「一生のお願い!」
「先月も聞いた気がするぞ…それ」
「違うの、待って、これはマジなやつだから」
「それも聞いた」
初めてのエッチ…。
とも言いづらい、あの日から少し後。私は彼に泣きついていた。
理由は明白、ワンモアチャンス。あの日のやり残し、中途半端に終わらせてしまった行為もう一度。
「ていうか、彼女の初めてのお願いじゃん? 聞いてくれてもいいじゃないっ」
「彼女って…」
「あ、今の反応は傷つくんだけど」
「悪い。何か実感湧かなくてな…。何かこう、いつも通りというかな」
「それを実感させてやろうって言うんだよっ」
幼馴染みって、聞こえはいいけど実に厄介だ。
あんな事の後。最後までしなかったとはいえ、数日もすれば普通に戯れ合える。
意識しないって訳じゃない。ただ、そうしているのが当たり前すぎて、ちょっとやそっとじゃ気まずくなりようもなかった。
「まあ、勢いは買うけど、あれはあれで良かったと思ってるよ、俺は」
「どうしてさ? むしろ男の子からしたら不満しかなくない?」
「まぁ、不満がなかったと言ったら嘘だけど。パニクってるお前に手を出したのは、やっぱりなぁ」
「それは…。そうだったかも知れないけど」
久しぶりの大きな雷に怯えてた。
昔のトラウマ。そういうのも全部分かった上で、甘えさせてくれた事はすっごく感謝してる。
その場の勢い、物の弾み。多分、吊り橋効果ってやつも手伝ったんだろう。
だけど、それが全部だって思われるのは悲しかった。
「でも、だからって、それだけだった思われるのはすごい嫌…」
「思ってない。けど、初めてが物の弾みってのも悲しいだろ? 流された俺が言うのもなんだけど、そうならなくて良かったって話し」
「あら、ロマンチック」
「やかましい。夢見がちなのは女子の特権じゃないんだよ」
ロマンチックだなんて、照れ隠しにおちゃらけてはみたものの、初めてを大切にしようって姿勢は素直に嬉しかった。
でもやっぱり、だからこそ、また関係がおちついてしまう前にやり遂げたい。
多分、もう一週間もすれば無かった事にさえ出来てしまうから。
そうなったらまた、誘う事にさえ勇気がいった。折角の機会、この勢いを利用しない手は何処にもない。
「ねぇ、いっこだけ聞かせて? 大樹は、私とエッチするのはイヤ?」
「…」
「ふふっ。そっか、よかった」
「まてまてっ。俺はまだ何も…」
「見てれば分かるよ? どんだけ一緒してると思ってんの?」
顔を赤くして言葉を詰まらせる。チラリと、私の方を見たかと思えば視線を逸らす。そんなの、私じゃなくたって気づくくらいのあからさま。
「でも、そうだね。そう言うってことは、ちゃんと言ってくれるってこと?」
「…そりゃ、俺だって奏を抱きたいさ」
その、あんまりな物言いに、不覚にも胸がドキンっと跳ね上がった。
かぁっと顔が熱くなり、それでも頬がニヤけた私は、随分な顔をしていたのだろう。
「なんだよ、その顔は?」
怪訝そうな彼の視線を受けても、まだまだ収まりがつかない。
我が世の春が来た。
桜吹雪が舞い上がり、真夏の太陽が照りつける。
ドン引きする彼の視線を真に受けても、私の心に歓喜は鳴り止まなかった。
ー
「それで、なんで風呂に?」
気持ちはわかる。
部屋で二人っきりだったのに。なんならその場でおっぱじめても良かったんだ。
それでも、すっぽーんと服を脱げるほど、私は出来上がってはいなかった。
知らないことが多すぎる。
このまま始めたって、いざその時になれば怖気づいてしまう自分を想像するのは簡単な事だ。
だからあえてだ。苦肉の策と言ってもいい。
「だって、お風呂で裸になるのは、まぁ、いつものことじゃん?」
ちょっと前までは一緒に入ってたんだ。
流石に色々やばいことに気づくと、そういうのも無くなってきたが。こうしている分には、まだ正気を保てている自信はある。
「で、さ? お願いがあるんだけど? その、おちんちん触らせてください」
「うわ。俺の彼女が痴女だった」
「痴女とか言うなっ! だて、だって、知らないもん私。そんなのっ、ほらっ、それっ、それだよっ! なんか大きくなって、うわ、ぁ、ぁ。そ、それ挿れなきゃいけない私の気持ちも…その、考えて欲しい」
ちょっと前までの、私が知ってるモノは、ぶら下がってるだけだった。
それが今や上を向き始め、びく、びく、と、脈動する姿は、別の生き物にさえ見える。
