※この作品はR-18です。

豊穣の王   作:イロゴト柿

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第43話『戦い終えて:下』

「カイドウ、お前は――カイドウ?」

 

 ビッグ・マムとの戦後の話し合い――というにはあまりにも一方的だったが――を終えたフレイがこちら(・・・)に向き直って言葉をかけてきたのと同時に、カイドウはすっくと立ち上がった。フレイと、一番近くにいる自軍の大幹部(クイーン)が、パチクリと目を(またた)かせた。

 

「か、カイドウさん……?」

「……『豊拳』。おれからも一応確認するが……。お前の望みは、そこのおでんの娘の母親が遺したっつう、20年――いや、もう19年か――先に起こるとされている『決戦』までの、『一時休戦』。それで間違いねェか?」

 

 心配そうに声をかける側近(クイーン)の言葉を無視する形で、自身を下してみせた銀髪紅眼の美丈夫を見下ろしながら、カイドウが言った。まだ、最後の一撃(ユングヴィインパクト)を受けた額の辺りがズキズキと痛むものの、それ以外は特に問題はなくて――そんなカイドウに対して、相変わらず戸惑った様子のフレイは、

 

「あ、ああ……。まあ、そうだけど――「そうかわかった。おれもそれでいい」――あっ!? おいっ!」

 

 サッサと話を切り上げて背を向けたカイドウに向かって、慌てたように声をかけるフレイ――を無視する形で、同じように隣で戸惑っているクイーンにチラリと視線を向けたカイドウは、こう言った。

 

「……おれもひとりで帰る。お前も、他の部下たち(れんちゅう)と一緒に後から船で追って来い」

「え――ちょっ!? カイドウさん……!?」

 

 今の己の感情を、カイドウは、自分でも完全に理解できずにいた。ひとつ確かなことがあるとすれば、それは自分が――ビッグ・マムもだが――ただ負けた訳ではなく、その命を失う寸前で()()()()という、つまりは「情け」をかけられたという事実(こと)で。

 

 故にカイドウとしては、一刻も早くここを立ち去りたい気持ちで一杯だった。無法がモットーの海賊でも、一応の「流儀」はある。「敗者は勝者に絶対服従」――最低限それを遵守する為に、同じく最低限の言質(げんち)勝者(フレイ)に言い残したカイドウは、そんな彼を呼び止めるクイーンの言葉もやはり当然のように無視。

 

 その上で、サッサと『赤い土の大陸(レッドライン)』を越えて『新世界』にある自身の『ワノ国(ナワバリ)』に帰る為に、「獣型(せいりゅう)」の姿に変身――「カイドウっ!!」――しようとして(・・・・・・)

 

「――なんだ?」

 

 チッ、と苛立たしげに舌を鳴らした後で、カイドウは、より一層大きな声で自身を呼び止めたフレイのほうへと振り返り――そんなカイドウに向かって、フレイは更に、

 

「……覚えてるか? 最後の打ち合いの前に、おれが言ったことを? お前に――ヤマトの父親であるお前に、言わなきゃいけないことがある、って……」

「……だとしたら何だ?」

 

 我ながらみっともない、拗ねた子供(ガキ)のような言動だと自己嫌悪(りかい)しつつも、カイドウはぶっきらぼうにそう応えて――直後に、彼は目を剥いた。

 

 唐突に(と、少なくともこの時のカイドウには、そのように感じられた)フレイが、その場で両手と両膝を着けたかと思うと、そのまま流れるように頭も下げて――つまりは、土下座をして見せたのだ。

 

 敗者(じぶん)に向けてそんなこと(・・・・・)をする勝者(フレイ)の姿を見て当然のように衝撃を受け、同時に何故か、抗い難い怒りも覚えたカイドウは、

 

「……っ!? テ――メェ……! 一体、何を――「お願いします。ヤマトを――娘さんを自分に下さい」――っ!?」

 

 再びの、衝撃。

 

 一度目の衝撃(おどろき)によって言語能力を著しく損失していた所を、2度目のそれを受けたことで完全に言葉を失ってしまったカイドウに向かって、フレイは更に、

 

「この先、どんな障害と困難に見舞われようとも――必ず、その全てを乗り越えた上で、幸せにして見せます」

「えっ――ちょっ!? フ、フレイ……!?」

 

 当然のようにそれを聞いていたヤマトが、頭から生えた角と同じぐらいに顔を真っ赤にした上で、目に見えて動揺することとなって――やがて、父親(カイドウ)のほうが先に正気に戻った。

 

 もっとも、身を焦がすような原因不明の怒りは依然としてあって、故に厳密には正気とは言えないかもしれないが――とにかく彼は、ギリギリと歯軋りしたした上で両目を血走らせ、更には鉄よりも固く両手を握った状態で、額を地面につけているフレイに向かってズンズンと歩を進めると、

 

