、ミレニアムの知識マニアこと豊見コトリと最新版百科事典の改定項目の議論を交わすこともあり、レッドウィンターの安守ミノリとプロレタリア文学の談義に耽ることもあった。
ただ、本への愛ゆえなのかキヴォトス人の本能なのか、本を粗末に扱うとシミコは容赦なかった。借りた小説本を机に伏せたままお手洗いに立ち、戻るなり床に正座させられて苛烈な説教を浴びたのも記憶に新しい。
本の話になると途端に声が大きく早口になるシミコは、明確な逆鱗こそ持っていたけれど、基本的には年頃の少女らしく朗らかで慈悲の心があり、真面目で清楚な模範生だ。そういう第一印象から、イメージはほとんど変わらなかった。
だから、宇沢レイサや守月スズミが魔法少女に扮した際、シミコが大胆極まる衣装に身を包んだときは、たいそう驚いたものだった。
悪の幹部エラはおおよそ彼女のパーソナリティに合わない役柄だったようだが、存外そうでもなかったのかもしれない。あるいは、サディスティックなイメージが本人の深層心理にがっちりハマッてしまったのだろうか。
ボーダーランドでの一件が終わってからもしばらく、彼女の透き通る青い目には、悪の妖しい輝きが残っている──そんな気がした。
* * * * *
「先生、お疲れ様です。ふふっ」
制服姿で微笑む彼女の唇に、胸の底をくすぐる妖艶さが潜む。純潔を象徴する白いスカートから伸びる脚が、今日はやけに眩しい。着こなしはきちんとしているはずなのに、首の根元に息づく鎖骨から目が離せなかった。
布の下にある体温を意識させる甘い熱気が、じわりと執務室を満たしていく。この清純な白布には、肉感的なスタイルが隠されている。遊園地で見た大胆な露出を思い出し、私は頭を振った。いけない、そんな目で見ては。
「今日は暑くて、少々汗ばんでしまったので……お仕事の前に着替えてきてもいいですか?」
シミコはパタパタ頬を扇いだ。言葉とは裏腹にその顔は涼しげだ。眼鏡の奥から控えめな笑みを覗かせ、私の視線を探っている。
生徒が執務前に着替えることなど、珍しくもない。制服のまま来る子が最も多いが、学園指定の体操着に着替えてきたり、私服だったり。
中には大胆に肌を晒すビキニの水着や、コスプレめいた出で立ちで現れる子もいる。そんな奇抜な服装で業務を手伝ってもらう光景は異様の一言であり、周辺の市民から噂になっている──不名誉なことに、悪い意味で。
だが、私の目を惹きたいのか、リアクションを求めているのか、おおよそ執務室には似つかわしくない服装でやってくる生徒も、すっかり日常の一部と化してしまった。
だから今日のシミコの申し出も、ごくありふれたものだった。私は特に疑問も抱かず、「いいよ」と返す。彼女は小首を傾げて笑い、部屋を出ていった。
だが、数分後に扉が開いた瞬間、空気が変わった。
「お待たせしました、先生。本日もよろしくお願いします……♪」
入ってきた彼女の姿に、思わず息を呑んだ。あの衣装だ。いや、アレを「衣装」と呼んでいいものか。ほんの少し気を抜けば、私の視線は大胆に曝け出された生肌に吸われてしまう。「目のやり場に困る」とは、まさにこのことだ。
まるで破かれたかのように頼りない布面積。それがシミコの肌を覆っている──といえるのだろうか。
紺を基調としたセーラー襟は学生服の面影をわずかにしか残していない。その下から続くのは、艶やかな光沢を帯びた漆黒のハイレグスーツ。
胸元のリボンが呼吸するたびに、どこに隠していたのかと問いたくなる存在感が瑞々しく揺れる。スカートの奥に隠されていた腰のくびれも、布越しにしか想像できなかったヒップラインも、はっきりと、緊張感を伴う輪郭を持って姿を現している。
脇腹から背中にかけて大胆に露出した素肌は光を受けてかすかに艶めき、指で触れたくなるような熱を宿す。腰骨の曲線をなぞるように切り込まれたラインはあまりにも危うい。
チキンレースのように削られた鼠径部の布地の小ささは、ちらりと見ただけでこちらもスリリングな興奮に
(っていうか、この衣装……上も下も下着をつけられないんじゃ……)
本と眼鏡がよく似合う、清楚な文学少女――そんな印象が染みついているからこその、すさまじい落差だ。そんな彼女の姿を、私は舐めるように見てしまった。もちろん抗いはしたが、私は既に魔法にかけられていたのかもしれない。
彼女が一歩近づくたび、グローブ越しに握られた鞭が胸元のリボンをかすかに揺らした。その仕草ひとつで、視線は否応なしに、豊かな胸の谷間へ吸い寄せられていく。
清楚さの名残をとどめた意匠でありながら、あまりに挑発的な全容。私の中にいる円堂シミコが、根底から塗り替えられてしまう。果たしてこのシミコの唇から、行間に隠れた繊細な人間心理の機微は語られるのだろうか。
「あら、どうしたんですか、先生? 何か気になる所でもありますか?」
「あぁ、いっ、いや。改めて見ると大胆だな、って思っただけで……」
「はい♪ ふふっ、新たな自分が目覚めたみたいで、これを着ていると開放感が気持ちいいんです♡」
気持ちいい──恍惚とそう呟き、シミコは頬を染める。下ろしたツインテールはふんわりしたお下げにまとめられ、濃厚なシャンプーの香りと共に職場の空気を揺らす。
見てはいけない。
気を取られてはいけない。
私は折り目正しい大人なのだから。
そう念じていながら私は、彼女の身体の一点一点を、目でなぞっていた。腰の曲線、太腿の滑らかな肌、大きく膨らんだ胸元と、ノーブラを強調する腋……視線は勝手に次の場所を探し、移ろっていく。
何を考えているんだ。
あんなにいい子のシミコなのに。
欲望にほんの少し遅れた理性が、彼女の姿を「生徒」として認識し直そうとする。だがそのたびに、本能が上書きするように「女」としての輪郭を刻みつけてくる。
これは演技の延長線上なのか。
それとも、彼女そのものなのか。
考えることすら追いつかないまま、私はデスクに積まれた書類に逃げ込んだ。
* * * * *
「あっ、先生? こちらの章ですが、同じ文が繰り返されています」
「引用された資料とキャプションの数値が乖離していますね」
「恐れ入りますが、ここの表現には主観が混じっているように思います」
どうして、シミコ。
どうしてそんなに平然と業務に臨めるの。
私はそう問いたかったけれど、問えなかった。
いつもと違うのは、シミコの服装と、漂う雰囲気だけ。書類チェックの精度はいつもどおりで、校正ソフトより遥かに頼りになる。修正箇所に添えられた赤字も、丁寧に整っている一方、角の丸みに年相応の可愛らしさもある。
そんな状況で私だけが動揺している。その理由を口にすれば、どうなってしまうのだろう。言葉にした途端、私の理性がずるんと脱げてしまいそうだ。
指先に意識を戻し、赤字に従ってキーボードを叩く。入れられた校正のとおりに修正しているはずだ。だが文字が並ぶほどに、新たに浮かんだ単語が意味を失っていく。正しく直したはずの文の前後関係が、かえってあやふやに思えてしまう。
隣でシミコの指先が紙をめくるたび、小さく起こった風に甘いシャンプーの匂いが入り混じり、集中力を削いでいく。ちらりと見ると、むっちりした太腿が目に飛び込んできた。私は大袈裟に背筋を整えてモニターに向き直った。
「先生、こちらのチェック、終わりました。次を頂いてよろしいですか?」
「あ……うん、ありがとう。シミコは仕事が早いね」
「えぇ、文字を読むのが好きですから。……ふふっ♪」
レンズの隙間から覗く裸眼のサファイアが、飼い猫のように私を見上げた。マウスの右に積まれていた書類を、視線の軸をずらしながらシミコに手渡す。
一つ一つの動作が、数秒の遅延に引っ張られている。それが自分でもわかる。思考の歯車に細かい砂が噛んで、回るたびに軋む。
どうにも落ち着かなかった。一行直すたびに、心が左隣に吸い寄せられる。文字列を追う横顔は柔らかい真剣みを帯びている。だが、重力に引きずられるように、首から下の光景が私の集中力を奪い去る。
視線を逸らしても、網膜の裏に焼きついた残像が離れない。まばたきのたびに、滑らかな曲線美がフラッシュのように浮かび上がる。
あぁ、思えば女日照りになってどれぐらいになるだろうか。
「……先生?」
「ごめんね、ちょっとコーヒーを淹れてくるよ。シミコも飲む?」
「はい、ありがとうございます」
裏表の感じられない、素直で朗らかな返事だ。それなのに私は、鈴を転がすような声色の背後に何かあるのではないかと疑ってしまう。その原因は、理性の奥底でガシガシと拘束を揺らす渇望だ。
二つのマグカップを手に、デスクへ戻る。立ち上がって姿勢を変えれば少し楽になるかと思ったが、真面目な業務をする場に到底そぐわない露出が、くっきり目立っていた。
真っ黒な水面。焦げ臭く苦いコーヒーの匂い。舌を熱する温度。ブラックコーヒーは幾分か私を冷静にさせてくれた。だが焼け石に水だ。
砂糖とミルクをたっぷり入れたコーヒーを啜る唇がやけにツヤツヤして、私を誘う。「美味しいです」と浮かべる微笑みと共にさらっと揺れる前髪。脚を組み替える瞬間を盗み見たのも、シミコには気付かれていた。
叱られた方がマシかもしれない。だがシミコの怒りを誘発するトリガーがここにはない。紙一枚が破けた程度では、彼女に火を点けられない。
気づけば手元の誤字を三度も見落としていた。キーを叩くたび、彼女の笑みが脳裏に浮かび、文字が霞んでいく。挙句の果てには、入力していた文の末尾に「シミコ」と打ち込んだのを指摘されてしまう始末だ。
