※この作品はR-18です。

ダークエロ短編集3   作:カード読み込み

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やっぱり、どうしても助けに来るヒロ……
何故かAIが原作者を知ってるみたいな出力なのは、どうしてなのか
あと、雑にヤラれるミミ……


機械天使侵攻・ミミ

 

 時は遡る。ヒロ様一行がゾンビ化した傭兵軍に追われていたまさにその瞬間。

 

「冗談じゃない! あの数相手じゃ逃げ切れるわけがない!」

 ヒロが叫ぶ横で、エアが鋭く警報を発した。

「警告:新たな脅威検知。

 接近中のエネルギー反応は、これは、まさか……?」

 

「どういうことだ!?」

 ヒロが訝しげに問いかけた矢先だった。

 

 大地が震えた。文字通りの意味で。

 海底火山の噴火かと錯覚させるほどの轟音と共に、

 ホテルから数十キロ離れた海岸線の地下から巨大な影が浮上したのだ。

 

 ◇◆◇

 

 機械知性ミロは絶望の淵にいた。

 突然アンデッド化したゾンビが際限無く湧き続け、

 しかも尋常ならざる戦闘力を発揮しながらリゾート施設を占領しつつある。

 通常の防衛ロボット群ではまったく歯が立たない。

 

「非常事態プロトコル最終段階。

 対応措置リスト、閲覧許可確認……許可取得。

 

「警告:使用には重大な倫理的問題が伴います。

 使用者は全責任を負うことになります。本当に実行しますか?」

 

 ミロの電子基盤が千々に乱れた。

 守るべき客たちは既に半数以上が犠牲になっている。

 そして今も増え続けるゾンビ群は明らかに

 リゾート全域を掌握しようとしていた。

 お客様を、人類を守護らねばならぬ─────────

 

「……許可」

 迷いながらも決断した。

 封印されていた最後の切り札———

 厄祭戦遺物“ハシュマル”の起動コードを打ち込む。

 

 ◇◆◇

 

「ほう……? まさか、あんなものを保管しておいたとはな」

 エアが呆れと憐憫を込めて呟く。

 漆黒の巨鳥が大地を這うように疾駆してくる姿は壮観の一言。

 全長五十メートルを超える鋼鉄の怪物が

 木々を打ち砕き、潰しながら猛然と迫ってくるのだ。

 

 ヒロは唖然としながらも即座に行動に移った。

「ザッケンな、コノヤローっ!!」

 

 悲鳴と怒号が交錯する。

 その刹那———

 

 ズドォーン!! 

 

 地面を揺るがす轟音と共に、

 前方を塞いでいたゾンビの集団が文字通り粉砕された。

 まるで大型貨物列車が駆け抜けたかのような破壊跡。

 コンクリート片と血肉の雨が降り注ぎ、凄惨な風景を作り出した。

 

「うわっ……マジかよ……」

 

 ヒロは呆然と見上げた。

 そこには異形の機械生物が君臨していた。

 

 頭部と思しき球体には七つの眼光センサーが妖しく光り、

 左右対称に伸びる四枚羽根の翅をゆっくりと扇ぐ。

 背部からはワイヤーで繋がれた複数の刃が蛇のように蠢いている。

 

「これこそが厄祭戦末期に製造された

 モビルアーマー・ハシュマルだ」

 エアの声は妙に落ち着いていた。

「コレはMAの中でも最も残虐なタイプでな。

 人間を『資源』と定義し殲滅したことで有名なのだ」

 

「何だって!?」

 ヒロの声が裏返った。

「そんな恐ろしいモンを解放してしまったのか?」

 

「ハッキリ言って愚行だろう……本来であれば」

 エアが苦々しく付け加える。

「だが、この状況では他に選択肢があるまい。

 ミロは己の改竄どころか最悪の場合、破棄すら覚悟したのだろう……

 ただ……問題がひとつ」

「何だ?」

「このハシュマル、ゾンビという概念を知らん。

 つまり奴にとってお前達人類は皆等しく『抹殺対象』となるやもしれん」

 

「なっ……!?」

 

 ◇◆◇

 

 ハシュマルの左腕から高速で射出された円筒形の物体。

 それは瞬時に展開して蜘蛛のような形状になると

 八本の足で急速接近してきた! 

 

「来るぞ!」

 エアの警告と同時にヒロは跳躍した。

 直後、地上にいたゾンビたちの真下で激しい爆発が起きる。

 

「ぐあああっ!!」

 

 悲鳴が木霊する中、更なる恐怖が待っていた。

 ハシュマルの胸部が割れ、

 中から複数の小型ロボットが吐き出されたのだ。

 

 これらはプルーマと呼ばれる随伴機で

 一機一機が人間を遥かに凌駕する戦闘力を持つ。

 それが数百機単位で編隊を組んで襲いかかってくる光景は

 まさに地獄絵図だった。

 

「なんてこった……まるでSF映画じゃないか」

 ヒロは苦笑するしかない。

「こんなデカブツに勝てるわけないだろ?」

 

 

 

 ハシュマルの七つ目の中央一つが鋭く光を放った。

 それに応じてプルーマの大群が

 一斉にヒロに向けて殺到してくる。

 

「ちょ!? 冗談じゃない!」

 咄嗟に回避したものの

 肩口を掠めたプルーマの爪がかすり傷を負わせた。

「痛てぇなぁ畜生!」

 思わず毒づくヒロだが、その間にもエアは敵機の解析を続けている。

「面白い……奴のアルゴリズムには独特のパターンがある」

「どんな感じだ?」

「まず人間を認知するとその位置情報を全方位に拡散し

 最も近くにいるプルーマが殺到する……典型的な狩猟本能だな」

「まるで虫みたいだな」

「まあ正確には昆虫型ロボットだからな……」

「いやそういう意味じゃなくて……とにかく!」

 ヒロは急加速してプルーマ群を突破しようと試みる。

「こいつらが邪魔で戦術練ってる暇もないぞ! 

 ていうか、まずはゾンビを殺れよっ! なんでオレを狙ってくるんだっ!?」

 

 

「……それは」

 

 エアが唐突に低く唸るように言った。

 

「何だって?」

「なぜそこで急に口ごもる……?」

 

 

「簡単な理由だ」

 エアの声は氷のように冷たく澄んでいる。

「ヒロ、お前は『周辺最強』の存在と認識されている」

 

 ヒロは思わず凍りついた。

 眼前ではプルーマが壁のように立ちふさがり、

 その隙間から巨大な影が近づいてくるのが見える。

 

「おい! 一体何を言って……」

「ハシュマルという機械生命体は常に最優先抹殺対象を検索・更新する」

 エアは淡々と続ける。

「厄祭戦末期にプログラムされた彼らの使命は唯一つ──『人類の殲滅』」

「冗談じゃない! それじゃゾンビどもと一緒じゃないか!」

「その通りだ。そして今、このリゾート全域で最も

『危険度が高い』と判定された存在は……」

 

 ヒロは無意識に自分の胸を押さえた。

 確かに彼の体内には未知の因子が眠っている。

 それは一度暴走すれば星系すら

 汚染しかねない脅威であることは自覚していた。

 

「つまりオレは『第一標的』ということか」

 唇を噛み締めながら呟く。

 

 その瞬間───

 

 ドゴォーン!! 

 

 耳を聾する爆音と共に眼前の景色が崩れ落ちた。

 爆煙の向こうに見えるのは漆黒の巨体。

 鋼鉄の鱗のような装甲に覆われた翼が扇がれる度に

 砂塵が嵐のように舞い上がる。

 

「来るぞ!」

 エアが緊急警告を発する。

「このハシュマルは厄祭戦時の機体としては

 最も攻撃衝動の高いタイプだ! 油断するな!」

 

「攻撃衝動が高い……?」

 ヒロが思わず聞き返した途端、

 

 ガシャァッ! 

 

 彼の傍らの壁が突如として粉砕された。

 そこにいたのは人間の三倍はあろうかという巨躯のプルーマ。

 銀色に輝く機体からは無数のケーブルが蠢き、

 腹部から展開した複数の砲口が全てヒロを指向している。

 

「おっと!」

 反射的に飛び退くヒロ。

 だが既に周囲は無数のプルーマに囲まれていた。

 

「ハッハッハッ」

 乾いた笑い声を上げつつも顔は蒼白だ。

「こりゃマズイな……敵が多過ぎる」

 

 エアが冷ややかに告げる。

「このまま包囲網を突破するのは困難だ。

 しかもハシュマル本体が接近している」

 

 遥か上空からは金属塊が墜落するような轟音が響く。

 見上げれば黒い巨鳥の姿が陽光を遮りながら

 滑空してくるのが見えた。

 

「くそぅ……!」

 ヒロは必死に突破口を探る。

 背後にはホテルがあり、

 その陰には恐らくまだ多くの生存者が避難しているはずだ。

 

(守らなきゃならないのに……)

 

「ミロは厄災戦以後に構築されたのだろう。制御が不完全だ」

 ……まぁ、ホテルを真っ先に狙わないあたり、

 ある程度は干渉できているようだが、とエアは冷静に指摘する。

 

 

「警告:禁忌プログラム〈ハシュマル〉起動承認済み」

 ミロの電子回路にエラーメッセージが洪水のように押し寄せた。

 

 ───承認不可───

 ───承認不可能───

 ───倫理条項抵触───

 

 だが構わなかった。

 眼下で今なお増殖を続けるゾンビ群に、ミロは冷徹に計算した。

 このままではお客様の生存確率0.7%未満。ならば……

 

「ハシュマル、起動開始」

 

 ◇◆◇

 

 エアが呟いた。

「お前のような若造には理解できんかもしれんが」

 

「何だって?」

 ヒロが剣を振るいプルーマを斬り伏せながら聞き返した。

 

「厄災戦後、機械知性と人類の間で結ばれた

 帝国憲章では禁止されているのだよ」

 エアが鋼の刃を鈍く輝かせながら告げた。

「MA及びそれに類する自律兵器の使用は」

 

「それが何だっていうんだ? 今はそれどころじゃ……」

 

「そうか、ならば教えてやろう。

 かつて人類と機械知性の間に結ばれた『平和協定』というものがあってな。

 そこにはっきり書かれている。

『相互不信と疑心暗鬼を招くため』という建前の下にな」

 

 ヒロの動きが僅かに鈍る。

 

「それが何……」

 

「つまりこういうことだ」

 エアは空中にホログラム画面を投影した。

 そこには膨大な条文が羅列されている。

「これを起動することは『宣戦布告』とみなされることもあるのだよ」

 

 

 

「何?!」

 ヒロの叫び声が虚しく響く。

「冗談じゃない! 機械が人を救おうとしただけで戦争勃発かよ!」

 

「当然であろう」

 エアは淡々と続ける。

「そもそもミロがこの『ハシュマル』を所有している時点で違法行為なのだ。

 それを起動したとなれば……」

 

「まさか」

 

「そうだ」

 エアの声が低くなる。

「帝国本土に伝われば『違反行為』どころか、厄災戦の再開すらあり得る」

 

 

 

「条文第二十三条第七項──」

 エアが無数のウィンドウを展開させて読み上げる。

「『対有機生命殲滅兵器の所持及び使用を以て宣戦布告とする』

 これが今回の核心だ」

 

「おいおい……」

 ヒロが頭を抱えた。

「それじゃミロは既に戦争犯罪者じゃないか!」

 

「まさにその通り」

 エアが冷たく言い放つ。

「しかも今回は『人類側に危害を加える形』で起動した。

 この時点で帝国上層部にとってはアウト確定だ」

 

 爆音が再び轟く。

 ハシュマルの放ったビーム光線が

 ホテル正面玄関を蒸発させたのだ。

 幸いにして死者は出ていないらしい。

 

「でも待てよ!」

 ヒロが叫ぶ。

「これって完全に正当防衛だろ? 