「馬鹿にしてんのか、テメェ……!? そんな――たった今、おれに勝ったばかりのお前が……! あろうことか……! おれに……! 『敗者』のおれに……!? 土下座――娘さんを下さい、だと……!? 一体……! テメェってヤツは、どこまで……!」

そこ(・・)は関係ない――おれにとって、ヤマトは『戦利品(もの)』じゃない。ただ……ヤマトというひとりの『人間(おんな)』に手をつけた男として――ヤマトの『父親』であるお前に、当然の『筋』を通してるだけだ」

 

 相変わらず地面に額をつけたまま、迷いのない口調でそのように語るフレイに向けて、「……そうかよ」と吐き捨てるように応じたカイドウは、急な展開に一貫して戸惑いっぱなしのクイーンの手から自分の得物(かなぼう)を乱暴にもぎ取った上で、フレイに対して更にもう一歩近寄ると、

 

「捻りのねぇ展開だが――もしも、代わりにコイツで(・・・・)一発だけ殴らせろって言ったらどうする? それが呑めなきゃ認めねぇと言ったら?」

「一発と言わず、好きなだけ殴ってくれていい」

 

 まるでこちらの返答を予測していたかのように、淀みのない口調でフレイが言った。それを受けたカイドウの額に、ビキリッ……! と新たな青筋が浮かんだ。一体何故、「勝者」であるにも関わらずここまで下手に出ることができるのか? ここでそんな言葉(こと)を、そんな態度で言うぐらいならば、おでんの妻の遺言(よげん)も何もかも無視し、自分を生かしたりせずに殺してしまえばよかったではないかと、そう思わずにはいられなかった。

 

「正直、そうされても何も文句を言えないぐらいのことをしたっていう自覚は――ある」

「ウォロロロロッ……! 上等だ……!」

 

 唇の端を戦慄(わなな)かせながらそう言ったカイドウは、血潮を沸騰させる程の怒りに突き動かされるまま、バリバリとした赤黒い稲光――『覇王色』を纏った『八斎戒(かなぼう)』を振り被ると、

 

「だったら、望み通りに――」

 

 ――してやる!! そう言い放つと同時に、振り被った金棒を一気に振り下ろす――否、振り下(・・・)ろそうとして(・・・・・・)

 

 その前に、目を細めて成り行きを見守っていたレイリーが、剣の柄に手をかけた状態で即座に乱入――するよりも更に早く、そうした人物がいた。

 

 一体誰か? ヤマトだ。流石は実の娘といったところだろうか――カイドウがそうすることを真っ先に察したらしい彼女は、誰よりも早く両者の間に割り込んだ上で想い人(フレイ)を守る為に、父親のそれとは違って、全体の棘の部分が丸っこい金棒を上段で横向きに構えると――直後、周囲一帯の大地と大気を震わせる程の衝撃と轟音、そして『覇王色』特有の稲光が迸り、そのせいで、ただでさえフレイの『豊穣の樹(ユグドラシル)』によって弱っていたカイドウの部下の何人かが、大きく身体をふらつかせた。

 

 カイドウは今一度目を剥いた。正直に白状すると、割り込んできた人間の正体が、正に問題の渦中にいると言っても良い自分の娘(ヤマト)であると気づいた彼は、寸前で金棒を振り下ろす力と『覇気』の出力の両方を反射的に弱めたのだが――それでも、実力差からいって、とてもヤマトに防ぎ切れるような攻撃ではなかった筈だからだ。彼女が実年齢(9歳)のそれとは違う、恐らくはそこから20年分の時を「能力」によって加算された、大人の肉体を持っていることを考慮しても、である。

 

「……っ! ヤマトぉ……! これは、そいつ自身が了承したことだ……! しゃしゃり出てくんじゃねえ!」

 

 特に(せめ)ぎ合うこともなく、ヤマトが構えた金棒から自身のそれを離しながら、カイドウが唸るように言った。が、ヤマトは退()かなかった。それどころか、

 

「どく訳ないだろ――第一、フレイが何と言おうと、ぼくがフレイの……その……女としてついて行くのは、あくまでもぼく自身の意思だ! 別に強制された訳でもないし、だから! それについて! お前(・・)からアレコレ言われる筋合いはなくて――何より! 今さら……都合の良い時だけ父親面するな! お前(・・)がこれまで、『父親』としてぼくに何をしたっていうんだ!!」

 

 両目に轟々とした決意の炎を燃やしながら、ヤマトがそう言って――カイドウは思わず、口を噤んだ。その気になればいくらでも反論の言葉は思いついたが、何故かそれを口に出すことができなかった。

 

 何となれば、彼は思い出してしまったからだ。先の戦いの決着の間際――つまりは、こちらの『火焔大炬(かえんダイコ)』を破ったフレイの『豊拳衝突(ユングヴィインパクト)』によって、自身が天に打ち上げられる直前。

 