慌てて削除する。けれど、指が震えてbackspaceを押すたび、その名がまるで心の奥で反響するかのように残った。
「先生、お疲れですか?」
「い、いや、大丈夫だよ」
嘘だとわかっていても、彼女は追及しない。
ただ、少し唇を弧にして笑う。
その笑みの奥に、わずかに愉悦の色が混じって見えた。
「……本で読んだことがあります。こういう横顔」
キィ、と隣の椅子が回って軋む。
『何かを我慢している横顔は綺麗なものだ。目を逸らしたくなるときほど、心は近くにある。緊張した唇が、そう語っている──』
私の反応を待つような、一拍の沈黙。
官能小説の一節です、とシミコが付け足した。
止めなければと思う。
だが、舌がもつれた。
どんな言葉を選べば止められるのか、それが思いつかない。
「思慮深い先生のことです。きっとご自分からは、アクションを起こせませんよね。ですから──」
ばちん。
「なっ」
「悪者に奪われてしまう──脚本ならそういう展開が、一番ですよね♡」
穏やかなトーンだった。
眼差しも優しかった。
だが私の両手は、皮の手錠で拘束されていた。
「ちょ、ちょっと待ってシミコ、一体何をするつもりなのっ」
「ふふ……」
とっても、
ねっとり呟き、リモコンで扉を念入りに施錠する。そしてシミコは軽々と私を担ぎあげ、執務室奥のソファーまで運んでいく。自分の「悪さ」を、彼女はしっかりと自覚していた。
優しいシミコが今は怖かった。
でももっと怖かったのは、心のどこかから湧いてくる期待の気泡だった。
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<2>
頭がぼんやりする。
体から力が抜けている。
執務室隅のソファーに、絶えず水音が弾ける。
シミコを言葉で止めるための口は、粘つく舌で蹂躙されている。手首の戒めを軋ませて抵抗していたつもりだった。だが、酸欠一歩手前の状態で、いつの間にか私は手を緩めている。
鍵は隠されてしまった。「ここにしまっておきますので、ご安心ください」と、左胸の脇からレオタードの中へ。ビチッと張り詰める生地に細い鍵の輪郭を浮き上がらせ、乳肉のボリュームを見せつけるように。ドーム状の膨らみには微かな粒が浮いていた。
「んふ……♡ 先生、大人しくなっちゃいましたね……♡」
伸びる唾液の橋を、私の返事ごとシミコの舌が巻き取った。その両手は、はだけたシャツの胸元をねちっこく責め立ててくる。微かな痺れが絶え間なく上ってきて、理性を削り取っていく。
私に跨るシミコが折り重なってきた。豊かなバストをぐにゅりと潰し、インドアな日々がうっすら乗った柔らかいお腹を押し付けてくる。お腹の柔らかさは、隠し切れない私の硬さを捉えている。
「おっきいですね……♡」
キスの合間に、そう囁く。女にはない器官の輪郭やサイズを確かめるように、シミコは腰を回して布越しに刺激を与えてくる。
「シミコ、だめ……」
「あら、どうしてですか? こんなにパンパンに腫れあがって、苦しそうですよ? 〝膿〟をちゃんと出して、楽にならないと……♡」
「でも、これは、いけないこと、だからっ」
――ちゅっ♡ ちゅ♡ ぢゅるるる……♡
反論は許しません、とばかりに唇を塞がれる。
「そうです、悪いことですよね……。でも、今の私は、〝悪い子〟ですから♡」
貪るような口づけには確かな情熱が宿っていた。役柄由来の悪戯心というよりは、秘めた本心が、執拗な舌遣いに乗っている気がした。
こんな激しさがこの大人しそうな本の虫に宿っていると思うと、背徳感が込み上げる。決して認めるわけにはいかなかったが、それもあとどれだけ持つだろうか。
「では……♡」
耳を食み、温かな吐息が注がれる。スラックスの合わせ目を持ち上げる異物に手のひらが重ねられ、シルエットをなぞるように指先がくすぐってきた。びりっと走る刺激に思わず腰が浮く。それを確かめると、かちゃりとベルトの金具が鳴った。
「大丈夫ですよ、先生。生徒相手に
「う、ぐ……」
「図書館には〝そういう本〟もいっぱい置いてあるんです。官能小説って過激でいけない話がたくさんありますし、エッチなことのハウツー本だっていっぱい……ふふっ♡」
──ぶるんっ♡
欲望を詰め込んだ肉塊が露になった。血管を浅ましく浮き上がらせた怒張は、私の理性を嘲笑うかのように屹立し、先端を粘液で濡らしている。シミコが目を細め、にやりと唇を吊り上げた。
「素敵ですよ、先生♡ 太くて、長くて……文字で見たものよりずっと雄弁ですっ♡」
──つつっ♡ つぅ~っ……♡
「っ! ぁ、は……」
指先が裏筋を滑る。筆の先でなぞるようなタッチでしかなかったが、大袈裟なぐらいにペニスが胴を振ってしまう。
「先生、強く抵抗されないんですね? やっぱり、生徒には優しくしたいですか?」
シミコの指先が、ペニスの根元をなぞりながら囁く。鋭敏な粘膜が触れられるたび、腰が反射的に跳ねた。それは恐怖ではなく、明らかに悦楽からくる反射だった。
「それとも、本当は……♡」
指が先端へ滑る。とろりと溢れる先走りを掬い上げると、シミコは意地悪く微笑んだ。
「……マゾ♡ じゃないですか?」
「……っ!」
否定しようとした声が喉で詰まる。その間もシミコの指先は亀頭の割れ目を弄り続けている。鋭い刺激に背中が弓なりになりかける。抵抗しなければと思うのに、体が言うことを聞かない。
「ふふっ♡ 腰が浮いちゃいますね♡ 先生って、ここがと~っても弱いんですね♡」
「ちっ、ちが、あっ、シミコ、だめっ」
「知ってます、私。
指の腹が鈴口をくりくりとこねる。甘く痺れる刺激が股間を中心に波紋のように広がっていく。
「うっ……く、そんなこと、ないっ。私は、マゾじゃ……」
「本当に、そうでしょうか♡」
「ひ……っ!」
シミコが私の耳朶を優しく齧る。そのまま軟骨の輪郭に舌が這いまわり、生温かい吐息が鼓膜をくすぐった。
〝ここは嬉しそうですよぉ~♡ 私の手の中で、びくんびくんって跳ねてます……♡〟
耳の穴をぐちゅりと舌で探られる。ぷちぷちと唾液の泡が弾ける。
その音が背筋を駆けて、私は大袈裟なぐらいに肩を揺らしてしまう。
「いつも頼りになってカッコいい先生……。でも、おちんちんをちょっとくすぐられただけで、こんなに可愛くなっちゃうんですね~♡」
「し、シミコ、
「いいえ……今の私は、と~っても、
ちゅくちゅくと濡れた音が室内に響く。潤滑油代わりの粘液が、シミコの手コキをスムーズにする。緩く握りしめた手筒が一定のリズムで上下して、甘い快楽が脳を溶かしていく。
決して速くはない。だが、くすぐるような指使いと、ソフトな圧迫感がじわじわと性感を高めてくる。こそばゆくて、じれったくて、気持ちいいのが苦しくなる。「もう少し強く」と口にしてしまいそうで、必死に我慢した。
──にちっ……♡ にち……♡
──くりっ、くりっ……♡
──つつつ……っ♡
「……先生。気付いてないと思ってましたか?」
「え……っと、何、をっ」
ふう~っ♡と耳に息を吹き込まれる。
「分かってるくせに」と言い聞かせるかのように。
唾液に濡れた舌が再び耳を侵す。ぬるりと中をくすぐられて、ぞわぞわとした震えが背骨を駆け抜ける。
「先生の〝そういう目〟って分かりやすいなぁ~♡って、思っちゃいました♡ ボーダーランドでも、先生の視線をお肌に浴びて気持ちよかったんですけど、今日は隣のデスクで直に浴びて、すっごく……興奮しちゃいました……♡」
「…………っ」
気取られていた。
私は何も言えなかった。
トリニティの図書館にあった本を読みつくしたとシミコは言っていた。読書の量は、触れてきた世界の数。星の数ほどの物語を読んできた彼女にとっては、人間の心の機微を掴むのなんて容易いのだろう。
「ご安心くださいね。怒ったりはしていません。むしろ、地味な私でも、勇気を出せば
頬を赤らめて照れ笑いを浮かべるシミコ。言葉の続きをもったいぶるかのように、また唇を重ねてきた。ねちねちと舌が絡み合う。
胸元にのしかかる乳肉はずっしり重く、ミルクを詰めたような柔らかさの中に、コリッと硬い粒も当たる。薄いレオタード越しに擦れると甘い声が漏れ聞こえた。理性の檻が軋みだす。
私の動揺を悟った手つきが、速度を増した。ぬちぬちと卑猥な音が大きくなり、しごく手つきの合間に指先が裏筋を器用に掻いてくる。密集した神経に電流が走り、大人の仮面が剥がれ落ちていく。
「ふっ、ぐ……! あっ、あっ……」
「固くならないでいいですからね♡ リラックスして、いっぱい気持ちよくなっちゃいましょうね~♡」
亀頭はリンゴ飴のように濡れ光り、カリ首を弄ばれると腰が浮いた。そのたびに胸板に押し付けられた乳房が形を変え、むちむちと揺れる。
ここで強く握られたら。
力任せにゴシゴシやられたら。
ダメだ、それだけは。
なけなしの理性が警鐘を鳴らす。
だけど、分かっている。
両手は拘束されている。
そもそも力で生徒には勝てない。
「……先生、こちらをご覧ください」
ぱちん、とソファーが弾ける。
私の鼻先に、短鞭の先端が突きつけられていた。
つやつやと黒光りする革が、腹の底を冷やした。
「や、やめて、シミコっ」
「ふふ……ふふふっ♡ 大丈夫ですよ。大好きな先生に、痛い思いはさせません♡ でも……」
湿った声で、シミコが囁いてくる。
ちょっと、期待したんじゃないですか?
