天才が部下に入るってかなり怖いですよね。
作者は頭良くないんで間違いなく謀反されます。
3週間後。
「出来たわよ!」
まったりと茶を飲んでいたら、部屋の扉が知らない女に開かれた。
「……だれ?」
「ちょっと! いくらなんでも酷いわよ!? あんたがアタシを呼んだんじゃない!」
ん〜……あ! こいつ、メジュリーヌの配下に加えた天才科学者の娘の方だ!
「えっと、たしか名前は……ベルマだったか」
言いながら、彼女の情報を確認する。
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作品名:ドラゴンキューブ
キャラ名:ベルマ(ベリーフ博士の娘)
上司&出資者:緒方一心斎
備考:ドラゴンキューブ世界屈指の天才科学者。なんでも願いを叶えるというドラゴンキューブを探し出すレーダーを作り、主人公と冒険を始めたことがきっかけで世界は大きく動き出す。
父親を凌駕する天才的頭脳の持ち主で、量子分解を利用した収納術などを得意としている。
また、宇宙戦闘民族のセイヤ人と結婚している。
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「もう、覚えてるじゃない。パパも一度会ったっきりだから『忘れられてないか』って寂しそうにしてたわよ」
「ああごめんごめん、ベリーフ博士にも後日挨拶に行くよ。で、何ができたって?」
「そうよ! これよこれ!」
そう言って取り出したのは四角い箱。
筆箱にしちゃ小さすぎるし、たばこケースにしてはちょいと幅広すぎる。
「……まさかこれ」
「そう! ぽいぽいカプセルよ! こっちの世界にはこれがなくて運搬が面倒くさいったらないわ! しかも島は船を介さないと行けないし。個人用のジェットで移動も出来ないなんて不便すぎるわよ」
このベルマ、天才の名を冠しているだけあってこの世界と自分たちがいた世界の違いについてあっという間に気がついた。
さすがに自分が創作物の人間で、俺がそこから呼び出したと聞いて困惑していたが「まあ、そういうこともあるかもね。誰だって物語の中にいると考えれば、どんな悲劇も喜劇もシナリオなんだって思えばちょっと納得できちゃうもの」とあっけらかんと答えた時は普通に驚いた。
そして「なら、私はここであんたの下で働きながら時空を超えるマシンを作って、私のいた世界を探し出すのもありよね。あの戦闘バカのベジールはともかく、息子のデランクスが可哀想だもの」と意欲的に研究をし始めた。
天才ってやっぱすげえわ。
そんなこんなあって、彼女は俺の元で化学発展に寄与してくれていたのだが、ついにあの世界での技術を1つ再現してしまったのだ。
「こっちには向こうにあった金属がないから苦労したわよ。メリュジーヌちゃんやシルフィードさんが手伝ってくれなかったら頓挫してたわよ」
「なるほどな、二人の知能と能力があれば確かに素材の再現は可能だったか。よく気がついたな」
「むしろ、こんな凄いふたりを抱えてて何も化学が発展してないことの方が異常よ。なによ、今までずっと金稼ぎしかしてないとか。メリュジーヌちゃんが可哀想じゃない! あんた彼氏なんだからもっと気を使ってあげなさいよね!」
うう、こいつ原作通りズケズケと行ってくるなぁ。
よくこんなのと結婚する気になったよベジールのヤツ。俺は打たれ弱いんだよっ!
でもベルマの言う通りなので、メジュリーヌやシルフィードたちには改めて感謝を伝えるようにしよう。
そこから彼女の報告を聞くことになった。
・俺が送り込んだ数百名に及ぶマンパワーのゴリ押しで島の4割は開拓が完了した。表向きは別荘というテーマなので、別荘用のログハウスを作りその中から地下へと続くエレベーターを作り地下に3500m四方の空間に施設を作る。
地盤沈下と地震対策に、本来この世界には無い鉱物などを使って外壁を強化済み。
シェルターとしても使える強度になってるそうだ。
・今後増える兵士たちの居住施設も増築。予定としては収容人数4000人程。状況に応じて増やす。
・同時に食材生成プラントを建築申請。外部から輸入していてはいずれ怪しまれる可能性があるため、自給自足は必須といわれた。
・何も知らない釣り人や若者らが数度上陸して探索しようとした。警備部隊を設立したいが、既存のメンバーでは外観が問題あるため新たに人物を派遣して欲しい。
・資金不足。追加で5億円程融通して欲しい。
こんな感じだった。
どんどん大事になっていますね。はい。
とはいえ俺だけの秘密基地って感じでワクワクして楽しいので、どんどん許可する。
警備部隊に関してだが、一つ提案をする。
「ベジールやデランクス達を呼んでみようかと思う」
「本当!?」
嬉しそうに身を乗り出すベルマ。
やっぱり家族が来るのは嬉しいのだろう。
「ベジールは元々戦闘民族の王子だった経歴があるだろ? つまり、人を率いる才能はあるはずだし、今後増えるかもしれない人材の指揮に使えるかと思うんだ。
そうじゃなくても個人の力が高いのは有難い。
暴れて問題を起こされたら困るから、その辺の手綱はベルマに任せるけどいいよな?」
「うん、任せて。ただ、同レベルの強者がいないと暇だってストレスで八つ当たりしかねないから、一緒に遜君を呼んで欲しいのよ」
「……一緒になって暴れたりしないか?」
「問題起こしたらご飯抜きって言えば無茶しないわよ。ただ食費がかかると思うから、さっきの申請した額にもう二億程乗っけて欲しいわ」
「了解了解、金は問題ないよ」
メジュリーヌが化学発展の傍らで低出力モードで今も金を稼いでるから今もお金が膨れ上がって、既に53億を超えてるからね。
ふふふ、私の資金力は53億です。
さっそく、指定のフィギュアを密林でポチる。最新版のモデルなので、スーパーセイヤ人グリーンまでなれるやつだぜ。
ついでにベリーフ博士の奥さんも買った。
これはまじで大変だった。需要の関係なのか全く見つからなくて、結局マルカリの初期プレミアが付いたようなやつしか無かった。主人公たちより四倍ってなんだよ。
「予定としては1週間後になるから、その時また来てくれ」
「りょうかーい、ふふ、あたしたちの家も作らなくっちゃ」
ルンルンで部屋を出ていくベルマ。
それを見送りながら、密林をポチポチといじる。
「ん? ……ああ、ジオラマか」
俺が見つけたのは、ドラゴンキューブの世界にある建物などのジオラマだった。
ここに別途購入したフィギュアを置いて、世界観を再現するのもひとつの遊び方なのだろう。
「……ジオラマって、ピグマリオンできるのかな?」
ふと気になって、購入ボタンを押す。
買ったのは「重力制御装置付き訓練所」と「心と時空の部屋」と呼ばれるジオラマふたつ。
届くのは同じく1週間後。
初めての試みを楽しみにしながら、再び紅茶を飲み始めるのだった。