※この作品はR-18です。

ソラトブレイド 転移した者達の旅路   作:ボルメテウスさん

2 / 24
転移者との騒動

 プネウマと一緒に旅をするようになり、俺達はとある場所へと向かっていた。

 

「それで、今から、どこに行くの?」

 

「エアデール、私達にとっては仕事がしやすい町です」

 

 エアデールは貿易が盛んになっている町だ。依頼も舞い込んでくるだろう。

 

「それにしても、眠っている間に、色々と変わっているんですねぇ」

 

「アンタがどれだけ寝ているか分からないけど、結構変わっているんじゃないの?」

 

 そう、ニアが言うように、プネウマが寝ていたのが、どれぐらい時間が経ったのかは、俺は知らない。

 

「まぁ、とりあえずは、エアデールを案内するよ、今後の仕事でも来るし、迷子になったら困るからな」

 

「本当ですか! 実は、街に来た時からずっと気になっていたので!」

 

 俺の言葉に対して、プネウマは目を輝かせながら言う。

 

 戦いの時に見た冷静な態度とは違い、今は、本当に街での探索を楽しみにしているようだ。

 

 そんなプネウマの様子を見て、少しだけ安心していると、後ろの方から声をかけられた。

 

「ニアもどうだ?」

 

「……アタシは別に良いよ、一人で勝手に楽しんできなよ」

 

 俺の言葉を聞いたニアは、そっぽを向いてしまう。

 

(うーん、やっぱり何か怒ってるか?)

 

 正直、ここまで露骨だと、流石に気にしてしまう。しかし、怒られるような事をした覚えは無いのだが? 

 

「それじゃ、アタシは依頼を片付けて帰るとするよ」

 

 ニアはそれだけ言って、ギルドから出て行ってしまう。

 

 その様子を見送った後、俺はプネウマを連れて、街の中へと歩き出した。

 

 街の中には、様々な露店が広がっており、公益が盛んな場所という事で、珍しい料理も沢山売っていた。

 

 そんな中でも、一際目を引いたのは、この街でしか手に入らないというフルーツを使ったデザートだった。

 

「美味しそうですね!」

 

「ああ、そうだな」

 

 思わずプネウマと一緒に食べていく。

 

「レッドっレッド! これとかどうですか!!」

 

 そう言いながらプネウマは、俺の方へと露店に売っていた食べ物を俺に差し出していく。

 

「いや、これはって」

 

 そう、俺が断ろうとしたが、プネウマはそのまま俺の口の中に入れた。

 

「苦手ですか?」

 

「いや、そういう訳じゃないけど、んっ?」

 

 食べた瞬間、今まで感じたことの無い味覚が広がる。

 

「うわぁ~美味しいです!! レッドも食べてみてください!!」

 

「あ、ああ……確かに美味いな」

 

 プネウマから渡されたものを食べてみると、確かに美味しかった。

 

 そんな風にして、色々なものを二人で楽しんでいると、いつの間にか日が落ちていた。

 

「あれ、あの騒ぎはなんでしょうか?」

 

「はぁ、また、厄介な奴らが来たか」

 

 そこには、何やら集団が集まっていた。

 

 それは、騒いでいる様子であり、それが何か、俺は知っている。

 

「レッド、あれは?」

 

「転移者だよ」

 

「転移者?」

 

 その言葉に対して、プネウマは首を傾げる。

 

「この世界とは違う別の世界から来た者達だよ。そのほとんどが何か特殊な力を持っている」

 

 その説明を聞きながらプネウマは改めてその集団を見る。

 

 現地の人間とは、どこか雰囲気の違い彼らからは異質さを感じ取ることができた。

 

 しかし、そんなプネウマの思考とは裏腹に、彼らは、まるで支配者を思わせる振る舞いで街の人々を支配していた。

 

「……行こう、プネウマ」

 

「えっ、はっはい」

 

 その光景を見た俺はそう言うと、そのままプネウマの手を引き歩き出そうとした。

 

 だけど。

 

「おい、なんだよ、お前ら!」

 

「っ」

 

 俺の耳に聞こえたのはニアの声だった。

 

 見ると、その転移者達に構っている。

 

「良いじゃないかよ、一緒に遊ぼうぜ?」

 

「そーそー、せっかくなんだし仲良くしようってばさぁ」

 

「いや、あの……えっと」

 

 どう見てもナンパされてた。

 

 しかも一人じゃなくて三人か。

 

 瞬間、俺はそのまま走り出して、その内の一人に向かって、蹴り上げる。

 

「俺のニアに、何をしていやがるんだぁ!」

 

