TS転生して最強美巨乳魔道士になりましたが、精液が無いと魔法が使えません 作:ウッディ勃興
「ぐび、ぐびっ……うぅ、痛たたたた」
いつもの「腐り龍とあばずれ」のカウンター。麦酒を呷った俺は腹筋の痛みに呻きを漏らしてぐったりと頭を下げた。グラスを磨きつつババロガが聞いてくる。
「なんだい、
「全身が痛いのよ……少し前に『筋肉強化』を連続で使っちゃって」
先日の銀雷との「収穫」は当面は搾精の必要がない程のストックを与えてくれたが、その代償として俺は深刻な筋肉痛に苛まされていた。
強化魔法は一時的に自分の肉体を魔力でブーストをしてくれる便利なものだが、立て続けに使えば馬鹿にならないフィードバックが返ってくる。腕も腹も腿も、あらゆる所が動かすと痛い状態だ。
では回復魔法を使えば良いのではという話になるのだが、神の力を借りて傷を癒す神聖魔法と違って通常魔法の「回復」はあくまで
「シャシャッ。そンなら神聖教会に行って治して貰ったらどうだい」
「冗談。あそこの寄付金の高さ、女将さんだって知ってるでしょ?」
神聖教会は優秀な神官を多く抱えており治癒や解呪、瀕死・仮死状態からの蘇生まで可能とされているが、それらを頼む際には「寄付金」という名目の高額の依頼料を請求される。幾ら痛いと言っても死にそうな訳ではないし流石に気が引けた。あとまあ──ここの神様を、俺は基本的に信用していない。
だが、そう答える俺は傍から見てかなり痛々しい様子だったのだろう。ババロガは少し考える様子を見せ、俺に言った。
「ふゥん……だったらリィリィ、
「……治癒士?」
治癒士。魔法などの超常の力を使わずに生薬や整体などで回復を行う職業だ。神聖教会や医師に比べれば格段に安く、庶民には利用する者も多い。
「えっと……いたた」
ババロガから渡されたメモを見ながら日当たりの悪い路地を歩く。歩こうと腿を上げるだけで痛い。
「『ファルマ診療所』……ここね」
俺の顔が写る程に磨かれた診療所のプレートを見上げる。玄関回りにもゴミひとつ無く、店主の丁寧さがそれだけで分かる。
「腐り龍とあばずれ」からはそこまで離れていない場所にその店はあった。ババロガ曰くまだ開業して間もないため料金も格安で、彼女が抱えている娼婦たちには行きつけにしている者もいるらしい。
俺はノブに手を伸ばして回そうとしたが、鍵がかかっているのか開かない。
そこでふと、眼前に吊るされた小さな札に目が留まる。
【診療中・防犯のため施錠中。お気軽にノックを】
なるほど。俺はノブから手を放し、軽く二度叩いた。
『はい、只今』
落ち着いた若い男の声。さほどの時間を置かずに覗き窓から少し顔が見え、続いて扉が開錠される。
「お待たせしました。どうぞ中へ」
「………」
「……何か?」
「あ、い、いいえ。何も」
──娼婦たちが行きつけにしているのは、ひょっとするとこの男が理由なのではないだろうか。出てきた男性を見て思わずそんな考えが頭に浮かんだ。
雑な表現で済ますならば「黒髪の美青年」とでも言えば良いのだろうか。清潔感のある貫頭衣めいた白い服に血色の良い肌。黒曜石めいた二重の瞳に女性のそれに負けない程の艶を保っている髪。すらりとした鼻筋は引き締まった口元へと続く。最近の俺が見た美形といえば
「えっと、私、リィリィ・ベルガノンって言います。ババロガさんの紹介で来たんですけど」
「ああ! あの人のご紹介でしたか。あそこのお店の方にはほんとに良くして頂いていて……おっと、失礼しました。ここで治癒士をしておりますファルマ・ボノスです。宜しければ、今後ともご贔屓に」
ババロガの名を出した俺に彼、ファルマは小さく驚くと微笑んで礼をした。促されるままに奥の部屋へと向かう。
「では、ベルガノンさん」
