ダークエロ短編集3 作:カード読み込み
アニスとアルガルド、
ユフィとトゥリウスは幼い頃から共に育てられた。
四人の関係は単なる同年代の子供たちではなく、
お互いが持つ特殊な環境が育んだ特別なものだった。
アニスが転生者の知識を持つことで
現代日本の倫理観を持っていたこともあり、
彼女は他の三人よりも一歩引いた立場で状況を見つめていた。
アルガルドはその聡明さで父王に期待され、
ユフィは母である妃から寵愛を受けていた。
そしてトゥリウスはその圧倒的な才能によって伯爵家の誇りとされていた。
親たちの思惑としてはアルガルドとユフィ、
アニスとトゥリウスにくっついて貰いたいのだろう。
特に父親たちは二人の王族にそれぞれ相応しい伴侶を与えようと画策していた。
貴族社会において婚姻は政略の一環であり、
その意味ではアルガルドとユフィの組み合わせは理想的だった。
一方で、アニスとトゥリウスにも同じような価値観が働くが、
アニス自身はそれを少し懐疑的に見ていた。
転生者としての記憶でアニスは早々に気付き、
この時代に転生してきた自分の役割を考えながらも、
同時に周囲の人間関係も冷静に分析していたのだ。
そして、ユフィとトゥリウスという別のカップルの可能性にも目を向けていた。
トゥリウスもその天性故になんとなく察して
その鋭い洞察力と、周りの大人たちの態度から何かを感じ取っていたようだ。
尤も、二人共に文句はなかったのだが。
トゥリウスはアニスに一目惚れしていたし──
幼い頃から彼女を見るだけで胸が高鳴り、その金髪を梳きたい衝動に駆られた。
アニスの放つどこか浮世離れした言葉は、
「そんな奇抜な話があるものか!」と周囲を呆れさせることがしばしばあったが、
トゥリウスだけはその中に本物の閃きを見つけ出せた。
彼女の理論──前世の常識とやらで構築される仮定は荒唐無稽なようでいて、
突き詰めていけば驚くべき整合性を持っていると気づいた瞬間の興奮といったら!
アニスと共に過ごす時間は彼にとってかけがえのない宝物となっていた。
しかし、それだけではない。トゥリウスにとってのアニスとは──
(アニス王女のためなら死ぬのも怖くはない……)
そんな盲目的な愛情を抱くほどまでに、心酔しきっていた存在なのだ。
一方アニスのほうもトゥリウスが、
まさかこんな形で自分の内面を見透かしてしまうとは想像もしなかった。
彼女の提案した技術革新案に対する評価は厳しかったものだ。
それでも尚熱心に耳を傾け、「素晴らしい着眼点ですね」
と言ってくれるのはトゥリウスひとりだったからである。
嬉しく思わないわけがない。
いつしか互いへの信頼が揺るぎない絆となりつつあったのである……
しかし、その確かな絆も、
目の前で繰り広げられる光景の前には脆くも崩れ去ろうとしていた。
最近になってユフィがトゥリウスと頻繁に接触するようになった。
どうやら魔法について助言を求めていたらしく、
最初は真面目な学問論議ばかりだったようだが……
次第にそれ以外の話題で盛り上がる機会も増えたらしい。
庭園の端で寄り添うように会話を交わす二人の姿はあまりに眩しくて。
遠目に眺めた彼らの指先が時折触れ合う度に
胸の奥がキリキリと締め付けられるような気がした。
トゥリウスとユフィの距離はあまりに自然で、あまりに調和がとれていた。
まるでそうあるべきだったかのように。
ユフィとトゥリウスが談笑する庭園から逃げるように離宮へ戻ったアニスは、
自室に入るなり扉を背にしてズルズルと床に座り込んだ。
整えられた薔薇色の唇は引き結ばれ、
普段は爛々と知的好奇心に輝く薄緑色の瞳は暗く淀んでいた。
胸の奥がジクジクと痛む。
それは物理的な痛みではなく、もっと醜悪で粘つく感情の発露だ。
先程の光景が瞼の裏に焼き付いている。
トゥリウスの涼やかな声。ユフィの鈴を転がすような甘い声。
交わされる会話は専門用語が多くてアニスにはほとんど理解できなかった。
いや、正確には理解しようと努めた結果、分からなかった。
二人が共有する高度な魔法理論の世界。
それはアニスが決して立ち入れない禁断の花園のように感じられた。
結局、魔法が使えないアニスには決して立ち入れない領域を共有する二人。
それに比べて自分はどうだ?
