どきなさい!私は「お姉ちゃん」よッ!!Another 作:とろねぎ
(R-18展開は)ないです。
作者が重度の妄想を書き流す怪文書だと思っていただければ...
三週間後
「...ほー...」
「え、ちょっと何よその反応。怖いんだけど。」
個室でギョクソウと対面しているワルファリンは、呆れと困惑が混じった顔で嬉しそうに言った。
「おめでた、じゃな。」
「...」
「...?おい?」
「本当...?」
「嘘ついてもどうもならんわ。ともかく、もう貴様の体は一人のものじゃないのを自覚することじゃな。」
「...自覚ってあんまり無いものなのね。」
「最初なんてそんなもんじゃろ。それと、正確にはお主の体は二人の体じゃ。」
「...双子?」
「うむ。」
「うわぉ...なんか、あなたには迷惑かけてばっかだったわね...」
「...すうーっ...まっっったくじゃぁぁっ!!」
「耳痛い...急に怒らないでよ...更年期?ところで、一つ聞きたいのだけど...どうしたの?その顔...」
「ケルシーにバレてボコボコにされた。」
「あっ...」
「そして、今この部屋の前にいる。」
「あまり余計なことは話すものでは無いぞ。ワルファリン。」
「「アッ...」」
さらに二ヶ月後
「...てことで身篭ったわ。ドクター」
「えっ?おぉ、おめでとう。相手は聞いていい?」
「リサ。」
「なんて?」
「リサ。」
「...よし!じゃあ妊婦を作戦に投入する訳にはいかないから、しばらく私の秘書お願いね!」
「(聞かなかったことにしたなこいつ。)」
「あ、さすがに出産近くになって来たら強制で休みね。」
「...ありがとう。」
さらに三ヶ月後
「ドっクター!なんか面白いもんが見れるらしいじゃねぇか!私にも見せろ!」
「なんでおれまで...」
静かに作業していたドクターとギョクソウが突然の来訪者に驚く。
一人は赤い歳、一人は龍のどこか胡散臭い男。
「ニェンちゃんにリーさん、どうしたの。」
「おー!マジで孕んでんだな!」
「それはぁ...ちとデリカシーが無さすぎやしませんかねぇ?」
「なあなあ!産まれたら、私の事お姉ちゃんって呼ぶようにしろよ!」
「するわけ...いやどうだろう。えぇい、お腹ポンポンしないでちょうだい!?」
「...なんかすいません、ドクター」
「いいんじゃない?賑やかで」
「赤ん坊が変なこと覚えそうで怖いですねえ...」
「はは、リー...煙草吸ってないんだ。」
「知り合いに妊婦が居て煙草吸うバカがどこにいるんですかい?」
「わぁおイケメン。」
さらに三ヶ月後
空気を入れられた風船のように膨らんだ腹を抱えて、ギョクソウは白い清潔な部屋でベッドに寝ていた。
近くなってきたということもあって、今から二ヶ月弱程度前からこのロドス内の病室に移動させられていた。
「...暇。おっかしいわねぇ、前だったら二年、三年ぐらいならあっという間だったのに...半年ちょっとってこんなに長かったかしら...」
扉がゆっくりと開けられ音に耳がぴくっと反応した。
「お姉ちゃんっ!」
「いらっしゃい。もう少しよ、もう少しであなたと私の赤ちゃんにご対面できるわよ。」
「その...怖くないの?」
「え?」
「赤ちゃん産むのって、すごい痛いって聞いたの。だから...」
「あはは、私の場合双子ちゃんだしねぇ。まあ大変でしょうね。」
「...」
それでも暗い顔をしているスズランの手を取って、膨らんだお腹に当てる。
「酷い顔よ?いつものリサはどこいっちゃったのかしら。」
「...」
「もっと触って。」
触れていると、こつん、とお腹の中から小さな、軽い衝撃が伝わった。
「あ...お腹、蹴った...」
「この子達がまあなかなかに元気なのよ。誰に似たんだか。」
「...ありがとう。」
「?いきなりどうしちゃっ...あがっ!?」
「!?」
数時間後
様子が急変したギョクソウだったが、咄嗟にスズランがナースコールを押して、現在ギョクソウの病室は閉鎖状態になっている。
挙動不審で落ち着かないスズランの隣にパゼオンカも来ていた。
「...スズランさん、もう少し落ち着いてくださいまし。いえ、心配なのは痛いほど分かりますが...あの人ですわよ?」
病室の扉が開いて中からワルファリンが出てきた、
「...妾、オペレーターなのに、なぜ分娩の手伝いを...あぁスズラン。無事に終わったぞ。ほれ、入れ入れ。」
パゼオンカを置いてけぼりにして入ると、ギョクソウが二人の赤ん坊を抱えて笑っていた。
「あ、リサにアヴドーチャ!めっっちゃ痛かった!なんなら途中痛すぎて笑ってたわ!」
「本気で言っております?」
「大マジ。リサ、赤ちゃん抱っこする?男の子と女の子よ。」
「...うんっ!」
クリーム色の耳が生えた子供と、銀色の耳が生えた子供を一人ずつ抱いて、スズランは笑った。
■年後