女の子に虐められちゃう、って……♡
私は首を振った。
否定したつもりだった。
だが、短鞭の先端で亀頭を舐り回された途端、カウパーをどばっと吐いてしまった。羞恥と興奮が銀糸を伸ばす。いつものスクエアフレームと異なる、フォックスフレームの眼鏡が、きらりとその淫靡な光景を捉えていた。
「こんなに、ねとねとにして……♡」
短鞭の先端で先走りを掬い取り、粘液の橋が伸びる光景を私に見せつけてくる。水飴をまぶしたようにテカッた先端を、シミコはそのまま口に含んだ。
「ん、ぁむ……♡ ぢゅ、っぢゅ……♡」
花の蕾を思わせる綺麗な唇に、鞭が出入りする。じゅぽっ、じゅぽっと空気の弾ける音と共に。唾液がきらめく舌でねっとりと舐り回す。まるで、フェラチオをねだる私を待つかのように。
吸い付くリップ音がした瞬間、怒張したペニスが大きく頭を揺らす。シミコは愉快そうに目を歪め、先走りまみれの右手で竿を握りしめた。
「いいんですよ、先生。生徒を見ておちんちんを
鞭を手放した左手が、膨らみの先端に添えられる。マットな質感の黒に、うっすらと浮かんだ陰。内側から押し上げられて、隆起している。指先が描いた軌跡は、乳輪のサイズだろうか。
尊厳をすり減らされている最中だというのに、男の下世話な興味は、色や大きさや質感を思い描いてしまう。シミコがそれを見抜いているのは明白だった。「ここですよ♡」とアピールするように指先で乳頭のシルエットをつまんでコリコリと捻り、甘い吐息を漏らしてみせた。
「ん、ぁん……♡ 弄るところ見られちゃうの、気持ちいいですっ……♡」
「うぅ、し、シミコ……!」
「そういうわけで、ほら♡ 素直になって、甘イジメされちゃいましょう? 恥ずかしいかもしれませんけど、マゾの先生は、と~っても気持ちよくなれますよ♡」
「ちっ、ちが、マゾじゃ──ぉほっ!」
──ちゅく♡ ちゅく♡ ちゅく♡ ちゅく♡ ちゅく♡
焦らす手つきに火が入った。先走りが根元まで塗り広げられ、シミコの手が上下するたびに粘っこい音が立つ。
明らかに答えを誘導する尋問。明確にオーガズムを促すリズムと圧迫感。スナップを効かせた手つきがカリ首を甘く締め付け、重い快楽に腰が跳ねてしまう。
「あっ、ヤバ、イくっ……!」
──ぴたっ。
腰の奥から熱が上ってきた瞬間、手コキが止まってしまった。
堰き止められた精液が逆流し、ペニス全体がのたうち回る。
「何も言わずにイッたら、〝めっ〟ですよ♡」
「そ、そんな、っ」
「こういうとき、何て言ったらいいか……分かりますよね?」
指の腹で亀頭をくにくに弄ばれる。
かゆみにも似た快感がじりじりと脊髄を焼く。
解放したい。
射精したい。
思う存分ぶちまけたい。
だけど私は大人なんだ。
このまま流されるわけにはいかないんだ。
風前の灯と化した理性が最後の抵抗を試みる。
「さぁ先生、どうぞ♡」
……気付いてしまった。
これ以上の抵抗を止めようとしている自分がいる。
綺麗な青い目に映る自分の顔を見た瞬間、私は目を背けた。それが無駄な抵抗に終わるということを、分かっていながら。
「……言ってくれないと、ご褒美をあげられませんよ? ず~っと焦らされちゃいますよ?」
──ぬちっ……♡ ぬちっ……♡ ぬちっ……♡
唾液まみれの舌が耳介を舐め上げる。囁かれる声は蜂蜜よりも甘く、それでいて有無を言わせぬ圧がある。抵抗すればするほど追い詰められていくだけだ。
だったら、いっそのこと。
幸せな敗北を望んだって──
「し、シミコ……お願い……」
「?」
「え、えっと……」
シミコはにっこり笑った。
優しい笑顔だった。
だが、そこに優しさはない。
「何をお願いされているんですか? きちんと言ってくださらないと、分かりませんよ?」
「や、やっぱり……ひっ」
枕元に置かれていた短鞭にシミコの手が伸びた。
その瞬間、私は勢いよく白旗を上げていた。
理性が舌の先から引きずり出されていく。
「い……イきたい。お願い、イかせて……」
「どうやってイかせてほしいんですか?」
「て……手で……」
「こうですか?」
──ぬる……ぬる……
──こちょこちょ……
「それだと、優しすぎて、イけないからっ! も、もっと強く握って、激しくしごいてっ、お願いシミコっ」
なんと情けない懇願だろう。
大人の矜持が音を立てて崩れていく。
シミコは弓なりに目を細め、くすくすと笑って、そして。
「はい、かしこまりました♡ じゃあ、最高のお射精を迎えましょうね♡」
──ずりゅっ♡ ずりゅっ♡ ずりゅっ♡ ずりゅっ♡ ずりゅっ♡
「お、おぉぉっ! あぐ、っぐぅぅぅ~~~~~~!」
速度を上げた手コキは、もはや愛撫とは言えなかった。拷問のような刺激の強さに腰がのたうってしまうが、シミコの脚ががっちりと押さえ込んでいる。
ぐちゅぐちゅと濡れた音が響き渡る。大きなガラス窓の外にまで漏れてしまいそうだ。敏感な亀頭を手筒が蠕動し、射精目掛けて私を追い込んでいく。ペニスのツボを余すところなく責め立てて、導火線が瞬く間に焼け落ちていく。
「ううううっ、イく、イく、イく、イく、イくっ、手コキで射精するっ」
「はい、そうですね♡ もうすぐですよ♡ 楽しみですね♡」
「あっ、あっ、あっ……」
睾丸がぎゅるぎゅると唸りをあげ、緊張の糸に切れ目が入る。
その瞬間。
「──先生」
イけ。
「っっっ!!!! あ゛っ──」
抑えた低い声がトリガーになった。
──びゅぐぐぐぐっ♡♡ ぶびゅる~~~~~~っ♡♡♡
煮詰められた快楽が決壊した。
シミコの手のひらの中で、肉竿が激しく痙攣する。
ぐつぐつ煮えた精液が鈴口をこじ開け、激しい噴火が起こる。私は思い切り腰を突き上げて、情けない
「あああっ、あっ、あ~~~~~~~~~っっ!」
上擦って蕩けた情けない悲鳴だった。
だがその羞恥が入る隙間はどこにもない。
「あっ♡ 勢いすごいっ♡ ふふっ、いっぱい出しましょうね~♡」
薄い革手袋が、白く汚されていく。それにも構わず、シミコは射精中のペニスを容赦なくしごきたてる。両目を恍惚と潤ませながら、嗜虐的な笑みを浮かべていた。
「……あっ……お、ぉ……」
視界に火花が散っていた。ペニスの拍動はまだ続いており、失禁でもしたのかと錯覚するほどに、精液が漏れていた。しだいに吐精の間隔は長くなっていき、何十秒経ったのかも分からなくなったころ──シミコは尿道の中身までしっかりと搾り切った。
私の吐きだした劣情はシミコの黒い手袋を真っ白に汚していた。
「すごい、匂い……♡」
少し離れていても匂ってくる青臭さに、シミコは眉を潜めることもなく鼻を近づけていた。ひとしきりすんすんと精臭を嗅ぐと、そのまま舌を伸ばして舐めとっていく。私は放心状態で、それを見つめていた。時折レンズの向こうからシミコは目を合わせ、挑発的に目を細める。
そうやって、白濁した手袋が真っ黒に戻ると──シミコは溜め込んだ出したてザーメンを、喉を鳴らして飲み込んでいった。
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<3>
「ふぅ……気持ち良かったですね、先生♡」
シミコがソファーに腰かけ直す。膝を揃えて座る仕草そのものは上品だった。だがその格好こそが問題なのだ。オノマトペが聞こえてきそうなほどにむちむちした太腿が隙間なくびっちり張り付いている。
その鼠径部の「覚悟」の決まりようといったら──
「先生、お気づきですよね。このレオタード、ちゃんと原作再現なんですけど……おっぱいの脇を出すからブラも着けられませんし、鼠径部が
シミコはゆっくりと立ち上がり、その場で軽く回って見せた。背面の露出もかなりのもので、お尻がほとんど丸出しだ。一回転して衣装を見せびらかすと、またソファーに上ってきた。膝立ちになって、私の顔の前に下腹部を近づけてくる。
「下もちゃんと、〝お手入れ〟したんです……♡」
指先がレオタードの鼠径部を少しずらした。くちゅり、と水音が僅かに立つ。ほんの数センチしか、布地は横にずれなかった。真っ白い肌を隠す、真っ黒な布。その奥から現れたのは、薄紅色の秘裂に、猫の額とばかりに狭く刈り込まれた薄めの陰毛。
無意識に私の目は剃り跡を探していた。頭上から笑い声が降ってくる。
「先生のえっち♡ そんなにまじまじとアソコを見るなんて……もう、しょうがないですね♡ そんなに見たいなら……♡」
──にちゃ……♡
シミコの指が大陰唇を左右に開いた。ぐしょぐしょだった。愛液が糸を引いていた。蒸れた濃密な雌臭の甘酸っぱさが目に染みる。鼻腔にまとわりつく淫らな香りが、股間にズンと響いた。
「さぁ、どうぞ……♡
ぐいっ、と下腹部を押し付けられた。あまりの湿気に息苦しさすら覚える。口を閉じていることができず、私は──いや、花弁に誘われるままに、自ら口を開いていた。
「あっ……♡」