かつての人生知識をひけらかしても誰も本気で耳を傾けてはくれず──
せいぜいトゥリウスぐらいだ。
彼女が口にする夢物語に心奪われてくれる奇特な者は少ないのだ……
唯一無二と思っていた想い人には、
他にいくらでも気の合う仲間がいる現実を突きつけられると
己の中に巣食う闇が再び蠢き始めようとする……
アニスはギリっと歯噛みする。
悔しさなのか悲しみなのか判然としない激情が込み上げてきて涙腺が緩む。
(あんなのは許されないことなのにっ……!)
嫉妬と羨望に彩られた胸中は黒く染まり始めている……
それでもなお彼女の理性は否定したがっているのだからタチ悪いところであった……
(違うッ!! あれはただの勉強会だって言ってたじゃん!)
何度も自分に言い聞かせてはみるものの……
一度火種を得てしまった負の情念は消えるどころか
勢いづいて大きくなってしまうものらしかった……
アニスの思考は螺旋のように絡み合ったまま出口を見失っていた。
床に蹲りながら拳を握りしめる。
爪が掌に食い込む痛みでさえ意識が逸れるほどではなかった。
頭の中で幾度も再生されるのはユフィとトゥリウスの穏やかなやり取りだ。
そこにある空気は清浄で柔らかい。
まるで生まれたときから通じ合う魂があるかのような自然体だった。
(ユフィは昔から綺麗だったけど……最近は輪をかけて澄んで見える……)
アニスと違って余計なことを考えず飾らないユフィ。
王族としての教養はもちろんある。
礼儀作法も完璧だ。
しかしその振る舞いには一切の衒いが無い。
必要なことしか喋らず過剰な媚びなど微塵も無く───
ただ純粋に相手の意見を受け入れたり否定したりする姿は潔く美しかった。
そこに打算など介在する余地も無く。
きっとそれはユフィ自身の性格もあるだろうけれど……
何よりトゥリウスの影響も大きいはずだった。
トゥリウスという人物を前にすると人は皆虚飾を剥ぎ取られる。
あの冷たく冴え渡る灰色の瞳に射抜かれれば
どんな偽善者も裸同然になってしまうことだろう。
そんな彼に対等に接することのできる稀有な存在が
ユフィなのだということくらいアニスにわからない道理もなく……
また一方で彼女の中には激しい憎悪が渦巻いていく一方なのだった。
アニスの思考は渦巻き続けた。ユフィの姿が脳裏に焼き付いて離れない。
ユフィリア・マゼンタ──マゼンタ公爵家の長女。
年齢はアニスと同じだが、見た目は常に少し幼く見えた。
腰まで届く柔らかな蒼い髪は、いつも控えめに結われており、
肩から流れた先端が小さく揺れていた。
透き通るような肌と大きな碧眼を持つその顔立ちは、
どこか儚げでありながらも凛とした気品を湛えていた。
衣服は常にシンプルだが上質なもので装飾されており、
華美過ぎず洗練された印象を与える。
仕草一つひとつが丁寧で柔らかく、それでいて芯の強い意志を感じさせた。
そんな彼女の微笑みはまるで春の陽だまりのように暖かく、
見る者全てを安心させてきた……
一方、アニスはどうだろう?
確かに美しい容姿をしていること自負していいと思う。
しかし内面の強烈な個性は時に彼女を孤立させてしまう。
魔法が使えず、この国では異端児扱いされている現状。
さらに前世の知識という秘密まで抱えていれば尚更だった。
周囲からは変わり者と思われるばかりだし、
誰とも深く心を通わせることが出来ずにいる……
ふと我に返るとまたしても惨めな気持ちになったので慌てて首を振り、
ネガティブ思考から脱却すべく深呼吸を試みることにしたものの……
うまくいかなかった…… 結局何度やってもダメだったので諦めて天井を見上げた……
虚空を睨みつけながらアニスは思う。
ユフィリア──あの娘の纏う空気は、どうしようもなくアニスの胸をざわつかせる。
(まるで聖女のようだなんて……バカみたい)
内心で毒づくが、
その評価が客観的に見て正しいことはアニス自身が一番よくわかっていた。
ユフィの立ち居振る舞いには一切の隙がない。完璧すぎるのだ。
それが貴族として当然のことなのかもしれないが、
彼女の場合はそれ以上に磨きがかかっているように感じられた。
小さな動作の一つ一つに至るまで洗練されており、
その気品は血筋によるものだけでなく、
彼女自身の努力によるものであることが明らかだった。
「あんな子供っぽくて可愛い顔してるくせに……生意気よ」
ぽつりと漏れた呟きには隠しきれない苛立ちが滲んでいる。
そうなのだ。あの童顔こそが最大の武器であろうことは
アニスにも容易に理解できた。
庇護欲を掻き立てずにはおかない顔立ちだと言えたからだ……
それゆえに彼女に近付こうとする者が絶えないのも事実であっただろうし……
実際に幾度かそういう場面を
目にしたこともあるために苦々しく思うほかなかった……
アニスはもう一度溜息を吐き出したあと両手で顔を覆うと俯いた。
(私のほうがずっと美人なのにっ!)
