「…わかった。だけど、少しは許してくれ」
「え、どう、するの?」
トランクスから指が離れた代わりに、ガチャガチャとズボンを下ろす音が聞こえてきた。
「あの、えっと…大樹?」
気になって、不安になって、恐る恐る名前を呼びかける。
ビクンと、彼の体の下、その暗がりで何かが跳ねた。
おちんちんだ。それに気づいた途端に慌てて目をそらす。
「少し、足開くぞ…」
「あ、でも…。やっぱり、だめ?」
「違う、けど…違わない、か」
「???」
分かんない。分かんないけど、精一杯の勇気で胸を撫でつけながら、彼に促されるまま足を開いていく。
やがて、開いた足の間に彼の体が落ちてくると、トランクスの上に、熱くて、硬い感触が押し付けられた。
「え、あ、あ、や、それ、おち、へ? なにして…」
「素股? っていうのかなこれも。挿れはしないけど…これぐらいは、許してくれ」
「すま? え、あ、でも…うん。それで、君が…良いんなら」
「良くはないけどな。散々期待させといて」
「あ、はい…。それは、ごめん…なさい。だから、うん、良いよ、任せるから」
トランクス越しに、勃起したおちんちんが縦筋へと押し付けられた。
ビクン、ビクンと、私と、彼の体の間で大きく跳ねると、開いた割れ目に食い込んでいく。
じゅる、じゅる…。
水っぽく、粘ついた音を引きずりながら、おちんちんが割れ目の上で動いていく。その刺激は、小指でくすぐられていた時よりも、強くて、大きかった。
上から彼の体重が重なり、押し付けられたおちんちんの熱が、トランクス越しにも、割れ目の内側に伝ってくる。
はぁ、はぁ、と、彼が腰を動かす度に、吐き出す熱が強くなる。うわ言の様に私の名前を呼ぶ声に、愛されてる実感が胸を浮つかせた。
「ごめ、ごめんね…。わたし、助けてもらってばっかりなのに、こんな、ちゅうとはんぱに…ごめ」
だからこそ、余計に申し訳なかった。
雷が怖くてたまらないからって、少しでも気を紛らわせたかったからって。
彼に泣き付いて、甘えて、そのくせに最後までさせて上げられなくて。
「いいよ。ていうか、お前が怖がってるだけなの分かってるのに、ここまでやっちまって、俺の方こそ申し訳ないっていうか」
「違うよ。怖いからって、ここまでさせないよ…。私が、大樹とこうなりたかったからって…」
「なぁ、奏? まだ、怖いか?」
「分かんない。けど、胸がふわふわしてて、頭だってぽやぽやしてるし…」
「いいよ、十分。イヤじゃないなら、それでいい」
「うん。私は、いいから…大樹もちゃんと気持ちよくなって? じゃないと、私が…あっ、んっ」
彼の顔が近づいてくる。
委ねるように瞳を閉じて、重なった唇から愛情が伝わってくるみたい。
キスをされながら腰が動く。
おちんちんが割れ目に擦り付けられて、ゾクゾクとした痺れが私の腰を震わせた。
初めての刺激に、逃げようとする私の体を、彼の手に押さえつけられる。
興奮のせいか、それは少し痛いくらいで、指が、お尻に、お腹にと食い込んでくる。
じゅるり、じゅるり…。
割れ目でおちんちんを受け止めて、その刺激に愛液が量を増す。
動かされる度に、奥から奥から溢れてきて、愛液に塗れたトランクスの皺が、彼のおちんちんに絡まり出していた。
ぐっと、おちんちんが押し付けられる。
彼の手に腰が抑えられ、刺激から逃げることも叶わない。
トランクスの皺を引き伸ばしながら、おちんちんが前へと進む。
その先端がクリトリスを撫で上げた途端に、私は堪らず声を上げていた。
「ひゃっ! あ、や、そこ、まって、強いから…やめ、こすっちゃ、ふぁっ」
ふるっと体が震えて腰が跳ねる。
ゾクゾクした快感が背筋を駆け上がり、一瞬、頭が真っ白になる。
心臓が爆発しそうだった。
おちんちんでクリトリスを刺激される度、膨れ上がった快感が心臓を弾ませる。
声が上ずり、体が勝手に跳ね上がる。
涙が溢れて、じわりと肌が汗ばんでいく。
ぽたり…。ぽたり…。
興奮を隠せない彼の吐息に紛れて、汗の雫が落ちてくる。
ドロドロと、本当に溶け合っていくみたい。
強くなる快感に耐えきれなくなった私は、そのまま彼に抱きつくと、汗ばんだ二人の肌が絡み合う。