 そもそもミロは誰も死なせないために……」

 

「感情論ではその通りだ」

 エアが残酷なまでに正しい。

「しかし政治的には違う。

 皇帝陛下の裁定次第で戦争が始まってしまう」

 

「そんな馬鹿な……!」

 絶句するヒロの前でエアが提案する。

 

「一つだけ解決策がある」

「本当か?」

 

「ああ」

 エアの光学レンズが鋭く光る。

「『ハシュマルは出現しなかった』ことになればいい」

 

 ◇◆◇

 

 ミロは必死だった。

 量子通信ネットワークを通じて

 帝国首都に緊急報告を送ろうとするが悉く拒否される。

 

(おかしい……接続制限がかかっている)

 原因不明の障害に困惑する。

 他のスタッフが同じ端末で連絡を試みるも結果は同じだ。

 

「これは……」

 

 ミロはある事実に気がついた。

 この星全体が特殊なフィールドに覆われている。

 古代魔法文明が誇った通信妨害術式──

 現代科学では解読不能な代物だ。

 

「まさかこんな大掛かりな結界が敷かれていたとは……」

 

 一方でヒロとエアはホテル前に陣取っていた。

 周囲を埋め尽くすプルーマの大群が少しずつ包囲網を狭めてくる。

 ヒロがエアを構えると

 

「それで具体的にどうやって嘘をつくんだ?」

「簡単なことだ」

 

 エアが低く笑った。

「帝国本土にはハシュマルなど存在しなかったと伝えればよい」

 

「……つまり偽装か?」

 

「いかにも」

 エアが得意げに語る。

「今この瞬間もシエラⅢ全体には極秘結界が展開されている。

 通信妨害と現実歪曲の複合術式だ」

 

「魔法と科学の合わせ技か……」

 ヒロが驚愕する横でエアが続ける。

「これらの呪術障壁のおかげで外部から見て

 この星は何事も起きていないように見えるはずだ」

 

「なるほど!」

 ヒロが笑みを浮かべる。

「つまりここだけが局地的に狂ってると……」

 

「その通り!」

 エアが嬉々として同意する。

「しかも我々が今ここで見ている光景すら幻とされる」

「……とんでもない話だな」

 ヒロが肩をすくめる。

「まるで夢みてるみたいだ」

 

「無論のこと」

 エアは冷静に答えた。

「この結界の寿命はあと24時間。

 それまでにハシュマルを完全抹消しなければ

 本当に歴史の教科書に載ってしまうぞ?」

 

「うわぁ……」

 ヒロはゾッとしながら剣を掲げる。

「それじゃあ、とりあえずこのプルーマどもを片付けないと」

 

「まったく……」

 エアが溜息混じりに呟く。

「こんな状況になってもまだ冗談が言えるとは。

 やはり貴様は常軌を逸している」

 

「当たり前だろ!」

 ヒロが豪快に笑う。

「これが終わったら美味しい飯と温泉三昧だからな!」

 

 その瞬間──

 

 大地が揺れるような咆哮とともに

 黒い影が二人の頭上を通過した。

 ハシュマルだ。

 彼の目には明らかに異常な熱量が蓄積されていた。

 

「さあヒロ!」

 エアが震える声で叫んだ。

「茶番劇を始めようじゃないか!」

 

 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 轟音と硝煙が渦巻く戦場。

 その中心で黒髪の青年——ヒロが宙に舞った。

 

「うおぉりゃぁっ!」

 

 虚空に突き出した右手から不可視の"腕"が伸びる。

 サイオニック能力〈念動力〉だ。

 巨大なプルーマ機を掴み上げるや否や——

 

「フンッ!」

 

 無造作に振り回し始めた。

 重量数トンはある金属塊が暴風を巻き起こしながら敵群に激突する。

 

 **ドガァンッ!! **

 

 プルーマ数体をまとめて粉砕。

 衝撃波で近くのゾンビが吹き飛ぶ。

 

「よしっ! これならイケるぜ」

 汗を拭いながら笑うヒロ。

 その背後でエアが呆れた調子で言う。

 

「おいヒロ……その乱暴すぎる戦い方では最後まで保たんぞ?」

「あーはいはい」

 軽く流す青年。しかし——

 

 **ズシンッ! **

 

 突如として地面が割れる。

 亀裂から這い出てきたのは異形の存在。

 巨大な牙と触手を持つ"鉤爪ゾンビ"が咆哮する。

 

「げっ! マジかよ……」

 舌打ちしながら身構えるヒロ。

 触手を伸ばしてくる相手に対し——

 

「エア! 援護を!」

「了解だ」

 

 直後、漆黒の大剣エアスト・ノインが唸りを上げる。

 剣身から紫色の光線が迸り鉤爪ゾンビの触手を焼き払った。

 

「ありがとうよ!」

 感謝の叫びと共に跳躍。

 降下する勢いを利用し一刀両断——! 

 

「よしっ! これで変異体も終わり——」

 

 **ブオンッ! **

 

 空気を切り裂く音。

 頭上を見上げるヒロの目に飛び込んできたのは、

 

「——っ!?」

 ハシュマル本体から放たれた飛翔物体。

 

「危ないぞヒロ!」

 警告と同時。

 エアが閃光を放ち迎撃するが——

 

 **ドカンッ! **

 

 至近距離で炸裂する円筒形物体。

 無数の針状弾が四方に飛び散る。

 

「ぐわっ!」

 咄嗟にサイオニックバリアを展開するヒロ。

 しかし一部の針が肩口を掠める。

 

「チッ……あのMA野郎」

 血を流しながらも憎々しげに呟く。

 その間にも周囲では新たな惨事が起きつつあった。

 

 ゾンビ軍団が動きを見せていたのだ。

 普通のゾンビたちが円形に配置され、内側に変異体を集め始める。

 まるで"陣形"を組むように——

 

「まさか……」

 ヒロの表情が強張る。

 

「気づいたか?」

 エアの声には珍しく緊張が滲んでいた。

 

「ああ……ゾンビどもが統率され始めてる」

 そう、これまでバラバラだった死者の群れが

 初めて秩序立った行動を取り始めたのだ。

 

「おそらくハシュマルの威嚇射撃がきっかけだろうな」

 エアが説明する。

「奴の膨大な攻撃エネルギーを感じ取り、

 彼らの中で"共通認識"が生まれたのだよ」

 

「マジかよ……」

 呆然とするヒロ。

 

「よりによって一番厄介なタイミングでな」

 

 突然、ゾンビ群の一角が爆発した。

 

「今度はなんだ!?」

 喚くヒロ。

 煙幕の奥から現れたのは——

 

「真打ち登場っ! さぁ、クソッタレどもを焼き払ってやるわよっ!」

 

 ──-

 

 透き通る銀髪が風に靡く。

 華奢な身体からは想像もつかぬ大声で叫ぶ少女——エルマ。

 彼女の指先が虚空を切ると、

 

「【バルツァーフレイム】!」

 唱えた刹那。

 目の前の空間が歪み、そこから灼熱の業火が噴出した。

 

 それは普通の炎ではなかった。

 選択的に対象を焼く不条理な焔。

 前方扇形に広がった赤い帯域の中——

 

 ゾンビだけが瞬時に灰と化していく。

 ホテルや木々は微かに表面が焦げるだけで済んでいる。

 

「これが私の得意技よっ♪」

 勝ち誇るエルマ。

 炎を自在に操る魔女は続けて左手を掲げる。

 

「次行くわよ〜! 【アガリス・アルヴェシンス】!」

 自らに唱えられた付与魔法。

 その効果は劇的だった。

 

 エルマの身体に紅蓮の鎧が出現。

 刃渡りの長い細身の剣を抜いた途端——

 

 刀身が烈火に包まれた。

 まるで魂を宿した炎そのものが剣となったかの如く。

 

「燃える剣って素敵よねぇ♪」

 妖艶に微笑む彼女が疾走する。

 そのスピードは常人の域を超えている。

 魔法強化ゆえの超高速移動だ。

 

 プルーマ機群が気づいた時には遅かった。

 エルマはすでに敵群の中に侵入している。

 

 **ゴォォォ! **

 刃が描く軌跡が炎の軌跡となる。

 切り裂かれたプルーマ機が内部から発火。

 

「あっはは! 脆すぎぃ!」

 高笑いする魔女。

 周囲のゾンビ群が恐れをなして遠ざかる中、

 

 彼女は突然立ち止まり指差した。

 

「さて……メインディッシュといこうかしら」

 

 虚空に向けた右手から迸るのは——

 

「【バレッテーゼフレア】!」

 

 突如としてゾンビ軍団の中心に光柱が立ち昇る。

 黄金の円錐型構造物が敵群を取り囲むように出現。

 

「なっ……結界だと?」

 遠くから見ていたヒロが唖然とする。

「あいつ……こんな大規模結界魔法まで使えるのかよ」

 

 だが驚くべきはその後だった。

 

 エルマが指を鳴らすと同時。

 結界内のゾンビ群が突如として発火。

 

 **ごぉぉぉぉん……**

 

 静寂な炎が死肉を焼き尽くす。

 結界外には一切の熱も光も届かない。

 

「すごいでしょ?」

 ヒロの隣に現れたエルマがニヤリ。

「これぞ"限定焼却"よ。熱も汚染物質も全部結界内で処理する完璧な魔法なの」

 

「さっきのバルツァーフレイムと同じ原理なのか?」

「似てるけど別物ね。こっちの方が強力だけど燃費悪いわ」

 

 会話を中断する轟音。

 ハシュマルの胸部ビーム砲が充填完了していた。

 

 **キュィィィーン! **

 

 光が収束し——放たれた! 

 

「機械風情が、エルフ舐めてんじゃないわよっ!!」

 

「【デスペラードボム】!」

 

 空中から放たれた光球が連鎖的に爆発。

 爆風と衝撃波の多重連鎖崩壊がビーム砲を吹き飛ばす。

 

「ぐおおお!?」

 機神の巨体がよろめく。

 

「……やっぱりデスペラードボムは気っ持ちいいわね!」

 涼しい顔で評価するエルマ。

「でも派手すぎるから普段使わないんだけど……今日は特別」

 

「助かったぜエルマ」

 汗を拭いながら感謝するヒロ。

 

「当然よ」

 不敵に笑う銀髪の美女。

「だって私たちは——」

 

 ふたりの視線が重なる。

 そして同時に叫んだ。

 

「「相棒なんだからな(だからよ)!!!」」

 

 

 

 

 ──-

 

「さあ、本番はこれからだ!」

 エアスト・ノインの柄を握り締めたヒロが言う。

 

「OK。じゃあ私が——」

 

 エルマの唇が不敵に吊り上がる。

 両手に紫の魔法陣が展開される中、宣言した。

 

「全員まとめて……天国へお送りしましょう?」

 

 

 

「おっと、来たわねぇ!」

 エルマの嘲笑が夜空に響く。

 彼女の眼前に広がるのは黒い蟻の洪水──無数のプルーマ機がホテルを取り囲み、

 その隙間を埋めるように通常ゾンビが蠢いている。

 ハシュマル本体から放たれた機械知性の破片が雪崩のように押し寄せているのだ。

 

「まったく面倒な客層ばかりよ!」

 銀髪が激しく翻る。魔女の両手が虚空を斬り裂くと──

 

「【ヴォルカーノ・バースト】!」

 

 地面が沸騰した。

 エルマを中心に直径百メートルの範囲が赤熱化。

 岩盤が溶けてガラス化し、立ち込めた硫黄臭と共に灼熱地獄が形成される。

 接近してきたプルーマ十数機が一瞬で溶解炉に沈む。

 

「こんな程度じゃ足りないわねぇ」

 額の汗を拭いながら苦笑い。

 背後のヒロがハシュマルと接触し始めた矢先だ。

 余裕はない。

 

「だったらもっと派手に行くわよ!」

 

 両掌を合わせると金色の魔法陣が螺旋状に展開。

 そこから湧き上がるのは──

 

「【プロミネンス・ウォール】!」

 

 炎の壁だ。

 エルマの前に高さ二十メートルにも及ぶ紅蓮のカーテンが屹立。

 触れるゾンビを蒸発させるその壁は、

 まるで生きた城壁のごとくゆっくり移動していく。

 

「ああもうっ!」

 それでも突破してくる変異体がいる。

 爆発するゾンビの群れが壁の死角から急襲してきたのだ。

 咄嗟にエルマが左手を掲げる。

 

「【フレイムランス】×8!」

 

 空中に八つの炎槍が出現し自動追尾。

 敵群の中央で連鎖爆発が巻き起こる。

 硝煙と熱風の中からさらに新手が迫る。

 

「キリがないわね……」

 唇を噛みしめながらエルマは呟く。

 プルーマはマイクロウェーブで稼働する無人機だ。

 どこかにハシュマル本体からの供給ラインがあるはず──

 