アニスの脳内でぐるぐると回り続けるイメージは尽きることがなかった。
まず思い浮かぶのは艶やかに靡く長い蒼髪。
水底のように静謐で透明感のある色彩を持つそれは……
ひとたび風に煽られて翻ると
水面のような煌めきを帯びつつ踊るように揺れる……
その動きはとても滑らかで柔らかく
触れるものを拒まない優しさを感じさせた……
それがさらさらと滑り落ちていく様は絹糸の如く滑らかであると同時に……
時には流水のごとくしなやかでもあって
見る者すべてを魅了して已まないのだ……
しかも良い香りまで漂ってくるとなるならば
最早反則以外の何物でもないわけであって……
それら諸々含めて考えれば
どう足搔いても敵わないものであったことは明白であろう。
アニスが初めてユフィリアに出会ったのは、
誕生日を祝い、父王オルファンスが主催した園遊会でのことである。
「ご挨拶申し上げます、アニスフィア王女殿下」
蒼く透き通る髪を肩に流し、純白のドレスに身を包んだ少女が跪いて頭を垂れた。
まだ幼さの残る顔立ちながらも、その瞳には確固たる意志の光が宿っていた。
彼女こそがマゼンタ公爵家長女──ユフィリアである。
(なんて綺麗な子だろう)
アニスは素直に思った。自分とは何もかもが正反対の少女だと感じた。
アニスの太陽のような白金の髪とは対照的に
ユフィリアの髪は氷河を思わせる蒼く輝く白銀。
何より決定的な差があった──―それは匂いだ。
ユフィリアからはほのかに甘い香りが漂っていた。
香水をつけているわけではないらしい。
おそらく体臭そのものが芳しいのだろう。
アニスは密かに舌打ちしながらも表面上は平静を保ち続けた。
「楽にしてちょうだい。
あなたのような方から改まって名乗られる必要はないわよ」
精一杯優雅に微笑んでみせると
ユフィリアもまた天使のような微笑みを返してくれる。
その表情は一点の曇りもない純真さに満ち溢れており
アニスの心臓が不意に大きく跳ね上がった気がした。
その日以来二人は顔を合わせる機会が増えた。
ユフィリアは王女であるアニスに対していつも敬意を払い続けた。
それが鬱陶しくもあり嬉しくもあったのだ……
そんな日々が続いたある日のこと──事件は起きたのだ……
それは些細なきっかけから始まった喧嘩だったはずだ。
しかしそこに偶々居合わせてしまっただけのユフィリアが
仲裁に入ってきた途端状況は一変してしまった……
その場に集まっていた貴族令嬢たちの中で
最も年若く可憐な容貌を持ちながら毅然とした態度で割って入っていく様は
まさに騎士道精神を備えた乙女そのものに見えただろうし
あるいは神話に登場する女神のように
崇拝したいほどの憧憬すら抱いた人もいただろう……
だから、アルガルドとの婚約が正式に決まった時は正直ホッとしたものだ。
コレで自分はトゥリウスとゆっくり仲を深めていけばよいと……
◆◆◆◆◆◆◆◆◆
パレッティア王国王城の片隅にある離宮。
その一室は今夜も甘美なる背徳と屈辱に満ちていた。
窓越しに差し込む月明かりだけが薄暗い室内を照らし、
ベッドの上で交わされる男女の影をより鮮明に映し出していた。
アニス──パレッティア王国の第一王女にして「魔学」の生みの親とされる女性──
金糸のような髪が乱れかかり
肩口から流れる汗が肌を滑り落ちていく光景さえも妖艶だった。
しかし彼女の表情にはいつもの勝ち気で自信に満ちた輝きはなく
ただ羞恥と戸惑い、
そして抑えきれぬ快楽への渇望に彩られた複雑な感情が表れていた。
「ふぅ……本当に素直じゃねえよなぁ」
と目の前の青年貴族カロスは低く笑うように言った。
「まあそこが可愛いんだけどさ」
「……うるさい! 私はこんなこと望んでいない!」
アニスは必死に否定しながら
鋭い視線を向けるもののその声には明らかな震えがあった。
先程までの激しい責め立てにより
身体はもう限界寸前まで追い込まれていたのである。
