ダークエロ短編集3 作:カード読み込み
黒塗りの高級車は、朝の通学路という名の無菌室を滑るように走っていた。
七草家が誇る送迎用リムジン。
その後部座席という密室は、魔法によって隔絶された特権階級の移動要塞であり、
同時に、倫理という名の堤防が決壊した淫夢の坩堝でもあった。
マジックミラー越しに見えるのは、いつもと変わらぬ朝の風景である。
制服に身を包んだ魔法科高校の生徒たちが、
今日の講義への憂鬱や期待を胸に歩を進めている。彼らは知らない。
あろうことか生徒会長として君臨する才媛が、
数枚の強化ガラス一枚隔てた空間で、
肉親たる父親の肉棒を咥え込んでいるなどとは、夢にも思わないだろう。
「んっ……ぁ……お父様、もう……学校が……」
七草真由美は、涙で潤んだダークブルーの瞳で外界を窺いながら、
掠れた声で哀願した。小柄な身体は、
弘一の膝の上で無理やり花開かされたかのような体勢を強いられている。
スカートは腰のあたりでくしゃくしゃに捲れ上がり、
華奢な膝がシートを押して震えていた。
「何を言っている。お前は生徒会長だろう? 遅刻してどうする」
弘一はサングラスの奥で冷ややかな瞳を細めると、
愛娘の豊かな腰肉を両手で鷲掴みにした。その指は残酷なほど容赦なく、
成熟しきった果実のような臀肉に食い込む。
彼は真由美の身体をまるでオナホールのように扱い、自らの屹立した男根へと押し付けた。
「ひぅっ!? あぁっ……!」
太い肉柱が、狭い膣道を無理やり押し広げて最奥を突き上げる。
すでに何度も注がれた粘液が絡みつき、卑猥な水音が静寂な車内に響き渡った。
真由美はシートに爪を立て、背筋を弓なりに反らせて悶絶する。
しかし、その声は防音装置によって外界に漏れることはない。
ただ、マジックミラーの向こうで何食わぬ顔で歩く同級生たちの姿が、
彼女の羞恥心を逆撫でするだけだった。
「ほら、見ろ。あんなに元気な生徒たちがいるのに、
会長様ときたら車中でオスに跨って甘えた声を上げているとはな」
弘一の嘲笑が、真由美の羞恥の炎に油を注ぐ。
彼はわざと窓の方へ真由美の顔を向けさせた。
外界の平和な光景と、車内の背徳的な交尾。
その強烈なコントラストが、真由美の脳髄を焦がす。
「いやぁ……っ! 見ないで……見せないでぇ……っ!」
拒絶の言葉とは裏腹に、真由美の身体は弘一の愛撫に熟知した反応を示していた。
彼女の最大のコンプレックスであり、
同時に男たちを惑わす魔性の武器でもある巨乳が、ブレザーの下で激しく揺れる。
弘一の手がシャツ越しにその豊隆を捉え、無造作に揉みしだいた。
「んぐぅっ!? ふぁぁ……っ!!」
張りがありながらも重みを持った乳肉が、指の間で形を変える。
Fカップを優に超えるその乳房は、重力に逆らう弾力を持ちながらも、
揉まれるたびに淫らにたわんだ。指先が乳首を探り当て、
摘み上げるように刺激すると、真由美は電流が走ったかのように跳ね上がった。
「今日もいい乳だな、真由美。相変わらず敏感だ。
……子供に栄養を与えるための母体としては合格だ」
弘一の歪んだ愛語が、真由美の耳元に吹き込まれる。
その言葉は彼女を人間としてではなく、ただの「胎盤」として扱う蔑みに満ちていた。
しかし、そんな言葉すらも今の真由美には媚薬として作用してしまう。
何度も何時間も快楽漬けにされた肉体は、
男の体温と匂いだけで甘い痺れを覚えてしまうのだ。
「おと……さま……もう……許してぇ……こんなところで……は……ダメなのぉ……」
涙声で懇願する真由美。その声音には甘さと諦めが入り混じっている。
だが、弘一の動きは止まらない。むしろ加速していく。
彼は真由美の臀肉を強く叩きつけるように腰を打ち付けた。
パンッ! パァンッ!!
乾いた音と共に真由美の身体が弾む。
肉の楔が秘芯を穿ち、子宮口を殴打する。
その衝撃に合わせて大きな乳房が上下左右に激しく揺れた。
ブラジャーのワイヤーが皮膚を擦り、微かな痛みすらも快感に変わる。
「ほらっ! スピードを上げろ! 学校まであと少しだぞ!
弘一はそう言いながらさらに速度を上げていく。
強くなる律動に真由美はもはや抗うことすらできなくなっていた。
ただただこの地獄のような時間が
過ぎ去ってくれることだけを祈りながら喘ぎ続けるしかないのだ。
「マジックミラーの向こう側では何も知らない一般生徒たちが
楽しそうにお喋りしたり友人と談笑したりしながら歩いていた 」
その幸福そうな群像劇に背を向け、
七草真由美は肉親の巨杭に串刺しにされる。
後部座席──薄暗い聖域。
外界の雑踏とは無縁のその空気は、男女の湿度で飽和していた。
杭打ち刑よりも深いところで、亀頭が子宮口の薄膜を啄んだ。
コンッ。 コンッ。
無邪気なノックのたびに真由美の思考は溶岩となり、
理性の表面張力は一滴ごとに削られていく。
──なぜ私がこんな目に?
