「それで、アティ先生が言っていた島というのは、あそこか」
「そのようだね」
ニアは、そのままアティ先生から教えて貰った地点を見つめる。
空を飛びながらでも、こちらからかなり離れた場所でも分かる程の塔が見えた。 しかし、ここからだと距離がありすぎて何とも言えないが、結構大きいような気がする。 この世界に来て、こんなに大きな建物を見た事が無い。
だけど、それよりも、俺は、その建物に大きな疑問があった。
「なぁ、ニア、もしかして、あれって」
「あぁ、間違いないっ! あの塔、下まで伸びている!」
なんと、空を浮かんでいる島の下にある塔。
その塔は、黒い雷雲の下にも、伸びている。
「本当に、そんな事が、あり得るのか」
「分かりません、もしかしたら、雷雲の中で、塔が壊れているかもしれません。だけど、それらを確かめるには」
「塔の中を、探るしかないか」
現状、手掛かりを見つける為にも、俺達が出来る事は限られている。 だからこそ、塔の中に入らなければならないのだが、塔の入り口となる扉を開ける鍵がないのだ。 それに、どうやって開ければいいかも分からないし、そもそも、塔自体が頑丈そうに見える。 普通に考えれば、中に入るのは難しいだろう。
「よし、それじゃあ、早速行こうぜ」
「ちょっと待ってくれないか、レッド」
ニアは俺を呼び止める。
「あの塔は、一応は魔王が住んでいるはずだろ、そんな所に勝手に入って大丈夫なのか? もし見つかったら大変な事になるぞ」
確かにそうだ。
魔王がいる以上、護衛がいる可能性もある。
「でも、このままではどうしようもないですよね。だから、まずは塔に入ってみましょう。それでいいですか?」 「まぁ、仕方ないわね。ここで悩んでいても意味ないし」 とりあえず、全員一致で塔に入ることに賛成してくれたようだ。
そのまま、俺達は、警戒しながら、塔の中へと足を踏み入れた。
「うーん、何もありませんね」
魔王がいると思われる塔に入ったものの、そこには誰もいなかった。 部屋の中には、何一つ置いておらず、殺風景だった。 「あれっ、こんな所に階段があるぞ」 レッドの言葉通り、部屋の奥に階段があった。 しかし、それは今迄見た事のないような造りをした階段であった。 普通の階段ではなく螺旋状の階段なのだ。 しかも、かなり長い。 そのせいか、一段ずつしか降りられないようになっている。
「よし! それじゃあ、さっそく行ってみるか!」
俺が元気よく言うと、螺旋階段の方に向かって歩き出した。
「ちょっ、ちょっと待て! いきなり行くのか!? ︎」
慌ててニアは止めようとするが、それは、全く聞いていないようでどんどん歩いていく。
そして、とうとう螺旋階段の下まで行ってしまった。
「ここは、んっ?」
そうして、俺達の前にあるのは、見覚えのある機械の棺。
それだけじゃない。
それは、まるでプネウマの時と似ている。
「これは一体っ」
その姿は、どこかセルベリアに似ているようだ。
これまでの事が、重なっているような気がする。