漫画家志望の俺に義理の母と妹が出来たんだが、妹から一緒に漫画を描きたいと持ち掛けられた件 作:チャンドラ=グプタ
「ほら、和馬。この二人がお前の新しい家族だぞ!」
父さんの口から発せられたこの言葉を未だに信じることが出来ずにいる。
何せ、昨日まで俺の家族は隣にいるこの父だけだったのだから。
この俺、
中学時代の頃までは、父である
ちなみに一人暮らしは父さんの提案で、進学や就職した際の予行練習に……ということで始めた。
俺にとって一人暮らしは思いのほか快適で楽しく、順風満帆な高校生活を送っていた。
今の一人暮らしがこれからも続くのだろうと考えていた矢先、
『和馬……実はな。俺、再婚することになったんだわ!』
約一週間前、父さんから電話で再婚の知らせを告げられた。
再婚相手の女性は職場の取引先の人で、一緒に食事を重ねていくうちに仲が深まり、再婚に至ったらしい。
また、交際後に知ったらしいが、相手には年の近い子供がいるとのこと。
父さんは再婚したら、俺に相手の女性と連れ子を紹介したいと考えていたらしく、こうして喫茶店で顔合わせをしているというわけである。
頼んでいたアイスコーヒーをストローで啜ると、コーヒー特有の苦みが舌を刺激した。
「初めまして、和馬君。
柔和な笑みを浮かべる真美さんに思わずドキッとした。
真美さんの年齢は三十五歳とのことだが、とてもそうとは思えないほど若々しい。
二十代……いや、十代と言われても信じてしまいそうだ。
艶のある長い黒髪にパッチリとした大きな双眸と、見た目もかなり麗しい。
そして、思わず真っ先に目が行ってしまったのが白いトップスを押し上げる巨大な
「は、初めまして……こんな不甲斐ない父と結婚してくれて、ありがとうございます」
「おいおい。何だよ、和馬。不甲斐ない父親って! 母さんが居なくなってから、男手一つでお前を育てたってのに~」
「ま、まぁ。それは感謝してるけどさ……」
「うふふ。和馬君は恥ずかしがり屋さんなのね。可愛い。ほら、結衣も自己紹介しなさいな」
真美さんの隣に座っている少女がゆっくりと顔を上げた。
少女は先ほどからずっと顔を伏せていたため、俺はこの時に初めて目が合った。
「ゆ、
結衣という少女はたどたどしく挨拶をした。
地味でおとなしそうな子というのが、第一印象であった。
よく見ると真美さんに似て整った顔立ちをしているものの、黒縁のメガネを掛けているせいなのか、どうしても野暮ったさが拭えない。
「ごめんなさいね。この子、緊張してて。いつもはもっとよく喋るんだけど……」
「はっはっは! 気にしなくて良いさ。和馬、結衣ちゃんはな。お前の一つ下なんだぞ。いやー、良かったな。可愛い妹が出来て!」
「あ、うん……そうだね」
俺の一つ下なのか。見た目的にもっと年下なのかと思った。
こうして新しい母と妹が出来たわけだが、いまいち実感が湧かない。
家族になったとしても、血が繋がっているわけではない。
どうしたって他人行儀になってしまう。
「それで……突然なんだがな。今日から真美さんと結衣ちゃん。ウチで暮らすことになったから、失礼のないようにな!」
「えぇ!?」
俺は驚きのあまり、マ〇オさんのような声を出した。
一緒に暮らすだって!? 冗談じゃない。
いや……再婚するんだし、いずれは一緒に暮らすことになるとは考えてはいたが、今日からなんていくら何でも急すぎる。
こっちは何の準備もしていないんだぞ。
「あら。勉さん。和馬君に伝えてなかったの?」
「うん。和馬をびっくりさせようと思ってな。あはははは!」
「わ、笑いごとじゃないだろ! てか、父さん。こっちに戻ってくるのか?」
「ああ。この前、辞令が出てな。こっちの職場に移ることになったんだ。まぁ、引継ぎとかあるから戻るのは再来月になるけどな。当面の間は三人で暮らしてくれ。部屋は余裕あるだろ?」
「まぁ……確かにそうなんだけど」
俺の住んでいる家は一軒家であるため、俺が一人で暮らすには充分どころか部屋が有り余っている。
父さんの言う通り、真美さんと結衣が生活する分には困らないだろう。
問題は俺の方だ。
急に新しく出来た家族――それも女性二人と暮らすだなんて、気が休まらない。
「だろ! そういうわけで、真美さん。俺がこっちに戻ってくるまでの間、うちの息子をどうかよろしく頼む」
