ここから異能を使った物語が始まります!
落ち着いたメジュリーヌに俺はいくつかの司令を出す事にした。
まず、世界中のネットを掌握すること。無線優先問わずだ。
さらに我が家のネットセキュリティを最高にまで引きあげつつ、外部からはそれを悟られないように隠蔽。
続けて、トレーダーとして活動する予定なので口座開設を指示。
普通ならば親の許可なども必要だが、こちらは最強の超未来のAIが味方についてる。
データ管理されている中に何年も使われずに放置されてる契約を発見。痕跡も残さずに俺のものに改竄することなど朝飯前だ。
そして貯金を元手に株トレーダーとして資金集めを開始。
やろうと思えば他人の口座から金だけを移動させることも出来なくは無いが、メジュリーヌにそんなことはさせたくないという、俺のちっぽけな見栄だ。
バレない適度に利益率の高い株を操り、数百万の利潤が生まれた時点で売り。これを繰り返すだけであっという間に数千万の売上をたたき出した。
こうなると今度は税務署が怖いので弁護士を依頼するようにシルフィードに頼む。
後日やってきた八神という弁護士には「遊び感覚で株をやったら偉い額を稼いでしまった。その辺の手続きが分からなくて困ってるので依頼したい。また、今後も依頼するかもしれないので契約を結びたい」と申し出ると、やや不審がられたが両親に株の事を軽く伝えた所「好きにしていい」と言われ弁護士もようやく了承。
ついでに18歳一人暮らししてる理由を聞かれたので家庭環境について弁護士に話すと、やや同情的になり「何かあれば相談してください」と契約に至った。
ちなみに両親には稼いだ額は伝えてない。ちょっと大金になったとだけ。
カネ目当てに擦り寄られてもめんどくさいからな。
後でこちらも対処しなくては。
そんなこんなで、あっという間に俺は月収数千万の男になった。
実際はメジュリーヌのおかげなのでヒモもいい所なのだが。
その資金を使って大量のフィギュアを購入。
シルフィードの天眼能力で複製するのもありだが、本来俺はフィギュアを集めて並べたのを眺めるのが好きなのだ。
本格的に魂を吹き込むまでは本来の用途として楽しみたい。そしてそれらを作る人達に利益という形でお礼をしたいのだ。
戦隊ヒーローに始まり女児アニメのヒロイン、ロボットアニメ、格闘アニメ、ファンタジー物も含めあらゆる正義の味方を買い集めた。
彼らはいざと言う時の戦力にするつもりだ。
「アメコミヒーロー数体生み出すだけであの国は大混乱だろうなぁ……いつかアメリカ支部とか作って、本物のリベンジャーズとか作ろうかな」
それらを見つめながら俺は考えをめぐらせる。
ちなみにシルフィードとメジュリーヌの戸籍はハッキングで作って即時発行した。ちゃんと過去のデータから改ざんしたので、調べられてもそうそう不審に思われることは無い。
世間的にはシルフィードは日本人とフランス人のハーフで、トラックが家に突っ込む事故で家と両親を亡くし失意の中俺と出会って恋に落ち、そのまま俺と同居設定。
メジュリーヌはイタリアンマフィア抗争に巻き込まれた過去を持ち、大怪我をおって動けなくなったところを偶然旅行で通りがかりの俺(という捏造も施した)が助けて一命を取り留める。
数年後に「日本人のオガタ」という情報だけで来日して、奇跡的に再会を果たし恋人になった……。という2人とも少しだけ元のネタに沿った設定になっている。
「さてと、次は拠点だな」
俺のつぶやきにメジュリーヌが反応する。
「それでしたら無人島を改造し基地にするのが良いかと」
「非常に魅力的だが、それを行うだけの資金と人材が揃っていない。世間一般的には私は金を少し持ってるだけの小僧だ。そのような真似をしたら政府に目を付けられる」
「……指揮官は地球の未来を守ろうとしているのに、それも理解できないとは」
「仕方ないさ、いつの時代も軍人と政治家は仲が悪いもんさ」
実の所メジュリーヌとの軍人ごっこが楽しくて辞める気にならない。
それに外宇宙生命体うんぬんは置いとくとして、危険な外国勢力による侵略の可能性が有り得る今軍力を高めるのはあながち間違いじゃない。
「だが無人島の購入は悪くない。資金を継続して集め、そこに前哨基地を構築するのを当面の目的としよう。何もこの世界の敵は宇宙だけではなく、諸外国の侵略行為もあるのだからな」
「全く……人同士で争う暇などないと言うのに」
「同感だメジュリーヌ」
こればかりは本気でそう思う。
中国とか北朝鮮とか、ロシアとか……ほかにも色々水面下で問題起こしすぎなんだよ。
「さて、話は戻るが拠点の話だ」
「無人島を使うのでは?」
「それはあくまで前哨基地の話だ。いずれは無人島をメインに活動するが、わかりやすい所に我々の拠点があった方がいざと言う時に偽装として役立つ」
そんな話をしているとシルフィードが紅茶と菓子を持ってやってきた。
「それでしたらこちらをご覧下さい」
「ん?」
差し出された資料をみると都内の豪邸もしくは広い敷地を持つ物件リストだった。
「なるほどなぁ、都内となると地方に比べてやや割高になるか。メジュリーヌ、資金は今いくらあったかな?」
「現在は低出力モードですので4億5000万程になります」
「買えるなぁ……あれ? 熊本の無人島も買えそうじゃないか?」
資料に付属していた無人島リストをみると陸地から1kmほど離れた場所に、円形の小島がぽつんとあるのだ。
値段は1億8000万円。
完全に孤島でインフラも電気も通って無さそうだが、それらに関してはやり様はある。
しかもその敷地規模は東京ドームの3分の2程あり、今の所の活動を考えれば十分すぎるほどのサイズ。
「……うーん、メジュリーヌ。一時的に高出力にした場合いくらまで稼げる?」
「3日頂ければ30億は余裕かと」
「……よし、やってくれ。資金の確保が出来次第シルフィードは八神弁護士に声をかけて仲介と税務関係を依頼してくれ。屋敷と無人島確保に動くぞ。今の所無人とは別荘と偽装して開拓する。そして可能であれば地下空間を掘り進めて基地として使おう」
「かしこまりました旦那様」
「了解しました指揮官」
こうしてまさかの島を購入するべく動き出すのだった。
オラわくわくしてきたぞ!