私の唇はシミコの股座に吸い寄せられていた。柔らかな感触と、ねっとりした熱気に包まれる。甘酸っぱい匂いが鼻腔を満たし、理性が痺れる。
──ちゅ♡ ちゅる♡ ぢゅ……♡
「ん♡ や……ほ、ホントに舐めてる……♡」
頭上からシミコのくぐもった声が降ってきた。吸い付く唇に、とろっとした蜜が流れ落ちてくる。甘酸っぱいような、生っぽいような。舌で粘膜を舐め上げると、口内に入りきらない愛液が顎を伝った。
「やっぱり……んぁ……♡ マゾなんじゃ、ないですかぁ……♡」
私は何をやっているんだろう。
小さな突起を舌で転がしながら、そんなことを思った。
シミコは子どもをあやすように私の頭を撫で、後頭部を抱き寄せる。
「無理やりこんなことさせられてるのに、ノッちゃってますよね……♡ 大人が、年下の女の子の言いなりになっちゃって……♡」
揶揄うような口調は揺らいでいた。息遣いの合間に悩ましい声を漏らし、シミコは腰をくいくい揺らしている。蜜の湧く泉を舌先でくすぐると、こんこんと新鮮な露が垂れてくる。
──ぴちゃ♡ ぢゅっ♡ れる、れろ……♡
「はぁ……♡ 舐めてもらうのって、こんな気持ちいいんですねぇ……♡ ふふっ、先生、上手、ですよぉ~……♡ ちゃんと、味わって、くださいね……♡」
快感に戸惑うような声色が、私の背筋をくすぐる。ぺちゃぺちゃと水音を響かせながら舌先で舐り回し、クリトリスと戯れていると、シミコの声が甘く蕩けていく。
顔を圧迫する質量が徐々に大きくなっていく。シミコの太腿が、ぷるぷる小刻みに震えていた。吐息に含まれる湿度が増していく。何も言われていないのに、私は膣穴からあふれ出る蜜をこぼすまいと、夢中で舐めとっていた。愛液が顎から首へ垂れ落ちる。
「ぁあんっ♡ それ、いいです……♡ そこ、もっとぉ……♡」
吸い付きながら、ちらりとシミコの表情を窺い見た。恍惚と酔い痴れた蒼が、眼鏡越しに私を見下ろしていた。服従の快楽に支配されつつある自分が、そこに映っていた。血の気がさぁっと引いていく。
だがその引いた血は、一斉に下半身に集まっていく。萎えかけていたペニスが再び角度を上げ始めている。どく、どく……と鼓動に合わせて膨らんでいくソレに、シミコの手が添えられる。
「先生、またおちんちんがおっきくなっちゃいましたね♡」
「ち、ちが……これ……っ」
「あんなにいっぱい出したのに、もうまた出したいんじゃないですか♡」
ふっと鼻から笑みを溢すと、シミコは私の唇に再び割れ目を押し付けてきた。半開きだった唇は呆気なく秘裂に塞がれてしまう。
──ぢゅ♡ ぢゅる♡ ぴちゃ♡ ちゅく♡ れろ……♡
「お迎えの準備がいりますよね♡ さぁ、ぺろぺろしてください……♡」
後頭部に添えられていた手が、強引に引き寄せられる。
「ふふっ……先生の舌が、ナカに入ってきて……♡ とってもいやらしいです……♡」
囁かれる艶声は官能的な吐息に乱れ、頭の芯を痺れさせていく。唾液と愛液が混ざり合い、じゅぽじゅぽと淫らな音を奏でる。深く吸い付くたびにシミコの腰が揺れ、私の鼻先で花弁がヒクつく。
「あぁ……♡ きもち……♡ 先生の舌が……♡ んぅ……♡」
シミコは喘ぎ声を堪えようとしていなかった。悪の衣が、彼女を開放的にしている。私は息苦しさに耐えかねて顔を引こうとするが、シミコが放してくれない。逃げるどころか舌はさらに深く食い込み、私はただひたすら奉仕に励むほかなかった。
──ずちゅ♡ ちゅぷ♡ ぴちゃぴちゃ♡
「ふふっ……♡ 可愛いですよ~、先生……♡」
「ん……むぐ……!」
「おっきな男の人が、女の子に押さえつけられちゃって……♡」
シミコの吐息が荒くなる。腰の動きはしだいに激しくなり、私の顔面に擦りつけるようにして彼女は快感を求め始めた。熱く潤んだ粘膜が吸い付き、私の舌に絡まってくる。
──にちゅ♡ にちゅ♡ ぐちゅ♡ ぬちゅ♡ ぬぢゅ♡
「は~……♡ は~……♡」
前のめりになって、シミコが割れ目を押し付けてくる。大きな乳房がローアングルの視界を塞いでいて、その表情は見えない。だが、空いた両手が布越しの先端をひっきりなしに弄り回しているのは分かった。
食べごろの巨峰を思わせる、つやつやのパツパツになったまんまるおっぱいが、これ見よがしにたぷんたぷんと揺れている。きっと硬くなっているであろう乳頭を自分の指で、こねたり、つまんだり、引っ張ったり。
それを私がやれたらどんなにいいだろう──息苦しさのなかでそう考えてしまう。乱れた呼吸の合間に、揺らいだ喘ぎ声が聞こえる。愛液を啜るたびに陰茎は血管が浮き、浅ましく幹が膨らんでいく。顔面はがっちりと固定されていて、腰だけが情けなく宙を泳ぐ。
「はっ……♡ あぁっ……♡ イ、イキそうです……♡」
シミコの声が途切れ途切れになる。その瞬間、下腹部の奥からもったりした蜜が噴き出し、私の口腔を満たした。匂いも味も一段と濃い。いわゆる本気汁なのだろうか。
慌てて唇で吸い上げるが間に合わず、幾筋もの液体がソファーに飛び散る。それでもなお溢れる愛液は私の口元や顎先を濡らし続けた。腰がカクつき、肉厚な太腿が顔を圧迫してくる。息苦しさを覚え始めたころ、シミコが声のトーンを上げた。
「ああぁっ! イク……っ♡♡」
甲高い声が天井に反響した。太腿がぶるぶる震え、舌を這わせていた膣口が蠢動する。
肉襞が開いては閉じてを繰り返し、濃厚な愛液が溢れてくる。それすらも零すまいと吸い付く。少女に屈服されられるマゾヒスト──その真実から、必死で私は目を背けようとしていた。
「ふ、ン……♡ 先生、もっ、もうおしまいですよ……♡」
ゆっくりとシミコが腰を引き上げた。酸素不足だった肺が大きく膨らみ、息苦しさを脱しようと喘ぐ。乱れた呼吸を整えようと胸を上下させると、動悸がどくどくとこめかみを揺らした。顔中に広がる雌臭にむせかえりそうだ。
「お顔、綺麗にしましょうね♡ ふき、ふき……♡」
シミコが私の顔を拭う。その頬は紅潮し、眼鏡の奥では青い目が淫靡に潤んでいた。演技ではなく本当にオーガズムを迎えていたのだろう。呼吸のテンポと質感が変わっている。彼女が少し体を動かすたびに胸元の果実がぷるぷる揺れ、汗ばんだ肌からは湯気(淫気かもしれない)が立ち上っているようだった。
妖艶の一言だ。真面目な読書家の彼女が見せる淫靡な悪女の姿。その性根には確かに善性が横たわっているとはいえ──善性ゆえに、悪徳との落差が果てしない。このギャップが、私の心臓を否応なく高鳴らせる。
ここで終わりなのだろうか。
解放してもらえるだろうか。
ここで終わってくれないと困る。
でも、ここで終わりだなんて──
「嫌がったり怒ったりするなら、止めようと思ってました。でも……」
「あ……!」
隠すための手は塞がっている。肩越しに振り向いたシミコが、気付かないはずがない。
「こんなにおっきくしてたら、もう言い訳もできませんよね? やっぱり、先生は──」
「ちっ、違う、私はマゾじゃ……」
「あら?」
シミコは小首を傾げ、瞳を細めた。
「私は別に〝先生はマゾです〟なんて考えてもいませんよ?」
胸の奥がひゅんと冷えた。
彼女の声色には嘲りも悪意もない。
かといって、優しくもない。
それが私の逃げ道を奪う。
「でも……ふふっ、否定するときのお顔、とっても可愛いです♡ ますます好きになっちゃいます……♡」
今度は読み聞かせをするような柔らかいトーン。
眼差し、声色、仕草。
演技なのか、素なのかが分からない。
だが、私の心が鷲掴みにされているのは分かる。
「分かりますよ。言えませんよね? 年下の女の子を相手に、恥ずかしいことを素直に口にするのって、難しいと思います。でも……」
既に理性はペラペラの薄紙程度しか残っていない。反論しようとしても頭が働かない。シミコが私を見下ろしている。私の鼻先には、愛液でヌラヌラの裂け目がある。さっきまで私はこれを押し付けられ──促されるままに奉仕していた。
「楽になれる場があってもいいじゃないですか♡ 大丈夫です。私、口は固いですから♡ 先生が、女の子に虐められて嬉しくなっちゃうマゾだなんて、絶対にバラしたりしません♡」
勝てない──
手こそ拘束されているが、痛みはなかった。
与えられるのは、心を暴かれる羞恥と、甘く優しい責め。
砂糖で窒息させられるようで、私はもう抗う術を失っていた。
「だから、先生。教えてください♡ 先生は、何なんですか?」
「わっ、私は……」
言うな。後戻りできなくなる。
涙ぐましい抵抗が薄れていく。
「私は、ま……マゾ、かもしれない」
「
「ま、マゾです。大人なのに、こんなことをされて、興奮して、っ──」
濡れた唇が、私の供述を飲み込んだ。
温かい手が、頬を撫でる。
「やっと正直になれましたね、先生♡」
シミコが慈愛に満ちた笑みを浮かべた。飴と鞭だ。頭ではそう理解しているはずなのに、胸に安堵が広がっていく。それでいて更なる羞恥を掻き立てられるようでもあった。