「任せて、勉さん! 和馬君、今日からよろしくね」
「は、はい……」
俺は断ることが出来ず、今日から一緒に暮らすことを認めてしまった。
四人でしばらく雑談した後、俺達は喫茶店を出ることにした。
「それじゃ、みんな。また、再来月にな! 真美さん、二人をよろしく」
「うん! 子供達のことは私に任せて頂戴。勉さんもお仕事頑張ってね!」
父さんは東京に戻るらしく、駅の新幹線改札口まで父さんを見送った後、俺は早速二人を家へと案内した。
家までは結構距離があるため、市営の巡回バスで向かう。
バスに乗っている間、俺は真美さんと会話していたのだが、結衣は一言も喋らずにスマホを弄っていた。
緊張しているのか、警戒されているのか……
いずれにしても義理の妹と上手くやっていけるのか、とても不安になってくる。
最寄りのバス停を降り、徒歩五分ほどで家の前に到着した。
「着きました。ここが俺の家です」
「とっても素敵なお
結衣は「うん……」と蚊の鳴くような小さな声で相槌を打つ。
ひとまず俺は二人をリビングに招き入れた。
「すみません、散らかってて……」
改めて見ると、リビングは酷い有様であった。
床には俺が脱ぎ散らかした服が落ちており、テーブルにはカップ麺の空がいくつも置いてある。
家事は不得意という訳ではないが、一人暮らしだとどうしても気が抜けてしまう。
それにここ最近は訳あって忙しく、カップ麺中心の食生活になっていた。
「ううん。散らかすのは男の子の特権みたいなものだから別に気にしないけど……この食生活は見過ごせないわね! カップラーメンばっかりじゃない」
「み、見過ごせないと言いますと……?」
「これからは毎日、私が栄養満点な料理を作ってあげます!」
真美さんはドンと自身の胸を叩いた。揺れた。
「あ、ありがとうございます……」
「それで和馬君、何か嫌いな食べ物とかある?」
「いや、特には無いですけど……」
疲れている時は炭水化物メインの食事になることが多いものの、特にこれといって食べれないものはなかった。
強いて挙げるとしたら、昆虫食か……
今話題の食用コオロギとか、あれ美味しいのかな。
「そうなの! 偉いわね。結衣なんて、ピーマン食べれないのよ! 本当に困った子で……」
結衣は不機嫌そうにプイと真美さんから顔を逸らした。
まぁ、ピーマン苦いし気持ちは分からないでもない。
「和馬君、家に食材は何かあるのかしら?」
「すみません、ほとんど無いです。今日もカップ麺にするつもりだったので……」
カップ麺が身体に良くないと頭では理解しているものの、手軽に食べるにはうってつけなのである。
「そう。なら、買い出しに行こうかしら。和馬君、この辺にスーパーはある?」
「あります。けど、俺が買いに行ってきますよ」
元々、今日は買い物に行く予定だった。
もっとも、目的の物は食材ではなく別にあったのだが。
「なら、お願いしようかしら。結衣、あなたも一緒に付いていきなさい」
「え!? いやいや、俺一人でも大丈夫ですよ!」
さすがに結衣と二人きりとか気まず過ぎる。
それに、一人で買い物に行きたい理由もあった。
「せっかくだし、二人には交流を深めて欲しいのよね。和馬君、お願いできない?」
真美さんは期待に満ちた目でお願いしてきた。
ぐ……! そんな目で頼まれてしまっては断りづらい。
「わ、分かりました……」
「ありがとう! 結衣、和馬君と仲良くするのよ」
結衣は「分かった」と小さく呟いた。
こうして結衣と共に買い物に出掛けたのだが、予想通り気まずい時間を過ごす羽目になった。
「ゆ、結衣ちゃんはさ……何か、好きな食べ物とかある?」
「カレー……」
「カレーかぁ! うん、美味しいよね。俺、よくカレーメシ食べるんだよね」
「そうなんだ……」
スーパーに着くまで色々と結衣に話しかけては見たものの、どれも反応が薄い。
やっぱり嫌われているのだろうか。
「好きなスポーツとかある? 俺、中学までサッカー部でさ……」
「ない……スポーツ、苦手」
「そっか、そっか! まぁ、得意なことはフレン……人によってそれぞれ違うからさ!」
あかん。この空気感に堪え切れなくなり、思わずサー〇ルちゃんのようなセリフを口走ってしまった。
「ふっ」
えっ!?