問いは疾うに形骸化していた。
答えはわかりきっている。すべては“父”に選ばれたせいだと。
「んっ……ゃあ……ぉとうさま……っ」
呼気が硝煙のように短く弾ける。
スカートは腰骨で皺を寄せ、純白のショーツは履き直す暇もなく床へ落ちた。
腿の内側を這う粘液は冷却剤となり、
直後に注入される奔流を待つばかりだった。
横から伸びてきた指先が乳房を攫い、
肩甲骨ほどもある質量が乱暴に掬い上げられると、
黒檀色に変色した乳暈が薄衣越しに尖った影を作る。
ぴくり。
痛みにも似た予兆が神経束を走る。
──まさか……また。
次の瞬間、乳嘴を挟んだ弘一の拇指と食指が蠱惑的に捻じれた。
コリッ。 チュクッ。
「ひぐっ!? ん゛──っ!!」
悲鳴は車内の防音材に呑まれて外へ洩れない。
けれど内部では、炸裂音の方が大きい。
痛みを先触れにやって来る麻痺寸前の悦楽。
脳内に真紅の閃光が散り、真由美は一拍遅れて絶頂した。
乳首は玩具ではない。
けれど弄ばれている間に熟しすぎてしまった果実は、
もはや本人すら所有権を保てずにいる。
父が面白半分に引っ張れば糸のように伸び、
緩めれば蛙のように萎み──
そのたびに女体の奥底では新しい泥濘が熟成されていく。
視線を落とすと薄い腹膜の下を脈打つ血管の川が透ける。
その中央に橋桁のように太いものが据えられており、
肉の臍道を通して子宮頚管へ延びる様子が容易に想像できた。
ドクン……ドクン……
まるで第二の心臓が宿ったかのごとく、
下腹部全体が規則正しく震える。
内側から蹴られる度に真由美の背筋が畳針のように硬直し、
そして弛緩と同時に腰が前に投げ出される。
──小さいからこそ届きやすい。
昔読んだ解剖学の教本の一節がふと蘇った。
通常ならば外人モデルのごとき長い胴に阻まれ届かない深度。
ところが真由美の場合、
155センチの小躯と比例して内径も短くまとめられており、
おかげで剛直の尖端は易々と卵宮の扉を叩けるという仕組みだ。
「聞こえるか、真由美」
不意に低い声が耳孔を這う。
弘一は娘の耳介を啄ばむように囁いた。
「ここだ。 お前の一番大事なものを孕ませるべき場所──」
言い終えるや否や、腰が再始動した。
杭打ち機じみた垂直運動。
そのリズムに合わせて巨乳が鞭のように撥ねる。
「あぁ……っ! ゛ひぅ……! お……おかしくなるぅ──!」
涙の膜越しにマジックミラーを見る。
そこに映る自分は蒼褪めた仮面劇の女優で、
台詞なき舞台で父なる監督に陵辱されていた。
ガラスの向こうではクラスメイトたちが笑い合う。
達也くんが凛とした横顔をこちらに向ける気配がした。
見咎められる恐れはない。
それでも“もし気づいたら? ”という幻聴が背筋を氷結させる。
──見ないで。こんなのは 私じゃないって言って。
言葉は唇の裏側で溶解し、泡になって弾けた。
代わりに喉奥から零れたのは獣じみた呻きだけ。
理性は裸足で逃げだし、残された本能だけが檻のなかで喘いでいる。
弘一の指が汗で湿った腰肉を深く掴む。
角度を変えた刹那、鉤状になった雁首がGスポットを掻き掘った。
「ん゛ひぃ──っ!!」
飛沫が噴く。
生温い液体が鼠蹊部から車椅子へと一直線に落ち、
革張りに艶やかな月桂冠を咲かせた。
羞恥より速く悦楽が思考を喰らい尽くす。
眼前に金糸雀色の閃光が舞い上がり、
星屑の嵐が視界いっぱいに降り注いだ。
「おいおい……漏らしたのか」
揶揄とも賞賛ともつかぬ声音。
それがスイッチになり、真由美は無我夢中のうちに首肯した。
涎が顎を辿る。 恥の境界線は蒸発している。
弘一の掌が臍下を覆った。
外側からの圧迫で子宮が怯えた子羊のように収縮し、
ちょうどそこで待ち構えていた亀頭が襞と一体化する。
ドクッ……ドクッ……
脈動は早鐘。 快楽は津波。
肉体の凡百の機構が一斉に拍手喝采を送る。
「出すぞ──全部飲め」
宣告とともに灼熱が溢れ返った。
ゼリー状の銀河が子宮腔を占領し、
内部という概念が白濁の海図へ書き換えられる。
ビュルッ! ビュゥウッ!
轟く潮流は粘膜を焼き尽くし、
処女の純潔など既に名ばかりであることを無慈悲に告げる。
「あ゛──―っ……! ゛ぁ……」
肺が痙攣し、酸欠の蝶のように翼を叩く。
眼球は天井の蛍光灯を写すことなく曇り硝子の奥で澱んだ。
遠ざかる外界。
近く鳴り続くエンジン音。
マジックミラーがぼやけ、色彩の洪水が徐々に退潮したころ──
「着いたようだ」
淡々とした声が耳元に落ちた。
車両は静かに減速し、やがて停車する。
真由美の下肢から銛が引き抜かれる。
栓を失った洞窟からは粘稠な潮汐が滴り落ちたが、
「ほら、生徒会長。 時間だ」
冷え切った声に鞭打たれ、彼女は意識を水面に引き戻した。
スカートを慌てて引き下げ、
ジャケットの裾を整え、乱れた前髪を指先で梳く。
シートの汚れなど見えないとでも言うように眉ひとつ動かさず、
「……いってきます、お父様」
か細い声で応えた。
その瞬間、外部ロックが解除され
硝子の迷彩が解除される。
晴れやかな午前の陽光が後部座席へ雪崩れ込む。
眩しさに目を細めると同時に、
──私は誰?