「ていうかだって、前に一緒にお風呂入った時は何とも無かったじゃん、その…それ、おちん、ちん…」
「前にって…そりゃ、あの時は別に何とも。あぁ…やべ、なんか落ち着いてきた」
「あぁっ! まってまって、落ち着かないでっ。裸だよ? 彼女の裸っ。もっと興奮してよさっ。ほら、がんばれっ、がんばれっ」
「やめろやめろっ。余計萎えるわ」
もう、大惨事だった。
一緒にお風呂に入る。恋人同士なら、当たり前にドキドキワクワクするようなイベントも、私達にとっては日常でしか無い。
何とも言えない様子で、お互いの裸をみやっても、さっきまで微かに漂っていた甘い空気はとっくになくなり、二人して「はぁ」と大きなため息を吐く。
…
言葉もない。二人して呆れ返る始末だ。
そんなんじゃ関係が進むわけもなかった。現にそれを意識しただけで、上を向いていたおちんちんから、段々と元気が無くなっていく。
「よし、分かった。触ってくれ。このままじゃ俺たち、また幼馴染だぞ」
「あーね。私もなんか、全然気にならなくなってきたわ。やっばい、これ。…意識してないと、男に見えなくなるもんだねぇ」
あの時、雷を言い訳にしても彼に甘えた私は絶対に間違ってなかった。
初々しいを通り越して、もはや別の何かだ。もう二人の人生を何周かしている気さえしてくる。
「えっと、じゃあ…うん」
彼の前で膝立ちになると、おちんちんに顔を近づけていく。
流石に、こんなに近くで見たことはなかったな。
袋があって、棒があって、つるつるしてそうな先端が、亀頭と呼ばれるのも分かる形をしていた。
ちょっと前、ぶら下がっているだけだった所を思い返しても似つかない。
皮を被っていたはずの先端は、しっかりと顔を出していて、何よりもその大きさだ。
ふっと、悪戯に息を吹きかけると、おちんちんが元気よく跳ね上がる。
ムクムクと、大きさを取り戻した棒の部分は、私の親指なんかよりも全然大きかった。
「一人でするときって、どんな風にしてる?」
「どんなって…まぁ、手で包んで、こう…さ?」
「しこしこって?」
「しこしこ言うな、また萎えるだろうが」
「あれ、女の子にえっちな事言わせたがるっても聞いたことあるけど」
「人によるだろ、そんなのは」
「ふーん。私には言って欲しくなかったんだ?」
それは一体、どういう感情なんだろう?
別に、女の子にエッチな事を言わせたいってのは分からないでもない。その程度のサービス精神とて、持ち合わせているつもりでもあった。
だけど、その逆というのはどうなんだろう? 彼の中で私という女の子が一体どういう風に映っているのかが、段々と気にもなってくる。
「じゃあ、大樹は私になんて言われたら興奮する? どんな風にしたらエッチって思う?」
「普通でいい。そんな、エロ本みたいなこと考えなくても」
「普通たって…ねぇ? そもそも大樹は私で抜いたことあるの?」
問いかけと同時に、軽く指で触れたおちんちんが、大きく跳ね上がる。
「それは、まぁ…。結局、なんのかんのと、お前のことを考えてた気はする」
ああ、良かった。その言葉だけで心が晴れる。
意識してたのは自分だけじゃなかった。たとえ、普段はなんとも思ってなくたって、ふとした時に思い浮かべる異性は、お互い様で良かった。
「そっか。実はね、私もアンタの事考えて、してたかな。偶にね? 偶にだからっ」
口にして、やっぱり恥ずかしくなる。慌てて否定してももう遅い。
その言葉だけで、おちんちんの角度が上がり、目に見えて勃起を強くしたのが分かった。その反応が嬉しいし、変な所で素直になるのが少し可笑しい。
「あはっ、素直素直。こうしてみると可愛いかもね」
なるほど。確かにロマンチストだ。
夢見がちなのは女子の特権じゃないって、彼の言葉が正しく思う。
「ね、きゅっとするから痛かったら教えて? 力加減とか、良くわかんないし」
彼が頷いたのを確認すると、私は勃起したおちんちんを手の平で包み込んだ。
小指から順繰りに、人差し指まで閉じていき、最後に親指で締めると、手の平に当たる おちんちんの感覚を強く感じていた。
思っていたよりも熱くて、思っていたよりも力強い。
こうやって、手で包んでしまえば簡単に抑えられると思っていただけに、油断をすると、私を押しのけようとまでする力強さに、感心というか、感動のようなものを覚えてしまう。
きゅっ、きゅぅっと。
暴れるおちんちんを抑えつけるみたいに、指先に力を込めて握り込む。
もう少し? あとちょっと?