 その際に見た幻覚。幼き日の――と言っても、そこまで昔の話ではないのだが――自身に対して泣きじゃくりつつも食料を求めていた(ヤマト)の姿を。

 

 今、実際に己と対面しているヤマトの目からは、その時の面影が微塵も感じられなかった。そのオレンジ色の双眸には、後ろめたさなど欠片もない、愛する男(ヤマト)の為なら命だって惜しくはない、という鉄の意思がありありと感じられて。

 

 それを見たカイドウは、今さらながら、先のヤマトの言葉に嘘がない――つまりは、「父親」としての自分に対して、完全に見切りをつけているという「事実」を強く認識し、これによって、自身の胸の内から、馬の骨(フレイ)に対する怒りが急速に失われていくのを自覚した。

 

 何なら、虚しさのような感情さえ覚えていた。フレイは「下さい」と言ったものの、それを自分が拒否しようが、フレイが了承したことを受けて、好きなだけその身を金棒で痛めつけようが――それらをしたところで、ヤマトが自身を再び「父親」として認識することは絶対ない(・・・・)ということを、カイドウは強く認識、もとい再認識して。

 

「――いいんだ、ヤマト。これは一種のケジメとして、やらなきゃいけないこと――って……」

 

 『覇気』を解除した金棒を肩に担ぎ、またもや身を翻してズンズンと歩き始めたこちらの行動に気づいたらしいフレイの言葉が、途中で途切れた。当然、そんなカイドウの突然の行動に気づいたのはフレイだけではなく、

 

「ちょ、カイドウさん……!?」

「お――おいっ! せめて、何か……! フレイの頼みへの返事ぐらいしろよ!!」

 

 クイーンが訝しみ(コイツさっきからおれの名前を呼んでばっかだな、とカイドウは思った)、同じように狼狽しつつも、ヤマトが今一度吠えた。だからという訳ではないが、その場にいる全員の視線が自身の背中に注がれているのをハッキリと感じつつも、カイドウはピタリと足を止めて見せると、

 

「――ヤマト、テメェは勘当だ」

 

 努めて(・・・)ぶっきらぼうな口調で、カイドウが言った。

 

「はぁっ? 今更何を――」

「何度躾けても(・・・・)おでんへの憧れは捨てねえ、何なら、自分はおでんだと言い張って聞かねえ上に、それをやめろというのを始めとしたおれの言うことの数々も、何ひとつとして聞きやしねえ――だけじゃなく、大事に取っておいた『悪魔の実』まで食っちまいやがって……! それでも、いつかは自分の『立場』を理解して、わきまえる時が来るだろうと微かに期待していたが――いいだろう。そこまで意思が固いなら――お前みたいに手に負えねェガキなんざ、『息子』としても戦力(ぶか)としても、こっちから願い下げだ。『豊拳』に嫁ぐでもなんでも、好きにするといい。そして……その上で――」

 

 言っている内に、自分でもよくわからない熱い何かが腹から喉へとせり上がってきたのを感じたカイドウは、思わず口を噤みそうになったが――それでも、渾身の精神力でもって、次のように言い切った。

 

 

 

 

 

「――せいぜい、幸せになりやがれ」

 

 

 

 

 

 ――と、そう言って。

 

 「えっ……?」と呆けた声を上げたヤマトを筆頭に、その場にいる殆ど全員が瞠目して自分を見つめているらしいことをハッキリと感じつつ――今度こそカイドウは、それ以上は何も言わずに「獣型(せいりゅう)」の姿へと変身。一切後ろを振り返ることもしないまま、『赤い土の大陸(レッドライン)』を越えて『新世界』へと帰る為に天へと昇っていって。

 

「あ、カイドウさ――ええい、畜生め! ……おいお前ら、とっとと船に乗りやがれ! 『新世界』……『ワノ国』へ帰還するぞ!」

 

 それを見て、先に言われた通り、海岸に停めてある『百獣海賊団(じぶんたち)』の巨船に向かって、弱々しい足取りながらも早足で向かっていくクイーンと、その後を慌てて追う他の部下たち――には一切目もくれず、グングンとその身を上昇させていくカイドウ。

 

 ……そして、彼は確かに聞いた。わざわざ振り返らずとも、見聞色による「声」の感知――否、やはり何だかんだで親子だからか。数秒遅れてハッとした表情を浮かべたヤマトが、すぐにその顔色を――そこに在る感情は羞恥か怒りか、あるいは両方か――先ほどとは別の理由で真っ赤なそれへと変えた上で、次のように言い放ったのを。

 

「……う、うるさい! 大きなお世話だ! お――お前こそ! えと、その……! と……とっとと死ね!」

「…………」

 

 カイドウは何の言葉も返さず、振り返りもしないまま、ただ黙ってニヤリとした笑みを浮かべた。……誤解のないよう述べておくが、「死ね」と言われて嬉しかった訳ではない。かと言って、では具体的にどういう感情なのかと問われれば、相変わらず自分のことながら説明は難しいが――しかし、悪くない(・・・・)。それだけは確かだった。