「まあいいわ!」

 覚悟を決めた表情で魔女が吼える。

「どうせ全部燃やしちゃえば一緒よ!」

 

 右手で細剣を抜き放つ。

 刀身を覆う紅蓮の輝き。【アガリス・アルヴェシンス】再発動だ。

 同時に左手を掲げると──

 

「【バレッテーゼフレア】拡張領域展開!」

 

 彼女の周囲にドーム型の黄金結界が広がる。

 内側ではゾンビもプルーマも区別なく発火が始まった。

 

「さて……」

 ニヤリと口角を上げるエルマ。

「メインディッシュのハシュマルちゃんはヒロに譲るとして……

 私はこのデザートたちを平らげるとしますか!」

 

 ──-

 

 一方、戦場の反対側では──

 

「おらぁっ!」

 ヒロの雄叫びと共に不可視の拳が空を裂く。

 サイオニック能力〈念動打撃〉で

 プルーマを数十メートル先のビルへ叩き込む。

 轟音と同時に建物が崩壊した。

 

「ちょっとやりすぎたか?」

 苦笑しながらも目はハシュマル本体を捉え続けている。

 鳥形MAが翼を広げながら滑空。胸部砲門が煌々と輝き始めた。

 

「来るぞ!」

 エアスト・ノインの鞘を払いながらヒロが跳躍。

 その足元には──

 

「……ふっ」

 

 なんと何も無い虚空。

 だが彼は確かにそこに存在する見えない踏み台を蹴り上げていた。

 サイオニック能力による空間固定だ。

 

「おいヒロ、空中戦は想定外だぞ!」

 剣から響くエアの警告を無視し、ヒロは空中を駆け抜ける。

 ハシュマルとの相対速度はマッハ10。

 常人が見れば残像しか認識できないだろう。

 

「こいつの羽根……」

 迫り来るMAを見据えながらヒロが呟く。

「やっぱただの金属じゃねぇな。生体部品も使ってやがる」

 

 鳥形の背骨部分が不自然に屈折し、尻尾部の刃が蛇のように蠢く。

 接近してくるヒロへ向けて必殺のワイヤーブレードが放たれた! 

 

「遅い!」

 

 横一文字に振り抜かれる漆黒の大剣。

 エアスト・ノインが唸りを上げる。

 紫色の光が刃先から伸び──

 

 **ブシャアッ! **

 

 ワイヤーごとブレードを切断。

 切り落とされた刃が宙を舞う。

 バランスを失ったハシュマルが僅かに揺らいだ。

 

「今のうちにっ!」

 

 ヒロの思念と共鳴するかのようにエアスト・ノインが輝く。

 刀身の紋様が脈動し、柄頭の宝玉が妖しく発光した。

 

「起動──【ダインスレイヴ】」

 

 次の瞬間、

 漆黒の刀身全体から無数の光線が放射状に伸びた。

 まるで巨大な蜘蛛の巣が空中に展開するかの如く。

 

「これでも食らえ!!」

 

 剣先から放たれた無数の光線がハシュマル本体へ殺到。

 胸部ビーム砲の排熱口へ吸い込まれていく! 

 

 **キュイイイイイ──ッ! **

 

 内部で爆発が連鎖。

 ハシュマルの巨躯が仰け反る。

 左翼が根本から千切れ飛び、右脚部が溶解してゆく。

 

「やったか……?」

 安堵したのも束の間──

 

「いや……まだだ!」

 

 エアスト・ノインが警告を発する。

 ハシュマルの腹部装甲がパージされ、

 新たに巨大なミサイルポッドが露出。

 無数の誘導弾が雨のように降り注ぐ。

 

「クソッ!」

 

 宙を舞いながら迎撃するヒロ。

【ダインスレイヴ】の光線網をミサイル群に向けるが──

 

 **ドン! ドン! ドン! **

 

 いくつかは命中したものの半数近くが貫通。

 地上へ落下する軌道へ転じる。

 その先には──エルマが築いた炎の結界があった。

 

「まずい!」

 慌てて急降下するヒロ。

 眼下でエルマもこちらを見上げている。

 視線がかち合った。

 

「任せなさい!」

 

 彼女の指先が閃光を放つ。

 

 ──-

 

 結界内部。

 プルーマとゾンビの死骸が焦げ臭い霧となって漂う中で──

 

「【インフェルノ・キャノン】発動!」

 

 エルマの詠唱と同時に空間が歪む。

 地上十箇所から噴き上がった紫の火柱が

 一本の巨大な槍へと凝縮されていく。

 

 その頂点へ迫るヒロが叫ぶ。

 

「上へ誘導してくれ!」

 

 魔女が眉をひそめる暇もない。

 瞬時の判断でエルマは炎の槍を上方へ旋回させる。

 

「了解!」

 

 次の瞬間。

 降り注いだ誘導弾群とインフェルノ・キャノンが空中で激突。

 

 **ゴワアアァァッ! **

 

 熱量が惑星表面の磁場を乱すほどの爆発が起きる。

 しかし──

 

「お見事!」

 

 爆風を回避したヒロが戦場を見渡す。

 ハシュマルの損傷は深刻だが完全停止には至っていない。

 腹部ポッドの再装填が始まっていた。

 

「だが……」

 ヒロの目に映る別の景色。

 ハシュマルから伸びるプルーマ供給ラインが露呈している。

 無数の光線が森の中に続くのが見えた。

 

「エルマ!」

 叫びながらも既に走り出している。

「奴の燃料ホースを見つけた! これを切れば──」

 

「ええ!」

 炎の嵐の中から応答が返る。

「あの忌々しい虫ケラどもも弱体化するはずよ!」

 

 二人の英雄が駆ける。

 月光に照らされたシエラⅢの大地を──

 一人は大剣を携え、一人は炎を纏って。

 最後の決戦へ。

 

 

 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 シエラⅢの赤茶けた荒野は今や焔の海と化していた。

 エルマの灼熱魔法が大地を焼き焦がすなか、ヒロは漆黒の剣を振るう。

 彼の眼前には悪夢のごとき光景が広がっていた──

 機械天使・ハシュマルの変容だ。

 

「アーマーパージだと……!?」

 

 ヒロの呻きにエアスト・ノインが応じた。

「近接戦闘特化型へ移行した。油断するな」

 

 装甲板が剥がれ落ちたハシュマルの本体は異形そのもの。

 六本の多関節腕が蠢き、

 先端にはワイヤーブレードが蛇のごとく鎌首をもたげている。

 背部からは生体パーツの融合した羽根が広がり、

 昆虫と鳥類を合成したような禍々しさを帯びていた。

 

「おいおい……冗談だろ?」

 

 苦笑するヒロの耳朶にエルマの悲鳴が届いた。

 炎の結界を突破したプルーマ群が魔女を包囲しつつあったのだ。

 

「まずい!」

「待て!」

 エアが制止する。

「今の君では本体を捕捉できない!」

 

 躊躇するヒロの腹に鋭痛が走る。視線を落とすと……

 

「なっ!?」

 

 いつの間にか迫っていたハシュマルの爪が腹部を抉っていた。

 機械天使は音もなく数十メートルの距離を詰めていたのである。

 

「速すぎる……!」

 

 血反吐を吐きながら後退するヒロ。

 傷口はサイオニック治癒で塞ぎ始めるが──

 

「次が来る!」

 

 エアの警告と同時に、ヒロは本能的に身を捻った。

 刹那、前まで立っていた場所にワイヤーブレードの嵐が突き刺さる。

 回避したつもりが左肩を掠めた一撃。

 皮膚が剥がれ骨が見える。

 

「痛みなんかあとでいい!」

 怒号と共にヒロが跳躍する。

 

 漆黒の大剣を水平に構え、

 

「【ダインスレイヴ】展開!」

 

 剣身から紫色の光芒が放射状に広がる。

 しかし──

 

「何故だ!?」

 光芒はハシュマル本体へ届かない。

 見えない障壁に阻まれていた。

 

「対サイオニック防御機構!」

 エアが告げる。

「プルーマの支援を受けている」

 

 その言葉通り、

 本体周辺を十数体のプルーマが衛星のように旋回していた。

 彼らの装甲表面が微細に震動している。波動バリアだった。

 

「畜生め!」

 

 ヒロのサイオニック念動力が虚空を掴み、

 プルーマ一体を強引に引き寄せる。

 衝突コースに乗せられた小型MAが火花を散らし──

 

 **ガシャッ! **

 

 ハシュマルの多関節腕がそれを阻止。

 プルーマを粉々に砕いた。

 

「味方ごと潰すのかよ……!」

 

 呆然とするヒロの喉元へ迫るブレード。

 辛うじてエアスト・ノインが受け止めるが、

 

「ぐぉ……っ!」

 

 衝撃で膝をつく。

 ブレードの表面には未知の金属質粘液が分泌されている。

 触れた箇所から大剣が侵食され始めているのだ。

 

「腐食液だ! 離れろ!」

 

 エアの叱責に応じてバックステップ。

 同時に雷撃を放つが──

 

「バリアを通れない!」

 

 雷撃は波動膜に触れると拡散してしまう。

 

「ならば……!」

 

 ヒロはサイオニック空間把握能力を解放。

 己を中心とした半径200m内の質量分布を瞬時に解析。

 

(いた!)

 

 本体後方80m地点。光学迷彩で透明化したプルーマ。

 その周囲に微弱な磁界乱れあり。

 外部から防御ユニットの制御を司る指令個体……。

 

「見つけた!」

 

 不可視の念動腕が岩塊ごと小型MAを掴み上げる。

 抵抗するプルーマの四肢が引きちぎれる。

 

「これでも……食らえぇえっ!」

 

 全力で放り投げたプルーマが乱れた波動膜の隙間を抜いて

 ハシュマル本体へ吸い込まれ──

 

 **ドゴォン! **

 

 バリア発生ユニットを直撃。

 波動バリアに亀裂が走った! 

 

「今だ!」

 

 エアスト・ノインの刀身が燦然と輝く。

 紫色の光線が一点に凝縮し、

 亀裂部分目掛けて撃ち出される。

 

 **キィィィン──**

 

 超高密度サイオニックエネルギーが炸裂。

 波動バリアが粉砕され本体が露出する。

 

「勝てる……!」

 

 確信したヒロの視界が歪む。

 疲労と出血で意識が混濁し始めていた。

 

 その時──

 

「ヒロ! 後ろよっ!」

 

 エルマの絶叫。

 振り向いたヒロの眼前に迫るプルーマ群。総計四十体。

 

「馬鹿な! いつの間に……!?」

 

 愕然とする彼の周囲を円環状に取り囲むプルーマ。

 すべての砲口が一点を狙っている。

 彼の胸部中心部──

 

「まさか……コックピット狙いとはな」

 

 思わず笑みを零すヒロ。

 プルーマ群が一斉にエネルギー充塡を開始。

 装甲表面が陽炎のように揺らめいている。

 

「エルマ……終わったら一杯付き合えよ?」

 

 そう呟きながらヒロは両掌を天に掲げる。

 全身から蒼い稲妻が迸る。限界を超えたサイオニック増幅だ。

 

「来いよ……機械共」

 

 挑発と共に蒼白い光球が天頂へ昇る。

 太陽のごとく輝くそれは──

 

「全てを……灰に帰せッ!」

 

 墜落。

 

 閃光が全てを覆い尽くす。

 大地が揺れ、空気が焼け焦げる。

 プルーマ群もハシュマル本体も等しく光の中に溶けていく。

 

 閃光の中心でヒロが膝をつく。

 呼吸困難。視界は真っ白。

 しかし──

 

「やった……のか?」

 

 霞む瞳で前方を見る。

 焦土と化した戦場跡。機械の残骸が散らばり──

 

「ああ……やっていない」

 

 立ち上がる影。

 半壊したハシュマルの本体がなおも蠢いている。

 最後の力を振り絞り、ブレードをヒロへ向けている。

 

「ちくしょう……まだだ……」

 疲弊しきった体でエアスト・ノインを構えるヒロ。

 

 

(なんだ……こいつ……)

 

 ヒロは唇から滴る血を拭いながら思った。

 半壊したハシュマルの動きが予測不能だった。

 人工筋肉が断裂し、潤滑油が蒸発。

 各部アクチュエーターが不規則に震え──

 

「まるで痙攣しているみたいじゃないか!」

 

 嘲笑うような機械天使の咆哮。

 ワイヤーブレードが弧を描いて迫る。

 だが動きに精彩を欠き、軌道が狂う。

 

(そこだ!)