疑問符だけが網膜の裏で燻っていた。
けれど身体は答えを知っている。
小柄な四肢の奥底に眠る貯蔵庫が
父の遺伝情報を蓄え始めていることを。
──私は もう──
覚悟と羞恥のないまぜになった感情を嚥下し、
真由美は毅然と顎を上げた。
虚飾の朝が始まろうとしていた。
偽りの光の中で、“少女”は今日も完璧な微笑を浮かべ取り繕う……
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
国立魔法大学付属第一高校の尖塔は、
朝靄の中で鐘楼としての威厳を偽装している。
実際にはそこに詰め込まれた少女たちの野心と焦燥が、
石炭のように燻り続ける換気不良の炉でしかないのだが、
少なくとも外壁は清潔に保たれている。
模範的な教育機関の体裁という、あの手この手で糊塗された虚構が。
春の終わりと夏の入口が同居する五月の温度は、嘘臭いほど穏やかだった。
セミが鳴き始める直前の季節——生命の芽吹きと腐敗が紙一重になる瞬間。
七草真由美は教室棟の廊下を歩きながら、
自分の体内で何か別の生き物が孵化しようとしている違和感と向き合っていた。
「会長! 昨日の全校集会資料の件なんですけど——」
後輩の女生徒が小走りに近づいてきて、真由美の前でぴたりと足を止めた。
ダークブルーの瞳に不安の翳りが浮かぶのを悟られないよう、
真由美は微笑を貼り付けた。
「どうしたの? 何か不都合でも?」
「いえ! すごく助かりました。
ただ確認したい箇所がいくつかあって……あ、会長」
後輩の声が途中で途切れた。
視線が真由美の制服の胸元に吸い寄せられ、
その驚愕と好奇がない混じった視線に、
真由美の胃袋が冷水を浴びたように冷え込んだ。
——気づいたのか。
ブルゾンタイプのブレザージャケットが、明らかに収まりきっていない。
上級生らしく成長した体型に合わせて新調するはずだった制服は、
年度が始まってから一月経った今でも袖丈も幅も合わない。
特に胸部——かつては密かな自慢の根源であったFカップ以上の豊乳は、
ここ暫くさらに質量を増した。ブラジャーのホックが届かない寸前まで拡張され、
肋骨の奥で鼓動する小さな異物と共に日々肥大していく。
「会長……少し、疲れてませんか?」
後輩の問いかけに込められた本当の意味は測り難い。
単なる健康への気遣いか、それとも身体の変調に対する好奇心か。
「最近ちょっと寝不足かしらね」
という社交辞令を吐き捨てるより早く、
真由美の臍の裏で生まれた異物——胎児に他ならない——が動いた。
キュー……キュウ……
鼓膜ではなく肉壁を通して聞こえる虫の羽音。
自分と同じDNAを共有しながらも矛盾する生命への嫌悪。
同時に庇護欲とも同情とも呼べない奇妙な昂揚が交差する。
こんな矛盾を孕んだまま微笑を作ってみせるのが、
今の真由美の限界だった。
「だ……大丈夫よ。ありがとう」
後輩は納得しかねるような表情を残したが、
忙しなくペコリと一礼し去って行く。
その足音が角を曲がり消えた後、
真由美は壁に寄りかかり制服の腹部を撫でた。
布地の上からでも分かる緊張。骨盤を押し広げるように成長する胎芽。
お腹はまだ服の上から見て分からない。
——隠さなければならない。
その義務感は日に日に肥大していく。
秘密を抱え込むというのは重荷なのか祝福なのか。
おそらくどちらでもないと今なら分かる。
廊下の窓を開けると五月の風が流れ込み、
ブレザーの前紐をふわりと持ち上げた。
生温いはずの外気が今は妙に冷たく感じるのは、
体温調節機能が本来の仕事を忘れてしまった証かもしれない。
突然、携帯端末が震えた。
画面に表示された送信者は七草弘一。
《本日の帰宅時刻は10時だ。用意しておけ》
形式的に丁寧だが温情は微塵もない文章。
真由美は携帯を握りつぶしそうになる拳をなんとか自制した。
父という存在は彼女にとって依然として不可侵の領域に鎮座している。
物理的にも精神的にも距離はあるはずなのに、
血液と記憶は否応なしに結合して離れない鎖だった。
◇
昼休み。生徒会室の窓から見える運動場は
競技中の生徒たちが陽炎の中で霞む蜃気楼のようで、
現実感という厚みを剥ぎ取ってしまっている。
─────────あぁ、また……
情緒不安定かつ体調不良が続き、時折マルチスコープが暴走して
校内の光景を垣間見てしまうのが最近の悩みの一つだった。
今は─────────
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
第一高校の西側、旧校舎と第二体育館の間に生じた枯山水庭園——
名ばかりの山水で、実際には雑草に侵された白砂が蚊の发生を促進するだけの無用の長物だが、
園芸部の管轄から外れたその一角には、背の低い欅が群生して怠惰な木陰を紡いでいる。
「……っ」
息を呑むたびに襟足から覗く項が小さく跳ねる。