 

 あのガキが、大きくなりやがった――数十分前、フレイに殴り飛ばされた時とは違い、今度は己の意思で上空を漂う雲を突き破りながら、カイドウはそう思った。無論体格的な意味ではなく、精神的な意味でだ。

 

 同時に、自分を相手に勝利を収めた――つまりは、少なくとも(・・・・・)現時点では(・・・・・)自分よりも強いに違いないイングナル・フレイと一緒にいる限り、愛娘(ヤマト)の安全は保証される。そして19年後には、そんな彼女の存在と互いのプライド、更には『ワノ国』の未来をかけて、改めてフレイと戦うことができる(・・・・・・・・)

 

 そう思うと、敗北によって失意の底に沈んでいた心に、ひと筋の光明が差し込んだような、そんな感覚さえカイドウは覚えることになって。

 

「ウォロロッ……!」

 

 だからこそ、カイドウは、

 

「ウォロロロロロロッ!!」

 

 全身を巡り始めた熱い血潮に促されるまま心底愉快そうに哄笑し、その上で――そのまま、昇っ(・・)て行った(・・・・)。『赤い土の大陸(レッドライン)』を越えて『ワノ国(しんせかい)』へと帰還する為に。

 

 「未来(タイヨウ)」に向かって。

 

 

  ◆          ◆

 

 

 ……一方、残されたフレイたちはと言うと、

 

「……ふっ、ぐっ、うっ……! ううぅっ……! ひっく……!」

「――っ! ヤマト……!?」

 

 フレイは驚いた。自身と同じように、カイドウが飛んで行った彼方を隣で見詰めていたヤマトが、突然泣きじゃくり始めたからだ。そして――どういう訳か、他ならぬヤマト自身も、不意に涙を流し始めた自分自身に対して驚いているようだった。次の彼女の台詞で、フレイはそのことを察した。

 

「うぅっ――えっ? あっ……ご、ごべん、フレイ……! ぞ、ぞうじゃなぐで――ごれは、ぢがぐで……! がなじいどか、ぞんなごどはだんじでなぐて……! ぷぐぅっ……! えっど……ぞの……!」

「お、おい……!」

 

 フレイは途方に暮れた。何が何だかわからなかった。故に、オロオロしながら、助けを求めるような視線を周囲に向けてみたが――現在の自分を鏡映しにしたような、困惑した表情しかなかった。

 

 いや、ひとり――唯一、日和(ひより)だけが何かに気づいたかのように、ハッとしたような表情を浮かべながら口元に手を当てていたが、その心を聞き出すよりも先に、フレイに声をかけるものがいた。

 

 ガープだ。ステューシーが言うには、『七武海』の座に就く権利を苦労して獲得した自分を気遣って、協定違反となるビッグ・マムやカイドウとの休戦の契りを結ぶこちらの姿を目にしない為に、あえて適当な理由をつけて、クザンと共に一時その場から離脱していた彼は――問題のふたり(カイドウとビッグ・マム)の「声」が諸島から離れたことに気づいたのか――いつの間にかその場に舞い戻った上で、

 

 「おう――『豊拳』、カイドウやビッグ・マムとの『雑談』は済んだのか?」

 

 と、聞いてきた。当然、クザンを伴った上で、だ。

 

 予期せぬ声かけと、その人物が、かつて奴隷の身に甘んじていた自分に「自由」を与えて「人間」に戻してくれた大恩人であるという事実を受けたことで、フレイの心臓が大きくバウンドし、「あ――はいっ……! え、ええと……!」と、大いに慌てた。

 

 実を言うとフレイは、カイドウに対する彼の娘(ヤマト)の件がそうであるように、ガープに対しても言いたいことがあるのだ。が、言うまでもなく、(事実上)嫁として貰ったばかりの、突如泣きじゃくり始めたヤマトを放置する訳にもいかなかった。

 

 そして当然、そんなフレイとヤマトの様子に気づかない訳がないガープが、

 

「あー……特に大した用がある訳じゃねぇし、取り込み中だってんなら、おれたちもサッサと本部に戻るが……? 今回の件について、おれたち自身の口から報告を聞かせろって、センゴクの奴がうるせぇし……」

 

 と、言った。マズイマズイ! フレイは慌てた。いくら政府公認の『七武海』――海軍とは味方同士の関係(の、筈だ)に事実上就任したとはいえ、こうして恩人(ガープ)と面と向かって話ができる機会が、これから先、何度もあるとは思えなかった。

 

 しかし――繰り返すが――当然のようにそれは、突如涙を流し始めた、カイドウから貰ったばかりの嫁のひとり(ヤマト)を放置していい理由にはならなくて。

 