「それにこれは単なる契約だから! 私が好き好んでやってるわけじゃないわ!」
カロスは肩をすくめた。
「そりゃそうだろうけどさぁ……」と言いながらゆっくり近づいてくる。
カロスはゆっくりとアニスの身体に覆いかぶさり、
吐息が首筋にかかるほどの距離で囁いた。
「でもさぁ……君のここは正直だよ?」
指先がアニスの腹部を這い上がり、ちょうど子宮のあたりで止まる。
皮膚を通して感じる脈動は、既に彼女自身の制御を超えていた。
「うぐっ……」
抗議の言葉は喉の奥で消え、代わりに零れ落ちるのは微かな呻きだけ。
羞恥と怒りで燃える瞳とは裏腹に、
身体は予期せず与えられる刺激を待ちわびているかのようだった。
「嘘つき♡本当は欲しいんだろ? トゥリくんじゃなく俺が……」
カロスの言葉が耳朶をくすぐる。その意味するところは明白だった。
トゥリウスへの裏切り。婚約者の部下との密会。
しかもそれを録画され、今後の行動を握られている。
「違う! そんなはず……ッ!」
反論しようとした刹那、カロスの右手が突然下腹部を押さえつけた。
掌全体で温もりを与えながら円を描くように撫で回す。
外部からの圧迫感と同時に湧き上がる疼き。
「っはぁ!?」
腰が反射的に跳ね上がり、ベッドが軋む。
四肢が無力に宙を蹴るが、
カロスの左手はしっかりと脚の間に割って入り、
「ちょっ……待っ──―んぁ!」
制止の言葉も半ばに遮られ、秘裂を探られる感覚が走る。
湿り気を帯び始めた証拠を確かめるように指先が往復し、
「ほらやっぱり準備万端じゃん」
嘲笑混じりの声と共に身体の中心へ侵入してきた。
「ヒッ!?」
瞬間的に硬直した身体はすぐに弛緩するしかない。
一本指がゆっくり沈み込んでくる感触に
アニスは声にならない悲鳴をあげた。
「っんうううう!!」
必死に堪えようと試みるものの無駄だった。
隘路を押し開き進む質量感覚。
そして最奥を目指し突き進み……到達する位置。
「すごい締め付けっぷりですねぇ~。そんなに嬉しいんですか?」
嘲弄の響きを持って耳元で紡がれる台詞。
羞恥心を煽り昂らせつつも
冷静さを取り戻す暇を与えまいとする巧みな手腕。
その証左と言うべくしてカロスの手技は
更なる巧妙さを増していく──例えば
浅瀬ギリギリまで引き戻す際わざと弱い箇所を掠めてみたりして。
「ぁ……ゃだ…………そこ…………っ!」
僅かばかり腰を引く動作によって
擦り上げられる部分こそ彼女の急所だということなど
とうに知悉している男であればこそ行える芸当なのであった。
アニスの身体が小刻みに震える度に、
内壁が収縮し指に吸い付くように絡みつく。
カロスが指先をわずかに曲げるだけで——ちゅぷんと蜜が弾け、粘膜がうねる。
卑猥な水音が静寂を破り、アニスの頬がますます赤く染まった。
「ほら、聞こえる? 君の体が出してる音だぞ」
カロスの囁きが鼓膜を震わせ、羞恥が脊髄を貫く。
同時に指が抽送を早めると——ぢゅくっ……ぬちゃっ……と
湿った打擲音が重なり、その度にアニスの腰が跳ねた。
「やっ……! お願い……音を立てないで……!」
哀願の声はか細く震え、カロスの嗜虐心をさらに煽る。
彼の唇が耳朶を食み、荒い息遣いが直接流れ込む。
その呼気の熱さが背筋を粟立たせた。指は執拗に同じ場所を擦り上げ——
「っく! ひぃ……あぁ……!」
嬌声が喉奥で詰まり、ついに決壊する。
アニスの眉根が寄り、睫毛に溜まった涙がこぼれ落ちる。
それは屈辱の味がした。体内を抉られる異物感と甘く痺れる快感。
相反する感覚に翻弄され、自分が自分でなくなっていく恐怖。
カロスの指が深く埋め込まれたままぐりっと捻られ、
鋭い衝撃が頭頂まで突き抜けた。
「〜〜〜ッ!」
声にならない叫びとともに弓なりに反った身体は硬直し、
全身を包む熱に飲み込まれる。
数秒後、弛緩した体がベッドに沈み込み、
汗で額に張り付いた白金の髪が乱れ落ちる。
紅潮した肌は湿り気を帯び、淡い照明の中で光を散乱させた。