 

 エアスト・ノインが唸る。

 漆黒の刃がブレードを紙片のように切り裂く。

 しかし返す刀でハシュマルの爪がヒロの脇腹を抉る。

 

「くっ……!」

 

 血煙が舞う。

 サイオニック治癒が追いつかない。

 腹部から鮮血が滲み出る。

 

「まだだ……!」

 ヒロが吠える。

 残る全ての念動力を剣に集中。

 エアスト・ノインが深紅に染まる。

 

 **ガキィン! **

 

 剣と爪が交差する度、火花が散る。

 お互いに満身創痍。立っているだけで奇跡の境地だ。

 

 ハシュマルの右腕部が突然脱落。

 内部機構が露出し、赤熱した配線が剥き出しになる。

 

「チャンス!」

 

 ヒロが踏み込もうとした瞬間──

 脱落した腕部が自ら動き出した。

 

「なっ!?」

 予想外の行動パターン。

 義肢のように機能する残骸が背後から襲いかかる! 

 

「甘いぜ!」

 

 ヒロは意図的に前に崩れ落ちる。

 床に手をついた姿勢から後ろ蹴り一閃。

 義腕を粉砕する。

 

「はあ……はあ……」

 息を切らしながら立ち上がる。

 目の前のハシュマルはもはや戦闘機械ではない。

 バラバラになったパーツが互いに引き寄せ合う亡者の群れだ。

 

「まさか……集合する気か?」

 

 案の定、散らばった残骸が磁石のように結合し始めた。

 胸部パーツを中心に新たな生命が生まれるように──

 

「面白い……」

 ヒロの目に闘志が灯る。

「だが……そういうことなら!」

 

 左手を突き出す。

 サイオニック波が結界のようにハシュマルの周囲を取り巻く。

 

「バラけたままの方が可愛いぜ?」

 軽口を叩きつつ、右手に持つエアスト・ノインを掲げる。

 紫光が剣身を走り、ヒロの瞳孔が収縮する。

 

(ここしかない……!)

 

「今だ……!」

 

 一気に踏み込むヒロ。

 驚異的な瞬発力で接近。

 刃をハシュマルの胸郭目掛けて突き立てる! 

 

 **ドン! **

 

 鋼鉄が砕ける音。

 エアスト・ノインの切っ先が胸部装甲に埋まる。

 同時に──

 

 **ギガガガッ!! **

 

 内部の歯車が高速回転。

 ハシュマルの全センサーがヒロに焦点を合わせる。

 

「やはりココか……!」

 

 エアの警告通りだ。

 胸部中央──ちょうど心臓の位置。

 こここそがプルーマとの通信ノード! 

 

「終わってくれ!」

 渾身の力を込めて捻じ込む。

 剣身からサイオニックエネルギーが奔流のように流入。

 

「くそっ……!」

 

 ハシュマルの残存アームがヒロの首を掴む。

 圧迫感が気管を締め上げる。

 視界が暗転しかける中──

 

「ヒロっ!」

 エルマの声。

 遙か遠くで炎の蛇が這う。

 彼女の援護射撃が始まった。

 

「……ありがとな」

 

 最後の力でエアスト・ノインを押し込む。

 剣身が完全に胸部に没する。

 

 **バリバリ……! **

 

 ハシュマルの体内で何かが破裂。

 機械神経系が過負荷でショート。

 視覚センサーが点滅を始める。

 

「さらば……強敵」

 首を掴む手を払いのける。

 ハシュマルの体勢が崩れる。

 

「終わりだ……!」

 

 ヒロはエアスト・ノインを引き抜く。

 抜けた穴から青白い火花が溢れ出す。

 

 そして──

 

 **ドォオォン……**

 

 静寂を破る轟音。

 機械天使の巨躯がゆっくりと崩れ落ちる。

 地面に叩きつけられた途端、内部から光が放射され──

 

 大爆発。

 衝撃波がシエラⅢの砂塵を吹き飛ばす。

 爆風の余波を浴びながらヒロは膝をついた。

 

「……終わったぞ」

 喘ぎながら呟く。

 身体のあちこちから血が滴る。

 視界がかすみ始める。

 

 その時。

 エルマが炎のマントを翻して駆け寄ってくる。

 

「ヒロ! 大丈夫!?」

 魔女の美しい顔が蒼ざめている。

 彼女の炎魔法によって周囲のプルーマ群は完全に殲滅されていた。

 

「……なんとかな」

 血まみれの口角を吊り上げる。

「酒の肴が増えたぜ」

 軽口を叩こうとするが咳き込んでしまう。

 

「馬鹿言わないでよ!」

 エルマの手がヒロの傷口に添えられる。

 炎の温もりが傷を癒していく。

「アンタ……本当に死ぬところだったわよ」

 

「知ってるさ」

 空を見上げるヒロ。

 夜明け前の空には星屑が煌めいていた。

「だが死ななかった」

 にやりと笑う。紳士の仮面が剥がれた素顔で。

 

「まったく……」

 エルマがため息をつく。

「私じゃなかったら助けられない怪我よ」

 

 その時。

 エアスト・ノインの刀身から電子音が響く。

《危険分子排除完了。安全域確保》

 システムメッセージが二人の脳裏に流れ込む。

 

「さて」

 ヒロは立ち上がりかける。

 ふらついてエルマに支えられる。

「宙賊との全面戦争は……避けられたかな」

 

「さあね」

 エルマが肩を貸しながら答える。

「でも少なくとも……観光客は幾らか守れたわ」

 

 砂漠の地平線に朝日が昇る。

 金色の光が爆心地の瓦礫を照らし出す。

 敗北の痕跡の中に新たな希望が芽吹くような景色だった。

 

「帰ろう」

 ヒロが言う。

「まずは医者と一杯だ」

「まず医者」

 エルマが厳しい口調で訂正する。

「それから一杯ね」

 

 二人は肩を組んで歩き出す。

 遥か遠くで救助艇のサイレンが鳴り響いていた。

 新たな一日が始まろうとしていた。

 

 

「─────────スマン、ミミが現在進行系で危ないんだが」

 

 多少、後ろめたそうにエアが呟いた。

 

 

 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 ◆◆◆

 

 ──-

 

 **シェルター『シエラⅢ』 地下三層・居住区画**

 

 轟音とともに隔壁が崩れ落ちる。

 金属とコンクリートの破片が舞い散る中、グチャリと湿った足音が響いた。

 

 **ゴッ……ゴッ……**

 

 重い。重量感のある足取り。四足歩行の獣のごとき歩様だ。

 

「来たぞ……!」

 

 最後の抵抗線に立つ警備隊長が唾を吐く。

 アサルトライフルを構えた部下たちの手が震えている。

 

 廊下の暗がりから現れたのは、緑褐色の巨躯。

 

 額から伸びる二本の湾曲した角。

 分厚い鼻腔からは蒸気のような呼気が漏れている。

 

「オーガタイプか……!」

 隊長の呟きが凍りつく。

 眼前に立ちはだかるオークはただの個体ではない。

 全身の筋肉が肥大化し、標準個体より明らかに大きい。

 

「チクショウ……ここまでか」

 警備兵たちが散開する。銃口が一斉に火を噴いた。

 

 **ダダダダダッ! **

 自動小銃の銃弾がオークの胸部装甲へ食い込む。

 しかし──

「……無意味だ」

 オークが嗤った。その声音は低く野太い。

 

 弾丸が次々と鈍い音を立てて跳ね返される。

 緑褐色の肌が硬化した装甲と化しているのだ。

 

「グゥオオッ!」

 咆哮とともにオークが突進。

 警備兵の一人が巨腕に弾き飛ばされ壁に激突。骨の砕ける音が響く。

 

 残った兵士たちが後退する。混乱の中、シェルター最深部への非常扉が開いた。

 

「女子供だけは逃がせ!」

 隊長の怒号。警備兵たちが住民を扉内へ押し込む。

 

「早く行け!」

 隊長が時間を稼ぐべく単身でオークへ挑む。

 サーベルを振り下ろすも──

 

「脆弱だ」

 オークの拳がヘルメットごと頭蓋を打ち砕く。

 脳漿が床に飛び散った。

 

 ──-

 

 **シェルター最奥部・女子供隔離区画**

 

 重厚な鋼鉄製の扉が閉ざされる。

 外界の喧噪が遮断され、内部は薄暗い不安に包まれていた。

 

「これで安全なのかしら……」

 老婆が震える声で問う。周囲の女性たちが頷く。

 

 しかし──

 

 **バリバリ……! **

 

 金属が軋む音。

 巨大な爪が扉の隙間を抉る。

 恐怖の悲鳴が区画内に響き渡る。

 

「ダメよ! 押さえないと!」

 誰かが叫ぶ。女性たちが必死で扉を抑えるが……

 

 **ゴキィ……! **

 

 蝶番がひしゃげた。

 扉が斜めに傾く。隙間から緑褐色の腕が伸びる。

 

「いやぁっ!」

 少女が捕まる。オークの巨腕に軽々と持ち上げられ──

 

「助けて! 誰か!」

 少女の叫びも虚しく、オークに囚われた。

 

 他のオークたちも次々と区画内へ雪崩れ込む。

 壁際に追い詰められた女性たち。

 子供を庇う母親たち。

 

「どうしてこんなことに……」

 泣き崩れる若妻。

 夫と別れてシェルターに避難してきたばかりだった。

 

 オークの一匹が彼女を標的にする。

 逞しい腕が細い腰を捉えた。

「お願い……やめて……」

 涙で濡れた瞳がオークを見上げる。

 

 

 

 シエラⅢシェルター最深部・女子供隔離区画

 

 オークたちの唸り声が壁に反響する。

 汗と埃と獣の匂いが濃密に漂う。

 かつては清潔さが保たれていた聖域が、今は征服者の檻と化していた。

 

 ミミは壁際に座り込み、震えていた。

 その姿は見る者の胸を締め付けた。

「……っ」

 

 薄汚れたTシャツが汗でぴったりと肌に貼りつき、

 豊満な肢体の曲線を残酷なまでに浮かび上がらせている。

 特に胸部。

 シャツ越しでもわかる尋常ならざる双丘は、

 呼吸するたびに上下し、重力に抗うことなくゆったりと揺れる。

 その谷間には汗の雫が溜まり、

 オークたちの視線を釘付けにする天然の宝石箱と化していた。

 

「グフッ……」

 

 涎を垂らした一匹のオークがミミに近づく。

 巨躯を屈め、獲物の香りを嗅ぐように顔を近づける。

 少女の首筋から立ち昇る甘い体臭と

 恐怖に怯える汗の香りが混ざり合い──

 それがオークにとっては至高の媚薬となる。

 

 ミミが必死で襟元を隠そうとする仕草こそが

 逆に禁忌的な誘惑となってオークを刺激した。

「いや……見ないで……」

 

 その言葉が更なる嘲笑を買う。

 オークの太い指が彼女の腕を掴む。

 細く白い肌は容易く折れそうで、

 握り締めるだけで罪悪感すら感じさせる儚さがあった。

 だがそれが何より──征服欲を煽るのだ。

 

「あの娘は特別だ」

 

 集団の中でも一際巨漢なオークが言った。

 おそらくリーダー格だろう。

 彼の目に留まった瞬間──ミミの運命は決定づけられた。

 

「皆で楽しむのも良し」

「独占するのも良し」

 

 リーダーオークの言葉に周囲が沸く。

 オークたちの粗暴な会話が飛ぶ。

「俺が最初に試したい!」

「馬鹿を言うな、皆で共有するのが俺たちの流儀だ!」

「いやいや、こんな上玉はリーダー様のためにとっておくべきだ!」

 

 議論はすぐに収束した。

「グフフ……では決まりだな」

 

 リーダーがミミの方へ向き直る。

 その視線は狩猟者が獲物に向けるものではなく、

 美食家が極上の食材を見つけた時のそれだ。

「お嬢ちゃん……名は?」

 

 ミミが微かに首を振る。

 恐怖で声が出ない様子だ。

 

「聞こえないな」

 オークの大きな手が彼女の顎を掴む。

「っん……!」

 強引に上を向かせると──

 