 で、あるが故に途方に暮れていたフレイに対して、救いの手を差し伸べた者がひとりいた。この場にいる面々の中で、本人を除いては唯一、現在のヤマトの心情を理解しているらしい日和だ。

 

 ミニスカートのように丈が短い、黒の「ミニ着物」に身を包んだ、翡翠色の長髪と垂れ目が特徴的な彼女は、ヤマトの傍らに移動した上で、自分の目線よりもなお高い場所にある鬼姫の肘をポンポンと優しく叩くと、

 

「――ヤマト君」

「えっ……? あっ――びぃっ、日和(びより)……!」

 

 ビクリッ! と大きく肩を震わせた後で、ヤマトは、

 

「いやっ……! えっど……! ぞの……! ぢがうんだ……! ひっぐ……! ごれはべづに、お(どう)ざ――じゃながっだ……! ふぐぅっ……! あのバガに、ブレイどのゲッゴンをみどめられだのが……! どお回じにじゅぐぶぐざれだのがうれじいどが――えぐっ……! ぞういうごどじゃなくで……! あの……! ごべ――ごべん、なざい……! あいづは、おでんを……! 日和(びより)のおどうざんをごろじたやづなのに……! ふうぅっ……! もう、あいづなんがぢぢおやでもなんでもないっで……! いづじんでもがまわなびっで……! むじろ……がなうならぼぐが、いんどうをわだじでやりだいっで……! ぐずっ……! ぞう……ごごろにぎめだばずなのに……! ぞれなのび……! ごんな……! ごんなぁ……! うあぁ……!」

「大丈夫――大丈夫だよ」

 

 相変わらず大量の涙や鼻水をボタボタと流しているヤマトに対し、日和はあくまでも穏やかな口調で、

 

ちゃんと(・・・・)わかってるから(・・・・・・・)――大丈夫(・・・)

 

 と、言った。その上で、何やら意味ありげな視線を、日和がチラリとこちらに向けてきたことを受けて――事ここに至り、フレイはようやく、ふたりの恋人(なかま)の心情を理解することができた。

 

 フレイもまた、父親――彼の場合は母親もだが――に対し、悪い意味で並々ならぬ想いを抱いている点を踏まえれば、むしろ遅いぐらいだった。

 

 要するにヤマトは、何だかんだで嬉しかったのだろう。かなり遠回しではあるが、自分とフレイとの関係を、父親(カイドウ)から認められたことが。

 

 そして、彼が去り行く直前に残した言葉――「精々幸せになりやがれ」――あそこから、自分に対する、父親としての確かな愛情を感じ取ったに違いない。それが精神的な不意打ちとなって、彼女の涙腺を崩壊させてしまったのだろう、とフレイは推測した。

 

 これまでに一度たりとも、実の親らしい、思いやりのある言動を向けられたことがなかったからこそ、より強く心を揺さぶったに違いない、とも。

 

 先ほどの「とっとと死ね」というヤマトの返答は、言うまでもなく照れ隠しで――そして、そんな彼女の心の揺れ動きとその原因を、日和は即座に察したのだろう。互いの父親の関係性を踏まえれば、奇跡のような友情を育みつつも――共に、同じ(おとこ)に心身と、これからの人生のすべてを捧げた同じ(おんな)として、だ。

 

 そして――その上で、日和は間違いなくこうも言っていた。フレイに対して――泣きじゃくるヤマトの背中をさすりながらも彼に向けた、意味ありげな視線によって。ヤマト君は私が見ておきますから、その間にあなた様は、ガープ様に言うべきことを言って下さいませ、と。

 

 彼女が自分たちの仲間となってから、既に1カ月弱。その間に、自身の過去――幼き頃の不遇な時代や、そこをガープの手によって救われたこと等を、フレイは当然のように日和にも聞かせていて。

 

 それに端を発する機転と気遣いに、フレイは感謝した。感謝し、存分に甘えることにした彼は、一度だけ謝意を含めた視線を日和に向けながらコクリと頷いて見せると、

 

「――ガープさんっ!!」

 

 教え子(クザン)と並んで海岸に向かって歩くガープの背中に向かって、フレイが叫んだ。ガープがはたと足を止め、振り返った。

 

「あ? どうした?」

 

 目をパチクリさせながら、ガープが言った。クザンも――というよりは、周囲の人間全員の視線が自分に注がれていることを、フレイは強く意識した。まるで、何万人もの観客が見つめる演劇の舞台の上で、ただひとりスポットライトで照らされた役者のような気分だった。そのせいであっという間に喉が渇き、思わずゴクリと生唾を飲み込むフレイではあったが――ここで臆する訳にはいかない、と心中で己を叱咤した。何せ「こうした機会」を、約15年もの間待ち望んでいたのだから、と。

 

「ええと……その……。実は……前々から、アンタに――貴方に会ったら、言っておかなきゃいけないと思っていたことがあって……。要するに……あー……貴方はきっと、覚えていないかもしれないけど……」