「じゃあ、ご褒美ですよ……♡」
「ま、まさか……」
戸惑う私をよそに、シミコが膝立ちになった。股に戻りかけた布地がまたずらされ、濡れそぼった裂け目が露になる。その入口に私のいきり立ったペニスが充てがわれた。
──にち……にち……♡
亀頭と粘膜が触れ合い、同時に熱っぽい息を吐いた。
先走りと愛液が混じりあって、互いを濡らしていく。
オスとしての本能が、意識を塗りつぶしていく。
「私もコレが、ずっと、欲しいなぁ、って……♡ だからこれは、私にとってのご褒美でもあって……♡」
肩越しに、ほぼ剥き出しのお尻が揺れていた。それは「私が動きますからね」という誘いでもあって。膣の締まり具合を想像する私はもう、獣に堕ちていた。
「では、いただきます……♡」
言葉通り、シミコがゆっくりと腰を沈めてきた。
互いの息遣い以外は何もないオフィスに、粘膜の擦れ合う音が立つ。その音と共に、亀頭が焼けるようなぬかるみに飲み込まれた。
──ず……にゅぷ……♡
「あっ、くは……♡ おもちゃより、太くて、熱い、っ……♡」
濡れそぼった媚肉が私を飲み込んでいく。窮屈な隘路を押し広げる快感が脊椎を駆け上がる。
結合部が見えるよう、シミコは体を起こして股を開いた。恍惚とした目つきで、自分の体内に埋まっていくグロテスクな肉竿を見つめている。そうする間にも、じわじわと体重がかかり、亀頭が奥に引きずり込まれていく。
──ずぷんっ♡
ほどなくして、刀身が鞘に収まった。いや、捕食されてしまった。ずらしたレオタードの脇で、大きく広がった膣口が雄を丸呑みにしている。予想以上の熱さと締め付けに、声が漏れてしまう。
「ん……♡ 全部入っちゃいました♡ すごいです、奥まで届いてて、ゴツゴツしてて……♡」
「うっ、あう……きつ、っ……」
不規則に蠢く膣壁が、ぐちゅぐちゅとペニスを咀嚼する。シミコの中は熱く、勉強熱心な彼女の性格そのままに、異物の形にぴったりと吸い付いてくる。まだ挿入しただけなのに、もう腰砕けになりそうだ。
「では、さっそく……♡」
シミコが前傾し、ゆっくり尻を持ち上げた。膣肉が絡みつきながら、ペニスが引き抜かれていく。弁になった膣襞がカリ首をぞりぞり擦り、思わず私は天を仰いでしまった。
──ずぷぷぷ……ぱちゅっ♡
完全に抜け切る寸前で止まり、重みごと落とされる。下腹部に走る衝撃と、稲妻のように駆けあがってくる快感が脳を突き上げる。
「は……♡ あっ……♡ 中で、膨らんでます……♡」
対面座位の体勢で結合し、鼻先がくっつきあう。シミコが両腕を首に巻きつけてきた。ぬいぐるみに抱き着くようにして、腰を遣ってくる。小刻みな振動と激しい上下運動が交互に襲ってきて、私は涎が垂れないよう歯を食いしばっていた。
──ぱちゅ♡ ぱちゅっ♡ ぱちゅん♡ ぱちゅん♡
ピストンのたびに、シミコの尻肉が波打っている。ぎゅっとしがみつく彼女と目が合うと、息継ぎするみたいに唇が重なってきた。啄むだけのバードキスかと思えば、ねっとり舌を絡めてくるディープキスも織り交ぜて、私の味覚に味を刷り込んでくる。
ふわりふわりと、太めに束ねられたお下げが宙を舞う。シミコが体を起こせば、襟を留める緑のスカーフの下で、ゴム毬のように乳房が弾む。鷲掴みにしたくなる膨らみが私の視線を縫い付けるが、それは叶わない。両手の自由は奪われている。
「あっ……♡ もしかして、おっぱいが気になりますか?」
シミコはそんな私の恨めしい視線を目ざとく拾い上げた。上体を揺らしてボリュームを見せつけると、そのまま私の頭を抱えて胸元に押し付けた。むにゅうっ、と乳肉が押し潰されて広がり、空気の通り道を塞いでいく。
「よいしょ……♡」
──ばすん♡ ばすん♡ ばすん♡
豊満な双丘に顔面を包まれながら、下半身は杭打ち機のような抽挿に翻弄される。鼻や頬に押し付けられるとろけたプリンの柔らかさは、甘くて幸せな拷問だ。息苦しいのに、時折顔を掠める硬い乳首の感触を、意識が勝手に探ってしまう。
「はぁ……♡
シミコが夢中で腰を振る。
下の口で私を味わっている。
太さや硬さや長さを確かめるように締め付け、精を搾り取ろうと粘膜をうねらせている。
やがて、水音に乾いた破裂音が混じり始めた。ぱん、ぱん、ぱんと下腹部がぶつかり合う。腰の動きが速くなる。膣圧はきつくなる一方だ。まるで、膣襞で握られ、激しくしごかれているようで。
──ずぱんっ♡ ずぱんっ♡ ずぱんっ♡ ずぱんっ♡
「んっ♡ あんっ♡ あっ♡ んんん~~っ♡♡」
男を貪って、シミコが喘ぐ。甘く蕩けた声が、密室と化した執務室に響き渡る。幸せ固めを喰らっていた顔を辛うじて持ち上げると、目と鼻の先にあるシミコの表情が熱っぽく潤んでいる。眼鏡越しの青い瞳に宿るのは、快楽への没頭と征服の歓喜だ。
「先生、可愛いです♡ 中でおちんちん、こんなに膨らませて……♡」
「う……ちょっと、もう、ヤバい……っ」
体温、匂い、肌触り。対面座位の密着感は麻薬のようだ。腰の奥で焦燥感が膨らみ始めていた。下半身をナマの蜜壺で責め立てられて、限界があっという間に近づいてくる。
少しだけ隙間ができたが、顔の下半分はまだ乳肉に覆われている。足りない酸素を求めて、呼吸が浅く早くなっていく。
もうダメだ、出る──
────
だが、そのカタルシスは訪れない。
シミコがピストンを緩めてしまった。
「な、んでっ」
思わずあがった私の声に、シミコは不敵に笑った。
「まだダメですよ♡ イきそうになったからすぐイくなんて、マゾの先生には許されません♡」
「そんな……」
「ふふっ……あははっ♡ そんなにがっかりしなくたって♡ ……大丈夫ですよ、最後にはちゃ~んと、気持ちよくなれますからね~……♡」
また弄ばれた。
それに気付いたのは、シミコに耳を舐められた後だった。
耳朶を舐め、耳の穴に舌を入れてくる。
そうやって私の羞恥を煽りながら、腰の速度を上げる。
──ばちゅ♡ ばちゅ♡ ばちゅ♡ ばちゅ♡ ばちゅ♡
「お゛ッ、あ……! ぁが……ッ」
体重をかけた杭打ちが襲ってくる。シミコは嬌声を漏らしながら、最奥で亀頭を捏ね回し、子種を搾り取ろうと膣圧を強めてくる。
もう頭が回らない。トロトロの蜜壺が締まり上がって、引っ込みかけた射精感を瞬く間に引き戻されてきた。焦燥感が神経を炙ってくる。
「あ、あっ、あっ、イく、出るっ……」
「……だ~め♡」
深々と肉竿を飲み込んだまま、またシミコが動きを止めてしまう。行き場のなくなった衝動が腹の中で渦を巻く。体の制御権までシミコに支配されてしまったのか、突き上げればすぐ絶頂できるはずなのに、腰が動かない。
「うっ、うぅ……ひどい……」
私の漏らした情けない声を聞き届けると、慰めるように口づけが交わされる。
「この生殺しがどうすれば終わるのか……お分かりですよね?」
甘ったるい声でシミコが誘う。腹筋を緩めて膣圧を抜き、わざと緩慢に浅い出し入れを繰り返して、劣情の炎を燃やし続ける。
「さぁ、どうぞ♡ 正直に打ち明けてください♡ 先生はどうしたいですか?」
「いっ、イきたい……お願い……」
「もっと具体的に言わないと分かりません♡ 〝イく〟って、何ですか?」
「射精、したい……です……」
「どこに……ですか?」
シミコの指が私の顎を撫で、鎖骨をなぞった。そんな刺激にすら、蜜壺に囚われたペニスは亀頭を膨らませてしまう。
「もしかして、ナカに出しちゃうんですか?」
「う、ぐ……」
「コンドーム、つけてないですよ? 赤ちゃんのお部屋に、あつあつミルクを注いじゃうんですか? でも……先生がどうしてもって言うなら、私も〝悪い子〟なので……♡」
言葉巧みにシミコが煽る。
誘導されているのは分かりきっている。
シミコだって求めている答えは同じはずだ。
でもそれを、私の口から言わせようとしている。
私の口から言ってはいけないと、知っているから。
でも──もうダメだ。
私はもう分からされてしまった。
こんな葛藤すらも見抜かれている。
この子には、勝てない。
「な……ナカで射精しても、いいの?」
口からそう滑り出た。
理性の歯止めなんてもう効かなかった。
「
「じゃあ、だっ、出したいっ。シミコのおまんこで射精したいですっ」
私の敗北宣言が、空しく響いた。
大事なものをいくつも手放してしまった。
それなのに、喪失感を、得体のしれない充実感が埋めていく。
「わっ……♡ 分かりました♡ じゃあ、すぐにでもっ♡」
シミコは肩をわなわなと震わせ、悦びを露にした。その昂りを示すように、ぎゅううっ♡と膣肉が締め上げてくる。そして、ふうふうと荒い息を吐き、思い切り下腹部を打ち付けてくる。
──ぱんっ♡ ぱんっ♡ ぱんっ♡ ぱんっ♡ ぱんっ♡
「あ、あ、あ、っ」
激しい打擲音が鳴り響く。待ちわびた極上の愉悦が背筋を貫いた。興奮に首まで紅潮したシミコが、思い切り私を抱き締めてくる。力加減を見失っているのか、苦しいぐらいだ。
