sideヒロ
宿を出る前、リーゼさんに外での呼び方に関して話があると言われました。
「昨日も少し話しましたけれど、わたくしの身体目当てで寄ってくる男達が来たらヒロの事をダーリンと呼びますわ。
名前で呼ぶとパーティメンバーだと思ってわたくしとのパーティを解散させようとしてくる連中もいるでしょうし」
「だ、ダーリンですか?
それは僕がリーゼさんの恋人だと周りにはっきり示すって事ですよね?」
「ええ、それからヒロはわたくしの事をリーゼ呼びで構いませんわ。
今まで愛称呼びを許したのは二人だけ、ですもの」
そういえばリーゼさんの記憶の中に前世で言うサークルクラッシャーみたいな扱いを受けているのもあった気がします。
同一パーティで男女間のアレコレは揉め事の原因になりやすいのでそのせいなんでしょうけれど……。
ここ10年程は立ち回りも上手くなってトラブルは激減したみたいですが、やはり長年の悪評は簡単には拭い去れないということなんですね。
でもリーゼさんからダーリンと呼ばれるのを想像するとなんだか嬉しさ半分恥ずかしさ半分でいつも通りに振舞えるかちょっと不安でもあります。
なにはともあれ、僕とリーゼさんは宿を出ると街道に向かいました。
「……3人、ですね」
「ええ、わたくし達の後をつけてきていますわね」
街を出ようと歩いていると誰かがつけてきているのが判りました。
人ごみに紛れてはいるものの、特につけて来ている事を隠そうともしていないようです。
ブエナ村にいた時に狩りの手伝いなんかである程度獲物の気配を感じ取れるようになってはいたものの、素人に毛が生えた程度の僕ですら気付いたくらいですし。
ましてやS級冒険者のリーゼさんともなれば気付かない筈がない程度の尾行――正直そう呼べるレベルですらない――でした。
が、つけてきている連中は街中では何も事を起こさず、そのまま街を出た僕とリーゼさんは街道を歩き始めたのです。
そして街道をしばらく歩いて行きかう人もいなくなったタイミングで3人が僕とリーゼさんに追い縋って来ました。
「おう、そこの姉ちゃんとヒョロガキ、ちょっと止まれや」
「あら、姉ちゃんとヒョロガキとはわたくし達の事かしら?」
下卑た笑みを浮かべた3人が僕とリーゼさんの前方に回り込んで行く手を塞ぎました。
「アンタ、ここらで良く噂になってる淫乱長耳族だろ?
俺達最近女日照りでよぉ、アンタの大好きなチンコを満足させてくれよ」
「そうそう、そんなヒョロガキなんかより満足させてやるぜぇ」
「俺達3人纏めて相手してくれよ、そこのヒョロガキに見せつけてやるからよぉ」
僕達の行く手を塞いだ男達から浴びせられる欲望に満ちた下衆な台詞。
周囲を見渡すとそこそこ大きな茂みがあり、ちょうどその裏に回れば街道からは見えなくなるでしょう。
距離もそこそこあるのでこの連中はリーゼさんをそこに連れ込んで事に及ぼうとしているのに間違いありません。
そして男達の下卑た視線と下衆な台詞に晒されたリーゼさんは。
「まあ、随分と情熱的なお誘いですこと。
でも残念ですがわたくしを満足させてくれる殿方には困っておりませんの。
さ、ダーリン。先を急ぎますわよ」
男達の誘い――殆ど脅迫ですが――をあっさりと断り、僕の手を取って先に進もうとしました。
「ああ!?