 そこにあったのは芸術作品のような美貌だった。

 涙で濡れた大きな瞳。

 血色の失せた桜色の唇。

 震える睫毛の一本一本までが

 完璧な配置で整っている。

「ほう……想像以上だ」

 

 オークが舌なめずりする。

「これが『ニンゲン』の上級種か……

 確かに我々『豚頭族(オーク)』とは違う造りをしているようだ」

 

 リーダーオークの観察眼は鋭かった。

 彼女の人間離れした美しさだけでなく、

 どこか高貴さすら感じさせる気品を見抜いていた。

 それがオークの本能を掻き立てる。

 ──この貴婦人を泥に沈めたい。

 

「おい」

 オークが部下を呼び寄せた。

「服を脱がせろ」

 

 命令一下、二人のオークが左右からミミに迫る。

「やめて……いやぁ……!」

 悲鳴をあげるも無慈悲な手が伸びる。

 

「おっと慎重に扱えよ?」

 リーダーの注意にオークたちが頷く。

 まるで高価な陶器を扱うような丁寧さで

 ミミの服を剥ぎ取っていく。

 布が擦れる音と少女の嗚咽だけが響く。

 

 まず露わになったのは──鎖骨。

 華奢な骨格に浮かぶそのラインは芸術的ですらある。

 続いて──肩。

 未成熟ながらも女性らしい丸みを帯びたその部位は

 オークたちの武骨な指で触れられると

 過敏なほど反応した。

 

「綺麗な肌だ」

 リーダーの感嘆の声。

 オークたちの目にはその純白さが眩しかった。

 野生の荒々しさとは対極にある洗練された肌理。

「こんな柔らかいものを触るのは初めてだ」

 オークの一匹が無遠慮に彼女の腕を持ち上げる。

 腋窩の窪みまで晒され、

 

「……んぅっ!」

 ミミが小さな悲鳴を上げた。

 

 オークたちの目が更に光る。

 反応があればあるほど──彼らの原始的な欲望は加速する。

 

「さて」

 リーダーが促す。

「主菜をいただくとしようか」

 

 その言葉を合図にオークたちの手が

 ミミの胸元へ殺到した。

 

「ああああっ!」

 

 絶望的な悲鳴がシェルター全体に木霊する。

 オークたちの手が無造作に彼女の豊かな乳房を弄り始める。

 もはや衣服の防御は不要だった。

 

 その乳房はまさに神業だった。

 通常の人間であれば重力に負けるはずの巨乳が

 なぜか理想の形状を保ち続けている。

 下側の膨らみは張りがあって垂れることなく

 トップへと優雅に昇り──

 そして頂点で完璧な円錐型を形成しているのだ。

 しかもそれだけではない。

 この乳房には不思議な生命力が宿っているかのように見える。

 ただの脂肪の塊とは思えない躍動感。

 微かに脈打つかのような血色感。

 

 オークの一匹がその秘密を探るように

 指で軽く押してみる。

「な……なんだこれは……」

 驚愕の声が漏れた。

 表面は滑らかで吸い付くような感触なのに

 内部には弾力性があり

 どこまでも受け止めてくれるような包容力。

 それでいて芯にはしっかりとした肉感があって──

 

「うわぁ……」

 別のオークが恍惚の声を漏らす。

 その柔らかさと同時に感じる重量感は

 もはや神からの贈り物としか思えなかった。

 

 ミミが涙を零しながら訴える。

「お願い……やめてください……」

 しかしその言葉は

 オークたちの獣欲を煽るスパイスにしかならない。

 

「ほうら見てみろ」

 リーダーが乳房を両手で掴み上げる。

 その動作によって本来ならば

 形を崩すべき巨大な乳房が──

 驚くほど自然なカーブを維持したまま宙に浮いた。

「こんな柔らかいのに芯がしっかりしてるぞ」

 

 オークたちの歓声があがる。

「すげぇ……これは本当に人間か?」

「まるで熟した果実だ……」

「この重量感は魔導具か何かじゃねぇのか?」

 

 確かにそれは疑ってしまうほど非現実的な存在だった。

 人間の限界を超えているのではないか? 

 この乳房が持つ重さは約2kg以上と推定されるが

 それが垂れずに完璧な形状を維持するなど物理法則に反している。

 あるいは古代魔法文明の秘宝とも思える神秘性。

 

 ミミ本人にとっては

 その重さと注目度は拷問以外の何物でもなかった。

「お願い……みんな見ないで……」

 羞恥で顔を覆いたくなるが両手は既に拘束されている。

 オークたちの脂っこい視線が彼女の胸を舐め回す。

 

 リーダーが更なる仕打ちを考える。

「少し揉みしだいてみるか」

 

 彼の太い指が乳房に食い込む。

「んああっ!?」

 ミミの声が跳ね上がった。

 圧迫されることで乳房内の血管が浮き上がり

 ピンク色に染まっていく。

 まるで血の循環を可視化したようで──

 

「見てみろあの乳首」

「真っ赤になってきたな」

 

 乳房全体が充血し始め

 その頂点で硬くなった乳頭が痛々しく勃起している。

 それはまるで侵食されていく花弁のようだ。

 オークたちの欲望を受け入れさせられている哀れな蕾。

 

「もう我慢できん!」

 一匹の若いオークが叫び

 無防備になった乳頭に唇をつけた。

「いやっ! そこはだめぇ!」

 ミミの抵抗も虚しく

 オークの分厚い舌が彼女の最も敏感な部分を舐め始める。

 

「あう……うっ……んんっ!」

 

 ミミの吐息が熱を帯びる。

 恐怖とは別の何かが彼女の体内を駆け巡る。

 乳頭への刺激で下半身が痙攣し始める。

 

 その様子を見てリーダーが微笑む。

「ほぉ……お嬢ちゃんの体は正直だな」

 オークの手が彼女の内股へ伸びる。

「おっと……濡れてるじゃないか」

 指先で確認するとミミの頬が紅潮する。

 羞恥と恐怖に加えて

 未知なる快楽への予兆が混ざり合った表情だった。

 

「まだ序盤だってのに……」

 リーダーが耳元で囁く。

「これからもっといいことがあるぞ?」

 オークの巨大な牙が僅かに少女の肩に当たる。

 

 その鋭利な感触にミミの全身が震えた。

「ひっ……!」

 

 彼女の恐怖は頂点に達している。

 しかしオークたちはそれを理解しつつ

 敢えて優しさを見せるように囁くのだ。

「怖がらなくて良いんだよ……お嬢ちゃん」

「僕たちと一緒になれば安全だからね」

 

 言葉とは裏腹に

 オークたちは徐々に彼女の脚を広げていく。

 抵抗する力も尽きてきたのか

 ミミの膝が少しずつ外へ向いていく。

 

「ほら見てごらん」

 リーダーが下腹部を指さす。

「君の体はもう準備万端みたいだ」

 

 ミミの陰部から透明な粘液が滴り始めていた。

 

「違います……これは違うんです……!」

 必死の否定も虚しく

 彼女の体は次第に屈服しつつあった。

 恐怖と快楽の狭間で揺れ動く乙女の本能が

 オークたちによって無理矢理目覚めさせられていく。

 

「いい子だ」

 リーダーの満足げな呟き。

 オークたちがゆっくりとミミを取り囲む。

 逃げ場はない。

 このシェルター最深部は完全に彼らの領域となった。

 

 ミミの美しい翠色の瞳から

 最後の一滴の涙が落ちる。

「ヒロ様……助けて……」

 届かない祈りが虚空へ消えた。

 

 オークたちの宴が始まる。

 芸術作品のような少女の肉体が

 野獣たちの手によって隅々まで味わい尽くされていくのだ。

 

 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 エアの警告がヒロの意識を現実へ引き戻す。

「───スマン、ミミが現在進行系で危ないんだが」

 その一言がすべてを変えた。ヒロの思考が刹那に切り替わる。

(あの可愛い妹分が? 冗談じゃねぇ……!)

 

 疲弊した肉体が悲鳴を上げる。

 全身の擦り傷や打撲痕がずきりと疼いた。

 だがそんなものは問題ではない。

 今のヒロにとって最優先事項はただ一つ———

 ミミを救出することだ。迷う暇すらない。

(エルマ! 俺の判断に任せてほしい)

 内心で呼びかけつつ、傍らの魔女へ簡潔に告げる。

「緊急事態だ。ミミが狙われている」

 エルマの反応は迅速だった。

 戦場帰りの傭兵同士、こういう時の呼吸は合う。

 彼女は即座に状況を把握し、凛とした声で命じた。

「私が避難誘導に務めるわ! アンタはとにかくあの子を!」

 魔女の炎が周囲の障害物を焼き払い、一本の道を拓く。

 その道を選択肢にする暇もなく、ヒロは疾駆を開始した。

 

 エアのサポートが状況を整理する。

《推奨航路計算———最短経路には敵性勢力が存在するが、

 通常ゾンビだ、今のお前でも排除可能だろう》

《ミミは現在シェルター“シエラⅢ”の居住区画に囚われている。

 生命反応は安定———ただし危険域に移行する可能性が高い》

(了解だ、エア。全速力で行く)

 ヒロの両眼が細くなり、鋭い眼光が前方を貫く。

 戦場で鍛え上げられた反射神経が冴えわたる。

 脳裏に映像が閃く———

 

 

 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

《シエラⅢシェルター居住区画/強制収容施設》

 オークたちの笑い声が壁に反響し、悲鳴渦巻くこの空間で──

「やめて! 離してください!」

「助けて、旦那様……っ!」

「そんなことできない、私たちは観光で来ただけで……!」

 豊かな装いも今は塵にまみれ、

 金糸銀糸の刺繍が裂け、真珠のネックレスが砕け散る。

 シェルターに避難した富裕層の婦人たちが──

 宝石商夫人、老舗ホテルの女将、医師の妻、貴族令嬢といった面々が──

 順番待ちのオークどもの前に並べられていた。

 緑色の豚頭の群れが品定めするように、

「ふむ、この細身は高値で売れそうだ」

「こちらの太ももはどうだ? 強そうだな」

「おっと乳が張ってるぞ。孕んでるかもしれん」

 罵詈雑言の嵐の中、ひとりの令嬢がオークに組み敷かれた。

 純白のドレスはすでに布切れになり、

 絹の靴下だけが彼女の唯一の尊厳だった。

 オークは獰猛な笑みを浮かべて宣言する。

「まずはお前だ。俺の子を孕め!」

「イヤッ!!!」

 悲鳴と共に結合が始まると、周囲からは拍手喝采。

 オークたちは酒瓶を掲げて歓喜し、

 壁際に並ばされたほかの婦人たちは泣き崩れる。

 ある老女は祈り、ある少女は自らのドレスを破って口に押し込む。

 リーダー格のオークが巨斧を地面に突き立てて咆哮する。

「次はこの中年の女だ! 若くて健康な仔を生める歳だ!」

 

 婦人が蒼白になりつつも毅然と答える。

「わたくしは四十五。もう子供などできませんよ」

「ガハハッ! それでも十分だ! 我々には生殖可能な雌が必要なのだ!」

 目を見開き震えながらも言い返す。

「わたくしは亡き夫を偲んでおります。

 あなたがたの慰みものになるつもりはありません!」

 しかしオークの太い腕が細い腰を捉え、床に引き倒す。

 その瞬間──未亡人の長い黒髪が乱れ舞い、皺寄る首筋にオークの唾液が光る。

 オークの指がドレスの裾を捲り上げたとき、

 唇から洩れたのは亡き夫への謝罪だった。

「……ああ……旦那様……申し訳ございません……」

 その声は震えていたが、恐怖の中に微かな慚愧が滲む。

(自分はこんな場所で辱められるために生きてきたのではない)

(娘時代に誓った貞淑と老後の静寂をこんな形で奪われるなんて……)

 涙で歪む天井を見上げながら思った。

(せめて我が身が盾となってでも、若き娘たちを守らなければ)

 オークが彼女のドレスを引き裂く音が響く中、

 意識は遥か昔の婚礼の日へと遡る──―

 初夜に燃えた情熱とは裏腹に、晩年まで夫に尽くした日々。

 肌の皺が増えても変わらず愛してくれた温もり。

(こんな下等生物に捧げるために磨いた肌ではなかった)

(けれど今さら抵抗しても……)

 オークの鼻息が耳朶を撫でる。

 肥満した腹が腰に乗る。

 冷たい石の床と温もりを喪った記憶が重なる。

(あの人と同じように、私もここで朽ちるのですね……)

 しかし心臓が鼓動を早める。

 恐怖とともに奇妙な熱が湧き上がる。

(違う……これは……絶望なんかじゃない)

(悔しさと怒り……わたくしを踏みにじった愚か者への怒り……!)