ブレザーの袖口を噛み殺したせいで唾液が滲み、制服の青地を仄かに濃色へ変えている。
欅の樹皮は粗く彼女の掌を傷めつけているらしい——爪が僅かに浮いているのがわかる——
だが、それよりも背後の熱源が与える圧力の方が遥かに厄介であった。
男子生徒の手が、彼女の腰骨を支点にして体重を預けさせる。
すると必然、肉塊は重力に従って下方へ引き伸ばされ、
ブレザーの裾は腿の中程まで捲れ上がる。その隙間から覗く脚線は生白く、
筋肉の密度というより脂肪の柔軟性を思わせる豊饒ぶりだった。
「ん……っ」
再び喉が詰まる音がした。
口内には舌の代わりに羞恥が蠢いているらしく、
頬全体が苺ジャムを練り込んだパン生地のように赤く膨らんでいく。
彼女の前方から見て取れるのは、汗に濡れた額と伏せられた睫毛のカーテン。
その合間から垣間見える瞳は琥珀色の湖面で、
水面が揺れるたびに底知れぬ罪悪感という魚影が跳ねる。
背後の男が一歩前進する。
ぱん。
乾いた破裂音が欅の木霊を伴い響いた瞬間、
巨乳が制服の前ファスナーを内側から破砕する勢いで弾けた。
数字的定義を超越した肉質の重量感だ。
揺れるたびに脂肪層と乳腺が共鳴し合い、
思春期特有の張りと大人へと進行中の柔らかさが均衡を保ちつつ綱渡りをしている。
「っ……ふぅっ!」
悲鳴の代替品が白昼の大気中に漏出した。
それは恥じらいと陶酔が混合した合成酒であり、
嗅ぎ慣れた若者の香水よりずっと催淫作用を帯びている。
その声質には、日頃の献身的な奉仕精神——
例えば他人のために弁当を焼いたり洗濯板に凭れて歌ったりする——
とは異なる成分が含有されていた。
自己犠牲の糖蜜の下に潜む牝鹿の疼き——
捕食者に牙を晒した途端に逃げ場を失ってしまう種類の。
生徒の指が腰骨から下腹部へ滑り込み、
下着のゴムに沿って弧を描く。
すると薄桃色のショーツは不器用に脱がされたまま片方の足首で遊泳を始めた。
そこから顔を出した丘陵はまだ初雪を受け入れる準備が整っておらず、
控えめに萌える梢のような産毛が湿り気を帯びて肌に吸いついている。
ぱん。 ぱん。 ぱん。
リズムが加速していくにつれ、呼吸は倍音を含み、
肢体全体が打楽器のように共振し始めた。
脊椎は弦楽器の如く蠕動し、関節の節々が連鎖して木琴を奏でる。
各部位の揺れ方が独立しながらも最終的には不協和音——
官能という名の混沌へ融合していく過程が実に鮮烈だった。
額に滲んだ脂汗が一粒、頬を伝って落下する。
土埃が張りつく感触。同時に男の手掌が彼女の臀部へ食い込み、
肉塊の深奥にある襞を抉じ開けるように押し込んでいく。
「っぁ……あっ……!」
遂に堰は決壊した。 語彙という柵を突破した嗚咽が木々の葉脈を震わせ、
生態系全体に春の到来を報せるかのようだった。
太陽光が枝葉の隙間を通過して幾条もの光線となり、
汗で虹彩を反射するほのかの肌を鑑写体に映す。
そのうち一本がちょうど鎖骨とブラ紐の交差点を照射した。
紐は半ばほどけかけており、
汗腺から分泌された透明な玉粒が留め具部分で宝石のごとく煌めいている。
乳房という器官は最早単なる器官ではなく一個の天体として睥睨し、
重力に対抗しながら尚も上昇しようと試みていた。
ぱん! ぱん! ぱん!
テンポは急転直下で山岳ステージへ突入。
男の膝裏が地面と接触し、殆ど跪くような姿勢で攻城戦を繰り広げる。
腰部の角度によって結合部から溢れ出た液体が飛沫となり宙を踊る。
その液体は半透明で芳香もなければ毒性もないが、
ひとたび膣壁へ付着すれば神経毒と同等の効果を齎すことは明らかだった。
大腿筋が痙攣をはじめた。
腿線の内側を稲妻が迸り、足先まで到達すると踵が土に埋没しかけた。
重心は不意に瓦解し、
前方へ傾斜しかけたのを堪えるべく爪先を接地させて耐える姿勢に入る。
「だ……だめっ……私……もぅ……っ!」
自我の最後の警告信号が吐息に混ざる。
言葉にはなれなかったそれは虚空へ拡散し、
後方の男にとっては加速剤として機能した。
突如として音程が変わる。
男が浅い部分で抽送を止め、最も深く嵌まった地点で固定した。
背筋が弓のように湾曲し、
振り払われたブロンドの髪束が空中で水飴状に伸びる。
「———っ!!」
声帯は真空状態となり、却って振動すら感知できない無音の絶叫となった。
全身の孔という孔から蒸気が放出され、
瞬時に皮膚温度を奪っていく冷感が追随する。
木陰の薄暗がりで、光井ほのかは器械体操の選手のごとく木にしがみついていた。
ただし彼女が演じているのは優雅な舞ではなく、
肉と肉が打ち合う原始的な打楽器の演奏である。
背後から彼女を支配しているのは、
名前も顔も曖昧なただの「種付け用の冶具」に過ぎない男だ。
特異な希少技能を持つという触れ込みで呼び出されたその男は、
会話や挨拶といった前戯の類を一切省略し、
ただ単に腰を振ることだけに特化した機械のように機能していた。
ぱんっ! ぱんっ! ぱんっ!