「せっ、先生っ♡ 大丈夫ですからねっ♡ ちゃんと♡ 準備っ♡ してきてるんでっ♡ 安心して、〝びゅ~~~っ〟ってしてくださいねっ♡」
肉同士がぶつかり合う湿った音と私たちの熱い吐息が、神聖な職場に木霊する。シミコが激しく腰を上下させるたびに膣内がきゅうきゅうと収縮を繰り返し、ペニス全体を余すところなく搾り取ってくる。
「……っ!」
あっという間に我慢できる限界を超えて、白濁液が噴き上がった。熱い奔流が尿道を押し広げていく。何もかもを手放した開放感に、目の前が真っ白になっていく。
──ぶびゅるる♡ どぷっ♡ どくん♡ どくっ♡
膣内の一番奥で、私を包み込む熱い粘膜に勢いよく精子を浴びせかける。腰がひとりでに浮き上がり、子宮口と亀頭がディープキスを交わしていた。その熱を浴びて、シミコが目を白黒させている。
「あ゛、私も、イ゛、っ♡♡ あっ、熱っ、いくっ、いぐ♡♡♡」
余裕たっぷりだったシミコが喉を反らし、濁った声をあげて絶頂した。膣奥深くに亀頭を食い込ませ、根こそぎ搾り取ろうと膣肉がうねって脈動する。
精液をどくっと放つたびに、ペニスが大きく跳ねた。心臓の鼓動がやかましく脳内に響く。私を抱き締め──いや、抱き潰しながら、シミコもがくがくと全身を痙攣させていた。
やがて、長い射精が終わる。
拍動のテンポが緩んでいき、虚脱感が全身に広がっていく。
酸素を求めて必死に呼吸していると、シミコが私の顎を持ち上げて、唇を重ねてきた。
射精できたことを褒めるようなキス。今日だけで何十回交わしただろうか。息苦しさを分け合うように、ねちねちと舌が絡み合った。思えば、入れられた舌を迎え入れた時点で、私の深層意識はシミコに支配されてしまったのかもしれない。
そうして、セックスの残り火に互いの汗が絡みあう中──手首の拘束が緩んだ。
- - - - - - - - - -
<4>
「お……お疲れ、様でした……♡」
シミコの指に、鍵が握られていた。もう貴方を拘束したりなんてしません。そう口にする代わりに、私のシャツの胸ポケットへその鍵が滑り込む。
「…………」
本来ならここで、攻守の逆転が起こるのかもしれない。もしくは、「こんなことをするなんて」と、大人として叱責するべきなのだろう。
けれども、できなかった。私の自尊心は折られてしまった。
円堂シミコという清らかな文学少女の目覚めに圧倒されてしまった。
私は、負けたのだ。
「んっ……♡」
シミコがゆっくりと体を離し、泥から茎を引き抜くような音と共に、結合が解けた。名残惜しげに膣内から抜かれると、まだ敏感なペニスがびくりと震えた。粘り気のある精液と愛液が混ざり合い、膣口と鈴口にディープキスの痕が糸を引いて伸びた。
「はぁ……♡ 負けちゃいましたね♡ こんなにいっぱい出しちゃって……♡」
こぷ、こぷ、と私から搾り取った白濁液が垂れ落ち、ドロドロのペニスにまぶされていく。生ぬるくて、薄く引き伸ばされたスライムのようだった。
「シミコ……も、もう止めよう」
「あら……いけませんよ、先生」
解放された私の手首を掴み、シミコが顔の前へ近づける。手首には微かに赤い痕が残っていて、彼女はそれを見て、眉尻を微かに下げた。
指先がわずかに動いた。触れて確かめたかったのかもしれない。けれど彼女はそのまま、何も言わずに微笑んだ。
「このまま終えたら、先生は悪の幹部にさんざん虐められただけで終わってしまいます」
「えっ……?」
「勧善懲悪の物語は、悪への制裁がなければ幕を下ろせないんです。こんな悪い子にはそれ相応の罰が下されるべきです。そうでなければ、カタルシスが生まれません」
シミコの表情が読めなかった。
その口元に浮かぶ微笑みは、何を意味するのだろう。
落ち込む私への優しい慰めなのか。
それとも、さらに私を嬲ろうというのか。
「つい熱が入って、やりすぎちゃったな、って思ってるんです。反省、してます……」
シミコが私の手首に口づけた。赤い痕へ、労わるように唇を滑らせる。まるで「傷つけてごめんなさい」と言わんばかりの仕草だ。だがその眼差しは、じっとりした熱を帯びている。
「ピンチや敗北からの逆転はヒーローものの王道です。貴方をこんな目に遭わせた悪者を懲らしめるチャンスですよ?
挑発的だ。眼鏡のレンズが光を反射し、青い瞳には愉悦の輝きが宿っている。口元に浮かべた笑みには余裕がある。誘われている。私を優位に〝立たせよう〟としているのだ。それなのに。
「あぁっ、どうしましょう♡ 弱点が丸出しになってしまいました♡ 私、
わざとらしく股を晒し、自らシミコは膣口を指で広げる。クリームをぶちまけたように白濁した雌穴はぐにゅりと開き、ひくひく蠢いている。見え見えの挑発行為なのに、今しがた力を失ったばかりのペニスが反応してしまう。
「さぁ……先生♡ 悪い子に、えっちな罰を……♡」
明らかに、シミコは私を誘導している。
ここで乗れば、彼女の思う壺。
抜け出せない深みにますますハマッてしまう。
さっきまでは逆レイプの形だった。
私はあくまでも一方的な被害者だった。
だけど、私が自らシミコを犯しては──
そんな葛藤とは裏腹に、肉竿がぐんぐん角度を上げていく。
くねくね身をよじって、シミコは物欲しげな目で見つめてくる。
膣内には私の吐き捨てた劣情が溜まっているはずだ。
それなのに、まだ欲しがるなんて。
私はどうすればいい?
この子の思惑に乗ってはいけないはずなのに。
わざわざ
疼きが燃え上がって、たまらない。
「く……くそ……っ」
悪態をつきながら、私は彼女の膝を掴んで割り開いた。
「あっ……♡ だ、だめぇ……♡ そんなおっきいのを入れたら壊れちゃいます……♡」
露骨な演技だ。抵抗するどころか、シミコはふにゃっと脱力し、進んで体を開いている。恥ずかしそうにしているのも、演技なのかそうでないのか分からない。だが、期待に満ちた目で私を見上げ、股を濡らしている。
「か、覚悟しろっ、この悪者めっ」
──ぐぢゅ……ぬるるるっ♡
「あっ♡ あぁぁんっ……♡♡」
蜜壺に亀頭を埋める。さっき出したばかりの精液でヌメっていることもあり、まるで吸い込まれるように奥まで届いた。根元まで飲み込むと、膣壁が嬉しそうにまとわりついてくる。シミコは蕩けた笑みを浮かべていた。
「お仕置きだからなっ……自分の悪事を、思い知れっ……」
「ひぃんっ♡ やだぁ、怖いですっ……♡」
恐怖の欠片もない、甘ったるい悲鳴だった。反省なんて全くしていないに違いない。だがこの憤りすらも筋書きどおりなのだとしたら、もはや何をしたってレールの上だ。それだったらいっそ、この締まりの良いトロけた蜜壺を、心行くまで味わったって──。
──ばちゅっ♡ ばちゅん♡ どちゅっ♡ どぢゅ♡
腰を叩きつける。ベッドよりも不安定なソファーでは、それだけ体重がかかる。膝裏をがっちり掴んで押さえつけ、どすっどすっと怒張を叩き込む。
「あ゛っ♡ お゛♡ くひ、っ♡ あぁっ♡ つよぉい♡ 負けちゃいますっ♡」
シミコは眉根をぎゅっと寄せ、汗ばんだ乳房を大きく揺らしている。濡れた目尻は歓喜に滲み、喘ぎ声を漏らす口元は緩く笑っている。
「さっきから、こんなに大きいのを揺らしてっ」
「ううっ♡ ち、ちょっと、お菓子、食べすぎちゃって♡ んっ♡ ん♡ あっ、揉みすぎですっ♡」
跳ね回る乳房を鷲掴みにして揉みしだく。黒レオタードの表面に浮いた乳首はカチカチに硬い。指先で摘まんでやると高い悲鳴があがり、蜜壺がうねった。
「あっ、あぅ♡ うぅ、おっぱいも、気持ちいい……っ♡」
両腕を頭上に投げ出し、シミコは私の
「あっ♡ あっ♡ もっと……♡」
レオタードの脇から手を突っ込み、生乳だって無遠慮に踏み荒らしてやる。吸い付く柔肌は弾力豊かで、多少力を入れないと弾き返されるほど。
だが、指の痕が赤く刻まれても、腹をわしゃわしゃされる犬みたいに、身をよじって蕩けている。私が熱くなること自体が、彼女の快感なのだろう、きっと。
何が勧善懲悪だ。
何が悪役への制裁だ。
罰を求めておいてこんな嬉しそうに。
お仕置きと称して一方的に犯しても、シミコへのお仕置きは成立していない。美味しそうに下の口でペニスを咥え込み、私の種付けプレスをねっとり味わっている。
──どちゅっ♡ どちゅっ♡ どちゅっ♡ どちゅっ♡
「お゛♡ お、おくっ♡ 奥は弱いって♡ あっ♡ イくっ♡ イ゛ぐ……♡」
──ぐりっ♡ ごり♡ ごちゅ……♡
「い゛♡ い♡ イッてるところに、おいうち♡♡ ひっ、ひどい、ですっ♡♡」
膣奥をぐりぐり捏ね回しても、痛がるどころか悦んでいる。絶頂している所への追撃にすら、腰をヘコつかせて向こうからおかわりをねだる始末だ。凌辱してやろうと私が試みたところで、それ自体がシミコへのご褒美になってしまっている。
勝っているのに、負けている。