見間違いか、結衣が一瞬声を出して笑ったように見えた。
まぁ、気のせいだろう。
この子がけ〇のフレンズを知っているとは到底思えない。
待っていた信号が青に変わり、等間隔で白にペイントされた横断歩道を渡ると、スーパーの前に辿り着いた。
「えっと、確か買うものはと……」
真美さんから渡されていたメモを取り出す。
メモに書かれているのはカレーの材料で、他にも何か必要なものがあれば買っていいと言われている。
買い物かごを手に持ち、ジャガイモに人参、豚肉といった具材を入れる。
「ねぇ、お兄さん」
お菓子コーナーを通ろうとすると、結衣が俺の服袖を引っ張った。
お兄さんか……
なんだかちょっと照れくさいな。
「ん、どうしたの?」
結衣は棚からウェハースチョコを三つ取り出した。
包装には、某有名アニメのイラストが描かれている。
「えっと……結衣ちゃん。これ、買いたいの?」
「うん!」
おぉ……今日一番の大きい声だ。
必要なものがあればメモしたもの以外にも買っていいとは言われていたものの、少し気が引けた。
「いつも買ってもらってるから……大丈夫。お母さんも……特に気にしない」
俺の考えを汲み取ったのか、結衣がそう告げる。
「そ、そっか。じゃあ、これも買おうか」
結衣からチョコを受け取り、かごの中に入れた。
「お兄さんも……もしも他に……必要な物があったら……入れて」
結衣はボソボソと小さな声で話す。
あぁ……なんか小動物みたいでなんか可愛いな。
なんというか、庇護欲的なものがそそられる。
「うん。ありがとう、結衣ちゃん!」
食材の他にも、洗剤やシャンプーといった日用品も買うことにした。
これから三人で生活するうえで、必要になると考えたためである。
真美さんから渡された一万円で会計を済ませ、スーパーから出る。
「結衣ちゃん。ちょっと寄りたいところがあるんだけど、いいかな?」
「え、うん……」
俺が向かったのは、スーパーから少し離れた場所にある行きつけの文房具屋。
ここで買いたいものがあった。
店の中に入り、目的の物を探す。
「あった、あった……」
漫画製作に必要な物が置いてある棚からスクリーントーンを手に取った。
ちなみにスクリーントーンとは、網点やカケアミといった模様が入った切り貼りして使えるシートである。
これを買うところをあまり結衣に見られたくはなかったのだが、仕方ない。
「お兄さん。それ、スクリーン……トーン?」
どうやら結衣はスクリーントーンを知っているらしい。
スクリーントーンの存在を知らなければ、誤魔化しようもあるかと思ったが難しそうだ。
「まぁ……うん」
「お兄さん……漫画……描いてるの?」
結衣が訊いた通り、俺は漫画を描いている。
このことは父さんにも言っていない。
ちなみに漫画を描き始めたのは、高校生になってからである。
「まぁね……あの、結衣ちゃん。このことは真美さんには内緒にしておいてくれないかな?」
真美さん――というよりかは、父さんに知られたくなかった。
真美さんがこのことを知れば、父さんに伝えるかもしれないからだ。
「うん……分かった」
「ありがとう。それじゃ、会計してくるから!」
スクリーントーンの会計(勿論、俺の自腹である)を済ませ、俺達は家に戻った。
リビングでは真美さんが掃除機を掛けていた。
「お帰りさない、二人とも。買い物、ありがとうね」
真美さんは掃除機の電源を切り、お礼を述べた。
「いえ。真美さんこそ。掃除、ありがとうございます」
「いいのよ。これくらい。あと、和馬君。帰ってきて早々に悪いんだけど、結衣に家の中を案内してもらえないかしら?」
「分かりました」
買ってきた食材を冷蔵庫に入れた後、結衣に部屋を案内した。
まずは一階にある部屋から案内する。
ちなみに一階には和式の部屋があるため、真美さんにはそこで寝てもらう予定である。
階段を上って、結衣と共に二階に向かう。
俺の隣にある部屋を案内した。
「ここが結衣ちゃんの部屋にしようと思うんだけど……どうかな?」
この部屋の中には本棚と机があるだけで、俺は書斎として活用していた。
「おぉ……本が……いっぱい……!」
結衣はキラキラと目を輝かせていた。
本棚には漫画や小説といった、俺が買った本が置いてある。
「ここにある本は自由に読んでいいからね」
「ほ、本当……?」
「うん。結衣ちゃん、本が好きなんだね」
「うん……ありがとう、お兄さん」
結衣に一通り家の中を案内した後、俺は自分の部屋で漫画を描いた。
今描いているのは賞に応募するためのもので、内容は冒険ファンタジー漫画である。
笑いあり、涙ありの超大作に仕上がる予定だ。
まだペン入れが終わってないページが何枚か残っている。
賞の締め切りまで日数が少ない為、俺はとても焦っていた。
少しでも製作の時間に充てたかったが、今日はバタバタしてあまり進めることが出来ないでいた。
「和馬くーん! ご飯出来たわよー」
扉越しから真美さんの呼ぶ声が聞こえてきた。
「はい。今行きます!」
部屋から出て、リビングに向かう。
リビングのテーブルにはサラダの入ったお皿と取り皿が置いてあった。
結衣はソファーに座って、本を読んでいた。
結衣が呼んでいるのは書斎に置いてあった本で、それは某有名バスケ漫画である。
夢中になっているせいか、ソファーに脚を乗せて読んでおり、スカートからパンツが丸見えであった。
結衣の生脚、細くて綺麗だな。
それにパンツ、白い……って、何を見てるんだ。いかんいかん!