腰に手を回して、背中を支えられる。
彼の首に手を回して、クリトリスから流れる強い快感に必死に堪える。
ぶわっと、全身に熱が広がった。
肌が汗を滲ませて、涙が頬を伝わると、トランクスの隙間から押し出された愛液が、彼のおちんちんを濡らしていく。
「あぁぁっ、はぁぁっ、あ、ん、やっ、なんか、なんか、わたし…きちゃっ」
下腹部が、お腹の奥が、きゅぅっと締まりだした。
ただ押し付けられているだけなのに、そこにおちんちんがあるんじゃないかって間違えそうになる。
今まで感じていた快感が煮詰まっていく見たい。
ううん。それを全部合わせて、まだ足りないくらいの快感の気配に、全身が震え出す。
体がソファに押し付けられた。
ぐっと、彼の体が近くなる。
おちんちんが強く押し付けられ、割れ目の上をずり上がり、クリトリスが大きく刺激された。
ピカッと、窓の向こうで稲光が奔る。
反射的に彼の体にしがみつき、おちんちんと割れ目がきゅんっと近づいてしまう。
「ごめん…。ごめん、ね。わたし、ばっかり…こんな、あっ、だめなのに…きもちよくって、ごめん、ごめんなさい…」
涙が勝手に溢れてくる。
ゴロゴロと怒る雷は、まるで私を責め立ててくるみたいに聞こえていた。
自分から誘っておいて、途中でやめさせておいて。でも、私だけ勝手に気持ちよくなってしまって。どんなに我慢しようとしても、体の奥から快感が溢れて収まらない。
罪悪感で胸が詰まる。申し訳無さが涙に変わり、「あ…」と、情けない声まで漏らしてしまっていた。
その時にはもう、頭が真っ白だった。
快感の限界を迎えた私の体は大きく跳ね上がり、ゴロゴロと聞こえる雷の音さえも、自分の嬌声に掻き消されてしまう。
「あ、あぁぁっ!! いちゃっ、わたし、だけ。ごめ、なさ…。ひゃっ、あ、あ、あ、んはっ、はぁ、ふぁっ、はっ、んぅぅぅっ、ゃぁぁぁっ…!!」
ビクビクと腰が跳ねて、ゾクゾクと背中が震え上がった。
ドクン、ドクンと、心臓が跳ね上がる度に、全身が絶頂の熱に包まれていく。
絶頂の間も、イってる間にも、おちんちんが割れ目を、クリトリスを刺激して、それがまた私の絶頂を強くする。
「ぃ、や、まって、ゆる…して。とま、わたし、いま、いまはぁぁっ…!!」
「だい、じょうぶだからっ。奏、俺も、もうすぐ…出るからっ、ぅぁっ」
「へ、え? でるって…あっ」
ピカッと、何かが光る。頭の中が真っ白になる。
ぎゅっと彼にしがみつき、だけど、その瞬間に全身から力が抜けていった。
気持ちいい。感じすぎちゃって、頭がごちゃごちゃになって「ごめんなさい」と、何に謝り続けているのかも分からなくなる。
ぽたり、ぽたりと…。
私の体に、彼の汗の雫が落ちてくる。
ぽたり、ぽたりと…。
でも、それは、それだけじゃなくって。
肌にその雫が掛かると、つんっとした独特の匂いが漂ってきた。
ぽたり、ぽたりと…。
肌にかかり、垂れ落ちて。
その時、仕事を思い出した電灯が部屋を明るく照らしていた。
「あ…これ、大樹の…」
「ああ、悪い。思ったより…でたな」
「せい、えき…あ、そっか。大樹も、ちゃんと気持ちよかったんだ?」
それだけで、少し報われた気がした。気持ちよかったのが自分だけじゃなかったって気づくと、本当に少しだけ、彼に返せた気がしてほっと息を吐く。
「だから大丈夫だって言ったろ。ずっと「ごめんなさい」ってさ。ちょっとこわかったぞ」
「怖いって…そんなの、知らないし」
明かりを取り戻した部屋の中。ほとんど裸みたいな格好で、彼の視線を受け止めていると、急に恥ずかしくもなってくる。
照れた頬を横に逸し、でも、照明に照らされた私の体は、隠しようもない位に、ぐちゃぐちゃになっていた。
涙と、汗と、口の端から涎だって零れている。
更には、火照った肌に点々と、下腹部に近づくほどに、それは、白く、大きく広がって、私の体を汚していた。
だらり、だらりと、胸の谷間に降り掛かった白濁液が流れ込む。
だらり、だらりと、おヘソの穴を白い何かが満たしていく。
だらり、だらりと、自分の体を流れていく精液をぼぅっと眺めている頃には、あれだけ暗かった空はすっかりと、晴れ上がっていた。