男の腰がほのかの臀部に叩きつけられるたび、物理法則が忠実に再現される。
安産型と称される桃尻の肉が衝撃を吸収しきれず、むっとするような波紋となって波打つ。
波は腰から太腿へ、そして背中へと伝播し、
その先端で彼女の身体で最も質量のある部位を揺さぶった。
ぶるっ♥ だぷんっ♥
二つの大きな果実——Eカップの乳房が、
制服の拘束を脱して剥き出しになったまま重力と慣性の綱引きを繰り広げている。
肉の塊は自らの重量に負けて下へ下へと伸び上がり、次の瞬間には弾力を得て上へと跳ね返る。
その無秩序な運動は、健全な男子生徒ならば目を疑い、そして股間を疑うほどに扇情的だった。
「あっ……ぁっ……ぅぅっ……!」
ほのかの口から漏れるのは、拒絶ではない。
だが、積極的な歓迎とも言い難い。
理性の残滓が恥じらいを訴える一方で、
身体の奥底に住み着いた「本能」がそれを圧倒しているのだ。
大粒の汗が噴き出し、陽光を反射して周囲に飛び散る。
それは彼女が発する悲鳴の結晶であり、肉体が限界を超えて稼働している証拠だった。
主の命令は絶対である。
その事実が、ほのかの迷いを断ち切る鎌となっていた。
四葉煌夜という絶対者から「遺伝子を収集せよ」と命じられた瞬間、
彼女の身体に刻まれたエレメンツの血統が目を覚ました。
相手が誰であろうと構わない。
優れた遺伝子を子宮に取り込み、主の望む次世代の礎となること——
それこそが彼女に課された使命であり、存在意義なのだから。
子宮が蠕動する。ただの器官ではなく、貪欲な捕食者へと変貌していた。
男の楔が最奥を突くたび、膣壁という名の襞が襲い掛かり、逃さないとばかりに締め上げる。
(あぁ……違う……これじゃない……でも、集めなきゃ……煌夜さまのために……)
心の中で嗚咽する理性と、歓喜に咽び泣く本能。
その二重奏が彼女を狂わせる。
腰を掴む男の手つきが乱暴であればあるほど、奥底の雌は悦びの声を上げた。
自分がただの「器」として扱われているという事実が、逆に興奮の引火点となる。
男が一際深く突き上げると、ほのかの背骨が弓なりに反った。
「ひぃっ……あぁぁぁっ!!」
子宮口が無理やり押し広げられ、精液の注入を促すかのように口を開く。
遺伝子収集を進めるエレメンツとしての本能が、
注がれるであろう白濁を待ち侘びて痙攣した。
桃尻は自ら男を食い込ませようと動き、
ぶるぶると震える乳房からは更なる汗が飛沫として散る。
彼女はただの女子高生ではない。
主の命により動く、優秀な「胎盤」なのだ。
その事実を噛み締めながら、
光井ほのかは果てしない快楽の沼へと沈んでいった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
真由美の視界は錯綜する。
光と影が万華鏡のように回転し、
脳髄に不正なアクセスを試みているかのようだった。
国立魔法大学付属第一高校、東棟三階の最奥。
本来なら物品倉庫として使われるべき空き教室は、
今は別の用途——雌の悲鳴を吸い取るための密室と化していた。
「いやっ! 離してッ! 何するんですかッ!!」
金切り声が、埃っぽい空気を切り裂く。
ルビー色の髪が振り乱され、モスグリーンの瞳が恐怖に見開かれている。
アメリア=英美=明智=ゴールディ。愛称エイミィ。
イギリスの名門ゴールディ家の血を引く誇り高きクォーターであり、
狩猟部の希望の星。その彼女が、今は無様にも床に這いつくばっていた。
彼女の上にのしかかっているのは、用務員の作業着を着た中年男だ。
汗と油にまみれた薄汚れた手が、エイミィの乗馬服仕立てのスカートを捲り上げる。
布が裂ける音はしなかったが、尊厳が引き裂かれる音は確かに聞こえた。
コレは夢? それとも現実なのか……
真由美は立ち尽くし、呆然とその光景を見つめていた。
マルチスコープが暴走しているのかもしれない。
あるいは、弘一の孕ませレイプによって損壊した精神が見せる幻覚か。
自分が今見ているものが現実だとしたら、あまりに残酷で、そしてあまりに生々しい。
男の手がエイミィの白い太腿を鷲掴みにする。
肉が歪み、指が食い込む。
エイミィは泣き喚きながら抵抗するが、
大人の男の体重と欲望は、小柄な少女のそれを容易くねじ伏せた。
「あぁ、もう……観念しなよお嬢ちゃん。
魔法使い様だって、メスになりゃ同じだろ?」
男の吐息は下水道のように劣悪だった。
ねっとりとした言葉がエイミィの肌に張りつき、汚染していく。
用務員のおっさん。社会の底辺にいるはずの男が、
十師族に匹敵する名門の令嬢を犯している。
この学校の、いやこの世界の歪みがそこに集約されていた。
真由美は自分の腹部を無意識に押さえた。
そこにはまだ目立つ膨らみはない。
だが、子宮の中には確かに弘一の——実の父親の——分身が根付いている。
近親相姦という禁忌の果実を宿した胎内は、昼夜を問わず異物感を訴え続けていた。
(……私も、ああなのかしら)
自嘲が口元に浮かぶ。違う。私はあんな風に泣き喚いたりしない。
なぜなら私はすでに「孕み妻」として調教されつつあるのだから。
弘一の手にかかれば、抵抗すること自体が無意味だと学習させられている。
エイミィの悲痛な叫びが、真由美の耳に届くたびに、背徳の炎が灯るようだった。
彼女の不幸は、私の幸福の裏返し。
いや、私の不幸は彼女の不幸とどちらがマシなのだろうか。
むっとするような獣臭が漂い、エイミィの顔が絶望に歪む。
無垢な花園が、泥濘に踏み荒らされようとしていた。
(見ちゃいけない……でも、目が離せない)