 

 しどろもどろな口調でフレイが言った。口周りに局部麻酔でもかけられたかのように、唇と舌の動きが極端に(のろ)くなっているような気がした。まるで、言葉の並べ方もロクに知らない幼少期に戻ったかのようだった。

 

 それでも、フレイは何とか言うべきことを言おうとして――しかし、そんな彼の口上を遮る形で、ガープが次のように言った。

 

「――15年前の『ゴッドバレー事件』で、おれがお前を助けたことを、か?」

 

 フレイは息を飲んだ。自分にとっては忘れようがない人生の転機であろうとも、今や『伝説の海兵』とさえ称されているガープにとっては、ごくありふれた日常の一幕(ひとまく)でしかないだろうと思っていたからだ。

 

 命の危機に晒された民間人を間一髪のところで救っただなんて――それこそ、彼ほどの海兵がそうやって助けてきた人間の数は千や万ではきかず、だからこそ、その中でも自分ひとりだけを覚えているなんてことはないだろう、と。

 

 一抹の寂しさを覚えつつも、フレイはそう思って――というよりは、覚悟していて。

 

 だからこそ、先のガープのひと言によってフレイが受けた衝撃は、筆舌に尽くし難いものだった。驚愕と歓喜からくる、ビリビリとした電流のような感覚が足元から全身を駆け巡り、先ほどまでとは別の理由で言葉を失ってしまった。

 

 客観的に見て大袈裟なリアクションであることはフレイも自覚していたが――それでも、抑え切ることができなかった。イングナル・フレイという人間の「核」を成す、極めて重要な事柄であるが故に。

 

「……ああ、覚えてるぜ。あの事件は、おれにとっても印象深いものだったから、そのついでにな。それに――もしかしたら、自覚がねえのかもしれねえが――お前の外見は、ちと目立つ。忘れようにも、そう簡単にはいかねぇ」

 

 ガープが言った。その後で彼は、

 

「今回の件にしても――既に言ったかもしれねえが――『天竜人』をぶん殴ったお前に『対処』するよう指令が下されたのはクザンだけで、おれはそうじゃなかった。……が、それでも、下手人がお前であると知った以上、行かねえっつう選択肢はなかった。……ずっと、そういう機会に恵まれるのを待ってたんだ。2年前――『オハラ』の一件を受けて発行された、お前の『手配書』を見た時から、な」

「…………?」

 

 ガープが言わんとしていることがよくわからず、フレイは小首を傾げた。そんな彼の後方ではいまだにヤマトが泣きじゃくっていて、それを日和が根気強く慰めていた。

 

「……長く海兵をやってると、いつかは必ず経験する事案(こと)だ。かつて助けた人間が、何らかのきっかけで悪の道に堕ちて――結果、昔は助ける為に差し伸べた筈の自分の手で引導を渡すことになる、なんていう苦い経験(こと)は……」

「あっ……」

 

 ようやく、眼前の「英雄」の心境を察することができたフレイに対して、ガープは更に、

 

「――だからこそ、実際に、自分の目で確かめてみる必要があった。『オハラ』の顛末について記された資料を見ただけじゃ、どうにも判断できなかったからだ。お前が悪の道に堕ちたのか……。それともあの、クソッタレな(・・・・・・)ジジイ共(・・・・)の暴挙から、オハラの学者たちを救う為にやったことなのか……。まあ、恐らくは後者だろうっつうことは、何となく察してはいたんだが……。それこそ、『ゴッドバレー事件』の『ロックス』がそうだったように、どうしようもねえ奴の自分勝手な行動が、時として罪のない人間の命を救う『きっかけ』になることも、あるにはあるからな……。んでもって、お前がそうじゃねえっつう保証はどこにもなくて――」

 

 それまで、自身の足元を見つめながらボソボソと喋っていたガープが不意に顔を上げたかと思うと、フレイの顔に視線を固定させた。そのあまりにも真剣な眼差しに、フレイは思わずたじろいでしまい――だからこそ、不意にガープの口元に浮かんだフッとした笑みを見て、フレイは大いに安堵した。

 

「――だが、まあ、今回の戦いのきっかけになった『天竜人(ゴミクズ)』を殴った一件や、その後のお前の言動を実際に見聞きしたことで、ようやく確信できた。オメェは、『ロックス』の馬鹿とはまるで違う、自分が大事だと想う奴の為に命を懸けられる――どっちかっつうと、ロジャーに近い人間だってことを……。あの時、あの場所で――崩れた石壁に潰されそうになってたお前を咄嗟に助けたおれの判断は、間違ってなかったってな。だからこそ、お前と、お前の仲間たちを保護する形で、全員をおれの部下として受け入れてやろうかとも思ったが……」

 

 フレイの目頭がツンと熱くなり、喉元に何かがせり上がってきた。あの時、助けてくれてありがとうございました、と――そう言わなければと思った。()()()果たせなかった、命を救われた人間としての最低限の責務を果たさなければ、と。