大事な彼のモノだもの。遠慮はもちろんあった。
それでも、私としては結構力を入れてみたつもりなのに、一向に彼からのストップがかからないことに首を傾げてしまう。
「ね、ねぇ? いつもどんだけ力入れてるの? だめだよ、あんまり激しくしたら、後が大変だっていうし…。それとも、君の中の私がそんな乱暴な訳?」
だとしたら、ちょっと大変だ。こうやって、擦ってるだけでも精一杯
私だって初めてなのに、男の子の力加減で激しくするってなると、流石に躊躇してしまう。
「いや、そういう訳じゃ。むしろ、そのまま動かしてくれると…」
「そう? じゃあ…こんな感じで良い?」
「う、ぐぁっ…あ、うん。いい…はぁ、思ってたより、ずっと…」
「そ、っか。じゃあ、続ける、ね…?」
腰を引き、顔を赤らめて、例えようもない声を漏らしながら、私の手の中でおちんちんが大きく跳ねた。そんな彼の反応に、私の中から堪らない興奮が湧き上がってくる。
これが良いんだ。こんな風にされると気持ちいいんだ。
言われなくたって分かる。言葉以上に おちんちんは素直だ。
刺激が物足りないと不満そうに暴れるし、気持ちよくなってくると前後に動いて、私の手の平に擦りつけてくる。
人差し指と親指とで作った輪っかの中。
ちゅぽ、ちゅぽと、亀頭の先端が顔を出す。
気持ち悪いと、そう思う人の気持ちもわかる。
これが彼のモノじゃなかったら、それこそ蛇を掴まえたような気持ち悪さに襲われて、逃げ出すか、勢いで絞め殺すかしていただろう。
私の裸を見て、興奮してくれて、腫れ上がったみたいに大きくなった おちんちん。
小さいままとはまるで違う。大きくなったそれは、彼の異性を私に教えてくれる。
輪っかの中から顔を覗かせた亀頭が、ぴくっと跳ねた。
つるつるとした先っぽの割れ目から、とろりと汁が零れてくる。
先っぽから流れ落ち、手の平との窪みに溜まる。中へと戻っていく亀頭に引きずられるように、零れた汁も私の手の中へと流れ込んでくる。
ちゅぽ、ちゅっぽと、繰り返し、それはやがてヌルヌルとした感触に変わっていった。
なんか本当に、してあげると言うか、使われてるみたいで。
先走りでグチュグチュになった自分の手。包み込んだ指の間で、おちんちんが動いているのを見つめていると、何とも言えないもどかしさが、太ももの隙間を疼かせる。
今からこれが、私の中に挿ってくるんだ。
そう考えただけで、落ち着かない。
手慰みに擦り合わせた太ももは、もう既に濡れていて、私の体はすっかりとエッチな事になってしまってる。
その頃にはもう、恥ずかしさなんか忘れていた。にゅるり、にゅるりと、指先から伝うおちんちんの感触を、夢中になって扱き続ける。
私が手を動かした分だけ、跳ねて、震えて、こぽっと、先端から先走りを零す。
勃起はますますと強くなり、浮き上がった血管が凸凹と、指先に引っかかり覚えるくらいだった。
ああ、もうすぐ射精するんだなって。ぼぅっとした頭にも、その興奮が薄々と伝わっていた。
彼の吐息が荒くなり、動かす腰に熱がこもる。
暴れるおちんちんを逃さないように、手の平で締め付けると、彼の口から「くっ」と、苦しそうな声が聞こえてきた。
「あ、ごめっ! いたか…へ?」
慌てて力を緩め、けど、それがいけなかった。
タイミング悪く、前に突き出されたおちんちん。
緩んだ指先は、先走りで滑る彼のモノを抑えていられず、手の平から飛び出した亀頭の先っぽが、私の唇にキスをしたその瞬間。
ビュッ!
すごい勢いで、おちんちんの先から精液が噴き出すと、私の唇の上で跳ねあがり、顔中へと降り掛かってしまう。
ビュッ、ビュッ、ベタリ、ベタベタ…。
「え、あ、やっ、ちょっ、ま…とめ、あ、んっ、のんじゃ、あ、あ…」
慌てて抑えようとして、掴んだ指先が精液で滑る。
上手く掴まえられないまま、指の隙間から飛び出した精液がベタベタと私の顔を汚していく。
ドロリ、ドロリ…。
口元からから流れて首筋を伝い。
ポタリ、ポタリ…。
顎の先から、降り掛かった前髪から、雫を作った精液が、タイルの隙間を埋めていく。
「あ、はぁ…はぁ、もう、また…こんな、だして」
むわっと、逃げ場のない浴室に広がる精液の匂いに、頭がくらりとさせられる。
一言もなく、突然出されて、文句の一つでも言ってやりたいのに。
でも、不思議と悪い気はしなかった。
肌を流れる精液の熱に、あの日の事を思い出す。
割れ目に、勃起したおちんちんを一杯擦りつけられて。
思い出しただけでも、ゾクリと体が震えてしまった。
彼が射精した分だけ、私が気持ちよくしてあげられたんだって。
気持ちよさそうに息を荒げる彼の顔を見ていると、薄っすらとでも、妙な自信みたいなものを感じていた。