その惨めさに興奮して陰茎を太くしている私こそ、制裁が必要だ──そんなやるせなさを忘れようと、私はシミコを無我夢中で突いた。
「ほ、ほらっ。今度は後ろからだっ」
腰を掴んで引っくり返し、尻たぶを広げる。混じり合った体液が撹拌され、膣口で白く泡立っていた。うつぶせのまま寝バックの体勢にさせて、肉竿をずるんと突き入れる。
「ほ、お゛おぉぉ……♡」
膣奥まで一気に滑り込ませると、シミコがクッションに顔を埋めた。寝そべった体に圧し掛かり、上から押さえつける。悪役衣装の背面はあまりに布地が少なく、背中はほぼ剥き出しで、お尻の肉もほとんど隠れていない。肩甲骨あたりから下は、裸と大差なかった。
「弱い所を、たっぷり虐めるからね……!」
「っぐぅぅう♡♡ あ゛っ♡ か、はぁ……♡♡♡」
──ぐぽっ♡ ずぽっ♡ ずぽ♡ ばちゅ♡
奥を穿つたびに膣肉がぎゅうっと締め上げてくる。正常位とは違った角度で、亀頭に擦れる感触も異なる。ポルチオを擂り潰すように腰を回すと、シミコの背筋が弓なりにしなった。
「い゛、い……♡ よっ、弱い所ばかり、責める、なんてっ♡」
「悪い子へのお仕置きなんだから、当たり前でしょっ。ほらっ、反省、しなさいっ」
「っぎ♡ お゛~~~~~♡♡♡ いッ、イ゛ぐっ♡ お゛ぐいじめられていイ゛ぐぅぅっ♡♡♡」
濁った悲鳴があがる。上から折り重なっていると、体格差が際立つ。身動きできないシミコを蹂躙しているような錯覚に陥り、征服欲が怒張を硬く反り返らせる。ピストンのたびにひしゃげて波打つ尻肉に、口角が上がるのを感じた。
腰が引けないくらい密着し、パンパンと下腹部を打ちつける。粘り気のある水音が部屋中に響く。さっきまで私を責め立てていたシミコが、ひっきりなしに嬌声を漏らしている。
「お゛ぉ゛ぉ゛……っ♡♡ ぎッ♡ ぐぅぅ……♡♡ おく……とどいて……♡ めちゃくちゃにされて……っ♡ こっ、こわれぢゃいますっ♡♡♡」
蜜壺がぎゅうぎゅうねじれていた。数回抜き差しするたびに、シミコが絶頂を宣言する。波が引くのを待たずに責め続ける。
主導権を取り返したと思っていた。だがその一方、薄々と分かってもいた。シミコはお尻を持ち上げて、故意に弱点を晒しているのだと。背後から犯されても、私に身を任せっぱなしにしている。
この主従関係が崩れないのだという確信が彼女にはあった。実際、そのとおりだろう。私はシミコに操られている。彼女が最も気持ちよくなれるプレイに乗せられている。
──どちゅっ♡ どちゅっ♡ どちゅっ♡ どちゅっ♡ どちゅっ♡
「ふう゛うぅぅっ♡♡ フーッ♡ お゛♡ お゛♡ お゛♡ いいいっ、またイ゛っぢゃいましゅ♡ まけちゃいましゅ♡ まけりゅぅぅ♡♡♡」
吠えるような声でシミコが喘ぐ。この悪い子を屈服させるつもりで犯しているのに、抵抗どころか逃げようともしない。私がケダモノのように腰を振りたくる様を見て、全身で悦んでいる。
シミコを本当の意味で負かせない悔しさが、腰の奥で膨らみだした。睾丸がきゅうっと収縮を始め、勝者のポジションで迎える敗北射精のときが刻一刻と近づいてくる。イキっぱなしの蜜壺にしゃぶりつかれて、我慢なんてできなかった。
「くぁ……で、出るっ……!」
「あ゛♡ こ、このままっ♡ とどめさしてくだしゃいっ♡ せんせいの、勝ちっ♡ かちでしゅっ♡ おっきいのきましゅ♡♡ いっ♡ イ゛♡♡ ん゛お゛おぉぉ~~~~~~~っ♡♡♡」
──どびゅるる♡ ぶぴゅっ♡ びゅるるっ♡ どくっ♡ どくどくどくっ♡
シミコの膣奥で絶頂し、精液が迸る。
尿道を焼き尽くす灼熱の奔流に身を委ねると、抗い難い恍惚に支配された。腰が砕けてへたり込みそうなほどの倦怠感とともに、脳髄が痺れる陶酔感に満たされていく。
──びゅ~っ♡ びゅっ♡ びゅぷっ♡ とぷぷっ……♡
「あ゛~~~……っ♡ せーえき……きてる……♡ あっつ……ぃぃ……♡」
「はぁ……はぁ……ぐぅぅ……!」
もうこの日三度目だというのに、射精が止まらない。脳味噌が引っこ抜けるような快感と共に、また濃厚な子種汁が放たれていく。互いに腰が震え、下腹部が波打っていた。
「は……あ゛……あ゛ッ……♡」
まっさらなシミコの背中に、汗の滴が浮かんでいる。首筋まで紅潮し、髪が顔に張り付いていた。射精の余韻でひとりでに腰が震え、シミコの膣肉を掻き混ぜる。彼女は尻肉をぷるぷる揺らして、エクスタシーの波に揺られていた。
そのまま、数分は繋がっていただろうか。全力疾走の後の呼吸が、ジョギング中のそれに落ち着き出したころ、くたびれたペニスを引き抜いた。栓が抜かれたことで、ごぽっと粘液が溢れてくる。ソファーの革どころか、その下のカーペットにまで小川が続いていた。
「ふぅ……んぁ……♡」
シミコがのそのそと仰向けになった。火照った頬を潤んだ瞳には、まだ激しい情事の熱が宿っている。額には汗が浮かんでいたが──やはり、彼女の表情には余裕が残っていた。
「まいりました♡
シミコは満足げなトロ顔で私の頬を撫でてくる。顎の先をくすぐる仕草は、飼い猫に対してするそれだ。この状況をして、どこの誰が「私の勝ち」を宣言できるだろうか。
それでも私はシミコに抱き寄せられ、誘われるままに唇を啄んでいた。空しい勝利を慰めるような、それでいて惨めな敗北にはさせまいと掬い上げる優しさをまとったキス。
手を縛られていたときにはできなかったハグを交わす。抱き締めあって体温をシェアしていると、無残な敗北が瞬く間に思い出へ美化されていく。
私はシミコを咎められなかった。
咎めようという発想すら、浮かばなかった。
何も言葉が出なかった。互いに息を整えるだけで、しばらく時間が過ぎた。どこかで時計の針が進む音がする。それすら遠く、現実感が薄い。
肌に残る熱が、まだ境界を曖昧にしていた。罪悪感と安堵、疲労と多幸感──いくつもの感情が、ゆっくりと溶け合っていく。
理屈では説明がつかなかった。シミコはどこまで演じていて、どこまで本音を打ち明けていたのか。だが、確かなことが二つあった。
一つは、もう円堂シミコを単なる生徒としては見られなくなってしまったこと。
そしてもう一つは、私にマゾヒストの烙印が押され、この少女の掌から出られなくなったということだ。
彼女は、私の倫理を越えた場所で笑っている。
その笑みが恐ろしくも、美しかった。
- - - - - - - - - -
<5>
あの日以来、しばらくシミコはシャーレに来なかった。
単純に当番が回ってこなかったからというのもあるが、キヴォトスの図書館全制覇を目指しているとかで、暇さえあれば他所の自治区に出かけているそうだ。モモトークで、そんなことを言っていた。
それだけに、当番表の1ページ目に円堂シミコの名前が出てきた日からは、言葉にならない緊張感が心の隅に漂っていた。
そして今日。私は過大なタスクとの戦いを何とかやりすごし、電気ケトルのお湯をマグカップに注いでいた。ミレニアム自治区でもらってきた高濃度のコーヒーだ。
デスクに戻って腰を下ろそうとしたら、扉がノックされた。腕時計を確認する。ついさっき、彼女の入館通知が来たばかりだった。
「失礼します。こんにちは、先生」
髪の橙と、リボンの緑と、瞳の青。
扉を開けると、円堂シミコがそこにいた。
彼女の声を聞くだけで、胸の奥に微かな疼きが戻る。
トリニティの白い制服。スクエアフレームの眼鏡。小脇に抱えた本。
シャーレに赴任したばかりの頃からよく知る彼女の姿だ。
──なのに、彼女が部屋に立つだけで、空気がどこか熱を帯びる。
書類の整理、資料の確認。
シミコは相変わらず几帳面で、指摘も的確だ。
仕事の手際に変化はないのに、机越しの距離が少しだけ近い気がする。彼女の指先が書類の端を押さえるたび、紙よりも柔らかな何かに触れたような錯覚がする。
その日の午後、ふと視界の端に違和感が走った。シミコの机の下、スクールバッグの隣に、もう一つ黒いナイロン袋があった。大きさは手頃で、何か特別な装飾がされているわけでもない。体操着か何かが入っているのだろう。
視線を外そうとした瞬間、違和感の正体に気付いた。
ナイロン袋から、黒くて細長いものが顔を出している。
ラケットだろうか。
いや、違う。
しなりのありそうなこの質感は──
「先生」
顔を上げると、シミコが席に戻っていた。こちらの動揺を正確に読み取ったように、唇の端がわずかに上がる。
「こちらの荷物──何だと思いますか?」
シミコはにこやかだった。
問いかけのトーンも穏やかだ。
だがその声の底には、あの夜の残響がある。
私が答える前に、彼女の指が袋の口をわずかに緩めた。
「……!」
覗いたのは、黒革の短鞭の柄。
光を受けて、金具の先が一瞬だけ煌めく。
息を呑む私に、シミコは眼鏡の奥で目を細めた。
「大丈夫ですよ。お仕事が終わるまでは、〝いい子〟にしてますから……♡」