開かれた太腿の狭間からは透明な糸が滴り落ち、
シーツに新たな染みを作る。
カロスの指がゆっくり引き抜かれると——
「ぁ……んっ……」
——ちゅぽんと濡れた音と共に愛液の橋が架かる。
その淫靡な光景にアニスは目を逸らしたくなったが叶わない。
潤んだ視界の中にカロスの姿が映り込むからだ。
「すごいね。こんなに濡れてるとは思ってなかった」
蔑むでもなく呆れるでもない声音には興奮が滲んでいる。
アニスは何も答えられない。ただ荒い呼吸を繰り返すだけ。
カロスは彼女の腰を掴み寄せると膝立ちになり——
「挿れるよ? 嫌なら抵抗すればいい」
熱く猛った己の欲望を入口に添える。
アニスの身体が本能的に逃げようとするが腕が鎖のように絡みつき叶わない。
次の瞬間——ずぶりと亀頭が埋没する。
熱い鉄塊が泥濘を切り拓いた。
アニスの下肢が反射的に跳ねるが、カロスの腕が容赦なく抑え込む。
「っがは……!」
衝撃で喉が詰まる。
指で解され尽くしたはずの隘路が、桁違いの質量に戦慄いていた。
カロスのモノが最深部へ到達すると同時──
*ぐぽぉっ……*
──粘膜が空気を孕んだ醜怪な音が漏れる。
「聞こえる? 君のおまんこが吸いついてるよ……」
囁きと同時に腰が引かれると、夥しい量の愛液が糸を引くのが見えた。
月明かりに濡れ光る陰毛が絡み合い、肉棒が退くたびに恥毛が逆立つ。
「ひぐっ! やめ……あ゛っ!!」
カロスが浅く抜き差しを始めた。
膨らんだカリ首が膣壁の粒々を刮げ取りながら出入りし、
その都度アニスの尻肉が震える。
──*ずりゅっ……ぢゅぷん……*──
粘つく水音と骨盤のぶつかり合う拍動が重なり合った。
「違うっ! こんな……こんなのぉぉお!!」
アニスの双眸から涙が溢れた。悔恨とも悲嘆ともつかぬ激情。
それでも身体は裏切る。
カロスの動きに合わせて太腿が閉じかけ、自ら牡茎を迎え入れるように揺らめくのだ。
「嫌よぉ……なのにぃ……!」
膣襞が狂おしくうねる。
処女膜を裂かれてなお未熟だった洞窟は今や完全に花開き、
──*どっちゅんどっちゅん!! *──
カロスの剛直を根元まで咥え込んでは嬉しげに収斂した。
子宮口を穿たれるたび脳天に火花が散り、
──*びゅぐっ……ぴしゃぁっ……*──
結合部から蜜雨が迸る。
「イグぅぅッ!!」
喉を晒して絶頂へと突き上げられても尚──
アニスの膣肉は貪欲に肉杭を搾り取ろうとしていた。
その肉杭は鉄槌のようだった。
打ち下ろされるたび子宮が押し潰され、
喉奥から漏れる嗚咽が断末魔に変わる。
アニスの身体はシーツに縫い止められていた。
カロスの左手が華奢な腰を掴み上げ、右掌は豊満な乳房を握り潰している。
「ん゛ぁ゛……ひぐっ……!」
膣内が焼け爛れるような激痛と灼熱が同時進行していた。
胎内の神経が剥き出しになったかのように、
カロスの肉棒が触れる部分すべてが性感帯へと変貌する。
子宮頸部が執拗にノックされるたび脳髄に閃光が走り、
獣じみた咆哮が喉を焦がした。
涙腺は崩壊し涙が頬を伝うのに構うことすらできず口角から唾液が溢れ出る始末。
アニスの乳房は暴力的に揉みしだかれ形を歪ませていた。
白磁の肌に紅い歯形が刻まれていき──
ちゅぷり……れろぉ……
──舌先が先端の蕾に触れるたび電流が奔って肢体が跳ねる。
「いゃ……もう許し……あっ……あぅっ」
懇願の言葉すら最後まで紡げないほど追い詰められたアニスを見て嗤いながら──
*ずぬぅうっっっっ*
──一段階強く叩き込まれる。
*ばちぃいいっ……ぱちんっぱちんっっ……
腰骨同士がぶつかり合う音とともに結合部から飛沫が飛び散った。
粘着質な液体が泡立ちシーツを汚していく。
肉同士が奏でる不協和音はアニスにとって地獄の旋律となった。
──*ばちんばちんばちぃいいいっ……*──
「ひぎぃっ! しんじゃうぅ! 死ぬぅうううっ!!」
泣き叫ぶ声を聞いてもなお止まらず寧ろ加速していく凌辱劇の中──