このアマ、調子に乗ってんじゃねーぞオラ!」
「てめぇは黙って身体を差し出しゃ良いんだよ、このビッチが!」
「おぅ、てめぇが言う事聞かねぇならコイツを痛い目にあわすぞ!」
リーゼさんの断りに激昂した男達がいきり立って罵声を浴びせながら彼女の腕を掴もうとしました。
その光景を見た瞬間、僕の脳裏に浮かんだのはブエナ村を出る前、父さんと母さんから教わった冒険者としての心構えでした。
「良いかヒロ。
お前の魔術の腕は元冒険者の父さんたちから見ても相当なものだ。
特に無詠唱魔術、あれは初見殺しで対人戦になったら強力極まりない」
「そうねぇ、アレクの剣の間合いから戦ったならまだしも、ちょっと距離を置いて戦い始めたら私達二人でも勝てないかしら」
僕の魔術の腕は元冒険者の両親から見てもかなり高いもののようで、強さに関しては太鼓判を押してくれました。
「お前は強い上に優しい、普通に生活するなら申し分ない性格をしている。
だがな、冒険者になったらそれだけじゃダメだ。
相手に舐められない態度ってもんも重要になる」
「あなたの優しさを理解してくれる仲間にはその優しさをいくらでも発揮して良いの。
でもね、あなたの事をしらない相手からすればその優しさは付けこむ隙に見える事もあれば、力尽くで抑え込める弱い相手にも見えてしまう」
「つまり何が言いたいかというとだ、舐められていると思ったら強い言葉で相手を牽制しろ、必要があれば脅しで魔術を使っても良い。
弱い態度で舐められたら冒険者としての評判にも関わってくるし仲間にも迷惑をかけかねない、それを忘れるんじゃないぞ」
……ああ、つまり彼らの僕に対する存在すらなきが如くの態度、つまり僕は駆け出しの初心者で眼中に入れる価値もないヤツだと舐めてかかってるんですね。
リーゼさんと一緒にいる「だけ」のヒョロガキ、相手をする価値もないような弱いヤツだと思われている。
そう思い至った僕は思考を切り替えました、リーゼさんの横に並び立つ冒険者としてこんな奴らに舐められてたまるものかと。
気持ちを切り替えた僕は出来る限り低い声で――怒りを抑えていることが伝わるように――リーゼさんと彼らの間に介入しました。
「おい、”俺”の女に手を出すな」
「だ、ダーリン?」
そう言いながら無詠唱魔術で彼らの頭上に大火球を発現させました。
普段とは違う言葉遣いに戸惑った様子のリーゼさん、そして自らの頭上に突然現れた大火球に狼狽える男達。
ヒョロガキ、と侮っていた僕が無詠唱魔術を使うとは欠片も考えていなかったでしょう。
「む、無詠唱魔術だと……」
「コイツ、やばくねぇか?」
「お、俺一抜けたッ!」
「あ、てめぇ!?」
3人のうち1人は無詠唱魔術を確認した瞬間脱兎のごとく街の方へ逃げていき、残る2人はその顔に恐怖を浮かべながら後退りしていきます。
「も、もうその女にゃ手を出さねぇッ」
「す、すまんかった、許してくれぇッ!」
大火球を彼らの方に少し動かして見せると「焼かれる」と思ったのでしょう、2人とも全力で逃げだしました。
逃げ去った視界から3人が完全に消えたのを確認した瞬間、一気に脱力した僕はその場にへたり込んでしまったのです。
sideエリナリーゼ
どうやらわたくし達の後をつけてきた男達は街中で騒ぎになるのを避ける為に街道まで出るのを待っていたようですわね。
街からある程度離れ、街道沿いの物陰に連れ込める場所で話しかけてきましたわ。
数日前までのわたくしでしたら通用したのでしょうね、あんな誘い方であったとしても。
でも今のわたくしには通用しませんわ、タイミングが悪かったと思いなさいな……とお断りいたしましたわ。
その答えに激昂した男の1人が強引にわたくしの腕をとって茂みの裏に連れ込もうとした瞬間。
「おい、”俺”の女に手を出すな」
「だ、ダーリン?」
普段の優し気な様子からは想像も出来ない低い声でヒロが私と男の間に割って入りましたの。
あまつさえ同時に無詠唱魔術で大火球を発動させて男達にプレッシャーを与えましたわ。
腐っても冒険者、無詠唱魔術の希少性と恐ろしさに気付いた男達はわたくしの腕を離すとあっさり逃げだしました。
……ヒロの毅然とした態度、年下の少年に守られる悦び、わたくしの子宮がキュンっとしたのは仕方ないと思いますの。
と、ヒロが突然へたり込んでしまいましたわ。
「ご、ごめんなさい……。
慣れない事をしたせいか、もう大丈夫と思ったら気が抜けてしまいました」
「その慣れない事でわたくしを助けて下さいましたわ、とてもカッコ良かったですわよ?
