TS転生して最強美巨乳魔道士になりましたが、精液が無いと魔法が使えません 作:ウッディ勃興
雲ひとつない青空に鳩の群れが飛んでいる。
露天商の声が飛び交い、多くの人が行き来する王都の中央通り。地味な色合いのフード付きマントを羽織った俺は、その人の流れから避けるように通りの隅を足早に歩く。時折、すれ違った通行人が違和感を覚えたのか鼻をひくつかせ、奇異の眼で俺を見る。まあ、真夏の昼前にこんな格好をしているのだから当たり前だろう。理由はそれだけではないのだが。
「ったく……」
耐えず浮かぶ汗を拭い、水筒から強い匂いの香草茶を喉に流し込む。氷冷魔法程度を使うのは
やがて俺はある建物の前で足を止めた。汚れひとつ無い白磁の壁のその建造物の入り口には銀色の龍と薄着の女性の精巧な細工が掲げられている。
この王国には各地に冒険者ギルドが存在するが、「
「………」
俺はその看板を見上げ──再び顔を伏せ、建物横の路地に身を滑らせた。明るく賑やかな表通りの喧騒を背に、日当たりの悪い湿った道を更に進む。
幾つもの曲がり慣れた角を抜けた先が俺の本当の目的地だ。路地の突き当り、覗き窓付きの苔の生えた木製の扉には小さな札が下げられている。
【
いつ見ても酷いセンスの店名だと思いつつ、俺は扉を独特のリズムでノックする。間もなく覗き窓にぎょろりとした大きな目が表れ、こちらを一瞥した。
「入りな」
ガラガラ声と共に目玉が扉から離れる。俺はフードを外しつつ店内に入った。饐えた匂いが鼻を突く。
あの「準備中」の札は常に掛けられており、実際のこの店は昼前から深夜まで営業中だ。薄暗い店はそこそこ広く、カウンターやテーブルには何人かの先客がおり銘々に酒を傾けているようだ。
さて、ここからはちゃんと「余所行き用」のキャラにしなくては。
「随分と機嫌が悪いわね。何かあったの?」
「銀龍の連中が最近はやたら因縁をつけてきやがってよ。このところ高額の依頼が減って、ワシらの食い扶持まで欲しいらしい」
俺の言葉に、この酒場の店主兼ギルド長である老ドワーフ「赤土のドゴ」は隻眼を不快そうに歪ませた。
そのままドゴはカウンターの中に戻り、踏み台の上に立つとこちらに向き直った。
「まあアンタの依頼をあいつらが受ける事は
「くだらない事を言ってないで。それで、条件に合うのは見つかった?」
汗を吸った銀髪をかき上げつつ俺は尋ねた。注文を待たずに
「
「なるほど……悪くないわね」
一般的には「クズ」としか言いようのないプロフィールに、俺は満足して頷く。あとは実地での確認か。
「もう来てるの?」
俺の質問にドゴは無言で目線を後ろに向けた。
「んおっ!?」
尻に突然の刺激。思わず「銀髪クールな魔道士の少女」のキャラを忘れた声が漏れる。
「ほうほう、思ったよりあるなぁ」
「……っ!」
「っとと」
軽い口調と共に大きな手が俺の尻を揉んでいる。ようやく刺激の原因を理解した俺は咄嗟に平手を打とうとしたが、それを読んでいたのか声の主は一歩飛び退いた。
「……身のこなしは及第点のようね」
「お褒めに預かり恐縮至極……ってな。
芝居がかったお辞儀して、その男は俺の体を無遠慮に見下ろした。160㎝ほどの俺の身体より頭ひとつ高い、180㎝前後といったところか。
30代前後のボサボサの黒髪に無精ひげを残した顔はお世辞にも上品とは言えないが、身に纏っている鎧や腰に提げた剣はおそらくは本人以上に手入れされている。紋章を削り取った跡が見える辺り、実際に近衛兵だった頃の装備なのだろう。
どうやら剣士としての腕前は問題なさそうだ。あとは肝心な「質」の話か。俺は振り向いてドゴに言った。
「上の部屋、空いてる?」
「今日はまだ
「汚さないわよ。撒き散らすような真似はしないし」
「そうだよな。アンタにとっては大事な大事なモンだ」
後ろからボルガノが茶々を入れる。どうもこいつは余計な事を言う性格らしい。あるいは俺に舐められないよう、あえて不遜な態度を取っているか。
俺は赤い瞳を可能な限り鋭く細め、首だけ向けて彼を睨んだ。視線を受け、肩をすくめてボルガノが笑う。
「俺は事実を言っただけなんだがな。『