「リィリィで良いわ。あんまり苗字で呼ばれたくないの」
「……承知しました」
苗字の方で呼ばれるとどうしても家を出た前後の事が思い出されてしまう。俺の言葉にファルマは何かを察したのか頷いた。
「ではリィリィさん、初めての方ですのでご案内を。恐れ入りますが料金は先払いで、治療のコースをお選びいただく形になっています。追加料金などは一切頂きませんので」
「大丈夫よ。この辺りじゃ後払いだと揉めるお客さんも多いだろうし」
「はは、言われる通り開業したての頃は困らされました」
笑いつつ彼は「診察室」と書かれたドアを開ける。
薬草の匂いに包まれた室内には、様々な物が詰まった瓶が並ぶ棚、医学書などが並ぶ机、荷物置きと思われる台、二つの椅子にひとつのベッドなどが設置されていた。
「どうぞ、お座りください」
「はい……あ痛たたたたっ!」
「……なかなか深刻なようですね」
座るだけで苦痛に顔を歪ませる俺の前に座りつつ、ファルマは同情するような表情で腰かけた。
「筋肉痛ですね。痛むところは脚だけですか?」
「いえ、その、全身……かな。腕もお腹も足も、あと背中の筋肉もちょっと」
「そうですか、何か激しい運動を?」
「………」
「あ、失礼しました。ババロガさんのご紹介でしたものね」
流石に答え辛く言い淀む俺の様子にファルマは彼なりに推測して納得したようだった。微妙に勘違いされている気もするが、やった事が激しいセックスなのは間違いないので訂正せず頷く。
「それなら全身治療のコースが良いでしょう。料金としてはこの位になりますが……」
そう言ってファルマは机上のボードを取り、俺に差し出した。幾つかの治療コースと価格が書かれており、全身治療はその中では最も上だ。とはいえ、それでもその価格は神聖教会で擦り傷ひとつ治すのに請求される寄付金よりは安い。
「……分かったわ、これでお願い」
この値段で全身の筋肉痛が和らぐなら安いものだ。俺はローブから金貨を出し、ファルマに渡した。
「恐れ入ります。では、始めましょう。服を脱いでそちらに横になってください」
受け取った金貨をボードと共に机に置き、ファルマは俺をベッドに促した。
「脱ぐって……下着も?」
「全身治療の場合、薬剤を全体に塗り込まないといけませんので」
俺の問いかけに、棚から壺を取り出しつつファルマが答える。確かに壺の中にはとろみのある液体が入っているようだ。
まあ、言う事はもっともである。俺はローブを脱ぎ、ブラウスとスカートを外した。
「衣類は、そこの台に置いていただければ」
「ここね。あとは、ん……っと」
軽く畳んで示された台に置き、ベッドに腰かけてブラとショーツも脱ぐ。
重そうに揺れて現れる俺の乳房や銀の陰毛に彩られた秘所にも、ファルマは特に反応を見せない。
「寒くはないですか? 冷えるようなら暖炉を入れますが」
「大丈夫よ、ありがとう」
やはり女性相手の治療も慣れているのだろうか。全裸の俺に黒髪の美青年は動揺や興奮なども無く普通に気遣いを見せる。
テーブルに置いた壺に手を入れ、薬剤を掬うと彼は俺の正面に立った。
「まずは上半身から塗ってゆきます。そのままの姿勢で背筋を伸ばしていてください。肩の力は抜いて、少し、顎を上げて……」
「えっと……こう?」
「ああ、いいですね。ちょっと冷たいですけど、我慢してくださいね……」
「ンッ……!?」
強いミントのような香りが鼻をつく。両肩に乗せられたファルマの手が肩口からうなじにかけて動き、軽く揉みながら薬剤を塗り込んでゆく。
「ああ、確かにこれは酷い。腕も全然上がらないでしょう」
「えっ、ええ……ふぁっ」
首筋を撫でるように触れられ、思わず声が漏れる。続けて腕、そして脇へ。
「腕を上げてください。少しくすぐったいと思いますが、動かないで……」
