「まったく、あんたはこういう怪我をどうして気づきにくいのか」
マチはそう言いながらも俺の身体を見ていた。
以前の治療の痕跡もあるが、それと同時に、新しく出来た傷を見てくれる。
基本的にトレジャーハンターという家業を行っている以上、怪我は必ずしてしまう。
その為、簡単な応急手当程度ならば、俺達だけでも出来る。
だけど、俺が行く先々では、それだけじゃ、解決出来ない程の大きな怪我がある。
元々、俺自身が怪我に対して強い事もあるが、それでも解決出来ない時には、こうしてマチに治療を行って貰っている。
「とりあえず、そのままにしておいてよ。
こっちも糸を固定させるのは、大変なんだから」
「本当に悪いな」
そうしながら、俺の傷口を見ているマチは、そのまま治療を行ってくれる。
彼女が使う針と糸に関しては、俺も詳しく知らない。
だが、本来ならば、造り出す事が出来ない筋肉の繊維から何もかもを糸で代用する事が出来るらしい。
その事もあって、こうして彼女に世話になる事が多い。
「それで、一体何が起きたんだ」
「何がと言われても」
「分からないと思っているの? 幾ら何でも、これは変わりすぎだよ」
そう、俺の身体を見ながら言う。
「……たぶん、プネウマと契約した時点で、身体が変わったんだと思う。それ以上は、俺にも分からない」
「あっそ、まぁ、でも、それを決めたのが、あんただったら、それ以上は言わないよ」
その呟きと共に、治療が終わった。
「ほら、治療はもう、終わったよ。これで、十分に動けるだろ」
マチの言葉と共に、俺の治療をしてくれた事に礼を言う。
「ありがとう、助かった」
そして、改めてマチの方を見る。
彼女はいつも通りの表情をしながら、こちらを見て来る。
「ところで、マチ、一つだけ聞きたい事があるんだけど」
「うん?」
「俺の身体は、どれぐらい変わっているんだ」
そう、俺の身体の変化についてを確認する。
「身体の組織のほとんどが、以前のあんたのとは本当に違うね、それは、あんた自身もその身体の変化で分かるでしょ」
その言葉に対して、俺は自分の手を見る。
それが、確かに俺の身体の変化は、目に見えて分かる。
「とりあえず、あんたの治療は終わった訳だから、ほら」
「えっと、それって、やっぱりやるのか」
そう、俺はマチに尋ねる。
「どんな変化が、試しておきたいからね」
そのマチからの言葉に対して、俺はどうやら断る権利はないらしい。
諦めるように、俺は、マチに促されるがままに、ベットの上に座る。