とても暑い日だった
恐らくはその暑気が招いた、幻覚かなにかだったのだろう
私は、その日あまりの暑さにまいり、涼める場所を探していた
そしてふと思い出したのだ
以前、なにかそんな事を言っていた学生がいたのだ
暑さを凌げる涼しい屋敷が、この当たりにあると
鏡……なんだったかそのような通称で呼ばれるような場所で
詳しくは憶えて居なかったが
不意に入った場所がその屋敷だったのだろう
人気も無く妙に涼しい場所だった
だが、私はそこで妙な経験をしたのだ……と思う
先ほども言ったが暑さにやられ
幻覚を見てしまったのだとは思うが……
美しく、妖艶な女性と私はそこで関係を持ったのだ
癖のある金の長い髪、鋭く確かな意思を感じる視線
私をあざ笑うかのようにつり上がる、いかがわしい口元
大きな胸に魅惑的な肢体をあまり隠しているとも言えない
コスプレ?のような衣装を着た美女
涼んでいたハズの私はいつのまにか、寝そべり私を誘う
そんな美女と対面していたのだ
妄言としか聞こえないであろう
人気も無く怪しい館で男性を求める魅惑的な女
どう考えてもおかしく幻覚でなかったとしても
なにかしらの罠だと考えるのが当然だ
そんなおかしな状況にも関わらず
私の頭の中はその妖艶に誘う女性の事しか
考えられ無くなっていた
「あら?なにを臆しているのかしら?」
「光栄に思いなさい、この私と契る事が出来るのだから」
その女性が口を開き誘う声が響く
魅惑的な声に頭がぼんやりとするが確かな事がある
身体の奥底から高まるいかがわしい欲望
その昂ぶりがこの身体に自らを埋めろ
そう命じてくるのだ
膨らんだ私の衣服を見、目を細め更にその女性は言う
「その昂ぶりをここに収めたいのでしょう?」
「望む通り思うままにして構わないわ」
声を聞く度になにか頭の奥がとろける感覚が広がる
寝そべっていた彼女が自ら衣服をずらし
私が収めるべき場所を手で示す
今にも飛びかかりそうな自身をなにかが引き留めている
「望む通り思うままにして構わないわ」
「えぇ…私を心行くまで味わう事を許可しましょう」
だがその引き留めるなにかは直ぐに無くなっていた
私は彼女に食いついてた
文字通り私が今から頭に思い描いている事をする為の場所に
そこにむしゃぶりつき舌で舐め歯で刺激を与え
自身を受け入れられる状態にする
そしてそこに自らを収め欲望を解放する……
その事だけしかもう頭の中には無かったのだ
この場所がなんなのか?彼女が何者であるのか?
そんな事はもはや考えの端にも浮かんでいなかった
耳の奥に響く自らを好きにしろと命じる蠱惑的な声
触れている身体の体温や匂い…その全てが
私の欲望を刺激し気が付けば私は
彼女と繋がっていた
彼女に自らを収めて直ぐに私の高まったものは弾けていた
だが昂ぶりは収まらずすぐさま彼女に抱き寄せられ
長い舌を絡められ熱い口付けを受けた
唾液を交換し舌を絡めながら私は本能の赴くまま
彼女に腰を打ち付けた
「いいわ♡そのままよ♡」
「そのまま全てを私に注ぎなさい♡」
母親に甘えるかのように私は彼女に抱きついていた
おかしな話ではある
私達が行っている行為は当然
互いの身体を繋ぎどちらの体液とも解らなくなったモノが
その結合部から溢れ落ちるただただ欲望にまみれた行為
その相手に母性を感じ安心感を私は憶えて居た
彼女の身体を抉るように奥深くまで繋がりながら
どこまでも下卑た欲望を包み込み受け止めてくれる
そんな感覚に包まれていたのだ
何度も彼女の中に欲望を吐き出した私だが
その身体から離れたくなく、繋がったまま
唇や胸を貪り、また身体の中に昂ぶりを放つ
それを繰り返していた
流石にその繰り返しで疲れたのだろう
少し休もうかと彼女から自らを引き抜いた、が
今まで繋がっていた部分を自らの手で彼女が開き
私が注いだモノが溢れ出す光景を見
休息を挟もうとした私の思考は吹き飛んでいた
「見込んだ通り中々悪くないわ♡」
「それに、その様子まだ楽しませてくれるのでしょう?」
力強く昂ぶる私自身を見ながら彼女の声が響く
「気の済むまで励みなさい♡」
すぐさま私は彼女に覆い被さっていた
求められるまま、私の本能が求めるまま
彼女の身体を貪り味わい続けた
そして私は彼女の上でその柔らかな身体と
妖艶な匂いに包まれたまま気を失った
目が覚めたのは件の館の前だった
私はそこで気を失い倒れていた所を
通りがかった少女達に助けられたらしい
衣服は汗で汚れており
あまり人前に出られるような姿ではなかった
熱中症を発症していないあたり運が良かったのだろう
私を助けてくれた少女達に私が経験した事を
…言えはしないので、私が交わった女性の
見た目を述べ見掛けなかったか?と聞いて見たのだが
ここに居たのは私だけで
そのような女性はいなかったのだそうだ
冷静に状況をまとめるとやはりアレは
私が見た幻覚だったのだろう
暑さのあまり幻覚を見て倒れていたのだ
少女達に助けられ無ければ命の危険もあっただろう
彼女達には感謝しかない……だが
私の頭の中には強烈に残って居るのだ
思考をとろけさせる蠱惑的な声や香り
いくら欲望をぶつけても受け止めて貰える
魅惑的な身体の記憶が………