真由美の手は制服のブレザーを強く握りしめていた。
胸元のボタンは今にも弾け飛びそうだ。
妊娠と乳虐によって肥大化した乳房は、布地の中で不満げに揺れている。
乳首が擦れるたびに、弘一に弄ばれた記憶が蘇り、太腿の内側に痺れが走る。
目の前で繰り広げられているのは、紛れもない強姦だ。
だが真由美にはそれを止める術も意志も湧かなかった。
彼女はただ、自分と重なる運命を持つ少女の悲劇を眺めながら、
自身の腹の中で蠢く禁忌の子の鼓動を感じていた。
これは夢だ。そう信じ込まなければ、真由美は発狂してしまっただろう。
教室の中の惨劇と、自分の中の背徳。
二つの現実が交錯し、彼女の理性を溶かしていく。
空き教室の空気は、鉛と硝石を溶かし込んだかのように重く、粘度を増していた。
「動け……! ファイア……!!」
アメリア=英美=明智=ゴールディは必死に念式を紡ごうとするが、
演算領域から魔法式を立ち上げる以前に、起動式そのものが霧散していく。
まるで深泥の中で手足を振り回すような徒労。
彼女の特技である射撃魔法は、
引き金を引く前に弾丸を腐食させられた銃のようなものだ。
この閉鎖空間にはアンティナイト——魔法無効化物質——が散布されている。
ただ散布されているのではない。
特定の周波数帯を干渉させるキャストジャミング装置が仕込まれ、
魔法師の演算領域にノイズを走らせる電磁牢獄と化しているのだ。
これはとある政治家が、女生徒を無力化し「ヤリ部屋」として活用するべく、
学校側に無断で構築した密室である。
そしてこの用務員の男は、その政治家の犬だ。
設備点検を名目に内通し、部屋の管理者として機能しながら、
時折やってくる獲物をつまみ食いする愉悦に浸る下衆であった。
「へへっ……いくら十師族だか何だか言ったってよ、
ここじゃただのメス猫だ」
男は錆びついた潤滑油のような笑い声を漏らす。
作業着の袖で脂汗を拭う仕草は、卑しい欲望そのものの具現化だった。
エイミィの抵抗など、彼にとってはスパイスに過ぎない。
高嶺の花である名門の令嬢が、魔法も使えず無力に喘ぐ姿こそが、
彼の萎縮した自尊心を勃起させる最高の媚薬なのだから。
男の手がエイミィの制服のジャケットを強引に剥ぎ取る。
布地が悲鳴を上げ、ボタンが床に弾けて小さな音を立てた。
露わになった白いブラウスが、男の汚れた手によって鷲掴みにされる。
「いやっ……やめて! 離してよッ!!」
エイミィの瞳に涙が溜まる。
モスグリーンの光彩が屈折し、恐怖というプリズムを通して絶望の色を投射する。
彼女はゴールディ家の誇り高き血統。
幼い頃から英才教育を受け、誰からも可愛がられ、
決して退廃的な屈辱に晒されることなど想定していなかった少女だ。
しかし、魔法師という生物は社会的特権と引き換えに、
肉体というハードウェアを国家や権力者に担保として差し出す宿命にある。
この教室は、その残酷な契約の裏側を可視化した屠殺場であった。
ブラウスが引き裂かれる。
雪のような肌が、薄汚れた空気に晒される。
乳白色の肌はまだ子供のような柔らかさを残しているが、
その曲線は既に女としての豊穣を予感させていた。
男の視線がねっとりと彼女の胸元に絡みつく。
Bカップ程度の控えめな膨らみは、しかし男の掌には余るほどの果実であった。
「……いい身体してやがる」
男が野太く吐き捨てる。
そしてその手は容赦なく下着の中へ侵入し、
エイミィの無垢な乳首を指先で挟み込んだ。
「あぅっ……!」
鋭い痛みが走り、エイミィの体がビクンと跳ねる。
電流が神経を駆け巡り、抵抗する筋肉を麻痺させていく。
男はその隙を見逃さず、エイミィの細い両脚を押し開いた。
スカートが捲れ上がり、白い下着が露わになる。
その中心にある布地には、
恐怖と屈辱で滲んだ湿り気があるかのように見えた。
あるいはそれは、男の歪んだ期待が生み出した幻影かもしれない。
男がズボンのベルトを外す金属音が、教室の静寂を暴力的に切り裂いた。
チャックが下ろされる音は、処刑宣告のゴングのように響く。
(ああ……私は……私は……)
エイミィの脳裏に走馬灯が過るわけでもない。
あるのはただ、圧倒的な暴力と性欲に対する原初的な恐怖だけ。
名門ゴールディ家の教育も、IMAのコネクションも、
目の前の卑しい男の一物には何の意味も持たなかった。
男が覆いかぶさる。
油と汗の臭いがエイミィの鼻腔を満たし、嘔吐感を催す。
そして太い楔が、未成熟な花園の入り口に押し当てられる。
「いやぁぁぁッ!!!」
処女喪失の悲鳴は、しかしキャストジャミングの壁に阻まれ、
教室の外には届かなかった。
閉ざされた空間の中でだけ反響する無惨な音波。
それは魔法師という存在の脆弱さを嘲笑うかのような、
権力と欲望の勝利の凱歌であった。
◇
その光景をマルチスコープの網膜に焼き付けながら、
七草真由美は自らの太腿を爪で抉っていた。
同時に胎内で蠢く弘一の分身が、
子宮という名の玉座で主の帰還を
待ちわびているかのように脈打つのを感じていた。
「……い、痛いぃぃっ!」
エイミィは、必死で腰をずらして上に逃げようとする。
だがその努力も、ぬかるみに囚われた蝶の羽ばたき程度の効力しか持ち得ない。
キャストジャミングという名の見えない蟷螂斧によって魔法を封じられ、
体格差という圧倒的な質量比の壁に阻まれた彼女に、逃走などという選択肢は
最初から存在しなかったのだ。
まだ、亀頭の先しか入っていない……!
狭くて小さい割れ目に……用務員は、亀頭を無理矢理食い込ませる!