──**ぶぢゅっ……じゅぷぷ……**──
激しい抽送のたび、アニスの乳房が弾み踊った。
王女の威厳を象徴するかのごとく豊満な二つの丘が、
まるで意思を持った生き物のように上下左右に波打っている。
カロスの掌がそれを鷲掴みにするたび、柔肉が指の隙間から押し出され、
汗と唾液で艶めいた白肌が淫らな光沢を放った。
「……っあ……あうっ! んああっ!!」
悲鳴に似た嬌声が喉から迸る。
揺れる胸の頂では、
先ほどまでカロスに吸われ噛まれた桜色の突起が痛ましく尖っていた。
その周りには彼の指痕が赤黒く痣となり、征服の証を刻んでいる。
「……ああ……見てごらんよ王女様」
カロスの声は愉悦に満ちていた。
彼は一旦腰の動きを止めると、
片手をアニスの胸元から外し、指先で乳首を摘んだ。
そしてそのままグリッと捩じり上げる。
「ひぎぃぃいっ!!」
甲高い絶叫とともにアニスの上半身が仰け反った。
涙と鼻水と汗で化粧の溶けた美貌が苦悶に歪む。
けれどそれ以上に淫蕩な光が瞳の奥に宿っていた。
カロスの肉棒は依然としてアニスの秘裂を蹂躙していた。
根元まで埋め込まれた剛直が脈打ちながら膣壁を押し広げている。
──**ゴリュッ**──
胎内で何かが軋む音がした。
子宮口を穿つ亀頭の感触にアニスは身をよじるが、
カロスの太腿が腰を固定しており逃げ場はない。
どころか──
──**ミチィィイッッ**
結合部から血交じりの愛液が垂れ落ちる。
あまりの圧迫感に括約筋が軋み、骨盤が悲鳴を上げていた。
しかし不思議なことに痛みよりも熱の方が先行していた。
膣内の神経が過敏になっているのか?
それとも別の理由があるのか?
いずれにせよアニスの理性はすでに限界を迎えていた。
「ああ……すご……奥まで届いてるぅ……!」
譫言めいた呟きが唇から零れる。
瞳孔が開き焦点が定まっていない。
もはや自分が誰と何をしているのかすら認識していない様子であった。
一方でカロスの方にも余裕がない。
名器過ぎるアニスのオマンコを猛烈な勢いで犯すカロスのデカチンは、
熱した鉄杭となって子宮口を叩き潰す。
膨張した亀頭が膣壁の襞に嵌まり込み、
引き抜くたびに千切れそうな粘膜を逆撫でした。
──ぐっぽっ ぢゅぼっ
「っがあああ!? 出てるぅ!! 入ってくるぅう!!」
涙と涎で顔中をドロドロにしながらも腰は止まらない。
否、止められないと言ったほうが正しいか。
媚薬漬けにされた肉体は
快楽に忠実でありすぎて最早思考とは分離しているのだ。
そしてそれはカロスの方も同様である。
カロスの抽送は容赦を知らない。
肉と肉がぶつかり合う音が離宮の一室に響き渡る。
「あっ……があぁっ! 熱い……!」
アニスの白金色の髪が汗で乱れ、透き通る肌に貼り付く。
瞳孔は恐怖と快楽に揺れ、唇は酸欠のように開いたまま。
喘ぎと共に漏れるのは、嗚咽じみた悲鳴のみ。
「んあっ……熱いのが……奥まで……! んあああっ!!」
結合部から溢れる愛液と精液の混合物が、
シーツに染みを作っては波紋のように広がっていく。
その匂いは噎せ返るようだ。
カロスのペニスがアニスの膣壁を抉るたび、
膣襞がまるで別個の生き物のように蠢いた。
子宮頚部が押し上げられ、下腹部が奇妙な盛り上がりを見せる。
「ああっ……だめぇ……そこっ……んうっ!」
拒絶の言葉とは裏腹に、アニスの腰は無意識に
カロスの動きに合わせて前後している。
彼女の意志と肉体の乖離は明らかだった。
「やだぁっ……これ以上……あひぃっ! ひぎぃいい!!」
膣内で精液が泡立ち、白濁した汁が太腿を伝う。
その熱さにアニスは身を震わせた。
まるで煮えたぎった油を注ぎ込まれたかのような錯覚。
「ふぐっ……熱いぃ……っ! 溶ける……私のなか……溶けちゃうよぉ……!!」
カロスはアニスの両足を抱え上げ、
真上から体重をかけるように深く突き刺す。
その衝撃でアニスの身体が跳ね上がる。
──ズブッ! グチョッグチャッ!