 

 しかし、言葉が出てこなかった。というより、ほんのひと言でも言葉を発すれば、それをきっかけに感情が爆発し、ロクに言葉を紡げなくなる程の勢いで号泣してしまうと確信していたが故に、迂闊に口を開くことができなかった。

 

 そんなフレイの様子を知ってか知らずか、ガープは以下のように続けた。

 

「……見たところ、『九蛇』――引いては『アマゾン・リリー』とも、いつの間にか繋がりを持っているところを見るに、流石に厳しいか? そうなると、まあ確かに、『七武海』就任に伴う『恩赦』と政府の後ろ盾を得ることが、お前の仲間(おんな)たちの当面の(・・・)安全を保障する上での、最良の手段ではある……。どうしたって、大なり小なり『五老星』――あの『天竜人(ゴミクズ)』共に媚びを売るような形になっちまうってのが気に食わねえが、実際に連中のど……あー……他ならぬお前が、よく考え抜いた上で決めたことなら、な……」

 

 ガープがあからさまに言い淀んだ。自分がかつて『天竜人』の奴隷であったことをうっかり言いそうになった為に慌てて言い換えたのだと、フレイにはわかった。

 

 フレイとしては今さらそんなことは気にはしないが、確かに、今も興奮した面持ちで、手元のメモ帳に何かをガリガリと書き込んでいるモルガンズの存在を考えれば英断かもしれない、とガープに感謝した。射殺すようなステューシーの視線も何のそのと言わんばかりだった。

 

 そしてガープは、改めてフレイに対してクルリと背を向けた。フレイは慌てた。

 

「あ……あの! ガープさん……! その……! あの時、助けてくれて――」

「いらねえよ」

 

 海岸を目指してスタスタとした歩みを再開させながら、ガープがバッサリと切り捨てた。フレイは思わず口を噤んだ。

 

()()が海兵の仕事なんだ。いちいち礼なんか貰ってたらキリがねえし――それに、あの時、あの場所で、『天竜人(ゴミクズ)』共が例の胸糞悪い『腕試し』を行っている間、海軍(おれたち)お前ら(・・・)を助けるどころか、逃げ出すのを防ぐ為に島を囲っていたことを考えると、むしろ……。まあ、何はともあれ……」

 

 再び口ごもったガープは、ガシガシと片手で頭を掻いた後で――不意に、口元にわずかな笑みを浮かべた顔だけをフレイのほうに向けると、

 

 

 

 

 

「……ありがとよ(・・・・・)。おれと――そして、教え子(クザン)を助けてくれて。……強くなったな、お前

 

 

 

 

 

「……っ! あっ……!」

 

 その言葉がトドメとなった。フレイの目が見開かれ、その両端からボタボタと大量の涙が流れ落ちた。そんな情けない姿を大恩人(ガープ)に晒すなんて、当然フレイとしても御免だったが――家畜同然(どれい)の身だった自分を「人間」に戻してくれた英雄(おとこ)からの、純粋な感謝の言葉。……(こら)えることなど、できる筈もなかった。

 

「あんだの……おがげだ……!」

 

 俯き、両目を片手で覆いながら、絞り出すようにフレイが言った。そんな彼の背中を――相変わらず、モルガンズに対して脅すような視線を向けながら――ステューシーが優しくポンポンと叩き、一方で、泣きじゃくるフレイを見たガープは、カラカラとした笑みを浮かべると、

 

「ぶわっはっはっは……! じゃあ、おれはもう行く! ……ああ、この辺りの損害については気にするな――っていうのは難しいかもしれぇが……。とにかく、あまり気を揉むな! 幸い、民間の居住区への被害が、ほぼゼロであることは確認したし――カイドウとビッグ・マム(あのふたり)を交えての乱闘を行ったことを考慮すれば、これはマジで奇跡的なことだ――後で、復興の為に派遣されたおれらの同僚が、面倒なことは全部やっておくからよ!」

「あ……いえ、よければ自分も――」

「――気にするなっつってんだろ。第一、お前もお前で、アマゾン・リリーで何かやることがあるんだろうが? 詳しい事情は知らねえが――大人しく、そっちを優先しとけ!」

 

 言って、改めてぶわっはっはっは! と快活に笑ったガープは、顔の向きを元に戻し、改めて、フレイに対して完全に背を向けた上で、軽く上げた片手をヒラヒラを振って見せると、

 

「じゃあな――おれはもう行く! ……またな(・・・)! 次は、『七武海』就任の式典で会おうぜ!」

 

 それだけを言い残した上で、『月歩(ゲッポウ)』を行い、あっという間に彼方へと跳んでいく(・・・・・)ガープ。その大柄な体躯が、フレイの目から見て米粒程度の大きさになるまでほんの数分もかからなかった。結局、15年越しの礼を言うどころか、逆にそれを言われてしまったフレイではあったが、他ならぬガープがいらないと言った以上、これでよかったのだ、と彼は自分に言い聞かせた。