それはさながら、硬く閉ざされた胡桃の殻に錆びた鑿をねじ込むかのような、
乱暴かつ一方的な土木作業であった。
エイミィの秘所は、まだ異物を受け入れるための柔軟性を備えていない。
粘膜が引き伸ばされ、肉の襞が悲鳴を上げて押し広げられる。
摩擦係数など考慮されていないその突撃は、
彼女の感受性を無視した残酷な侵攻であった。
「ぐっ……キツイな……! さすがお嬢様だぜ……!」
男は下卑た歓喜を漏らしながら、さらに腰を進める。
潤滑不足の楔が肉を削り取りながら前進する感触は、
男にとっては極上の征服感となり、
エイミィにとっては地獄の苦痛となって返ってくる。
「やだっ! 入ってくるっ! 壊れちゃうぅッ!!」
エイミィの瞳から大粒の涙が溢れ、頬を伝って床に染みを作る。
彼女の身体は、未だかつて経験したことのない異物感にパニックを起こしていた。
処女膜が限界まで引き伸ばされ、ついに破砕の音を立てる。
鮮血が男の一物に赤い花弁のように咲き、
その惨劇の証として白濁した欲望の下に散らされた。
◇
七草真由美は、その裂けるような悲鳴を己の身体の奥底で反芻していた。
マルチスコープが捉える光景はあまりに生々しく、
彼女の嗅覚にまで錯覚を起こさせるかのような濃厚な性の匂いが脳裏をよぎる。
(ああ……可哀想に……でも……)
真由美の視線は、エイミィの引きつった表情から、
男と女が結合している恥部へと移っていく。
そこで繰り広げられているのは、暴力であり支配であり、
そして何より、雄と雌という原始的な関係の再構築であった。
エイミィが痛みに喘ぎながらも、
その身体が次第に男を受け入れ始めている様子が見て取れる。
人間の身体は、暴力に対して適応するようにできているのだ。
拒絶のために硬直していた膣壁が、
摩擦を和らげるために分泌液を吐き出し始める。
それは裏切りであり、生存本能による妥協であった。
(私も……そうだったのかしら)
真由美は自身の腹に手を這わせる。
弘一に孕ませられたあの日。
彼女もまた、実の父親である男に身体を裂かれ、
禁忌の烙印を押された。
最初はただ恐怖と嫌悪だけだった。
だが回数を重ねるごとに、子宮は弘一を受け入れるようになり、
今では彼の精液がないと落ち着かないという歪んだ依存を植え付けられている。
エイミィの抵抗が弱まっていく。
男が腰を打ち付けるたびに、
彼女の小さな胸が無惨に揺さぶられる。
痛みに加え、耐え難い屈辱感が彼女の抵抗力を削ぎ落としていくのだ。
「ほら、どうだ? 殿方の味は?」
男が耳元で囁く言葉は、
毒を塗られた蜂蜜よりも甘く、そして凶悪であった。
エイミィは言葉を返すこともできず、ただ嗚咽を漏らすのみ。
その姿は、高潔な騎士が泥沼に沈んでいく様を彷彿とさせた。
真由美は唇を噛み締める。
胸の奥で蠢く背徳の虫が、興奮して身をよじっているのを感じる。
他人の不幸は蜜の味とはよく言ったものだ。
ましてやそれが、自分と同じ
「魔法師」という宿命を背負った少女の惨めな姿であるならば。
同情と加虐が入り混じったカクテルは、
彼女の理性を陶酔へと誘う強力な麻醉剤となった。
「……『女』にしてやったぞ、メスガキがっ! お前はもう、オレの女だからなッ!!」
用務員の叫びは、勝利者による国旗掲揚のように高々と響いた。
それは物理的な事実の確認というよりは、一種の呪術的宣言であった。
名門ゴールディ家の令嬲という輝かしい属性を剥ぎ取り、
ただの「メス」という卑俗な属性へと書き換える宣告。
男は……激しく息をしているエイミィの口にキスをする。
それは親愛の情など一片も含まない、
領土侵犯の証としての口づけであった。
脂ぎった舌が、エイミィの歯列をこじ開け、
口腔という聖域を蹂躙する。
唾液という名の占領軍が、彼女の味覚を塗り替えていく。
少女はもう、拒絶しない。
咬みつくことも、顔を背けることもしない。
絶望にうちひしがれて……男の体の下で、
エイミィはただ灰色の天上を見上げている。
その瞳には何も映っていない。
未来も希望も、そして今自分に何が起きているのかという認識さえも欠落していた。
魂が肉体から逃避したかのような、美しくも無惨な人形。
彼女はすでに、自分が主導権を握る「主体」ではなく、
男に使用される「客体」へと転落していたのだ。
◇
七草真由美はその光景を、
オペラ席から舞台を見下ろす貴婦人のような心境で観察していた。
同情? もちろんある。
同じ魔法師として、同じ女子高生として、
理不尽な暴力によって尊厳を奪われる悲劇に対する共感はある。
だがそれは、乾季に降るスコールのようなものだ。
すぐに乾き、その下からニヤリと笑う背徳の感情が顔を出す。
(ああ、綺麗……)
真由美は心の中で呟く。
エイミィが抵抗をやめたその姿は、
奇妙なほど静謐で、そして倒錯的な美しさを放っていた。
男の汚らわしい体の下で、白魚のような手足を投げ出し、
ただ貫かれるがままになっている姿は、
聖女の殉教とは違う、もっと卑猥で甘美な「雌の諦念」の結晶であった。
用務員の腰が激しく前後する。
パンッ! パンッ! パンッ!
肉と肉が打ち合う乾いた音が、キャストジャミングの静寂の中でリズムを刻む。
そのリズムは真由美の子宮に直接響き、
彼女自身が弘一に貫かれた時の記憶をオーバーラップさせる。
(私もあんな風に……お父様に……)
想像の中で、用務員の顔が弘一のそれに変わる。
エイミィの喘ぎが、自分自身の声として聞こえる。
弘一の子種を注がれる瞬間の忌まわしい喜びが、
腹の奥底から疼きと共に甦る。
「出すぞッ!! オレのザーメンで……孕ませてやるッ!!」
男の絶叫が空き教室に轟く。
その言葉は死刑宣告でありながら、同時に祝祭の合図でもあった。
真由美は固唾を飲んで見守る。
あの名門ゴールディ家の末裔が、
こんな卑しい男の遺伝子によって孕まされるという事実は、
どれほどのインモラルであろうか?