卑猥な水音が一層大きくなる。
カロスのペニスはさらに怒張を増し、
アニスの狭い膣道を焼き尽くさんばかりに膨らんでいた。
「んああああっ!! やめて……壊れちゃう……おかしくなるぅう!!」
アニスの絶叫が離宮の壁に反響する。
カロスは笑みを深め、さらに激しく腰を使う。
「もっと狂えよ……王女のカラダは最高だぜ……」
* バヅンッ! ゴヂュンッ! *
暴力的なまでの抽送が始まった。
熱くて硬い肉杭がアニスの最奥を叩くたび、
「あぐっ……ひぎぃっ!!」
喉から悲鳴と共に涎が吹き出す。
涙と鼻水でアニスの美しい顔は見る影もない。
白金色の長髪が床に乱れ舞う。
「いやぁっ……止めてぇっ! 死んじゃう……本当に死んじゃうのぉぉ!」
アニスは必死にカロスの肩を押し戻そうとする。
だが鍛え抜かれた青年の膂力は到底及ばない。
むしろ抵抗することで余計に膣壁が
カロスのモノを締め付けていく。
──*ジュプンッ! ジャバァア!! *
「だめぇえっ! 中で……動かないでぇ! んぎぃいいっ!!」
アニスの肛門が痙攣し、括約筋が収縮する。
だがその反応すらカロスにとっては興奮剤だ。
「ああ……王女のケツ穴も悦んでるみたいだなぁ」
嘲るような囁きと共に腰が深く突き込まれる。
カロスの亀頭が子宮口にめり込んだ瞬間──
* **ギュムゥゥッ!! **
粘膜が破裂しそうな圧迫音と共にアニスの胎内が軋む。
骨盤の底が砕け散るかのような衝撃。
下腹部で灼熱の塊が炸裂し、脊椎を駆け上がった。
「お゛……っがぁぁ!!」
瞳孔が白く剥き出し、眼球が裏返る。
声帯から絞り出されるのはもはや人語ではない。野性の獣じみた咆哮だけ。
舌がだらしなく伸び、唾液が糸を引く。涙と鼻水で顔は崩れ果てた。
「イ゛……グゥウウッ!! 子宮潰れりゅうぅぅ!!」
カロスの肉杭は子宮頸管を突破し、聖域そのものを串刺しにしていた。
本来侵入不可能なはずの部位が
熱く逞しい雄槍によって蹂躙されている──
その事実はアニスの精神を完全に破壊するに十分すぎた。
──* ボゴォオオンッ!!
胎内で爆発じみた振動が起こり内臓が揺さぶられる。
子宮全体が押し上げられ胃袋が圧迫される感覚。
呼吸困難に陥りアニスは陸に上がった魚のように口を開閉させる。
「んごぉぉおっ! 出りゅぅう! 熱いのいっぱい出てりゅうう!!」
子宮越しに感じる脈動が恐ろしく速かった。
射精が始まっている。大量の精子がアニスの内部を灼く。
しかし射精中だろうとカロスは止まることを知らない。
──**パンッパンッパンッパンッ**
射精の律動を無視して続けられる高速ピストン。
カロスの肉棒は鋼のように硬度を保ちながらも
内部で煮えたぎる熱を放出し続ける。
子宮の聖域で爆ぜる白濁の奔流がアニスの理性を最後の一滴まで洗い流した。
「あ゛……かっ……が……」
唇は喘鳴を漏らすだけの器官となり、もはや人語は紡げない。
瞳孔は完全に白濁し、虚空を見つめる焦点は永遠に戻らない。
子宮内壁が収縮しカロスの精液を吸い上げていく感触さえも──
──**ジュクジュクジュクッ……**
熱湯に漬け込まれた臓器の如く灼熱と化した胎内で感じてしまう。
粘膜が火傷し血と白濁が入り混じった異臭が結合部から湧き上がる。
「イグッ……まだ……イギィイイ!?」
絶頂の嵐は終わりを見せない。
カロスの射精は常人の何倍もの持続時間を持ち、
その全てをアニスの子宮腔が受け止め続けていた。
──**ゴポゴポゴポッ……**
子宮口を突破した精液が直腸や膀胱にまで浸潤し始めている。
胎内全域が男根の形に変形し熱病患者のように全身が赤熱する。
骨盤が軋み皮膚が膨張する音が耳の奥で反響し、
「あひっ……おなか……破け……」