何事もない日常に戻ったはずなのに、その笑みだけが、確かに続いていた。
終わり
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<ボツパート>
「あッ……し、シミコ、放して、っ」
──ずりゅっ♡ ぬちゅ♡ たぷっ♡ ぬる♡
施錠した密室に、粘っこい水音が響く。
スライムみたいな乳肉に、ペニスが蹂躙されていた。
「ダメですよ、先生っ♡ まだ、吐きだしきって♡ いませんからっ♡」
私は目の前の光景を夢か何かだと信じたくなっていた。おしとやかで本好きなシミコが、まるで人が変わったように私を弄んでいる。
まともに「服」に覆われているのは首から腕ぐらいの、セーラー服様の部分ぐらい。横乳を曝け出し、鼠径部の大半を露出したピチピチの黒いレオタードは、制服に隠された豊満なボディラインをこれでもかと強調している。
ハイレグの角度は凶悪そのもので、少しでも股布をずらそうものなら、具が見えてしまう。下の毛はいったいどうしているのだろう──なんて、置かれた状況とは裏腹に考えずにはいられない。
一見フリルスカートに見えるものは単なるガーターベルトの飾りに過ぎず、ともすれば露出魔扱いは免れないだろう。
「いかがですか? このレオタード、通気孔があるんですけどっ♡ こんなことにも、遣えちゃうんですっ♡」
息を弾ませ、黒いゴム毬がたゆんたゆんと弾む。谷間の中央に入れられたスリットは、通気孔というよりも明らかに男を弄ぶ乳技のための設計だ。
みちみちに乳脂肪の詰まったズリ穴の奥は汗の熱気で蒸れており、先走りと混ざりあって体液のローションでぬるぬるになっている。
「うふふ♡ 先生のおちんちん、おっぱいの間で暴れてます♡ 大人しくしましょうね~♡」
猫撫で声で揶揄いながらも、シミコは乳圧を緩めない。根元から亀頭まで深い谷間に咥え込まれ、吸い付く生肌に舐られている。
後ろ手に拘束され、ソファーに押し込まれ。
真面目な制服姿と煽情的なコスチューム姿のギャップにやられて、大人しい彼女の強引なアプローチに圧倒されて。
愚かにも屹立した陰茎は、先走りをドクドクと漏らしていた。
──たぱっ♡ たぱん♡ たぱん♡ むちゅっ♡
重い乳肉が上下するたびに、下腹部へ衝撃が走る。ちょっとしたパンチでも喰らっているかのようだ。もちろんその衝撃は痛みを与えるためではなく、乳脂肪の牢獄でパイズリ処刑を執行するためのもの。
「うっ、くっ……あっ……」
「こ~ら♡ 逃げようとしちゃダメですっ♡ 大人しく座って、甘ズリで気持ちよくなりましょうね~♡」
乳肉の体積は片側だけでもペニスのそれを大幅に上回る。それが二対一で挟み撃ちにしてくるのだから、ひとたまりもない。腰を引こうにも引けず、それどころか逆に引きずり込まれる。
先端から根元まで丸呑みにできてしまうほど彼女の乳房は深い。悪魔的な柔らかさが理性をガリガリ削り取る。乳肌の温度と質感が、ペニスを取り込んでしまいそうだった。
──ぬちゅっ♡ ずちゅっ♡ たぷっ♡ ぬるん♡ ぬちゅっ♡
「ほら……先っぽの弱~い所、いっぱい虐めてあげます♡ はい、ごしごし、ごしごし……♡」
「あっ、はおっ、だめっ、そこ弱いからっ」
意地悪く囁く声と共に、むぎゅう~っと生肌に締め付けられる。シミコは床に腰かけ、体重をかけて私の股に寄りかかっている。快感にヘコつく腰がほんの少しだけ彼女の華奢な体を持ち上げるけれど、押し退けるには至らない。それどころか、シミコのパイズリ責めにリズムが生まれてしまい、前後運動のテンポが上がって追い詰められていく。
「あっ、先生♡ 膨らんできましたね……♡ いいですよ♡ 私の心臓、ノックしながらっ♡ びゅ~っ♡てしてくださいっ♡♡」
──ぎゅうううううっ♡♡
自分の手のひらが埋まってしまうほどに、シミコが両手で乳肉を押しつぶした。マットな質感のレオタードがぐにゅりとひしゃげる。勢い良く引っ張られた布地から、橙色の乳輪がぷりんと躍り出てきた。その鮮やかさに一瞬目を奪われ──我慢の手綱が離れた。
「あ、イッ……!」
──どくっ♡ ぶびゅるるっ♡ どく♡ どぷ♡ どぷっ♡
囚われのまま、ペニスが白い断末魔を上げる。鈴口が破裂したみたいにどぷんどぷんと精液が漏れ出てくる。みちみち詰まった乳穴で押し潰された陰茎は暴れることも許されず、搾られる雑巾のように白濁液を漏らすばかりだ。
「あっ、出たぁ……♡ えへへ、ちゃんと出し切りましょうね~♡」
──ぐちゅっ♡ ばちゅ♡ ぬっちゅ♡ ぬちゅ♡
「ぐぅ~~~っ! し、しみこっ、で、出てる、出てるからっ!」
射精中の肉竿を、乳肉が圧搾しながら上下する。スリットの隙間からは白濁液が一滴も漏れてこない。レンズ越しに妖しく輝く空色が、オーガズムに悶える私を見上げていた。
「おっぱいの中、すごいです♡ あつあつの、とろとろ……♡」
怒張の脈動が収まったころになってようやく、乳肉の拷問が終わった。シミコは両胸を捏ね回しながら、胸元に顔を近づける。栗の花とも形容される独特の臭気が、ソファーに座る私まで漂ってくる。
「すん……♡ すん……♡」
レオタードの中で蒸された精臭を、シミコが何度も深呼吸する。私の吐きだしたもので黒いレオタードが白く汚れている。胸元が汚されたというのに、自分の体で私を搾り取って、シミコはご満悦だ。
ずぽっ──くたっと脱力したペニスが、乳穴から抜き取られる。白い橋が鈴口からねばっと伸び、深い乳穴に続く。たわんで途切れようとするそれを、シミコは指で掬い取り、水飴を舐めるようにしゃぶりついた。
「……へぇ、こんな味がするんですね……♡」
嚥下する所を私に見せつけ、しげしげと亀頭を見下ろすシミコ。目の前で角度を下げていく肉竿にお残しがいっぱい付着しているのを確認すると、にんまりと微笑んで──
──じゅぷ……♡
まだ精液でベタベタの青臭いペニスを、シミコは躊躇なく咥えこんだ。
「ん♡ んも♡ っぷ……♡」
生温かい舌で、亀頭を隅々まで舐め回される。張り出したエラの裏側も、裏筋の皺の間も、一枚一枚丁寧に。尿道に残っていた分もストローのように吸い上げられ、じゅるっと品のない啜る音が立った。
「うっ、う……ま、まだ、出したばっかりだから……」
「ん……っぷは……♡ お掃除するだけですよ♡」
敏感な透き通るような上目遣いで見つめられながらのフェラチオ。花弁みたいに可憐な唇に、グロテスクな男の性器が出入りする。その光景はあまりにも刺激的だった。出したばっかりと言っておきながら、海綿体から抜けていった血液がもう呼び戻されている。
このまま萎えてくれれば解放してもらえるかもしれないと思ったが──残念ながら、それは叶わぬ願いだった。
──ちゅぽ♡ ちゅぽ♡ ぢゅぴ♡ ぢゅぞぞ……♡
「あ……あっ、すご、シミコのお口、ねっとりして……っ」
可愛らしさを失うギリギリの、頬を窄めたフェラ顔で、シミコが私を見上げる。口の中で徐々に持ち上がっていくペニスを、粘膜で直に感じ取っている。咥え込まれた肉茎が、一往復ごとに太くなっていく。
男の興奮は、ペニスに現れる。どんな言葉も、勃起を誤魔化すことはできない。「気持ちいい」と意識してしまった瞬間からぐんぐん角度がついていき、先端が上口蓋の段差に当たった。
〝カチカチになっちゃいましたね♡〟
レンズ越しの目が悪戯っぽく語りかけてきた。それを合図に、舌がねっとりと絡みついてくる。竿の裏側を入念に舐り、浮き上がった血管の一本一本を確かめるようになぞってくる。
──じゅぽっ♡ じゅぽ♡ じゅぷっ♡ ちゅるっ♡
粘膜のトンネルに、肉竿をしごかれる。尿道に湧いた先走りは漏れなく啜られ、カリ首を執拗に舐め回される。腰ごと飲み込むような責めに抵抗できるわけもなく、無意識に背中が仰け反ってしまう。
「んも……っぷは♡ ふふっ、先生♡ また大きくなっちゃいましたね♡」
ペニスを離した唇からは、唾液の糸が伸びていた。頬を火照らせた彼女は妖艶な笑みを浮かべ、見せびらかすように喉を蠕動させる。ごくり──下品な音を立てて精の残滓を飲み下すと、そのままソファーの上にのぼってきた。
「では……頂きますね♡ んっ♡ はぁ……♡」
恍惚と息を吐きながら、シミコが腰を沈めてきた。火傷しそうな程に熱い粘膜がみっちりとペニスに絡みついてくる。私は抗う言葉を吐く余裕もすっかり失っていた。脳内に浮かんでいた言葉も、シミコが腰を降り始めた途端──意味のない喘ぎ声に解けてしまった。
【今度こそ終わり】
お読みいただきありがとうございました。
イベントストーリーのシミコ、よかったですね。
衣装があんな過激になったことよりも、知恵と機転で活躍する姿を見られたことが嬉しかったです。復刻時の実装を心待ちにしています。
今回は甘マゾ好きの方向けに書いてみたので、その手の作品が好きな方から特に感想などいただければと思います。よろしくお願いします。