「わ、分かったわ……んっ、くくっ……!」
「もうちょっとです……はい、終わりました。腕を下ろしていいですよ」
丁寧に脇を撫でられ、くすぐったさに勝手に身体が反応してしまう。笑いを堪えつつ終わるのを待っていると、ようやくファルマの手が離れた。
「じゃあ、ここからは下に行きます。痛みを感じる所があれば遠慮なく言ってくださいね」
「え、ええ……んあ、あっ……」
今度は乳房に薬剤が塗り込まれてゆく。釣鐘型の乳房を下から掬い上げるようにファルマの手は動き、下乳に差し込まれた手のひらが肋骨を優しく撫でる。
「はっ、あぁ、あぁん……」
「なるほと、ここで肩の筋肉が引っ張られてますね」
「あ、あの……」
「はい、どうしました?」
「……いえ、何も 」
薬剤が浸透してきているのか、ひんやりとしていた肌が熱くなってきている。それ自体は良いのだが──どうもファルマの動きに違和感がある。マッサージを兼ねている以上は揉む動作も含まれるのは分かるが、どちらかと言えばこれは愛撫に近いような──
「んひっ!?」
乳房の先端から痺れるような刺激が流れ込み、俺は思考の途中で声をあげた。ファルマの指が乳房から乳首周辺に移ったのだ。薄桃色の乳首と小さ目の乳輪は半透明の液体によって濡れ光り、薬剤の効果と刺激からか突起し始めている。
「ちょ、そ、そこっ……!?」
「すみません、痛かったですか?」
「いや、い、痛いとかじゃ、なくって……ンンッ!」
ファルマの口調には全く変化がない。まるで感じている俺の方がおかしいのかと思えてくる程だ。
「次は背中を塗ります。うつ伏せになってください」
「わ、分かりました」
そこから腹まで薬を塗り終えたファルマの言葉にとりあえずは従い、俺は横になった。
「……まさか」
「はい、何でしょう?」
「あっ……ごめんなさい、只の独り言よ」
ふと、俺の中にある記憶と共に疑念が沸いた。金稼ぎのために一日だけ娼婦を勤めた時に遭遇した、俺を雌堕ち寸前まで追い込んだ「薬屋」と呼ばれる中年男性。あいつも常に穏やかな落ち着いた態度で相手を安心させ、気付いた時には快楽の沼に引きずり込んでいた。もし
「それでは、失礼します……整った背中をされていますね、塗り易くて助かります」
「そんなに背中に違いがあるの?」
「ありますね。ゴツゴツした背中の方とかだと先に整えないといけなかったりで」
だが、そう決めつけるにはひとつ疑問が残る。この男の治療を推薦したのがババロガであり、あの店の手練れの娼婦たちだという事だ。快楽堕ちした娼婦たちにババロガが騙された? いや、何年も彼女らの世話をしてきたババロガはその日の首の角度ひとつで彼女らの好調不調を見抜ける。少しの態度の違和感でも気付ける筈だ。
「リラックスしてくださいね。大きく息を吸って、吐いて……」
ベッド横に立って上体を傾け、ファルマは俺の背に薬剤を塗ってゆく。真意はどうあれこの薬の効果は確かなもののようだ。最初に塗られた肩口に感じていた筋肉痛は早くも和らぎ、腕を動かしても痛みはない。
しかし──本当にこの男が俺を快楽堕ちさせようとしているのなら厄介なことになる。今の俺は体内の魔力はゼロの状態で、魔法を使うにはローブ内の精液を飲む必要がある。筋力強化を使わなければ平均的な少女と同程度の腕力しかない今の俺に抵抗が可能だろうか。加えて薬剤を塗りつつ解してくるファルマのマッサージは実際に上手く、心地よさに集中しづらくて──
「ふぅ……よし、背中を塗り終えました。このまま下の方に行きますね」
「……!?」
そんな事を考えている内にファルマの手は背中から腰回りに移っていた。しまった、一番ヤバい個所を押さえられた。
「ああ、ここも酷い。パンパンですよ」
「ん、くっ……」