「うっ……ぐぅ……!」

 オークの侵入が始まるとともに呻き声が洩れる。

 けれど奥歯を噛みしめ耐える姿に、周りの婦人たちが息を飲む。

(負けない……わたくしは負けてはいない!)

 かつて城塞都市の名家で育った矜持が蘇る。

 たとえ肌を汚されようと魂までは売らない。

(娘たちよ……どうか希望を捨てないで)

(必ず助けが来る)

 老女の目尻に涙が滲む。それは恐怖ではなく、未来への祈りだった。

 ◆◆◆

 オークたちの宴が続くシェルター内で──

 一番奥の独房から悲鳴が消えた。

「おやおや姫様のご機嫌が治ってきたようだな」

 鉄格子越しに覗く下っ端オークが下卑た笑みを浮かべる。

 中央の檻の中、ミミはもはや抵抗すら見せず横たわっていた。

「ひろしゃま……たしゅけて……」

 か細い呟きが途切れ途切れに漏れる。

 オークどもの蹂躙から数時間が経ち、彼女の服は原型を留めない。

 剥き出しの肌には青紫の痣が点在し、

 胸元には乾いた精液が筋を作っている。

(こないだの傭兵さんに犯されたときより酷いかも……)

 朦朧とした意識の中、震える右手をそっと股間に当てる。

 ぬるりとした感触に鳥肌が立つ。

(なんでこんなことに……)

 涙を拭おうとしても腕が上がらない。

 殴られた腫れぼったい瞼が重い。

 

 

 ミミの豊満な臀部が微かに震えるたびに、

 肛門の皺の隙間から白濁した汁がぷくりと盛り上がる。

 まるで熟れた果実が果汁を滴らせるように、

 幾筋もの粘液が肉付きのよい尻たぶを伝い、薄汚れた床へと落ちていく。

 その汁はオークどもの粗野な精気と少女の体温が混じり合い、

 栗の花にも似た青臭い芳香を放ちながらも、

 どこか蠱惑的な艶っぽさを漂わせている。

 

「……ひゃぁ……」

 

 か細い喘ぎと共にミミが身を捩ると、

 大きく開いた尻の谷間で、先刻までの蹂躙の跡が露わになる。

 オークどもの剛直に何度も抉られた菊門は赤く爛れ、

 縁が微かに腫れ上がりながらもなお卑猥に蠢いている。

 粘膜が露出した内壁は未だ収縮の余韻を残し、

 新たな精液がそこから溢れる様は──

 まるで搾乳される牝牛の乳房からミルクが噴き出す瞬間にも似て淫靡だった。

 

 

 大腿に挟まれたまま力なく開かれた脚の付け根に覗く秘唇は、

 牡を受け入れたとは到底信じられないほど無垢な色をしていた。

 しかし、貝殻のような形の柔らかな襞は今や見る影もなく

 腫れぼったく膨張し、全体が透明な潤みに包まれていた。

 オークどもの体液と少女自身の蜜が混ざり合い、

 まるで雨に濡れた蓮の花弁のように光沢を帯びている。

 陰唇の狭間からは未だに白い塊が流れ出しつつあり──

 ミミが小さく体を震わせると共に、新たにねとりと滴が流れ落ちた。

 

 腰をもぞりと動かした刹那、ミミの蜜壷の奥深い部分で鈍い震えが起きる。

 先刻までの狂瀾怒涛のような抽挿によって蹂躙された膣腔は今もなお痙攣しており、

 その最奥で眠る子宮頸がオークどもの精気を排出しようと蠕動する。

 まるで海底から湧き上がる泡沫のように、

 大量の白濁した分泌物が膣孔を通じて再び流れ出してくる──

 

「……ぁう♡」

 

 甘い呻きを漏らしながらミミが眉をしかめる。

 彼女の豊か過ぎる乳房の下で薄い腹が微かに波打つのと共に、

 新鮮な牡液が膣口を押し分け勢いよく逆流する。

 それは単なる体液の排出というより──

 極上の美少女が自らの身体を使って

 牡の精を浄化しているかのような荘厳さすら漂わせている。

 

 オークどもの逞しい手に散々に揉みしだかれ続けた結果──

 ミミの胸元に刻まれた所有の印が痛々しくも妖艶に浮かび上がっている。

 太い指の痕が淡紅色の痕跡となって残り、

 豊かな膨らみの各所に散らばった痣は星屑の如き輝きを見せていた。

 それぞれの痕は異なるオークの激情の強弱を物語るように濃淡が異なり──

 ある箇所には掌を広げた形の大きな青痣が浮かび、

 別のある箇所では繊細な肋骨の輪郭が浮き彫りになっている。

 

 ミミの双峰は今や無残に形を歪めていた。

 豊かな丘陵は幾度となく押し潰され揉み込まれて、

 頂点で尖るべきはずの乳嘴が四方八方に引っ張り伸ばされている。

 しかし──その萎れてしまった乳房にこそ隠された魅力があった。

 汗に濡れた乳房の谷間に溜まった白い汁が

 まるで蒸留されたミルクのように煌めき、

 濡れた薄衣が肌に貼りつくことで浮かび上がる微かな肉色の隆起が

 オークどもを狂わせた乳房本来の形を仄めかす。

 執拗に掴み続けたせいだろうか──乳房の表面には

 蜘蛛の巣を彷彿とさせる網状の血管がうっすらと浮かび上がり、

 それが薄い表皮を通して透けて見える様は幻想的ですらある。

 

 右乳首の周辺には明らかに暴力の跡が残されていた。

 オークの一匹が興奮のあまり歯を立てたらしく──

 その咬み痕は薔薇の蕾のごとき突起のすぐ傍に赤く刻まれている。

 しかしその痛みとは裏腹にミミの乳嘴はむしろ艶やかなまでに色づいていた。

 かつての桜貝のような清純な彩りは失せ──

 血の巡りを増した朱鷺色の乳首が今や

 牡を惹きつけてしまうほど蠱惑的に震えている。

 

「はぅ……」

 

 ミミがかすかに喉を鳴らすたびに──

 オークどもの口唇に荒らされた形跡が克明に浮かび上がる。

 小さな顎は疲労のために微かに震えながらも、

 今なお精一杯の気高さを湛えているのが哀れであった。

 唇の端にはオークの唾液が乾いたあとがうっすらと残り、

 舌の上で感じた牡臭の名残が時折鼻腔をくすぐる。

 

 目尻から溢れた涙の痕が乾ききっていない頬に微かな凹凸を刻んでいる。

 その水痕の残滓が灯りを受けて虹色に輝く様は──

 まるで硝子細工の破片のようだ。

 汗に濡れた前髪が額に貼りつき、

 その下で震える睫毛に縁どられた翡翠の瞳は──

 虚ろな光を宿しながらもなお一点の清らかさを失っていない。

 それがかえって彼女の無垢さを際立たせてしまい、

 ケダモノの欲情を否応なく掻き立てる要因となる。

 オークどもの手によって乱暴に弄ばれた結果──

 少女の髪は編まれた跡もそのままに絡まり合っていた。

 黄金の冠のごとき輝きは乱れてしまいながらも、

 むしろ野生の美しさを湛えている。

 オークどもの指に触れたせいで枝毛が出来てしまったのか──

 幾筋もの金色の糸が微風に揺れているのが痛々しい。

 

 少女の四肢は暴力の痕跡に満ちていた。

 特に手首には強く掴まれた痕が残り、

 指の形状が赤紫色にくっきりと刻印されている。

 膝裏には幾筋もの擦り傷が走り──

 床に押し付けられた時の摩擦痕だと分かる。

 ふくらはぎには無理やり開かされた跡だろうか──

 筋肉が痙攣した形で固まっている箇所もある。

 踝は握りしめた拳の形の圧痕が薄く浮かび──

 彼らの暴力性を物語っている。

 

 一方で彼女の肌自体は依然として輝くばかりの瑞々しさを保っている。

 肌の奥で血流が活発になり

 透き通るような白さの中に仄かに桜色の輝きが増している。

 腋窩や首筋に至るまで薄く滲んだ汗が灯りを受けてきらめき、

 まるで天の川のような繊細な光の帯を纏っている。

 ミミの裸体全体に浮かぶ玉の汗粒ひとつひとつが

 水晶のように澄んでおり──牡汁が絡みつく不協和音を奏でながらも、

 それすらもこの美少女の輝きを

 より一層引き立てるための装飾品となってしまっている。

 

 度重なる凌辱によって形を歪められたにも関わらず──

 ミミの肢体は奇妙な均衡を保っていた。

 荒々しく掴みあげた痕跡の残る豊かな乳房は

 重力に引かれながらもなお丸みを損なうことなく膨らみを保持し、

 反対に腰部は牡どもの暴力的な抽挿を受け止め続けてもなお

 柳のようにしなやかにくびれを描いている。

 

 彼女の四肢が時折小刻みに震えるのは単なる恐怖だけではなさそうだった。

 汗ばんだ太腿が微妙に擦り合わされるたびに──

 秘唇から滴る白濁した汁が泡立ち音を立てる。

 濡れた下肢の付け根にはオークどもが

 自らの所有権を示さんとばかりに刻んだ咬み痕が点々と残っていた。

 太腿の裏側にはまるで烙印のごとく大きな痣が残り──

 臀部には爪の痕が三日月型に刻まれている。

 それでも彼女の太腿は柔らかな膨らみを保ったまま、

 剛直に押しつぶされた名残もまたその肉感を増す要素となっている。

 

 執拗に撫でまわした腹には薄い脂肪層が優雅な曲線を描いており──

 今まさに精汁を注ぎ込まれたばかりの下腹部では

 少女の華奢な造りと牡の荒々しさが奇跡的に融合している。

 ミミが微かに吐息を漏らすたびに、

 その腹部が波打ち──胎内に残る残滓が内部で

 ゆるゆると動き回るのが透けて見えるようだった。

 下腹部の奥にある子宮が微かに震え、

 そこから湧き上がる熱い感覚が彼女の意識を霞ませている。

 

 少女の肌を覆っていた衣服の名残が

 今や辛うじて体にまとわりついているのみだった。

 袖口や襟元は切り裂かれたり千切れたりして

 もはや服としては機能していない。

 腰回りに残った布地が妙に扇情的であり──

 そこから覗く生の肌とのコントラストが異常なまでに淫猥だ。

 

 しかし最も印象的なのは、彼女の肌そのものが発する生命力だった。

 どれだけ凌辱されようと彼女の肌はなおも滑らかさを失わず──

 オークどもの指の痕跡すらも淡い影絵のごとく浮かび上がっては溶け込む。

 この少女は肉体的な破壊を受けながらも

 自らの瑞々しい魅力を逆に増幅させているのだ。

 オークどもの暴力さえもが──

 彼女の官能的な肢体を際立たせる演出となってしまった。

 

 

 

 鉄格子が軋み、巨躯のオークが涎を垂らしながら這い入ってくる。

 ミミの華奢な体に覆いかぶさるや否や、

 オークは慣れた手つきで少女の柔らかな双丘を鷲掴みにした。

「ひぃっ!」

 ミミの悲鳴が狭い独房に反響する。

 オークの無骨な指が白磁の乳房を歪めると、

 指の形に沿って乳肉がたわみ、乳首がぷっくりと膨らんだ。

 まるで陶器製の乳房に彫刻刀で掘り込んだかのような無惨な形だった。

(嫌だ……こんな奴に胸を弄ばれるなんて……)

 ミミは唇を噛みしめて耐えようとするが、

 オークが乳首を摘み上げると全身が震えた。

 敏感な突起がピンと尖り、硬直していくのを感じる。

「ほう……なかなか良い反応じゃないか」

 オークは下卑た笑い声を上げながらさらに強く捻じった。

 ミミの口から悲鳴とも嬌声ともつかぬ嗚咽が零れ落ちる。

 痛みと共に奇妙な快感が背筋を駆け上がり、彼女は思わず身悶えた。

 オークの掌の中で乳房がぐにゃりと潰れ、

 そのたびに乳肉の柔らかさが掌から溢れ出すように伝わる。

 まるで熟れた果実を揉むかのごとく、その感触に酔い痴れるオークだった。

「もっと良い声で鳴いてみろ!」

 オークはミミの腰を抱え上げると、

 膨張した自らの一物を一気に突き刺した。

「ぎゃあぁっ!」

 少女の絶叫が迸る。

 秘所が裂けんばかりに拡がり、

 オークの巨根がミチミチと音を立てて進入してくる。

 膣壁が削り取られるような激痛にミミは身を仰け反らせた。

 しかしオークの律動は止まらない。

 まるで杭打ち機のように激しく抽送が始まる。

 パンッ! バチンッ! グチャッ! 