俺は結衣のパンツから視線を逸らし、テーブルの椅子に座った。
うっ……やばい。自分の意思とは無関係に愚息が反応してしまった。
早く鎮めねば。
「コラ! 結衣ったら、そんなはしたない恰好で本を読まないの。年頃の男の子だっているのよ!」
結衣は「はーい」と小さく返事をし、俺の隣にある椅子に座った。
真美さんはカレーが入った鍋を運んできてくれた。
「さてと! それじゃ、二人とも食べましょうか」
「はい。いただきます」
この世の全て……いや、作ってくれた真美さんに感謝を込めて、俺はいただきますをした。
スプーンでカレーを掬い、一口入れた。
「真美さん、すっごく美味しいです!」
お世辞ではなく、本当にカレーは美味しかった。
口に入れた瞬間、まるでインドが見えてきたような……これが領域展開というやつなのか。
自分で作ると至って普通の味であるが、真美さんが作ったカレーはコクがかなり深い。
「和馬君に気に入ってもらえてよかったわ!」
真美さんは食事中に学校での出来事など、色々と訊いてきた。
こんな風に誰かと話をしながら、食事するのは久々である。
一方、結衣は一言も喋らずに黙々と食事をした。
料理を食べ終わった後、食器を台所へと持っていった。
食器を洗おうと思い、蛇口を捻る。
「あら。私が洗うから、和馬君はゆっくりしてていいのよ?」
「あ、いえ。俺、洗いますよ。いつもはやってますし……」
「そうなの。なら、お願いしようかしら。私、お皿を拭くわね」
「ありがとうございます」
スポンジに洗剤を垂らし、泡立てた。
ゴシゴシとスポンジで擦り、食器を洗っていく。
「和馬君。結衣とは上手くやっていけそう?」
「そうですね……結衣ちゃんとはまだあまり話せてないですが」
「ごめんなさいね。あの子、人見知りだから」
「いえ。あの……結衣ちゃんって漫画が好きなんですか?」
結衣と交流を深めることが出来そうな話題、それは漫画である。
漫画の話であれば、結衣とも打ち解けることが出来そうだと思った。
「そうなのよ。あの子、昔から漫画が好きでね。和馬君も漫画読むの?」
「ええ、まぁ。よく読みます」
俺の場合は読むだけではなく、描いてもいる。
俺の将来の夢は漫画家であるが、父さんには隠している。
私生活に関してだらしないはだらしない父さんだが、意外と現実的なところがある。
以前、父さんから一流大学に進学して、公務員や大企業に勤めて欲しいと言われたことがある。
レールに敷かれた人生というのも悪くはないのかもしれないが、俺は漫画で自分を試したい。
「そうなんだ。私は漫画のこととかよく分からないけど、結衣のことよろしくね!」
「はい。任せてください」
「ところでお風呂のことなんだけど……和馬君、今日は湯船に入る?」
お風呂という単語にドキッとした。
当たり前のことなのだが、一緒に暮らす以上は真美さんや結衣も風呂場を使うんだよな。
「あ、いえ……今日はシャワーだけにします。もしも湯船に浸かりたかったら、俺に気にせず自由に使っていいですから」
「そう。分かったわ」
皿洗いが終わると、俺は真美さんに伝えた通り、シャワーを浴びることにした。
風呂場から出た後、そのまま脱衣所で歯磨きも済ませる。
自分の部屋に戻り、再び漫画製作に取り組んだ。
二十二時を過ぎた頃、扉からコンコンとノックの音が聞こえてきた。
扉を開けると、部屋の外には真美さんが立っていた。
「真美さん。どうしたんですか?」
「ごめんなさい。特に用とかじゃないんだけど。和馬君、今日はもう寝るの?」
「えっと、そうですね……そろそろ寝ようと思います」
本当はまだ起きて作業を行う予定であるが、真美さんにはもう寝ると伝えておくことにした。
「そう。私はまだ起きてるけど、和馬君は気にせずゆっくり休んでね」
「分かりました」
「それじゃ、和馬君。おやすみなさい」