想像するだけで、背筋に電流が走る。
ドクン、ドクン……
用務員の動きが止まり、全身が震える。
精液が迸り、エイミィの子宮に向けて最後の侵略を開始する。
その瞬間、彼女の身体が微かに跳ねた。
それは快感ではない。生命が新たな危機を迎えた反射反応。
あるいは、諦めの境地を超えた「女の悦び」の芽吹きか。
いずれにせよ、その反応は真由美の嗜虐心を刺激するには充分すぎた。
「ほら、しっかり飲み込めよ……」
男がゆっくりと陰茎を引き抜く。
栓を失った秘所から、白濁した液体が糸を引いて流れ落ちる。
その光景はまるで、穢された貞操の墓碑銘だった。
エイミィは依然として天井を見つめている。
涙も枯れ果てた虚ろな瞳。
抗うことも感謝することもなく、ただ与えられたものを享受するばかり。
それは堕落であり成長であり、そして何より「雌」として完成した証左であった。
用務員は満足げに彼女の身体から離れる。
解放されたわけではない。所有されたのだ。
エイミィはこれから先もこの学校で魔法師として生きていかなければならない。
しかし今日この時を持って、彼女は永遠に
「強姦された女」という烙印を背負うことになった。
真由美はその罪と罰の明瞭な輪郭を羨ましく思った。
自分もまた、弘一に犯され孕まされた時点で同じ烙印を持っているはずなのに。
なぜエイミィの方があれほど美しいのか?
廊下に出ると、昼休みの喧噪が嘘のように感じられた。
エイミィの崩壊した顔と用務員の汚れた笑みが交互に浮かび上がる。
それは恐らく初めての本当の快楽という味を覚えた男と女が共有する
禁断の果実だった。
(あの行為を肯定するつもりはないけど──)
真由美は拳を握りしめる。
廊下の喧噪は、
魔法師という特権階級に許された一時の安らぎのように響く。
だが七草真由美の耳には、それは遠い異国の言語のように空虚だった。
ただ先程の空き教室で目撃した、
エイミィの虚ろな瞳と用務員の獣のような形相が、
網膜に焼き付いたまま離れない。あれは他人事だろうか?
いや、違う。あれは鏡だ。少し角度の違う、
しかしどこまでも似通った「敗北者」の顔をした鏡だ。
真由美は自嘲気味に唇を歪める。
弘一から逃げることなど、最初から不可能だったのだ。
彼は父であり、当主であり、そして彼女の身体に宿る禁忌の子の父親だ。
三重どころか四重五重の鎖が、
彼女という小鳥を腐った金糸雀の籠に繋ぎ止めている。
彼女が歩を進めるたび、その身体は周囲の視線を釘付けにするだろう。
憂鬱な現実に曇る美貌から滲み出る哀愁は、
男子生徒たちの脊髄を震わせる背徳の香水となって漂う。
「ああ、あのお美しい生徒会長は何故あんなに悲しげなのか」
と彼らは思うのだろうが、その答えが
「実の父親に孕ませレイプされ続けているから」だと知ったら、
彼らは絶望するか、さもなくばさらに歪んだ欲望を抱くだろうか。
そして何より、その哀愁を際立たせるのは、彼女の肉体的な変化だ。
充実感を増した女体。もともとロリ巨乳の極みであった肉体は、
弘一というただ一人の男の執念──いや、妄執によって注がれた精液と、
胎内で育つ命の分だけ、さらに豊潤さを増していた。
制服はもはや彼女の戦闘服ではなく、拘束衣だ。
パッツンパッツンに張り詰めた布地は、
ドスケベボディをエロく浮き上がらせる。特に胸部。
Fカップなどという数字では追いつかないほどに肥大化した乳房は、
ブラウスのボタンをこれ以上ないというほど引っ張り、
今にも弾け飛びそうだ。一歩歩くたびに揺れる乳肉は、
重力に逆らう張りと重力に従う重さを同時に主張し、
「揉んでくれ」「吸い付いてくれ」と
雄を誘惑する淫らなアピールを無意識に繰り返している。
腹もまた然り。うっすらと膨らんだ下腹部は、
制服のスカートのウエストを圧迫し、臍周りの扇情的なラインを露わにしている。
「安産型」などという言葉では生温い、
まさに「孕み袋」として完成されつつある肢体。
それを無理やり制服という「優等生」の記号に押し込めているのだから、
そのアンバランスさこそが最大のエロティシズムとなる。
(お父様の子……)
下腹に手を這わせる。そこには確かに命がある。
だがそれは愛の結晶ではなく、弘一の狂気と真由美の絶望の混濁したスープだ。
生理不順の果てに訪れた妊娠。毎晩のように子宮に注がれた大量の精液。
それらが混ざり合い、ひとつの塊となって彼女の中で育っている。
肛門がヒクつく。
ド変態アナル狂いとしての性癖が、弘一の凌辱を回想して疼くのだ。
彼女はトイレに行きたいわけではない。
ただあの場所──排泄と生殖の中間点にある汚された穴を、
弘一に犯された感触を確かめたくなるのだ。
指を這わせてみる? いや、ここはまだ学校だ。
だが脳裏では何度もそれを再生する。弘一の節くれだった指が、
彼女の敏感な粘膜を抉り、玩具のバイブを捻じ込んできた時の絶頂を。
エイミィが男の精を受け入れたように、
自分もまたこの胎内に弘一の子種を蓄え続けるのだ。
それは苦痛であり、屈辱であり、そして……
(ああ、なんて背徳的な充足感なのかしら……)
哀愁の中に潜む倒錯した悦び。逃げることは叶わない。
ならばせめて、この背徳のドレスを美しく着こなすことくらいはしてみたい。
真由美は窓際に佇み、外庭を見下ろす。
春の陽光が眩しい。目に沁みる光は、
今の彼女にとっては腐敗臭を帯びた蜜のように甘美なものに感じられた。
(きっと明日も、私はお父様の精液を子宮に溜めて登校するのでしょうね)
その未来を想像し、真由美は再び嗤った。
口元に咲いた笑みは、背徳の華そのものであった。
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