「もう一度その名前で呼んだら、『最中』に噛み千切るわ」
全く、何でこんな異名で知られる事になったんだか。
顎の動きでボルガノを上階に促しつつ、俺は内心でため息をついた。
俺の名はリィリィ・ベルガノン。とは言っても、これは今の世界での名前で、そのまた前は──いや、その辺の説明は良いだろう。とっくに元の世界の俺は葬式も挙げられて、火葬まで済んでる筈だ。
まあ、元の世界では俺は男で、くだらない理由で死んで、神様から別世界に転生させて貰ったとだけ知って貰えればいい。
そこで「どのような運命を望むか?」と聞いてきた神様に俺は──今思えば、何とも馬鹿な願いだったのだが──剣と魔法の世界に生まれるならばと「最強の魔導士になりたい」と願った。結果、俺はその世界の魔導界の中でも名門として知られるベルガノン家に「娘」として生まれる事になった。女を希望したのは、たぶん当時の俺が男としての生き方に疲れていたからだろう。
そしてその家で俺は幼くして天才と呼ばれるようになった。常人が理解だけで数年かかる魔法論を数か月でマスターし、実践面でも初等魔法学では他とのバランスが取れないと飛び級で魔法大学院に12歳にして入学した程だ。
「この子は将来、歴代最高の宮廷魔導士になるぞ」
こちらでの俺の両親がそんな事を言って期待に顔をほころばせていたのが、偉く昔に思える。話が変わってきたのは俺が初潮を経験し、第二性徴期を迎えきった頃だ。
ある日突然、俺は魔法が使えなくなった。
それは本当に予兆がなく起きた。指を振るだけで使えたはずの
しかし──その原因は、他でもない神様がその日の晩の夢で教えてくれた。
『おい、どういう事なんだよ!?』
『慌てるな。お前が最強の魔導士である事は変わりない。ただ、お前が
──人間には、その人ごとの「容量」というものがある。それは肉体的にも、精神的にもだ。
そして優れた魔法を扱うには「巨大な魔力を操るだけの制御力」「その魔力を放つための出力」「体内に魔力を溜める貯蔵力」の三つが必要になる。
だが、生まれ変わったこのリィリィの身体に全ての素質を最大にする事は例え神でも無理が生じた。結果、制御力と出力だけを最大に──そして、貯蔵力はそもそも搭載されずに俺が生まれたという訳だ。最高級のエンジンを積まれながらスペースの都合でガソリンタンクを除外された車。それが今の俺らしい。
『つまり、供給さえ出来れば俺は魔法をまだ使えるんだな? 自給自足って言ったが、何をすればいい?』
『難しいことではない。世に溢れており、容易く集められるものだ……雄の精液を摂取すれば、それがお前の魔力の源になる』
『……は?』
あんまりな言葉に俺は絶句した。神様の話じゃ、処女の経血や幻獣の血液などに比べれば遙かに入手が容易だから、これでも優遇してくれたそうだ。クソったれ。
神様はそんな俺が納得したと思ったのか、夢の中から消え失せ──翌朝に目覚めた俺には、絶望感だけが残った。
そこからは酷いもんだった。俺の親たちは最初は何とか治療しようと試み──様々な行いが金と手間の無駄に終わり──絶望し、諦め──最終的に失望の視線を俺に向けるようになった。そりゃそうだろう。どれだけ素質があっても、常に男の精液を吸って魔法を使う魔導士が世に出られる訳がない。
そして、俺としてもそんな視線の中で永久に暮らすのは耐え難いものだった。最終的に俺は家を出て──誰も追ってはこなかった──僅かな可能性に賭け、太古の遺跡を回る
「くぅ……流石、上手いな。慣れてる、感じだ……」
それから数年──今の俺はこうして初対面の男のチンポから精液を搾りとろうと、ベッドに腰かける男の前に跪くように屈んで生臭い肉棒を咥えている。
「ンッ、ンっ、んぷっ……ぷはっ、股間は洗っておけって依頼に書いてた筈だけど、見落とした? わざと?」
「どうだったかな……まあ、アンタが綺麗にしてくれりゃ同じだろ?」
俺の抗議に涼しく答えるボルガノを上目遣いで睨みつけるが、ここで萎えられては余計に手間がかかるだけだ。眼前で赤黒くひくつく亀頭に舌を伸ばし、カリ裏に残っていた恥垢を舐め取る。