「はい。おやすみなさい」
真美さんは部屋の扉を閉めた。
どうやら、おやすみの挨拶を言いに来ただけのようだ。
俺は机に座り、作業を再開することにした。
今日買ったスクリーントーンを使い、枠線からぶれないよう慎重に貼り付ける。
大丈夫だ……完成の目途は付いている。
そう自分に言い聞かせて、作業を進めた。
賞の締め切りまで、少しでもクオリティの高いものに仕上げたい。
「あ、やっべ……もうこんな時間か」
気づけば深夜の時間帯になっていた。
明日は学校がある。授業中に居眠りでもしたら、先生に怒られること間違いなしだ。
今日はここまでにして、明日に備えて寝ることにしよう。
「トイレ……行くか」
気が抜けたら、急に尿意を催してきた。
部屋から出て一階にあるトイレへと向かった。
眠気と疲れのせいか頭がボーっとする。
トイレを済ませると、風呂場から何やら『シャー』という水音が聞こえてくることに気づいた。
俺は好奇心で脱衣所の中に足を踏み入れた。
「こ、これは……」
ランドリーバスケットに白いシルクのパジャマが畳まれた状態で入っており、その上には下着が置かれている。
下着は上下ともに黒を基調としたセクシーなもので、ブラジャーは丼ぶりのように大きい。
花柄レースのパンティは透けてしまいそうなくらい、生地が薄い。
この下着を見て、風呂場にいるのが真美さんであると認識した。
自分の意思とは無関係に、ムクムクと愚息が勃起する。
シャワーの流れる音がピタッと止まり、反射的に俺は脱衣所から出た。
部屋に戻るべきだと僅かに残った理性が告げている。
しかし、俺は誘惑に抗えなかった。
部屋には戻らず扉を少しだけ開けておき、その隙間から脱衣所を覗き込んだ。
息を潜めて風呂場から真美さんが出てくるのを待つ。
心臓はバクン、バクンと激しく鼓動している。
――ガチャッ
風呂場の扉が開く。
「ふ~、気持ち良かったわ……」
絶世の美女の裸体が視界に映る。
興奮のあまり、思わず息を呑んだ。
当然ながら真美さんは一糸纏わぬ姿であり、シミひとつない途轍もなく綺麗な身体をしていた。
おっぱいは
むしゃぶり付きたくなるほど大きな二つの果実は釣鐘のような形で、乳首と乳輪はベージュ色であった。
まるで俺の理想を体現化したかのような妖艶さである。
真美さんは床に置いてあるバスタオルで身体を拭いた。
拭くたびにプルン、プルンと柔らかそうに上下に揺れるおっぱいが実にエロイ。
洗面台の前に移動し、全裸のままドライヤーを使って長い黒髪を乾かし始めた。
俺に覗かれてるともつゆ知らずにリラックスして乾かしていた。
娘である結衣もパイパンなのか、ふと気になった。
俺は全く瞬き一つせずに、真美さんの姿を注視し続けた。
俺の脳は扉の先にある美しき裸体を
「え……!?」
びっくりして、思わず声が漏れてしまった。
幸いなことに真美さんには気づかれていない。
真美さんは何を思ったのか、左手で自分の胸を揉み始めたのである。
ムニュムニュと卑猥に形を変える豊満な胸は見ているだけで柔らかさが伝わってくる。
真美さんは感じているのか、気持ち良さそうにたわわなおっぱいを揉んでいた。
おっぱいはプリンやお餅のように柔らかさそうで、何なら俺が揉んで気持ち良くしてあげたいと思った。
やがて、髪を乾かし終えた真美さんはドライヤーの電源を切り、黒いパンティを手に持つ。
左、右の順に脚を通し、ゆっくりとパンティを穿いた。
続いて真美さんはブラ紐を両腕に通し、ホックを止める。
惜しげも無く曝け出されていたおっぱいは丼ぶりのような大きさのブラジャーに仕舞い込まれた。
全裸姿の真美さんもエッチであったが、下着姿もまた扇情的である。
素晴らしいものを見れて大満足した俺は真美さんにバレないようにゆっくりと扉のドアを閉め、自分の部屋に戻った。