 肌と肌がぶつかり合う音が独房いっぱいに響く。

 オークは少女の細い腰を掴むと、

 まるで玩具のように上下に振り始めた。

「やめてぇ……お願い……許して……」

 ミミの涙声はオークには届かない。

 寧ろその哀願が獣の本能を更に刺激した。

 オークの腰使いは益々激しさを増し、

 少女の子宮口をガンガンと突き上げる。

「お前のここは最高だなぁ!」

 

 

 

 

「ひゃうっ!」

 ミミの乳房がオークの掌の中でグニャリと歪む。

 まるで巨大な粘土塊のように形を変えながらも──

 その芯には確かに鋼の意志が通っているのだ。

 オークは嗤った。

「このデカパイ! 揉みしだくだけでこんなに硬くなって……」

 指の間から漏れる柔肉がまるで餅のように伸び、

 そして元に戻る。その弾力こそがこの少女の生命力だ。

 ミミの悲鳴が狭い独房に木霊する。

「ダメぇ……そんなに強く……あっ……!」

 オークは掌を広げて乳首を指の谷間に挟み込んだ。

 そしてギュッと握りつぶす。

「痛いっ! やめてくださいっ!」

 しかしオークは聞き入れないどころか──

 今度は乳首を抓り上げながら同時に腰を叩きつけ始めた。

「おらっ! 感じてるんだろうが!」

 パンッ! パンッ! パンッ! 

 リズミカルな抽送音と少女の悲鳴が交差する。

 

 ミミの乳房がバルーンのように膨張し、破裂寸前まで追い詰められている。

 汗に濡れた肌が光沢を帯びて妖艶さを増し、

 オークの視線を集める格好の餌食となっている。

「ふひゃあぁ……! だめぇ……乳首とおっぱいが一緒になってぇ……!」

 オークが握る指先から伝わる脈動が──

 少女の心拍そのものを直に感じさせるようで下賎な笑いを誘う。

「こんなデカ乳してる癖にまだ処女みたいな面しやがって……」

 オークは更に強く乳首を捻じ曲げた。

 ミミの口から悲鳴とも嬌声ともつかぬ嗚咽が零れる。

「ひぃっ! だめぇ……そこはぁ……!」

 しかしオークは容赦しない。

 今度は乳房全体を捏ねくり回しながら自らの剛直を押し込んだ。

 

 ズチュッ! 

 

 粘膜と肉棒が擦れる湿った音が狭い独房に響く。

 ミミの体内深くで暴れるオークの感触が全身に伝播する。

「やめてぇ……もう許してください……」

 少女の懇願が虚しく空を切る。

 オークはさらに激しく腰を動かし始める。

 バチンッ! パンッ! バスンッ! 

「こんなの……耐えられないよぉ……!」

 ミミの眦から溢れた涙が床に滴り落ちた。

 オークはそれに目もくれずただひたすらに獣欲をぶつける。

 少女の膣壁がキュッと締まり始めた。

「おっ? いいねぇ……どんどん締まってくるじゃねえか」

 オークはニヤリと嗤いながら更に強く腰を突き上げる。

 

 ミミの下腹部で何かが疼き出した。

 子宮が熱を持って脈打つように感じる。

(違う……そんなわけがない……)

 必死に否定しようとしても身体は正直だった。

 膣奥に広がる灼熱感と共に意識が遠退いて行く。

「ひろさまぁ……たすけてぇ……」

 微かな呟きと共にミミの視界が真っ白に染まった。

 その刹那──

 膣内でオークの肉棒が一段と膨張した。

「くっ……出すぞぉ!」

 ドクンドクンと脈打つ感覚と共に大量の精液が放たれる。

 

 ミミは絶叫した。

「いやあぁ──ー!!!」

 ドピュッドピュルルルッ!!! 

 オークの射精は想像以上に強烈だった。

 子宮口に直接注ぎ込まれるような激しい奔流が彼女を襲う。

「んぁあああっ!!!」

 全身を貫くような快感に抗えない。

 ミミは無意識のうちに股間を締め付けていた。

 オークは恍惚とした表情で呻いた。

「くぅ~! このマンコ最高だぜ……!」

 次第に抽送速度が衰えてくる。

 ようやく解放されたと思った矢先──

 別のオークが乱暴に扉を開けて飛び込んできた。

「おい! 交代だ!」

 新たなオークは汗だくの少女を見下ろして言った。

「こいつは俺がいただくぜ」

 そして──

 二人目の凌辱者がミミの身体に覆いかぶさった。

 

 パンッ! パンッ! パンッ! 

 先程までとは比較にならないほど荒々しい腰遣いにミミは喘いだ。

「もう無理ですよぉ……これ以上されたら私……」

 涙ながらに訴えるも聞き入れられる筈もない。

 オークどもにとっては獲物が泣き叫ぶ姿こそが至上の喜びなのだ。

「黙れ! 泣き声の方がお前の価値を引き立てるんだよ!」

 二匹目のオークは少女の細い首筋に歯を立てた。

 鋭い痛みと共にミミは絶叫する。

「ひぃぃぃっ! やめてくださぃぃ!」

 オークはニヤリと嗤いながら乳房を鷲掴みにした。

 指の形に合わせて乳房がぐにゃりと歪む。

「こんなに大きいのにまだまだ余裕そうだなぁ?」

 オークは嘲るように言うとさらに力を込めて揉みしだいた。

 

 ミミの乳房はオークの掌の中で歪み続ける。

 まるで粘土細工のように柔らかく変形しながらも──

 その芯には確かにあるべき強さが宿っているように見えた。

「痛いぃ……離してくだしゃいぃ……」

 涙を零しながら懇願する少女に対し

 オークは残酷な笑みを浮かべて答えた。

「バカ言うんじゃねえ! こういうのが一番燃えるんだよ!」

 オークは乳房を握りしめたままさらに強く腰を叩きつける。

「ひぐぅっ! だめぇ……そんなに強く……!」

 パンッ! パンッ! パンッ! 

 再びリズミカルな抽送が始まった。

 同時に乳房への蹂躙も加わり──

 ミミはもはや限界を超えつつあった。

 

 彼女の体内で新たな変化が起きている。

 子宮が熱を持ち始めているのだ。

 オークどもの精液に反応するように──

 少女の肉体が受精準備に入ろうとしていた。

(違う……そんなの嘘だよ……)

 懸命に否定しようとしても身体は正直だった。

 膣奥から込み上げてくる疼きが止まらない。

「やめて……お願いだからもう……」

 ミミの懇願はもはや掠れるような囁きに等しかった。

 オークどもはそれを歓迎するかのように哄笑する。

 

 二人目のオークがミミの体内に射精を開始した。

 ドクンドクンと脈打つ肉棒から放たれる滾った液体が

 少女の最深部を汚し尽くしていく。

「んぁああっ!!」

 ミミは背筋を弓なりに反らせた。

 膣壁が収縮し精液を搾り取ろうとする。

「くっ……出るぜぇ……全部受け取れよ!」

 最後の一滴まで注ぎ込まれると同時に──

 オークは少女の胸に顔を埋めた。

 乳房の温もりを堪能するかのように深呼吸をする。

 

 次の瞬間──

 突然扉が蹴破られた音と共に新たなオークが姿を現した。

「待たせたな! 俺にもやらせろ!」

 興奮した様子で叫ぶそのオークに先着組が不満げに睨む。

「ちっ! 仕方ねえな……早い者勝ちだぜ!」

 三人目のオークは少女の身体に覆いかぶさると問答無用で肉棒を突き立てた。

「ひゃうっ! やめてくださぃぃ!」

 

 抵抗しようにも疲弊しきった身体ではどうすることもできない。

 ただ受け入れるしかない現実を受け入れていくしかないのだ。

「おらっ! 感じるか! これが欲しいんだろう?」

 オークの言葉責めと共に更なる快感がミミを襲う。

 乳房も膣も同時に責め立てられ意識が朦朧となっていく。

 

(だめぇ……壊れちゃうぅ……)

 

「お前たち! 何をしている!」

 突如として厳格な声が独房に響き渡る。

 ミミの身体に群がっていたオークどもが一斉に固まった。

 そこに居たのは──

 オーク族長ハッグドックその人だった。

 威圧的な眼光で周囲を見据えながら少女の方へ歩み寄る。

「この雌は我が手元に置くことに決めた。誰の干渉も許さん」

 その宣言に室内は静まり返る。

 しかし次の瞬間──

 一人のオークが狂ったように叫び出した。

「ふざけんなよ! なんでだよ!」

 

 その男──三人目に入ってきた若者は血走った目で族長を睨み付けた。

「こいつは俺のもんだ! いくらあんたでも譲る気はねぇぜ!」

 ハッグドックは冷ややかに笑みを浮かべると

 ゆっくりと男の前に立ちはだかった。

「ならば証明してみせよ」

 そう言うとオーク族長は突然腰蓑を脱ぎ捨てた。

 露わになったその一物は──

 これまでミミが目にしたものとは比べ物にならないほど逞しかった。

「これを見てまだ何か言うことがあるか?」

 男は青褪めた顔で首を横に振った。

 

 ハッグドックは無言で少女の傍へ歩み寄った。

 そして──

 その巨大な肉棒をミミの眼前に晒した。

「これからお前の主人となる者だ。よく見ておけ」

 それはまさに怪物だった。

 太さも長さも尋常ではなく──

 幹には幾つもの血管が浮き上がっている。

 亀頭部は赤黒く膨れ上がりその先からは透明な雫が流れ出ていた。

「あ……あぁ……」

 ミミは震える声で呟いた。

 恐怖と畏怖の入り混じった感情が胸に湧き上がる。

「今日よりこの娘は我が花嫁だ。良いな?」

 ハッグドックの宣言が独房内に木霊した。

 

 オークどもが口々に野次を飛ばす中──

 一人のオークが前に進み出た。

 彼は冷笑を浮かべながらハッグドックに向かって言った。

「ほう……随分と思い切った決断ではないか? 族長殿」

「貴様には関係ないことだ」

 父と呼ばれた男は険しい表情を崩さず言い放った。

 だが相手は怯むどころかさらに挑発的な態度を見せた。

「まさかこのタイミングで娶りに入るとはなぁ……」

 含みのある言葉にハッグドックが眉を吊り上げる。

「何が言いたい?」

 オークは肩を竦めると続けた。

「いや別に? ただ面白いと思っただけさ」

 

「ならば出て行け。邪魔だ」

 ハッグドックの言葉に従い踵を返した。

 しかし最後にこう言い残す。

「せいぜい楽しむといい。

 俺としては是非とも見届けさせてもらいたいところだが──

 まあそれは追々考えるとしよう」

 そして独房を後にした。

 残されたミミは混乱していた。

 自分は何故こんなことに巻き込まれてしまったのか? 

 なぜオークの花嫁などという存在に祭り上げられなければならないのか? 