腰から尻にかけてのラインを揉まれつつ薬を塗られてゆく。やがてその手は外側から内側へと進み、伝わってくる刺激に堪えようとしても声が漏れてしまう。
「それじゃ、失礼します……」
「ふぁあっ!?」
断りのひと言があったとはいえ、思った以上に直接的にファルマは俺の秘所に触れてきた。内腿を揉みながら、親指で陰唇を弄ってくる。
もはや疑う余地はない。こいつは俺を感じさせようとしている。力の入らない身体を捩りつつ、俺は言った。
「ちょ、ちょっと、何のつもりっ……!?」
「はい?」
「貴方っ、これ、療法とは関係ない、やつを……!」
「ええ、そうですが」
あっさりとした返答に俺は思わず動きを止めた。
「え?」
「えっ?」
一方のファルマも俺の反応が予想外だったのか動きを止め、首を傾げる。まるで「何を当たり前のことを」と言いたいように。
奇妙な沈黙が暫く流れ──
「……あ!?」
何かに気付いたようにファルマが声をあげ、俺に聞いた。
「すいません、リィリィさん……ひょっとして、
「そ……『そちらのサービス』?」
「あぁ……ババロガさん、そこの説明はされていなかったんですね」
予想外の言葉に驚く俺に、ファルマは納得したように頷いた。
「ここの診療なのですが、女性のお客様向けの無料オプションとして私が奉仕させていただくサービスを加えているんです」
「何でわざわざそんな事を。診療の腕だけで十分じゃないの?」
俺の言葉にファルマは首を振る。
「……治療士の世界では、私みたいな若者はそれだけで未熟者扱いです。腕にしても数十年やられているベテランの方々にはとても敵いません」
「だから、女性相手のサービスを?」
「ええ。幸いこの辺りのお客様には仕事に疲れた娼婦の方も多く、好評をいただきリピーターにも繋がっています。本来、初診のお客様には確認した上で行うのですが……ババロガさんのご紹介との事でしたので、既に把握した上で来られたものかと」
「………」
まあ、ババロガの紹介で裏通りのこの店に来たとなれば俺が「腐り龍とあばずれ」に勤めている娼婦のひとりと誤解してもおかしくないだろう。筋肉痛の説明をした時に「客との激しいセックスの後遺症」と勘違いしたのを訂正しなかったのも悪かった。
俺の警戒が解かれたのを察したのか、ファルマは俺に尋ねてきた。
「どうしましょう、リィリィさん? 差し支えなければ、ここから普通の治療のみに移らせていただきますが」
「……いいわ、『そっちのサービス』込みでこのまま続けて」
相手に悪意がない事が分かったからか、緊張が解けた俺の身体は中途半端な疼きを再燃させていた。自分の身体ながら無責任なものだ。うつ伏せのまま軽く尻を上げ、行為の継続を求める。おそらくファルマには潤み始めている俺の秘所が丸見えになっているだろう。
「恐れ入ります。では……改めて、失礼を」
「んっ……」
俺の言葉にファルマは応え、再び太腿に触れてきた。心地よいマッサージと共に秘唇を弄られる快感に、ぴくんと腰が震える。
「ふうっ、ん、んむっ……」
ファルマの愛撫は細かく、丁寧だ。高くなりそうな声を枕に顔を埋めて抑えていると、動きを止めないまま彼は言った。
「……リィリィさん、男性から『可愛い』って言われません?」
「ッ!? ぷはっ、な、何よ、急に……!?」
「いえ、何となく……私がそう思ったという、だけなので」
「だけって……んあぁっ!」
秘唇から指が離れたと思いきや、今度はふくらはぎに手が移った。痛みと快感に同時に襲われ腰が跳ねる。更にそこから足首、爪先へと。
「あふっ、はっ、あぁ……」
「ふぅ……リィリィさん、宜しいですか?」
「ふぇ?」
全身に力が入らず、気の抜けた返事をする俺にファルマが言った。
「最後に『
「方法?」
「はい、指が、器具か……あるいは、