舌を垂らし呻くその姿にはすでに王女の面影はない。
あるのは被虐の快楽に溺れる雌犬の残骸だけ。
そしてついに──
──**パシンッ! ブジャアアア!! **
絶望的な水量が子宮底部から逆流し、
膣口から勢いよく噴射された。
透明な尿と白濁の混成液が豪雨のごとくシーツを汚す。
「んああっ! 出てる……私の全部出てるぅ!!」
失禁の解放感に脳内麻薬が過剰分泌されアニスは恍惚の表情で宙を見る。
視界は霞み心臓の鼓動すら遠ざかる。
──*ヒクヒクヒクッ*
子宮が勝手に痙攣し残滓を排出してもなお満たされぬ飢餓感。
「足りな……い……もっと……もっとぉ……」
虚ろな瞳で求め続けてしまえばもはや正常な人格など不要。
カロスの寵愛を得ること以外に価値を見出せなくなる哀れな玩具だ。
「そうだな……アニス」
その変貌を待っていたかのようにカロスが薄笑いを浮かべる。
「ユフィちゃんを側室に迎えるのであれば、もっとイカせてやるぞ?」
……魔法に魅入られ、魔道を邁進する信徒にとって、
国籍・立場を問わずトゥリウスは信仰する神に等しい。
魔法という神秘の深淵に没頭すればするほど、
この若き魔術師の天才性の輝きはより一層眩く映る。
彼の創り出した魔法論理体系こそが万物の真理であり
彼の提唱する法則こそが世界の理そのものだと信じさせる。
その絶対的な存在感はまさに神性を感じさせた。
故にこそ魔法使いたちは彼を神として崇め
彼の言葉を福音として受け入れる。
故に、神の伴侶としてはアニスは不適格ではないかという思いがあった。
美貌は申し分ない。
神を彩る美しさは否定しようがない程だ。
その白金色の髪は陽光を集めたように輝き、
薄緑色の瞳は翡翠の如き清廉さを湛えている。
その佇まいは凛とした気品と高貴さを漂わせ、
まさに王家の血統を受け継ぐ者の風格そのもの。
貪る媚肉の美味さはカロス自身が証明している。
神の供物に相応しい最上級のメス肉である。
カロスの逞しい肉棒を受け入れたときの膣圧は強烈で、
絶頂を迎えた瞬間の締め付けは尋常ならざる力を秘めていた。
あの熱く濡れた蜜壺が絡みつく感触は筆舌に尽くしがたく、
彼女が神の寵愛に浴するに相応しい肉体美を備えていることは疑いようがない。
知性に至っては我らが図るなど烏滸がましい。
神の助けとなり、飛躍させてくれるだろう。
アニスが編み出した〝魔学〟は既存の魔法体系を
根底から覆す革新的な理論であり、トゥリウス自身が高く評価している。
彼女の発想力と洞察力は並外れており、
神の探究心をさらに刺激し新たな可能性を切り拓いてくれることは間違いなかろう。
彼女の純真さと大胆さが矛盾することなく融合された性格こそが最大の魅力だ。
王女という高い地位にありながら権勢に驕ることがなく
常に謙虚で柔和な微笑みを絶やさない。
それでいて、必要ならば大胆不敵に行動する判断力も備える。
足りないものは唯一つ。魔法の才能のみ。
だからこそ、ユフィなのだが……
「─────────っ!? ぐっ、かっ、はぁっ……!」
いつの間にやら伸びた指が首筋に食い込み、締め上げる。
アニスの瞳を見てしまったカロスは戦慄する。
どこまでも深く虚ろな、汎ゆる感情が入り混じって故に、氾濫する穴。
「ユフィは、ダメ……ユフィだけは許さないんだから……」
ブツブツと言葉を紡ぐ怪物を黙ってやり過ごす。
下手に口を挟めば、コレは自分を喰い殺す、確信があった。
今更ながら納得する。
アニスは神が選んだ伴侶。自分ごときが制御できよう筈もない。
我ら信徒は神の託宣に従い、粛々と生きるのみ……
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