一度落ち着くまであちらで休憩いたしましょう」
わたくしの言葉にはにかみながら笑みを浮かべるヒロの表情を見ていたら我慢が出来なくなってしまいそう。
休憩を口実にしてわたくしはヒロを茂みの裏――先ほどの男達がわたくしを連れ込もうとしていた場所――に連れ込みましたの。
「……ヒロの姿を見てわたくしのおまんこがこんなになってしまいましたわ。
もう我慢出来ませんの、【愛の巣】を……結界を張ってくださいまし」
「う、うん。分かった。
【愛の巣】発動……これで良いのかな、周りが一瞬光ったけど」
ヒロが【愛の巣】を発動させた瞬間、確かにわたくし達の周囲が一瞬円形に光りましたわ。
光った範囲の内側なら中でやっていることが外に漏れない……と解釈して良いのでしょうけれど、確証がないのはちょっと不安ではありますわね。
それでも以前聞いた声――ヒロ曰くメッセージさん――の言っていたことが正しいのであれば問題はない筈です。
横になったヒロの上に跨ったわたくしはホットパンツを脱ぎ棄て、先ほどヒロに庇われただけで濡れてしまったおまんこと下着を見せましたわ。
そして彼のベルトに手を掛け、ズボンと下着をゆっくりと脱がせて彼自身を露出させましたの。
わたくしの姿を見て興奮していたのか、ヒロのおちんちんは天を向いてそそり立っていますわ。
そして食い入るようにわたくしの股間を見つめるヒロの前で下着を横にずらして、ゆっくりと腰を下ろしながらおまんこを両手で割り開きましたの。
そのままわたくしは腰を下ろしきっておまんこでおちんちんを完全に咥え込むと欲望の赴くままにヒロの上で踊り始めましたわ。
「ああっ、良いですわぁっ……わたくしの奥深くまで突き刺さっていますわ、んんっ……」
「リーゼさん、リーゼさんっ!
もう我慢出来ません、射精ますッ!」
「射精してっ、わたくしの中にッ」
上下運動だけでなく時折腰を前後左右にも揺すり、射精を促すように膣を締めつける。
わたくし主導で快楽を貪りながら快感に流されるヒロの表情を見下ろしながらの行為はたまらなく甘美でしたの。
カッポカッポ……という馬の足音と馬車の車輪が出す軋み音が聞こえてきたのはその瞬間でしたわ。
【愛の巣】の効果でわたくし達の嬌声は外には聞こえていない、はず。
たぶん大丈夫……と思っていても反射的に二人揃って動きを止めてしまったのはやむを得ない状況だと思いますの。
動きを止めてしばらくして馬車は遠ざかっていきましたわ。
声の大きさを考えたら気付かれないはずのない距離でしたから、【愛の巣】の中での行為が外からは分からないというのは間違いなさそうですわね。
などと考えていたらヒロの両手がわたくしの腰を掴むと凄い勢いで突き上げ始めましたわ!?
「ちょっ、ヒロっ、そんなに激しく突かれたらっ……ああんっ♪」
「リーゼさんが悪いんです、あんなに激しくされたら僕だって我慢できる訳ないじゃないですかッ」
細めの身体のどこにそれだけの力があるのかと思うほどの激しい勢いでヒロがわたくしの身体を突き上げてきますわ。
突き上げられて浮いた腰が落ちるたびにわたくしの子宮口にヒロのおちんちんがめり込むのではないかというくらいの激しさのセックスであっという間に限界が近づき――――。
「だ、ダメですわっ、ああっ、こんなの我慢出来ませんわよ、ああっ、あああっ……♪」
「僕も、僕ももう限界ですッ、射精ますッ!」
わたくしの膣内、その一番奥の奥に付きこまれたおちんちんがどくっどくっと脈打つ度に子宮が子種で満たされる悦び。
それと同時にわたくしは自身でも信じられない量の潮を吹くとヒロの上に倒れ込むようにして意識を飛ばしてしまったのですわ。
sideりざると
「……ぐっしょぐしょですね」
「ぐっしょぐしょですわね」
街道の傍で【愛の巣】を使って一戦交えた僕とリーゼさんの身体は――着ていた服を含め――びっしょりと濡れていました。
僕の最後の突き上げでリーゼさんが股間から愛液?を迸らせた――潮吹きと言うそうです――結果でした。
流石に乾くまでは迂闊に動けないので、【愛の巣】の中でしばらく休む事に。
と。
【クエスト「青姦」をクリアしました】
いつものメッセージさんが流れてきました。
リーゼさんと顔を見合わせ次のメッセージを待ちます。
【「青姦」クリアにより「事後浄化」がアンロックされました。性行為によって身体や衣服についた汚れや様々な体液を浄化する事が出来ます。このギフトはヒロ・ブルーバード、エリナリーゼ・ドラゴンロードの両名に付与されます】
「……状況に合わせているのかしら?」
「今の僕たちの状況を見るとそう思えてきますよね……」
実際に使ってみると一瞬でセックスの痕跡がなくなり身体も衣服も綺麗な状態になりました。
便利なのは間違いないですけど【事後浄化】って事は普通の汚れには使えないって事ですよね、コレ……。
4話でりざるとを一緒にしてみましたが、2.5話、3.5話のような分割の方が良いでしょうか? ご意見お聞かせください。
-
分けた方が良い
-
分けなくても良い