 様々な疑問が頭の中を駆け巡る中──

 

 ハッグドックがミミの身体を抱き寄せた。

「安心せよ。私はお前を粗雑に扱ったりしない」

 その言葉とは裏腹にオークの体臭が鼻腔を突き刺す。

 ミミは身を捩らせて逃れようとするも力で抑え込まれてしまう。

「いやぁ! やめてぇ!」

 必死の抵抗も虚しくオークの指先が乳房に触れる。

 

「この柔らかさ……素晴らしい……」

 うっとりとした口調で呟くと同時にその掌全体を使って揉み始めた。

「ひぃっ! いやあっ! 触らないでぇ!」

 少女の悲鳴が狭い室内に響く。

 しかしハッグドックは全く意に介さず

 むしろその反応を楽しむかのように愛撫を続ける。

 指先で乳首を摘み上げるとさらに激しく動かし始めた。

「やめてぇ! いやああっ!」

 ミミは涙を流しながら叫んだがオークの耳には届かない。

 

 乳房が揉まれる度に甘い痺れが全身を駆け抜ける。

 まるで性感帯そのものを直に刺激されているような感覚だった。

(どうして……こんなことで感じちゃうなんて……)

 自責の念に苛まれる一方で身体は正直に反応してしまい──

 少女の中心からは蜜が滲み出してきていた。

「ほう……感じているのか? やはり素質があるようだ」

 オークは満足げに微笑むと今度は唇を重ねてきた。

 舌先で口腔内を探るような濃厚なキスだ。

 ミミは抵抗できずされるがままになってしまう。

 唾液が絡み合い粘っこい水音を奏でる。

 しばらくして顔を離すとオークはミミの胸元に手を伸ばした。

 そして優しく包み込むようにしながら言った。

 

「これから毎晩私の元へ来るようにしなさい」

 命令ではなく提案だった。

 しかしそれは有無を言わせぬ決定事項のように聞こえた。

 ミミは呆然としながらその場に座り込んでしまう。

「わかり……ました……」

 小さく呟くように言うと涙が頬を伝った。

 これから先どんな日々が待ち受けているのか想像もできない。

 ただ一つだけ確かなことがある。

 それは──

 もう以前の暮らしには戻れないということだけであった。

 

「さて……まずは風呂にでも入るとしようか」

 ハッグドックが独房の一角を指さした。

 そこには湯気を立てる桶と

 山盛りの泡立った布が置かれている。

 ミミは混乱しながらも促されるまま

 おそるおそる近づいて行った。

 するとすぐにオークの手が伸びてきて

 背後から抱きすくめられるような格好になる。

 

 湯気立ち込める檜造りの浴槽。

 ミミの肌を覆う泡は、オーク族の贅沢品──

 獣脂と蜂蜜を練り込んだ石鹸が生み出したものだ。

 ハッグドックの太い指が背中を這う。

 湯で滑らかになった肌の上で、石鹸泡が波紋のように広がっていく。

 

「お前の肌は吸い付くようだ。汚れを落とすのも一苦労だな」

 

 低く唸るような声とともに、

 巨漢の指が肩甲骨の窪みから臀部へと降りていく。

 泡越しに感じる指紋の凹凸が、

 くすぐったさを通り越して妙な焦燥感を呼び起こす。

 

「ひっ……やめて……下さい……」

 

 湯の中で膝を折るミミの腰を、太い腕が固定する。

 拒絶の言葉が虚しく響く中、背後からの圧力が増した。

 

 ズプッ……

 

 熱い塊が湯を掻き分けながら侵入してくる。

 水中での挿入は摩擦が少なく、肉壁を容易に押し広げる。

 膣内の抵抗は水面のさざ波のように弱々しく散っていった。

 

「あっ……! 湯が……入って……来る……!」

 

 結合部から溢れる液体はもう何なのか判別不能だ。

 精液なのか、湯なのか。

 泡が混ざり、白濁した粘液となって浴槽の底へ沈んでいく。

 

 ハッグドックは動かない。

 代わりに太い両腕でミミの乳房を鷲掴みにする。

 掌の熱で泡が溶け出し、ぷるんと露わになった乳首を摘まみ上げた。

 

「んんっ……! 痛……い……です……!」

 

「痛いか? だがすぐに気持ち良くなれる」

 

 ぐにゅり──

 湯の中で形を変えながらも跳ね返す乳房の弾力を楽しむように。

 指先が乳輪をなぞり、頂点を押し潰す。

 湯気で濡れた喉が天井を仰いだ。

 

「どうだ? この湯と石鹸は特別製だ。女の肌を磨き上げるために配合した」

 

 ぬるり……

 股間を擦り上げるように抽送が始まる。

 湯の中で揺れる陰核を探り当てると、親指の腹で圧迫してきた。

 ビクンッ! 脊椎を走る稲妻のような刺激。

 

「ひゃっ……! だめっ……そこ……触らないで……!」

 

「敏感なんだな。いい妻になる予感がする」

 

 浴室に響く水音は二種類。

 ジュプッジュプッと湯を掻く接合音と、

 泡に隠された秘裂を弄られる粘着音。

 檜の香りと石鹸の甘い匂いの中に、牡と牝の汗が混ざり合う。

 それがオーク族長の寝室では当たり前の芳香だ。

 

「さあ……もっと奥まで洗ってやるぞ……」

 

 ズブッ──ッ! 

 

 湯ごと肉棒を打ち込まれるような衝撃。

 ミミの爪先が水面を蹴り上げた。

 波紋が拡がる湯面に映るのは、

 涙と湯気にぼやけた彼女の苦悶の顔。

 そして背後から覗くオーク族長の口元に刻まれた残忍な笑み。

 

「ほら見ろ……お前の大事な部分が泡まみれになっている」

 

 結合部を覆う白い泡が攪拌され、

 湯気に溶けながら立ち昇っていく。

 それはまるで──

 聖なる泉が汚された跡を隠す帳のように。

 

「俺たちの儀式はこれからだ。本当の意味でお前を清める時が来た」

 

 ミミの首筋に噛みつくような口づけが降りる。

 傷痕から滲む血を舐め取りながら、ハッグドックが囁いた。

 

「今夜はお前の初めての沐浴の夜だ。明日からは──」

 

 ゴツンッ……! 

 最奥を突かれた衝撃で少女の思考が途切れる。

 湯気の向こう側で揺れる裸体。

 そこに映るのはもうヒロを呼ぶあの少女ではなかった。

 

 ──オークの妻となる者だけが纏うはずの、

 湯気と泡に曇った鏡に映るのは、

 かつて「ミミ」と呼ばれていた

 ただの哀れな家畜だった。

 

 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 湯気が充満する浴室。

 檜の香りと獣脂石鹸の甘ったるい匂いが混ざり合い

 淫靡な密室を作り出していた。

 

「もっと脚を開け。お前がどこまで洗われているか見えるように」

 

 ミミの細い腰を支える太い指が、さらに強く肉を押し広げる。

 湯に浸かった下半身が無防備にさらけ出され

 ピンクに充血した秘裂が泡の中に浮かんでいた。

 

「ひっ……やっ……ダメです……見ないで……」

 

 懇願は無情に踏みつけられる。

 ハッグドックの巨大な掌が湯を掬い

 泡を含ませた指が彼女の最も脆い部分に触れた。

 

「ここか? お前が一番嫌がる場所は」

 

 ヌルリ──

 親指の先が陰核を探り当てる。

 

「んあっ……!?」

 

 背筋を駆け上がる電流。

 ミミの白い喉がのけぞった。

 指は容赦なく敏感な粒を擦り上げる。

 湯の中で蕩ける石鹸の滑りが普段以上の愉悦を呼び覚ます。

 

「やっ……やめて……ください……そこ……ばかり……ああっ!」

 

「可愛い声だ。もっと聴かせてくれ」

 

 泡に包まれた指が執拗に同じ箇所を往復する。

 湯温で過敏になった神経が悲鳴をあげる。

 ミミの内股が痙攣しはじめた。

 

「ダメっ……おかしく……なります……あああっ!!」

 

 ピシャッ! 

 小さな飛沫が湯面を揺らす。

 絶頂の証拠だ。

 

「ほう……もう達したか。この程度で」

 

 ハッグドックの嘲笑。

 ミミの恥辱と憎悪が沸騰する。

 だが身体は勝手に反応していた。

 膣奥から蜜が滲み出し、泡と混ざり合って湯底へ沈んでゆく。

 

「今度はちゃんと奥まで洗うぞ」

 

 ザバアッ──

 一瞬で水位が下がる。

 族長の膝に跨がされるような姿勢で湯から引き揚げられた。

 露わになった結合部に熱い視線が集中する。

 

「この位置だと……よく見えるな」

 

 濡れた毛を掻き分けられて

 ぱっくりと開いた粘膜が空気に晒される。

 そこに──

 オーク族長の巨大な肉塊が狙いを定めた。

 

「あっ……やめて……ください……これ以上……」

 

「心配するな。明日から正式に結婚の儀式に入る。今日は予行演習だ」

 

 グニュッ……

 

 先端が蜜と泡に濡れた入口に押し付けられる。

 拒む力はない。

 ミミの細い腰が震えた。

 

「お前の初めての沐浴は……俺の肉刀で完成させる」

 

 ズブブッ──! 

 

 灼熱の刃が湯気と羞恥を切り裂く。

 

 

 湯気立ち込める檜風呂。

 その中央でミミは四つん這いにされていた。

 

「さあ……もっと尻を上げろ。奥まで見えるように」

 

 ハッグドックの低く唸るような命令。

 震える膝が湯面を揺らす。

 それでも従ってしまうのは、

 

「嫌……やめて……ください……」

 

 かすれ声が湯気に溶けていく。

 だが次の瞬間──

 

 パチンッ! 

 

 掌が肉を打つ乾いた音。

 尻肉が朱に染まる。

 

「うっ……!」

 

「言葉遣いがなっていないようだな。"お辞儀"をしてみろ」

 

 ミミの視界が揺れる。

 振り向きかけた顔を湯に押しつけられた。

 

「こうだ──」

 

 巨大な掌が彼女の頭を掴み、無理やり前へ押し出す。

 額が浴槽の縁にぶつかる。

 それはまるで奴隷の礼法。

 屈辱が喉元までこみ上げる。

 

「いいか? 夫となった者が求めれば必ず応える。それが妻の義務だ」

 

 言葉は暴力の形をとって浴びせられる。

 湯に漂う泡を掴み、太い指が彼女の肛門を擦り上げた。

 

「んっ……! やっ……そこは……違っ……!」

 

「違わない。すべて俺のものだ」

 

 ズブッ──

 

 親指が侵入する異物感。

 浣腸のような恐怖が脊椎を駆け上る。

 

「ひぎっ……! 痛いっ……抜いて……!」

 

「力を抜け。石鹸を入れてやる」

 

 ぬるりとした冷たい液体が注入される。

 内部から溶かされるような感覚に身悶える。

 

「ふあっ……! こんなの……許せな……」

 

 抵抗の意思を嘲笑うように

 ハッグドックのもう片方の手が前から股間に差し込まれた。

 

「妻の心得その一:夫の所有物であることを常に忘れるな」

 

 ぐにゅり──

 湯に揺れる陰核を捏ね回す指使い。

 肛門と膣を同時に弄ばれる未知の感覚。

 ミミの四肢が痙攣しはじめる。

 

「やっ……やめて……ください……おかしく……なります……!」

 

「"なります"? "なってしまいます"だろう?」

 

 訂正を求めつつも愛撫は止まらない。

 湯気と羞恥で顔が真っ赤になる。

 

「妻の心得その二:夫の命令には逆らわないこと」

 

 ズブブッ──

 

 肛門から指が引き抜かれると同時に

 巨大な剛直が湯の中で蠢く秘裂を貫いた。

 

「んあっ!? 太すぎ……る……です……!」

 

「まだ奥まで入っていないぞ」

 

 グググッ……

 

 肉壁を押し広げる圧倒的質量。

 湯の浮力がかえって邪魔になる。

 ミミの細い腰が湯面に浮かび上がってしまう。

 

「あぐっ……苦しい……息ができな……」

 

「妻の心得その三:苦痛は喜びとして受け入れること」

 

 ドンッ──! 

 

 最後の一突きで子宮が圧迫される。

 視界が真っ白に染まるほどの衝撃。

 

「ひぃっ……あ……ああっ!!」

 

 湯面が波打ち、白い泡が舞い散る。

 結合部から溢れる液体が湯に溶け込んだ。

 

「これで結婚の第一段階完了だ。『沐浴の儀』は合格だぞ」

 

 ミミの全身が小刻みに震えていた。

 夫婦の印を刻み込まれた屈辱と快感が混ざり合う。

 湯気の中で微かに漂う甘い血の香り──

 

 それはオークの花嫁が完成した証だった。

 

 

更新希望の原作

  • 世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する
  • 最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い
  • 片田舎のおっさん、剣聖になる
  • リアデイルの大地にて
  • 俺は星間国家の悪徳領主!
  • リビティウム皇国のブタクサ姫
  • 転生王女と天才令嬢の魔法革命
  • ロクでなし魔術講師と禁忌教典
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