彼の言葉にふわふわと視線を動かし、股間に目が留まる。口調こそ平静だが、ゆったりしたズボンの上からでも膨らみが見て取れた。
「(勃起してるんだ、俺の身体で……)」
俺の中の「女」の部分が反応しているのだろうか。何故か少し嬉しく感じてしまう。
俺はうつ伏せのまま脚を気持ち広げつつ答えた。
「貴方のでお願い……私の
「……恐縮です」
ファルマは頭を下げ、ズボンの留め具を外した。想像していたより逞しいペニスが露わになり、そこにゴム製のサックを嵌める。
「ヒリヒリするようならすぐ止めますから、言ってくださいね」
そのサックの上から薬剤を垂らし、肉棒全体に塗布する。ベッドに上がったファルマは後ろから俺の尻を抱え、先端を膣口に添えて軽く擦った。
「ンンッ!」
それだけでビクンと身体が震える。
「だ、大丈夫、みたい……このまま、早く……」
「分かりました。身体に負担がかかりますから動かなくて良いですよ。では……ん、くっ……」
「んあぁっ!」
腰が押さえられ、ずぶずぶと後ろから挿入されてゆく。「動かなくて良い」とファルマは言ってくれているが、勝手に腰がくねり、膣壁は待ちわびていた肉棒を締め付けてしまう。
「くうっ……凄い、締め付けです。リィリィさん、お店で、人気なんでしょうね……」
「あっ、ふぁ……しょ、娼婦は、やってないわ。似たようなことは、仕方なく、してる、けどっ……!」
「それは、失礼っ……ほっ、んんっ」
「あぁんっ! な、なか、ゴリッ、てっ!」
文字通り隅々まで薬剤が行きわたるようにしているのだろう。ファルマは抽送の度に微妙に角度を変え、ゴリゴリと膣壁を擦ってくる。
押し寄せる快感に俺はそのまま身を任せ、ベッドの上で激しい嬌声をあげる。
「ひっ、ぎっ! いっいいっ! なかっ、ひんやりして、あつくって、いい、よぉっ!」
後ろから突かれる度に乳房がゆさゆさと揺れる。一方でファルマも快感を堪えているのが、息が荒くなってきていた。腰の動きを止めないまま俺に言う。
「も、もうちょっと、です、からねっ!」
「やっやあっ! もっと、もっと擦ってっ! 中途半端じゃ、なく、って! ちゃんと、イカ、せてぇっ!」
子供がいやいやをするように首を振って訴える。ここで抜かれて終わりでは生殺しだ。
「分かり……ましたっ! ふうっ、ぐ、くうっ!」
「んっひぃっ!」
悲鳴めいた声が抑えられない。抽送の速度が上がり、奥を連続で突かれ絶頂に導かれてゆく。
「あっあっああんっ! イ、イクっ、イクぅぅっ!」
「リィリィ、さんっ……!」
ファルマの腰が震え、サック越しに射精したのが分かる。
同時に達したことに奇妙な嬉しさを覚えつつ、俺はぐったりと身を横たえた。
「ねえ、女将さん」
「なんだい?」
「あの店の『サービス』、言い忘れたんじゃなくってわざと黙ってたんじゃないの?」
「ああ、そうさ」
翌日の「腐り龍とあばずれ」のカウンター。俺の言葉にババロガは涼しい顔で答えた。
「だってアンタ、それを説明したら断ってたろ?」
「そりゃ……もちろん」
「それじゃダメよ。アンタ最近、男運も悪かったりで色々と溜まってたでしょ? そういう時は、やれ『魔力のために』だとか『仕事で』だとか抜きで色々とサッパリするのが一番なのさ」
「だからって……」
「それに、見た限り効果はあったようじゃないか」
反論しようとした俺にババロガが口元を歪めて言う。
「……まあ、ね」
そこは否定できず、やむなく頷く。
実際、ファルマの腕は確かだった。一日明けた俺の身体に痛みは全く残っておらず、それどころか蓄積していた疲れすら全て取れた気がする。
「アタシの読みじゃ
「しないわよ、そんなの」
──そう言いつつもまた疲れが溜まってきたら、たぶん行ってしまうのだろう。
内心ではそんな事を思いつつ、俺はババロガに答えた。