 

 そして、そんなフレイに対して言葉をかけた人間がひとりいて、

 

「……仮にもおれがライバルだと認めた奴が、そんなみっともなく泣きじゃくってんじゃねえよ」

 

 チッ、と気に食わなさそうに舌を打った後で、そう言った彼――クザンに対して、フレイは、

 

「グスッ――べづに、泣いでねぇよ……!」

「いやどう見ても泣いてるだろ……」

 

 そう応じたクザンは、直後に小さく吐息を零したかと思うと、

 

「一応、おれからももう一度だけ言っておくが……礼はいらねえからな? 逆に、おれからお前に言いたいことは――これも既に一回言ったが――ただひとつだけ……」

「……いや、お礼っつうか、確かにおれはお前に守られた立場だけど、そもそもそうなったのは――さっきの戦いで死にかけたのは、あのふたりに消し飛ばされそうになったお前を庇ったからで……」

「――おれからお前に言いたいことは、ただひとつだけだ」

 

 程なくして泣き止んだフレイの言葉など聞こえなかったかのように、クザンが反芻(はんすう)した。中々の胆力だった。

 

「おれがいつかリベンジするその時まで、絶対に誰にも負けんじゃねぇ。……おれより強い人間が、そう何人もいても困るからな」

 

 ――と、そう言って。

 

 ややあって、クザンも師匠(ガープ)の後を追った。『月歩(ゲッポウ)』によって、恐らくは『海軍本部』があるであろう彼方の方向へと跳んで行ったのだ。それが完全に見えなくなるまで、フレイはずっとその方向を見つめていた。束の間の静寂が、荒れ果てた66番GR(グローブ)を支配した。そして……。

 

「フレイ……」

「ん……」

 

 自分を呼ぶ声に反応し、フレイは後ろを向いた。そこには、自分と同じように既に泣き止んではいたものの、目元を真っ赤に泣き腫らしたヤマトがいた。自分もきっと似たような顔をしているに違いない、とフレイは思った。その上で、自分を見つめる面々を順に見渡した。

 

 いまだフレイの肩に手を置いたままのステューシーがいて、ヤマトの肘の辺りに手を当てた日和がいて、そのすぐ後ろしのぶがいて――オルビアがいて、ロビンがいて、シャーリーがいた。

 

 レイリーに、シャクヤク。グロリオーサが率いる九蛇海賊団に、ハンコック、サンダーソニア、マリーゴールドの三姉妹もいて――全員が、フレイを見ていた。ここまでの彼の健闘を称えるような、柔らかな笑みを浮かべながら、だ(モルガンズの存在は無視した)。

 

 フレイがここまで命懸けで戦ってきた「理由」。幼き日の自分と同じ目に遭わせない為に――その幸せを、日常を守りたいとフレイが願った、掛け替えのない仲間たちが。

 

 ……唯一、ハンコックだけが、股間のあたりをギュッと両手で押さえながら完全に発情しているとわかる表情でこちらを見つめつつ、ハアハアハアッ♡ と荒い吐息をついているのが少々不気味ではあったが(妹であるサンダーソニアとマリーゴールドが慎重に距離を取っていた)。

 

「……ガープさんが言ってた、ここの復興作業を任された海兵たちとかち合うと、色々と面倒くさそうだから、そろそろ行こう――いや」

 

 フレイは一度だけ(かぶり)を振ると、

 

「――帰ろうか(・・・・)! おれたちの(いえ)に……!」

 

 ニッコリと笑いながらそう言って――フレイは、自身が新たな皇帝を任された、『アマゾン・リリー』がある(と、思われる)方向へと視線を向けた。

 

 果てのない晴天と、広大な水平線が眼前に広がっていて――15年前、ガープに助け出され、覚えたての『月歩(ゲッポウ)』で『ゴッドバレー』から跳び立ったあの時と同じだ、とフレイは思った。

 

 違うのは、ただただ一方的に助けられたあの頃とは違って、今回の「これ」は、ある程度は自らの手で勝ち取ったものであるということと、手にしたものが、ひとつではなくふたつであるという点で。

 

 「自由」と――そして「平穏」が、そこにはあった。




 カイドウの別れ際の台詞に対してヤマトが発した「とっとと死ね」という台詞は、自分が好きなドラマのとあるワンシーンのオマージュです。ちなみに同ドラマシリーズ全体を通して一番好きな台詞は、「他に誰がいるんですか?」です。

 まあ大分昔の作品なので「?」となる人が大半かもですが(シリーズ自体は今も続いていますが、社会人になってからは多忙の為ろくに見れてません……)、とりま、心当たりのある人だけクスリとして頂ければ。

 次回、久々の濡れ場です。
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