「がぁっ」

 

「あぁ!!」

 

 俺はその転移者に対して、思いっきり蹴飛ばすと、地面に叩きつけられるように倒れ込んだ。

 

 そしてそのまま他の奴らは俺の方へと目を向ける。

 

「てめぇ、俺達に一体何をする」

 

「そっちこそ、ニアが嫌がっているのに、何をやっているんだぁ、てめぇ」

 

 こちらを睨みつけてくる男達に向かって、俺はそう言い返した。

 

 すると、その言葉を聞いた途端、一人の男がニヤリと笑う。

 

 どうもこいつはリーダー格らしい。

 

 男は俺を見下ろしながら口を開いた。

 

「俺はその嬢ちゃんと遊びたいだけなんだよ、てめぇのような野郎には用はないんだ。邪魔するんじゃねぇよ」

 

「だったら、どうする?」

 

 そうしながら、俺に対して言う。

 

「てめぇのような奴は、あれだ。俺達の敵だな」

 

「敵だよなぁ」

 

「敵かッ! 敵かッ!」

 

 その言葉と共に、各々が武器を手に取った。

 

 転移者というのは、その力は強大だ。

 

「レッド」

 

「悪いな、ニア。面倒な事にして」

 

「別に良いよ、それに」

 

 それと共にニアは、こちらを見る。

 

「レッドのそういう所、嫌いじゃないしね」

 

 そう言って微笑む。

 

 すると、ニアが何かを操作していた。

 

「それに、こっちは既に呼んでいるからね」

 

「んっ、おぉ!!」

 

 それと共に見つめた先に見えたのは、俺の愛機であるダハーカだった。

 

 ダハーカがこちらに来た。

 

 そのまま、俺とニア、それにプネウマが乗り込む。

 

「さっさと逃げるよ!」

 

「あぁ、勿論!」

 

「逃がすか!」

 

 それと共に、転移者達はこちらに攻撃を仕掛けようとした。

 

 だが、俺はダハーカの操作の方が上である。

 

 転移者達は、各々の能力を発動しても、その攻撃は俺達まで届かない。

 

「あぁ、あぁ、もぅこうなったら、もぅこの街には来れないなぁ」

 

「えぇ、そうなんですか?」

 

 こちらに襲い掛かってくる能力だが、ダハーカは簡単に掴み、跳ね返す。

 

 そんな戦いの最中、ニアとプネウマは、そう会話をする。

 

「当たり前だろ、転移者は王族が呼んだ世界の救世主様だからな、そんな奴らに喧嘩を売れば、当然、目の敵にされるだろう」

 

 そう、ニアは言う。

 

「まぁ、確かにそうだね」

 

 その言葉を聞きながら、プネウマも納得する。

 

 そして、二人は再び視線を合わせる。

 

 ニアが口を開く。

 

「まぁ、別の場所でまた依頼を受ければ良いしな。

 

 幸い、転移者に対して、不満を言っている奴らは多いからな。

 

 そいつらから依頼を受ければ良いしな」

 

 その言葉と共に、俺達はそのまま飛行艇に向かって、入っていく。

 

「それじゃ、出発するぞ!」

 

 そう言って、俺は操縦桿を握ると、飛行艇はゆっくりと上昇していく。

 

 そして、一気に速度を上げて、空へと舞い上がり、そのまま出発する。

 

 先程の騒ぎもあって、エアデールはかなり大きな騒ぎが起きている。

 

「にしても、良いのかよ、レッド」

 

「何が?」

 

「あいつら、お前と一緒に来た人間じゃないのか?」

 

「……」

 

 それと共に、俺に尋ねたニア。

 

「あいつらは、俺の存在自体、気づくはずないよ。それはニアが一番知っているだろ」

 

 あの時の、俺の姿を見たニアだからこそ、分かるはずだ。

 

「まぁ、そうかもしれないけどよぉ」

 

「それに、今はプネウマやニアもいるんだ。こっちの方が気楽だからな」

 

「……はぁ、まったく」

 

 そう言いながら、ニアは呆れたように言う。

 

 それと共に少しだけ、頬を赤くしていた。

 

「レッド、夜、アタシの部屋に来てくれないか」

 

「んっ、急にどうしたんだ?」

 

 俺が聞き返すと、ニアはさらに顔を真っ赤にして言った。

 

「そ、その……レッドに伝えたい事があるんだ」

 

 俺はそれを聞いて、首を傾げる。

 

「それは別に構わないけど」

 

 俺の言葉を聞いたニアは小さく頷く。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。