人間、必要にかられれば何でも慣れるもんだと実感する。嫌悪感は当然残っているが、それでも「嫌いなものを無理に食べる」くらいの覚悟でフェラチオが出来ている自分を我ながら不思議に思う。
「ちゅ、んっ、れろっ……」
「おぉっ……!」
反り返った竿からぶら下がる袋を柔らかく揉みつつ口淫を継続する。再び口を大きく広げ、竿を咥えこむ。女好きだけあって、こいつの肉棒はなかなかデカい。全部を呑み込むのは難しいかもしれない。
当初は自分が何をせずとも、適当な男に金を出してオナニーさせればどうにかなるのではと思っていた。
たが、駄目だった。確かにそれでオナニーを許諾した貧民などもいたが──それでは「薄い」のだ。
例えば
しかし吐き気を抑えながら嚥下した精液を魔力還元して、初めて放った炎の矢は──ちょろ火程度の、紙飛行機くらいの速度でへろへろと飛ぶような代物だった。
前の世界では「すっごい濃いのが出た」というスラングがあったが、その濃さと量が大事なのだ。その次に入手した精液はそこそこ逞しい青年に路地裏で俺の胸を見せながらオナニーして出して貰ったモノだったが、初回とは比べものにならない威力の炎が出た。
なので俺がこうして献身的に肉棒に奉仕しているのも、冒険中に新鮮かつ濃厚な精液を継続的に補給できるか確認する、それこそ自分の命に関わる重要な行為だからだ──重ねて言うが、本当だ。
「ううっ……そろそろ、出そうだっ……!」
「んぱっ、ちゅ、じゅるぅ……」
腰の震えからも射精が近いのが伝わってくる。俺は肉棒を咥えたまま、上目遣いに「このまま出せ」と伝え、動きを変化させる。
「んぶ、じゅる、ンッ、ンンッ!」
「うおっ! こ、こりゃ、効くっ……!」
口をすぼめつつ頭を前後に動かし、口腔内全体で竿を愛撫する。こいつのサイズでコレをやるのは何とも顎が疲れる。早めに達してくれると良いのだが。
「んぐっ、ンッ、んむぅ!」
「ぐ、ああっ! だっ、出すぞっ! 零すなよっ!」
大きな声と共にボルガノが背を反らす。それに合わせて俺は口の位置を調節し、亀頭だけが口の中に残る程度まで頭を退いた。喉奥で受け止めたら、全て嚥下しかねないからだ。
「おっ、おおぉっ!」
「……ッ!」
水鉄砲のような勢いで生臭く、熱い液体が俺の口腔内に放たれてゆく。竿の脈動に合わせて亀頭が暴れ、危うく口から離れそうになるのを唇の締め付けで食い止める。
「く、う、ふぅ……」
「……んぷっ」
幾度かの放出を終え、射精が止まる。絶頂の余韻の声を漏らす男をよそに俺は肉棒を解放し、羽織ったままのローブのポケットから小さなゴム製の袋を取り出した。口をそれに近づけ、零さないように気をつけつつ唇をゆっくりと開ける。
「っぱ……あ、あー……」
粘液のように濃い白濁液がゴム袋に流れ込んでゆく。口の中に一割だけ残して、ゴム袋の口を軽く結んで漏れないようにしてから俺は袋をローブの内側の別のポケットに入れた。これが「ストック」だ。
「ん、ごくっ……げぷ」
そして残った一割を嚥下して、目を閉じる。苦みと性臭が鼻と舌を刺激し、小さなげっぷが出る。
「ほぅ……ほんとに精液が還元されてるんだな」
軽い驚きを含んだボルガノの声。彼からは俺の身体が薄い光に包まれているのが見えるだろう。摂取した精液が身体に流れ込み、別の力に変わるのを自分でも感じる。この具合は──
俺は目を開け、立ち上がるとボルガノに手を翳した。
「
「おっ……?」
俺の手から放たれた光が彼の股間を中心に纏い付き、射精直後で流石に萎えていた肉棒に再び硬度を与えてゆく。
「……合格よ。今回の
どうやら、今回は
「そりゃ光栄だ。それで、俺はどうすりゃいい?」
「そうね、とりあえず……」
銀髪をかき上げ、俺は再び男の前に跪く。
「ここであと三発は出して貰うわ。道中でいきなり魔物と遭ったら、その場でセックスとはいかないから」
「嬉しいね。何なら三発と言わず、五発十発でも」
「いざって時に腰が立たない役立たずになりたいなら、そうしなさい……ん、ちゅっ……」
減らず口に冷たく返し、先ほど以上に膨らんでいる怒張にキスをする。
──今度こそ、この身体を治す手がかりが得られますように。
そんな事を考えつつ、俺は二度目の射精のための奉仕を開始した。