ロドス艦内には、子供の保育・教育施設もさすがにしっかりとした学校ほどでは無いが、存在する。
一般的には小学校と呼ばれる所で、二人のヴァルポの子供が他の子供たちに囲まれていた。
「ねーねー、ウカくんとミタマちゃんのお母さんって、なんで二人いるのー?」
間伸びした子供らしい声で質問が飛ぶ。
「分かんない...ミタマは知ってる?」
「いいえ、ギョク母さんに聞いても誤魔化されたわ。」
「ええー?」
「それにさ!もう一人のお母さんってすっごく若いし!」
まだまだ質問は終わらないようだった。
「スズ母さんのこと言ってるのかしら?」
「たぶん...?」
「なんでこっちに聞くのよ。私も分かってないわ。」
「なんかさ、不思議な家族だね!」
「「...はあ〜...」」
周りの子供からの質問と突然の不思議認定にため息をついた。
すると突然、二人にとって極めて聞きなれた声が聞こえる。
「ウカ、ミタマー!迎えに来たわよ!」
「わー!白い方のお母さんだぁ!」
「えっなになになに!?」
「今日は黄色いお母さんと一緒じゃないのー?」
「シーロモップ!シーロモップ!」
「この前のクッキーの作り方教えてー!」
「どうしてウカくんとミタマちゃんのお母さん二人なの!?」
「何歳なのー?」
あっという間に同級生たちに群がられた白い方の母親を呆れながら二人は眺めていた。
「多いって!あ、ちょ、助けて二人とも!」
「「(さすがに無理だよ...)」」
「リサは今イナホちゃんのお迎え!クッキー?...これレシピ、はいどうぞ!」
それでも少しづつ対処し始めた。
「あなたよりは年上で、お母さんは実はお父さん!これでいい!?」
「またあの言い訳してる...」
「そんなの信じるわけないじゃない。しかもスズ母さんはギョク母さんのことお姉ちゃん呼びだし...」
「どうなってるんだろ...ほんとに。」
「あと誰だシロモップって言ったやつ!尻尾に取り込んで誘拐してやろうか!?」
「お姉ちゃん、すごい他の子に懐かれてたんだね。」
「「...?スズ母さん!?」」
「イナホちゃんも一緒だよ。二人とも」
「おにーちゃ!おねーちゃ!」
黄色の髪に、薄らと銀のメッシュが入っている子供は兄と姉を見て笑った。
「お姉ちゃん!先に行ってるねー!」
「嘘ぉ!?私も一緒がいいんだけどー!」
小さい子のようなことを言い出すギョクソウに少しだけ笑いかけて、スズランは二人と一緒に部屋を出ていった。
ウカとミタマの二人は終始困惑していたが、子供たちに囲まれているギョクソウに手を振ってスズランの後を付いて行った。
やたらと騒がしい白い方の母親と、親と言うには些か若すぎる母親という奇妙な家族だったが、三人の子供は間違いなく幸せだった。
後書き
約3000字に渡る妄想を書かせて頂きました。一応子供たちと二人の現状について垂れ流しましょうかね。
ギョクソウ...子供が可愛くてしょうがない。でも叱る時はちゃんと叱ってるし、割と厳しめだから舐められてはいない。変わらずオペレーターもしており、前よりも作業効率が増した。
最近の悩みはスズランが四人目を欲しがり始めたこと。昨夜夜這いされかけた。
スズラン...年月が経って成長したがまだ子供な部分もある。実際に子供を産んだら母性が爆発した。ギョクソウが厳しくしてくれるから思い切り甘やかせる。ギョクソウが『お母さんがお父さん』と言い訳する度に内心ドキドキしてる。
最近の悩みは家族で外を歩いているとギョクソウがよく職質されること。
ウカ...ギョクソウが産んだ双子の男の子
髪色はスズランよりで、性格も大人しめ。片割れとギョクソウに振り回されることが多い不憫枠。
右の二の腕に小さく源石結晶が小さく出ている。
青い炎を操るアーツが使える。
最近の悩みはアーツ制御が上手くいかないこと。ギョクソウの尻尾を焦がした。
ミタマ...ギョクソウが産んだ双子の女の子
髪色はギョクソウよりで、性格も活発。ギョクソウと一緒にスズランに甘えに行く姿をよく見られる。
左の太ももに小さな源石結晶が出ている。
近くにいると再生力が高まる炎を出すアーツが使える。
最近の悩みはスズランに甘やかされまくってダメになるかもしれないと思ってること。実際はそんなことない訳だが。
イナホ...スズランが産んだ女の子
髪色はスズラン7:ギョクソウ3と言った具合。スズランの尻尾の中に隠れて、焦ったスズランが探し回っているのをよく見る。お兄ちゃんお姉ちゃん大好きっ子。
鎖骨の間ぐらいに少し小さい源石結晶が出ている。
炎で出来た動物を操るアーツが使える。
最近の悩みはウカとミタマがなかなか構ってくれないこと。ぐずっていても二人が来たらすぐ笑顔になる。
妄想終わり!
ちなみに子供は全員尻尾が三本です。
なんか書いててすごい楽しかった...まじ燃え尽きた...
あ、これでもうこのシリーズ書かないとかじゃないですからね?アイデアが湧いたら心に従って書きますからね?